JP5197442B2 - 工作機械の接触検出装置およびスタイラスの先端接触子の製造方法 - Google Patents

工作機械の接触検出装置およびスタイラスの先端接触子の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、測定対象であるワークとの接触を検出する接触検出装置に関し、特に、工作機械の主軸に取付けられる接触検出装置およびスタイラスの先端接触子の製造方法に関する。
工作機械により加工されるワークに接触したことを検出する接触検出装置の一例が、特開平8−108349号公報(特許文献1)に記載されている。この接触検出装置は、ワークの芯出しや寸法計測を行なうものである。
図8は特許文献1に記載された従来の接触検出装置の検出装置本体の断面図である。図8において、接触検出装置が取付けられる工作機械の主軸(図示せず)には、検出装置本体100が取付けられ、検出装置本体100から突出するように、スタイラス101が取付けられている。スタイラス101の一端には、図示しないワークに接触する球状の先端接触子102が形成されている。スタイラス101の他端の基端部103には、径方向外方へ突出する3個の可動接点104が設けられている。
3個の可動接点104は、それぞれが対面する2個1組の鋼球からなる固定接点105間に接触して、ばね106により軸方向に押圧されている。それによって、スタイラス101は、ばね106の付勢力に抗して任意の方向に首振り運動可能なように揺動自在に支持される。検出装置本体100には、電源107と、発光体108とが内蔵されており、スタイラス101の先端接触子102がワークに接触したとき、検出装置本体100の固定接点105,可動接点104を含む部材で構成される検出回路が閉成され、発光体108が点灯する。
特開平8−108349号公報
図9は図8に示した接触検出装置でワーク110の位置を検出するときの動作遅れを説明するための図である。図9(A)〜(C)において、ワーク110には、例えば内径60mmの穴111が形成されており、接触検出装置100はワーク110のセンターから穴111の内壁方向に移動し、スタイラス101の先端接触子102が内壁に接触したときにワーク110への接触を検出する。
図9において、接触検出装置100は、図8に示したスタイラス101と、先端接触子102と、可動接点104と、固定接点105と、ばね106のみを概念的に示している。スタイラス101の長さLは例えば20mm、先端接触子102の実際の呼び半径Rnは例えば2.0mmに選ばれているものとする。スタイラス101がワーク110の中心にあるとき、ワーク110のセンターとワーク110の内壁との距離は30mmになる。このとき可動接点104は固定接点105に電気的に接触している。ワーク110の半径は、30mmであり、先端接触子102の呼び半径は2.0mmであるので、先端接触子102が移動してワーク110の内壁に接触するまでのスタイラス101の移動距離は28mmになるはずである。
図9(B)に示すように、スタイラス101をワーク110の内壁側に28mm移動させて、先端接触子102がワーク110の内壁に接触したとき、可動接点104が固定接点105から離れて電気的接続が解除されて、そのときに先端接触子102がワーク110に接触したことを検出できるのが望ましい。
しかし、可動接点104は棒状の部材であり、固定接点105は2個の鋼球であり、可動接点104は2個の鋼球の間に位置しており、可動接点104が固定接点105である2個の鋼球に接触しながらわずかに動いても電気的接続が維持されたままになる場合がある。しかも、可動接点104は、ばね106から与えられる荷重により付勢されて、固定接点105に電気的に接触している。このため、先端接触子102がワーク110の内壁に接触しただけでは、直ちに可動接点104が固定接点105から離れない。
可動接点104を固定接点105から離して電気的接触を解除するためには、図9(C)に示すように、先端接触子102がワーク110の内壁に接触してから、スタイラス101をさらにワーク110の内壁側にある程度の距離だけ移動させる必要がある。例えば、この追加移動距離dを0.010mmとする。本来ならスタイラス101の移動距離と先端接触子102の呼び半径だけで、ワーク110の穴径を計測できるのが好ましい。
