JP5195808B2 - 固体撮像素子及びデジタルカメラ - Google Patents

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本発明は固体撮像素子及びこれを用いたデジタルカメラに関し、特に受光面に多数のマイクロレンズが配置された固体撮像素子及びこれを用いたデジタルカメラに関する。
従来より、有効画素部全体(以下、「受光領域」という。)の面積を実質的に大きくするマイクロレンズがその受光面に設けられた固体撮像素子(CCD、増幅型イメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)が公知である。このマイクロレンズアレイを具えたCCD(固体撮像素子)10を、図21に示す。CCD(固体撮像素子)10は、半導体基板1、フォトダイオード(光電変換素子)2、平坦化絶縁層3、色フィルタ層4、マイクロレンズ固定層6、マイクロレンズ7等から構成されている。
CCD(固体撮像素子)10では、受光領域11の周辺部11Eで、カメラレンズによる「けられ」が生じたり、入射された光の集光量が受光領域11の中心部11Aより受光領域11の周辺部11Eで低下することが知られている。特に、図21のようにマイクロレンズ7を有するCCD10では、受光領域11の周辺部11Eでの集光量の低下は顕著となる。
このように受光領域11の中心部11Aと周辺部11Eとで、各画素のフォトダイオード(光電変換素子)2に入射する光量に差異が生じる現象は「シェーディング」と呼ばれる(このときの減衰量が「シェーディング量」)。このシェーディング量は、CCD10の受光領域11が大きくなるに従い大きくなる。
このときのシェーディング量の測定結果を図22に示す。図22に示すシェーディング量の測定は、受光領域が水平方向25.1mm、垂直方向16.9mmのCCDに相当する出力を測定したものである。図中、△が中心部でのG出力電圧(感度、実効開口率に相当)の実測値、◆がその計算値、又、×が周辺部でのG出力電圧の実測値、□がその計算値である。
この図から、中心部と周辺部ではシェーディングの影響がF値に依存してG出力電圧(感度)の差となって現れることが分かる。このシェーディング量を低減させる手法として、特許第2600250号による所謂「マイクロレンズの位置ずらし」が公知となっている。「マイクロレンズの位置ずらし」は、図23に示すように、フォトダイオード(光電変換素子)22の上部に設けるマイクロレンズ7の中心位置を、受光領域11の中心部11Aではフォトダイオード(光電変換素子)22の中心位置(図中、二点鎖線)に合わせ、周辺部11Eではフォトダイオード22の中心位置から受光領域の中心部に向けて所定距離d1だけずらしている。
所定距離d1は、CCD10の中心11Xから外れるに従って、一定の割合で大きくなるように決定される。尚、所定距離d1の値は、実際に使用されるカメラレンズ、CCD10の特性等を考慮して最適値に決定される。
しかしながら、上記した「マイクロレンズの位置ずらし」によってシェーディング量を低減させた場合であっても、依然、シェーディングの影響があることが知られている。
すなわち、図24に示すように、シェーディング量を低減すべく受光領域の周辺部21Eにてマイクロレンズ27の中心位置をフォトダイオード22の中心位置から所定距離d1だけずらして配置した場合であっても、マイクロレンズ27によってフォトダイオード22に集光される入射光は、その入射角によっては、一部がフォトダイオード22に入射しないことがある。これは、特定の入射角(F値)での入射光を基準として所定距離d1が決定されるからである。
従って、同じカメラレンズを用いた場合でも、その絞り値を変えて実効F値が変化すると、図24の破線で示すように、受光領域の周辺部21Eにおいて、入射光の一部がフォトダイオード(光電変換素子)22に入射されず、受光領域の中心部21A(図23)と比較して集光量が減少し、画面にシェーディングが現れる。
このように従来の「マイクロレンズの位置ずらし」によるシェーディング量の低減を行った場合であっても、F値依存性が高いので、実際にF値が変化した場合に備え、カメラ本体側の画像処理装置にて、輝度の低下する周辺部について、その輝度を上げるような補正をかけなければならい(ソフトによるシェーディング補正)。このシェーディング補正は、CCD10が搭載されたデジタルカメラのコンピュータ等による画像処理(図25)の1ステップとして行われる。
しかし、シェーディング補正のプログラムを実行するためには、通常、デジタルカメラ側に専用の制御回路を設ける必要があり、コスト高を招く。しかも、シェーディング量が大きいときには、忠実な色再現が要求される他の処理にも影響が生じ、画像自体が不自然になるという問題が生じる。又、シェーディング量が大きい場合、カメラに搭載されたコンピュータの性能によっては、その迅速なる画像処理自体が困難になることもある。かかる不具合は、受光領域が大型のCCD(固体撮像素子)程、問題になる。
又、シェーディングは、レンズ交換型デジタルスチルカメラにおいて、F値の異なるカメラレンズユニットに取り替えた時(レンズ交換時)にも生じる。又、「マイクロレンズの位置ずらし」によるシェーディング量の低減は、マイクロレンズとフォトダイオード(光電変換素子)との位置をずらして補正するものであるから、ずらし幅に制限があり、斜め入射の度合いが極端に大きくなる大型のCCD(フィルムサイズ並のCCD)では、十分な効果が期待できない。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、固体撮像素子のシェーディング量を、容易な構造にて、F値依存性を低めつつ低減できる固体撮像素子を提供することにある。
