JP5196646B2 - 眼鏡レンズの製造装置及びこの製造装置用の検出子 - Google Patents
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この構成では、眼鏡レンズのコバ面(レンズの切削面)に、ワイヤー等を入れるための溝を形成している。
また、フレームに眼鏡レンズをはめ込むために、コバ面にヤゲンを形成することもある。
そのため、眼鏡レンズの位置精度や寸法(コバ厚等)の精度が高い状態で、溝やヤゲンを形成する加工を行うことが望ましい。
また、寸法測定用の測定子として、様々な構成が提案されている(特許文献4〜特許文献6参照)。
そのため、装置によってレンズの保持状態が異なっており、その影響によって加工により形成される溝やヤゲンの位置がずれてしまい精度が低下することがある。
特に、最近の眼鏡フレームのデザインの多様化に伴い、ヤゲンを設けたり、ナイロンフレームに対応した溝掘りを行ったりする等、様々な工程を行うようになっている。そのため、1台の装置で全ての工程を行うよりも、それぞれの加工工程に適した装置で加工を行う機会が増えてきている。
しかしながら、従来提案されている測定子を、研削後のレンズの寸法測定に適用したとすると、レンズの凹面や凸面に細かい傷がついてしまう可能性がある。そのため、傷をつけることなく測定を行うための対策が求められる。
そして、一対の検出子は、レンズの凹面の縁に引っ掛ける一方の検出子と、レンズの凸面の縁に引っ掛ける他方の検出子であり、各検出子は、検出子本体と、検出子本体に取り付けられており、レンズの凹面又は凸面に対向する第1の部材と、検出子本体に取り付けられており、レンズのコバ面に対向する第2の部材とを有し、第1の部材及び第2の部材が互いに接続されている。さらに、これら第1の部材と第2の部材との接続部に、レンズの凹面又は凸面の端縁を引っ掛けることにより、レンズの外形形状及び/又は寸法の検出がなされる構成である。
上記本発明の検出子において、検出子本体に形成された溝に、第2の部材がはめ込まれている構成とすることが可能である。
上記本発明の検出子において、第2の部材の水平面に対する傾斜角が、検出する対象の前記レンズの平摺り角よりも大きい角度である構成とすることが可能である。
これにより、装置毎のレンズの保持位置の違いによる誤差を生じることなく、レンズの加工を行う位置の精度を高めることができる。
従って、本発明の眼鏡レンズの製造装置により、高い精度でレンズの加工を行うことができる。
そして、眼鏡レンズの製造歩留まりを向上することや、高い品質の眼鏡レンズを安定して大量生産することを可能にする。
従って、レンズ100のコバ面や凹面・凸面に傷をつけることなく、レンズの外形形状や寸法の測定を行うことができ、研削した後のレンズに対しても外形形状や寸法の測定を行って、その後の加工工程の精度を高めることができる。
さらに、別々の部品である第1の部材及び第2の部材を組み合わせてできる接続部(境界)を、1つの部品に2つの面を形成した場合の面の境界部分と比較して、シャープに形成することができ、レンズが測定子から外れるといった不具合が生じにくくなる。
さらにまた、第1の部材と第2の部材とが別々の部品になっていることにより、各部品の作製が容易になる利点を有している。
図1は装置の長手方向に垂直な方向から見た側面図であり、図2は装置の長手方向から見た側面図である。
左のレンズチャック31はレンズ100の凸面に当接するように構成され、右のレンズチャック32はレンズ100の凹面に当接するように構成されている。
また、検出部は、図2に示すように、検知センサ27と、倣い用バネ28とを備えている。
各コバ位置センサ21,22のセンサ本体26は、支持棒24と連動して移動する。
この溝掘りツール41は、軸を中心に回転することにより、溝を掘る加工を行うことができる構成となっている。
図1に示した測定子11,12の拡大図を、図3及び図4に示す。
図3は、図1の左側にある、凹面を測定する測定子11を示している。図3Aは断面図を示し、図3Bは正面図を示し、図3Cは、上面図を示している。
図4は、図1の右側にある、凸面を測定する測定子12を示している。図4Aは断面図を示し、図4Bは正面図を示し、図4Cは、上面図を示している。
測定子本体13には、測定子11,12の支持棒24への取り付け用の孔や、棒状の第2の部材16をはめ込む溝13A,13Bが、設けられている。薄い部材14は、測定子本体13上に形成され、棒状の第2の部材16を支持している。
略円錐形状の第1の部材15は、その円錐の頂部に、棒状の第2の部材16を差し込む孔を有している。そして、この第1の部材15の孔を貫通して、第2の部材16が延びている。
