一つの態様において、本発明は式(I):
〔式中、
Xは酸素またはN−R
9であり;
R
1は水素、ハロゲン、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C
1−C
7)アルキル(これは所望によりヒドロキシ、(C
1−C
7)アルキル、ハロゲン、(C
1−C
7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−O−、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R
2は水素、ハロゲン、(C
3−C
7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C
1−C
7)アルキル(これは所望によりヒドロキシ、(C
1−C
7)アルキル、ハロゲン、(C
1−C
7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−O−、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R
3は水素、ハロゲン、シアノ、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、(C
1−C
7)アルキル−SO
2−、(C
1−C
7)アルコキシSO
2−、スルホンアミド、アリール、ヘテロアリール、H(R
10ON=)C−、R
10O(CH
2)
n−、R
12R
11(R
13O)C−、R
14O−(O)C−またはR
15−C(O)−であるか;または
R
3は(C
1−C
7)アルキル(これは所望によりハロゲン、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R
2およびR
3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により5−9員環を形成してよく;
R4およびR5は、独立して水素、または(C1−C7)アルキル(これは所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R4およびR5は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R6は水素、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R7およびR8は独立して(C1−C7)アルキルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり、この各々は所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R7およびR8は独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、R16−O−、R16−S−、R17−C(O)−、またはR17−SO2−であり;
nは1、2、3、または4であり;
R9、R10、R11、R12およびR13は独立して水素、(C3−C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R14は水素、(C3−C7)アルキル、(C3−C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C3−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R15は水素、(C2−C7)アルキル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリール−モノ−(C1−C7)アルキルアミノであり;
R16は水素、(C1−C7)アルキル、アリール、または(C1−C4)ハロアルキルであり、そしてR17はアミノ、ヒドロキシ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、または(C1−C7)アルコキシである。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
他の態様において、本発明は、
Xが酸素またはN−R9であり;
R1が水素、ハロゲン、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、またはジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R2が水素、ハロゲン、(C3−C7)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、またはジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R3が水素、ハロゲン、シアノ、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、R10O(CH2)n−、R12R11(R13O)C−、R14O−(O)C−、R15−C(O)−、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりハロゲン、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R2およびR3が、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により5−9員環を形成してよく;
R4およびR5が独立して水素、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、またはジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R4およびR5が、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R6が水素、アリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、またはジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R7およびR8が独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、R16−O−、R16−S−、R17−C(O)−、またはR17−SO2−、(C1−C4)アルキルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり、この各々は所望によりヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよく;
nが1、2、3、または4であり;
R9、R10、R11、R12およびR13が独立して水素、(C3−C7)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C3−C7)シクロアルキル、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリールから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R14が(C3−C7)アルキル、(C3−C7)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリールから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R15が水素、(C2−C4)アルキル、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリール−モノ−(C1−C4)アルキルアミノであり;
R16が水素、(C1−C4)アルキル、アリール、または(C1−C4)ハロアルキルであり、そしてR17がアミノ、ヒドロキシ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、または(C1−C4)アルコキシである;
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
他の態様において、本発明は、式(I):
〔式中、
XはN−R
9または酸素であり;
R
1は水素であり;
R
2は水素であり;
R
3はシアノ、R
10−N(R
18)−C(O)−、R
12R
11(R
13O)C−、R
14O−(O)C−、またはR
15−C(O)−であるか;または
R
4およびR
5は独立して(C
1−C
4)アルキルであるか;または
R
4およびR
5は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により3−9員環を形成してよく;
R
6は水素であり;
R
7は水素であり;
R
8は水素、シアノ、またはハロゲンであり;
R
9は水素、ベンジル、またはC
1−C
4アルキルであり;
R
10はC
1−C
4アルキル、フェニル、またはベンジルであり;
R
11およびR
12は独立して水素であり;
R
13は水素または(C
1−C
6)アルキルであり;
R
14はC
3−C
6アルキルであり;
R
15は(C
1−C
6)アルキルであるか;または
R
18は水素またはC
1−C
4アルキルである
化合物、その薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
他の態様において、本発明は:
Xが酸素であり;
R1が水素であり;
R2が水素であり;
R3がR12R11(R13O)C−、R14O−(O)C−、またはR15−C(O)−であり;
R4およびR5が独立して(C1−C4)アルキルであり;
R6が水素であり;
R7が水素であり;
R8が水素、またはハロゲンであり;
R11およびR12が独立して水素であり;
R13が水素または(C1−C6)アルキルであり;
R14がC3−C6アルキルであり;
R15が(C1−C6)アルキルである;
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
他の態様において、本発明は、式(I):
〔式中、
XはN−R
9または酸素であり;
R
1は水素、ハロゲン、チオール、または(C
1−C
7)アルキルであり;
R
2は水素、ハロゲン、または(C
1−C
7)アルキルであり;
R
3は水素、ハロゲン、シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、ヘテロアリール、所望により1〜4個の(C
1−C
7)アルキルで置換されていてよい4−10員ヘテロシクリル(ここで、該ヘテロシクリルは少なくとも3個のヘテロ原子を有する)、R
10−N(R
18)−C(O)−、H(R
18ON=)C−、R
10O(CH
2)
n−、またはR
14O−(O)C−であるか;または
R
3は水素、ハロゲン、シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、ヘテロアリール、所望により1〜4個の(C
1−C
7)アルキルで置換されていてよい4−10員ヘテロシクリル(ここで、該ヘテロシクリルは少なくとも3個のヘテロ原子を有する)、R
10−N(R
18)−C(O)−、H(R
18ON=)C−、R
10O(CH
2)
n−、またはR
14O−(O)C−であり;
R
3はヒドロキシもしくは(C
1−C
7)アルコキシで置換されている(C
2−C
7)アルキル、または(C
1−C
7)アルコキシ(これはさらに1〜4個のヒドロキシで置換されている)で置換されている(C
1−C
7)アルキルであるか;または
R
3は所望によりハロゲン、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、およびジ−(C
1−C
7)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい(C
1−C
7)アルキルであるか;または
R
2およびR
3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により5−9員環を形成してよく;
R4およびR5は独立して水素、アリール、または(C1−C7)アルキルであり、ここで、該アリールまたはアルキルは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R4およびR5、またはR3およびR4は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R6は水素、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R7およびR8は独立して(C1−C7)アルキルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり、この各々は所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R7およびR8は独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、R16−O−、R16−S−、R17−C(O)−、またはR17−SO2−であり;
R9は水素、(C3−C7)シクロアルキル、シアノ、アラルキル、または(C1−C7)アルキル(これは、所望により1〜4個のハロゲンで置換されていてよい)であり;
R10はヒドロキシ、(C1−C7)アルキルもしくはハロゲンから選択される1〜4個の置換基で置換されているアラルキル、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキルもしくはハロゲンから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいヘテロアリール、または1〜4個のヒドロキシで置換されている(C1−C7)アルキルであり;
R14は、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいアリールであり;
R16は水素、(C1−C7)アルキル、アリール、または(C1−C4)ハロアルキルであり、
R17はアミノ、ヒドロキシ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、4−10員ヘテロシクリル、または(C1−C7)アルコキシであり;
R18は水素または(C1−C7)アルキルであり;
nは2、3、または4である;
の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
他の態様において、本発明は、さらに:
Xが酸素またはN−R9であり;
R1が水素、または(C1−C7)アルキルであり;
R2が水素、または(C1−C7)アルキルであり;
R3が水素、ハロゲン、シクロアルキル、または(C1−C7)アルケニルであり;
R4およびR5が独立して水素、アリール、または(C1−C7)アルキルであり;
R6が水素、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキルであり;
R7およびR8が独立して水素、ハロゲン、シアノ、またはニトロであり;
R9が水素、または(C1−C7)アルキルである;
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
他の態様において、本発明は、式(I):
〔式中、
XはN−R
9であり;
R
1は水素、ハロゲン、チオール、または(C
1−C
7)アルキルであり;
R
2は水素、ハロゲン、または(C
1−C
7)アルキルであり;
R
3は(C
1−C
7)アルキル−O−(O)C−であり;
R
4およびR
5は独立して水素、アリール、または(C
1−C
7)アルキルであり、ここで、該アリールまたはアルキルは、所望によりヒドロキシ、(C
1−C
7)アルキル、ハロゲン、(C
1−C
7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−O−、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R
4およびR
5、またはR
3およびR
4は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R
6は水素、アリール、ヘテロアリール、または(C
1−C
7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C
1−C
7)アルキル、ハロゲン、(C
1−C
7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C
1−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−O−、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R
7およびR
8は独立して水素または(C
1−C
7)アルキルであり;
R
9は(C
3−C
7)シクロアルキルである。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
本明細書を解釈するために、以下の定義を適用し、そして、適当であれば、単数表現で使用している用語はまた複数も含み、そしてその逆もそうである。
ここで使用する用語“アルキル”は、完全に飽和した分枝または非分枝炭化水素部分を意味する。好ましくはアルキルは、1〜20個の炭素原子、より好ましくは1〜16個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を含む。アルキルの代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどを含み、これらに限定されない。アルキル基が1個以上の不飽和結合を含むとき、それはアルケニル(二重結合)またはアルキニル(三重結合)基と呼び得る。
用語“アリール”は、環部分に6−20個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香族性炭化水素基を意味する。好ましくは、アリールは(C6−C10)アリールである。非限定的例はフェニル、ビフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチルを含み、その各々は、所望により1−4個の置換基、例えばアルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルキル−C(O)−O−、アリール−O−、ヘテロアリール−O−、アミノ、チオール、アルキル−S−、アリール−S−、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル−O−C(O)−、カルバモイル、アルキル−S(O)−、スルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクリルなどで置換されていてよく、ここで、Rは独立して水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−アルキル−、ヘテロアリール−アルキル−などである。
さらに、ここで使用する用語“アリール”は、一芳香環、または互いに縮合した、共有結合したまたはメチレンもしくはエチレン部分のような共通基で連結された多芳香環であり得る芳香族性置換基を意味する。共通の連結基はベンゾフェノンにおけるようなカルボニルまたはジフェニルエーテルにおけるような酸素またはジフェニルアミンにおけるような窒素でもよい。
ここで使用する用語“アルコキシ”は、アルキル−O−(ここで、アルキルは上記で定義の通り)である。アルコキシの代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ−、シクロヘキシルオキシ−などを含み、これらに限定されない。好ましくは、アルコキシ基は約1−7個、より好ましくは約1−4個の炭素を含む。
ここで使用する用語“アシル”は、カルボニル官能性を介して親構造に結合した、直鎖状、分枝状または環状配置またはそれらの組み合わせである1〜10個の炭素原子のR−C(O)−を意味する。このような基は飽和または不飽和、および脂肪族または芳香族性であり得る。好ましくは、アシル残基のRはアルキル、またはアルコキシ、またはアリール、またはヘテロアリールである。また好ましくは、アシル残基中の1個以上の炭素が、親への結合点がカルボニルのままである限り、窒素、酸素または硫黄で置換されていてよい。例は、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含み、これらに限定されない。低級アシルは、1〜4個の炭素を含むアシルを意味する。
ここで使用する用語“アシルアミノ”は、アシル−NH−(ここで、“アシル”はここで定義の通り)を意味する。
ここで使用する用語“カルバモイル”は、H2NC(O)−、アルキル−NHC(O)−、(アルキル)2NC(O)−、アリール−NHC(O)−、アルキル(アリール)−NC(O)−、ヘテロアリール−NHC(O)−、アルキル(ヘテロアリール)−NC(O)−、アリール−アルキル−NHC(O)−、アルキル(アリール−アルキル)−NC(O)−などを意味する。
ここで使用する用語“スルホニル”は、R−SO2−(ここで、Rは水素、アルキル、アリール、ヘテロ(hereo)アリール、アリール−アルキル、ヘテロアリール−アルキル、アリール−O−、ヘテロアリール−O−、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである)を意味する。
ここで使用する用語“スルホンアミド”は、アルキル−S(O)2−NH−、アリール−S(O)2−NH−、アリール−アルキル−S(O)2−NH−、ヘテロアリール−S(O)2−NH−、ヘテロアリール−アルキル−S(O)2−NH−、アルキル−S(O)2−N(アルキル)−、アリール−S(O)2−N(アルキル)−、アリール−アルキル−S(O)2−N(アルキル)−、ヘテロアリール−S(O)2−N(アルキル)−、ヘテロアリール(arrl)−アルキル−S(O)2−N(アルキル)−などを意味する。
ここで使用する用語“ヘテロシクリル”または“ヘテロシクロ”は、例えば、4、5、6、または7員単環式、7、8、9、10、11、または12員二環式または10、11、12、13、14または15員三環式環系であり、そして少なくとも1個のO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を含む、所望により置換されていてよい、飽和または不飽和の非芳香環または環系を意味し、ここで、NおよびSはまた種々の酸化状態に酸化され得る。ヘテロ環式基は、ヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。ヘテロシクリルは縮合したまたは架橋した環ならびにスピロ環式環を含み得る。ヘテロ環の例は、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラニル(furari)、1,4−ジオキサン、モルホリン、1,4−ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3−ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、オキサチアン、チオモルホリンなどを含む。
用語“ヘテロシクリル”は、さらに、下記のものから成る群から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されている、ここで定義のヘテロ環式基を意味する:
(a) アルキル;
(b) ヒドロキシ(または保護されたヒドロキシ);
(c) ハロ;
(d) オキソ、すなわち、=O;
(e) アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ;
(f) アルコキシ;
(g) シクロアルキル;
(h) カルボキシ;
(i) ヘテロシクロオキシ(ここで、ヘテロシクロオキシは酸素橋を介して結合しているヘテロ環式基を意味する);
(j) アルキル−O−C(O)−;
(k) メルカプト;
(l) ニトロ;
(m) シアノ;
(n) スルファモイルまたはスルホンアミド;
(o) アリール;
(p) アルキル−C(O)−O−;
(q) アリール−C(O)−O−;
(r) アリール−S−;
(s) アリールオキシ;
(t) アルキル−S−;
(u) ホルミル、すなわち、HC(O)−;
(v) カルバモイル;
(w) アリール−アルキル−;および
(x) アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル−C(O)−NH−、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロゲンで置換されたアリール。
ここで使用する用語“シクロアルキル”は、所望により置換されていてよい、飽和または不飽和の3−12個の炭素原子の単環式、二環式または三環式炭化水素基を意味し、この各々は、1個以上の置換基、例えばアルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル−C(O)−、アシルアミノ、カルバモイル、アルキル−NH−、(アルキル)2N−、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル−O−C(O)−、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ヘテロシクリルなどで置換されていてよい。例示的単環式炭化水素基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどを含み、これらに限定されない。例示的二環式炭化水素基は、ボロニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどを含む。例示的三環式炭化水素基は、アダマンチルなどを含む。
ここで使用する用語“スルファモイル”は、H2NS(O)2−、アルキル−NHS(O)2−、(アルキル)2NS(O)2−、アリール−NHS(O)2−、アルキル(アリール)−NS(O)2−、(アリール)2NS(O)2−、ヘテロアリール−NHS(O)2−、アラルキル−NHS(O)2−、ヘテロアラルキル−NHS(O)2−などを意味する。
ここで使用する用語“アリールオキシ”は、−O−アリールおよび−O−ヘテロアリール基の両方を意味し、ここで、アリールおよびヘテロアリールはここで定義されている。
ここで使用する用語“ヘテロアリール”は、1個から8個のN、OまたはSから選択されるヘテロ原子を有し、5−14員単環式または二環式または縮合多環式環系を意味する。好ましくは、ヘテロアリールは5−10員環系である。典型的ヘテロアリール基は2−または3−チエニル、2−または3−フリル、2−または3−ピロリル、2−、4−、または5−イミダゾリル、3−、4−、または5−ピラゾリル、2−、4−、または5−チアゾリル、3−、4−、または5−イソチアゾリル、2−、4−、または5−オキサゾリル、3−、4−、または5−イソオキサゾリル、3−または5−1,2,4−トリアゾリル、4−または5−1,2、3−トリアゾリル、テトラゾリル、2−、3−、または4−ピリジル、3−または4−ピリダジニル、3−、4−、または5−ピラジニル、2−ピラジニル、2−、4−、または5−ピリミジニルを含む。
用語“ヘテロアリール”はまた、ヘテロ芳香環が1個以上のアリール、シクロ脂肪族、またはヘテロシクリル環に縮合しており、結合するラジカルまたは点はヘテロ芳香環上にある、基も意味する。非限定的例は、1−、2−、3−、5−、6−、7−、または8−インドーリジニル、1−、3−、4−、5−、6−、または7−イソインドリル、2−、3−、4−、5−、6−、または7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−、または7−インダゾリル、2−、4−、5−、6−、7−、または8−プリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、または9−キノリジニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−キノリニル(quinoliyl)、1−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−イソキノリニル(quinoliyl)、1−、4−、5−、6−、7−、または8−フタラジニル、2−、3−、4−、5−、または6−ナフチリジニル、2−、3−、5−、6−、7−、または8−キナゾリニル、3−、4−、5−、6−、7−、または8−シンノリニル、2−、4−、6−、または7−プテリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−4aHカルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−カルバゾリル(carbzaolyl)、1−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−カルボリニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェナントリジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−アクリジニル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−ペリミジニル、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−、または10−フェナントロリニル(phenanthrolinyl)、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、または9−フェナジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェノチアジニル、1−、2−、3−、4−、6−、7−、8−、9−、または10−フェノキサジニル、2−、3−、4−、5−、6−、またはl−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、または10−ベンズイソキノリニル、2−、3−、4−、またはチエノ[2,3−b]フラニル、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、または11−7H−ピラジノ[2,3−c]カルバゾリル,2−、3−、5−、6−、または7−2H−フロ[3,2−b]−ピラニル、2−、3−、4−、5−、7−、または8−5H−ピリド[2,3−d]−o−オキサジニル、1−、3−、または5−1H−ピラゾロ[4,3−d]−オキサゾリル、2−、4−、または54H−イミダゾ[4,5−d]チアゾリル、3−、5−、または8−ピラジノ[2,3−d]ピリダジニル、2−、3−、5−、または6−イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、1−、3−、6−、7−、8−、または9−フロ[3,4−c]シンノリニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、8−、9−、10、または11−4H−ピリド[2,3−c]カルバゾリル、2−、3−、6−、または7−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジニル、7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、4−、5−、6−、または7−ベンゾチアゾリル、1−、2−、4−、5−、6−、7−、8−、または9−ベンズオキサピニル、2−、4−、5−、6−、7−、または8−ベンゾオキサジニル、1−、2−、3−、5−、6−、7−、8−、9−、10−、または11−1H−ピロロ[1,2−b][2]ベンズアザピニルを含み、これに限定されない。典型的縮合ヘテロアリール基は、2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−イソキノリニル、2−、3−、4−、5−、6−、または7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6−、または7−ベンゾ[b]チエニル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾオキサゾリル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾイミダゾリル、2−、4−、5−、6−、または7−ベンゾチアゾリルを含み、これに限定されない。
ヘテロアリール基は単、二、三、または多環式、好ましくは単、二、または三環式、より好ましくは単または二環式であり得る。
ここで使用する用語“ハロゲン”または“ハロ”はフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。
ここで使用する用語“ハロアルキル”は、1個以上のここで定義のハロ基で置換された、ここで定義のアルキルを意味する。好ましくはハロアルキルはモノハロアルキル、ジハロアルキルまたは過ハロアルキルを含むポリハロアルキルであり得る。モノハロアルキルは、アルキル基に1個のヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロを有し得る。ジハロアルキル(alky)およびポリハロアルキル基は、アルキル内に2個以上の同じハロ原子または異なるハロ基の組み合わせを含み得る。好ましくは、ポリハロアルキルは12個、10個、または8個、または6個、または4個、または3個、または2個までのハロ基を含む。ハロアルキルの非限定的例は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルを含む。過ハロアルキルは、全水素原子がハロ原子で置換されたアルキルを意味する。
