JP2005191154A - キャパシタ及びその製造方法、並びに半導体装置 - Google Patents

キャパシタ及びその製造方法、並びに半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高誘電率の誘電体膜を有することでこれを備える装置の小型化を可能にしたキャパシタ及びその製造方法と、このようなキャパシタを備えた半導体装置とを提供する。
【解決手段】 本発明のキャパシタは、誘電体膜3を第1電極2と第2電極4との間に挟んだ構造を有しており、前記誘電体膜3が、BiFeOからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含む構成とされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、キャパシタ及びその製造方法、並びに半導体装置に関するものである。
半導体装置においては、その構成素子として種々のキャパシタが用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。例えば、半導体装置における発振回路や電源回路等には、オペアンプ発振防止用、安定化用、平滑用、昇圧回路用などの目的でキャパシタが用いられている。このようなキャパシタとしては、これを回路内部に作製する内付けの場合、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸化窒化シリコン膜等の誘電体膜を、シリコン、金属、あるいは窒化チタン、窒化アルミ等からなる上下電極膜の間に挟んだ構造が多く採用されている。また、回路等に対して外付けで用いるものとしては、チタン酸バリウム等のセラミックス製の誘電体膜を備えた積層コンデンサ等のキャパシタが知られている。
尚、このようなキャパシタを作製するにあたり、特にその誘電体膜を形成するには、通常、スパッタ法やCVD法、レーザーアブレーション法等が用いられている。
ところで、キャパシタの容量は、誘電体膜の誘電率、面積に比例し、厚さに反比例する。従って、回路内部に内付けで小型、高容量のキャパシタを形成したい場合には、リーク電流の観点から誘電体膜を誘電率の高い材料によって形成することにより、高容量化を図ることが望まれている。一方、外付けのキャパシタの場合には、組立コストを下げ、歩留まりを上げたいとの要望があり、薄膜で容易に作製できることが望まれている。
このような背景から、キャパシタの誘電体膜の誘電率については、その面積と膜厚とを考慮すると、内部回路の場合には300以上、外付けの場合には1000以上であるのが好ましいとされている。
特開平7−226485号公報 特開平9−139480号公報 特開平5−82801号公報 特開平5−47587号公報
しかしながら、前記の回路内部に作製するキャパシタでは、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜あるいは酸化窒化シリコン膜などを誘電体膜として用いているが、これら誘電体膜はその誘電率が10以下と低く、従って容量を上げるためには面積を増やす等の必要がある。このようにキャパシタの面積を増やすと、回路におけるキャパシタの占有面積が大きくなってしまい、回路の小型化が妨げられてしまう。
誘電率の高い材料としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PbTiO)やチタン酸バリウム(BaTiO)等の強誘電体材料が知られている。このような強誘電体材料からなる誘電体膜を形成するにあたっては、同じ半導体装置内に設けられている他の半導体素子や配線等への影響から、その成膜温度を450℃以下にする必要がある。しかしながら、このような低温では結晶化が起こりにくく、従って得られた誘電体膜は、酸化シリコン膜等に比べれば高い誘電率を有するものとなるものの、所望する高誘電率を有するまでには至らない。また、周波数や温度変化に対する誘電率の変化が大きく、このため酸化シリコン膜等に比べても劣ったものとなってしまう。
一方、チタン酸バリウム等のセラミックスからなるキャパシタを外付けで形成する場合では、キャパシタ自体のコストは低くなるものの、外付けするときの位置合わせや他の素子とのボンディングなどの組立コストがかかってしまい、また歩留まり等の問題もあることから、十分な低コスト化が達成されるまでには至っていない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高誘電率の誘電体膜を有することでこれを備える装置の小型化を可能にしたキャパシタと、このキャパシタを低コストで製造することのできるキャパシタの製造方法と、このようなキャパシタを備えた半導体装置とを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために、誘電体膜を第1電極と第2電極との間に挟んだ構造を有するキャパシタであって、前記誘電体膜が、BiFeOからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含むことを特徴とするキャパシタを提供する。
この構成によれば、高誘電率を有していながら、電圧に対する分極量のヒステリシスが生じない誘電体膜を備えたキャパシタが得られる。従って、小型高容量化を実現でき、かつエネルギー損失が少なく、また挙動制御性にも優れたキャパシタとすることができ、これを備える装置の小型化が容易になる。
また本発明は、上記課題を解決するために、誘電体膜を第1電極と第2電極との間に挟んだ構造を有するキャパシタであって、前記誘電体膜が、Pb(Zr,Ti)Oからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含むことを特徴とするキャパシタを提供する。この構成によっても、高誘電率を有していながら、電圧に対する分極量のヒステリシスが生じない誘電体膜を備えたキャパシタが得られる。従って、小型高容量化を実現でき、かつエネルギー損失が少なく、また挙動制御性にも優れたキャパシタとすることができ、これを備える装置の小型化が容易になる。尚、本構成における第1金属酸化物は、より詳細には、Pb(ZrTi1−x)Oなる組成において係数xが0≦x≦1なる範囲にあるものである。
本発明のキャパシタでは、前記第2金属酸化物の含有量が、40モル%以下であることが好ましい。また本発明のキャパシタでは、前記第2金属酸化物の含有量が、30モル%以下であること我より好ましい。
本発明に係るキャパシタでは、前記第2金属酸化物の含有量が多くなるほど誘電率が低下する傾向になる(実施例参照)。第2金属酸化物の含有量が40モル%を超える場合、上記に挙げたSrTiO、CaTiO、La、Yのいずれにおいても400未満の誘電率となる。また第2金属酸化物の含有量が30モル%以下であれば第2金属酸化物の種類によらず400以上の高誘電率を得ることができる。
本発明のキャパシタでは、前記第1電極上に形成された誘電体膜が、擬立方晶で主に(100)配向していることが好ましい。この構成によれば、誘電体膜の主成分を成すBiFeO、Pb(Zr,Ti)Oの結晶構造における分極軸方向が、誘電体膜の膜厚方向に対して略45°傾いた方向となり、より高い誘電率を得られるようになる。
本発明のキャパシタでは、前記第1電極が、ペロブスカイト型の金属酸化物を主成分としてなることが好ましい。この構成によれば、第1電極上に形成される誘電体膜の結晶性をより良好なものとすることができ、高誘電率の誘電体膜を得られる。
本発明のキャパシタでは、前記ペロブスカイト型の金属酸化物が、(100)配向で前記第1電極に対してのエピタキシャル膜であることが好ましい。この構成によれば、第1電極上に形成する誘電体膜を良好にエピタキシャル成長させることができ、誘電体膜のさらなる高誘電率化を実現できる。
本発明のキャパシタでは、前記第1電極が、SrRuO、Nb−SrTiO、La−SrTiO、(La,Sr)CoOのうちから選択された少なくとも一種からなることが好ましい。これらの金属酸化物からなる第1電極を用いることで高誘電率の誘電体膜を得ることができ、もってキャパシタの小型高容量化を実現できる。
次に、本発明は、誘電体膜を第1電極との第2電極との間に挟んだ構造を有するキャパシタの製造方法であって、第1電極をイオンビームアシスト法を用いて形成する工程と、前記第1電極上に、BiFeO又はPb(Zr,Ti)Oからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含む誘電体膜を形成する工程とを含むことを特徴とするキャパシタの製造方法を提供する。
この製造方法によれば、イオンビームアシスト法を用いて第1電極を形成することで、第1電極上に形成される誘電体膜の結晶性を高めることが可能になり、もって高誘電率の誘電体膜を備えた小型高容量のキャパシタを製造することができる。また、誘電体膜がBiFeO又はPb(Zr,Ti)Oからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含むものであるので、高誘電率を有し、かつ電圧に対する分極量のヒステリシスが生じない、高効率で挙動制御性に優れた誘電体膜となる。
