JP5195074B2 - 成形型 - Google Patents

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Description

本発明は、凹凸パターンを被加工物に転写して加工を行なうための成形型に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンスパネル等の大面積フレキシブルパネルでの素子パターンの作製において、マイクロコンタクトプリント法が注目されている。マイクロコンタクトプリント法は、微細な凹凸パターンの凸部の上にインクを載せて被加工物にインクを転写するもので、被加工物がフィルム状で柔軟性を有する材料であることから、この方法で用いられる型はPDMS(ポリジメチルシロキサン)等の樹脂を硬化して作製されることが多い。この型は、以下に述べるように別の成形型からパターン転写により作製される成形品である。成形品の作製には、例えば注型インプリント法(キャスティング法)が採用される(特許文献1参照)。注型インプリント法では、液状の樹脂を離型処理された成形型の凹凸パターンを覆うように室温で広げて転写層を形成した後、基材を載せ、昇温し、一定温度で一定時間保持することにより樹脂を硬化させた後、室温まで降温してから、基材と一体となった転写層と、成形型とを剥がす工程(離型工程)を経る。通常、転写層と成形型は強く密着しており、特に両者が大面積の場合には両者を引き剥がすために垂直方向に加えるべき力は非常に大きいものとなる。そこで、成形型と転写層の間に先尖物(ナイフのように先端が尖った物)を差込み、両者を抉じ開けるようにして剥がすこと(以下、抉じ開け作業と呼称する。)なども行われている。ここで、成形型の材料としては、基板の平坦性が高く、微細凹凸パターンをリソグラフィ(ドライエッチングを含む)で作製加工であることが必要であるから、単結晶シリコンや石英ガラスが候補となる。
しかし、単結晶シリコン基板からなる成形型はそれ自体薄く、又単結晶故に結晶方位に沿って破断が生じやすい性質を有する。そのため前述の成形型に対して垂直方向への引き剥がし、あるいは抉じ開け作業の際に成形型に破損が生じるといった問題があった。そこで、本発明者らは単結晶シリコン基板から成る成形型のパターン形成面の反対側に結晶方位の無い無機材料から成る補強板を接合して構成された型を得て、抉じ開け作業時の成形型の破損を防ぐことを試みた。補強板の材料として、石英ガラス、珪酸系ガラス(ホウ珪酸ガラスとアルミノ珪酸ガラスを含む)及びセラミックスを選んだ場合には、成形型に破損が生じることなく、抉じ開け作業を行なえることを見出した。しかし、このようにして得られた成形型を用いて、注型インプリント法で成形品を作製したところ、得られた成形品はそのパターン面側に大きな反りを持ち、成形品としての機能を満たすことができなかった。この原因は、成形型と補強板が異なる材料を接合あるいは接着して構成されているため、両者の接合時の温度と樹脂の硬化温度が異なると、両者の熱膨張係数の差に起因して接合時には平坦度が高かった成形型に、成形時反りが生じているためであることが分った。
そこで温度による成形型の反りを防ぐ方法として特許文献2及び特許文献3に挙げられるものがある。特許文献2では微細な構造が形成された薄片型(例えば、シリコンあるいは石英ガラス)と、この薄片型の材料と熱膨張係数が同一又は略同等の材料からなり、薄片型よりも厚みの大きな台座とが、接合された微細加工用型が開示されている。しかし、薄片型と台座とを異なる材料で構成しようとすると、上述したように台座に薄片型の材料と熱膨張係数が略同等の材料を選んだ場合でも、台座の厚みが薄片型と同程度や小さい場合や、薄片型と台座が直径100mm以上のウエハ形状のように大面積である場合には、接合温度と成形時の温度の違いによる、熱膨張係数差に応じた反りが成形型に生じ、その大きさは成形品の機能を損なう程度となりうる。
又、特許文献3ではパターン部と型本体部と、パターン部と同一材料によって形成された反り防止膜から成る型が開示されている。実施例では、単結晶シリコンから成る型本体の両面に成膜されたNi−Cr合金から成るパターン用膜及び反り防止膜が形成された構造が開示されている。しかし、パターン部の材料が本体部の材料よりも耐久性の高い材料であることが要請されており、そのため、加工性に優れたシリコン、ガラスはパターン材料から排除され、本体部の材料の候補となっている。又、パターン部が型本体部からは自立して形成され得ず、そのため、反り防止層も自立して形成されないものであるため、成形型自体の物理強度に欠けるといった問題がある。
特開2006−237312号公報 特開2006−289684号公報 特開2006−327007号公報
本発明は上記に鑑み、成形型と転写層の剥離工程における成形型の破損を抑制し、かつ成形時における反りが小さい成形型を提供することを目的とする。
