JP5200217B2 - 機械式駐車装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
本発明はかかる機械式駐車装置の機能を損なうことなく、走行台車側に設けた動力源から、車両の入出庫に係る駐車ますに対し駆動力を供給するコンベア連動機構の、信頼性を向上させることを目的とするものである。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の機械式駐車装置において、処理装置は、車両の入出庫の際に、可動フレームを走行台車上の中立位置から入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させ、この際、駆動歯車と従動歯車との歯先同士が衝突した状態と判断される場合に、可動フレームを所定量だけ戻し、駆動歯車を一定量回転させた後、駆動歯車と従動歯車との噛み合わせを再実行することで、駆動歯車と従動歯車との歯先同士が衝突した状態を、駆動歯車の回転位相を変更することにより解消する。そして、両歯車の噛み合わせを無理に行うことによる、両歯車の破損の可能性を低減するものである。
本項に記載の機械式駐車装置において、処理装置は、車両の入出庫の際に、可動フレームを走行台車上の中立位置から入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させ、この際、駆動歯車と従動歯車との噛み合わせを所定回数だけ再実行した時点で、前記圧力センサがONでかつ前記位置センサがOFFであるとき、前記駆動歯車を一定量回転させ、かつ、位置センサがONとなるまで可動フレームを入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させる。そして、駆動歯車と従動歯車との噛み合わせを強制的に実行することで、駆動歯車と従動歯車との非接触の状態を強制的に解消し、両歯車の噛み合わせを行うものである。
本項に記載の機械式駐車装置において、処理装置は、駆動歯車と従動歯車との歯先同士が衝突した状態を解消すべく、駆動歯車の回転位相を変更することにより生じるコンベアの送り、すなわち、車両位置のズレを考慮して、入庫に係る車両の総送り量を、適切なものとするものである。
なお、駆動歯車を一定量回転させる作業を複数回行う場合には、駆動歯車の回転に連動するコンベアの送り量を積算することで、入庫に係る車両の最終的な送り量を適切なものにすることができる。
本項に記載の機械式駐車装置は、車両位置の補正に係る車両を、走行台車から駐車ますへと移載する場合において、車両の総送り量を常時一定とすることにより、制御ロジックの構成が単純化されるものである。
このように、圧力センサと位置センサとの検知状態に基づき、コンベア連動機構の駆動歯車及び従動歯車の係合状況を正確に把握する。そして、駆動歯車及び従動歯車が正しく噛み合った状態と判断した場合には、走行台車及び前記駐車ますのコンベアを連動させて、相互間の車両の移載作業を行うことで、車両の入出庫を完了する。一方、駆動歯車と従動歯車とが正しく噛み合っていない状態、特に、駆動歯車と従動歯車との歯先同士が衝突した状態で、両歯車の噛み合わせを無理に行うことによる、両歯車の破損の可能性を低減するものである。
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、駆動歯車と前記従動歯車との歯先同士が衝突した状態と判断される場合に、可動フレームを所定量だけ戻し、駆動歯車を一定量回転させた後、駆動歯車と従動歯車との噛み合わせを再実行することで、駆動歯車と従動歯車との歯先同士が衝突した状態を、駆動歯車の回転位相を変更することにより解消する。そして、両歯車の噛み合わせを無理に行うことによる、両歯車の破損の可能性を低減するものである。
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、車両の入出庫の際に、可動フレームを走行台車上の中立位置から入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させ、この際、駆動歯車と前記従動歯車との噛み合わせを所定回数だけ再実行した時点で、前記圧力センサがONでかつ前記位置センサがOFFであるとき、前記駆動歯車を一定量回転させ、かつ、位置センサがONとなるまで可動フレームを入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させる。そして、駆動歯車と従動歯車との噛み合わせを強制的に実行することで、駆動歯車と従動歯車との非接触の状態を強制的に解消し、両歯車の噛み合わせを行うものである。