ここで使用する用語“異性体”は、同じ分子式を有する異なる化合物を意味する。またここで使用する用語“光学異性体”は、ある本発明の化合物に存在し得て、幾何異性体を含む、種々の立体異性配置の全てを意味する。置換基が、炭素原子のキラル中心に結合できることは理解されよう。それ故、本発明は、本化合物のエナンチオマー、ジアステレオマーまたはラセミ体を含む。“エナンチオマー”は、互いに重ね合わせられない鏡像である立体異性体のペアである。エナンチオマーの対の1:1混合物は“ラセミ”混合物である。本用語は、適当であるとき、ラセミ混合物を示す為にしようする。“ジアステレオ異性体”は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体を意味する。絶対立体化学は、Cahn-lngold-Prelog R−Sシステムに従い特定する。化合物が純粋エナンチオマーであるとき、各キラル炭素での立体化学はRまたはSのいずれかにより特性し得る。絶対立体配置が未知である分割された化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(dextroまたはlevo回転)に依存して(+)または(−)と命名できる。ここに記載のある種の化合物は、1個以上の不斉中心を有し、それ故に、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学の観点で(R)−または(S)−として定義できる他の立体異性形態をもたらし得る。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形および中間混合物を含む、全てのこのような可能な異性体を含むことを意図する。光学活性(R)−および(S)−異性体は、キラル・シントンまたはキラル試薬を使用して製造でき、または慣用法を使用して分割する。化合物が二重結合を含むならば、置換基はEまたはZ立体配置であり得る。化合物が二置換されたシクロアルキルを含むならば、シクロアルキル置換基は、cis−またはtrans−立体配置を有し得る。全ての互変異性体形態もまた包含されることを意図する。
ここで使用する用語“薬学的に許容される塩”は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性保持し、生物学的にまたは他の点で望ましくないものではない塩を意味する。多くの場合、本発明の化合物は、アミノおよび/またはカルボキシル基またはそれに類似の基の存在のために、酸および/または塩基塩を形成できる。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸と形成できる。塩をもたらし得る無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。塩をもたらし得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイヒ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基と形成される。塩をもたらし得る無機は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含む;特に好ましいのはアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。塩をもたらし得る有機塩基は、例えば、1級、2級、および3級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂など、特に、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンを含む。本発明の薬学的に許容される塩は、親化合物である、塩基性または酸性部分から、慣用法により合成できる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸形と、化学量論量の適当な塩基(例えばNa、Ca、Mg、またはKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)を反応させることにより、またはこれらの化合物の遊離塩基形と、化学量論量の適当な酸を反応させることにより、製造できる。このような反応は、典型的に水中または有機溶媒中、またはこれら2種の混合物中で行う。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が、実施可能であれば、好ましい。さらなる適当な塩のリストは、例えば、引用により本明細書に包含させるRemington's Pharmaceutical Sciences, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)に見ることができる。
ここで使用する用語“薬学的に許容される担体”は、当業者には既知の通りの、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、防腐剤、薬物、薬物安定化剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、平滑剤、甘味剤、香味剤、色素、そのような物質(such like materials)およびそれらの組み合わせを含む(例えば、引用により本明細書に包含させるRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329参照)。何らかの通常の担体が活性成分と不適合でない限り、治療または医薬組成物におけるそれらの使用が意図される。
本発明の化合物の“治療的有効量”なる用語は、対象に生物学的または医学的応答を誘発するか、症状を緩解するか、疾患進行を遅延するか、または疾患を予防するなどの本発明の化合物の量を意味する。好ましい態様において、“有効量”はアルドステロンシンターゼの発現を阻害するまたは減少させる量を意味する。
ここで使用する用語“対象”は動物を意味する。好ましくは、動物は哺乳動物である。対象はまた例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚、鳥などを意味する。好ましい態様において、対象はヒトである。
ここで使用する用語“障害”または“疾患”は機能の何らかの混乱または異常;病的身体的または精神的状態を意味する。Dorland's Illustrated Medical Dictionary, (W.B. Saunders Co. 27th ed. 1988)参照。
ここで使用する用語“阻害”または“阻害する”は、ある状態、症状、または障害、または疾患の低下または抑制、または生物学的活性または過程のベースライン活性の顕著な減少を意味する。好ましくは、本状態または症状または障害または疾患はアルドステロンシンターゼ活性が仲介する。より好ましくは、本状態または症状または障害または疾患は、アルドステロンシンターゼの異常な活性またはアルドステロンシンターゼの異常な生物学的活性に関連するか、または本状態または症状または障害または疾患はアルドステロンシンターゼの異常な発現に関連する。
ここで使用する何らかの疾患または障害を“処置する”または“処置”なる用語は、一つの態様において、疾患または障害を軽減する(すなわち、疾患または少なくともその臨床症状の1つの発症を止めるまたは低下させる)ことを意味する。他の態様において、“処置する”または“処置”なる用語は、患者が認識していなくても良い少なくとも1つの身体的パラメータの軽減を意味する。さらに他の態様において、“処置する”または“処置”は、身体的に(例えば、認識可能な症状の安定)、生理学的(例えば、身体的パラメータの安定)のいずれか、またはその両方での疾患または障害の調節を意味する。さらに他の態様において、“処置する”または“処置”は、疾患または障害の発症もしくは進行を予防または遅延する。
ここで使用する用語“異常”は、正常な活性または特性と異なる活性または特性を意味する。
ここで使用する用語“異常な活性”は、野生型または生来の遺伝子またはタンパク質、の活性と異なる、または健常対象における遺伝子またはタンパク質の活性と異なる活性を意味する。異常な活性は、正常な活性より強くても弱くてもよい。一つの態様において、“異常な活性“は、遺伝子から転写可能なmRNAの異常(過剰または不足いずれかの)産生を含む。他の態様において、“異常な活性”は、遺伝子からのポリペプチドの異常(過剰または不足いずれかの)産生を含む。他の態様において、異常な活性は、mRNAまたはポリペプチドの正常レベルと、約15%、約25%、約35%、約50%、約65%、約85%、約100%またはそれ以上異なる、該mRNAまたはポリペプチドのレベルを意味する。好ましくは、mRNAまたはポリペプチドの異常なレベルは、該mRNAまたはポリペプチドの正常なレベルより低くても高くてもよい。なお他の態様において、異常な活性は、野生型タンパク質の正常活性と異なる、タンパク質の機能的活性を意味する。好ましくは、異常な活性は、正常活性より強くても弱くてもよい。好ましくは、異常な活性は、対応する遺伝子の変異が原因であり、該変異は遺伝子のコーディング領域または転写プロモーター領域のような非コーディング領域であり得る。変異は置換、欠失、挿入であり得る。
ここで使用する単数表現および本明細書の文脈において使用する類似表現(とりわけ特許請求の範囲の文脈)は、ここで特記しない限りまたは文脈上明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含する。本明細書中の数値範囲の限定は、単にその範囲内に入るそれぞれ別々の値を個々に述べる省略方法として用いることを意図する。ここで特記しない限り、各々の値は、それらが個々に本明細書に記載されているのと同程度、本明細書に包含される。ここに記載の全ての方法は、ここで特記しない限りまたは文脈から他のことが明らかに示されない限り、任意の順番で行い得る。ここに提供されている何れかのおよび全ての例、または例を示す用語(exemplary language)(例えば“例えば”)は、単に本発明をより明らかにすることを意図し、他に請求しない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の用語を、本発明の実施に必須の何らかの請求していない要素を示すものと解釈してはならない。
本発明の化合物上の全ての不斉炭素原子は(R)−、(S)−または(R,S)−立体配置、好ましくは(R)−または(S)−立体配置で存在できる。不飽和結合を有する原子上の置換基は、可能であれば、cis−(Z)−またはtrans−(E)−形態で存在する。それ故、本発明の化合物は、可能な異性体のいずれか一つまたはそれらの混合物、例えば、実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはそれらの混合物の形であり得る。
全ての得られる異性体混合物を、構成要素の物理的差異に基づき、純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分割できる。
最終生成物または中間体の全ての得られるラセミ体を、既知の方法により、例えば光学活性酸または塩基とジアステレオマー塩を分離し、光学活性酸性または塩基性化合物を遊離することにより、光学アンチポードに分割できる。特に、イミダゾリル部分は、本発明の化合物を、例えば、光学活性酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ−O,O'−p−トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸またはカンファー−10−スルホン酸と形成された塩の分別結晶により、それらの光学アンチポードに分割するために使用できる。ラセミ生成物もまたキラルクロマトグラフィー、例えば、キラル吸着剤を使用する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分割できる。
最後に、本発明の化合物は、遊離形で、その塩として、またはそのプロドラッグ誘導体として得る。
塩基性基が本発明の化合物に存在するとき、本化合物を、その酸付加塩、特に構造のイミダゾリル部分との酸付加塩、好ましくはその薬学的に許容される塩に変換できる。これらは、無機酸または有機酸と形成される。適当な無機酸は、塩酸、硫酸、リン酸またはハロゲン化水素酸を含み、これらに限定されない。適当な有機酸は、カルボン酸、例えば(C1−C4)アルカンカルボン酸(これは例えば、非置換であるかまたはハロゲンで置換されている)、例えば、酢酸、例えば飽和または不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸またはフマル酸、例えばヒドロキシカルボン酸、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸、例えばアミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸、有機スルホン酸、例えば(C1−C4)アルキルスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸;またはアリールスルホン酸(これは、非置換であるかまたは例えばハロゲンで置換されている)を含み、これに限定されない。好ましいのは塩酸、メタンスルホン酸およびマレイン酸と形成される塩である。
酸性基が本発明の化合物に存在するとき、本化合物は、薬学的に許容される塩基で塩に変換できる。このような塩は、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウムおよびマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;有機塩基とのアンモニウム塩、例えば、トリメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩およびN−メチル−D−グルカミン塩;アルギニン、リシンのようなアミノ酸との塩などを含む。塩は慣用法を使用して、有利にはエーテル系またはアルコール性溶媒、例えば低級アルカノールの存在下で変換できる。後者の溶液から、塩をエーテル、例えば、ジエチルエーテルで沈殿させ得る。得られた塩を、酸での処理により遊離化合物に変換できる。これらまたは他の塩はまた得られた化合物の精製にも使用できる。
塩基性基および酸基の両方が同じ分子に存在するとき、本発明の化合物は分子内塩も形成できる。
本発明はまた、インビボで本発明の化合物に変換する本発明の化合物のプロドラッグも提供する。プロドラッグは、対象へのプロドラッグの投与後に、本発明の化合物へとインビボでの加水分解、代謝などの生理学的作用を介して化学的に修飾される、活性または不活性化合物である。プロドラッグの製造および使用に関与する適切性および技術は当業者に既知である。プロドラッグは、概念的に2つの非排他的カテゴリー、バイオプレカーサープロドラッグおよび担体プロドラッグに分けることができる。The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)。一般に、バイオプレカーサープロドラッグは、不活性であるか、対応医薬化合物に比べて低い活性を有する化合物であり、それは1個以上の保護基を含み、代謝または加溶媒分解により活性形態に変換する。活性医薬形態および全ての放出される代謝産物の両方とも許容される低毒性であるべきである。典型的に、活性医薬化合物の形成は、以下のタイプの一つである代謝過程または反応が関与する:
1. アルコール、カルボニル、および酸官能基の酸化、脂肪族炭素のヒドロキシル化、脂環式炭素原子のヒドロキシル化、芳香族性炭素原子の酸化、炭素−炭素二重結合の酸化、窒素含有官能基の酸化、シリコン、リン、砒素、および硫黄の酸化、酸化的N−脱アルキル化、酸化的O−およびS−脱アルキル化、酸化的脱アミノ化、ならびに他の酸化的反応のような酸化的反応。
2. カルボニル基の還元、アルコール性基および炭素−炭素二重結合の還元、窒素含有官能基の還元、および他の還元反応のような還元的反応。
3. エステルおよびエーテルの加水分解、炭素−窒素単結合の加水分解的開裂、非芳香族性ヘテロ環の加水分解的開裂、多重結合での水和および脱水和、脱水反応により得られる新原子架橋、加水分解的脱ハロゲン化、水素ハライド分子の除去、および他のこのような反応のような酸化状態が変化しない反応。
担体プロドラッグは、例えば、作用部位(複数もある)での取り込みおよび/または局所送達を改善する輸送部分を含む、医薬化合物である。望ましくは、このような担体プロドラッグについて、医薬部分と輸送部分の間の架橋が共有結合である、プロドラッグが不活性であるか医薬化合物より低い活性である、そして全ての放出される輸送部分が許容される非毒性である。輸送部分が取り込みを増加することを意図するプロドラッグについて、典型的に輸送部分の放出は急速でなければならない。他の場合、遅延放出を提供する部分、例えば、ある種のポリマーまたは他の部分、例えばシクロデキストリンの使用が望まれる。引用により本明細書に包含するCheng et al.、US20040077595、出願番号10/656,838参照。このような担体プロドラッグは、しばしば、経口投与薬のために有利である。担体プロドラッグは、例えば、以下の特性の1個以上を改善するために仕様できる:親油性の増加、薬理学的効果の延長、部位特異性の増加、毒性および有害反応の低下、および/または医薬製剤の改善(例えば、安定性、水可溶性、望まない感覚刺激性または物理化学的特性の抑制)。例えば、親油性は、ヒドロキシル基を親油性カルボン酸で、またはカルボン酸基をアルコール、例えば、脂肪族アルコールでエステル化することにより増加できる。Wermuth, The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32, Ed. Werriuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001。
例示的プロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸のエステルならびにチオール、アルコールまたはフェノールのS−アシルおよびO−アシル誘導体であって、ここで、アシルはここで定義の意味を有する。好ましいのは、生理学的条件下で加溶媒分解により親カルボン酸に変換可能な薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、当分野で一般的に使用されている低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、モノ−またはジ−置換低級アルキルエステル、例えばω(アミノ、モノ−またはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステル、α−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステル、例えばピバロイルオキシメチルエステルなどである。加えて、アミンは、インビボでエステラーゼにより開裂されて、遊離薬剤およびホルムアルデヒドを放出し、アリールカルボニルオキシメチル置換誘導体である(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、酸性NH基、例えばイミダゾール、イミド、インドールなどを含む医薬は、N−アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard, Design of Prodrug, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基はエステルおよびエーテルとしてマスクされている。EP039,051(Sloan and Little)は、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、その製造および使用を記載する。
本化合物、塩およびプロドラッグの形の化合物の間の密接な関係の観点から、本発明の化合物に関する全ての言及は、適当であり、好都合である限り、対応するプロドラッグも言及すると理解すべきである。
さらに、本発明の化合物(それらの塩を含む)はまた水和物の形で得ることができ、または結晶化に使用した他の溶媒を含む。
本発明の化合物は、価値ある薬理学的特性を有する。本発明の化合物はアルドステロンシンターゼ阻害剤として有用である。アルドステロンシンターゼ(CYP11B2)は、副腎皮質におけるアルドステロン産生の最終段階、すなわち、11−デオキシコルチコステロンからアルドステロンへの変換を触媒するミトコンドリアチトクロームP450酵素である。アルドステロンシンターゼは、心臓、臍帯、腸間膜および肺動脈、大動脈、内皮および血管細胞のような全ての心血管組織において発現されることが証明されている。さらに、アルドステロンシンターゼの発現は、細胞のアルドステロン産生と密接に相関する。アルドステロン活性またはアルドステロンレベルの増加が、鬱血性心不全、心臓または心筋線維症、腎不全、高血圧、心室性不整脈および他の有害な影響などの種々の疾患を誘発し、アルドステロンまたはアルドステロンシンターゼの阻害が有用な治療法であることが観察されている。例えば、Ulmschenider et al. “Development and evaluation of a pharmacophore model for inhibitors of aldosterone synthase (CYP11B2),” Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 16: 25-30 (2006); Bureik et al., “Development of test systems for the discovery of selective human aldosterone synthase (CYP11B2) and 11β-hydroxylase (CYP11B1) inhibitors, discovery of a new lead compound for the therapy of congestive heart failure, myocardial fibrosis and hypertension,” Moleculare and Cellular Endocrinology, 217: 249-254 (2004); Bos et al., “Inhibition of catechnolamine-induced cardiac fibrosis by an aldosteron antagonist,” J. Cardiovascular Pharmacol, 45(1): 8-13 (2005); Jaber and Madias, “Progression of chronic kidney disease: can it be prevented or arrested?” Am. J. Med. 118(12): 1323-1330 (2005); Khan and Movahed, “The role of aldosterone and aldosterone-receptor antagonists in heart failure,” Rev. Cardiovasc Med., 5(2): 71-81 (2004); Struthers, “Aldosterone in heart failure: pathophysiology and treatment,” Cyrr. Heart Fail., 1(4): 171-175(2004); Harris and Rangan, “Retardation of kidney failure - applying principles to practice,” Ann. Acad. Med. Singapore, 34(1): 16-23 (2005); Arima, “Aldosterone and the kidney: rapid regulation of renal microcirculation,” Steroids, online publication November 2005; Brown, “Aldosterone and end-organ damage,” Curr. Opin. Nephrol Hypertens, 14:235-241 (2005); Grandi, “Antihypertensive therapy: role of aldosteron antagonists,” Curr. Pharmaceutical Design, 11: 2235-2242 (2005); Declayre and Swynghedauw, “Molecular mechanisms of myocardial remodeling: the role of aldosterone,” J. Mol. Cell. Cardiol., 34: 1577-1584 (2002)参照。従って、アルドステロンシンターゼ阻害剤としての本発明の化合物はまた、アルドステロンシンターゼが仲介するもしくはアルドステロンシンターゼの阻害に応答する障害または疾患の処置に有用である。特に、アルドステロンシンターゼ阻害剤としての本発明の化合物は、異常アルドステロンシンターゼ活性により特徴付けられる障害または疾患の処置に有用である。好ましくは、本発明の化合物はまた、低カリウム血症、高血圧、鬱血性心不全、心房細動、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、炎症、コラーゲンの形成増加、心臓または心筋線維症のような線維症および高血圧後のリモデリングおよび内皮機能不全から選択される障害または疾患の処置に有用である。
さらに、本発明の化合物は、CYP11B1(11−β−ヒドロキシラーゼ)阻害剤としても有用である。CYP11B1は、コルチゾール合成の最終工程を触媒する。コルチゾールは、ヒトにおける主グルココルチコイドである。それはエネルギー流動を、故に、ストレス応答を制御する。加えて、それはヒト身体の免疫応答に関与する。異常に増加したコルチゾールレベルは、クッシング症候群を含む種々の疾患の原因である。従って、CYP11B1阻害剤としての本発明の化合物は、CYP11B1の異常な活性または異常レベルにより特徴付けられる障害または疾患または状態の処置に有用である。本発明の化合物は、クッシング症候群、過剰CYP11B1レベル、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素沈着性結節性副腎皮質病変(PPNAD)、カーニー複合(CNC)、神経性摂食障害、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン退薬症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後の認知の障害およびコルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰などのような障害、疾患または状態の処置に有用であり得る。
従って、一つの局面において、本発明は、式(Ia):
〔式中、
Xは酸素またはN−R
9であり;
R
1は水素、ハロゲン、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、または(C
1−C
7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C
1−C
7)アルキル、ハロゲン、(C
1−C
7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−O−、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R
2は水素、ハロゲン、(C
3−C
7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C
1−C
7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C
1−C
7)アルキル、ハロゲン、(C
1−C
7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−O−、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基の置換基で置換されていてよい)であり;
R
3は水素、ハロゲン、シアノ、シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、(C
1−C
7)アルキル−SO
2−、(C
1−C
7)アルコキシSO
2−、スルホンアミド、アリール、ヘテロアリール、H(R
18ON=)C−、R
10O(CH
2)
n−、R
12R
11(R
13O)C−、R
14O−(O)C−、R
15−C(O)−、またはR
10−N(R
18)−C(O)−であるか;または
R
3は(C
1−C
7)アルキル、3−10員ヘテロアリール、または3−10員ヘテロシクリル(これは所望によりハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R
2およびR
3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により5−9員環を形成してよく;
R4およびR5は、独立して水素、アリール、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、または(C1−C7)アルキルであり、ここで、該アリールまたはアルキルは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R4およびR5、またはR3およびR4は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R6は水素、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R7およびR8は、独立して(C1−C7)アルキルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり、この各々は所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R7およびR8は、独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、(C1−C7)アルコキシ、(C1−C7)ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、R16−O−、R16−S−、R17−C(O)−、またはR17−SO2−であり;
nは1、2、3、または4であり;
R9、R10、R11、R12およびR13は、独立して水素、(C3−C7)シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R14は水素、(C3−C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R15は水素、(C1−C7)アルキル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリール−モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、4−10員ヘテロシクリルであり;
R16は水素、(C1−C7)アルキル、アリール、または(C1−C4)ハロアルキルであり、
R17はアミノ、ヒドロキシ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、4−10員ヘテロシクリル、または(C1−C7)アルコキシであり;そして
R18は水素または(C1−C7)アルキルであるか、または
R10およびR18は、それらが結合している炭素またはヘテロ原子と一体となって所望により4−9員環を形成してよい。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物の使用を提供する。
他の局面において、本発明は、式(Ia):
〔式中、:
Xは酸素またはN−R
9であり;
R
1は水素、ハロゲン、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C
1−C
7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C
1−C
7)アルキル、ハロゲン、(C
1−C
7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−O−、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R
2は水素、ハロゲン、(C
3−C
7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C
1−C
7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C
1−C
7)アルキル、ハロゲン、(C
1−C
7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C
3−C
7)シクロアルキル、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、アミノ、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−O−、(C
1−C
7)アルキル−C(O)−、(C
1−C
7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R
3は水素、ハロゲン、シアノ、(C
1−C
7)アルケニル、(C
1−C
7)アルキニル、(C
1−C
7)アルキル−SO
2−、(C
1−C
7)アルコキシSO
2−、スルホンアミド、アリール、ヘテロアリール、H(R
10ON=)C−、R
10O(CH
2)
n−、R
12R
11(R
13O)C−、R
14O−(O)C−、またはR
15−C(O)−であるか;または
R
3は(C
1−C
7)アルキル(これは、所望によりハロゲン、モノ−(C
1−C
7)アルキルアミノ、ジ−(C
1−C
7)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R
2およびR
3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により5−9員環を形成してよく;
R4およびR5は、独立して、水素、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R4およびR5は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R6は水素、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R7およびR8は、独立して(C1−C7)アルキルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり、この各々は所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R7およびR8は、独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、(C1−C7)アルコキシ、(C1−C7)ハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、R16−O−、R16−S−、R17−C(O)−、またはR17−SO2−であり;