上記課題を解決するための発明は、半導体基板の主面に複数の光電変換素子が配列されて、複数の画素からなる受光領域が形成され、前記光電変換素子の上方に有機系材料による膜が設けられた固体撮像素子において、前記有機系材料による膜は、マイクロレンズを形成するための膜であり、かつ、前記有機系材料による膜の透明度は、前記受光領域の中心部から周辺部に向かうほど高く設定されており、前記受光領域上の各画素の間で前記マイクロレンズの形状及びサイズは共通に設定された個体撮像素子である
又、前記受光領域は、同心の矩形、同心円又は短冊形の複数の部分領域に分割され、前記有機系材料による膜の透明度は、前記部分領域毎に設定されていてもよい
又、前記有機系材料による膜は、紫外線の照射量が高いほど透明度の高くなるであってもよい。
又、前記有機系材料による膜は、加熱温度が高いほど透明度の低くなるであってもよい。
又、前記有機系材料による膜の透明度は、画素毎に設定されていてもよい
又、上記課題を解決するための別の発明は、上述した何れかの固体撮像素子を搭載したデジタルカメラである
以上説明した本発明の固体撮像素子によれば、受光領域の位置に応じて異なるシェーディング量を低減できる。しかも、構造を複雑化することなく最適なシェーディング量の低減を図ることができる。
又、本発明の固体撮像素子において、受光領域を、同心の矩形、同心円又は短冊形の複数の部分領域に分割し、前記有機系材料による膜の透明度を、前記部分領域毎に設定すれば、簡易に、各領域毎の最適なシェーディング量の低減が図られる。
又、本発明の固体撮像素子において、前記有機系材料による膜を、紫外線の照射量が高いほど透明度の高くなる膜とし、前記受光領域の中心部から周辺部に向かうほど高い照射量で紫外線の照射された膜とすれば、その固体撮像素子の製造プロセスに簡単な製造プロセスを追加するだけで最適なシェーディング量の低減が可能となる。
又、本発明の固体撮像素子において、前記有機系材料による膜を、加熱温度が高いほど透明度の低くなる膜とし、前記受光領域の中心部から周辺部に向かうほど低い温度で加熱処理された膜とすれば、その固体撮像素子の製造プロセスに簡単な製造プロセスを追加するだけで最適なシェーディング量の低減が可能となる。
又、本発明の固体撮像素子において、前記有機系材料による膜の透明度を画素毎に設定すれば、各画素毎に光の透過量が調整可能なので、最適なシェーディング補正が可能になる。
又、本発明の何れかの固体撮像素子を搭載したデジタルカメラによれば、撮影環境に合わせたシェーディングの補正が可能になる。
本発明の第1の実施の形態のCCD(固体撮像素子)100の断面図である。 CCD(固体撮像素子)100の全体構成を模式的に示す平面図である。 ベイヤー配列における色フィルター104の配置を示す図である。 CCD(固体撮像素子)100の分割領域110A,110B…のレイアウトを示す平面図である。 第1の実施の形態のCCD(固体撮像素子)100の製造工程を示す断面図である。 マスク150のマスク領域150A,150B…,150Eのレイアウトを示す平面図である。 マスク領域150A,150B…,150Eの紫外線透過率を異ならせる微小領域のパターンを示す平面図である。 CCD(固体撮像素子)100が搭載された一眼レフデジタルカメラ200の全体構造を示す図である。 CCD(固体撮像素子)100において、紫外線透過率を0%とした場合と、100%とした場合のG出力電圧の差異を、F値との関係で示したグラフである。 CCD(固体撮像素子)100の分割領域110A,110B…の他のレイアウトを示す平面図である。 第2の実施の形態のCCD(固体撮像素子)100の製造工程を示す断面図である。 第3の実施の形態のCCD(固体撮像素子)100の製造工程のうち、マイクロレンズ107を加熱して透過率を変化させる様子を示す図である。 第4の実施の形態のCCD(固体撮像素子)400の断面図である。 第4の実施の形態のCCD(固体撮像素子)400の製造工程のうち、平坦化膜403を加熱して透過率を変化させる様子を示す図である。 CCD(固体撮像素子)400において、平坦化膜403の透過率を100%とした場合と、70%とした場合の実効開口率の差異を、F値との関係で示したグラフである。 第5の実施の形態のCCD(固体撮像素子)500の断面形状と平面形状を示す図である。 透過率制御膜(EC膜)600の一部を拡大して示す断面図である。 CCD500の受光領域510の周辺への光センサ561の配置パターンを示す図である。 第5の実施の形態の変形例に係るCCD(固体撮像素子)500の断面形状と平面形状を示す図である。 第6の実施の形態のCCDに用いられる透過率制御膜(EC膜)800を示す図である。 従来のCCD(固体撮像素子)10の断面図である。 従来のCCD(固体撮像素子)10におけるシェーディング補正による効果をF値との関係で示したグラフである。 従来の「マイクロレンズ位置ずらし」方法が適用されたCCD(固体撮像素子)20の断面図である。 従来の「マイクロレンズ位置ずらし」方法が適用されたCCD(固体撮像素子)20の一部拡大断面図である。 デジタルカメラ本体側で行われる画像処理を示す補正フローである。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、図1から図10を参照して説明する。
第1の実施の形態の固体撮像素子は電荷結合素子(CCD)型イメージセンサ(以下、「CCD」と称す。)100であり、その受光領域110には、図1に示すように、半導体基板101上に形成されたフォトダイオード(光電変換部)102、平坦化膜103、色フィルタ層104(104G,104R,104B)、マイクロレンズ固定膜106、マイクロレンズ107とが形成されている。ここで、フォトダイオード(光電変換部)102とマイクロレンズ107は、受光領域110の各画素毎に設けられている。
