JP5196364B2 - スギ花粉由来の新規ポリペプチドおよび当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、並びにそれらの利用 - Google Patents
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(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列;または、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、アレルゲン活性を有することを特徴としている。
(c)配列番号2に示される塩基配列をオープンリーディングフレーム領域として有するポリヌクレオチド。
(d)配列番号2に示される塩基配列からなる遺伝子と相補的な塩基配列からなる遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
本発明にかかるポリペプチドは、スギ花粉に含まれるアレルゲンであって、
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列;または、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、アレルゲン活性を有することが好ましい。
(i)まず、スギ花粉症患者の末梢血リンパ球を本発明にかかるポリペプチドの存在下で7日間程度培養することによることによって、抗原刺激によるT細胞の活性化を行う。
(ii)次に、活性化されたT細胞を抗原と抗原提示細胞と共に7日間培養を数回繰り返してさらに抗原刺激することにより、抗原特異的T細胞ラインを作製することができる。
本発明にかかるポリヌクレオチドは、本発明にかかるポリペプチドをコードしている。本発明にかかるポリヌクレオチドには、当該ポリヌクレオチドの変異体も含まれる。上記変異体は、天然の対立遺伝子変異体のように、天然に生じ得る。「対立遺伝子変異体」によって、生物の染色体上の所定の遺伝子座を占める遺伝子のいくつかの交換可能な形態の1つが意図される。天然に存在しない変異体は、例えば当該分野で周知の変異誘発技術を用いて生成され得る。
(c)配列番号2に示される塩基配列をオープンリーディングフレーム領域として有するポリヌクレオチド。
(d)配列番号2に示される塩基配列からなる遺伝子と相補的な塩基配列からなる遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
本発明にかかる抗体は、本発明にかかるタンパク質と特異的に結合することができる抗体である。上記抗体とは免疫グロブリン(IgA、IgD、IgE、IgG、IgMおよびこれらのFabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fcフラグメント)を意味し、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、単鎖抗体、抗イディオタイプ抗体およびヒト化抗体が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(4−1)ベクター
本発明にかかるベクターは、上記本発明にかかるポリヌクレオチドを含むものであれば特に限定されるものではない。例えば、上記本発明にかかるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが挿入された組換え発現ベクターなどが挙げられる。組換え発現ベクターの作製方法としては、プラスミド、ファージ、またはコスミドなどを用いる方法が挙げられるが特に限定されるものではない。
本発明にかかる形質転換体は、本発明にかかるポリヌクレオチドが導入されているものであり、上記「形質転換体」とは、細胞、組織または器官だけでなく、生物個体を含むことを意味する。
上記本発明にかかるベクターおよび形質転換体を用いることによって本発明にかかるポリペプチドの生産を行うことができる。
本発明にかかる検出器具は、本発明にかかるポリヌクレオチドにおける少なくとも一部またはその相補鎖が基板上に固定化されたもの、本発明にかかるポリペプチドが基板上に固定化されたもの、または、本発明にかかる抗体が基板上に固定化されたものが含まれる。種々の目的に応じて、本発明にかかるポリペプチド、ポリヌクレオチドの発現パターンの検出などに利用することができる。
一実施形態において、本発明にかかるアレルギー診断用薬剤は、本発明にかかるポリペプチドを含むことを特徴としている。また本発明にかかるアレルギー診断用薬剤には、記述の部分断片が含まれるものであってもよい。