また、上記第1電極を形成する工程には、前記基体上に、イオンビームアシスト法を用いてバッファ層を形成する工程と、該バッファ層上に第1電極を形成する工程とを含むことができる。すなわち、このような製造方法とすることで、基体表面が薄膜のエピタキシャル成長に不向きな酸化シリコン膜や有機絶縁膜からなるものである場合にも、第1電極を良好にエピタキシャル成長させることが可能になり、もって第1電極上に形成される誘電体膜の結晶性も良好なものとすることができる。その結果、高誘電率の誘電体膜が得られ、小型高容量のキャパシタを製造することができる。
本発明のキャパシタの製造方法では、前記誘電体膜を形成する工程が、前記第1金属酸化物の前駆体化合物と、第2金属酸化物の前駆体化合物とを含む液状体を、前記第1電極上に配する工程と、前記液状体を熱処理する工程とを含む製造方法とすることができる。この製造方法によれば、基体上に配した液状体を熱処理して所望の組成を有した誘電体膜を形成するので、成膜時の加熱温度を比較的低温にすることができ、基体上に既設の半導体素子や配線等への熱的影響を少なくできる。
本発明のキャパシタの製造方法では、前記第1電極上に液状体を配するに際して、液滴吐出法を用いることもできる。この製造方法によれば、基体上の所定位置に必要量のみの液状体を配することができ、真空成膜装置等の大掛かりな装置を用いることなく誘電体膜をパターン形成することができ、かつ材料の使用効率を高めることができる。
次に、本発明の半導体装置は、先に記載の本発明のキャパシタ、あるいは先に記載の本発明に係る製造方法により得られたキャパシタを備えたことを特徴としている。
この構成によれば、高誘電率の誘電体膜を有したことで小型化されたキャパシタを備えたことにより、容易に小型化、高集積化を実現できる半導体装置を提供することができる。また特に前記誘電体膜が液滴吐出法を用いて形成されたものであるならば、製造コストの低減も実現することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明のキャパシタの一実施形態を示す図であり、図1中符号1はキャパシタである。このキャパシタ1は、例えば図2に示す本発明の半導体装置の一実施形態となる半導体装置50において、従来の回路内部キャパシタに置き換えられるキャパシタ1aとして、さらに回路に対して外付けのキャパシタに置き換えられるキャパシタ1bとして用いられるものである。
ここで、半導体装置50には、基板51上にCMOSトランジスタなどの各種トランジスタやメモリ素子が形成されており、また、これらの間や前記キャパシタ1a、1bとの間を電気的に接続する各種配線やプラグ等が、層間絶縁膜上あるいは層間絶縁膜中に形成されている。尚、キャパシタ1a、1bが形成される下地となる層間絶縁膜52までを、本発明においては基体53と称している。また、図示しないものの、キャパシタ1a、1bの上には保護層や配線等が形成され、さらにこれらを覆って絶縁層が形成されている。
キャパシタ1a、1bとして用いられるキャパシタ1は、図1に示したように、例えばポリイミドからなる層間絶縁膜52上(基体53上)に形成されたもので、層間絶縁膜52上に形成された第1電極2と、第1電極2上に形成された誘電体膜3と、誘電体膜3上に形成された第2電極4とからなるものである。すなわち、このキャパシタ1は、第1電極2と第2電極4との間に誘電体膜3を挟んだ構造のもので、第1電極2には層間絶縁膜52中に形成された埋め込み配線5が接続されており、第2電極4にはさらに別の配線(図示せず)が接続されている。
第1電極2、第2電極4には、白金、イリジウム(又は酸化イリジウム)、ルテニウム、金、銀等の金属材料や、ペロブスカイト型の金属酸化物を用いることができる。特に、ペロブスカイト型の金属酸化物を第1電極2に用いるならば、その上に形成される誘電体膜3の結晶性を高め、より高い誘電率を得ることができる。また、これらの電極は、上記に挙げた金属材料の微粒子を焼結してなる金属焼結体によって形成されたものとすることもできる。ペロブスカイト型の金属酸化物を用いた例については後段にて詳述する。
誘電体膜3は、BiFeOからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含む構成、あるいは、Pb(Zr,Ti)Oからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含む構成とされる。係る誘電体膜3において、第2金属酸化物の含有量は、40モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましい。第2金属酸化物の含有量が40モル%を超える場合、第2金属酸化物の種類にもよるが、本来の高い誘電率を得られなくなり、誘電体膜3にBiFeOやPb(Zr,Ti)Oを用いる利点が得られなくなる。より高い誘電率を得る上では第2金属酸化物の含有量は30モル%とするのがよい。
また、主成分を成す第1金属酸化物の強誘電性を抑えて残留分極を小さくするために、上記第2金属酸化物の含有量は5モル%以上とすることが好ましい。第2金属酸化物の含有量が5モル%未満の場合、分極量の電圧特性におけるヒステリシスが生じ易くなり、キャパシタの挙動を制御し難くなる。
この誘電体膜3は、上記したように、高誘電率の第1金属酸化物(BiFeO又はPb(Zr,Ti)O)と、第2酸化物とを含むものとされていることで、例えば酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは酸化窒化シリコン膜等の誘電体膜に比べて特に高い誘電率を呈するものとなっており、これにより従来に比して高容量のキャパシタを実現することができ、同容量であれば小型化が可能である。また、強誘電体であるBiFeO、Pb(Zr,Ti)Oは、高誘電率であるが分極量の電圧特性においてヒステリシスを有するためにキャパシタを構成した場合には挙動制御が困難であり、またエネルギー損失も大きくなるが、本実施形態に係る誘電体膜3では、先の第2金属酸化物を含有させることで常誘電体として振る舞わせることが可能になっており、高誘電率を維持しつつ挙動制御性、及びエネルギー効率の点でも優れた誘電体膜となっている。
ここで、本発明において前記の主成分とは、誘電体膜3の成分として、第2金属酸化物以外の成分もある程度入ることを許容するとともに、第1金属酸化物が全体の50モル%以上を占めていることを意味している。
また本実施形態に係る誘電体膜3では、主成分である第1金属酸化物が、誘電体膜3の膜厚方向(電極2,4の法線方向)と交差する向きの分極軸を有して配向していることが好ましい。具体的には、BiFeO、Pb(ZrTi1−x)Oが、擬立方晶の(100)配向であることが好ましい。この場合、第1金属酸化物はロンボヘドラル構造となるので、Pb(ZrTi1−x)Oにおける係数xは0.52以上1.0以下である。このような構成とすることにより、本実施形態に係る誘電体膜3において高い誘電率が得られるようになり、もって本発明に係るキャパシタを組み込んだ回路の設計が容易になるとともに、その小型化、高性能化が容易なものとなる。
ここで、図3は、本実施形態に係るキャパシタ1の第1電極2に、ペロブスカイト型の金属酸化物を用いるとともに、第1電極2が層間絶縁膜52上にバッファ層6を介して形成されている構成を示す断面構成図である。第1電極2に金属酸化物からなる電極を用いることで、直上に形成される誘電体膜3の結晶性を高め、より高い誘電率を得ることができるとともに、誘電体膜3の厚さ方向における分極軸の発現を効果的に抑制し、エネルギー損失を生じ難くすることができる。
第1電極2を構成するペロブスカイト型の金属酸化物としては、SrRuO、Nb−SrTiO、La−SrTiO、(La,Sr)CoOのうちから選択された少なくとも一種が好適に用いられる。ここで、Nb−SrTiOはSrTiOにNbをドープしたものであり、La−SrTiOはSrTiOにLaをドープしたものである。これらの金属酸化物は、導電性や化学的安定性に優れているため、これらから形成される第1電極2も導電性や化学的安定性に優れたものとなる。特に、SrRuOを用いた場合に、誘電体膜3を構成するBiFeO、ないしPb(Zr,Ti)Oが良好に結晶成長することが本発明者らにより確認されている。
上述したように、半導体装置に実装するキャパシタにおいては、下側の第1電極2が形成される層間絶縁膜52の表面は、必ずしも結晶成長に都合の良い配向面を有するものではないため、誘電体膜3の結晶性を高めるべく第1電極2を金属酸化物により構成する場合、任意の表面上で第1電極2が良好な結晶性を有して形成されていることが好ましい。そこで、上記第1電極2の配向制御を行うべく、第1電極2の下側(基体側)に、バッファ層6を設けることが好ましい。このバッファ層6は、キャパシタのそれぞれについて設けられていてもよく、同層に形成される複数のキャパシタで単一のバッファ層を共有する構成としてもよい。
上記バッファ層6としては、単一配向している(厚さ方向にのみ配向方位が揃っている)ものであればよいが、さらに面内配向している(三次元方向の全てに配向方位が揃っている)ものであるのが好ましい。このようなバッファ層6を設けることにより、層間絶縁膜52と第1電極2との間で、優れた接合性(密着性)を得ることもできるからである。