nは1、2、3、または4であり;
R9、R10、R11、R12およびR13は、独立して水素、(C3−C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R14は水素、(C1−C7)アルキル、(C3−C7)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R15は水素、(C1−C7)アルキル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリール−モノ−(C1−C7)アルキルアミノであり;
R16は水素、(C1−C7)アルキル、アリール、または(C1−C4)ハロアルキルであり、そしてR17はアミノ、ヒドロキシ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、または(C1−C7)アルコキシである。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物の使用を提供する。
好ましくは、本発明は、
Xが酸素またはN−R9であり;
R1が水素、ハロゲン、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、またはジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R2が水素、ハロゲン、(C3−C7)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、またはジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R3が水素、ハロゲン、シアノ、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、R10O(CH2)n−、R12R11(R13O)C−、R14O−(O)C−、R15−C(O)−、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりハロゲン、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R2およびR3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により5−9員環を形成してよく;
R4およびR5が、独立して水素、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、またはジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であるか;または
R4およびR5が、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R6が水素、アリールまたは(C1−C4)アルキルt(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C4)アルキル、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、またはジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R7およびR8が独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、R16−O−、R16−S−、R17−C(O)−、またはR17−SO2−、(C1−C4)アルキルまたは(C3−C7)シクロアルキルであり、この各々は所望によりヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよく;
nが1、2、3、または4であり;
R9、R10、R11、R12およびR13が独立して水素、(C3−C7)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、(C3−C7)シクロアルキル、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリールから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R14が(C1−C7)アルキル、(C3−C7)シクロアルキル、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリール、または(C1−C4)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、ハロゲン、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、(C6−C10)アリール、(5−10)−員ヘテロアリールから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R15が水素、(C1−C4)アルキル、アミノ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アリール−モノ−(C1−C4)アルキルアミノであり;
R16が水素、(C1−C4)アルキル、アリール、または(C1−C4)ハロアルキルであり、そしてR17がアミノ、ヒドロキシ、モノ−(C1−C4)アルキルアミノ、ジ−(C1−C4)アルキルアミノ、または(C1−C4)アルコキシである;
式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物を提供する。
好ましくは、本発明は、
XがN−R9または酸素であり;
R1が水素であり;
R2が水素であり;
R3がシアノ、R10−N(R18)−C(O)−、R12R11(R13O)C−、R14O−(O)C−、またはR15−C(O)−であるか;または
R4およびR5が独立して(C1−C4)アルキルであるか;または
R4およびR5が、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により3−9員環を形成してよく;
R6が水素であり;
R7が水素であり;
R8が水素、シアノ、またはハロゲンであり;
R9が水素、ベンジル、またはC1−C4アルキルであり;
R10がC1−C4アルキル、フェニル、またはベンジルであり;
R11およびR12が独立して水素であり;
R13が水素または(C1−C6)アルキルであり;
R14がC1−C6アルキルであり;
R15が(C1−C6)アルキルであるか;または
R18が水素またはC1−C4アルキルである、
式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物の使用を提供する。
好ましくは、本発明は、
Xが酸素であり;
R1が水素であり;
R2が水素であり;
R3がR12R11(R13O)C−、R14O−(O)C−、またはR15−C(O)−であるか;または
R4およびR5が独立して(C1−C4)アルキルであるか;または
R6が水素であり;
R7が水素であり;
R8が水素、またはハロゲンであり;
R11およびR12が独立して水素であり;
R13が水素または(C1−C6)アルキルであり;
R14がC3−C6アルキルであり;
R15が(C1−C6)アルキルである;
式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物の使用を提供する。
好ましくは、本発明は、
XがN−R9または酸素であり;
R1が水素、ハロゲン、チオール、または(C1−C7)アルキルであり;
R2が水素、ハロゲン、または(C1−C7)アルキルであり;
R3が水素、ハロゲン、シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、ヘテロアリール、所望により1〜4個の(C1−C7)アルキルで置換されていてよい4−10員ヘテロシクリル(ここで、該ヘテロシクリルは少なくとも3個のヘテロ原子を有する)、R10−N(R18)−C(O)−、H(R18ON=)C−、R10O(CH2)n−、またはR14O−(O)C−であり;
R3がヒドロキシもしくは(C1−C7)アルコキシで置換されている(C2−C7)アルキル、または(C1−C7)アルコキシ(これはさらに1〜4個のヒドロキシで置換されている)で置換されている(C1−C7)アルキルであり;
R3が所望によりハロゲン、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、およびジ−(C1−C7)アルキルアミノから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい(C1−C7)アルキルであるか;または
R2およびR3が、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により5−9員環を形成してよく;
R4およびR5が独立して水素、アリール、または(C1−C7)アルキルであり、ここで、該アリールまたはアルキルは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R4およびR5、またはR3およびR4が、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R6が水素、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R7およびR8が独立して(C1−C7)アルキルまたは(C3−C7)シクロアルキルであって、この各々は所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R7およびR8が独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、R16−O−、R16−S−、R17−C(O)−、またはR17−SO2−であり;
R9が水素、(C3−C7)シクロアルキル、シアノ、アラルキル、または(C1−C7)アルキル(これは、所望により1〜4個のハロゲンで置換されていてよい)であり;
R10が、ヒドロキシ、(C1−C7)アルキルもしくはハロゲンから選択される1〜4個の置換基で置換されているアラルキル、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲンから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいヘテロアリール、または1〜4個のヒドロキシで置換されている(C1−C7)アルキルであり;
R14が、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいアリールであり;
R16が水素、(C1−C7)アルキル、アリール、または(C1−C4)ハロアルキルであり、
R17がアミノ、ヒドロキシ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、4−10員ヘテロシクリル、または(C1−C7)アルコキシであり;
R18が水素または(C1−C7)アルキルであるか;または
nが2、3、または4である;
式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物の使用を提供する。
好ましくは、本発明は、
Xが酸素またはN−R9であり;
R1が水素、または(C1−C7)アルキルであり;
R2が水素、または(C1−C7)アルキルであり;
R3が水素、ハロゲン、シクロアルキル、または(C1−C7)アルケニルであり;
R4およびR5が独立して水素、アリール、または(C1−C7)アルキルであり;
R6が水素、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキルであり;
R7およびR8が独立して水素、ハロゲン、シアノ、またはニトロであり;
R9が水素、または(C1−C7)アルキルである;
式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物の使用を提供する。
好ましくは、本発明は、
XがN−R9であり;
R1が水素、ハロゲン、チオール、または(C1−C7)アルキルであり;
R2が水素、ハロゲン、または(C1−C7)アルキルであり;
R3が(C1−C7)アルキル−O−(O)C−であり;
R4およびR5が独立して水素、アリール、または(C1−C7)アルキルであって、ここで、該アリールまたはアルキルが所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよいか;または
R4およびR5、またはR3およびR4が、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により4−9員環を形成してよく;
R6が水素、アリール、ヘテロアリール、または(C1−C7)アルキル(これは、所望によりヒドロキシ、(C1−C7)アルキル、ハロゲン、(C1−C7)アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、チオール、(C1−C7)シクロアルキル、(C1−C7)アルケニル、(C1−C7)アルキニル、アミノ、モノ−(C1−C7)アルキルアミノ、ジ−(C1−C7)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−C7)アルキル−C(O)−O−、(C1−C7)アルキル−C(O)−、(C1−C7)アルキル−O−C(O)−、アシルアミノ、グアニジノ、またはヘテロシクリルから選択される1〜4個の置換基で置換されていてよい)であり;
R7およびR8が独立して水素または(C1−C7)アルキルであり;
R9が(C3−C7)シクロアルキルである;
式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容される塩;またはその光学異性体;または光学異性体の混合物の使用を提供する。
加えて、本発明は:
− 医薬として使用するための上記した本発明の化合物;
− アルドステロンシンターゼが仲介し、またはアルドステロンシンターゼの異常な活性、もしくはアルドステロンシンターゼの異常な発現により特徴付けられる障害または疾患の進行遅延および/または処置用医薬組成物の製造のための、上記した本発明の化合物の使用;
− 低カリウム血症、高血圧、鬱血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲンの形成増加、線維症および高血圧後のリモデリングおよび内皮機能不全から選択される障害または疾患の進行遅延および/または処置用医薬組成物の製造のための、上記した本発明の化合物の使用
を提供する。
さらに、本発明は:
− 医薬として使用するための上記した本発明の化合物;
− CYP11B1が仲介し、またはCYP11B1の異常な活性、もしくはCYP11B1の異常な発現/レベルにより特徴付けられる障害または疾患または状態の進行遅延および/または処置用医薬組成物の製造のための、上記した本発明の化合物の使用;
− クッシング症候群、過剰CYP11B1レベル、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素沈着性結節性副腎皮質病変(PPNAD)カーニー複合(CNC)、神経性摂食障害、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン退薬症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後の認知の障害およびコルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰などから選択される障害または疾患または状態の進行遅延および/または処置用医薬組成物の製造のための、上記した本発明の化合物の使用。
式(I)−(Ia)の化合物は以下の章に記載の方法により製造できる。
一般に、式(I)−(Ia)の化合物は、5工程を含むスキーム1に従い製造できる。
スキーム1。
工程1において、塩化アルミニウム(III)は2級アミン、好ましくはジエチルアミンと、フタリド(II)の反応を促進して、アルコール(III)を得る。工程2において、アルコールを、好ましくはDCM中、−78℃でトリフラートへの変換により活性化し、その後同じフラスコ中で1−Boc−4−ヨードイミダゾールと反応させ、その後Boc基を、好ましくはメタノールで加溶媒分解して、(IV)を得る。化合物(IV)を、工程3において適当な塩基、好ましくはLDAで脱プロトン化することによりアルキル化し、続いて適当な求電子試薬でアニオンをトラップする。化合物(V)を、次いで、工程4で、好ましくは水性水酸化カリウムと共にジオキサン中のアミドでの塩基性加水分解によりラクトン(VI)に変換し、その後同じフラスコ中、好ましくは濃HClで反応混合物を酸性化することにより、酸触媒閉環する。化合物(VI)を、次いで、適当な求核試薬、例えばトリブリルビニル錫で、触媒量のパラジウム塩、例えばPd2(dba)3.CHCl3、およびホスフィンリガンド、例えばトリ−(2)−フリルホスフィンの存在下、極性非プロトン性溶媒、例えばNMP中で処理して、生成物(VII)を得る。R3の適当な変換は、さらなるアナログを導く。例えば、R3がアルケンを含むならば、アルケンをオゾン分解、その後の還元的後処理によりアルコールに変換でき、またはアルケンを水素化によりアルキルに変換できる。
あるいは、式(I)および(Ia)の化合物をスキーム2に従い、製造できる。
スキーム2。
工程1において、2級アミン、好ましくはジエチルアミンを、安息香酸誘導体(VIII)由来の酸クロライドと反応させて、アミド(IX)を得る。工程2において、アミドを、好ましくはsec−BuLiおよびテトラメチルエチレンジアミンを使用した、オルト指向メタル化工程において脱プロトン化し、得られたアニオンをホルムアルデヒドでクエンチして、アルコール(X)を得る。アルコールを、好ましくはジクロロメタン中ポリマー支持トリフェニルホスフィンおよび臭素から製造した試薬を使用して、対応するブロマイドに変換する。中間体ブロマイドをイミダゾールと、好ましくはアセトニトリル中、70℃で反応させて、アミド(XI)を得る。化合物(XI)を、工程4において、適当な塩基、好ましくはLDAで脱プロトン化することによりアルキル化し、続いて適当な求電子試薬でアニオンをトラップする。化合物(XII)を、次いで、工程5において、好ましくは水性水酸化カリウムと共にジオキサン中のアミドでの塩基性加水分解によりラクトン(XIII)に変換し、その後同じフラスコ中、好ましくは濃HClで反応混合物を酸性化することにより、酸触媒閉環する。
あるいは、式(I)および(Ia)の化合物をスキーム3に従い製造できる。
スキーム3。
工程1において、適当な保護基、好ましくはトリフェニルメチルを、トリエチルアミンの存在下、DMF中、トリフェニルメチルクロライドのような適当な試薬を使用して(3H−イミダゾール−4−イル)−メタノール(XIV)のN−1に導入する。工程2は、工程1から得られたアルコールのシリルエーテル、好ましくはt−ブチルジメチルシリルエーテルとしての、適当な塩基、好ましくはイミダゾール、および非プロトン性溶媒、好ましくはDMFまたはCH2Cl2の存在下、t−ブチルジメチルシリルクロライドのような適当な試薬での保護により、(XVI)を得る。工程3は、(XVI)と適当なアルキル化試薬(XVII)、例えばX=Brを、非プロトン性溶媒、好ましくはCH3CN中で反応させて、好ましくはメタノールを使用した加溶媒分解後、(XVIII)を得る。アルキル化剤(XVII)を、対応する2−メチルベンゾニトリル誘導体を、適当な臭素化剤、例えばNBSで、適当なラジカルイニシエーター、例えばAIBNまたは過酸化ベンゾイル処理することにより製造できる。あるいは、アルキル化剤(XVII)を、例えば、CBr4およびPPh3での処理により置換ベンジルアルコールから対応するハライドに変換することにより製造できる。化合物(XVIII)を、工程4において、適当な塩基、好ましくはLHMDSでの脱プロトン化によりアルキル化し、続いて適当な求電子試薬でアニオンをトラップする。化合物(XIX)を、次いで、工程5において、水および有機溶媒、好ましくはTHFまたはジオキサンの混合物中、酸、好ましくは硫酸を使用してラクトン(XX)に変換できる。(XX)におけるR3の適当な変換は、さらなるアナログ(XXI)を導く。例えばアルコールを、クロライドおよび適当なアルコールでの求核性置換によりエーテルに変換できる。他の例において、アルコールをアルデヒドに酸化し、該アルデヒドを還元的アミノ化条件に付すことができる。
さらにまた、式(I)および(Ia)の化合物を、3工程のスキーム4に従い、製造できる。
スキーム4。
工程1は、塩基、好ましくは水素化ナトリウム存在下の、(XXII)と適当なアルキル化試薬(XVII)、例えばX=Brの反応に関する。アルキル化剤(XVII)は、対応する2−メチルベンゾニトリル誘導体の適当な臭素化剤、例えばNBSでの、適当なラジカルイニシエーター、例えばAIBNまたは過酸化ベンゾイル存在下の処理により製造できる。あるいは、アルキル化剤(XVII)を、例えば、CBr4およびPPh3での処理により置換ベンジルアルコールから対応するハライドに変換することにより製造できる。化合物(XXIII)を、工程2において、適当な塩基、好ましくはLHMDSで脱プロトン化することによりアルキル化し、続いて適当な求電子試薬でアニオンをトラップする。化合物(XXIV)を、次いで、工程3において、水および有機溶媒、例えばTHFまたはジオキサンの混合物中、酸、好ましくは硫酸を使用してラクトン(XXV)に変換する。
さらにまた、式(I)および(Ia)の化合物は、4工程のスキーム5に従い、製造できる;
スキーム5。
工程1において、適当な1級アミンを、アセトンと、好ましくは1型中性アルミなの作用下に縮合させる。工程2において、得られたイミン(XVII)を、ホモフタル酸無水物誘導体(Y)と、適当な酸、好ましくは酢酸の存在下で縮合させて、ラクタム(XXVIII)を得る。工程3は、好ましくは酢酸およびベンゼンを含む混合溶媒系を用いた、好ましくは酢酸鉛(IV)による、カルボン酸官能基の酸化的開裂を含む。反応混合物の適当な塩基、好ましくはLiOHを用いた、水および有機溶媒、好ましくはTHFの混合物中の鹸化により、アルコール(XXIX)を得る。工程4において、アルコールを、好ましくはジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレートおよびトリフェニルホスフィンをTHF中で使用して、イミダゾール誘導体で置換して、(XXX)を得る。
化合物(Y)は、2−(ヒドロキシメチル)フェノール誘導体から製造できる(Podraza, K. F. J. Heterocyclic Chem. 1987, 24, 801)。
さらにまた、式(I)および(Ia)の化合物は、4工程のスキーム6に従い、製造できる;
スキーム6。
この方法は化合物(XXXI)(スキーム5)(式中、R9は好ましくは3,4−ジメトキシベンジルである)から開始する。(XXXI)の酸、好ましくはトリフルオロ酢での、カルボカチオンスカベンジャー、好ましくはチオアニソール存在下での処理により、ラクタムXXXII(工程1、スキーム5)を得る。工程2は、好ましくは酢酸およびベンゼンを含む混合溶媒系を用いた、好ましくは酢酸鉛(IV)によるカルボン酸官能基の酸化的開裂を含む。次いで、反応混合物の適当な塩基、好ましくはLiOHを用いた、水および有機溶媒、好ましくはTHFの混合物中の鹸化により、アルコール(XXXIII)を得る。工程3において、アルコールを、好ましくはトリフェニルホスフィンおよびジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレートをTHF中で使用して、イミダゾール誘導体で置換して、(XXXIV)を得る。適当な塩基、好ましくは水素化ナトリウムを用いる脱プロトン化(工程4)、および適当なアルキル化剤、例えばX=IまたはX=OTfでのアニオンのトラップによりラクタム(XXXVI)を得ることができる。
さらにまた、式(I)および(Ia)の化合物は、5工程のスキーム7に従い、製造できる;
スキーム7
工程1において、XXXVIIタイプのジ−ケトンを、非求核性塩基、好ましくはCelite(登録商標)に吸着したフッ化カリウムおよびアルキルハライド、好ましくはヨードメタンの作用によるアルキル化に付して、XXXVIIIタイプの化合物を得る。工程2は、ハイドライドの適当な源および当量、好ましくは、0.3当量の水素化ホウ素ナトリウムを用いたモノ還元により、XXXIXタイプのアルコールを得る。XXXIXタイプのアルコールとトリフルオロメタンスルホン酸無水物の、3級アミン、好ましくはジイソプロピルエチルアミン存在下の反応、その後XLタイプのイミダゾールでの処理により、XLIタイプのケトンを得る。XLIタイプのケトンとヒドロキシルアミンの縮合(工程4)および得られたオキシム(XLII)の、p−トルエンスルホニルクロライドを用いたDMAPおよびピリジン存在下のスルホニル化により、XLIIIタイプの化合物を得る。工程6は、熱的に促進されたベックマンタイプ転位を含み、好ましくは190℃でのマイクロ波照射により達成し、XLIVタイプのアミドを得る。得られたアミド官能性の窒素原子を、次いで、所望により、例えば強塩基、好ましくはNaH、およびアルキルハライド、例えばヨードメタンの使用を介するアルキル化により操作してよい。
一般に、本発明の化合物のエナンチオマーを、ラセミ混合物の分解について当業者に既知の方法により、例えばジアステレオマー塩の形成および再結晶化により、またはキラルクロマトグラフィーまたはキラル固定相(stationery phases)を使用したHPLC分離により分離できる。
ここに記載の方法で本発明の化合物に変換する出発化合物および中間体において、アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基のような存在する官能基を、所望により製造有機化学において一般的な保護基で保護してよい。保護されたアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシル基は、緩和な条件下で遊離アミノチオール、カルボキシルおよびヒドロキシル基に、フレームワークが破壊されることなく、または他の望まない副反応が起こることなく変換できるものである。
保護基を導入する目的は、記載の化学変換を実施するために使用する条件下で、反応成分との望まない反応から官能基を保護することである。特定の反応についての保護基の必要性および選択は、当業者に既知である、保護すべき官能基(ヒドロキシル基、アミノ基など)、置換基が一部である分子の構造および安定性ならびに反応条件による。
これらの条件に合う保護基ならびにそれらの導入および除去は、例えば、McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London, NY (1973); and Greene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley and Sons, Inc., NY (1999)に記載されている。
上記の反応は標準法に従い、希釈剤(好ましくは、例えば試薬に対して不活性であり、それらの溶媒である)、触媒、縮合剤または該他の試薬各々の存在下または非存在下および/または不活性雰囲気下、低温、室温または高温で、好ましくは使用する溶媒の沸点または沸点付近の温度で、そして大気圧または超大気圧で行う。好ましい溶媒、触媒および反応条件は、添付の説明的実施例に明示する。
本発明は、さらに、何れかの段階で得られる中間体生成物を出発物質として使用して残りの工程を行うか、または出発物質を反応条件下インサイチュで形成させるか、または反応成分をその塩または光学的に純粋なアンチポードの形で使用し、本発明の方法の全ての変法を含む。
本発明の化合物および中間体はまた、それ自体一般に既知の方法で互いに変換できる。
他の局面において、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。医薬組成物は、経口投与、非経腸投与、および直腸投与などのような特定の投与経路のために製剤できる。加えて、本発明の医薬組成物は、カプセル、錠剤、ピル、顆粒、粉末または坐薬を含む固体形態、または溶液、懸濁液またはエマルジョンを含む液体形態に製造できる。医薬組成物は滅菌のような通常の医薬操作に付してよくおよび/または慣用の不活性希釈剤、平滑剤、または緩衝剤(buffering agents)、ならびにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝液(buffers)などを含んでよい。
好ましくは、医薬組成物は、活性成分を
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;
b)平滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまた
c)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;望むならば
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/または
e)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤
と共に含む、錠剤およびゼラチンカプセルである。
錠剤は当分野で既知の方法に従い、フィルムコーティングまたは腸溶性コーティングのいずれかを施し得る。
経口投与のための適当な組成物は、錠剤、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬または軟カプセル、またはシロップまたはエリキシルの形で有効量の本発明の化合物を含む。経口使用を意図する組成物は医薬組成物の製造について当分野で既知の任意の方法に従い製造し、そしてこのような組成物は、薬学的に洗練され、味がよい製剤を提供するために甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤から成る群から選択される1種以上の薬剤を含み得る。錠剤は、活性成分を錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して含む。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、カルシウムホスフェートまたはナトリウムホスフェート;造粒および崩壊剤、例えば、コーンデンプン、またはアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア;および平滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクである。錠剤はコーティングされていないか、または、胃腸管での崩壊および吸収を遅延し、それにより長時間にわたる持続した作用を提供するために既知の技術によりコーティングされる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を使用できる。経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、カルシウムホスフェートまたはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル、または活性成分が水または油性媒体、例えば、ピーナッツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして存在できる。
注射可能組成物は、好ましくは水性等張溶液または懸濁液であり、坐薬は有利には脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造する。該組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含み得る。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質も含み得る。該組成物は、各々慣用の混合、造粒またはコーティング法に従い製造し、約0.1−75%、好ましくは約1−50%の活性成分を含む。
経皮適用のための適当な組成物は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。有利な担体は、宿主の皮膚の通過を助けるための吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは裏打ち部材、化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、所望により、制御されて予定された速度で長時間にわたり宿主の皮膚に化合物を送達するための速度制御バリア、および該デバイスを皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形である。
例えば皮膚および眼への局所適用のために適当な組成物は、水性溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは、例えばエアロゾルによる送達のための噴霧可能製剤などを含む。このような局所送達系は、例えば、皮膚癌の処置のための、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーなどにおける予防的使用のための、皮膚適用のために特に適当である。それ故に、それらは特に、当分野で既知の、化粧品を含む局所製剤のける使用に適する。これらは可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含み得る。
本発明は、さらに、水がいくつかの化合物の分解を促進し得るため、本発明の化合物を活性成分として含む無水医薬組成物および投与形態を提供する。例えば、水(例えば、5%)の添加は、貯蔵寿命または長時間にわたる製剤の安定性のような特徴を決定するための長時間貯蔵を模倣する手段として医薬分野で広く認識されている。例えば、Jens T. Carstensen, Drug Stability:Principles & Practice, 2d. Ed., Marcel Dekker, NY, N.Y., 1995, pp. 379-80を参照。実際、水および熱はいくつかの化合物の分解を加速し得る。それ故に、製剤に対する水の影響は水分および/または湿度は、製剤の製造、取り扱い、包装、貯蔵、輸送および使用の間に一般的に見られるため、非常に重要である。
本発明の無水医薬組成物および投与形態は、無水または低水分含有成分および低湿気または低湿度条件を使用して製造できる。ラクトースおよび1級または2級アミンを含む少なくとも1種の活性成分を含む医薬組成物および投与形態は、製造、包装および/または貯蔵中に湿気および/または湿度と実質的に接触することが予測されるならば、好ましくは無水である。