以下に示す実施例において使用した試薬は、特記しない限り、ナカライデスク株式会社、和光純薬工業株式会社、シグマ社から購入した市販のものを使用した。また、制限酵素等の遺伝子工学用試薬はタカラバイオ株式会社、東洋紡積株式会社、インビトロジェン社等から購入し、販売者の指示に従って使用した。
スギ花粉は広島県豊田郡豊町三角島にてスギ(Cryptomeria japonica)の雄花より採取し、使用時まで−30℃にて保存した。試薬は特に記載のない限り片山化学工業株式会社(Osaka)より購入した生化学グレードのものを使用した。患者血清はRAST値3以上を示すスギ花粉症患者血清を用いた。陰性対照としての健常者血清は、ボランティアにより提供された。
スギ花粉80gを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.2:136mM NaCl、2.68mM KCl、8.1mM Na2HPO4、1.47mM KH2PO4)3.2L中で4℃、4時間攪拌した。攪拌後、6,800gで30分間遠心分離し、得られた上清に終濃度80%飽和(4℃)となるように硫酸アンモニウムを加え、4℃で一晩攪拌した。攪拌後、6,800gで30分間遠心分離し、得られた沈澱を蒸留水に溶解し、蒸留水に対し4℃で一晩透析した。透析後、6,800gで30分間遠心分離し、得られた上清を孔径0.22μmのフィルター(Millipore, Bedford, MA, USA)で濾過した。得られた濾液を凍結乾燥し、約8〜10gの凍結乾燥物をスギ花粉粗抽出物とし、使用時まで−80℃で保存した。
スギ花粉8gを抽出緩衝液(β−メルカプトエタノール 2.5mlと、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1、v/v/v)10mlと、(100mM塩化ナトリウム、10mM EDTA、1% SDS、100mM Tris−HCL、pH8.0、10ml)と混合したもの)中にて破砕し、室温で40分間攪拌した。攪拌後、5,900gにて20分間遠心分離し、得られた上清15mlに等量のフェノールを加え、再び40分間攪拌した。5,900gにて20分間遠心分離し、更に2回同じ操作を繰り返した後、上清に等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1、v/v)を加え40分間攪拌した。攪拌後、遠心分離して得られた上清に、1/10量の3M酢酸ナトリウムと等量のイソプロパノールとを加え、暫く静置した。遠心分離後、生じた沈殿を70%エタノールで洗浄し100μlの0.5% ピロ炭酸ジエチルに溶解し、total RNAとした。得られたtotal RANから50μlのOligotexTM-dT30 super (Takara, Kyoto)を用いてpoly (A)+ RNAを精製し、得られたpoly(A)+ RNAを鋳型としてTimeSaverTMcDNA synthesis Kit (Amersham Biotech)を用いて2重鎖cDNAを合成した。より具体的には、得られたpoly (A)+ RNAを鋳型としてキット付属のfirst-strand reaction mixおよびoligo (dT) primerを用いてRT−PCRを行ってcDNAを合成し、得られたfirst-strand cDNAからsecond-strand reaction mixを用いてPCRにより2重鎖cDNAを合成した。得られた2重鎖cDNAをSizeStepTM 400 Spin Columnを用いて精製した後、Eco RI/Not IアダプターをT4 DNA ligaseを用いて付加した。緩衝液や試薬はキット付属のものを説明書の指示に従い添加した。得られたcDNAをλZIPLOX (Life Technologies, Frederick, MD, USA)のNot I/Sal I サイトに組み込み、Gigapack II Plus (Stratagene, La Jolla, CA, USA、登録商標)を使用してファージ粒子にパッケージングし、スギ花粉cDNAライブラリー(約5×104 pfu)を構築した。