また、棒状の第2の部材16は、測定子本体13の溝13A,13Bにはめ込まれており、かつ、水平面に対して傾斜している。さらに、この棒状の第2の部材16は、レンズ100と接する表面(測定面)が曲面となるような断面形状(断面円形、もしくは、その断面形状が半円形、楕円形、半楕円形等)を有する。
そして、第1の部材15と第2の部材16との接続部(境界)に、レンズ100のコバ面の端縁を引っ掛ける。これにより、第1の部材15の表面の円錐面がレンズ100の凹面又は凸面に対向し、第2の部材16の表面がレンズ100のコバ面に対向する。
一方、凸面を測定する測定子12では、第1の部材15の円錐面の立ち上げ角度(上方向に対する角度)を45°としている。これにより、直径60mmのレンズに対して、凸面カーブの曲率半径45mmまで測定が可能になる。また、第2の部材16に、レンズ100の平摺り角度0°〜2.5°よりも深い、5°の傾斜角(水平面に対する傾斜角)を付けている。
これにより、レンズ100のコバ面や凹面・凸面に傷をつけることなく、レンズ100のコバ厚(コバ面におけるレンズ100の厚さ)の測定を行うことができる。
このとき、レンズ100が回転すると同時に、周長測定機で測定したレンズ100の外形形状データに倣ってレンズ100のコバ面が上下動する。
また、シャフト33の回転によってレンズ100を回転させているので、レンズ100のコバ面全体の厚さ分布と凹面及び凸面の外形形状とを得ることができる。
なお、レンズ100の凹面及び凸面の外形形状は、予め周長測定機で測定しておいて、測定された外形形状データ通りにレンズ100が動くように制御する。そして、シャフト33の回転によってレンズ100を回転させているので、レンズ100のチャック時までに僅かなずれが生じた場合には、測定子11,12がチャックされたレンズ100に沿って動く。このとき、右の測定子12の上下動に伴う支持棒24の上下動を、図2に示した検知センサ27で検出することにより、レンズチャック31,32によるレンズ100のチャックの状態のずれを検知することができる。
この検知センサ27は、図1及び図2では右の測定子12の支持棒24に対してのみ設けられているが、左右両方の測定子11,12の支持棒24に対して検知センサを設けても、左の測定子11の支持棒24に対してのみ検知センサを設けても良い。
まず、従来と同様に、レンズ100をカットして、凹面及び凸面、並びにコバ面の各面を形成する。
次に、レンズ100をカットした後、図1及び図2に示す装置に移す前に、カットしたレンズ100の周長及び外形形状を、周長測定機により測定しておく。
次に、図1及び図2に示す装置に移して、レンズチャック31,32の間にレンズ100を固定する。
次に、上述したような手順により、測定子11,12を用いて、レンズ100のコバ厚を測定すると共に、周長測定機で測定した外形形状データと本装置にチャックした状態との誤差を測定する。
次に、周長測定機での外形形状の測定結果とのずれをフィードバックして、レンズ加工部の溝掘りツール41をずれの量に対応する位置に設定する。このように溝掘りツール41をずれの量に対応する位置に設定することにより、正確な位置に精度良く溝を形成することが可能になる。なお、このとき、レンズチャック31,32によるレンズ100の保持状態は、レンズ100のコバ厚及び外形形状を測定したときと同じ保持状態に維持する。
そして、溝掘りツール41を使用して、所定の深さの溝をレンズ100のコバ面に掘る加工を行う。
このようにして、コバ面に溝を形成したレンズ100を製造することができる。
これにより、装置毎のレンズ100の保持位置の違いによる誤差を生じることなく、一様な溝深さで精度良く溝堀り加工を行うことができる。
そして、眼鏡レンズの製造歩留まりを向上することや、高い品質の眼鏡レンズを安定して大量生産することを可能にする。
これにより、第1の部材15及び第2の部材16がレンズ100の凹面・凸面やコバ面に当たることがなく、第1の部材15及び第2の部材16の接続部(境界)で測定子11,12をレンズ100に引っ掛けることができる。
これにより、レンズ100のコバ面や凹面・凸面に傷をつけることなく、レンズ100の外形形状やコバ厚の測定を行うことができる。
そして、各測定子11,12の第1の部材15の円錐面の立ち上げ角度と第2の部材16の傾斜角を前述したように設定することにより、確実にレンズ100の凹面・凸面やコバ面に傷をつけることなく、レンズ100のコバ厚の測定を行うことができる。
これにより、別々の部品である第1の部材15及び第2の部材16を組み合わせてできる接続部(境界)を、1つの部品に2つの面を形成した場合の面の境界部分と比較して、シャープに形成することができる。そのため、レンズ100が測定子11,12から外れるといった不具合が生じにくくなる。
さらに、各測定子11,12の第1の部材15と第2の部材16とが別々の部品になっているため、作製しやすい。