ところが、スタイラス101の実際の移動距離は、先端接触子102がワーク110の内壁に接触する地点までの移動距離28mmに、可動接点104を開かせるのに必要な追加移動距離d=0.010mmを足した28.010mmになる。このスタイラス101の移動距離28.010mmに、先端接触子102の呼び半径2.0mmを足すと、30.010mmになる。この値は、実際の穴111の半径30mmと0.010mm異なっている。理想的には、スタイラス101が28mm移動したときに可動接点104が固定接点105から離れるようにするのが好ましい。しかしながら、接触検出装置100の構造上、0.010mmの追加移動距離dに対応する動作遅れを回避できない。
そこで、この発明の目的は、先端接触子の呼び半径とスタイラスの実際の移動距離とによって、ワークの寸法計測を正確に行うことができる接触検出装置およびスタイラスの先端接触子の製造方法を提供することである。
この発明の接触検出装置は、工作機械の主軸に取付けられる検出装置本体と、検出装置本体に配置される導電性部材からなる固定接点と、検出装置本体に接離可能に保持され、検出対象物であるワークに接触する先端接触子と、固定接点に接離可能に対面する導電性部材からなる可動接点とを含むスタイラスと、可動接点が固定接点に接離したか否かを検出したことに応じて、その状態を外部に報知する報知手段とを備え、先端接触子の実際の半径をRa、呼び半径をRnとし、先端接触子をワークに接触させる方向にスタイラスを移動させたとき、先端接触子がワークに接触した瞬間におけるスタイラスの位置から可動接点が固定接点から電気的に離れるようにするまでのスタイラスの追加移動距離をdとすると、Ra=Rn+dの関係となるようにしたことを特徴とする。
可動接点が固定接点から離れる動作遅れを見越して先端接触子の径を定めて、先端接触子がワークに接触してから追加移動距離dだけスタイラスをワーク側に移動させることにより、先端接触子の呼び半径とスタイラスの実際の移動距離とによって、ワークの寸法計測を正確に行うことができる。
好ましくは、可動接点は、棒状部材からなり、固定接点は、互いに対向して離隔して設けられ、その間で可動接点の棒状部材が接触することにより、可動接点と電気的に接続される1対の接触子を含む。
可動接点が1対の固定接点から離れるのに時間を要しても、先端接触子の実際の半径をRa=Rn+dとしているので、追加移動距離dだけスタイラスをワーク側に移動させることにより、先端接触子の呼び半径とスタイラスの実際の移動距離とによって、ワークの寸法計測を正確に行うことができる。
好ましくは、可動接点を固定接点に所定の荷重を加えて押圧するためのばね部材を含む。可動接点がばね部材の荷重に抗して固定接点から離れるのに時間を要しても、先端接触子の実際の半径をRa=Rn+dとしているので、追加移動距離dだけスタイラスをワーク側に移動させることにより、先端接触子の呼び半径とスタイラスの実際の移動距離とによって、ワークの寸法計測を正確に行うことができる。
この発明の他の局面は、スタイラスの先端接触子の製造方法であって、導電性部材からなる固定接点を工作機械の主軸に取付けられる検出装置本体に備え、スタイラスは検出装置本体に接離可能に保持され、検出対象物であるワークに接触する先端接触子と、固定接点に接離可能に対面する導電性部材からなる可動接点とを含み、先端接触子の実際の半径をRa、呼び半径をRnとし、実際の半径Raと呼び半径Rnとが同じスタイラスを使用して、先端接触子をワークに接触させる方向にスタイラスを移動させたとき、先端接触子がワークに接触した瞬間におけるスタイラスの位置から可動接点が固定接点から電気的に離れるようにするまでのスタイラスの追加移動距離dを測定するステップと、先端接触子の実際の半径Ra=Rn+dの関係となるようにスタイラスを製造するステップとを備える。
この発明によれば、先端接触子の実際の半径をRa、呼び半径をRnとし、先端接触子をワークに接触させる方向にスタイラスを移動させたとき、先端接触子がワークに接触した瞬間におけるスタイラスの位置から可動接点が固定接点から電気的に離れるようにするまでのスタイラスの追加移動距離をdとすると、Ra=Rn+dの関係となるように、可動接点が固定接点から離れる動作遅れを見越して先端接触子の径を定めることにより、先端接触子の呼び半径とスタイラスの実際の移動距離とによって、ワークの寸法計測を正確に行うことができる。