E.coli Y1090株の一晩培養液500μlと、上記で得られたスギ花粉cDNAライブラリー(約5×104 pfu) 100μlを混合し、37℃で15分間静置した後、LB軟寒天培地(0.6%(w/v)寒天)と共にLBプレート上(1.5%(w/v)寒天)に重層し固化させた。42℃にて5時間培養した後、20mM IPTGに浸して乾燥させたHybond-Cメンブレン(Amersham Bioscience)をプレート培地上に重層し、37℃で3時間培養した。培養後、メンブレンを10mM TBST(0.05%(v/v)Tween−20を含む、pH7.4)にて洗浄し、1%(w/v) BSA/TBSTで4℃、一晩ブロッキングを行った後、100倍希釈した抗スギ花粉ウサギ抗血清を1次抗体、HRP-conjugated anti-rabbit IgG (Cell Signaling Technology, Inc., Beverly, MA, USA)を2次抗体とし、ECL-Plus Western blotting detection reagent (Amersham Bioscience)を用いて陽性クローンを可視化した。得られた陽性クローンを、スギ花粉症患者IgEをプローブとした同様の方法で更なるスクリーニングに供した。得られたクローンをSM液(10mM 硫酸マグネシウム、100mM 塩化ナトリウム、0.01%(w/v) ゼラチン、50mM Tris−HCl、pH7.5)中に懸濁し、室温にて5分間混合後、上清25μlをE.coli DH10B株 100μlと混合し、更に5分間懸濁後、LBプレート上で37℃、一晩培養した。培養後のプレートよりシングルコロニーをピックアップし、LB液体倍地に植菌し37℃にて一晩培養した後、得られた培養液からQIAprep Spin Miniprep kit 250 (Qiagen, Inc., Valencia, CA, USA、登録商標)を用いて、ファージミドDNAを精製した。精製はキットの説明書の手順により、大腸菌を溶解緩衝液で溶菌した後、遠心分離により上清を取得し、上清中のファージミドDNAをQIAprep spin column(登録商標)を用いて精製した(各緩衝液はキット付属のものを用いた)。得られたファージミドのインサートcDNA配列を、λZIPLOX 中のT7 promoter及びSP6 promoter領域に対するプライマーを用いたPCRにより増幅し、Thermo sequence fluorescent labelled primer cycle sequence kit with 7-deaza-dGTP (Amersham Bioscience)を用いたサイクルシークエンス法によりABI PRISM 310 Genetic Analyser (PE Biosystems, Norwalk, CT, USA、登録商標)を用いて塩基配列を解析した。更に得られた塩基配列情報を元に5’−および3’−RACE PCRを実施し、全長cDNAをクローニングすると共に、これをpGEM-T easy vector (Promega, USA、登録商標)に挿入して塩基配列を決定した。
CJP8を、大腸菌シャペロンの一種であるtrigger factor(TF)融合タンパク質(N末端にHis×6、TFとCJP8の間にthrombin切断部位が存在)として発現すべく、CJP8 EXP F (配列番号4:GAAACATATGGCGATGAGAATGAAAAGCAG)およびCJP8 EXP R (配列番号5:GTTGCTCGAGTCAGGGAAATGATTTGAACACG)と命名した2種類のオリゴDNAプライマーを作製した。上記プライマーを用いてスギcDNAを鋳型としてPCR増幅を行った。得られたPCR産物をRAPID PCR PURIFICATION SYSTEM (MARLIGEN BIOSCIENCE INC, USA)を用いて精製し、pGEM-T easy vector(Promega, USA、登録商標)に連結した後、E.coli DH5αにサブクローニングした。37℃で一晩培養後、大腸菌よりプラスミドを精製し、Xho I、Nde I消化して得たCJP8 cDNA断片を同じくXho I、Nde I消化したpCold TF DNA vector (TaKaRa)に連結して発現プラスミドを得た。Rosetta-gami (DE3) pLys S株(Novagen、登録商標)に発現プラスミドを導入し、LB寒天培地に植菌後37℃で一晩培養した。ピックアップしたシングルコロニーをLB液体培地(15μg/ml kanamycin、34μg/ml chloramphenicol、12.5μg/ml tetracycline、50μg/ml ampicillin)5ml×2本で一晩前培養し、その培養液を2×YT培地(15μg/ml kanamycin、34μg/ml chloramphenicol、12.5μg/ml tetracycline、50μg/ml ampicillin)600ml×2本に植え継ぎ、37℃で本培養した。OD600が0.5に達した時点で、15℃で30分間冷却した。冷却後、終濃度1.0mMになるようにIPTGを添加し、15℃で24時間培養し、分子シャペロン融合タンパク質(TF−rCJP8)として発現させた。培養液を8,500rpm、4℃、20分間 遠心分離して、集菌した。集菌した菌体を30ml×2本のPBSに懸濁し、4℃で液が透明になるまで超音波破砕をした。破砕後、12,000rpm、4℃、20分間遠心分離し、上清を可溶性画分に、沈殿を不溶性画分とした。