無水医薬組成物は、その無水特性を維持するように製造および貯蔵すべきである。従って、無水組成物は、好ましくは、適当な製剤キットに含まれうるような水への暴露を防止することが既知の材料を使用して包装する。適当な包装の例は、密閉ホイル、プラスチック、単位用量コンテナ(例えば、バイアル)、ブリスターパック、およびストリップ包装を含み、これらに限定されない。
本発明は、さらに、活性成分としての本発明の化合物が分解する速度を低下させる1種以上の薬剤を含む医薬組成物および投与形態に関する。ここでは“安定化剤”と呼ぶこのような薬剤は、アスコルビン酸のような抗酸化剤、pH緩衝剤、または塩緩衝剤などを含み、これらに限定されない。
医薬組成物は、上記に定義した治療的有効量の本発明の化合物を単独で、または他の治療剤と組み合わせて、例えば、各々、当分野で報告されている有効治療量で含む。このような治療剤は、抗肥満剤、例えばオーリスタット、抗高血圧剤、変力剤および脂質低下剤、例えば、ループ利尿剤、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミド;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル;Na−K−ATPase膜ポンプ阻害剤、例えばジゴキシン;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;ACE/NEP阻害剤、例えばオマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリル;アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特に、バルサルタン;β−アドレナリン受容体ブロッカー、例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロール;変力剤、例えばジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノン;カルシウムチャネルブロッカー、例えばアムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミル;および3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムAレダクターゼ(HMG−CoA)阻害剤、例えばロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン(rivastatin)を含む。本発明の化合物は、他の活性成分と同時に、前にまたは後に、同一または異なる投与経路で別々に、または同じ医薬製剤で一緒に投与してよい。
さらに、上記の組み合わせは、対象に、同時の、別々のまたは連続的投与(使用)を介して投与できる。同時投与(使用)は、2種以上の活性成分を有する1個の固定された製剤の形で、または個々に製剤された2種以上の化合物の同時の投与により行い得る。連続投与(使用)は、好ましくは組み合わせが個々に投与された一化合物よりも有効性を示すように(とりわけ相乗効果を示すように)、好ましくは、組み合わせの1種(またはそれ以上)の化合物または活性成分をある時点で投与し、他の化合物または活性成分を他の時点で投与し、すなわち、時間的にずれた方法で投与することを意味する。別々の投与(使用)は、好ましくは、組み合わせの化合物または活性成分を、互いに独立して異なる時点で投与することを意味し、好ましくは2種の化合物を、両方の化合物の測定可能な血中レベルの重複が重複する(同時)ような方法で存在しないように投与する。
また、2種以上の組み合わせの連続した、別々のおよび同時の投与は、組み合わせ化合物−薬剤が、組み合わせ化合物−薬剤を個々に、それらの治療効果に対する相互作用を見ることができないほど長い間隔で使用したときに見られる効果を超える、併用治療効果を示すように投与することが可能であり、相乗効果が特に好ましい。
さらに、本発明は:
− 医薬として使用するための本発明の医薬組成物または組み合わせ;
− アルドステロンシンターゼが仲介し、またはアルドステロンシンターゼの異常な活性により特徴付けられる障害または疾患の進行遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組み合わせの使用;
− CYP11B1が仲介するまたは関連し、またはCYP11B1の阻害に応答し、またはCYP11B1の異常な活性もしくは発現により特徴付けられる障害または疾患の進行遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組み合わせの使用;
− 低カリウム血症、高血圧、鬱血性心不全、腎不全、特に、慢性腎不全、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、シンドロームX、肥満、腎症、心筋梗塞後、冠動脈心疾患、コラーゲンの形成増加、線維症および高血圧後のリモデリングおよび内皮機能不全から選択される障害または疾患の進行遅延および/または処置のための本発明の医薬組成物または組み合わせの使用;
− クッシング症候群、過剰なCYP11B1レベル、異所性ACTH症候群、副腎皮質質量変化、原発性色素沈着性結節性副腎皮質病変(PPNAD)カーニー複合(CNC)、神経性摂食障害、慢性アルコール中毒、ニコチンまたはコカイン退薬症候群、外傷後ストレス症候群、卒中後の認知の障害およびコルチゾール誘発ミネラルコルチコイド過剰などから選択される障害または疾患または状態の進行遅延および/または処置用医薬組成物の製造のための本発明の医薬組成物または組み合わせの使用
を提供する。
本発明の医薬組成物または組み合わせは、約50−70kgの対象について約1−1000mgの活性成分、好ましくは約5−500mgの活性成分の単位投与量であり得る。化合物、医薬組成物、またはその組み合わせの治療的有効量は対象の種、体重、年齢および個々の状態、処置する障害または疾患または重症度による。通常の医師、臨床医または獣医は、障害または疾患の予防、処置または進行阻止に必要な各活性成分の有効量を容易に決定できる。
上記の投与の特性は、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離臓器、組織およびその調製物を使用したインビトロおよびインビボ試験により証明できる。本発明の化合物は、インビトロで溶液、例えば、好ましくは水性溶液の形で、およびインビボで経腸的、非経腸的に、有利に静脈内に、動脈内に、例えば、懸濁液または水性溶液で適用できる。インビトロ投与量は、約10−3モルから10−9モル濃度である。インビボ治療的有効量は投与経路によって、約0.1−500mg/kg、好ましくは約1−100mg/kgの範囲であり得る。
本発明の化合物の活性は、文献に十分に記載されている以下のインビトロおよびインビボ法により評価できる。Fieber, A et al. (2005), “Aldosterone Synthase Inhibitor Ameliorates Angiotensin II-Induced Organ Damage,” Circulation, 111:3087-3094参照。本引用文献は、引用によりその全体をここに包含する。
特に、インビトロでのアルドステロンシンターゼ阻害居アッセイは、以下のアッセイにより決定できる。
ヒト副腎皮質癌腫NCI−H295R細胞株をAmerican Type Culture Collection(Manassas, VA)から得る。インスリン/トランスフェリン/セレン(ITS)−Aサプリメント(100×)、DMEM/F−12、抗生物質/抗真菌剤(100×)、およびウシ胎児血清(FCS)をGibco(Grand Island, NY)から購入する。抗マウスPVTシンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズおよびNBS96ウェルプレートを各々Amersham(Piscataway, NJ)およびCorning(Acton, MA)から得る。固体黒色96ウェル平底プレートをCostar(Corning, NY)から購入する。アルドステロンおよびアンギオテンシン(Ang II)をSigma(St. Louis, MO)から購入する。D−[1,2,6,7−3H(N)]アルドステロンをPerkinElmer(Boston, MA)から得る。Nu-serumはBD Biosciences(Franklin Lakes, NJ)の製品である。
アルドステロン活性のインビトロ測定のために、ヒト副腎皮質癌腫NCI−H295R細胞をNBS96ウェルプレートに、10%FCS、2.5%Nu-serum、1μg ITS/ml、および1×抗生物質/抗真菌剤を添加したDMEM/F12含有増殖培地100μl中25,000細胞/ウェルの密度で播種する。培地を、3日間、37℃で5%CO2/95%空気雰囲気下の培養後に交換する。翌日、細胞を100μlのDMEM/F12で濯ぎ、1μM Ang IIおよび種々の濃度の化合物を含む100μlの処置培地と、4ウェルで、37℃で24時間インキュベートする。インキュベーションの最後に、50μlの培地を各ウェルから取り、マウス抗アルドステロンモノクローナル抗体を使用したRIAによりアルドステロン産生を測定する。
アルドステロン活性の測定を96ウェルプレート形式で実施できる。各試験サンプルを0.02μCiのD−[1,2,6,7−3H(N)]アルドステロンおよび0.3μgの抗アルドステロン抗体と、0.1%Triton X−100、0.1%ウシ血清アルブミン、および12%グリセロール含有リン酸緩衝化食塩水(PBS)中、200μlの総量で室温で1時間インキュベートする。次いで抗マウスPVT SPAビーズ(50μl)を各ウェルに添加し、一晩、室温でインキュベートしてその後Microbetaプレートカウンターで計測する。各サンプル中のアルドステロン量を、既知量の該ホルモンを使用して作成した標準曲線との比較により計算する。
アルドステロンシンターゼのインビボ阻害活性を以下のアッセイにより決定できる。
試験化合物(すなわち、可能性のあるアルドステロンシンターゼ阻害剤)を、急性二次性高アルドステロン症の有意識ラットモデルでインビボでプロファイルする。野生型ラットに慢性的に内在する動脈および静脈カニューレを設置し、それらのカニューレはテザー(tether)/スイベル(swivel)・システムを介して体外に出される。歩行できるラットを、動物を邪魔することなく採血および非経腸薬物投与が可能な特別なケージで飼育する。アンギオテンシンIIを、血漿アルドステロン濃度(PAC)を1−5nMへ〜200倍増加するのに十分なレベルで連続的に静脈内点滴する。このPAC増加は、少なくとも8−9時間一定レベルで持続する。試験化合物を、PACが定常状態レベルに増加した時点であるアンギオテンシンIIの点滴1時間後にp.o.(経口強制喫食により)または非経腸的(動脈カテーテルにより)により投与する。動脈血サンプルを、試験薬投与前および後(24時間まで)種々の時点で採取し、その後PACおよび試験薬の濃度を決定する。これらの測定から、種々のパラメータ、例えば、1)試験薬によるPAC低下の開始および期間、2)半減期、クリアランス、分布容量、経口バイアビリティーのような試験薬の薬物動態学的パラメータ、3)用量/PAC応答、用量/試験薬濃度、および試験薬濃度/PAC応答相関、および4)試験薬の用量−および濃度−効能および効果を導き得る。成功した試験化合物は、PACを、約0.01から約10mg/kg i.a.またはp.o.の用量範囲で用量−および時間依存的形態で低下させる。
CYP11B1についてのインビトロ阻害活性は、以下のアッセイにより決定できる。
細胞株NCI−H295Rは元々副腎皮質癌腫から単離され、文献においてステロイドホルモンの刺激可能な分泌およびステロイド産生に必須の酵素の存在により特徴付けられている。それ故に、NCI−H295R細胞はCyp11 B1(ステロイド11 p−ヒドロキシラーゼ)を有する。細胞は、帯状に未分化のヒト胎児副腎皮質細胞の生理学的特性を示すが、それは、しかしながら、成体副腎皮質における区別される表現型により区別される3つの帯で形成されるステロイドホルモンを産生する能力を有する。NCI−H295R細胞(American Type Culture Collection, ATCC, Rockville, MD, USA)を、Ulroser SF血清(Soprachem, Cergy-Saint-Christophe, France)、インスリン、トランスフェリン、セレナイト(I-T-S, Becton Dickinson Biosiences, Franklin lakes, NJ, USA)および抗生物質を補ったDulbeoco's Modified Eagle'Ham F-12 Medium(DME/F12)で、75cm2細胞培養器中、37℃および95%空気−5%二酸化炭素雰囲気で増殖させる。細胞を、その後コロニー形成のために24ウェルインキュベーション容器に移す。それらを、そこで、今回Ultroser SFの代わりに0.1%ウシ血清を添加したDME/F12培地中、24時間培養する。実験を、細胞を、0.1%ウシ血清アルブミンおよび試験化合物を添加したDME/F12培地中、細胞刺激剤の存在下または非存在下で72時間培養することにより開始する。試験物質を0.2ナノモルから20ミリモル濃度範囲で添加する。使用し得る細胞刺激剤はアンギオテンシン11(1Dまたは100ナノモル)、カリウムイオン(16ミリモル)、フォルスコリン(10マイクロモル)または2種の刺激剤の組み合わせである。
アルドステロン、コルチゾール、コルチコステロンおよびエストラジオール/エストロンの培地への排泄を、市販の特異的モノクローナル抗体により、製造者の指示に従う放射免疫アッセイにより検出および定量できる。
ある種のステロイドの放出の阻害は、添加した試験化合物による各酵素阻害の指標として使用できる。化合物による酵素活性の用量依存性阻害は、IC50により特徴付けられる阻害プロットの手段により計算できる。
活性試験化合物に対するIC50値は、データ荷重なしで阻害プロットを構築するために単純な直線回帰分析により確認できる。阻害プロットを、最小二乗法を使用した生データ点に対する4因子ロジスティック関数に適合(fting)させることにより計算できる。4因子ロジスティック関数の方程式は、以下の通り計算する:Y=(d−a)/((1+(x/c)b))+a I(式中:a=最小データレベル b=勾配I c=ICED、d=最大データレベル x=阻害剤濃度)。
Ent−1:最初に溶出するエナンチオマー;Ent−2:2番目に溶出するエナンチオマー;I%:阻害パーセント。
略語
DAST:(ジエチルアミノ)サルファートリフルオライド
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
ESI:エレクトロスプレーイオン化
h:時間
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
HRMS:高分解能質量分析
LC−MS:液体クロマトグラフィー/質量分析
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
LHMDS:リチウムヘキサメチルジシラジド
min:分
MS:質量分析
NBS:N−ブロモスクシンイミド
NMR:核磁気共鳴
TBSCl:tert−ブチルジメチルシリルクロライド
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
tr:保持時間
Tr:トリチル
以下の実施例は本発明を説明することを意図し、それに限定するとして解釈してはならない。温度は摂氏で示す。特記しない限り、全ての蒸発は減圧下、好ましくは約15mmHgから100mmHg(=20−133mbar)で実施する。最終生成物、中間体および出発物質の構造は、標準分析法、例えば、微量分析および分光特性、例えば、MS、IR、NMRにより確認する。使用する略語は当分野で一般的なものである。以下の実施例の化合物は、細胞性アルドステロン分泌の阻害について約1nMから約1000nMの範囲のIC50値を有し、そして100nM濃度でCYP11B1について約50%から100%の範囲の阻害パーセント値を有することが判明した。
実施例1。
(a)N,N−ジエチル−2−ヒドロキシメチル−ベンズアミド(CAS# 103258-38-4)
アルミニウムトリクロライド(12.67g、94.98mmol)のジクロロエタン(40mL)懸濁液に、ジエチルアミン(13.5g、182.7mmol)のジクロロエタン(20mL)を、温度を氷浴で25℃未満に維持しながら添加する。さらに25分、r.t.の後、フタリド(10.00g、74.5mmol)を3回に分けて添加し、沈殿の形成が観察される。45分後、水および氷を添加し、混合物を30分撹拌し、Celiteを通して濾過する。水性相をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させ、綿プラグを通して濾過した後、揮発物を真空で除去して、オレンジ色残渣を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、49:1から97:3から19:1)で精製して、N,N−ジエチル−2−ヒドロキシメチル−ベンズアミドをオレンジ色油状物として得る;
1H NMR(400 MHz)δ 1.09(3 H, t, J=7.0 Hz), 1.28(3 H, t, J=7.0 Hz), 3.24(2 H, q, J=7.0 Hz), 3.55(1 H, t, J=6.8 Hz), 3.58(2 H, q, J=7.0 Hz), 4.52(2 H, d, J=6.8 Hz), 7.24(1 H, dd, J=7.4, 1.5 Hz), 7.32(1 H, td, J=7.4, 1.5 Hz), 7.39(1 H, td, J=7.4, 1.5 Hz), 7.44(1 H, td, J=7.4, 1.5 Hz)。
(b)N,N−ジエチル−2−(5−ヨード−イミダゾール−1−イルメチル)−ベンズアミド
フラスコにジクロロメタン(200mL)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(19.34g、67.20mmol)を入れ、−78℃に冷却する。ジイソプロピルエチルアミン(9.57g、73.30mmol)およびN,N−ジエチル−2−ヒドロキシメチル−ベンズアミド(12.92g、61.09mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液を10分にわたり添加する。30分後、4−ヨード−イミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(12.83g、42.76mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液を添加する。混合物を一晩徐々に温め、18時間後、飽和水性重炭酸ナトリウム(100mL)を添加し、混合物を激しく30分撹拌する。水性層をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をMgSO
4で乾燥させ、綿プラグを通して濾過し、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、49:1)で精製して、N,N−ジエチル−2−(5−ヨード−イミダゾール−1−イルメチル)−ベンズアミドを得る;MS(ESI)m/z 384.1(M+H)。
(c)N,N−ジエチル−2−[(1−ヒドロキシ−シクロブチル)−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−メチル]−ベンズアミド
ジイソプロピルアミン(0.38g、3.76mmol)のTHF(25mL)溶液に、−78℃で窒素下n−BuLi(ヘキサン中2.5M、1.50mL、3.75mmol)を添加し、混合物を0℃に温める。15分後、LDA溶液を−78℃に冷却し、N,N−ジエチル−2−(5−ヨード−イミダゾール−1−イルメチル)−ベンズアミド(1.00g、2.51mmol)のTHF(5mL)溶液を10分にわたり添加する。添加終了15分後、シクロブタノン(0.90g、12.53mmol)のTHF(2mL)溶液を褐色溶液に添加する。1.5時間後、10%酢酸の水溶液を添加する。有機相を飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、合わせた有機相をMgSO
4で乾燥させ、綿プラグを通して濾過し、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、49:1から97:3で溶出)で精製して、N,N−ジエチル−2−[(1−ヒドロキシ−シクロブチル)−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−メチル]−ベンズアミドを得る;MS(ESI)m/z 454.2(M+H)。
(d)[4−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン
ジオキサン(12mL)および水性KOH(9mmol)を粗N,N−ジエチル−2−[(1−ヒドロキシ−シクロブチル)−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−メチル]−ベンズアミド(0.61g)に添加し、混合物を60℃に加熱する。30時間後、混合物を0℃に冷却し、濃HClでpH1に酸性化し、混合物を65℃に加熱する。16時間後、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和水性重炭酸ナトリウム、水および塩水で洗浄する。合わせた水性相を酢酸エチルで2回逆抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。真空濃縮により残渣を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール、49:1)で精製して、クロロホルムでトリチュレーション後、[4−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタンを薄黄色泡状物として得る;MS(ESI)m/z 381.0(M+H)。
(e)[4−(5−ビニル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン
DMF(5mL)を[4−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン(0.31g、0.77mmol)、トリブチルビニル錫(0.46g、1.39mmol)、Pd
2dba
3.CHCl
3(0.016g、0.015mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.016g、0.062mmol)に窒素下添加する。混合物を90℃に加熱する。6時間後、混合物を冷却し、酢酸イソプロピルで希釈し、2回水および塩水で洗浄する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル中10%wt KF、ジクロロメタン−メタノール、49:1で溶出)で精製して、[4−(5−ビニル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタンを薄黄色固体として;MS(ESI)m/z 281.2(M+H)。
(f)[4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン
[4−(5−ビニル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン(0.193g、0.654mmol)のメタノール(4mL)溶液に、Pd/C(10%wt、0.035g、0.033mmol)を添加し、フラスコを水素でフラッシュする。混合物をバルーン圧下で撹拌する。3.5時間後、混合物を濾過し、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、49:1で溶出)で精製して、[4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタンを非常に薄い黄色固体(mp 178−179℃)として得る;MS(ESI)m/z 283.1(M+H);
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.43(t, J=7.5 Hz, 3 H), 1.68-1.80(m, 1 H), 2.03-2.15(m, 3 H), 2.36-2.47(m, 2 H), 2.71-2.86(m, 2 H), 5.29(s, 1 H), 6.85(d, J=1.3 Hz, 1 H), 7.29-7.35(m, 1 H), 7.31(s, 1 H), 7.56(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.64(td, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 8.22(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)。
(g)(R)−および(S)−[4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、4:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成して、エナンチオマーA(tr=15.0分)およびエナンチオマーB(tr=36.0分)を得る。
実施例2。
(a)N,N−ジエチル−2−[2−ヒドロキシ−1−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−2−メチル−プロピル]−ベンズアミド
ジイソプロピルアミン(0.97g、6.39mmol)のTHF(50mL)溶液に−78℃で窒素下n−BuLi(ヘキサン中2.5M、3.8mL、9.6mmol)を添加し、混合物を0℃に温める。15分後、LDA溶液を−78℃に冷却し、N,N−ジエチル−2−(5−ヨード−イミダゾール−1−イルメチル)−ベンズアミド(2.45g、6.39mmol)(実施例1b)のTHF(5mL)溶液を15分にわたり添加する。添加終了30分後、アセトン(1.86g、31.97mmol)のTHF(5mL)溶液を褐色溶液に添加し、混合物を1時間撹拌し、その後10%酢酸の水溶液を添加する。混合物を酢酸エチルに注ぎ、2相を分離する。有機相を飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄する。合わせた水性相を2回酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相をMgSO
4で乾燥させ、綿プラグを通して濾過し、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、49:1から97:3から24:1で溶出)で精製して、U−4478−116(1.65g)を黄色固体として得る;MS(ESI)m/z 442.0(M+H)。
(b)4−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
ジオキサン(22mL)および1M 水性KOH(22mL、22mmol)をN,N−ジエチル−2−[2−ヒドロキシ−1−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−2−メチル−プロピル]−ベンズアミド(1.65g)に添加し、混合物を60℃に加熱する。13.5時間後、混合物を0℃に冷却し、濃HClでpH=1に酸性化する。混合物を60℃に加熱する。24時間後、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和水性重炭酸ナトリウム、水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。真空での濃縮によりオレンジ色固体を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール、49:1)で精製して結晶性黄色固体として得る;MS(ESI)m/z 369.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.30(s, 3 H), 1.57(s, 3 H), 5.39(s, 1 H), 7.19(s, 1 H), 7.28(br. d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.39(s, 1 H), 7.59(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.66(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.27(dd, J=7.6, 1.4 Hz, 1 H)。
(c)4−(5−ビニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
DMF(30mL)を4−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(1.62g、4.18mmol)(実施例2b)、トリブチルビニル錫(2.40g、8.36mmol)、Pd
2dba
3.CHCl
3(0.087g、0.084mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.089g、0.334mmol)に窒素下添加する。混合物を90℃に加熱して、透明黄褐色溶液。3時間後、混合物を冷却し、酢酸イソプロピルで希釈し、2回水および塩水で洗浄する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10%wt シリカゲル/KF、ジクロロメタン−メタノール、49:1から24:1で溶出)で精製して、4−(5−ビニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを黄色固体として得る;MS(ESI)m/z 269.2(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.20(s, 3 H), 1.51(s, 3 H), 5.42(br. s, 1 H), 5.69(s, 1 H), 5.81(br. s, 1 H), 6.95(br. s, 1 H), 7.14(br. s, 1 H), 7.21(s, 1 H), 7.42(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.58-7.69(m, 1 H), 7.70-7.80(m, 1 H), 8.21(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
(d)4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−(5−ビニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.049g、0.173mmol)(実施例3)のメタノール(1mL)溶液にPd/C(10%wt、0.009g、0.009mmol)を添加し、フラスコを水素でフラッシュする。混合物をバルーン圧下で撹拌する。3時間後、さらなる量の触媒(0.009g)を添加する。7時間後、混合物を濾過し、真空で濃縮して、4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 271.2(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.25(s, 3 H), 1.43(br. s., 3 H), 1.56(s, 3 H), 2.87(br. s, 2 H), 5.55(br. s, 1 H), 6.83(s, 1 H), 7.17(br. s, 1 H), 7.45(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.67(td, J=7.6, 1.0 Hz, 1 H), 7.78(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.24(dd, J=7.6, 1.0 Hz, 1 H)。
(e)(R)−および(S)−4−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、3:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=14.4分)およびエナンチオマーB(tr=21.4分)を得る。
(f)(R)−および(S)−4−(5−ビニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、7:3 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=14.1分)およびエナンチオマーB(tr=15.5分)を得る。
(g)(R)−および(S)−4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘキサン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=23.8分)およびエナンチオマーB(tr=34.3分)を得る。
以下の化合物を実施例3と同様の方法で製造できる:
(R)−および(S)−4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジエチル−イソクロマン−1−オン
MS(ESI)m/z 299.1(M+H);
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 0.96(t, J=7.3 Hz, 3 H), 0.97(t, J=7.3 Hz, 3 H), 1.42(t, J=7.3 Hz, 3 H), 1.46(masked, 1 H), 1.51(dq, J=14.6, 7.3 Hz, 1 H), 1.73(dq, J=14.6, 7.3 Hz, 1 H), 1.95(dq, J=14.8, 7.3 Hz, 1 H), 2.73(q, J=7.3 Hz, 2 H), 5.16(s, 1 H), 6.84(s, 1 H), 7.18(d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.24(s, 1 H), 7.50-7.56(m, 1 H), 7.61(dt, J=7.3, 1.3 Hz, 1 H), 8.23(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(t