この発明の一実施形態における工作機械の接触検出装置の一部を破断して示す側面図である。 (A)は図1の線IIA−IIAに沿って見た断面図であり、(B)は図2(A)の線IIB−IIBに沿って見た断面図である。 スタイラスと、可動接点と、固定接点の概要を示す斜視図である。 この発明の一実施形態における工作機械の接触検出装置の電気回路図である。 追加移動距離dを実測する方法を説明するための図である。 この発明の一実施形態における接触検出装置によるワークの接触を検出する動作を説明するための図である。 この発明の他の実施形態における工作機械の接触検出装置の一部を破断して示す側面図である。 従来の接触検出装置の検出装置本体を示す断面図である。 従来の接触検出装置によってワークの接触を検出する動作を説明するための図である。
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1はこの発明の一実施形態における工作機械の接触検出装置の一部を破断して示す側面図であり、図2(A)は図1の線IIA−IIAに沿って見た断面図であり、図2(B)は図2(A)の線IIB−IIBに沿って見た断面図であり、図3はスタイラスと、可動接点と固定接点の概要を示す斜視図であり、図4は工作機械の接触検出装置の電気接続図である。
図1〜図3において、検出装置本体1は、円筒状であり、図示しない工作機械の主軸に取付けられるものであって、検出装置本体1から突出するようにスタイラス2が取付けられている。検出装置本体1は、ベース部3と、ヘッド部4とを含む。ベース部3には、電池収納部5が形成されており、ここに電池6が収納されている。電池収納部5は、蓋7によって塞がれており、この蓋7の取外しにより電池6の交換が可能にされている。電池収納部5のスタイラス2側には報知手段として作動する発光ダイオード8が収納されている。発光ダイオード8は、接触検出装置がワークを検出すると発光する。ベース部3の側壁には、発光ダイオード8の発光を確認できるように窓9が形成されている。
ヘッド部4は、スタイラス2側の端面が開口された開口部を含み、開口側にスタイラス2が変位可能に取付けられている。スタイラス2は、その先端にワークが接触する球状、円板状または円筒状の先端接触子21を有する。なお、先端接触子21は、ワークに接触する接触部を有するものであればよく、形状は問わない。スタイラス2の他端は、検出装置本体1に揺動自在に支持されている。すなわち、スタイラス2の他端には、可動接点保持部10が設けられている。可動接点保持部10は、絶縁部材で形成されており、ばね14によって所定の荷重がかけられることにより、スタイラス2の軸方向に押圧されている。可動接点保持部10には、図3に示すように、それぞれが等しい角度で離隔され、径方向外方へ突出する3個の可動接点11,12,13が設けられている。可動接点11,12,13は棒状の導電性部材から形成されている。検出装置本体1には、可動接点保持部10を囲むように基板30が先端保持部15にねじ止めされている。
基板30は、図2(A)および図3に示すように、リング状に形成されている。3個の可動接点11,12,13のそれぞれに対面する1対の固定接点および接触子として作動する導電性部材からなる1対の鋼球31と32,33と34,35と36が基板30上に配置されている。3個の可動接点11,12,13は、それぞれが各対の鋼球31と32,33と34,35と36に接離可能に設けられており、スタイラス2がワークに接触していないときは、3個の可動接点11,12,13がそれぞれ各対の鋼球31と32,33と34,35と36の間で接触し、スタイラス2がワークに接触すると、いずれかの可動接点が対面する1対の鋼球から離れる方向に移動する。なお、固定接点は1対の鋼球に限ることなく、可動接点11,12,13との接触面が平面状あるいは円弧状の導電性の接触子であってもよい。
スタイラス2の先端接触子21は、呼び半径Rnに対して実際の半径Raをそれよりもわずかに大きくしている。すなわち、先端接触子21をワークに接触させる方向にスタイラス2を移動させたとき、先端接触子21がワークに接触した瞬間におけるスタイラス2の位置から可動接点11,12,13が各対の鋼球31と32,33と34,35と36から電気的に離れるようにするまでのスタイラス2の追加移動距離をdとすると、Ra=Rn+dの関係となるように選ばれている。なお、呼び半径Rn、実際の半径Raとは、スタイラス2の中心軸から先端接触子21がワークに接触する外側の接触部までの距離をいうものとする。