12.5%濃度のアクリルアミドゲルを用いたLaemmliの不連続緩衝系により非還元条件下でSDS-PAGEを行い、0.25%(w/v) Coomassie brilliant blue (CBB)を用いてタンパク質の可視化を行った。免疫染色はCJP8をSDS−PAGE後、PVDF膜(Immobilon P, Millipore, Bedford, MA, USA)に転写し、ブロッキング緩衝液(5%(w/v) skim milk、 1%(w/v) BSA、0.05%(v/v)Tween-20、 PBS、pH7.4)にてブロッキング後、1次抗体(20倍希釈した花粉症患者血清IgE)と共にインキュベートした。インキュベート後、30,000倍希釈したBIOTINYLATED ANTI‐HUMAN IgE (Epsilon Chain Specific Vector Laboratories, Inc., 30 Ingold Road, Burlingame, CA, USA)を2次抗体、15,000倍希釈したhorseradish peroxidase (HRP)-conjugated streptavidin (Zymed)を増感剤として行い、陽性バンドをECL-advance Western blotting detection reagent (Amersham Bioscience)とX線フィルム(Fuji Photo Film, Tokyo)を用いて可視化した。
上記(5.組換え型CJP8(rCJP8)の発現)に記載の方法より得た可溶性画分に、終濃度40mMとなるようにイミダゾールを加え、孔系0.22μmのフィルターを通したものをサンプルとした。精製はAKTAクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare UK Ltd.)を利用して行われた。His-trap HP 5ml columnを接続し、イミダゾール濃度40〜500mMへのLinear gradientで溶出した。溶出画分をプールし、PD-10 columnを利用して超純水(MilliQ水)に溶媒置換し、凍結乾燥を行って濃縮した。凍結乾燥物をthrombin cleavage buffer(20 mM Tris-HCl, 150 mM NaCl, 2.5 mM CaCl2, pH8.37)に溶かし、ブラッドフォード法でタンパク質を定量した。TF−rCJP8:thrombin=1mg:100Uになるようにthrombinを加え、28℃で4時間消化した。そして、thrombin消化物をPD-10 columnを用いて超純水(MilliQ水)に溶媒置換し、溶液10mlに対してプロテアーゼインヒビターカクテル(Complete Mini, EDTA-free , Roche社)を1錠加えた。本Thrombin消化後のサンプルをSDS−PAGE(12.5%ゲル)後、ネガティブゲル染色MSキット(wako)にて染色し、negative 像で現れるrCJP8のバンドをメスで切り出した。切り出したゲルをエチレンジアミン四酢酸ナトリウムで脱色し、超純水(MilliQ水)で10分間、3回洗浄した。そして、予め10%(w/v)SDS入り20mM Tris−HCl buffer(pH8.0)を300μl添加しておいた1.5mlチューブにゲルを入れてスパチュラで粉砕した後、ローターにて一晩4℃で振とうし、目的成分をゲルから抽出した。抽出終了後、PD-10 columnを用いて超純水(MilliQ水)に溶媒置換し、凍結乾燥で濃縮した。
rCJP8を2μg/mlとなるようにbicarbonate buffer(0.1mM NaHCO3、pH9.42)で希釈し、50μl(100ng)ずつELISAプレートにコートした。同時にHuman IgE standardもbicarbonate bufferで希釈し50μlずつELISAプレートにコートし、室温で2時間静置した。ELISA washing buffer(4mM Na2HPO4・12H2O、0.77mM NaH2PO4、150mM NaCl、0.05%(w/v)Tween20 )で3回洗浄後、Blocking buffer(3%(w/v)スキムミルク、1% BSA)を200μlアプライし、4℃で一晩静置した。