また、このバッファ層6は、NaCl構造の金属酸化物、蛍石型構造の金属酸化物、ペロブスカイト構造の金属酸化物等のうちの少なくとも1種を含むものが好ましく、特に、NaCl構造の金属酸化物又は蛍石型構造の金属酸化物からなる層と、ペロブスカイト構造の金属酸化物からなる層とが積層された構造となっているの好ましい。NaCl構造の金属酸化物や蛍石型構造の金属酸化物は、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物との格子不整合が小さいので、第1電極2として特にペロブスカイト構造のものを形成する場合に、その下地となるペロブスカイト構造の層を形成するうえで有利となるからである。
以上の理由により、第1電極2のバッファ層7としては、例えば、層間絶縁膜52側から順に、NaCl構造の金属酸化物又は蛍石型構造の金属酸化物からなる第1バッファ層7及び第2バッファ層8と、この第2バッファ層8の上に形成されたペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる第3バッファ層9とが積層された構成とすることができる。
層間絶縁膜52上に形成される第1バッファ層7は、立方晶(100)配向のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)等からなり、厚さが例えば100nm程度に形成されたものが適用できる。ただし、安定化ジルコニアとしては、Zr1−xLn(但し、0≦x≦1.0、Ln;Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)なる式で表されるものを任意に用いることができる。
ここで、この第1バッファ層7は、前記層間絶縁膜52上に直接形成されるものであるが、先に記載のように層間絶縁膜52は、有機絶縁材料や酸化シリコン等により形成されるため、層間絶縁膜52上にYSZをエピタキシャル成長させることは一般的な成膜法では難しい。そこで、イオンビームアシスト法を用いてエピタキシャル成長させることにより、この第1バッファ層7を形成するものとするならば、この第1バッファ層7上に形成される第2バッファ層8の結晶性をさらに高めることが可能である。本発明におけるイオンビームアシスト法とは、レーザーアブレーション法やスパッタ法等による成膜中に、基材表面に対して不活性イオン(Ar,He,Ne,Xe,Kr等のイオン)、あるいは不活性イオンと酸素イオンとの混合イオンをビーム照射する成膜方法である。
次に、第2バッファ層8は、立方晶(100)配向のCeOからなるものが適用でき、前記第1バッファ層7上に厚さが例えば100nm程度にエピタキシャル成長したものを用いるのがよい。
尚、これら第1バッファ層7及び第2バッファ層8としては、上に挙げたYSZやCeOに限定されることなく、任意のNaCl構造の金属酸化物や蛍石型構造の金属酸化物を用いることができる。NaCl構造の金属酸化物としては、例えばMgO、CaO、SrO、BaO、MnO、FeO、CoO、NiO、またはこれらを含む固溶体等が挙げられるが、これらの中でも、特に、MgO、CaO、SrO、BaO、または、これらを含む固溶体のうちの少なくとも1種を用いるのが好ましい。このようなNaCl構造の金属酸化物は、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物との格子不整合が特に小さいものとなる。尚、YSZに代えてMgOを用いた場合、この第1バッファ層7の厚さは例えば20nm程度とする。
一方、蛍石型構造の金属酸化物としては、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、CeO、ZrO、ThO、UO、またはこれらを含む固溶体等が挙げられるが、これらの中でも、YSZ、CeO、ZrO、またはこれらを含む固溶体のうちの少なくとも1種を用いるのが好ましい。このような蛍石型構造の金属酸化物も、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物との格子不整合が特に小さいものとなる。
第3バッファ層9は、層状ペロブスカイト型酸化物であるYBaCu(xは例えば7)により形成することができ、第2バッファ層8上に厚さが例えば30nm程度にエピタキシャル成長(斜方晶(001)配向)させたものを用いることができる。このようにペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなるものとされたことで、第3バッファ層9は、前述したように第2バッファ層8との間で格子不整合が特に小さいものとなる。従って、欠陥等がない良好な結晶構造を有するものとなるとともに、この第3バッファ層9上に、ペロブスカイト型の第1電極2を良好にエピタキシャル成長させることができるものとなっている。
尚、第3バッファ層9としては、YBaCuに限定されることなく、他のペロブスカイト型金属酸化物を用いることもできる。例えば、CaRuO、SrRuO、BaRuO、SrVO、(La,Sr)MnO、(La,Sr)CrO、(La,Sr)CoO、または、これらを含む固溶体等を用いることもできる。
(キャパシタの製造方法)
次に、本発明のキャパシタの製造方法の実施の形態について図4ないし図8を参照しつつ説明する。以下では、まず、製造方法の第1実施形態として、図4(c)に示すような第1電極2がバッファ層を介して基材52上に形成された構成のキャパシタの製造方法について説明し、続いて第2実施形態として、液相法(特に液滴吐出法)を用いたキャパシタの製造方法について説明する。
[製造方法の第1実施形態]
まず、第1の実施形態として、気相法を用いて図3に示した構成のキャパシタを製造する方法について図4及び図5に示す断面工程図を参照して説明する。
まず、層間絶縁膜52までが形成された基体53を用意するとともに、真空成膜装置内に設置する。この真空成膜装置としては、例えば公知のレーザーアブレーション成膜装置、スパッタ装置を用いることができる。真空成膜装置内には、基体53に対向して前記バッファ層7,8,9の構成元素を含む各ターゲット、及び第1電極2、誘電体膜3、第2電極4の構成元素を含む各ターゲットを所定距離離間して配置しておく。ここで、各ターゲットとしては、目的とする第1バッファ層7、第2バッファ層8、第3バッファ層9、第1電極2、誘電体膜3、第2電極4の各組成と同一または近似した組成のものがそれぞれ好適に用いられる。
すなわち、第1バッファ層7用のターゲットとしては、所望のYSZ組成またはこれに近似の組成のものを用い、第2バッファ層8用のターゲットとしては、所望のCeO組成またはこれに近似の組成のものを用い、第3バッファ層9用のターゲットとしては、所望のYBaCu組成またはこれに近似の組成のものを用いる。また、第1電極2および第2電極4のターゲットとしては、それぞれSrRuO組成またはこれに近似の組成のものを用い、誘電体膜3用のターゲットとしては、所望のBiFeO組成、Pb(Zr,Ti)Oまたはこれらに近似の組成のものを用いる。
次いで、前述したようにイオンビームアシスト法を用いて、図4(a)に示すように基体2上に第1バッファ層7を直接形成する。すなわち、レーザー光を第1バッファ層7用のターゲットに照射し、このターゲットから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出すレーザーアブレーション法により、プルームを発生させる。すると、このプルームは層間絶縁膜52上に向けて出射し、その表面に接触するようになる。またこれとほぼ同時に、層間絶縁膜52の表面に対して、イオンビームを後述する所定角度で照射(入射)し、イオンビームアシストを行う。すると、層間絶縁膜52は酸化シリコン膜や有機絶縁膜からなるにもかかわらず、該層間絶縁膜52上に、立方晶(100)配向のYSZがエピタキシャル成長によって形成される。
なお、前記YSZの構成原子をターゲットから叩き出す方法としては、前述したようにレーザー光をターゲット表面に照射する方法の他、例えば、アルゴンガス(不活性ガス)プラズマや電子線等をターゲット表面に照射(入射)する方法を用いることもできる。ただし、これらの中では、レーザー光をターゲット表面に照射する方法が最も好ましい。このような方法によれば、レーザー光の入射窓を備えた簡易な構成の真空成膜装置を用いることにより、原子をターゲットから容易にかつ確実に叩き出すことができる。
このターゲットに照射するレーザー光としては、波長が150〜300nm程度、パルス長が1〜100ns程度のパルス光が好適に用いられる。具体的には、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、XeClエキシマレーザー等のエキシマレーザー、さらにYAGレーザー、YVOレーザー、COレーザーなどが挙げられる。これらの中でも、特にArFエキシマレーザーまたはKrFエキシマレーザーが好適とされる。ArFエキシマレーザーおよびKrFエキシマレーザーは、いずれも取り扱いが容易であり、また、より効率よく原子をターゲットから叩き出すことができる。