可動接点11,12,13が各対の鋼球31と32,33と34,35と36から離れる動作遅れを見越して先端接触子21の径を定めることにより、スタイラス2をワーク側に移動させたときに、先端接触子21の呼び半径とスタイラス2の実際の移動距離とにより、ワークの寸法計測を正確に行うためである。
基板30の鋼球31,32が配置される位置には、図2(B)に示すように、凹部37,38が形成されており、凹部38にはパターン電極40の一端が形成されている。基板30の鋼球31と32との間には、可動接点11が基板30に接しないように、径方向に延びる溝44が形成されている。パターン電極40の他端は、隣の1対の鋼球33,34のうちの他方の鋼球33に対応する凹部(図示せず)に延びている。したがって、パターン電極40は、鋼球32,33を電気的に接続している。同様にして、パターン電極41は、鋼球34,35を電気的に接続している。なお、可動接点12,13が基板30に接しないように、可動接点12,13に対応して溝45,46が基板30に形成されている。
可動接点11が鋼球31,32に接触し、可動接点12が鋼球33,34に接触し、可動接点13が鋼球35,36に接触しているとき、パターン電極40,41,42,43は電気回路の一部を構成する。電気回路の途中には、図4に示すように鋼球31〜36と電源部としての電池6が直列接続されている。鋼球31にはパターン電極42の一端が接続され、パターン電極42の他端側には抵抗素子25の一端と、NPNタイプのトランジスタ26のベースとが接続されている。トランジスタ26は、電流増幅率βがたとえば100以上のものが使用され、ベース電流を100倍以上に増幅する。トランジスタ26と抵抗素子25は電流増幅手段を構成している。
鋼球36にはパターン電極43の一端が接続されており、パターン電極43の他端にはトランジスタ26のエミッタが接続されている。また、パターン電極43の他端は検出装置本体1に接地されている。トランジスタ26のコレクタには、発光ダイオード8のカソードが接続されており、アノードは抵抗素子25の他端と電池6の+電極とに接続されている。電池6の−電極は、検出装置本体1に接地されている。
なお、ヘッド部4の開口部には、開口を有する先端保持部15が設けられており、前述のごとく先端保持部15に基板30がねじ止めされる。先端保持部15は、部材17に取付けられており、部材17は部材18を介してベース部3に装着されている。ヘッド部4には、ゴムなどの可撓性部材から形成されたダイヤフラム16が設けられている。ヘッド部4内には、スパークの防止などのために電気絶縁油が充填されている。ダイヤフラム16は、電気絶縁油が外部に漏れるのを防止するとともに、ワークを加工するときの切削水が外部からヘッド部4内に浸入するのを阻止する。ダイヤフラム16は、可撓性部材から形成されているので、スタイラス2の動きを阻害することはない。
図5は、上記追加移動距離dを実測する方法を説明するための図であり、図3に示した可動接点11,12,13と、鋼球31と32,33と34,35と36とを上から見た図である。図5において、ワーク110には直径60mmの穴111が形成されており、スタイラス2は穴111のセンターに位置している。図5に示すワーク110の穴111のセンターからスタイラス2をワーク110に接触させる方向U,V,W,Xに移動させたとき、先端接触子21がワーク110に接触した瞬間におけるスタイラス2の位置から可動接点13が鋼球35,36から電気的に離れるようにするまでのスタイラス2の追加移動距離dを実測する。
実測の際に使用したスタイラス2は、長さL=20mm、先端接触子21の呼び半径Rn=2mmであり、図3に示したばね14の線径φ=0.5mm、巻数11であり、このばねにより可動接点11,12,13に荷重1.5Nを加えたときに追加移動距離dを実測した。接触させる方向U,V,W,Xはそれぞれ90度異なっている。方向U,V,W,Xについて追加移動距離dを実測した結果、追加移動距離dの平均値を0.010mmに決定した。
図6は、この発明の一実施形態における接触検出装置によるワークの接触を検出する動作を説明するための図である。図6(A)〜(C)において、図9の説明と同様にして、ワーク110には、例えば内径60mmの穴111が形成されており、スタイラス2がワーク110のセンターから穴111の内壁方向に移動し、スタイラス2の先端接触子21が穴111の内壁に接触する。