これにより、第1の部材15及び第2の部材16にそれぞれレンズ100が接する面積を最小限に抑えることができるため、更にレンズ100に傷が付きにくくすることができる。さらに、レンズ100が鋭角部を有する場合でも、レンズ100に対向する面が平面である構成と比較して、さらに精度良くレンズ100のコバ面形状に測定子11,12を追従させることができる。
従って、バイフォーカルレンズ(遠用視と近用視の2つのレンズを組み合わせた、二重焦点レンズ)のように、突起部のあるレンズ100に対しても、レンズの突起部と測定子11,12が当たることなく、測定を行うことができる。
また、レンズ100が測定子11,12に引っ掛かるようにするために、第1の部材15の円錐面の水平面に対する傾斜角(=立ち上げ角の余角)を、第2の部材16の傾斜角(例えば5°)よりも充分に大きくする。
従って、各測定子11,12の第1の部材15の円錐面の立ち上げ角は、上述の両方の条件を満たす範囲内の角度から選定することになる。
本発明においては、レンズのコバ厚を測定する代わりに、レンズのコバ厚が所定の範囲内にあるかどうかを検出するように、製造装置の検出部を構成しても構わない。
このようにレンズのコバ厚が所定の範囲内にあるかどうかを検出する場合に、例えば、図1に示した測定子11,12及びコバ位置測定センサ21,22を、検出子及びコバ位置検出センサとして使用することも可能である。このとき、コバ位置検出センサが、予め決められた設計値を基準として所定の範囲内にあるかどうか検出するように、コバ位置検出センサの制御部や制御プログラム等を構成すればよい。
本発明装置では、レンズにヤゲンを形成する構成のレンズ加工部や、レンズにその他の加工を行う構成のレンズ加工部とすることも可能である。
本発明は、レンズの外形形状及びコバ厚を測定する構成に限定されるものではなく、レンズの外形形状及び/又は寸法を、測定又は検出する、その他の構成とすることも可能である。
本発明において、検出子の構成は上述の実施の形態の測定子11,12の構成に限定されるものではなく、その他の構成とすることも可能である。
このような構成とすることにより、別々の部品である第1の部材及び第2の部材を組み合わせてできる接続部(境界)を、1つの部品に2つの面を形成した場合の面の境界部分と比較して、シャープに形成することができ、レンズが測定子から外れるといった不具合が生じにくくなる。さらに、第1の部材と第2の部材とが別々の部品になっていることにより、各部品の作製が容易になる利点を有している。
Claims (6)
- 眼鏡レンズの製造装置であって、
前記眼鏡レンズとなるレンズの加工を行うレンズ加工部と、
前記レンズの外形形状及び/又は寸法を検出する検出部とを有し、
前記検出部は、前記レンズの外形形状及び/又は寸法を検出するための一対の検出子を備え、
前記一対の検出子は、前記レンズの凹面の縁に引っ掛ける一方の検出子と、前記レンズの凸面の縁に引っ掛ける他方の検出子であり、
各前記検出子は、検出子本体と、前記検出子本体に取り付けられており、前記レンズの凹面又は凸面に対向する第1の部材と、前記検出子本体に取り付けられており、前記レンズのコバ面に対向する第2の部材とを有し、前記第1の部材及び前記第2の部材が、互いに接続されており、
前記第1の部材と前記第2の部材との接続部に、前記レンズの凹面又は凸面の端縁を引っ掛けることにより、前記レンズの外形形状及び/又は寸法の検出がなされる
眼鏡レンズの製造装置。 - 前記検出子の前記第2の部材の水平面に対する傾斜角が、検出する対象の前記レンズの平摺り角よりも大きい角度である請求項1に記載の眼鏡レンズの製造装置。
- 眼鏡レンズとなるレンズの外形形状及び/又は寸法を検出するための検出子であって、
検出子本体と、
前記検出子本体に取り付けられており、前記レンズの凹面又は凸面に対向する第1の部材と、
前記検出子本体に取り付けられており、前記レンズのコバ面に対向する第2の部材とを有し、
前記第1の部材及び前記第2の部材が、互いに接続されており、
前記レンズの外形形状及び/又は寸法の検出を行う際には、前記第1の部材と前記第2の部材との接続部に、前記レンズの凹面又は凸面の端縁が引っ掛けられる
検出子。 - 前記第1の部材が略円錐形状であり、前記第2の部材が断面円形の棒状であり、前記第1の部材の頂部に設けられた孔を貫通して前記第2の部材が延びている、請求項3に記載の検出子。
- 前記検出子本体に形成された溝に、前記第2の部材がはめ込まれている、請求項3に記載の検出子。
- 前記第2の部材の水平面に対する傾斜角が、検出する対象の前記レンズの平摺り角よりも大きい角度である請求項3に記載の検出子。
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