一方、層間絶縁膜52の表面にイオンビームアシストとして照射するイオンビームについては、特に限定されないものの、例えばアルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトンのような不活性ガスのうちの少なくとも1種のイオン、または、これらのイオンと酸素イオンとの混合イオン等が好適に用いられる。このイオンビームのイオン源としては、例えば、Kauffmanイオン源等を用いるのが好ましい。このイオン源を用いることにより、イオンビームを比較的容易に生成することができる。
また、層間絶縁膜52表面に対するイオンビームの照射(入射)角度、すなわち前記の所定角度としては、特に限定されないものの、層間絶縁膜52の表面に対して35〜65°程度傾斜した角度とするのが好ましい。特に、NaCl構造の金属酸化物を主材料として第1バッファ層7を形成する場合には、前記照射角度を42〜47°程度、また、蛍石型構造の金属酸化物を主材料として第1バッファ層7を形成する場合には、前記照射角度を52〜57°程度とするのがより好ましい。なお、本実施形態では、蛍石型構造の金属酸化物であるYSZによって第1バッファ層7を形成するので、前記照射角度を52〜57°程度、特に55°程度としている。このような照射角度でイオンビームを層間絶縁膜52表面に照射することにより、立方晶(100)配向の第1バッファ層7を良好に形成することができる。
また、ターゲットに対してはアルゴン等のイオンを(111)方向から入射させつつ、レーザーアブレーションを行うようにする。ただし、MgO等のNaCl構造の金属酸化物によって第1バッファ層7を形成する場合には、そのターゲットに対し、アルゴン等のイオンを(110)方向で入射させつつ、レーザーアブレーションを行うようにする。
また、このような第1バッファ層7の形成における各条件については、第1バッファ層7がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることなく、例えば次のような条件を採用することができる。
レーザー光の周波数は、30Hz以下とするのが好ましく、15Hz以下とするのがより好ましい。レーザー光のエネルギー密度は、0.5J/cm以上とするのが好ましく、2J/cm以上とするのがより好ましい。イオンビームの加速電圧は、100〜300V程度とするのが好ましく、150〜250V程度とするのがより好ましい。また、イオンビームの照射量は、1〜30mA程度とするのが好ましく、5〜15mA程度とするのがより好ましい。成膜時の基体温度は、0〜50℃程度とするのが好ましく、室温(5〜30℃)程度とするのがより好ましい。また、ターゲット−基体間の距離(T−S)は、60mm以下とするのが好ましく、45mm以下とするのがより好ましい。真空装置内の圧力は、133×10−1Pa(1×10−1Torr)以下とするのが好ましく、133×10−3Pa(1×10−3Torr)以下とするのがより好ましい。真空成膜装置内の雰囲気は、不活性ガスと酸素との混合比を、体積比で300:1〜10:1程度とするのが好ましく、150:1〜50:1程度とするのがより好ましい。第1バッファ層7の形成条件をそれぞれ前記範囲とすれば、第1バッファ層7を良好にエピタキシャル成長させることができる。
また、このとき、レーザー光およびイオンビームの照射時間を適宜設定することにより、第1バッファ層7の平均厚さを前記厚さ、すなわち1μm程度に調整することができる。このレーザー光およびイオンビームの照射時間は、前記各条件によっても異なるものの、通常、200秒以下とするのが好ましく、100秒以下とするのがより好ましい。
このような第1バッファ層7の形成方法によれば、イオンビームの照射角度を調整するイオンビームアシスト法を採用することにより、エピタキシャル成長には不向きな層間絶縁膜52表面に立方晶(100)配向の第1バッファ層7を良好に形成することができる。なお、このように第1バッファ層7の配向方位を精度よく揃えることができるので、必要に応じて、この第1バッファ層7の平均厚さをより小さくすることもできる。
第1バッファ層7を形成したならば、図4(b)に示すように第1バッファ層7上に第2バッファ層8を形成する。第2バッファ層8の形成に際しては、層間絶縁膜上に形成する第1バッファ層7の場合とは異なり、良好な結晶構造を有する第1バッファ層7の上に形成することから、イオンビームアシスト法を用いることなく、単にレーザーアブレーション法を用いて成膜すればよい。すなわち、第1バッファ層7用のターゲットに代えて、所望のCeO組成またはこれに近似の組成の第2バッファ層8用ターゲットを用い、これにレーザー光を照射してこれから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体2上の第1バッファ層7に向けて出射させ接触させることにより、第2バッファ層8を第1バッファ層7上にエピタキシャル成長させる。
尚、第2バッファ層8の形成に際してのレーザーアブレーション法等の成膜条件については、第1バッファ層7形成時の成膜条件と同様とすればよい。
次に、第2バッファ層8上に、図4(c)に示すように第3バッファ層9を形成し、これにより第1バッファ層7、第2バッファ層8、第3バッファ層9からなる3層構造のバッファ層6を得る。第3バッファ層9の形成では、前記第2バッファ層8の場合と同様にレーザーアブレーション法を単独で用いる。すなわち、まず、前記の第2バッファ層8用のターゲットに代えて、所望のYBaCu組成またはこれに近似の組成の第3バッファ層9用ターゲットを用意する。そして、これにレーザー光を照射し、これから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体2上の第2バッファ層8に向けて出射させ接触させることにより、第3バッファ層9をエピタキシャル成長で形成する。
尚、第3バッファ層9の形成に際しては、必要に応じて、前記第1バッファ層7の成膜工程と同様に、イオンビームアシストを用いるようにしてもよい。すなわち、第2バッファ層8の表面にイオンビームを照射しつつ、これの上に第3バッファ層9を形成するようにしてもよい。イオンビームアシストを用いることで、より効率よく第3バッファ層9を形成することができる。
また、第3バッファ層9の形成における各条件については、各種金属原子が、所定の比率(すなわち、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物における組成比)で、第2バッファ層8上に到達し、かつ、第3バッファ層9がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることなく、例えば次のような条件を採用することができる。
レーザー光の周波数は、30Hz以下程度とするのが好ましく、15Hz以下程度とするのがより好ましい。レーザー光のエネルギー密度は、0.5J/cm以上とするのが好ましく、2J/cm以上とするのがより好ましい。成膜時の基体温度は、300〜800℃程度とするのが好ましく、700℃程度とするのがより好ましい。尚、イオンビーム照射を併用する場合には、成膜温度は0〜50℃程度とするのが好ましく、室温(5〜30℃)程度とするのが好ましい。第3バッファ層用ターゲットと基体との距離(T−S)は、60mm以下とするのが好ましく、45mm以下とするのがより好ましい。真空成膜装置内の圧力は、1気圧以下が好ましく、そのうち、酸素分圧については、399×10−3Pa(3×10−3Torr)程度とするのが好ましい。
尚、イオンビームの照射を併用する場合には、真空成膜装置内の圧力を、133×10−1Pa(1×10−1Torr)以下とするのが好ましく、133×10−3Pa(1×10−3Torr)以下とするのがより好ましい。また、この場合、真空成膜装置内の雰囲気としては、不活性ガスと酸素との混合比を、体積比で300:1〜10:1程度とするのが好ましく、150:1〜50:1程度とするのがより好ましい。
第3バッファ層9の成膜条件をそれぞれ前記範囲とすれば、第3バッファ層9を第2バッファ層8上に良好にエピタキシャル成長させることができる。また、このときレーザー光およびイオンビームの照射時間を適宜設定することにより、第3バッファ層9の平均厚さを前記厚さ、すなわち30nm程度に調整することができる。このレーザー光の照射時間は、前記各条件によっても異なるものの、通常、3〜90分程度とするのが好ましく、15〜45分程度とするのがより好ましい。
このようにして第3バッファ層9を形成し、バッファ層6を形成したならば、図5(a)に示すようにこの第3バッファ層9(バッファ層3)上にペロブスカイト型の第1電極2を形成する。この第1電極2は、良好なペロブスカイト型の結晶構造を有する第3バッファ層9の上に形成することから、イオンビームアシスト法を用いることなく、単にレーザーアブレーション法を用いた成膜工程により形成できる。すなわち、前記の第3バッファ層9用のターゲットに代えて、所望のSrRuO組成またはこれに近似の組成の第1電極2用ターゲットを用い、これにレーザー光を照射してこれから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体上の第3バッファ層9に向けて出射させ接触させることにより、第1電極2を第3バッファ層9上にエピタキシャル成長させる。