接触検出装置1として、図3に示したスタイラス2と、先端接触子21と、可動接点13と、固定接点である鋼球35,36と、ばね14のみを概念的に示している。スタイラス2の長さLは例えば20mmである。先端接触子21の実際の半径Raは、例えば呼び半径2.0mmに、実測した追加移動距離d=0.010mmを足した2.010mmに選ばれている。すなわち、実測に使用したスタイラス2の先端接触子21は、呼び半径が2.0mmであり、これで実測すると0.010mmの追加移動距離dが必要になったので、実際に使用するスタイラス2の先端接触子21は、呼び半径2mmとしながらも、実際の半径をRa=Rn+d=2.010mmとなるように製造される。
図6(A)に示すように、スタイラス2がワーク110の中心にあるときワーク110のセンターとワーク110の内壁との距離は30mmになる。このとき可動接点13は、鋼球35,36に電気的に接触している。
図6(B)に示すように、スタイラス2をワーク110の内壁側に移動させて、先端接触子21がワーク110の内壁に接触したとき、ワーク110の内壁と先端接触子21のセンターまでの距離が2.010mmであるため、ワーク110のセンターからスタイラス2までの移動距離は27.99mmになる。このとき、可動接点13は、2個の鋼球35,36の間に位置しているため、先端接触子21がワーク110の内壁に接触しただけでは、可動接点13は鋼球35,36から離れておらず、電気的に接触したままになっている。
図6(C)に示すように、スタイラス2をさらに追加移動距離d=0.010mmだけワーク110側に移動させると可動接点13が2個の鋼球35,36から離れて電気的接続が解除される。このときのスタイラス2のワーク110のセンターからの移動距離は、28mmになり、これに呼び半径2.0mmを足すと、ワーク110の穴111の半径と正確に一致するので誤差を生じない。
上述の説明では、スタイラス2の長さLが20mmの場合を例に説明したが、先端接触子21の実際の半径Raは、スタイラス2の長さが長くなるにしたがって動作遅れが大きくなるので、その分だけ先端接触子21の実際の半径Raを大きくすれば動作遅れによる誤差をなくすことができる。例えば、スタイラス2の長さLが、50mmのもので実測したときは先端接触子21の呼び半径Rn(例えば2mm)に対して、追加移動距離dが0.040mmになった。したがって、この追加移動距離dを呼び半径Rnに足して実際の半径Ra=2.040mmにすればよい。
なお、接触検出装置の電気的な動作は次のとおりである。スタイラス2の先端接触子21がワークに接触していない状態では、可動接点11,12,13はそれぞれ対面する各対の鋼球31と32、33と34、35と36に電気的に接触している。このため、鋼球31〜36は電気的に接続され、トランジスタ26のベースは接地される。ベース電位とエミッタ電位はともに接地電位になっているため、ベース電位とエミッタ電位に差が生じないので、トランジスタ26は導通しない。電池6から抵抗素子25を介して接地側に電流が流れるが、トランジスタ26が導通しないため、発光ダイオード8は電流が流れないので発光しない。
スタイラス2の先端接触子21がワークに接触し、追加移動距離dだけスタイラス2を移動させると、可動接点保持部10で保持されている可動接点11,12,13の少なくともいずれかが対面する各対の鋼球31と32,33と34,35と36との接触から離れる。例えば、可動接点11が対面する鋼球31と32とから離れると、トランジスタ26のベース電位は接地電位から開放され、電池6の電位が抵抗素子25を介してトランジスタ26のベースに印加される。このため、トランジスタ26は、ベースとエミッタとの間に電位が生じるので導通する。トランジスタ26は、電流増幅率が高いため、ベース電流が小さくても、コレクタに大きな電流を流すことができるので、発光ダイオード8に大電流を流して発光させることができる。発光ダイオード8が発光している状態は、ベース部3に形成されている窓9を介して確認することができる。