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、駆動歯車と従動歯車との歯先同士が衝突した状態を解消すべく、駆動歯車の回転位相を変更することにより生じるコンベアの送り、すなわち、車両位置のズレを考慮して、入庫に係る車両の総送り量を、適切なものとするものである。
なお、駆動歯車を一定量回転させる作業を複数回行う場合には、駆動歯車の回転に連動するコンベアの送り量を積算することで、入庫に係る車両の最終的な送り量を適切なものにすることができる。
本項に記載の機械式駐車装置の制御方法は、車両位置の補正に係る車両を、走行台車から駐車ますへと移載する場合において、車両の総送り量を常時一定とすることにより、制御ロジックの構成が単純化されるものである。
本発明の実施の形態に係る機械式駐車装置40は、その特徴部分として、図1(a)及び図2に示されるコンベア連動機構42と、コンベア連動機構42の制御手段44とを具備している。又、走行台車26の車幅方向端部にのみ、車両検知センサ46が設けられている。なお、本発明の実施の形態では、車両検知センサ46は、例えば光電管等を用いた遮光型センサが用いられ、その設置位置は、走行台車26の走行に支障を生じない範囲内で、可能な限り走行台車26の車幅方向端寄りに設けられていることが望ましい。又、車両検知センサ46は、走行台車26にのみ設けられていれば良く、各駐車ます32への設置は不用である。
可動フレーム50は、図示の例では油圧シリンダによって駆動されるものであり、圧力センサ56は、油圧シリンダの油圧を検知する油圧センサ用いられている。又、位置センサ58は、可動フレーム50が、駆動歯車52及び従動歯車48の正しい噛み合い位置まで移動したことを検知するものである。
又、処理装置60は電子計算機からなり、必要に応じて、機械式駐車装置40の中央制御装置により構成されても良く、又、走行台車26の制御装置により構成されても良い。更に、処理装置60は制御ロジック62を具備している。この制御ロジック62は、図4、図5の通りであり、以下に順を追って説明する。
(110)処理装置60は、圧力センサ56がONとなるまで、可動フレーム50の移動を継続する。
(120)処理装置60は、圧力センサ56がONのとき、位置センサ58もONか否かを把握する。
(130)ステップ120において、位置センサ58もONであるとき、処理装置60は、駆動歯車52及び従動歯車48が正しく噛み合った状態(図6(d)参照)と判断し、走行台車26及び駐車ます32のコンベア34、38を連動させて、相互間の車両24の移載作業を行う。
(140)一定の送り量で、車両24を走行台車26から駐車ます32へと送り込み、移載を完了する。
(160)処理装置60は、駆動歯車52を一定量回転させることで、従動歯車48に対する駆動歯車52の回転位相の補正を実施する。なお、この駆動歯車52の回転に連動して、走行台車26のコンベア34が作動し、走行台車26上の車両24が駐車ます32側へと送られることから、このときの送り量a(図1(b)参照)を、コンベア34の送り量センサ64により計測する。
なお、このコンベア34の送り量の計測は、走行台車26から駐車ます32への、車両24の入庫の際にのみ行う。その理由は、駐車ます32から走行台車26への、車両24の出庫の際には、走行台車26に設けられた車両検知センサ46及びコンベアの送り量センサ64の検出結果から、出庫に係る車両24の車幅を正確に把握することが可能であり、出庫の際に要求されるコンベア34、38の送り量を正確に割出すことが可能であることによるものである。
(210)処理装置60は、圧力センサ56がONとなるまで、可動フレーム50の移動を継続する。
(220)処理装置60は、圧力センサ56がONのとき、位置センサ58もONか否かを把握する。
(230)ステップ220において、位置センサ58もONであるとき、処理装置60は、駆動歯車52及び従動歯車48が正しく噛み合った状態(図6(d)参照)と判断し、走行台車26及び駐車ます32のコンベア34、38を連動させて、相互間の車両24の移載作業を行う。
(240)処理装置60は、ステップ160にて計測された走行台車26のコンベア34の送り量を考慮して、入庫に係る車両の送り量を決定する。具体的には、ステップ160で実施された、駆動歯車52と従動歯車48との歯先同士が衝突した状態を解消すべく、駆動歯車52の回転位相を変更することにより生じるコンベア34の送り、すなわち、車両24の位置のズレa(図1(b)参照)を考慮して、入庫に係る車両24の総送り量Lから、ズレaを差し引いた量(図1(c)参照)「L−a」を、入庫に係る車両24の送り量とする。