r=14.8分)およびエナンチオマーB(t
r=21.5分)を得る。
(R)−および(S)−[4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロペンタン
MS(ESI)m/z 297.1(M+H);
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.39(t, J=7.5 Hz, 3 H), 1.61-2.05(m, 8 H), 2.63-2.78(m, 2 H), 5.12(s, 1 H), 6.83(d, J=1.0 Hz, 1 H), 7.22(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.34(s, 1 H), 7.54(dt, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.61(dt, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.22(dd, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H)
表題化合物のエナンチオマーの分割を、85:15 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(t
r=17.7分)およびエナンチオマーB(t
r=31.5分)を得る。
[4−(5−エチル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロ(4−テトラヒドロピラン)
MS(ESI)m/z 313.1(M+H);
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.36-1.45(m, 4 H), 1.64-1.72(m, 1 H), 1.81-1.89(m, 2 H), 2.65-2.80(m, 2 H), 3.79-3.95(m, 4 H), 5.03(s, 1 H), 6.86(s, 1 H), 7.22(br. s., 1 H), 7.24(d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.58(dd, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.66(dd, J=7.3, 1.3 Hz, 1 H), 8.26(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)
実施例3。
(a)トリブチルシクロプロピル錫(CAS# 17857-70-4)
塩化トリ−n−ブチル錫(4g、11.8mmol)のTHF(20mL)溶液に、0℃で0.5M シクロプロピルマグネシウムブロマイドのTHF溶液(28.3mL、14.2mmol)を添加する。反応混合物をN2下環境温度で4時間撹拌し、pH7の水性緩衝液に添加する。得られた混合物をジエチルエーテルで抽出し、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、焼結(sintered)漏斗を介して濾過する。濾液を濃縮し、残渣を真空下で蒸留して、トリブチルシクロプロピル錫を無色油状物として、それを次工程にさらに精製せずに使用する。
(b)4−(5−シクロプロピル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(350mg、0.95mmol)(実施例2b)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(98mg、0.095mmol)およびトリフラン−2−イル−ホスファン(33mg、0.142mmol)を入れ、N
2でフラッシュしたフラスコに、トリブチルシクロプロピル錫(1.89g、5.7mmol)の脱気N−メチルピロリジノン(3mL)溶液を添加する。混合物を15分脱気し、95℃で25時間加熱する。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、残渣を半分取逆相HPLCで精製して、4−(5−シクロプロピル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;(ESI)m/z 283.2(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 0.69(s, 1 H), 0.81(br. s, 1 H), 1.09(br. s, 2 H), 1.29(s, 3 H), 1.56(s, 3 H), 1.94(br. s, 1 H), 5.78(s, 1 H), 6.68(s, 1 H), 7.14(br. s, 1 H), 7.42(d, J=7.1 Hz, 1 H), 7.63(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.75(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.21(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
(c)(R)−および(S)−4−(5−シクロプロピル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、4:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak OD−Hカラムを使用したキラルHPLCにより、エナンチオマーA(tr=10.3分)およびエナンチオマーB(tr=12.4分)を得る。
実施例4。
(R)−および(S)−4−(5−イソプロペニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−(5−ヨード−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.700g、1.90mmol)(実施例2b)のNMP(5mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.196g、0.19mmol)およびトリフリル−2−イル−ホスファン(0.066g、0.285mmol)を添加する。トリブチルイソプロペニル錫(1.25g、3.80mmol)を反応混合物に添加し、それを90℃に24時間加熱する。混合物を、次いで、室温に冷却し、水で洗浄し、酢酸エチルで抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、19:1)で精製して、4−(5−イソプロペニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体を得る;(ESI)m/z 283.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.21(s, 3 H), 1.50(s, 3 H), 2.24(br. s, 3 H), 5.31(br. s, 1 H), 5.56(br. s, 1 H), 5.73(s, 1 H), 7.02(br. s, 1 H), 7.28(br. s, 1 H), 7.51(d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.69(td, J=7.8, 1.0 Hz, 1 H), 7.81(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.25(d, J=7.8 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、7:3 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=8.5分)およびエナンチオマーB(tr=11.8分)を得る。
実施例5。
(R)−および(S)−4−(5−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−(5−イソプロペニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.225g、0.797mmol)(実施例4)のメタノール(5mL)溶液にPd/C(0.250g)を添加する。反応溶液を水素ガスでフラッシュし、バルーン圧下で72時間撹拌する。混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、4−(5−イソプロピル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.210g)を黄色固体として得る。(ESI)m/z 285.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.24(s, 3 H), 1.41(d, J=6.6 Hz, 3 H), 1.45(d, J=6.8 Hz, 3 H), 1.56(s, 3 H), 3.23(br. s, 1 H), 5.60(br. s, 1 H), 6.88(br. s, 1 H), 7.15(br. s, 1 H), 7.44(d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.68(td, J=7.6, 1.1 Hz, 1 H), 7.79(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.25(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=11.3分)およびエナンチオマーB(tr=13.7分)を得る。
実施例6。
(a)4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール
塩化トリチル(45.57g、0.163mol)、(1H−イミダゾール−4−イル)−メタノール(20.00g、0.148mol)およびトリエチルアミン(37.46g、0.370mol)のDMF(150mL)をr.t.で16時間撹拌し、その後混合物を氷冷水に注ぐ。沈殿を濾取し、真空で乾燥させて、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−メタノールを固体として得る。粗(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−メタノール(26.4g、0.077mol)、イミダゾール(15.88g、0.233mol)、DMAP(0.950g、7.7mmol)およびTBSCl(12.89g、0.085mol)のDMF(0.1L)溶液をr.t.で2時間撹拌し、その後水を添加する。混合物を3回ジクロロメタンで抽出する。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、7:3で溶出)で精製して4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾールを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 243、455(M+H)。
(b)2−[5−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−イミダゾール−1−イルメチル]−ベンゾニトリル
4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−1−トリチル−1H−イミダゾール(11.1g、24.4mmol)および2−シアノベンジルブロマイド(5.02g、25.62mmol)のアセトニトリル(100mL)溶液を一晩60℃に加熱し、その後ジエチルアミン(30mL)を添加する。30分後、メタノール(2mL)を添加する。30分後、揮発物を真空で除去する。残渣をジクロロメタンに取り込み、水で洗浄する。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、49:1で溶出)で精製して、部分的に精製された2−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−イミダゾール−1−イルメチル]−ベンゾニトリルを得て、それを次工程にさらに精製することなく使用する;MS(ESI)m/z 328.2(M+H)。
(c)2−{1−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−イミダゾール−1−イル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル}−ベンゾニトリル
粗2−[5−(I−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−イミダゾール−1−イルメチル]−ベンゾニトリル(56g)をトルエンと共沸により乾燥させ、次いでTHF(700mL)に溶解し、−75℃に冷却する。LHMDS(THF中1M、256mL、256mmol)を滴下する。添加終了20分後、アセトン(14.88g、256.2mmol)を添加する。添加終了40分後、飽和水性重炭酸ナトリウム(10mL)を添加し、混合物をr.t.に温め、次いで水に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣を次工程にさらに精製することなく使用する;MS(ESI)m/z 386.1(M+H)。
(d)4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
先の反応で得た粗2−{1−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−イミダゾール−1−イル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル}−ベンゾニトリルをTHF(1L)に溶解する。水性硫酸(10M、65mL、650mmol)を添加し、混合物を38時間還流で撹拌する。冷却後、混合物を水(700mL)に注ぐ。2相を分離し、水性重炭酸ナトリウムで水性相のpHを約9に調節する。酢酸エチルでの抽出、Na
2SO
4での乾燥および真空での濃縮により4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 272.9(M+H);
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ ppm 1.29(s, 3 H), 1.54(s, 3 H), 4.71(d, J=13.6 Hz, 1 H), 4.82(d, J=13.9 Hz, 1 H), 5.51(s, 1 H), 6.89(s, 1 H), 7.29(s, 1 H), 7.41(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.53-7.58(m, 1 H), 7.59-7.65(m, 1 H), 8.25(dd, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H)。
(e)(R)−および(S)−4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、70:20:10 ヘプタン−ジクロロメタン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=7.1分)およびエナンチオマーB(tr=8.3分)を得る。
以下の化合物を実施例6と同様の方法で製造できる:
7−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
HRMS(ESI)m/z 307.0843 [(M+H)
+:C
15H
16N
2O
3Clの計算値:307.0849];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.26(s, 3 H), 1.49(s, 3 H), 4.67-4.81(m, 2 H), 5.70(s, 1 H), 6.96(s, 1 H), 7.28(br. s., 1 H), 7.57(d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.73(dd, J=8.1, 2.3 Hz, 1 H), 8.17(d, J=2.3 Hz, 1 H)。
(R)−および(S)−6−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
HRMS(ESI)m/z 307.0840 [(M+H)
+:C
15H
16N
2O
3Clの計算値:307.0849];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.30(s, 3 H), 1.59(s, 3 H), 4.76-4.85(m, 2 H), 5.72(s, 1 H), 7.02(s, 1 H), 7.33(br. s, 1 H), 7.67(s, 1 H), 7.68(dd, J=8.0, 2.2 Hz, 1 H), 8.22(d, J=8.0 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、4:1 ヘキサン−エタノール移動相と共にPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=7.5分)およびエナンチオマーB(tr=12.7分)を得る。
(R)−および(S)−5−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
HRMS(ESI)m/z 305.0692 [(M−H)
−:C
15H
14N
2O
3Clの計算値:305.0693];
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.33(s, 3 H), 1.53(s, 3 H), 1.87(br. s, 1 H), 4.77-5.12(m, 2 H), 5.61(s, 1 H), 7.01(s, 1 H), 7.15(br. s, 1 H), 7.55(t, J=7.8 Hz, 1 H), 7.70(dd, J=8.1, 1.3 Hz, 1 H), 8.24(dd, J=7.8, 1.0 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、85:15 ヘキサン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=10.4分)およびエナンチオマーB(tr=13.0分)を得る。
(R)−および(S)−[4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン
HRMS(ESI)m/z 285.1235 [(M+H)
+:C
16H
15N
2O
3の計算値:285.1239];
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ ppm 1.78-1.92(m, 1 H), 1.99-2.17(m, 3 H), 2.31-2.46(m, 2 H), 4.78(d, J=13.9 Hz, 1 H), 4.88(d, J=13.9 Hz, 1 H), 5.75(s, 1 H), 6.82(s, 1 H), 7.34(s, 1 H), 7.49-7.65(m, 3 H), 8.20(d, J=8.1 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、ChiralPak AS-Hカラムと共に3:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相を使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=10.3分)およびエナンチオマーB(tr=16.7分)を得る。
実施例7。
(R)−および(S)−8−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
実施例6cの記載の類似の方法で製造した2−{1−[5−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシメチル)−イミダゾール−1−イル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル}−6−クロロ−ベンゾニトリル(0.188g、0.616mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)に溶解する。濃硫酸(0.130mL、2.46mmol)および水(0.130mL)を添加し、混合物を還流で16時間撹拌する。冷却後、混合物を固体重炭酸ナトリウムを使用してpH10まで塩基性化し、次いで、水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、9:1)により精製して、8−クロロ−4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを得る;HRMS(ESI)m/z 307.0845 [(M+H)
+:C
15H
16N
2O
3Clの計算値:307.0849];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.30(s, 3 H), 1.56(s, 3 H), 4.77(d, J=13.6 Hz, 1 H), 4.83(d, J=13.6 Hz, 1 H), 5.77(s, 1 H), 7.02(s, 1 H), 7.35(s, 1 H), 7.55( br. d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.68(dd, J=8.0, 7.3 Hz, 1 H), 7.72(dd, J=8.0, 1.5 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を85:15 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralcel ODカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=29.2分)およびエナンチオマーB(tr=31.5分)を得る。
実施例8。
4−(5−メトキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.125g、0.495mmol)(実施例6d)のDMF(2mL)溶液に水素化ナトリウム(0.018g、0.495mmol)を添加する。反応混合物を室温で5分撹拌し、次いでヨウ化メチル(0.028mL、0.495mmol)を添加する。反応を2.5時間、室温で撹拌する。それを、次いで、水で洗浄し、酢酸エチルで2回抽出する。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、19:1)で精製して、4−(5−メトキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを得る;MS(ESI)m/z 287.2(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.70(s, 3 H), 1.77(s, 3 H), 3.90(s, 3 H), 4.39(s, 2 H), 4.88(br. s, 1 H), 6.99(s, 1 H), 7.44-7.53(m, 1 H), 7.56-7.64(m, 2 H), 7.76(s, 1 H), 7.86(d, J=7.6 Hz, 1 H)。
実施例9。
(a)3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド
4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.500g、1.84mmol)(実施例6d)のジオキサン(10mL)溶液に、二酸化マンガン(2.4g、27.6mmol)を添加し、反応混合物を60℃に一晩加熱する。Celiteを通した濾過および真空での濃縮により、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒドを得て、それを次工程にさらに精製することなく使用する;MS(ESI)m/z 271.1(M+H)。
(b)4−(5−ブト−1−エニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド(0.157g、0.41mmol)のTHF(1mL)溶液に、−78℃でナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(THF中1M、0.44mL、0.44mmol)を添加し、混合物を環境温度に10分にわたり温める。この溶液を−20℃に冷却し、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド(0.10g、0.37mmol)のTHF(0.2mL)溶液を添加する。冷却浴を除き、混合物を環境温度で一晩撹拌し、次いで濾過する。濾液を真空で濃縮して、粗4−(5−ブト−1−エニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを得て、それを次工程にさらに精製することなく使用する;MS(ESI)m/z 297.1(M+H)。
(c)4−(5−ブチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−(5−ブト−1−エニル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.110g、0.37mmol)のメタノール(2mL)溶液に、Pd/C(0.020g)を添加する。反応溶液を水素ガスでフラッシュし、バルーン圧下で一晩撹拌する。混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、残渣を得て、それを半分取逆相HPLCで精製して、4−(5−ブチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 299.1(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.02(br. s, 3 H), 1.22(s, 3 H), 1.53(br. s, 5 H), 1.77(br. s, 2 H), 2.81(br. s, 2 H), 5.54(br. s, 1 H), 6.82(s, 1 H), 7.19(br. s, 1 H), 7.39(d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.60-7.67(m, 1 H), 7.71-7.78(m, 1 H), 8.21(d, J=7.8 Hz, 1 H)。
以下の化合物を実施例9と同様の方法で製造できる:
(R)−および(S)−4−(5−プロピル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
MS(ESI)m/z 285.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.11(br. s, 3 H), 1.22(s, 3 H), 1.53(s, 3 H), 1.82(br. s, 2 H), 2.80(br. s, 2 H), 5.55(br. s, 1 H), 6.84(s, 1 H), 7.23(br. s, 1 H), 7.40(d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.59-7.68(m, 1 H), 7.71-7.80(m, 1 H), 8.21(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=20.0分)およびエナンチオマーB(tr=22.1分)を得る。
(R)−および(S)−[4−(5−プロピル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン
HRMS(ESI)m/z 297.1592 [(M+H)
+:C
18H
20N
2O
2の計算値:297.1603];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.11(t, J=7.3 Hz, 3 H), 1.74-1.86(m, 2 H), 1.87-1.96(m, 1 H), 2.00-2.10(m, 2 H), 2.19-2.26(m, 1 H), 2.27-2.36(m, 2 H), 2.75-2.92(m, 2 H), 5.78(s, 1 H), 6.80(s, 1 H), 7.25(s, 1 H), 7.54(d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.59-7.67(m, 1 H), 7.73-7.78(m, 1 H), 8.17(d, J=7.8 Hz, 1 H)
表題化合物のエナンチオマーの分割を、4:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=10.0分)およびエナンチオマーB(tr=18.8分)を得る。
実施例10。
(a)4−[5−(2−メトキシビニル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライド(0.974g、2.84mmol)のTHF(10mL)溶液に、−78℃でナトリウムヘキサメチルジシラジド(THF中1M、3.0mL、3.09mmol)を添加し、混合物を−78℃で1時間撹拌する。3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド(0.10g、0.37mmol)(実施例9a)のTHF(0.2mL)溶液を、次いで、−78℃で添加し、混合物を環境温度で一晩撹拌する。それを、次いで、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出する。有機相を真空で濃縮する。残渣を半分取逆相HPLCを使用して精製して、4−[5−(2−メトキシ−ビニル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを得る;
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.31(s, 3 H), 1.52(s, 3 H), 3.75(br. s, 3 H), 5.22(s, 1 H), 5.31(s, 1 H), 5.55(br. s, 1 H), 6.82(br. s, 1 H), 6.96(br. s, 1 H), 7.16(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.55(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.63(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.24(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)。
(b)4−[5−(2−メトキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−[5−(2−メトキシ−ビニル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.110g、0.37mmol)のメタノール(5mL)溶液に、Pd/C(0.020g)を添加する。反応溶液を水素ガスでフラッシュし、バルーン圧下で72時間撹拌する。混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、残渣を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、19:1)で精製して、4−[5−(2−メトキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体を得る;HRMS(ESI)m/z 301.1555 [(M+H)
+:C
17H
20N
2O
3の計算値:301.1552];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.25(s, 3 H), 1.56(s, 3 H), 3.13(br. s, 2 H), 3.45(br. s, 3 H), 3.70-3.79(m, 2 H), 5.71(s, 1 H), 6.90(s, 1 H), 7.15(br. s, 1 H), 7.52(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.60-7.72(m, 1 H), 7.74-7.86(m, 1 H), 8.24(dd, J=7.8, 1.5 Hz, 1 H)
(c)(R)−および(S)−4−[5−(2−メトキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、65:35 ヘキサン−試薬アルコール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=9.2分)およびエナンチオマーB(tr=11.8分)を得る。
実施例11。
(a)4−[5−(2−エトキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
エトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライド(0.426g、1.2mmol)のTHF(5mL)溶液に、環境温度でリチウムヘキサメチルジシラジド(THF中1M、1.3mL、1.3mmol)を添加し、混合物を15分撹拌する。3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド(0.27g、1.0mmol)(実施例9a)のTHF(5mL)溶液を添加し、混合物を環境温度で一晩撹拌し、次いで濾過する。濾液を真空で濃縮して、粗4−[5−(2−エトキシ−ビニル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを得て、それをメタノール(5mL)に再溶解する。Pd/C(0.500g)を添加し、反応溶液を水素ガスでフラッシュし、バルーン圧下で50℃で一晩撹拌する。混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮して、残渣を得て、それを半分取逆相HPLCで精製して、4−[5−(2−エトキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 315.0(M+H);HCl塩の