再度、ELISA washing bufferで3回洗浄後、RAST値が4〜5のスギ花粉症患者8検体の血清、または健常者の8検体の血清をBlocking bufferで10倍希釈した溶液を50μlずつアプライし、室温で2時間静置した。Blocking bufferを、血清希釈液の代わりに50μlアプライし、室温で2時間静置した区分を標準とした。その後、再度、ELISA washing bufferで3回洗浄後、Blocking bufferで10,000倍希釈したAnti-Human IgE Biotin Conjugateを50μlずつアプライし、室温で2時間静置した。その後、ELISA washing bufferで4回洗浄後、Blocking bufferで1,000倍希釈したAlkaline Phosphatase-Conjugated Streptavidinを50μlずつアプライし、室温で1時間静置した。その後、ELISA washing bufferで6回洗浄後、AttoPhos(登録商標) Substrateを50μlずつ加え、WALLAC ARVOTM SX(PerkinElmer, Inc.)で435nmの吸光度を測定した。
(I.Lipid transfer proteinと相同性を有する新規スギ花粉アレルゲンの同定)
スギ花粉cDNAライブラリーを、ウサギ抗スギ花粉症粗抗原を用いた発現クローニングに供し、陽性クローンを20個取得した。続いてこれらを、スギ花粉症患者血清IgEを用いた二次スクリーニングに供した結果、12個の陽性クローンを単離した。これらの塩基配列解析を行ったところ、その中の「CJP8」と命名したクローンが、Lipid transfer protein(LTP)と相同性を有することが判明した。LTPは果物や花粉などにおける交差反応アレルゲンとして注目されていることから、本抗原に着目して更に詳細な解析を加えることにした。
CJP8のcDNAの塩基配列と、CJP8の予想アミノ酸配列を図1に示す。
「5.組換え型CJP8(rCJP8)の発現」記載の方法で得られた可溶性画分を、SDS−PAGEにより分画し、CBB染色によってタンパク質を検出した結果、およびスギ花粉症患者血清IgEを用いてウエスタンブロット解析を行った結果を図3に示す。図3のレーン1は可溶性画分のCBB染色パターン、レーン2は公知のスギ花粉アレルゲンCry J1のCBB染色パターンであり、レーン3は可溶性画分のウエスタンブロット解析パターン、レーン4はCry J1のウエスタンブロット解析パターンである。TF−CJP8およびCry J1の分子量を、図3中に矢印で示す。
精製されたrCJP8とスギ花粉症患者IgEとの反応性をELISAにより検討した結果を図5に示す。
Claims (13)
- スギ花粉に含まれるアレルゲンであって、
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列;または
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、アレルゲン活性を有することを特徴とするポリペプチド。 - 請求項1に記載のポリペプチドをコードすることを特徴とするポリヌクレオチド。
- 下記の(c)または(d)のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のポリヌクレオチド:
(c)配列番号2に示される塩基配列をオープンリーディングフレーム領域として有するポリヌクレオチド。
(d)配列番号2に示される塩基配列からなる遺伝子と相補的な塩基配列からなる遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。 - 請求項1に記載のポリペプチドと結合することを特徴とする抗体。
- 請求項2または3に記載のポリヌクレオチドを含むことを特徴とするベクター。
- 請求項5に記載のベクターを用いることを特徴とするポリペプチドの生産方法。
- 請求項2または3に記載のポリヌクレオチドが導入されていることを特徴とする形質転換体。
- 請求項7に記載の形質転換体を用いることを特徴とするポリペプチドの生産方法。
- 請求項1に記載のポリペプチドが基板上に固定化されていることを特徴とする検出器具。
- 請求項4に記載の抗体が基板上に固定化されていることを特徴とする検出器具。
- 請求項1に記載のポリペプチドを含むことを特徴とするアレルギー診断用薬剤。
- 請求項1に記載のポリペプチドを含むことを特徴とする治療用薬剤。
- 請求項4に記載の抗体を含むことを特徴とする治療用薬剤。
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