上述のごとく、この発明の一実施形態における工作機械の接触検出装置は、先端接触子21の実際の半径をRaとしたとき、先端接触子21の呼び半径Rnに対して、動作遅れ分として、先端接触子21がワーク110に接触した位置から可動接点11,12,13のいずれかが対応する鋼球31と32,33と34,35と36との接触から離れる位置までのスタイラス2の追加移動距離dを足したRa=Rn+dを実際の半径の大きさにする。これにより、先端接触子21がワーク110に接触した時点で可動接点11,12,13のいずれかが対応する鋼球31と32,33と34,35と36との接触から離すことができるので、スタイラス2の移動距離と先端接触子21の呼び半径とを足すと、実際の距離と同じにできる。これにより、誤差をなくすことができる。
また、工作機械の接触検出装置は、スタイラス2がワークに接触したことに応じて、可動接点保持部10により保持されている可動接点11,12,13のいずれかを対面する各対の鋼球31と32,33と34,35と36から離し、電池6から抵抗素子25を介してトランジスタ26のベースに所定の電位を供給することができる。これにより、トランジスタ26が導通し、発光ダイオード8を発光させて、ワークの接触を検知することができる。鋼球31〜36の表面に電気絶縁油の皮膜が生じていて通電抵抗が大きくても、ワーク検出時は可動接点11,12,13のいずれかと、対面する各対の鋼球31と32,33と34,35と36の接触を開放するだけであるので、通電抵抗による影響を受けることがない。
また、この発明の一実施形態では、基板30にパターン電極40,41,42,43を形成し、抵抗素子25と、トランジスタ26とをパターン電極42,43に直接接続することにより、一連の回路を1枚の基板30上に形成できるので、接触検出装置を小型化でき、配線の手間を省くことができるばかりでなく、コストを下げて信頼性の向上を図ることができる。
なお、上述の実施形態では、3個の可動接点11,12,13に対面して各対の鋼球31と32、33と34、35と36を設けたが、少なくとも1個の可動接点と、対面する1対の固定接点があれば、スタイラス2の軸方向の変位を検出することは可能である。
また、上述の実施形態では、スタイラス2がワークに接触したときに発光ダイオード8を発光するようにしたが、スタイラス2がワークに接触していないときに発光ダイオード8を発光させ、ワークに接触したときに消灯させるように回路を構成してもよい。
さらに、上述の実施形態では、トランジスタ26としてNPNタイプのものを用いたが、PNPタイプのものを用いてもよい。また、トランジスタ26と、抵抗素子25とを集積回路で構成して基板30上に配置してもよい。
さらに、上述の実施形態では、鋼球31と31,33と34,35と36を使用したが、ニードルローラを使用してもよい。
また、上述の実施形態は、可動接点11,12,13をスタイラス2に対して、径方向外方へ突出するように配置し、鋼球31〜36をスタイラス2の軸周りに配置し、スタイラス2を軸方向に変位させるようにしたが、可動接点11,12,13と鋼球31〜36とをスタイラス2に対して平行に配置し、可動接点11,12,13が鋼球31〜36に接触するようにばねで押圧し、スタイラス2を軸方向に対して直交する方向に変位させるようにしてもよい。
図6はこの発明の他の実施形態における工作機械の接触検出装置の一部を破断して示す側面図である。
この実施形態は、図1に示した工作機械の接触検出装置に防水対策を施したものである。接触検出装置は、工作機械の主軸に取付けられて使用されるが、使用しないときには工具マガジンに装着されて待機状態になる。工具マガジンは工作機械の近傍に配置されることが多い。工作機械の主軸に工具を取付けてワークを加工するとき、ワークに切削水がかけられて切削加工が行なわれる。この切削水が工具マガジンに装着されている接触検出装置に大量にかかることがある。この切削水が接触検出装置の検出装置本体1内に入り込むと、基板30に水分が付着してしまい、絶縁不良などの障害を引き起こすおそれを生じる。接触検出装置には、切削水の浸入を防止するためにダイヤフラム16が取付けられているが、大量の切削水がかかったときには、ダイヤフラム16だけでは防水対策が不十分である。
そこで、図6に示した実施例は、検出装置本体1のヘッド部4を覆うように防水カバー部材として防水カバー50を設けたものである。防水カバー50は、ヘッド部4を覆ったときに密着して切削水が浸入しないように、ヘッド部4の外径よりもわずかに大きな内径を有する円筒状に形成されている。