ここで、平坦化膜103は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGEEA)を主成分とするものである。又、色フィルタ層104は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGEEA)に、各色(R,G,B)に対応した顔料を分散させたものである。
又、マイクロレンズ固定膜106は、3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)とアクリル系樹脂を主成分とするものである。又、マイクロレンズ107はPGEEAと乳酸エチル(EL)とフェノール系樹脂とを主成分とするものである。尚、マイクロレンズ107は、詳細は後述するように、受光領域110の中心部110Aから周辺部110Eまでの各領域(図4)で、各々、入射光の透過率(光透過率)が異なるように形成されている。
このCCD100は、図2に示すように、半導体基板101のフォトダイオード(光電変換部)102,102…の周囲に、垂直転送電極122、水平転送電極123、信号電荷読み出し用増幅器124が配置されている。又、CCD100の周辺部には、相関二重サンプリング用回路等の他の回路(図示省略)が同一半導体基板101上に設けられている。尚、図1は、図2のX−X線に沿った断面である。
又、CCD100に配置された色フィルタ106は、各フォトダイオード102毎に、所定色が選択されている。例えば、ペイヤー配列の場合、グリーン(G)、ブルー(B)、レッド(R)の顔料が、図3に示すパターンで埋め込まれる。ここでグリーン(G)のフィルタが配置された画素(フォトダイオード102)からの電気信号が、輝度を示す信号として用いられる(G出力電圧)。
マイクロレンズ107は、受光領域110の中心部(分割領域)110Aと周辺部(分割領域)110Eとで、光透過率が異なるように構成されているが、その間の分割領域110B,110C,110D(図4)でも、段階的にその透過率が変化される。すなわち、各画素は、受光領域110内での位置に応じて、光透過率が段階的に調整される。
この各分割領域110A,110B…での光透過率を、デジタルカメラ(図8参照)で実際に使用されるカメラレンズのF値等に応じて決定することで、シェーディング量を、当該分割領域110A,110B…毎に低減できる。尚、分割領域の数(分割数)は、図4では、5分割と少なくしたが、多くの分割領域を設けて入射光の透過率をより細かく変化させると、各領域間の出力段差が少なって、細かなシェーディングの調整(シェーディング補正)が可能になり、明暗の段差が画面で見えなくなる。
次に、上記構成のCCD100の製造方法について、図5から図7を用いて説明する。図5は、CCD100の製造プロセスを示す断面図である。CCD100を製造するに当たっては、先ず、半導体基板101上に、フォトダイオード(光電変換部)102を構成する拡散層132やトランジスタ等を構成する他の拡散層、及び、配線等が形成され、その上面に、平坦化膜103、色フィルタ層104、マイクロレンズ固定膜106が形成される(図5(a))。尚、本発明と無関係な拡散層や配線等は、図示を省略している。
次いで、半導体基板101の上面より、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGEEA)と乳酸エチル(EL)とフェノール系樹脂とを主成分とする樹脂を回転塗布し、その後、周知のリソグラフィーにて、これを所望の形状にパターニングして、図5(b)に示す矩形状のマイクロレンズ基体137が形成される。
次いで、受光領域110の分割領域(中心部)110A,110B…,110Eに対応して、その紫外線透過率が段階的に異なるように構成されたマスク150を用いて、マイクロレンズ基体137に紫外線を照射する。この紫外線の照射は、マイクロレンズ107を構成するマイクロレンズ基体137の透明化のために行われるもので(後露光)、このときの紫外線の露光量(以下、単に「後露光量」という。)を低下させると、マイクロレンズ基体137の光透過率を低下させることができる。
尚、後露光量の最適値は、実際に用いられる露光機(図示省略)側の条件(例えば、光源の出力等)により異なるが、マイクロレンズ基体137のパターニングに用いられるレジストを露光するときの3倍以上(例えば、ニコン製のNSR1505G4D(商品名)を用いたときは5秒程度)の露光量とされる。ここまでの工程で、図5(d)に示すように、受光領域110の中心部110Aには光透過率の低い矩形状のマイクロレンズ基体137Aが形成され、周辺部110Eには光透過率の高い(透明の)矩形状のマイクロレンズ基体137Eが形成される。
中心部110Aと周辺部110Eとで光透過率の異なるマイクロレンズ基体137A,…137Eが形成された後、半導体基板101に対して、ホットプレート等を用いた加熱処理(140℃〜220℃)が施される。この加熱処理により、マイクロレンズ基体137A,…137Eは半球状にリフローされる。
この結果、光透過率の低いマイクロレンズ107Aが中心部110Aに、光透過率の高いマイクロレンズ107Eが周辺部110Eに形成される。ここで、マイクロレンズ基体137への紫外線の照射時に用いられるマスク150について、説明する。上記したように受光領域110のマイクロレンズ107の光透過率は、分割領域110A,110B…に応じて決定される。従って、マスク150も、この分割領域110A,110B…(図4)に応じて、図6示すように、互いに紫外線透過率の異なる複数(例えば、5個)のマスク領域150A,150B…,150Eに分けられている。
各マスク領域150A,150B…,150Eでは、図7に示す、紫外線が透過する微小片(図中の白抜き部分)と透過しない微小片(斜線部分)の2種の微小片がモザイク状に配置された微小領域(a)〜(e)によって、各々の紫外線透過率が調整される。この微小領域(画素サイズとして10μm□)は、5×5の微小片に分割されている。