第1電極4を形成するための各条件については、各種金属原子が、所定の比率(すなわち、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物における組成比)で、第3バッファ層9上に到達し、かつ、第1電極2がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、前記の第3バッファ層9成膜時のレーザーアブレーション法等の条件と同様の条件を採用することができる。
尚、この第1電極2の形成においても、前記第3バッファ層9の形成工程と同様に、必要に応じてイオンビームアシストを用いるようにしてもよい。すなわち、第3バッファ層9の表面にイオンビームを照射しつつ、これの上に第1電極2を形成するようにしてもよい。イオンビームアシストを用いることで、より効率よく第1電極2を形成することができる。
次に、図5(b)に示すように第1電極2上に誘電体膜3を形成する。この誘電体膜3の形成でも、良好なペロブスカイト型結晶構造を有する第1電極2上に形成することから、イオンビームアシスト法を用いることなく、単にレーザーアブレーション法を用いることで、ロンボヘドラル構造で擬立方晶(100)配向のBiFeO(あるいはPb(Zr,Ti)O)からなる誘電体膜3を形成することができる。すなわち、前記の第1電極2用のターゲットに代えて、所望の組成のBiFeO又はPb(Zr,Ti)O、あるいはこれらに近似の組成の誘電体膜3用ターゲットを用い、これにレーザー光を照射してこれから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体2上の第1電極2に向けて出射させ接触させることにより、ロンボヘドラル構造で擬立方晶(100)配向の誘電体膜3をエピタキシャル成長させる。
誘電体膜3を形成するための各条件については、各種金属原子が、所定の比率(すなわち、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物における組成比)で、第1電極2上に到達し、かつ、誘電体膜3がエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、前記の第3バッファ層9や第1電極2形成の際の、レーザーアブレーション法等の条件と同様の条件が採用される。
なお、この誘電体膜3の形成においても、前記第3バッファ層9の形成工程と同様に、必要に応じてイオンビームアシストを用いるようにしてもよい。すなわち、第1電極2の表面にイオンビームを照射しつつ、これの上に誘電体膜3を形成するようにしてもよい。イオンビームアシストを用いることで、より効率よく誘電体膜3を形成することができる。
次いで、図5(c)に示すように誘電体膜3上に第2電極4を形成し、本発明に係るキャパシタ1を得る。この第2電極4の形成でも、先の第1電極2や誘電体膜3の形成のときと同様、良好なペロブスカイト型結晶構造を有する誘電体膜3の上に形成することから、イオンビームアシスト法を用いることなく、単にレーザーアブレーション法を用いることで、擬立方晶(100)配向の良好な第2電極4を形成することができる。すなわち、前記の誘電体膜3用のターゲットに代えて、所望のSrRuO組成またはこれに近似した組成の第2電極4用ターゲットを用い、これにレーザー光を照射してこれから酸素原子および金属原子を含む原子を叩き出し、プルームを発生させる。そして、このプルームを基体上の誘電体膜3に向けて出射させ接触させることにより、擬立方晶(100)配向の第2電極4をエピタキシャル成長で形成する。
第2電極4を形成するための各条件については、各種金属原子が、所定の比率(すなわち、ペロブスカイト構造を有する金属酸化物における組成比)でエピタキシャル成長し得るものであれば特に限定されることはなく、例えば、前記の第3バッファ層9や第1電極2形成の際の、レーザーアブレーション法等の条件と同様の条件が採用される。
尚、この第2電極4の形成においても、前記第3バッファ層9の形成工程と同様に、必要に応じてイオンビームアシストを用いるようにしてもよい。すなわち、誘電体膜3の表面にイオンビームを照射しつつ、これの上に第2電極4を形成するようにしてもよい。イオンビームアシストを用いることで、より効率よく第2電極4を形成することができる。
[製造方法の第2実施形態]
次に、本発明に係るキャパシタの製造方法の第2実施形態を、図6から図8を参照して説明する。本実施形態の製造方法は、液滴吐出法(液相法)を用いてキャパシタを製造する方法である。
尚、本発明において液滴吐出法とは、液状体からなる液滴を所望のパターンに吐出することにより、基体上に所望のパターンを形成する方法であり、インクジェット法などの総称である。ただし、吐出する液状体(液滴)としては、印刷物に用いられる所謂インクではなく、デバイスを構成する各種材料物質を含む液状体であり、この材料物質として具体的には、導電物質または絶縁物質として機能し得る物質などが挙げられる。
<液滴吐出ヘッド>
まず、キャパシタ1の具体的な製造方法の説明に先立ち、液滴吐出法に用いられる吐出ヘッドの一例について説明する。図6(a)、(b)に示すように吐出ヘッド34は、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。各キャビティ15とリザーバ16の内部とは液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19には、液状体タンク(図示せず)がチューブ(図示せず)を介して接続されている。
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図6(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
尚、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
<第1電極の形成工程>
まず、図7(a)に示すように、前記の吐出ヘッド34を用いた液滴吐出法(インクジェット法)により、金属微粒子を含む液状体、又はペロブスカイト型金属酸化物の前駆体化合物を含む液状体を基体53の層間絶縁膜52上の所望位置、すなわち埋め込み配線5上に配する。
金属粒子を含む液状体としては、白金、イリジウム、ルテニウム、金、銀等から選択された一種または複数種とされ、これら金属微粒子を分散媒に分散して液状体に調製する。金属微粒子の粒径は、50nm以上0.1μm以下とするのが好ましく、このような範囲とすることにより、分散媒に分散しやすくなり、また吐出ヘッド34からの吐出性も良好となる。尚、金属微粒子については、その表面を有機物などでコーティングしておくことにより、分散媒中への分散性を高めておいてもよい。
金属微粒子を分散させるための分散媒としては、室温での蒸気圧が0.001mmHg以上200mmHg以下であるものが好ましい。蒸気圧が200mmHgを越えると、吐出により塗布膜を形成した際に分散媒が先に蒸発してしまい、良好な塗布膜が形成し難くなるからである。一方、室温での蒸気圧が0.001mmHg未満であると、乾燥速度が遅くなって塗布膜中に分散媒が残留しやすくなり、後工程の熱処理後に良質の導電膜が得られ難くなるからである。また、特に前記分散媒の蒸気圧が、50mmHg以下であれば、前記吐出ヘッド34から液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まりが起こり難くなり、安定な吐出が可能となるためより好ましい。
使用する溶媒としては、前記の金属微粒子を凝集を生じさせることなく良好に分散させることができるものであれば、特に限定されることはない。具体的には、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系溶媒、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性溶媒を挙げることができる。これらのうち、金属微粒子の分散性と分散液の安定性、またインクジェット法への適用のし易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、更に好ましい溶媒としては水、炭化水素系分散媒を挙げることができる。これらの分散媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用可能である。
前記金属微粒子を分散媒に分散させて分散液を形成する際の、分散液中の金属微粒子の濃度としては、1重量%以上80重量%以下とするのが好ましく、特にこの範囲において、形成する金属膜(第1電極2)の膜厚に応じて調整するのが望ましい。80重量%を越えると、金属微粒子の凝集が生じやすくなって均一な塗布膜が得にくくなるからであり、また、1重量%未満では分散媒を蒸発させるための乾燥に長時間を要することとなり、生産性が低下するからである。
尚、この金属微粒子分散液にあっては、目的の機能を損なわない範囲で、必要に応じてフッ素系、シリコン系、ノニオン系などの表面張力調節材を微量添加してもよい。