1H NMR(400 MHz, MeOD) δ ppm 1.25(t, J=6.9 Hz, 3 H), 1.32(s, 3 H), 1.62(s, 3 H), 3.29-3.37(m, 2 H), 3.60-3.69(m, 2 H), 3.79-3.97(m, 2 H), 6.09(s, 1 H), 7.57(s, 1 H), 7.64(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.73-7.79(m, 1 H), 7.81-7.88(m, 1 H), 8.32(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H), 8.63(br. s, 1 H)
(b)(R)−および(S)−4−[5−(2−エトキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、7:3 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより、エナンチオマーA(tr=7.9分)およびエナンチオマーB(tr=9.3分)を得る。
実施例12。
(R,R)−、(S,S)−、(R,S)−、(S,R)−4−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド(0.500g、1.852mmol)(実施例9a)のTHF(20mL)溶液に、−78℃で1M メチルマグネシウムブロマイドのジブチルエーテル溶液(2.41mL、2.41mmol)を添加する。反応混合物を−78℃で3時間撹拌し、その後アセトン(2mL)を添加する。混合物を環境温度に温め、次いで水に注ぐ(50mL)。混合物を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノールのジクロロメタン溶液勾配、1%から5%)で精製して、4−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る。表題化合物の全4種の立体異性体の分割をキラルHPLCにより達成する。立体異性体Aを、85:15 ヘプタン−イソプロパノール移動相を使用するChiralPak IAカラムで達成する。残り3種の立体異性体を、85:15 ヘプタン−エタノール移動相を使用したキラルPak ADで分割して、立体異性体B(t
r=61.4分)、立体異性体C(t
r=76.7分)および立体異性体D(t
r=94.9分)を得る。
(R,S)および(S,R)異性体(立体異性体AおよびD):MS(ESI)m/z 287.0(M+H);1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm 1.26(s, 3 H), 1.54(s, 3 H), 1.79(d, J=6.6 Hz, 3 H), 1.84(d, J=8.6 Hz, 1 H), 4.91 - 5.01(m, 1 H), 5.67(s, 1 H), 7.01(s, 1 H), 7.24(s, 1 H), 7.47(d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.52 - 7.58(m, 1 H), 7.59 - 7.64(m, 1 H), 8.25(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)
(R,R)および(S,S)異性体(立体異性体BおよびC):MS(ESI)m/z 287.1(M+H);1H NMR(400 MHz, CDCl3)δ ppm 1.40(s, 3 H), 1.56(s, 3 H), 1.77(d, J=6.6 Hz, 3 H), 1.85(br. s, 1 H), 5.06-5.12(m, 1 H), 5.60(s, 1 H), 6.99(s, 1 H), 7.23(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.40(s, 1 H), 7.54(td, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H), 7.61(td, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 8.24(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)
実施例13。
4−(5−アセチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−[5−(1−ヒドロキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.100g、0.35mmol)(実施例12)のジオキサン(2mL)溶液に、二酸化マンガン(0.46g、5.2mmol)を添加し、反応混合物を60℃に一晩加熱する。Celiteを通した濾過および真空での濃縮により残渣を得て、それを半分取逆相HPLCで精製して、4−(5−アセチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 285.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ ppm 1.22(s, 3 H), 1.55(s, 3 H), 2.61(s, 3 H), 6.90(s, 1 H), 7.38(d, J=7.1 Hz, 1 H), 7.47(s, 1 H), 7.57 - 7.62(m, 1 H), 7.63 - 7.69(m, 1 H), 7.93(s, 1 H), 8.28(dd, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H)。
実施例14。
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒドオキシム
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド(0.100g、0.363mmol)(実施例9a)のエタノール(3mL)溶液をNaHCO
3(0.246g、2.901mmol)およびヒドロキシルアミンヒドロクロライド(0.208g、2.901mmol)の水(1mL)溶液に添加する。1時間後、水を添加し、混合物を3回ジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。真空で濃縮して、残渣を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、49:1で溶出)で精製して、2種の異性体を分離させる。各異性体を白色固体として得る。
Cis異性体:MS(ESI)m/z 286.0(M+H);1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.25(s, 3 H), 1.59(s, 3 H), 5.99(s, 1 H), 7.27(br. s, 1 H), 7.52(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.71(t, J=7.7 Hz, 1 H), 7.76 - 7.86(m, 1 H), 7.95(br. s, 1 H), 8.05(s, 1 H), 8.28(d, J=7.8 Hz, 1 H)。
Trans異性体:MS(ESI)m/z 285.9(M+H);1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.29(s, 3 H), 1.55(s, 3 H), 6.81(s, 1 H), 7.30(s, 1 H), 7.32(s, 1 H), 7.50(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.64 - 7.73(m, 1 H), 7.75 - 7.83(m, 1 H), 8.26(dd, J=7.8, 1.5 Hz, 1 H), 8.32(s, 1 H)。
実施例15。
4−(5−エチルアミノメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド(0.133g、0.49mmol)(実施例9a)のジクロロエタン(2mL)溶液にエチルアミン(0.37mL、0.738mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(0.313g、1.477mmol)を添加する。反応混合物を50℃で5時間撹拌する。混合物を室温に冷却し、飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、酢酸エチルで抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をメタノール(5mL)に溶解し、逆相HPLCで精製して、4−(5−エチルアミノメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを得る;HRMS(ESI)m/z 300.1705 [(M+H)
+:C
17H
22N
3O
2の計算値:300.1712];TFA塩の
1H NMR(400 MHz, MeOD) δ ppm 1.27(s, 3 H), 1.46(t, J=6.8 Hz, 3 H), 1.59(s, 3 H), 3.35-3.40(m, 2 H), 4.65(br. s, 2 H), 5.82(s, 1 H), 7.51(br. s, 1 H), 7.64(d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.75(td, J=7.8, 1.0 Hz, 1 H), 7.84(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.92(br. s, 1 H), 8.30(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
以下の化合物を実施例15と同様の方法で製造できる:
4−(5−ジメチルアミノメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
MS(ESI)m/z 300.0(M+H);TFA塩の
1H NMR(400 MHz, MeOD) δ ppm 1.25(s, 3 H), 1.58(s, 3 H), 2.93(br. s, 6 H), 4.62(br. s, 2 H), 5.94(s, 1 H), 7.60(d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.63(s, 1 H), 7.75(td, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H), 7.83(td, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 8.04(br. s, 1 H), 8.30(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
実施例16。
(a)4−(5−ジフルオロメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボアルデヒド(0.098g、0.355mmol)(実施例9a)のジクロロメタン(3mL)溶液に、0℃で窒素下DAST(0.301g、1.777mmol)を滴下し、冷却浴を除く。2時間後、溶媒を真空で除去し、残渣をジクロロエタン(3mL)に取り込み、還流する。さらに2時間後、さらにDAST(0.060g、0.372mmol)を添加する。混合物を、次いで、ジクロロメタンで希釈し、有機相を飽和水性重炭酸ナトリウムと振盪し、Celiteを通して濾過する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸エチル、3:2から1:1から2:3)で精製して、4−(5−ジフルオロメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを薄黄色結晶性固体として得る;MS(ESI)m/z 293.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.32(s, 3 H), 1.57(s, 3 H), 5.50(s, 1 H), 6.86(t, J=52.7 Hz, 1 H), 7.32(t, J=2.6 Hz, 1 H), 7.43(s, 1 H), 7.44(m, 1 H), 7.54 - 7.63(m, 1 H), 7.63 - 7.71(m, 1 H), 8.27(dd, J=7.7, 1.3 Hz, 1 H)。
(b)(R)−および(S)−4−(5−ジフルオロメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、3:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=13.3分)およびエナンチオマーB(tr=21.4分)を得る。
実施例17。
(a)4−(5−フルオロメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.158g、0.574mmol)(実施例6d)のジクロロメタン(7mL)溶液に、0℃で窒素下DAST(0.487g、2.872mmol)を滴下する。混合物を0℃で一晩撹拌する。ジクロロメタンで希釈後、有機相を2回飽和水性重炭酸ナトリウム、水および塩水で洗浄する。合わせた水性相をジクロロメタンで1回逆抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、99:1から49:1)で精製して、4−(5−フルオロメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 275.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.31(s, 3 H), 1.57(s, 3 H), 5.27(s, 1 H), 5.45(dd, J=22.7, 12.4 Hz, 1 H), 5.58(dd, J=21.2, 12.4 Hz, 1 H), 7.21(d, J=5.3 Hz, 1 H), 7.29(d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.38(d, J=2.8 Hz, 1 H), 7.55 - 7.61(m, 1 H), 7.65(dd, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 8.27(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)。
(b)(R)−および(S)−4−(5−フルオロメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、3:1 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=13.3分)およびエナンチオマーB(tr=21.4分)。
実施例18。
(R)−および(S)−4−(5−メチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.300g、1.1mmol)(実施例6d)の塩化チオニル(3mL)を一晩還流する。揮発物を真空で除去して、4−(5−クロロメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを得て、それをメタノール(10mL)に再溶解する。溶液をH−Cube
TMにPd/炭素カートリッジを使用して0.5mL/分で、100バールH
2および50℃で抽出する。カートリッジから溶出する溶液を集め、真空で濃縮する。残渣を半分取逆相HPLCで精製して、3,3−ジメチル−4−(5−メチル−イミダゾール−1−イル)−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 257.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ ppm 1.34(s, 3 H), 1.58(s, 3 H), 2.38(br. s, 3 H), 5.18(br. s, 1 H), 6.92(s, 1 H), 7.17(br. s, 1 H), 7.35(br. s, 1 H), 7.58(t, J=7.6 Hz, 1 H), 7.62-7.68(m, 1 H), 8.26(d, J=7.8 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、7:3 ヘプタン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=10.8分)およびエナンチオマーB(tr=17.8分)。
実施例19。
(R)−および(S)−4−(5−エトキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
実施例18に記載の通りに製造した4−(5−クロロメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.150g、0.516mmol)の無水エタノール(5mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.100g、0.77mmol)を添加し、混合物を還流で一晩撹拌する。混合物を半分取逆相HPLCで精製して、4−(5−エトキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 301.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.26(s, 3 H), 1.29(t, J=6.1 Hz, 3 H), 1.54(s, 3 H), 3.62(br. s, 2 H), 4.70(br. s, 2 H), 5.59(s, 1 H), 7.02(s, 1 H), 7.29(br. s, 1 H), 7.52(d, J=7.8 Hz, 1 H), 7.63(td, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H), 7.74(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.21(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、7:2:1 ヘプタン−ジクロロメタン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=8.9分)およびエナンチオマーB(tr=6.3分)を得る。
以下の化合物を実施例19と同様の方法で製造できる:
4−[5−(2−ヒドロキシ−エトキシメチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
MS(ESI)m/z 317.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ ppm 1.31(s, 3 H), 1.55(s, 3 H), 1.76(br. s, 1 H), 3.55-3.69(m, 2 H), 3.78-3.86(m, 2 H), 4.65-4.75(m, 2 H), 5.46(s, 1 H), 7.06(s, 1 H), 7.34(d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.55(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.62(td, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 8.25(dd, J=7.8, 1.5 Hz, 1 H)
実施例20。
(a)3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボニトリル
4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(1.0g、3.76mmol)(実施例6d)のTHF(30mL)溶液に硫酸マグネシウム(4.79g、0.055mol)およびアンモニア(2M イソプロパノール、9mL、0.018mol)を添加する。二酸化マンガン(9mL、0.055mol)を、次いで添加し、反応混合物を室温で48時間撹拌する。Celiteを通した濾過および真空での濃縮により残渣を得て、それを逆相HPLCで精製して、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボニトリルを得る;MS(ESI)m/z 268.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.33(s, 3 H), 1.60(s, 3 H), 5.87(s, 1 H), 7.57(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.67-7.78(m, 1 H), 7.78-7.98(m, 3 H), 8.28(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)。
(b)(R)−および(S)−3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボニトリル
表題化合物のエナンチオマーの分割を、7:3 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより、エナンチオマーA(tr=13.5分)およびエナンチオマーB(tr=42.7分)を得る。
実施例21。
4−(5−アミノ−メチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボニトリル(0.130g、0.5mmol)(実施例20)のTHF(2mL)溶液にボランジメチルスルフィド複合体(0.055mL、0.55mmol)を滴下し、得られた混合物を還流で30分撹拌する。反応混合物を真空で濃縮し、残渣をTHF(2mL)に再溶解し、0.5M 塩化水素のメタノール溶液(1.1mL、0.55mmol)を滴下する。反応混合物を環境温度で1.5時間撹拌する。混合物を真空で濃縮し、残渣を半分取逆相HPLCで精製して、4−(5−アミノメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを黄色がかった固体として得る;MS(ESI)m/z 271.9(M+H);
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ ppm 1.28(s, 3 H), 1.59(s, 3 H), 4.55-4.74(m, 2 H), 5.99(s, 1 H), 7.67-7.76(m, 3 H), 7.82(td, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 8.29(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H), 8.52(br. s, 1 H)
実施例22。
(a)3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.56g、2.0mmol)(実施例6d)のTHF(10mL)溶液に、エタノール(0.6mL)、シアン化ナトリウム(0.111g、2.26mmol)および二酸化マンガン(2.69g、30.9mmol)を添加する。混合物を還流で2日間撹拌し、濾過し、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチルのヘプタン溶液勾配、20%から90%)で精製して、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステルを油状物として得る;HRMS(ESI)m/z 315.1355 [(M+H)
+:C
17H
18N
2O
4の計算値:315.1345];HCl塩の
1H NMR(400 MHz, MeOD) δ ppm 1.24(s, 3 H), 1.43(t, J=7.1 Hz, 3 H), 1.55(s, 3 H), 4.46(q, J=7.1 Hz, 2 H), 6.83(s, 1 H), 7.53(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.66-7.71(m, 2 H), 7.78(td, 1 H), 7.91(s, 1 H), 8.26(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)
(b)(R)−および(S)−3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル
表題化合物のエナンチオマーの分割を、4:1 ヘキサン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak AS-Hカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=10.5分)およびエナンチオマーB(tr=12.4分)を得る。
以下の化合物を実施例22と同様の方法で製造できる:
(R)−および(S)−3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル
MS(ESI)m/z 301.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.26(s, 3 H), 1.58(s, 3 H), 4.00(s, 3 H), 6.81(s, 1 H), 7.47(s, 1 H), 7.54(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.71(td, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H), 7.79(dd, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 7.82(d, J=1.0 Hz, 1 H), 8.28(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘキサン−イソプロパノール移動相と共にChiralPak AS-Hカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=22.0分)およびエナンチオマーB(tr=30.9分)を得る。
実施例23。
(a)3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボニトリル(0.100g、0.374mmol)(実施例20)をテトラヒドロフラン(2mL)および水(0.2mL)の混合物に溶解する。硫酸(0.2mL、1.872mmol)を添加し、混合物を還流で16時間撹拌する。真空濃縮により残渣を得て、それを逆相HPLCで精製して、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸を得る;MS(ESI)m/z 287,0(M+H)
(b)3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸イソプロピルエステル
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(0.075g、0.262mmol)(実施例23)をジクロロメタン(2mL)に溶解する。触媒量のジメチルホルムアミド(0.002mL,0.0262mmol)を反応混合物に添加し、0℃に冷却する。塩化オキサリル(0.016mL、0.655mmol)を添加し、冷却浴を除く。混合物を室温で2時間撹拌し、真空で濃縮する。得られた残渣をジクロロメタンに再溶解し、イソプロパノール(10mL)を添加する。反応混合物を室温で1時間で撹拌し、その後揮発物を真空で除去する。飽和水性重炭酸ナトリウムを添加し、ジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、1:1)で精製して、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸イソプロピルエステルを得る;MS(ESI)m/z 329.0(M+H);HCl塩の
1H NMR(400 MHz, MeOD) δ ppm 1.34(s, 3 H), 1.48(d, J=5.9 Hz, 3 H), 1.49(d, J=5.9 Hz, 3 H), 1.62(s, 3 H), 5.42(sept, J=5.9 Hz, 1 H), 7.02(s, 1 H), 7.67(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.75-7.81(m, 1 H), 7.82-7.90(m, 1 H), 8.33(dd, J=7.8, 1.5 Hz, 1 H), 8.38(d, J=1.3 Hz, 1 H), 8.76(d, J=1.0 Hz, 1 H)
実施例24。
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸フェニルアミド
四塩化炭素(5mL)に溶解した3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(0.150g、0.524mmol)(実施例23)の溶液に、塩化チオニル(0.386mL、5.24mmol)を添加する。混合物を2時間還流する。真空で濃縮後、得られた残渣を四塩化炭素に再溶解し、アニリン(0.240mL、2.62mmol)を添加する。反応混合物を室温で1時間撹拌する。混合物を飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、ジクロロメタンで2回抽出する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣を逆相HPLCで精製して、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸ベンジルアミドを得る;MS(ESI)m/z 362.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.31(s, 3 H), 1.57(s, 3 H), 6.96(s, 1 H), 7.18-7.25(m, 1 H), 7.36-7.48(m, 3 H), 7.64(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.68-7.78(m, 3 H), 7.78-7.85(m, 1 H), 7.88(s, 1 H), 8.28(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
実施例25。
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸ベンジルアミド
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(0.100g、0.349mmol)(実施例23)をジクロロメタン(2mL)に溶解する。触媒量のジメチルホルムアミド(0.002mL,0.0262mmol)を反応混合物に添加し、0℃で冷却する。塩化オキサリル(0.076mL、0.874mmol)を添加し、冷却浴を除く。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで真空で濃縮する。得られた残渣をジクロロメタンで再溶解し、ベンジルアミン(0.114mL、1.04mmol)を添加する。反応混合物を室温で1時間撹拌する。混合物を飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、ジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、19:1)で精製して、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸ベンジルアミドを得る;MS(ESI)m/z 376.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.24(s, 3 H), 1.53(s, 3 H), 4.62(s, 2 H), 6.98(s, 1 H), 7.26-7.35(m, 1 H), 7.35-7.46(m, 5 H), 7.57(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.64-7.73(m, 2 H), 7.74-7.84(m, 1 H), 8.26(dd, J=7.8, 1.5 Hz, 1 H)。
以下の化合物を実施例25と同様の方法で製造できる:
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(4−フルオロ)−ベンジルアミド
MS(ESI)m/z 394.3(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.23(s, 3 H), 1.53(s, 3 H), 4.59(s, 2 H), 6.97(s, 1 H), 7.07-7.19(m, 2 H), 7.36(s, 1 H), 7.40-7.48(m, 2 H), 7.55(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.65-7.73(m, 1 H), 7.75-7.82(m, 2 H), 8.26(d, J=7.8 Hz, 1 H)
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(2−フルオロ−ベンジル)−メチル−アミド