防水カバー50は、例えばスチールなどの金属材料で形成されるが、発光ダイオード8の発光状態を確認できるように全体を透明のアクリルなどで形成してもよい。また、防水カバー50全体を金属材料で形成し、発光ダイオード8の発光を確認するための窓9に対応する部分に透明のアクリルを嵌め込んでおいてもよい。防水カバー50のスタイラス2側は塞がれており、スタイラス2の外周部を取り囲むように、弾性部材であるリング状のゴム51が設けられている。より好ましくは、防水カバー50とヘッド部4との間には防水リングが嵌め込まれる。
このように防水カバー50を設けることにより、大量の切削水が検出装置本体1にかかっても検出装置本体1内に切削水が入り込むのを阻止できる。特に、スタイラス2外周部を取り囲むように、リング状のゴム51が嵌め込まれているので、待機状態におけるスタイラス2の動きを少なくでき、スタイラス2とゴム51との間から切削水が浸入するのを少なくできる。
たとえ、スタイラス2とゴム51との間から切削水が浸入しても、検出装置本体1にはダイヤフラム16が取付けられているので、二重に防水対策を施すことができる。
なお、防水カバー50は、ヘッド部4にのみならず、ベース部3も覆うようにしてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
接触検出装置は、工作機械の主軸に取付けられ、スタイラスがワークに接触したことを検出するのに利用される。
1 検出装置本体、2 スタイラス、3 ベース部、4 ヘッド部、5 電池収納部、6 電池、7 蓋、8 発光ダイオード、9 窓、10 可動接点保持部、11〜13 可動接点、14 ばね、15 先端保持部、16 ダイヤフラム、17,18 部材、21 先端接触子、25 抵抗素子、26 トランジスタ、30基板、31〜36 鋼球、37,38 凹部、40〜43 パターン電極、44〜46 溝、50 防水カバー、51 ゴム、110 ワーク。

Claims (4)

  1. 工作機械の主軸に取付けられる検出装置本体と、
    前記検出装置本体に配置される導電性部材からなる固定接点と、
    前記検出装置本体に接離可能に保持され、検出対象物であるワークに接触する先端接触子と、前記固定接点に接離可能に対面する導電性部材からなる可動接点とを含むスタイラスと、
    前記可動接点が前記固定接点に接離したか否かを検出したことに応じて、その状態を外部に報知する報知手段とを備え、
    前記先端接触子の実際の半径をRa、呼び半径をRnとし、前記先端接触子を前記ワークに接触させる方向に前記スタイラスを移動させたとき、前記先端接触子が前記ワークに接触した瞬間における前記スタイラスの位置から前記可動接点が前記固定接点から電気的に離れるようにするまでのスタイラスの追加移動距離をdとすると、Ra=Rn+dの関係となるようにしたことを特徴とする、接触検出装置。
  2. 前記可動接点は、棒状部材からなり、
    前記固定接点は、互いに対向して離隔して設けられ、その間で前記可動接点の棒状部材が接触することにより、前記可動接点と電気的に接続される1対の接触子を含む、請求項1に記載の接触検出装置。
  3. 前記可動接点を前記固定接点に所定の荷重を加えて押圧するためのばね部材を含む、請求項1または2に記載の接触検出装置。
  4. 導電性部材からなる固定接点を工作機械の主軸に取付けられる検出装置本体に備え、前記検出装置本体に接離可能に保持され、検出対象物であるワークに接触する先端接触子と、前記固定接点に接離可能に対面する導電性部材からなる可動接点とを含むスタイラスの先端接触子の製造方法であって、
    前記先端接触子の実際の半径をRa、呼び半径をRnとし、前記実際の半径Raと前記呼び半径Rnとが同じスタイラスを使用して、前記先端接触子を前記ワークに接触させる方向に前記スタイラスを移動させたとき、前記先端接触子が前記ワークに接触した瞬間における前記スタイラスの位置から前記可動接点が前記固定接点から電気的に離れるようにするまでのスタイラスの追加移動距離dを測定するステップと、
    前記先端接触子の実際の半径Ra=Rn+dの関係となるように前記スタイラスを製造するステップとを備える、スタイラスの先端接触子の製造方法。
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