ノニオン系表面張力調節材は、分散液の塗布対象物への濡れ性を良好にし、塗布した膜のレベリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものとなる。このノニオン系表面張力調節材を添加して調製した金属微粒子分散液については、その粘度を1mPa・s以上50mPa・s以下にするのが好ましい。粘度が1mPa・s未満であると、液滴吐出ヘッド34のノズル周辺部が液状体の流出により汚れ易くなってしまい、また、粘度が50mPa・sを越えると、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなってしまうからである。
さらに、このようにして調製した金属微粒子分散液としては、その表面張力が20dyn/cm以上70dyn/cm以下の範囲に入ることが望ましい。表面張力が20dyn/cm未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じ易くなり、70dyn/cmを越えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため、インク組成物の吐出量、吐出タイミングの制御が困難になるからである。
このような金属微粒子分散液を前記の吐出ヘッド34によって層間絶縁膜52上の所望位置に配し、この金属微粒子分散液によって所定パターンに塗布したら、基体53を加熱することによって金属微粒子分散液に熱処理を施す。すると、金属微粒子分散液中から分散媒が除去され、さらに金属微粒子が焼結されることにより、図7(b)に示すように微粒子間の電気的接触が十分良好となった第1電極2が形成される。
熱処理の条件としては、特に限定されることなく一般的な条件が採用可能である。例えば、熱処理雰囲気としては、大気中で行なってもよく、また、必要に応じて窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。熱処理温度としては、分散媒の沸点(蒸気圧)、圧力および金属微粒子の熱的挙動を考慮して適宜に決定されるが、特に400℃以下とするのが好ましい。400℃以下とすることにより、例えば基体53に他の半導体素子やAl配線、樹脂からなる保護層や絶縁層等を形成している場合に、これらへの熱的影響を十分に少なくすることができるからである。
熱処理における加熱方法としては、通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他に、ランプアニールによっても行うこともできる。ホットプレートや電気炉などで熱処理を行う場合、その条件としては例えば熱処理温度が300℃とされ、処理時間が30分間とされる。このような条件で第1電極2を形成することにより、得られる第1電極2は例えばその厚さが0.1μm程度となる。
また、ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないものの、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W以上1000W以下の範囲で十分である。
また先に記載したペロブスカイト型金属酸化物からなる第1電極2を形成する場合には、金属アルコキシドや金属有機酸塩等の前駆体化合物を含む液状体を調製して用いる。先に記載のように、この構成では層間絶縁膜52上にバッファ層6を形成しておくことが好ましいので、本製造方法の液相成膜に供する基体として、先のバッファ層6までを気相法により形成した基体を用いてもよく、さらには第1電極における結晶性を高めるために、第3バッファ層9上に、第1電極を構成するペロブスカイト型金属酸化物の層をシード層として形成しておいても良い。
尚、バッファ層6は絶縁膜を含むものであるので、バッファ層を介して第1電極2を形成する場合には、第1電極2と埋め込み配線5との導電接続構造は図1とは異なる構成となる。例えば、埋め込み配線5と第1電極2とは、バッファ層6の外側の領域にて導電接続されるか、あるいはバッファ層6を貫通して設けられた導電部材を介して接続された構成となる。
<誘電体膜の形成工程>
次に、誘電体膜3を構成するBiFeO、又はPb(Zr,Ti)Oの前駆体化合物として、この酸化物の各構成金属、すなわちBi、Fe、あるいはPb、Zr、Tiを含有する金属アルコキシドあるいは炭酸塩等の金属塩を、それぞれの金属元素ごとに用意する。
具体的例を挙げると、上記有機酸塩としては、2エチルヘキサン酸ビスマス(Bi)、2エチルヘキサン酸鉄(Fe)、酢酸鉛3水和物(Pb)、オキシ酢酸ジルコニウム(Zr)、2エチルヘキサン酸チタン(Ti)等を用いることができ、いずれもテトラデカン、ブトキシエタノール、キシレン等の溶媒に溶解して用いる。
そして、これら金属化合物を、BiFeO、Pb(Zr,Ti)Oのそれぞれについて構成元素のモル比(例えばBiFeOの場合、Bi:Fe=1:1、Pb(Zr,Ti)Oの場合、Pb:(Zr,Ti)=1:1)となるように混合する。また、得られた混合溶液に対して、第2金属酸化物の前駆体化合物を含む溶液を所定量添加する。第2金属化合物(SrTiO、CaTiO、La、Y)の前駆体化合物には、例えば2エチルヘキサン酸ストロンチウム(Sr)、2エチルヘキサン酸チタン(Ti)、ジエトキシカルシウム(Ca)、トリイソプロポキシランタン(La)、トリイソプロポキシイットリウム(Y)等を用いることができ、ブトキシエタノール、キシレン等の溶媒に溶解したものを用いる。
尚、このようにして混合された前駆体化合物について、液滴吐出法による吐出に適した物性を付与するべく、例えばアルコール類等の適宜な溶媒あるいは分散媒等を添加することにより、ゾル状の液状体に調製するのが好ましい。
続いて、このようにして調製したゾル状の液状体を、前記吐出ヘッド34によって前記第1電極2上に均一な厚さとなるように配する(塗布する)。
次いで、所定温度(例えば200℃)で所定時間(例えば10分間)乾燥し、液状体中の液分を除去する。さらに、この乾燥後、大気雰囲気下において所定の高温(例えば400℃)で所定時間(例えば10分間)脱脂(仮焼成)し、これによって金属に配位している有機成分を熱分解し、金属を酸化することにより、先に記載の金属酸化物とする。そして、このような塗布→乾燥→脱脂の各工程を所定回数繰り返し、金属酸化物を所望の厚さにする。その後、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)炉で酸素フローしながら所定温度、例えば450〜550℃で10分間熱処理を行い、前記金属酸化物を焼成して図7(c)に示すように第1電極2上に誘電体膜3を厚さ0.2μm程度に形成する。また、基体53に熱的影響を与えないためにも熱処理温度はなるべく低くすることが好ましい。
ここで、このようにゾル状の液状体によって誘電体膜3を形成する場合、この液状体を吐出した際にこれが濡れ広がってしまい、所望の形状、すなわち第1電極2の全面をほぼ覆うような形状になりにくくなっている。そこで、このような誘電体膜3の形成に先立ち、第1電極2を形成した基体53(層間絶縁膜52)の表面に例えばフルオロアルキルシランを用いた自己組織化膜を形成し、前記ゾル状の液状体に対する親和性が低い撥液部を形成しておき、必要以上に液状体が濡れ広がるのを防止するようにしてもよい。
「撥液部形成工程」
この撥液部を形成するには、例えば図8に示すように、基体53の表面、すなわち第1電極2の表面と露出した層間絶縁膜52の表面に、前記ゾル状の液状体に対して所定の接触角を持つようにしてフルオロアルキルシランなどからなる自己組織化膜1001を形成する。前記接触角は、20[deg]以上60[deg]以下であることが望ましい。
第1電極2および層間絶縁膜52の表面を処理するための有機分子膜は、これらに結合可能な第1の官能基と、その反対側に親液基あるいは撥液基等の基体の表面性を改質する、すなわち、表面エネルギーを制御する第2の官能基と、第1及び第2の官能基を互いに結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えたもので、前記の各表面に結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成するものである。
自己組織化膜1001とは、下地層となる第1電極2や層間絶縁膜52の構成原子に反応可能な結合性官能基と、それ以外の直鎖分子とからなり、該直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を配向させて形成された膜である。従って、この自己組織化膜1001は、単分子が配向して形成されていることによりその膜厚が極めて薄くなり、さらに分子レベルで均一な膜となる。また、膜の表面に同じ分子が位置していることから、膜の表面に均一でしかも優れた撥液性や親液性を付与するものとなる。
前記の高い配向性を有する化合物、すなわち自己組織化膜1001を形成する化合物としては、基体53側との密着性及び良好な撥液性を付与する等の理由により、フルオロアルキルシラン(FAS)が好適に用いられる。フルオロアルキルシランを用いれば、膜の表面にフルオロアルキル基が位置するように各化合物が配向されて自己組織化膜1001が形成されるので、膜の表面に均一な撥液性が付与される。