すなわち、上記したマスク領域150Aには微小領域(a)が形成され、マスク領域150Bには微小領域(b)が形成され、マスク領域150Cには微小領域(c)が形成され、マスク領域150Dには微小領域(d)が形成され、マスク領域150Eには微小領域(e)が形成される。この場合、マスク領域150Aでの紫外線透過率は0%、マスク領域150Bでの紫外線透過率は24%、マスク領域150Cでの紫外線透過率は52%、マスク領域150Dでの紫外線透過率は76%、マスク領域150Eでの紫外線透過率は100%となる。
尚、図7(a)〜(e)に示した微小領域の分割数は、多い程、マスク150を用いた後露光時のむらが小さくなって好ましい。尚、マスク150の各マスク領域150A,150B…,150Eでの紫外線透過率を調整するに当たっては、微小領域での2種の微小片の面積比を互いに異ならせることでも可能である。
又、マスク領域150A,150B…,150E毎に透明度の異なる金属膜等を張り付けて、各マスク領域150A,150B…,150Eでの透過率を調整してもよい。次に、この実施の形態のCCD100が搭載された一眼レフデジタルカメラ200について説明する。
図8に示すように、一眼レフデジタルカメラ200は、カメラ本体210と、ファインダ装置220と、交換レンズ230とからなる。ここで交換レンズ230は、撮影レンズ231、絞り232等を内蔵しており、カメラ本体210に対して着脱自在となっている。又、カメラ本体210には、クイックターンミラー211、焦点検出装置212、シャッタ213が設けられている。そして、シャッタ213の後方に、CCD100が配置されている。
又、ファインダ装置220には、ファインダーマット221、ペンダプリズム222、接眼レンズ223、プリズム224、結像レンズ225、ホワイトバランスセンサ226等が設けられている。このよう構成された一眼レフデジタルカメラ200では、被写体光L30は、交換レンズ230を通ってカメラ本体210に入射する。
この場合、レリーズ前は、クイックターンミラー211は、図中、破線で示す位置にあるので、このクイックターンミラー211で反射された被写体光L30の一部は、ファインダ装置220側に導かれ、ファインダーマット221にて結像される。このとき得られた被写体像は、その一部がペンダプリズム222を介して接眼レンズ223に導かれ、他の一部が、プリズム224と結像レンズ225を介してホワイトバランスセンサ226に入射する。このホワイトバランスセンサ226は被写体像の色温度を検出するものである。又、このとき、被写体光L30は、一部がクイックターンミラー211と一体の補助ミラー211Aで反射され、焦点検出装置212で結像する。
レリーズ後は、クイックターンミラー211が図中、時計廻りに回動し(図中、実線で示す)、被写体光L30は、シャッタ213側に入射する。従って、撮像時、先ず、焦点検出装置212により焦点が合致したことが検知されると、その後、シャッタ213が開く。このシャッタ213の開き動作によって、被写体光L30が、CCD100に入射し、その受光面で結像する。
被写体光L30を受けたCCD100は、この被写体光L30に応じた電気信号を生成すると共に、この電気信号に対して、ホワイトバランスセンサ226からの信号に基づくホワイトバランス補正等の各種画像信号処理(図25参照)を行い、補正後の画像信号(RGBデータ)をバッファメモリ(図示省略)に出力する。
この画像信号処理での、シェーディング補正は、実際のシェーディング量に合わせて行われる。従って、CCD100のように、マイクロレンズ107の光透過率を、分割領域110A,110B…に応じて異ならせることでシェーディング量が低減できる構造を採用している場合、シェーディングの影響が小さいので、当該シェーディング補正を省略することもできる。CCD100側でのシェーディング補正が、F値の変動等によって、十分発揮できなかったときには、画像信号処理でのシェーディング補正を実行することもできる。この場合には、誤差や色再現誤差が小さいので、シェーディング補正の、システムヘの負荷が小さくなる。
ここで、マイクロレンズ107の光透過率の調整により、どの程度のシェーディング量の低減が可能であるかを測定した結果について詳述する。ここでは、紫外線透過率が最小(0%)のマスクと、最大(100%)のマスクを用いて、マイクロレンズの後露光を各々行い(0%後露光、100%後露光)、当該マイクロレンズの光透過率が、その程度変化するかを測定した。尚、マイクロレンズ単体の光透過率は、直接測定できないので、各々の場合で得られた「G出力電圧(感度に等々相当)」を比較した。
ここで両者の測定結果に、他の条件による影響が生じないようにするため、0%後露光によるCCDが搭載された一眼レフ・デジタルカメラと、100%後露光によるCCDが搭載された一眼レフ・デジタルカメラとを、隣接させ、各々のカメラレンズの中心軸を合わせるように配置して、同一条件の下で所定の被写体を撮影し、このときの「G出力電圧」を測定した。用いられたカメラレンズはNIKKOR50mmF1.4S(商品名)、被写体はパターンの無い一様な輝度の画像である。
このとき得られた「G出力電圧」を図9に示す。図中、破線が0%後露光によるCCDの「G出力電圧」、実線が100%後露光によるCCDの「G出力電圧」である。この図から分かるように、両者には、約10%程度の「G出力電圧」の差が認められた。又、「G出力電圧」の差は、F値依存性が極めて小さいことが確認された。