MS(ESI)m/z 408.1(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.25(s, 3 H), 1.52(s, 3 H), 3.24(br. s, 3 H), 4.93(br. s, 2 H), 6.26(s, 1 H), 7.17-7.40(m, 2 H), 7.37-7.53(m, 4 H), 7.64-7.73(m, 2 H), 7.80(td, J=7.3, 1.3 Hz, 1 H), 8.26(d, J=7.8 Hz, 1 H)。
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(4−フルオロ−ベンジル)−メチル−アミド
MS(ESI)m/z 408.1(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.24(s, 3 H), 1.53(s, 3 H), 3.23(br. s, 3 H), 4.82(br. s, 2 H), 6.30(s, 1 H), 7.18(t, J=8.7 Hz, 2 H), 7.38-7.45(m, 4 H), 7.66(br. d, J=7.6 Hz, 1 H)7.70(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.81(td, J=7.6, 1.4 Hz, 1 H), 8.26(dd, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H)。
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド
HRMS(ESI)m/z 328.1299 [(M+H)
+C
17H
18N
3O
4の計算値:328.1297];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.26(s, 3 H), 1.55(s, 3 H), 3.47-3.62(m, 2 H), 3.71-3.83(m, 2 H), 6.96(s, 1 H), 7.35(s, 1 H), 7.58(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.65-7.73(m, 2 H), 7.79(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.26(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)
(R)−および(S)−3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸フェニルエステル
MS(ESI)m/z 362.9(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.32(s, 3 H), 1.57(s, 3 H), 6.75(s, 1 H), 7.23-7.42(m, 3 H), 7.47-7.55(m, 2 H), 7.56-7.62(m, 2 H), 7.72(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.82(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.09(d, J=1.0 Hz, 1 H), 8.29(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、7:3アセトニトリル−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成して、エナンチオマーA(tr=4.2分)およびエナンチオマーB(tr=6.3分)を得る。
実施例26。
3,3−ジメチル−4−[5−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−イミダゾール−1−イル]−イソクロマン−1−オン
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−イソクロマン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(0.538g、1.88mmol)(実施例23)をジクロロメタン(4mL)に溶解し、0℃に冷却する。塩化オキサリル(0.41mL、4.702mmol)を添加し、冷却浴を除く。混合物を室温で3時間撹拌する。反応混合物を真空で濃縮する。得られた残渣をクロロホルムに冷却し、N−ヒドロキシアセトアミジン(0.181g、2.44mmol)を添加する。反応混合物を還流で72時間撹拌する。混合物を室温に冷却し、重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、ジクロロメタンで抽出する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、3:7)で精製して、ジメチル−4−[5−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−イミダゾール−1−イル]−イソクロマン−1−オンを白色固体として得る;MS(ESI)m/z 325.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.26(s, 3 H), 1.61(s, 3 H), 2.55(s, 3 H), 6.94(s, 1 H), 7.56(d, J=7.1 Hz, 1 H), 7.63(s, 1 H), 7.72(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 7.80(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.01(s, 1 H), 8.30(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
実施例27。
(a)(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)酢酸(CAS # 168632-03-9)
塩化トリチル(51g、0.18mol)を、(1H−イミダゾール−4−イル)酢酸ヒドロクロライド(25g、0.15mol)のピリジン(500mL、0.3M)懸濁液に添加する。これを室温で16時間撹拌し、その最後にMeOH(150mL)を添加する。この溶液を室温で1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をCH
2Cl
2に取り込み、2回1M 水性クエン酸溶液および塩水で洗浄する。有機相を無水Na
2SO
4で乾燥させ、粘性残渣を得て、それをジエチルエーテルに取り込み、蒸発させて、生成物を白色固体として得て、それをさらに精製せずに使用する;MS(ESI)m/z 368.9(M+H)(方法はJ. Org. Chem. 1993, 58, 4606の応用、WO2003013526でも製造)。
(b)2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エタノール(CAS# 127607-62-9)
(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−酢酸(6.27g、17.03mmol)のTHF(100mL)溶液を0℃に冷却し、リチウムアルミニウムハイドライド(THF中1M溶液、42.6mL、42.6mmol)を滴下する。反応混合物を室温で1時間撹拌する。それを飽和水性重炭酸ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮して、(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−酢酸を得て、それを次工程にさらに精製せずに使用する;
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 2.76(t, J=5.6 Hz, 2 H), 3.89(t, J=5.7 Hz, 2 H), 6.61(d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.32-7.38(m, 16 H)。
(c)4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−1−トリチル−1H−イミダゾール
2−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−エタノール(5.21g、14.7mmol)のDMF(20mL)溶液に、tert−ブチルクロロジメチルシラン(2.44g、16.1mmol)、ジメチルアミノピリジン(0.179g、1.47mmol)およびイミダゾール(3.00g、44.1mmol)を添加する。反応混合物を2時間、室温で撹拌する。それを、次いで、酢酸エチルで希釈し、水で3回洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−エタノール、7:3)で精製して、4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−1−トリチル−1H−イミダゾール生成物を得て、それを次工程にさらに精製することなく使用する;MS(ESI)m/z 469.3(M+H)
(d)2−{5−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−イミダゾール−1−イルメチル}−ベンゾニトリル
4−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−1−トリチル−1H−イミダゾール(2.10g、4.48mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液に2−ブロモメチルベンゾニトリル(0.967g、4.93mmol)を添加する。反応混合物を60℃で16時間撹拌する。それを、次いで、室温に冷却し、ジエチルアミン(5mL、44.8mmol)を添加する。反応混合物を60℃で30分撹拌する。それを、次いで、室温に冷却し、溶媒を真空で除去する。メタノール(25mL)を添加し、撹拌を1時間、室温で続ける。メタノールを真空で濃縮することにより除去する。残渣を酢酸エチルに溶解し、水で2回洗浄する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、19:1)で精製して、2−{5−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−イミダゾール−1−イルメチル}−ベンゾニトリルを得る;MS(ESI)m/z 342(M+H)
(e)2−(1−{5−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−イミダゾール−1−イル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−ベンゾニトリル
2−{5−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−イミダゾール−1−イルメチル}−ベンゾニトリル(1.14g、3.34mmol)をTHF(20mL)に溶解し、−78℃に冷却する。LHMDS(THF中1M、5mL、5mmol)を滴下する。添加終了10分後、アセトン(0.295g、5.01mmol)を添加する。反応混合物を−78℃で40分撹拌する。それを、次いで、飽和水性重炭酸ナトリウム(10mL)でクエンチする。混合物を室温に温め、次いで水に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮して、2−(1−{5−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−イミダゾール−1−イル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−ベンゾニトリルを得る;MS(ESI)m/z 400.3(M+H)
(f)4−[5−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
2−(1−{5−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−エチル]−イミダゾール−1−イル}−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−ベンゾニトリル(1.5g、3.75mmol)をTHF(15mL)に溶解する。濃硫酸(0.80mL、15.03mmol)および水(0.80mL)を添加し、混合物を還流で24時間撹拌する。冷却後、混合物を10%水性水酸化ナトリウムを使用してpH10に塩基性化し、次いで、酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、9:1)により精製して、4−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン;HRMS(ESI)m/z 287.1403;[(M+H)
+C
16H
19N
2O
3の計算値:287.1396];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.26(s, 3 H), 1.56(s, 3 H), 3.06(br. s, 2 H), 3.75-4.18(m, 2 H), 5.74(br. s, 1 H), 6.92(br. s, 1 H), 7.15(d, J=1.3 Hz, 1 H), 7.57(d, J=7.3 Hz, 1 H), 7.67(t, J=7.3 Hz, 1 H), 7.78(t, J=7.3 Hz, 1 H), 8.24(d, J=7.3 Hz, 1 H)
(g)(R)−および(S)−4−[5−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=35.5分)およびエナンチオマーB(tr=42.7分)を得る。
実施例28。
4−[5−(2−フルオロ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
ジクロロメタン(10mL)中の4−[5−(2−ヒドロキシ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン(0.180g、0.616mmol)(実施例27f)の部分的に懸濁液に、0℃で窒素下DAST(0.314g、1.848mmol)を滴下する。30分後、混合物をジクロロメタンで希釈し、2回飽和水性重炭酸ナトリウム、水および塩水で洗浄する。合わせた水性相を1回ジクロロメタンで逆抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、99:1から49:1で溶出)で精製して、4−[5−(2−フルオロ−エチル)−イミダゾール−1−イル]−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを油状物として得る。この物質をHCl塩に変換し、メタノールでトリチュレートして、結晶性固体を得る;MS(ESI)m/z 289.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.27(s, 3 H), 1.59(s, 3 H), 4.69 - 4.95(m, 4 H), 5.73(br. S., 1 H), 7.16(s, 1 H), 7.53(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.63(br. S., 1 H), 7.71(td, J=7.6, 1.1 Hz, 1 H), 7.81(td, J=7.6, 1.3 Hz, 1 H), 8.27(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H)。
実施例29。
(a)2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンゾニトリル(CAS# 143426-58-8)
イミダゾール(1.0g、14.6mmol)のDMF(10mL)溶液に水素化ナトリウム(鉱油中60%wt、0.887g、22.17mmol)を室温で添加する。混合物を30分撹拌し、その後2−シアノベンジルブロマイド(2.87g、14.6mmol)を添加する。さらに30分後、水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出する。水性相を水に注ぐ性重炭酸ナトリウムおよびジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、残渣を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、19:1)で精製して、2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンゾニトリルを得る;MS(ESI)m/z 184.3(M+H)。
(b)2−(2−ヒドロキシ−1−イミダゾール−1−イル−2−メチル−プロピル)−ベンゾニトリル
2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンゾニトリル(1.0g、5.49mmol)をTHF(10mL)に溶解し、−75℃に冷却する。LHMDS(THF中1M、8.24mL、8.24mmol)を滴下する。添加終了10分後、アセトン(0.48g、8.24mmol)を添加する。添加終了30後、飽和水性重炭酸ナトリウム(10mL)を添加し、混合物をr.t.に温め、次いで水に注ぐ。酢酸エチルで抽出後、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣を次工程にさらに精製することなく使用する;MS(ESI)m/z 242.1(M+H)。
(c)4−(イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
粗2−(2−ヒドロキシ−1−イミダゾール−1−イル−2−メチル−プロピル)−ベンゾニトリル(1.75g)をジオキサン(15mL)および水(15mL)に溶解する。硫酸(1.5mL、29.0mmol)を添加し、混合物を還流で2時間撹拌する。冷却後、pHを固体重炭酸ナトリウムで調節する。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、19:1)で精製して、4−(イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを得る;MS(ESI)m/z 242.9(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.30(s, 3 H), 1.53(s, 3 H), 5.76(s, 1 H), 6.98(s, 1 H), 7.09(s, 1 H), 7.52(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.64-7.73(m, 1 H), 7.76-7.85(m, 1 H), 7.89(s, 1 H), 8.25(dd, J=7.7, 1.4 Hz, 1 H)。
(d)(R)−および(S)−4−(イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralPak AS-Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=10.1分)およびエナンチオマーB(tr=16.6分)を得る。
以下の化合物を実施例29と同様の方法で製造できる:
(R)−および(S)−6−フルオロ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
HRMS(ESI)m/z 261.1044 [(M+H)
+C
14H
13FN
2O
2の計算値:261.1039];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.24(s, 3 H), 1.49(s, 3 H), 5.70(s, 1 H), 6.90(s, 1 H), 7.01(s, 1 H), 7.24(dd, J=8.6, 2.5 Hz, 1 H), 7.38(td, J=8.6, 2.5 Hz, 1 H), 7.74(s, 1 H), 8.26(dd, J=8.6, 5.6 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、85:15 ヘプタン−試薬アルコール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=21.4分)およびエナンチオマーB(tr=34.6分)を得る。
(R)−および(S)−7−クロロ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
(ESI)m/z 277、279(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.28(s, 3 H), 1.52(s, 3 H), 5.75(s, 1 H), 6.93(s, 1 H), 7.04(s, 1 H), 7.51(d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.74-7.82(m, 2 H), 8.21(d, J=2.0 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘキサン−エタノール移動相と共にChiralcel ODカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=14.6分)およびエナンチオマーB(tr=18.9分)を得る。
(R)−および(S)−7−フルオロ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
(ESI)m/z 261.3(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.28(s, 3 H), 1.53(s, 3 H), 5.74(s, 1 H), 6.91(s, 1 H), 7.03(s, 1 H), 7.43-7.61(m, 2 H), 7.77(s, 1 H), 7.93(dd, J=8.3, 2.3 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を9:1 ヘキサン−エタノール移動相と共にChiralcel ODカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=13.6分)およびエナンチオマーB(tr=17.4分)。
(R)−および(S)−6−メトキシ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
(ESI)m/z 273.3(M+H);
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.26(s, 3 H), 1.52(s, 3 H), 3.91(s, 3 H), 5.63(s, 1 H), 6.92(br. s, 1 H), 7.00(d, J=2.5 Hz 1H), 7.02(br. s, 1 H), 7.19(dd, J=8.8, 2.5 Hz, 1 H), 7.75(br. s, 1 H), 8.17(d, J=8.8 Hz, 1 H)
表題化合物のエナンチオマーの分割を、4:1 ヘキサン−イソプロパノール移動相と共にChiralcel ODカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=9.0分)およびエナンチオマーB(tr=10.0分)を得る。
(R)−および(S)−6,8−ジクロロ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
HRMS(ESI)m/z 311.0353 [(M+H)
+C
14H
12Cl
2N
2O
2の計算値:311.0354];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.24(s, 3 H), 1.47(s, 3 H), 5.72(s, 1 H), 6.95(t, J=1.4 Hz, 1 H), 7.04(s, 1 H), 7.48(d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.77(s, 1 H), 7.79(d, J=2.0 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、85:15 ヘプタン−試薬アルコール移動相と共にChiralPak AS-Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=6.5分)およびエナンチオマーB(tr=8.2分)を得る。
(R)−および(S)−6−トリフルオロメチル−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
MS(ESI)m/z 311.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, CDCl
3)δ ppm 1.37(s, 3 H), 1.55(s, 3 H), 5.47(s, 1 H), 6.81(t, J=1.3 Hz, 1 H), 7.15(s, 1 H), 7.47(d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.87-7.96(m, 2 H), 8.54(d, J=1.3 Hz, 1 H)。
表題化合物のエナンチオマーの分割を、19:1 ヘプタン−試薬アルコール移動相と共にChiralPak AS-Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=9.8分)およびエナンチオマーB(tr=13.7分)を得る。
(R)−および(S)−[4−(イミダゾール−1−イル)−7−フルオロ−イソクロマン−1−オン]−3−スピロシクロブタン
HRMS(ESI)m/z 273.1046 [(M+H)
+C
15H
14FN
2O
2の計算値:273.1039];HCl塩の
1H NMR(400 MHz, MeOD) δ ppm 1.93-2.43(m, 6 H), 6.26(s, 1 H), 7.51-7.66(m, 3 H), 7.79(dd, J=8.5, 4.9 Hz, 1 H), 7.93(dd, J=8.5, 2.7 Hz, 1 H), 9.11(s, 1 H)
表題化合物のエナンチオマーの分割を、19:1 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralPak AS-Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=15.4分)およびエナンチオマーB(tr=21.7分)を得る。
(R)−および(S)−6−フルオロ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジエチル−イソクロマン−1−オン
HRMS(ESI)m/z 289.1346 [(M+H)
+C
16H
18FN
2O
2の計算値:289.1352];HCl塩の
1H NMR(400 MHz, MeOD) δ ppm 0.94(t, J=7.3 Hz, 3 H), 0.96(t, J=7.3 Hz, 3 H), 1.40-1.57(m, 2 H), 1.68-1.85(m, 2 H), 5.78(s, 1 H), 6.88(s, 1 H), 6.97(s, 1 H), 7.49(td, J=8.7, 2.6 Hz, 1 H), 7.55(dd, J=8.1, 5.0 Hz, 1 H), 7.76(s, 1 H), 7.87(dd, J=8.5, 2.7 Hz, 1 H)
表題化合物のエナンチオマーの分割を、19:1 ヘプタン−試薬アルコール移動相と共にChiralPak AS-Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=22.5分)およびエナンチオマーB(tr=27.9分)。
実施例30。
(3R,4R)−、(3S,4S)−、(3R,4S)−および(3S,4R)−,4−イミダゾール−1−イル−3−フェニル−イソクロマン−1−オン
2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンゾニトリル(0.84g、4.36mmol)(実施例29a)をTHF(40mL)に溶解し、−78℃に冷却する。LHMDS(THF中1.0M、15.2mL、15.2mmol)を添加し、10分後ベンズアルデヒド(2.10g、19.60mmol)を添加する。1分後、反応を1M 水性硫酸水素ナトリウムでクエンチする。4M 水性水酸化ナトリウムでpHを12に調節し、酢酸エチルで抽出する。有機相をMgSO
4で乾燥させおよび真空で濃縮して、残渣を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン(dichloromathe)−メタノール、1:0から23:1勾配)で精製し、フラクションの濃縮後黄色残渣(1.40g)を得て、それをジオキサン(40mL)に再溶解する。10M 水性H
2SO
4(2.2mL、22mmol)を添加する。混合物を90℃に加熱する。一晩撹拌後、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和水性ビカーボネートおよび塩水で洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させおよび真空で濃縮して、ガム状残渣を得る。表題化合物の精製および4異性体の分割をキラルHPLCにより、7:3 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralPak OD-RHカラムで達成し、cisジアステレオマーをエナンチオマーA(t
r=14.0分)およびエナンチオマーB(t
r=16.7分)、transジアステレオマーをエナンチオマーC(t
r=23.2分)およびエナンチオマーD(t
r=43.2分)を得る。
cisジアステレオマー:MS(ESI)m/z 291.0(M+H);1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ ppm 6.06(d, J=2.9 Hz, 1 H), 6.29(d, J=2.9 Hz, 1 H), 6.59(s, 1 H), 6.72(s, 1 H), 7.09(s, 1 H), 7.16-7.22(m, 2 H), 7.28-7.34(m, 3 H), 7.60(d, J=7.1 Hz, 1 H), 7.71(td, J=7.7, 1.3 Hz, 1 H), 7.81(td, J=7.6, 1.5 Hz, 1 H), 8.19(dd, J=7.8, 1.3 Hz, 1 H);
transジアステレオマー:MS(ESI)m/z 291.0(M+H);1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)δ ppm 6.19(d, J=10.5 Hz, 1 H), 6.36(d, J=10.5 Hz, 1 H), 6.70(d, J=7.8 Hz, 1 H), 6.91(s, 1 H), 7.19(t, J=1.3 Hz, 1 H), 7.30-7.36(m, 3 H), 7.37-7.44(m, 2 H), 7.56-7.64(m, 2 H), 7.72(td, J=7.6, 1.4 Hz, 1 H), 8.10(dd, J=7.7, 1.1 Hz, 1 H)。
実施例31。
(a)N,N−ジエチル−3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシメチル−ベンズアミド
フラスコに3,4−ジフルオロ安息香酸(2.40g、14.88mmol)を入れ、ジクロロメタン(50mL)を添加する。溶解完了後、混合物を0℃に冷却し、DMF(0.022g、0.298mmol)および塩化オキサリル(3.85g、29.75mmol)を添加する。冷却浴を除く。2時間後、混合物を濃縮し、ジクロロメタン(50mL)に取り込み、ジエチルアミン(5.50g、74.38mmol)を添加する。30分後、ジクロロメタン(500mL)を添加し、混合物を1M 水性HCl、飽和水性重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して、N,N−ジエチル−3,4−ジフルオロベンズアミドを褐色油状物として得て、それを無水THF(60mL)に再溶解する。2首フラスコにパラホルムアルデヒド(2.40g、76.22mmol)を入れ、短いチューブを介して、適当なアダプターを使用してピペットを備えた他の2首フラスコに接続する。第二のフラスコにTHF(60mL)を入れ、−78℃に冷却する。パラホルムアルデヒドをヒートガンで破壊し、冷THFにピペットを介してバブリングする。透明溶液が形成される。N,N−ジエチル−3,4−ジフルオロベンズアミドのTHF溶液に、TMEDA(2.98g、25.41mmol)を添加し、フラスコを−78℃に冷却する。sec−BuLi(シクロヘキサン中1.4M、18.1mL、25.4mmol)を添加し、30分後、ホルムアルデヒドの冷溶液をカニューレを介して添加する。2時間後、冷却浴を除く。室温に到達したら、反応を1M 水性重硫酸ナトリウムでクエンチする。酢酸エチルで希釈後、有機相を飽和水性重炭酸ナトリウム、塩水で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘプタン、3:7から2:3から1:1)で精製して、N,N−ジエチル−3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシメチル−ベンズアミドをオレンジ色油状物として得る;
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.12(t, J=7.1 Hz, 3 H), 1.28(t, J=7.1 Hz, 3 H), 3.26(q, J=7.1 Hz, 2 H), 3.58(q, J=7.1 Hz, 2 H), 4.62(br. s., 2 H), 7.00(ddd, J=8.4, 4.6, 1.6 Hz, 1 H), 7.09-7.19(m, 1 H)。