このようなフルオロアルキルシランとしては、例えばヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。尚、使用に際しては、一つの化合物(FAS)を単独で用いてもよく、2種以上の化合物(FAS)を併用してもよい。
このような自己組織化膜1001を形成するには、前記の原料化合物(FAS)と基体53とを同一の密閉容器中に入れておく。すると、室温の場合には2〜3日程度放置することで自己組織化膜1001が基体53上に形成される。また、密閉容器全体を100℃に保持しておけば、3時間程度で自己組織化膜1001が基体53上に形成される。また、このような気相からの形成法に代えて、液相から自己組織化膜1001を形成することも可能である。例えば、原料化合物を含む溶液中に基体を浸積し、洗浄、乾燥することで基体上に自己組織化膜1001を形成することができる。
尚、自己組織化膜1000を形成する前に、基体表面に紫外光を照射したり、溶媒により洗浄したりして、前処理を施しておくのが望ましい。
このようにして、第1電極2の表面と層間絶縁膜52の表面とを撥液化し、特に第1電極2の表面に配した前記ゾル状の液状体を濡れ広がりにくくすることにより、これが層間絶縁膜52の表面にまで広がってここで成膜されてしまい、得られる誘電体膜3が所望形状から大きく異なってしまうのを防止することができる。
尚、誘電体膜3を所望形状、すなわち第1電極2のほぼ全面を覆うような形状にするためには、少なくとも前記第1電極2の周辺の層間絶縁膜52(基体53)表面に撥液部を形成しておけばよい。そして、第1電極2の表面については、必ずしもこれを撥液部とすることなく、例えば親液部(前記ゾル状の液状体に対する親和性が高い部分)にしてもよい。
第1電極2の表面を親液部にするためには、例えば所望のパターン、すなわち第1電極2の表面形状に対応する開口パターンが形成されたマスク(図示せず)を通して前記自己組織化膜1001に紫外光などを照射する。すると、紫外光が照射された領域は自己組織化膜1001が除去され、例えばヒドロキシル基が表面に露出する。これにより、FASの領域に比べて非常に濡れ易い性質を示す、親液部となる。
また、前述したようなFASを除去した領域に第2の自己組織化膜を形成するようにしてもよい。この第2の自己組織化膜を形成する化合物としても、FASと同様に結合性官能基と表面を改質する官能基を有し、結合性官能基が基体表面のヒドロキシル基等と結合して自己組織化膜を形成するものとされる。ただし、この第2の自己組織化膜の表面を改質する官能基としては、FASと異なり親液性を示すもの、あるいは金属微粒子との結合力の強いものとされ、具体的にはアミノ基やチオール基などとされる。このような第2の自己組織化膜を形成することにより、前記のゾル状の液状体をより確実に第1電極2上に配し、所望形状の誘電体膜3を形成することが可能になる。また、得られた誘電体膜3の第1電極2への密着力も高まる。このような第2の自己組織化膜を形成する化合物としては、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
<第2電極の形成工程>
このようにして誘電体膜3までを形成したら、続いてこの誘電体膜3上に、図7(d)に示すように第2電極4を形成する。この第2電極4の形成については、前記の第1電極2の形成法とほぼ同一の形成法によって行うことができる。すなわち、前記の吐出ヘッド34を用いた液滴吐出法(インクジェット法)により、金属微粒子を含む液状体を誘電体膜3上に配し、その後熱処理を施して金属微粒子を焼結することにより、第2電極4を形成する。そして、これによりキャパシタ1(1a、1b)を得る。
液状体中に含有させられる金属微粒子、すなわち第2電極4の形成材料となる金属微粒子としては、第1電極2の場合と同様、白金、イリジウム、ルテニウム、金、銀等から選択された一種または複数種、あるいはペロブスカイト型の金属酸化物(SrRuO等)が用いられる。また、熱処理についても、特に400℃以下で行うのが好ましい。
尚、この第2電極4の形成に先立ち、誘電体膜3の形成の前処理として行った撥液部形成工程を行ってもよい。すなわち、前述したフルオロアルキルシラン(FAS)等による撥液部を、誘電体膜3の表面および層間絶縁膜52の表面に形成し、液状体が濡れ広がることを防止して第2電極4が誘電体膜3上に選択的に形成されるようにしてもよい。また、前述した第1電極2の形成に際しても、その形成に先立ち、基体53(層間絶縁膜52)の表面に撥液部を形成してもよい。さらに、このように各電極2、4の形成の前処理として撥液部を形成する場合、特に液状体を直接配する箇所については、前述したように紫外光の照射等によって親液部にしてもよい。
また、第1電極2、第2電極4については、その形成法として液滴吐出法を採用することなく、蒸着法やスパッタ法等を採用してこれらを形成するようにしてもよい。
このようにして第2電極4を形成したら、この第2電極4に接続する配線やこれらを覆う保護層、絶縁層を形成することにより、半導体装置50を得る。
本実施形態の製造方法によれば、ゾル状の液状体を液滴吐出法によって配し、これを熱処理することで誘電体膜3を形成しているので、大掛かりな成膜装置を必要とせず、また材料の使用効率や消費エネルギーの点でも有利になることなどから、コスト低減化を図ることができる。さらに、液状体を所望位置に配することでエッチングによるパターニングが不要になることから、エッチングに起因する誘電体膜のダメージをなくして特性向上を図ることができる。
また、このようにして得られたキャパシタ1を備えた半導体装置50は、特に誘電体膜3が液滴吐出法を用いて形成されていることから、コストが低減化されたものとなる。また、キャパシタ1を液滴吐出法で形成することにより、同一平面上に異なるタイプのものを作り分けることができる。従って、例えば従来の回路内部のキャパシタや外付けのキャパシタとして、本発明の製造方法を適用してこれらを容易にしかも低コストで作製することができる。特に、回路内部に用いるものと外付けのものとではそれぞれ要求される容量が異なる場合があるが、これらの作り分けも、例えば誘電体膜の形成材料として誘電率の異なるものを用いることにより、容易に行うことができる。
さらに、上記実施形態の製造方法では、液状体を熱処理するに際しての加熱温度を低くできるため、基体53上に既設の半導体素子や配線等への熱的影響が少なくなり、半導体装置の設計自由度を高めることができ、また効率的に製造を行うことができる。
以下、上記実施の形態に基づく技術思想を列挙しておく。
前記液状体を、液滴吐出法によって前記第1電極上に配する工程の前に、前記基体及び前記第1電極の表面にフルオロアルキルシランを用いた自己組織化膜を形成する工程、を含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。
この製造方法によれば、上記自己組織化膜による表面改質作用を利用して前記液状体の配置状態を制御することができ、例えば所定領域に選択的に液状体を配置することも可能になる。フルオロアルキルシランからなる自己組織化膜を用いた場合、自己組織化膜の形成領域は前記液状体に対する撥液部となり、光照射された領域は親液部となるので、光照射工程と組み合わせることで、第1電極上への液状体の選択配置を正確かつ容易に行うことができる。
前記基体及び前記第1電極誘電体膜の表面にフルオロアルキルシランを用いた自己組織化膜を形成する工程の後に、前記第1電極表面に形成されたフルオロアルキルシランに光を照射する工程、を含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。この製造方法によれば、前記光照射により自己組織化膜と前記液状体との親和性を制御でき、光照射した領域に前記液状体を配置すれば、その外側の領域に液状体が濡れ広がるのを防止できる。従って本方法によれば、液状体の滴下位置制御を容易に行うことができる。
前記第1電極を形成する工程が、第1金属微粒子を第1分散媒に分散させた第1液状体を液滴吐出法によって前記基体上に配する工程と、前記第1液状体を熱処理することで前記第1分散媒を除去する工程と、前記第1金属微粒子を焼結することによって前記第1電極を形成する工程と、を含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。
この製造方法では、第1電極についても液状体を液滴吐出法により選択的に配置し、これを熱処理することで形成するので、大掛かりな成膜装置を必要とせず、また材料の使用効率や消費エネルギーの点でも有利になることがから、製造コストの低減を実現できる。
前記第1金属微粒子が、白金、イリジウム、ルテニウム、金、または銀の少なくと一種からなる微粒子であり、前記第1金属微粒子を焼結する熱処理温度は、400℃以下であることを特徴とするキャパシタの製造方法。
この製造方法によれば、低抵抗で酸化しにくく、安定した金属膜からなる電極を形成することが可能になる。また熱処理温度を400℃以下としているので、例えば基体に他の半導体素子や配線等を形成している場合にこれらへの熱的影響を少なくすることが可能になる。