このようにマスク150の紫外線透過率を0%〜100%の間で調整することで、固体撮像素子の「G出力電圧」を約10%程度、変化させることができる。従って、固体撮像素子としてCCDに適用した場合、上記したように1つのCCD100のマイクロレンズ107に対する後露光において、マスク領域150A,150B…,150E毎に紫外線透過率が異なるマスク150を用いることで、CCD100の分割領域110A,110B…における光透過率を、「G出力電圧」に換算して約10%程度の幅で、調整することができる。
尚、受光領域110の分割領域110A,110B,110C…の分割の仕方は、図4に示すパターンには限られるものでなく、カメラレンズの特性、ユーザーの趣向等に応じて、例えば、図10(a)に示すように、受光領域110の中心から同心円にて分割領域110A,110B,110C…を形成してもよいし、図10(b)に示すように、受光領域110の中心から端に向けて短冊状に分割領域110A,110B,110C…を形成してもよい。ここで、図10(b)のように分割領域110A,110B…を受光領域110の長手方向に沿って分割するのは、各画素のフォトダイオード(光電変換素部)102の短軸方向(図10(b)の左右方向)における集光特性が、受光領域110の周辺部(図中、左右端)に近い程低下し、シェーディングが顕著に生じるためであり、分割領域110A,110B,110C…を図10(b)のように分割するだけでも、十分なシェーディング補正の効果が得られる。
尚、受光領域110を分割領域110A,110B,110C…に分けずに、1画素(1つのフォトダイオード102)毎、若しくは、複数の画素毎に、透過率を徐々に変化させても、同様の効果が得られる。ところで、この実施の形態では、マスク150のマスク領域150A,150B…毎に、その紫外線透過率を便宜上0%、24%、52%、76%、100%と設定した。しかし、実際に得られる「G出力電圧」は、紫外線透過率が100%〜52%の範囲では、100%>76%>52%の順で大きくなるように変化したが、紫外線透過率が52%、24%、0%の間では、殆ど差異が認められなかった。このように「G出力電圧(光透過率に対応)」に効果が現れるマスク150の紫外線露光率には、適正な範囲がある。従って、この適正な範囲内で紫外線透過率を設定すれば、固体撮像素子の受光領域の所望の位置における所望の光透過率を容易に実現できる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について、図11を用いて説明する。この第2の実施の形態は、CCD100のマイクロレンズ107を所謂「エッチバック法」にて形成したものである。
この第2の実施の形態でも、先ず、半導体基板101上に、フォトダイオード(光電変換部)102を構成する拡散層132が形成され、その上面に、平坦化膜103、色フィルタ層104、マイクロレンズ固定膜106が形成される(図11(a))。次いで、均一なマイクロレンズ膜161を回転塗布法にて塗布する(図11(b))。
塗布されたマイクロレンズ膜161の上面に、マイクロレンズ107の形状を転写するためのフォトレジスト膜162を塗布し、その後、フォトリソグラフィー技術にて、これを所望の形状にパターンニングする(図11(c))。所望の形状にパターニングされたフォトレジスト膜162に加熱処理を施してこれをリフローし、半球状のレジスト膜163を形成する(図11(d))。
次いで、半球状のレジスト膜163に対してドライエッチングを施して、これをエッチバックし、レジスト膜163の半球状をマイクロレンズ膜161に転写する。この結果、透明化が不十分な半球状のマイクロレンズ167が形成される(図11(e))。最後に、半球状のマイクロレンズ膜167に対して、透明化のために「後露光」を行う。この「後露光」の条件は、前述した第1の実施の形態の後露光と同じであり、その詳細は省略する(図11(f))。
この「後露光」を行うことによって、中心部110Aと周辺部110Eとで光透過率の異なるマイクロレンズ167(167A,167E)が得られる(図11(g))。尚、この第2の実施の形態では、「後露光」をエッチバック法によって半球状に形成されたマイクロレンズ167に対して行ったが、例えば、マイクロレンズ膜161を塗布した直後に「後露光」を行って、この段階で光透過率(透明度)を異ならせておき、その後、上記したエッチバック法にて半球状のマイクロレンズ167を形成してもよい。
(第3の実施の形態)
次に、CCD100の製造方法に係る第3の実施の形態について、図12を用いて説明する。上記した第1、第2の実施の形態では、受光領域110の中心部110Aと周辺部110Eとで、マイクロレンズ107の光透過率を異ならせるに当たって、マイクロレンズ107又はマイクロレンズ膜161に対する「後露光」時の紫外線の照射量を異ならせる例をあげたが、この第3の実施の形態では、半球状のマイクロレンズ107に対し温度分布が異なる加熱処理を施して、温度分布に従った光透過率を得るようにしている。
これはプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGEEA)と乳酸エチル(EL)とフェノール系樹脂とを主成分するマイクロレンズ膜161が、高温で加熱する程、光透過率が低くなるという特性を利用したものである。ここでは、半球状のマイクロレンズ107がマイクロレンズ固定膜106上に形成された半導体基板101に対する加熱処理についてのみ説明する。尚、他の製造プロセスは、「後露光」を行わないこと以外は、第1、第2の実施の形態と同じである。
CCD100の受光領域110に設けられたマイクロレンズ107を、分割領域110A,110B…毎に異なる温度で加熱するに当たっては、図12(a)に示す、ホットプレート180が用いられる。このホットプレート180の表面には円弧状突起部181,181…が形成されており、ホットプレート180表面に、複数のCCD100が形成された半導体ウェハWがフェイスダウンにて配置される。