(250)ステップ240で決定された送り量で、車両24を走行台車26から駐車ます32へと送り込み、移載を完了する。
一方、既に実施された、従動歯車48に対する駆動歯車52の回転位相の補正回数が、閾値以上である場合には、駆動歯車52と従動歯車48との噛み合わせを強制的に実行するステップ(ステップ300〜)へと移行する。
なお、閾値については、補正を繰り返すことによるタイムロスを考慮して決定されるものであり、本実施の形態では、補正回数3回を閾値としている。
(310)処理装置60は、可動フレーム50を戻すことなく、圧力センサ56がONとなるまで、入出庫に係る駐車ます32の方向へと可動フレーム50の移動を継続する。そして、駆動歯車52と従動歯車48との噛み合わせを強制的に実行する(図6(d)参照)。
(320)処理装置60は、走行台車26及び駐車ます32のコンベア34、38を連動させて、相互間の車両24の移載作業を行う。
(330)処理装置60は、ステップ160及びステップ300にて計測された走行台車26のコンベア34の送り量aを考慮して、入庫に係る車両の送り量を決定する。具体的には、2回目の補正の後に、駆動歯車52と従動歯車48との噛み合わせを強制的に実行する場合には、「L−{(a+a)+a}」を入庫に係る車両24の送り量とすることで、入庫に係る車両の最終的な送り量を適切なものにする。
(340)ステップ330で決定された、送り量で、車両24を走行台車26から駐車ます32へと送り込み、移載を完了する。
このように、圧力センサ56と位置センサ58との検知状態に基づき、コンベア連動機構42の駆動歯車52及び従動歯車48の係合状況を正確に把握し、駆動歯車52と従動歯車48とが正しく噛み合っていない状態、特に、駆動歯車52と従動歯車48との歯先52a、48a同士が衝突した状態(図6(b))で、両歯車52、48の噛み合わせを無理に行うことによる、両歯車52、48の破損の可能性を低減することができる。
又、本発明の実施の形態を、同時に二台の車両24を入庫することが可能な複列駐車ます30に対して車両24の入出庫を行う場合にも、同様に適用可能である。
Claims (7)
- 入出庫に係る車両を搬送する走行台車と、該走行台車の走行路に沿って配置された複数の駐車ますと、前記走行台車及び前記複数の駐車ますの各々に設けられた相互間の車両移載用のコンベアと、前記走行台車及び前記駐車ますのコンベア連動機構と、該コンベア連動機構の制御手段とを含む機械式駐車装置であって、
前記コンベア連動機構は、前記各駐車ます毎に設けられた、駐車ますのコンベアに連動する従動歯車と、前記走行台車に設けられた、前記走行路と直交する方向に移動する可動フレームと、該可動フレームの端部に軸支され、走行台車のコンベアに連動すると共に前記従動歯車に噛み合うことで走行台車に設けられた動力源から駐車ますのコンベアへと動力伝達を行う駆動歯車とを備え、
前記コンベア連動機構の制御手段は、前記駆動歯車と前記従動歯車との当接を検知する圧力センサと、前記可動フレームが前記駆動歯車及び前記従動歯車の正しい噛み合い位置まで移動したことを検知する位置センサと、
前記可動フレームを前記走行台車上の中立位置から入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させ、この際、前記圧力センサがONでかつ前記位置センサがOFFであるとき、前記駆動歯車及び前記従動歯車の歯先同士が衝突した状態と判断し、前記圧力センサがONでかつ前記位置センサもONであるとき、前記駆動歯車及び前記従動歯車が正しく噛み合った状態と判断する制御ロジックを含む処理装置とを備えることを特徴とする機械式駐車装置。 - 入出庫に係る車両を搬送する走行台車と、該走行台車の走行路に沿って配置された複数の駐車ますと、前記走行台車及び前記複数の駐車ますの各々に設けられた相互間の車両移載用のコンベアと、前記走行台車及び前記駐車ますのコンベア連動機構と、該コンベア連動機構の制御手段とを含む機械式駐車装置であって、
前記コンベア連動機構は、前記各駐車ます毎に設けられた、駐車ますのコンベアに連動する従動歯車と、前記走行台車に設けられた、前記走行路と直交する方向に移動する可動フレームと、該可動フレームの端部に軸支され、走行台車のコンベアに連動すると共に前記従動歯車に噛み合うことで走行台車に設けられた動力源から駐車ますのコンベアへと動力伝達を行う駆動歯車とを備え、