前記第2電極を形成する工程が、第2金属微粒子を第2分散媒に分散させた第2液状体を液滴吐出法によって前記誘電体膜上に配する工程と、前記誘電体膜上の第2液状体を熱処理することで前記第2分散媒を除去する工程と、前記第2金属微粒子を焼結することによって第2電極を形成する工程と、を含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。
この製造方法では、第2電極についても液状体を液滴吐出法によって選択的に配置し、これを熱処理するので、大掛かりな成膜装置を必要とせず、また材料の使用効率や消費エネルギーの点でも有利になることから、製造コストの低減が可能である。
前記第2金属微粒子が、白金、イリジウム、ルテニウム、金、または銀の少なくと一種からなる微粒子であり、前記第2金属微粒子を焼結する熱処理温度は、400℃以下であることを特徴とするキャパシタの製造方法。
この製造方法によれば、低抵抗で酸化しにくく、安定した金属膜からなる電極を形成することが可能になる。また熱処理温度を400℃以下としているので、例えば基体に他の半導体素子や配線等を形成している場合にこれらへの熱的影響を少なくすることが可能になる。
前記第1電極を形成する工程又は第2電極を形成する工程が、ペロブスカイト型の金属酸化物からなる導電膜を形成する工程であることを特徴とするキャパシタの製造方法。この製造方法において、前記第1電極を形成するに際して、前記ペロブスカイト型の金属酸化物としてSrRuOを用いることを特徴とするキャパシタの製造方法。
上記構成の第1電極を形成することで、その上に形成される誘電体膜の結晶性を向上させ、もって高誘電率の誘電体膜を形成することが可能になる。特にSrTiOを用いることで、顕著な結晶性向上効果を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するとともに、本発明の効果を明らかなものとする。
本実施例では、図3及び図4に示した実施形態の製造方法によりキャパシタを製造し、誘電体膜3における第2金属酸化物の含有量を種々に変えた場合の誘電率の変化、及び分極量の電圧特性におけるヒステリシスの変化について検証した。尚、本例では第2金属酸化物として、SrTiO、CaTiO、Laのいずれかを用いた。
(実施例1)
まず、基体53のポリイミドからなる層間絶縁膜52上の所定位置に、図4(a)〜(c)に示した工程に沿ってMgOからなる第1バッファ層7と、イットリア安定化ジルコニアからなる第2バッファ層8と、YBaCuからなる第3バッファ層9とを順次積層してバッファ層6を形成した。尚、第1バッファ層7の形成には、イオンビームアシスト法を用いた。続いて、図5(a)〜(c)に示した工程に沿って、SrRuOからなる第1電極2と、BiFeO−SrTiOからなる誘電体膜3と、SrTiOからなる第2電極4とを順次積層形成した。
本実施例では、上記誘電体膜3の形成に際して、BiFeO形成用ターゲットと、SrTiO形成用ターゲットとを同時に成膜に用いるとともに、それぞれのターゲットに照射するレーザー光の強度を変えることで、誘電体膜3におけるSrTiOの含有量を0〜50モル%の間で変化させて複数のサンプルを作製した。
次に、上記の工程により得られたキャパシタのサンプルについて、誘電率、及び電圧に対する分極量の変化を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2005191154
(実施例2)
次に、誘電体膜3をBiFeO−CaTiOとした以外は、上記実施例1と同様として複数のキャパシタのサンプルを作製した。すなわち、誘電体膜3の成膜に際して、BiFeO形成用ターゲットと、CaTiO形成用ターゲットとを同時に用いるとともに、これらのターゲットに照射するレーザー光の強度を変えることで誘電体膜の組成比を種々に変えてサンプルを作製した。そして、これらのサンプルについて誘電率、及び電圧に対する分極量の変化を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2005191154
(実施例3)
次に、誘電体膜3をBiFeO−Laとした以外は、上記実施例1と同様として複数のキャパシタのサンプルを作製した。すなわち、誘電体膜3の成膜に際して、BiFeO形成用ターゲットと、La形成用ターゲットとを同時に用いるとともに、これらのターゲットに照射するレーザー光の強度を変えることで誘電体膜の組成比を種々に変えてサンプルを作製した。そして、これらのサンプルについて誘電率、及び電圧に対する分極量の変化を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2005191154
上記各実施例1〜3における評価結果を示した表1〜表3より明らかなように、強誘電体であるBiFeO3に対して第2金属酸化物(SrTiO、CaTiO、La)を添加することで、分極量の電圧に対するヒステリシスを無くすことができ、エネルギー損失が少なく、挙動制御性に優れたキャパシタを実現できることがわかる。また第2金属酸化物の種類により異なるが、添加量を多くするほど誘電率が低下しており、小型高容量のキャパシタを実現しうる誘電率が得られる第2金属酸化物の添加量範囲は、SrTiOでは40モル%以下、CaTiOでは35モル%以下、Laでは30モル%以下である。
本発明の一実施形態であるキャパシタを示す側断面図。 本発明の一実施形態である半導体装置を示す側断面図。 バッファ層を介して形成された形態のキャパシタを示す側断面図。 第1実施形態に係る製造工程を示す断面工程図。 第1実施形態に係る製造工程を示す断面工程図。 吐出ヘッドの要部斜視図(a)、及び要部側断面図(b)。 第2実施形態に係る製造工程を示す断面工程図。 同、撥液部を形成した場合の例を説明するための側断面図。
符号の説明
1、1a、1b…キャパシタ、2…第1電極、3…誘電体膜、4…第2電極、6…バッファ層、7…第1バッファ層、8…第2バッファ層、9…第3バッファ層、50…半導体装置、51…基板、52…層間絶縁膜、53…基体

Claims (12)

  1. 誘電体膜を第1電極と第2電極との間に挟んだ構造を有するキャパシタであって、
    前記誘電体膜が、BiFeOからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含むことを特徴とするキャパシタ。
  2. 誘電体膜を第1電極と第2電極との間に挟んだ構造を有するキャパシタであって、
    前記誘電体膜が、Pb(Zr,Ti)Oからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含むことを特徴とするキャパシタ。
  3. 前記第2金属酸化物の含有量が、40モル%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャパシタ。
  4. 前記第2金属酸化物の含有量が、30モル%以下であることを特徴とする請求項3に記載のキャパシタ。
  5. 前記第1電極が、ペロブスカイト型の金属酸化物を主成分としてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のキャパシタ。
  6. 前記誘電体膜が擬立方晶で主に(100)配向していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のキャパシタ。
  7. 前記ペロブスカイト型の金属酸化物が、(100)配向で前記第1電極の結晶配向に対してのエピタキシャル膜であることを特徴とする請求項6に記載のキャパシタ。
  8. 前記第1電極が、SrRuO、Nb−SrTiO、La−SrTiO、(La,Sr)CoOのうちから選択された少なくとも一種からなることを特徴とする請求項6に記載のキャパシタ。
  9. 誘電体膜を第1電極との第2電極との間に挟んだ構造を有するキャパシタの製造方法であって、
    第1電極をイオンビームアシスト法を用いて形成する工程と、
    前記第1電極上に、BiFeO又はPb(Zr,Ti)Oからなる第1金属酸化物と、SrTiO、CaTiO、La、Yから選ばれる1種以上の第2金属酸化物とを含む誘電体膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。
  10. 前記誘電体膜を形成する工程が、
    前記第1金属酸化物の前駆体化合物と、第2金属酸化物の前駆体化合物とを含む液状体を、前記第1電極上に配する工程と、
    前記液状体を熱処理する工程と
    を含むことを特徴とする請求項9に記載のキャパシタの製造方法。
  11. 前記第1電極上に液状体を配するに際して、液滴吐出法を用いることを特徴とする請求項10に記載のキャパシタの製造方法。
  12. 請求項1から8のいずれか1項に記載のキャパシタ、あるいは請求項9ないし11のいずれか1項に記載の製造方法により得られたキャパシタを備えたことを特徴とする半導体装置。
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