このとき、各CCD100の中心部110Aでは、マイクロレンズ107がホットプレート180の各突起部181,181…の頂部182,182…と僅かな隙間d41を隔てて対向する(図12(b))。このとき、中心部110Aは、ホットプレート180の設定温度(例えば220℃)まで略加熱される。一方、CCD100の周辺部110Eではマイクロレンズ107が、ホットプレート180の裾部183,183と、一定距離d42(例えば1mm〜5mm)隔てて対向する(図12(b))。このとき、周辺部110Eでは、一定距離d42離れた分、ホットプレート180の設定温度(220℃)より低い温度で加熱される。
従って、ホットプレート180の温度と、一定距離d42を、所望の値に設定することにより、CCD100の中心部110Aでのマイクロレンズ107(107A)の光透過率と、周辺部110Eでのマイクロレンズ107(107E)の光透過率を、異なる値に調整できる。ここで、ホットプレート180と半導体ウェハWとは位置合わせのために図12(a)に示したように、アライメントマーク109A、180Aが必要になるが、ホットプレート180と半導体ウェハWとの位置合わせ時のアライメントの誤差は、最大0.5mm程度であり、仮に、この最大誤差で位置合わせがずれても、シェーディング量の低減には、大きな影響がでない。特に、受光領域110が大きいCCD100にあっては、光透過率が低減された領域(中心部110A)の画素の中心が、CCD100の受光領域110の中心からずれたとしても、画像全体における影響は小さい。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について、図13から図15を用いて説明する。この第4の実施の形態のCCD400は、その中心部410Aと周辺部410Eにおける入射光の透過量を、マイクロレンズ407の下方にある平坦化膜403の光透過率を異ならせることで変化させたものである。
すなわち、この第4の実施の形態の製造方法は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGEEA)とを主成分する平坦化膜403が、高温で加熱する程、光透過率が低くなるという特性を利用したものである。この第4の実施の形態のCCD400は、半導体基板401、フォトダイオード402、平坦化膜403、色フィルター層404、マイクロレンズ固定膜406、マイクロレンズ407により構成されている。尚、平坦化膜403以外の各層は、前述した第1の実施の形態と同じであり、その詳細な説明は省略する。
ここで、平坦化膜403の光透過率を変化させに当たっては、その表面にマイクロレンズ407が形成される前にこの平坦化膜403に対して、温度分布が異なるように加熱処理が施される。CCD400の中心部410Aと周辺部410Eとで、平坦化膜403の加熱温度を異ならせるには、第3の実施の形態と同一のホットプレート180が用いられる(図14(a))。
加熱時、図14(a)(b)に示すように、半導体ウェハWがフェイスダウンにて配置され、各CCD400の中心部410Aでは、平坦化膜403がホットプレート180の各突起部181,181…の頂部182,182…と僅かな隙間d51隔てて対向する(図14(b))。このとき中心部410Aでは、ホットプレート180の設定温度(例えば240℃)まで加熱される。
CCD400の周辺部410Eでは平坦化膜403が、ホットプレート180の裾部183,183と、一定距離d42(例えば1mm〜5mm)隔てて対向する(図14(b))。このとき、周辺部410Eでは、一定距離d42離れた分、ホットプレート180の設定温度(240℃)より低い温度で加熱される。従って、ホットプレート180の温度と、一定距離d42を、所望の値に設定することにより、CCD400の中心部410Aの平坦化膜403の光透過率と、周辺部410Eの平坦化膜403の光透過率を異なる値に調整できる。
平坦化膜403の透過率を受光領域410内で変化させてシェーディング量を低減したCCDによる測定結果を、図15の破線で示す。この測定結果は、受光領域410が水平方向25.1mm、垂直方向16.9mmのCCD400の周辺部410Eでの平坦化膜403の透過率を100%とし、中心部410Aでの平坦化膜403の透過率を70%としたときの、「実効開口率」を計算したものである。ここで「実効開口率」は、(光電変換素部の入射光量)/(単位画素の全入射光量)である。この「実効開口率」は、「G出力電圧」に対応する値である。
尚、図15中、△が中心部での実効開口率(感度、G出力電圧に相当)の実測値、□が周辺部での実効開口率の計算値である。図15の測定結果を、平坦化膜以外の構造が全て同じである従来のCCDの場合(図24)と比較すると、中心部410Aでの「実効開口率」と周辺部410Eでの「実効開口率」との比率は、F値が小さい側で大きくなる。このことは、シェーディング量を大幅に低減できることを示す。
この第4の実施の形態の平坦化膜403を用いた場合には、用いなかった場合(図24の測定では、周辺部/中心部の「実効開口率」の比率がF1.4において約45%)に比べて、約73%まで改善されることが分かった。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について、図16〜図19を用いて説明する。
この第5の実施の形態のCCD500は、その中心部と周辺部における入射光の透過率を、CCD500の受光面に一体に取り付けられた透過率制御膜600によって制御するようにしたものである。透過率制御膜600としては、この実施の形態では、全固体型エレクトロクロミック素子(以下EC膜)が用いられる。この第5の実施の形態のCCD500は、図16(a)に示すように、パッケージ基体502に納められて、デジタルスチルカメラのプリント基板501上に取り付けられている。