前記コンベア連動機構の制御手段は、前記駆動歯車と前記従動歯車との当接を検知する圧力センサと、前記可動フレームが前記駆動歯車及び前記従動歯車の正しい噛み合い位置まで移動したことを検知する位置センサと、
前記可動フレームを前記走行台車上の中立位置から入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させ、この際、前記圧力センサがONでかつ前記位置センサがOFFであるとき、前記駆動歯車及び前記従動歯車の歯先同士が衝突した状態と判断し、前記圧力センサがONでかつ前記位置センサもONであるとき、前記駆動歯車及び前記従動歯車が正しく噛み合った状態と判断する制御ロジックを含む処理装置とを備え、
前記処理装置には、前記駆動歯車と前記従動歯車との歯先同士が衝突した状態と判断される場合に、前記可動フレームを所定量だけ戻し、前記駆動歯車を一定量回転させた後、前記駆動歯車と前記従動歯車との噛み合わせを再実行する制御ロジックが含まれることを特徴とする機械式駐車装置。 - 前記処理装置には、前記駆動歯車と前記従動歯車との噛み合わせを所定回数だけ再実行した時点で、前記圧力センサがONでかつ前記位置センサがOFFであるとき、前記駆動歯車を一定量回転させ、かつ、前記位置センサがONとなるまで前記可動フレームを入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させる制御ロジックが含まれることを特徴とする請求項2記載の機械式駐車装置。
- 前記走行台車には、前記コンベアの送り量センサが設けられ、前記処理装置には、前記駆動歯車を一定量回転させる場合に、前記駆動歯車の回転に連動するコンベアの送り量を前記送り量センサによって計測し、
前記走行台車から前記駐車ますへの車両の入庫の際には、前記計測したコンベアの送り量を考慮して入庫に係る車両の送り量を決定する制御ロジックが含まれることを特徴とする請求項3記載の機械式駐車装置。 - 入出庫に係る車両を搬送する走行台車と、該走行台車の走行路に沿って配置された複数の駐車ますと、前記走行台車及び前記複数の駐車ますの各々に設けられた相互間の車両移載用のコンベアと、前記走行台車及び前記駐車ますのコンベア連動機構と、該コンベア連動機構の制御手段とを含み、前記コンベア連動機構は、前記各駐車ます毎に設けられた、駐車ますのコンベアに連動する従動歯車と、前記走行台車に設けられた、前記走行路と直交する方向に移動する可動フレームと、該可動フレームの端部に軸支され、走行台車のコンベアに連動すると共に前記従動歯車に噛み合うことで走行台車に設けられた動力源から駐車ますのコンベアへと動力伝達を行う駆動歯車と、前記駆動歯車と前記従動歯車との当接を検知する圧力センサと、前記可動フレームが前記駆動歯車及び前記従動歯車の正しい噛み合い位置まで移動したことを検知する位置センサと、前記コンベアの送り量センサとを備える機械式駐車装置において、
前記走行台車と前記駐車ますとの相互間の車両移載時に、前記可動フレームを前記走行台車の中立位置から入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させ、この際、
前記圧力センサがONでかつ前記位置センサがOFFであるとき、前記駆動歯車及び前記従動歯車の歯先同士が衝突した状態と判断し、前記可動フレームを所定量だけ戻し、前記駆動歯車を一定量回転させた後、前記駆動歯車と前記従動歯車との噛み合わせを再実行し、
前記圧力センサがONでかつ前記位置センサもONであるとき、前記駆動歯車及び前記従動歯車が正しく噛み合った状態と判断し、走行台車及び前記駐車ますのコンベアを連動させて、相互間の車両の移載作業を行うことを特徴とする機械式駐車装置の制御方法。 - 前記駆動歯車と前記従動歯車との噛み合わせを所定回数だけ再実行した時点で、前記圧力センサがONでかつ前記位置センサがOFFであるとき、前記駆動歯車を一定量回転させ、かつ、前記位置センサがONとなるまで、前記可動フレームを入出庫に係る駐車ますの方向へと移動させることを特徴とする請求項5記載の機械式駐車装置の制御方法。
- 前記駆動歯車を一定量回転させる場合に、前記駆動歯車の回転に連動するコンベアの送り量を前記コンベアの送り量センサで計測し、前記走行台車から前記駐車ますへの車両の入庫の際に前記該計測したコンベアの送り量を考慮して、入庫に係る車両の送り量を決定することを特徴とする請求項5又は6記載の機械式駐車装置の制御方法。
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