(b)N,N−ジエチル−3,4−ジフルオロ−2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンズアミド
フラスコにポリマー支持トリフェニルホスフィン(1.48mmol/g、6.87g、10.17mmol)およびジクロロメタン(70mL)を入れる。臭素(1.58g、9.77mmol)をr.t.で、続いて N,N−ジエチル−3,4−ジフルオロ−2−ヒドロキシメチル−ベンズアミド(1.100g、4.070mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液を添加する。5分後、混合物を濾過し、樹脂を数回ジクロロメタンで洗浄する。得られた濾液を真空で濃縮して、油状物を得る。イミダゾール(2.80g、40.70mmol)、続いてアセトニトリル(30mL)を添加し、混合物を70℃に加熱する。5分、70℃の後、混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、3回1M 水性HClで抽出する。合わせた水性相を1回ジクロロメタンで洗浄する。水性相を、次いで、0℃に冷却し、pHを冷4M 水性NaOHで12に調節する。水性相を、次いで、ジクロロメタンで抽出する。合わせた抽出フラクションをMgSO
4で乾燥させおよび濾過する。サンプルを真空で濃縮し、酢酸エチルに取り込み、水(3回)、および塩水で洗浄する。有機相をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、N,N−ジエチル−3,4−ジフルオロ−2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンズアミドを黄色油状物として得る;
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 0.95(t, J=7.1 Hz, 3 H), 1.26(t, J=7.1 Hz, 3 H), 2.82(q, J=7.1 Hz, 2 H), 3.52(q, J=7.1 Hz, 2 H), 5.25(br. s., 2 H), 6.96(s, 1 H), 6.98-7.03(m, 1 H), 7.01(s, 1 H), 7.16-7.25(m, 1 H), 7.51(s, 1 H)。
(c)5,6−ジフルオロ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
N,N−ジエチル−3,4−ジフルオロ−2−イミダゾール−1−イルメチル−ベンズアミド(0.832g、2.695mmol)をTHF(15mL)に溶解し、−78℃に冷却する。LHMDS(THF中1.0M、4.0mL、4.0mmol)を5分にわたり添加し、暗褐色溶液となる。さらに10分後、アセトン(0.79g、13.47mmol)を添加する。30分後、混合物をpH7 水性緩衝液でクエンチし、2回酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮して、褐色残渣を得て、それをジオキサン(25mL)に再溶解する。1M 水性KOH(13.5mL、13.5mmol)を添加する。溶液を65℃に加熱する。3時間後、混合物を水浴で冷却し、濃HClでpH=1に酸性化する。混合物を65℃に加熱する。1時間後、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和水性重炭酸ナトリウム、水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、綿プラグを通して濾過する。真空で濃縮して、残渣を得て、それをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン−メタノール、49:1から97:3)で精製して、5,6−ジフルオロ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オンを油状物として得て、それをそのHCl塩に変換して、固体を得る;MS(ESI)m/z 279.1(M+H);HCl塩の
1H NMR(400 MHz, MeOD), δ ppm 1.34(s, 3 H), 1.61(s, 3 H), 6.29(s, 1 H), 7.46(br. s., 1 H), 7.53(br. s., 1 H), 7.66-7.75(m, 1 H), 8.20(ddd, J=8.8, 4.6, 1.6 Hz, 1 H), 8.79(br. s., 1 H)。
(d)(R)−および(S)−5,6−ジフルオロ−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−イソクロマン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、4:1 ヘプタン−エタノール移動相と共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=13.1分)およびエナンチオマーB(tr=25.1分)を得る。
実施例32。
(a)2−シクロプロピル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸。
I型中性アルミナ(16g)にシクロプロピルアミン(4.2mL、60mmol)、その後ジクロロメタン(10mL)を添加する。得られたスラリーを0℃に冷却し、アセトン(6mL、82mmol)をゆっくり添加する。スラリーを室温にし、9時間撹拌し、その時点で、反応混合物を焼結漏斗を通して濾過する。アルミナケーキをクロロホルム(150mL)で洗浄し、ホモフタル酸無水物(10.0g、62mmol)を合わせた濾液に添加する。得られた黄色溶液を15時間撹拌し、その時点でそれを真空で濃縮し、得られた残渣を氷酢酸(130mL)に冷却し、還流で4時間置く。反応混合物を、次いで、室温に冷却し、真空で濃縮乾固する。反応混合物を、次いで、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー[(6%酢酸エチル/0.08%酢酸/93.92%ジクロロメタン)から(18%酢酸エチル/0.24%酢酸/81.76%ジクロロメタン)]で精製して、2−シクロプロピル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸をオフホワイト色粉末として得る;MS(ESI)m/z 260.1(M+H)。
(b)2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン。
2−シクロプロピル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸(4.1g 15.8mmol)の酢酸(300mL)溶液に、ベンゼン(150mL)、酢酸カリウム(10.9g、111mmol)、酢酸銅(0.145g、0.8mmol)および酢酸鉛(IV)(12.7g、28.6mmol)を添加する。緑色反応混合物を還流で2.5時間加熱する。反応混合物を、次いで、室温に冷却し、エチレングリコール(約5mL)の添加によりクエンチする。得られた溶液を真空でほぼ乾固するまで濃縮する。得られた暗緑色油状物を酢酸エチル(約500mL)に溶解し、注意深く飽和水性重炭酸ナトリウム(約200mL)で処理しながら激しく撹拌し、その後固体NaHCO
3で水性層のpHが8より大きくなるまで処理する。層を分離し、水性層を3回酢酸エチルで抽出する。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた褐色油状物を、次いで、THF(150mL)に溶解する。水(30ml)およびLiOH・H
2O(3.5g、83.4mmol)を添加する。反応混合物を45℃で18時間放置し、その後それを室温に冷却する。反応を真空で元の容量の約3/4に濃縮し、塩化メチレンおよび飽和水性NaHCO
3で希釈する。層を分離し、水性層を3回酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、褐色油状物を得る。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ジクロロメタン、1:19から1:4)での精製により、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンをオフホワイト色固体として得る;MS(ESI)m/z 232.1(M+H)。
(c)3−(2−シクロプロピル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(2.25g、9.72mmol)のTHF(100mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(4.3g、16.5mmol)、およびメチル−4−イミダゾールカルボキシレート(2.08g、16.5mmol)を添加する。不均一反応混合物を0℃に冷却し、ジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート(3.81g、16.5mmol)を添加する。反応を室温に温め、45分撹拌し、次いで44℃でさらに75分加熱し、その時点で反応を0℃に冷却し、4M HClのジオキサン溶液(20mL、80mmol)を添加する。反応を室温にし、1時間撹拌する。反応混合物を、次いで、飽和水性NaHCO
3の注意深い添加により約9のpHに塩基性化する。得られた混合物をさらに酢酸エチルで希釈し、飽和水性NaHCO
3、層を分離する。水性層を3回酢酸エチルで抽出する、有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮する。得られた残渣をシリカゲルに吸着させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ジクロロメタン、1:24から1:4)に付して3−(2−シクロプロピル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルをオフホワイト色固体として得る;HRMS(ESI)m/z 340.1668 [(M+H)
+;C
19H
22N
3O
3の計算値:340.1661];
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 0.34-0.45(m, 1 H), 0.78-0.88(m, 1 H), 0.90-0.99(m, 1 H), 1.05-1.16(m, 1 H), 1.31(s, 3 H), 1.45(s, 3 H), 2.29-2.43(m, 1 H), 3.94(s, 3 H), 6.55(s, 1 H), 7.28-7.33(m, 2 H), 7.44-7.55(m, 2 H), 7.78(s, 1 H), 8.17-8.29(m, 1 H)
実施例33。
(a)3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸
2−シクロプロピル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸と類似の方法で製造した2−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸(9.6g、26mmol)にチオアニソール(36mL、304mmol)およびトリフルオロ酢酸(360mL)を添加する。得られた溶液を70℃で13時間加熱する。反応を、次いで、室温に冷却し、真空でほぼ乾固するまで濃縮する。得られた紫色油状物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、1:0から9:1、0.5%酢酸含有)で精製し、3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸をオフホワイト色泡状物として得る;MS(ESI)m/z 220.0(M+H)。
(b)4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−カルボン酸(5.0g、22.8mmol)の酢酸(450mL)およびベンゼン(160mL)溶液に、連続的に、酢酸カリウム(15.7g、160mmol)、酢酸銅(210mg、1.14mmol)、および酢酸鉛(IV)(18.2g、41.1mmol)を添加する。緑色溶液を還流で4時間加熱し、その時点でさらに酢酸鉛(IV)(2.0g 4.5mmol)を添加する。合計5時間後、還流反応を室温に冷却し、エチレングリコール(約5mL)の添加によりクエンチする。反応を真空でほぼ乾固するまで濃縮する。得られた暗緑色油状物を酢酸エチルに溶解し、注意深く飽和水性重炭酸ナトリウムで処理しながら激しく撹拌し、その後固体NaHCO
3で水性層のpHが8より大きくなるまで処理する。層を分離し、水性層を3回酢酸エチルで抽出する。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ 濾過し、濃縮する。得られた褐色油状物を、次いで、THF(200mL)に溶解する。水(40ml)およびLiOH・H
2O(5.0g、118.6mmol)を添加する。反応混合物を45℃に加熱し、18時間撹拌し、その時点でそれを室温に冷却する。反応を真空で元の容量の約3/4に濃縮し、塩化メチレンおよび飽和水性NaHCO
3で希釈する。層を分離し、水性層を3回酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、褐色油状物を得て、それをさらなる精製のためにシリカゲルに前吸着させる。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、99:1から23:2)での精製により、4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンをオフホワイト色泡状物として得る;MS(ESI)m/z 192.1(M+H)。
(c)3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル
4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(1.15g、6.0mmol)のTHF(85mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(2.7g、10.2mmol)、およびメチル−4−イミダゾールカルボキシレート(1.3g、10.2mmol)を添加する。不均質反応混合物を0℃に冷却し、ジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート(2.4g、10.2mmol)を添加する。反応を室温に温め、45分撹拌し、次いで40℃でさらに75分加熱し、その時点で反応を0℃に冷却し、4M HClのジオキサン溶液(20mL、80mmol)を添加する。反応を室温にし、45分撹拌する。反応混合物を、次いで、飽和水性NaHCO
3の注意深い添加により約8のpHに塩基性化する。得られた混合物をさらに酢酸エチルおよび飽和水性NaHCO
3で希釈し、層を分離する。水性層を3回酢酸エチルで抽出する、有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮する。得られた残渣をシリカゲルに吸着させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー[ヘキサン中35から60%の貯蔵溶液(貯蔵溶液を17%v/v試薬アルコールの酢酸エチルとして調製)]に付して、3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルをオフホワイト色固体として得る。HRMS(ESI)m/z 300.1354 [(M+H)
+;C
16H
18N
3O
3の計算値:340.1348];
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.07(s, 3 H), 1.45(s, 3 H), 3.94(s, 3 H), 5.72(br. s., 1 H), 6.59(s, 1 H), 7.32-7.38(m, 1 H), 7.41(s, 1 H), 7.50-7.61(m, 2 H), 7.78(s, 1 H), 8.19-8.28(m, 1 H)。
(d)3−(2,3,3−トリメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(55mg、0.184mmol)のDMF(3.7mL)溶液に、−10℃で水素化ナトリウム(油中、60%分散、10mg、0.25mmol)を添加する。反応を5分、−10℃で撹拌し、次いで室温で10分放置する。得られた赤色溶液を−10℃に再冷却し、ヨウ化メチル(0.025mL、0.40mmol)を滴下する。反応を室温に置く。10分後、黄色反応混合物を飽和水性NH
4Cl(約1mL)の添加によりクエンチする。得られた混合物を酢酸エチルおよび飽和水性NaHCO
3で希釈する。層を分離し、水性層を2回酢酸エチル(約10mL)で抽出する。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、3−(2,3,3−トリメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルを黄色泡状物として得て、次の変換前にさらなる精製を必要としない;HRMS(ES)m/z 300.1354 [(M+H)+;C
16H
18N
3O
3の計算値:340.1348];
1H NMR(400 MHz, MeOD)δ ppm 1.30(s, 3 H), 1.41(s, 3 H), 3.10(s, 3 H), 4.04(br. s., 3 H), 6.85(br. s., 1 H), 7.50(br. s., 1 H), 7.61-7.73(m, 2 H), 8.09-8.27(m, 3 H)。
(e)4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−2,3,3−トリメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
3−(2,3,3−トリメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(190mg、0.367mmol)のTHF(5.5mL)溶液に、−25℃でリチウムアルミニウムハイドライド(18mg、0.48mmol)を添加する。反応を0℃に2時間にわたり温め、反応をさらに30分、0℃で撹拌する。合計2.5時間後、反応を0℃で9:1 THF/H
2O(0.225mL)、2M 水性NaOH(0.090mL)、およびH
2O(0.170mL)の連続的添加によりクエンチする。反応を室温に温め、THF(2.0mL)で希釈する。MgSO
4(250mg)添加後、不均質混合物を15分撹拌し、次いでCeliteのパッドを通して濾過する。Celiteのパッドを酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を真空で濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール、49:1から9:1)で洗浄して、4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−2,3,3−トリメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを無色泡状物として得る。高分解能マススペクトル(ES+)m/z 286.1547 [(M+H)
+;C
16H
20N
3O
2の計算値:286.1556];
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.22(s, 3 H), 1.36(s, 3 H), 2.12(br. s, 1 H), 3.11(s, 3 H), 4.65-4.95(m, 2 H), 5.33(s, 1 H), 6.95(s, 1 H), 7.31-7.36(m, 1 H), 7.37(s, 1 H), 7.43-7.54(m, 2 H), 8.18-8.25(m, 1 H)。
(f)(R)−および(S)−4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−2,3,3−トリメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、1:4 エタノール−ヘプタン移動相と共にChiralPak AD-Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=12.3分)およびエナンチオマーB(tr=19.1分)を得る。
実施例34。
(a)4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.67mmol)(実施例33c)のTHF(20mL)溶液に、−10℃でリチウムアルミニウムハイドライド(56mg、1.47mmol)を添加する。5分撹拌後、反応を室温で1時間放置し、その時点で反応を0℃に冷却し、9:1 THF/H
2O(0.8mL)、2M 水性NaOH(0.92mL)、およびH
2O(0.6mL)の連続的添加によりクエンチする。反応を、次いで、室温に温め、THF(6mL)で希釈する。MgSO
4(900mg)添加後、不均質混合物を15分撹拌し、次いでCelite
(登録商標)のパッドを通して濾過する。Celite
(登録商標)のパッドを酢酸エチルで洗浄し、合わせた濾液を濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン−エタノール、6.5:2.5:1から9:0.5:1.2)で精製して、4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを得る;MS(ESI)m/z 272.0(M+H);
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.11(s, 3 H), 1.42(s, 3 H), 2.25(br. s., 1 H), 4.61-4.93(m, 2 H), 5.40(s, 1 H), 5.73(br. s., 1 H), 6.96(s, 1 H), 7.32-7.37(m, 1 H), 7.38(s, 1 H), 7.46-7.56(m, 2 H), 8.15-8.26(m, 1 H)。
(b)(R)および(S)−4−(5−ヒドロキシメチル−イミダゾール−1−イル)−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、4:1 ヘプタン−試薬アルコールと共にChiralPak IAカラムを使用したキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=8.3分)およびエナンチオマーB(tr=8.8分)を得る。
実施例35。
(a)3−(2−エチル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル
3−(3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル(114mg、0.381mmol)(実施例33c)のDMF(6mL)溶液に、−10℃でNaH[油中60%分散(20mg、0.5mmol)]を添加する。反応を−10℃で10分撹拌し、室温で5分放置し、次いで−10℃に再冷却し、その時点でヨウ化エチル(0.070mL、0.875mmol)を添加する。45分後、反応を飽和水性NH
4Clでクエンチし、酢酸エチルおよび飽和水性NaHCO
3で希釈する。層を分離し、水性層をさらに2回酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ジクロロメタン、1:7から1:0)で精製して、3−(2−エチル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルを得る;HRMS:(ESI)m/z 328.1673 [(M+H)
+:C
18H
22N
3O
3の計算値:328.1661];
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.21(t, J=7.1 Hz, 3 H), 1.24(s, 3 H), 1.40(s, 3 H), 3.47-3.57(m, 1 H), 3.67-3.78(m, 1 H), 3.94(s, 3 H), 6.56(s, 1 H), 7.28-7.33(m, 1 H), 7.42(s, 1 H), 7.46-7.55(m, 2 H), 7.77(s, 1 H), 8.20-8.26(m, 1 H)。
(b)(R)−および(S)−3−(2−エチル−3,3−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−4−イル)−3H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル
表題化合物のエナンチオマーの分割を、9:1 ヘプタン−試薬アルコールと共にChiralPak ODカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=15.3分)およびエナンチオマーB(tr=19.0分)を得る。
実施例36。
(a)2,2−ジメチル−インダン−1,3−ジオン(CAS# 17190-77-1)
Celite
(登録商標)上のフッ化カリウム[負荷重量:50%Sigma-Aldrich Co.から購入](5.8g、〜50mmol)を135℃で2時間、真空下(<20torr)で加熱する。固体を、次いで、室温に冷却し、窒素下雰囲気に置き、その時点でインダン−1,3−ジオン(CAS# 606-23-5、1.46g、10.0mmol)のアセトニトリル(15mL)溶液、その後ヨードメタン(1.8mL、30mmol)を添加する。反応を、密封容器中、70℃で一晩加熱する。反応混合物を室温に冷却し、Celite
(登録商標)のパッドを通して濾過する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘプタン、0:1から1:9)で精製して、2,2−ジメチル−インダン−1,3−ジオンを得る;
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.30(s, 6 H), 7.84-7.89(m, 2 H), 7.96-8.02(m, 2 H)。
(b)3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−インダン−1−オン(CAS# 59269-93-1)
2,2−ジメチル−インダン−1,3−ジオン(430mg、2.47mmol)のエタノール(80mL)溶液に、−30℃でNaBH
4(29mg、0.74mmol)のエタノール(3mL)溶液を添加する。1時間後、反応を飽和水性NH
4Clでクエンチし、混合物を室温にする。反応混合物を元の容量の約半量に濃縮し、次いで酢酸エチルで希釈し、水で洗浄する。水性層を、次いで、酢酸エチルで2回逆抽出する。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘプタン、0:1から1:6)で精製して、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−インダン−1−オンを得る;MS(ESI)m/z 177.0(M+H)
+。
(c)3−イミダゾール−1−イル−2,2−ジメチル−インダン−1−オン
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.13mL、6.75mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、−78℃で、カニューレを介して、ジイソプロピルエチルアミン(1.8mL、10.1mmol)および実施例8cに記載の通りに製造した3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−インダン−1−オン(4、00mg、2.25mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を添加する。反応を−78℃で10分撹拌し、次いで−10℃で10分置く。反応を、次いで、−78℃に再冷却し、イミダゾール(920mg、13.5mmol)のジクロロメタン(12mL)溶液をカニューレを介して添加する。反応を、次いで、室温で1時間置き、その時点でそれを飽和水性NaHCO
3および酢酸エチルで希釈する。層を分離し、水性層を2回酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル−ジクロロメタン、1:3から1:0)で精製して、3−イミダゾール−1−イル−2,2−ジメチル−インダン−1−オンを得る;MS(ESI)m/z 227(M+H)
+;
1H NMR:(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 0.80(s, 3 H), 1.41(s, 3 H), 5.52(s, 1 H), 6.73(s, 1 H), 7.12(s, 1 H), 7.51(d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.56(s, 1 H), 7.62(t, J=7.5 Hz, 1 H), 7.70-7.80(m, 1 H), 7.91(d, J=7.6 Hz, 1 H)。
(d)4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
3−イミダゾール−1−イル−2,2−ジメチル−インダン−1−オン(350mg、1.55mmol)のメタノール(19mL)溶液に、ピリジン(1.6mL、19.6mmol)、次いでヒドロキシルアミンヒドロクロライド(270mg、3.9mmol)を添加する。反応を55℃で約14時間撹拌し、次いで室温に冷却する。反応を真空で元の容量の約半量まで濃縮する。混合物を、次いで、酢酸エチルおよび50%飽和水性NaClで希釈する。層を分離し、水性層をさらに2回酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ
、濾過し、濃縮する。得られた残渣をピリジン(10mL)に溶解し、0℃に置く。溶液にDMAP(約6mg、0.05mmol)およびp−トルエンスルホニルクロライド(615mg、3.22mmol)を添加し、室温で1時間置く。反応を、次いで、50℃に温め、約14時間撹拌する。反応を、次いで、室温に冷却し、飽和水性NaHCO
3および酢酸エチルで希釈する。層を分離し、有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をピリジン(11mL)に溶解し、マイクロ波照射で190℃で35分、密封容器中で加熱する。反応を室温に冷却し、飽和水性NaHCO
3(約0.5mL)で冷却し、酢酸エチルで希釈する。混合物を、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(メタノール−ジクロロメタン、0:1から1:10)で精製して、4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを得る;HRMS(ESI)m/z 242.1293 [(M+H)
+:C
14H
16N
3Oの計算値:242.1293];
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.15(s, 3 H), 1.40(s, 3 H), 5.09(s, 1 H), 5.73(br. s., 1 H), 6.82(s, 1 H), 7.04(s, 1 H), 7.21-7.26(m, 1 H), 7.50-7.60(m, 3 H), 8.17-8.26(m, 1 H)。
(e)(R)−および(S)−4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、83:17 ヘプタン−イソプロピルアルコールと共にChiralPak AS-Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成し、エナンチオマーA(tr=23.0分)およびエナンチオマーB(tr=26.0分)を得る。
実施例37。
(a)4−イミダゾール−1−イル−2,3,3−トリメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
実施例36dの記載に従い製造できる4−イミダゾール−1−イル−3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン(140mg、0.58mmol)のDMF(8mL)溶液に、−10℃でNaH[油中60%分散(30mg、0.75mmol)]を添加する。10分後、反応を室温で5分温め、次いで−10℃に再冷却する。反応に、次いで、ヨウ化メチル(0.075mL、1.2mmol)を入れ、室温に置く。20分後、反応を−10℃に冷却し、飽和水性NH
4Clでクエンチし、飽和水性NaHCO
3および酢酸エチルで希釈する。層を分離し、水性層を2回酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(メタノール−ジクロロメタン、0:1から1:12)で精製して、4−イミダゾール−1−イル−2,3,3−トリメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オンを得る;HRMS(ESI)m/z 256.1448 [(M+H)
+:C
15H
18N
3Oの計算値:256.1450];
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d)δ ppm 1.22(s, 3 H), 1.33(s, 3 H), 3.09(s, 3 H), 5.01(s, 1 H), 6.78(s, 1 H), 7.02(s, 1 H), 7.20(d, J=3.8 Hz, 1 H), 7.47-7.57(m, 3 H), 8.20-8.28(m, 1 H)。
(b)(R)−および(S)−4−イミダゾール−1−イル−2,3,3−トリメチル−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−1−オン
表題化合物のエナンチオマーの分割を、85:15 ヘプタン:試薬アルコールと共にChiralPak AS-Hカラムを使用するキラルHPLCにより達成して、エナンチオマーA(tr=10.9分)およびエナンチオマーB(tr=22.9分)を得る。