このCCD500の上部に取り付けられた透過率制御膜600は、図16(b)に示すように、複数の分割領域610A,610B…に分けられており、分割領域610A,610B…毎にその光透過率が制御される。又、透過率制御膜600には、その分割領域610A,610B…に対応して、複数のITO電極611A,611B…が設けられている。このITO電極611A,611B…は、透過率制御膜600の端部に形成された接続部632に配線部633によって電気的に接続されている。
そして、この接続部632に、可変電圧供給装置620が複数のワイヤ配線631,631…により電気的に接続されている。各ITO電極611A,611B…に対しては、可変電圧供給装置620から、個別に、所望の電圧が供給される。ここで透過率制御膜(EC膜)600の構造について説明する。
透過率制御膜(EC膜)600は、図17に示すように、反射防止膜601A、カバーガラス602、透明接着層603、下部ITO膜604A、タングステン酸化膜605、タンタル酸化膜606、イルジウム酸化膜607、更に上部ITO膜604B、基体ガラス608、反射防止膜601Bから構成されている。ここで、下部ITO膜604Aと上部ITO膜604Bにより、イルジウム酸化膜607が挟まれる形になっている。下部ITO膜604Aと上部ITO膜604Bとによって、ITO電極611,612,…が構成されている。
このような構成の透過率制御膜(EC膜)600では、ITO膜604A,604B間の電位差が制御されてイリジウム酸化膜607の透過率が調整される。尚、透過率制御膜(EC膜)600を用いて、イリジウム酸化膜607の透過率を制御するに当たっては、ITO膜604A,604B間の電位差を一定の範囲内(例えば、−1.0V〜1.3V)で変化させばよい。このとき入射光(例えば、波長633nm)の透過率は、約70%から17%まで連続的に、かつ、可逆的に制御できる(日本写真学会誌60巻5号、1997/9,pp303−306、石川等による研究)。
従って、この実施の形態において、分割領域610A,610B…のITO電極611,612,…の電位差を、例えば、分割領域610Aで+1.3Vとし、分割領域610Bでは+0.8V、分割領域610Cでは+0.6V、分割領域610Dでは+0.4V、分割領域610Eでは0V、分割領域610Fでは−1.0Vとすることにより、CCD500の中心部から周辺部に向かって透過率を約17%、28%、40%、50%、65%、70%とすることができる。このとき、CCD500の中心部と周辺部とでは、光透過率について、4.1倍の補正を行うことができる。
従って、極めて大きい受光領域を持つCCD(水平方向35mm、垂直方向24mm)では、シェーディングによる輝度低下が著しい周辺部と、シェーディングの影響が少ない中心部での透過率を制御して、CCD500全体として、シェーディング量を低減させることができる。又、ITO電極611A,611B…は、電極がオンである領域とオフである領域との境界において、その輪郭がぼける特性を有しているため、ITO電極611A,611B…を用いた透過率制御膜(EC膜)600にあっては、各分割領域610A,610B…間の境界が、シェーディング補正後の画像に現れることがない。
次に、可変電圧供給装置620による透過率制御膜(EC膜)600の透過率の制御の概略について説明する。透過率制御膜(EC膜)600の分割領域610A,610B…での透過率の制御を行うに当たっては、図18に示すように、CCD500の受光領域510の周辺に光センサ561,…を配置しておき、このCCD500が搭載されたデジタルカメラ200(図8)の撮影時に、これら光センサ561からの信号に基づいて、ITO電極611A,611B…に供給する電圧を決定すれば、実際撮影環境に応じた(F値にも関わらずに)シェーディング量の低減が可能になる。
図20は、透過率制御膜(EC膜)の変形例を示す図である。この変形例に係る透過率制御膜(EC膜)700は、分割領域710A,710B…及びITO電極711A,711B…のレイアウトが透過率制御膜(EC膜)600と異なる。すなわち、透過率制御膜(EC膜)700では、可変電圧供給装置620とITO電極711A,711B…とがワイヤー配線539によって直接接続され、ITO電極711A,711B…を透過率制御膜(EC膜)700の外周に導く配線部が不要となっている。その分、透過率の制御が可能な面積を大きく確保することができる。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について、図20を用いて説明する。この第6の実施の形態は、第5の実施の形態のCCD500で、その透過量の調整のために用いられた透過率制御膜(EC膜)600,700に代えて、透過率制御膜(EC膜)800が用いられるものである。
この透過率制御膜(EC膜)800は、その中心部810Aと周辺部810Eとで入射光の透過率を、画素毎に制御できるものである。すなわち、ITO電極811,811…は、図20に示すように、X方向(横方向)、Y方向(縦方向)に、マトッリクス状に配置され、これらITO電極811,811…に、X電極駆動回路821、Y電極駆動回路822が接続されている。
制御回路823は、各ITO電極811,811…毎に供給すべき電圧(電位差)を決定し、X電極駆動回路821、Y電極駆動回路822によって、所望のITO電極811,811…に、各々、所望の電圧を供給する。
この結果、透過率制御膜(EC膜)800においては、ITO電極811,811…毎、すなわち、画素毎にその入射光の透過量の調整が可能になる。尚、各画素毎の電圧の値(光透過率に相当)は、上記した光センサ561,…(図18)からの信号に基づいて決定される。この透過率制御膜(EC膜)800を用いれば、デジタルカメラによる撮影環境に応じたシェーディング量の低減をCCDの各画素毎に可能になる。この場合、デジタルカメラ側で交換レンズが他の交換レンズに交換された場合や、絞りを調節して実効F値が変化した場合等であっても、その都度、撮影条件に合った最適なシェーディング量の低減が図られる。
尚、第5、第6の実施の形態の透過率制御膜(EC膜)では、静的な電圧供給を例示したが、透過率制御膜(EC膜)600,700,800を用いる利点は電源を可変にすることにて光透過率を所望の値に素早く制御できることにある。これにより、実際にCCDが搭載されたデジタルカメラにおいてシャッター動作直前の被写体像から輝度分布を事前に読みとり、最適なシェーディングの補正量になるようにフィードバックして供給する電圧を決定し、その後、シャッターを開いて撮像画像を得ることもできる(インサイチュなシェーディング補正)。
尚、透過率制御膜(EC膜)600,700,800によって光透過率は、応答性よく制御されるが、先に示した「日本写真学会誌60巻5号、1997/9,pp303−306、石川等による研究」のEC膜の応答速度に関する実験結果によれば、常温で100〜200msec程度で、十分に透過率の変化が終了することが確認されており、デジタルカメラ200におけるシェーディング補正に十分適用できる。
又、上記第5、第6の実施の形態では、CCD(固体撮像素子)500の受光領域510の周辺に輝度モニター用の光センサ(例えばフォトダイオード)561を配置して各位置の輝度情報を独立に、常時モニターする手法を例にあげて説明したが、最適なシェーディングの補正量を得るために、実際の撮影時の受光領域510内での輝度分布を、予め得るようにしてもよい。予め得る手法としては、CCD(固体撮像素子)500から予め得られた画像データから、若しくは、画像データから抽出されたデータに基づいて輝度情報を得ることが考えられる。
又、第5、第6の実施の形態では、透過率制御膜(EC膜)600,700,800をCCD500の受光面側に配置する例をあげて説明したが、透過率制御膜(EC膜)600、700,800を配置する位置はこれに特定されるものではない。例えば、CCD500が封止されるパッケージ502側に封止ガラスを設置し、その上面においてもよい。又、CCD500と透過率制御膜(EC膜)600,700,800との間に隙間を設けることなく、接触させてもよい。
又、透過率制御膜(EC膜)600,700,800は、一眼レフデジタルカメラ200の交換レンズ230からCCD500までの間に配置してもよい。更に、上記第5、第6の実施の形態では、透過率制御膜(EC膜)600,700,800が、全固体型EC膜にて構成されている例をあげて説明したが、光透過率を制御可能な膜であればよく、例えば、液晶膜等を用いてもよい。
又、上記した第1から第6の実施の形態では、固体撮像素子として、電荷結合素子型イメージセンサ(CCD)を用いた例をあげて説明したが、シェーディングが生じうる他の固体撮像素子(増幅型イメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)にも、本発明は適用可能であることは勿論である。更に、上記電荷結合素子型イメージセンサ(CCD)に代えて、本願出願人が特開平11−87680号公報にて開示した固体撮像素子、すなわち、各画素に受光部としての埋め込みフォトダイオードと、増幅素子としてのJ−FET(接合型FET)とが配置された増幅型イメージセンサにも適用できるのは、勿論である。
100,400,500CCD(固体撮像素子)101半導体基板102,402フォトダイオード(光電変換素子)、103,403平坦化膜、104色フィルター層106,406…マイクロレンズ固定膜107,407マイクロレンズ110受光領域110A中心部110E周辺部150マスク180ホットプレート200一眼レフデジタルカメラ600,700,800透過率制御膜(EC膜)

Claims (6)

  1. 半導体基板の主面に複数の光電変換素子が配列されて、複数の画素からなる受光領域が形成され、前記光電変換素子の上方に有機系材料による膜が設けられた固体撮像素子において、
    前記有機系材料による膜は、マイクロレンズを形成するための膜であり、かつ、前記有機系材料による膜の透明度は、前記受光領域の中心部から周辺部に向かうほど高く設定されており、
    前記受光領域上の各画素の間で前記マイクロレンズの形状及びサイズは共通に設定されている
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  2. 請求項1に記載の固体撮像素子において、
    前記受光領域は、同心の矩形、同心円又は短冊形の複数の部分領域に分割され、
    前記有機系材料による膜の透明度は、前記部分領域毎に設定されている
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の固体撮像素子において、
    前記有機系材料による膜は、紫外線の照射量が高いほど透明度の高くなるである
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載の固体撮像素子において、
    前記有機系材料による膜は、加熱温度が高いほど透明度の低くなるである
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の固体撮像素子において、
    前記有機系材料による膜の透明度は、画素毎に設定されている
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  6. 請求項1から請求項5の何れかに記載の固体撮像素子が搭載されていることを特徴とするデジタルカメラ。
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