本発明に係る成形型は、一方の主面側に凹凸パターンを有する第1の基板と、前記第1の基板の前記凹凸パターンの形成面の反対側に接合された第2の基板と、前記第2の基板を前記第1の基板とで挟持して配置され、前記第2の基板と接合された第3の基板と、を具備し、前記第1の基板と前記第3の基板は熱膨張係数が同一あるいは略同一の材料であって、かつ、同じ材料からなり、前記第1の基板の厚みと前記第3の基板の厚みは同一あるいは略同一であり、少なくとも1つの側面を表す輪郭線が、前記第1の基板と前記第2の基板の境界である第1の境界部と、前記第2の基板と第3の基板の境界である第2の境界部とを含む範囲において連続かつ一定符号の値である、又は零である曲率を有し、前記第1の基板がシリコン、前記第2の基板がガラス又はセラミックス、前記第3の基板がシリコンでそれぞれ構成されていることを特徴とする。上記の3層積層した構成とすることにより、成形型の強度が向上する。又、第2の基板を熱膨張係数が同一あるいは略等しい材料からなる第1、第3の基板で挟持して構成することで成形時の成形型の反りを防止することができる。
本発明よれば、成形型と転写層の剥離工程における成形型の破損を抑制し、かつ成形時における反りが小さい成形型を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る成形型に関して説明する。図1は本発明に係る成形型の断面図である。
§1.成形型の構成
図1に示すように成形型1は、第1の基板11、第2の基板12、第3の基板13が順に積層して構成されている。成形型1は例えば、マイクロコンタクト法に用いる成形品を作製するための成形型である。熱インプリント法に用いる成形型として用いることもできる。第1の基板11は凹凸パターンを形成するための基板であり、ドライエッチング加工可能な材料からなる。例えばシリコンやガラスからなり、厚みは300μm〜800μmである。外形は例えばウエハ形状であり、その直径が100mm〜200mm程度である。多角形状のチップであってもよい。第1の基板11は表面に凹凸パターン10を有している。凹凸パターン10はμm〜nmオーダーのマイクロ/ナノ構造体である。
第2の基板12は、薄板である第1の基板11を補強する補強板としての機能を有する基板であり、第1の基板11の凹凸パターン10が形成された面の反対側に接合されている。第2の基板12は、シリコン、ガラス、セラミックスなどから選択される。第1の基板11がシリコンからなる場合には、第2の基板12として等方性材料であるガラス(例えば珪酸系ガラス、石英)やセラミックスなどを用いることができる。特に、珪酸系ガラスのうちで、可動Naイオンを含む特殊なガラスを用いることで第1の基板11と第2の基板12とを陽極接合により接合することができる。陽極接合では基板同士をアライメントした状態で固定し、接合できるため基板間での位置合わせ精度を向上させることができる。第1の基板11がガラスからなる場合には、第2の基板として例えばシリコンを用いることができる。第2の基板12は第1の基板11と略同一の形状を有しており、厚みは300μm〜800μmである。
第3の基板13は、第2の基板12を第1の基板11とで挟持するように配置されている。第3の基板13は第1の基板11を構成する材料と熱膨張係数が同一あるいは略同一である材料からなり、好ましくは第1の基板11と同じ材料で構成されている。第3の基板13は第1の基板11と略同一の形状であり、厚みは300μm〜800μmである。第1の基板11がシリコンの場合には、第3の基板13はシリコンを用いることが好ましく、又第1の基板11がガラスの場合には、第3の基板13はガラスを用いることが好ましい。
第1の基板11と第3の基板13の熱膨張係数が略同一とは、樹脂の硬化温度(50℃〜200℃)における両者の熱膨張係数差が±1.0×10-6/K以内であることを指すものとする。上記温度における成形型1の平坦性を確保する点で、熱膨張係数が略同一であることが好ましい。より好ましくは第1の基板11と第3の基板13とを同じ材料により構成する。基板の熱膨張係数は、例えば計測対象物を加熱しつつ熱膨張による変位をレーザー変位計により計測するレーザー干渉式熱膨張率計測法で求めることできる。
又、第1の基板11と第3の基板13との厚みを略同一とすると、成形型1を厚み方向に見たとき対称な構造を有している。これにより成形型1はその厚み方向で略同一な膨張又は収縮が発生するため、成形型の反りを生じさせる応力は緩和される。したがって室温及び/又は樹脂の硬化温度において成形型1の反りを少ないものとすることができる。なお、第1の基板11と第3の基板13との厚みが略同一とは両者の厚みの差が50μm以内であることを指すものとする。
成形型1を3層構造とすることにより、物理強度が向上するとともに転写層から剥離する際に発生する応力に耐えうるに十分な強度を得ることができる。特に、第1の基板として異方性材料を用いた場合に、第2の基板として等方性材料を用いることにより、転写層を剥離する工程での抉じ開け作業に耐えることが可能な強度を得ることができる。成形型1の大面積化に従い、転写層から剥離する際には成形型へ加わる応力はより大きいものとなるが、上記の構成とすることにより成形型の破損を抑制することができる。特に、大口径基板(直径100mm以上)を用いた大面積の成形型において本構成は好適である。
図2を参照して成形型1の側面について説明する。図2は本発明に係る成形型1の側面を説明するための図面である。図2Aは成形型1の側面の輪郭線が直線により構成された態様、図2Bは成形型1の側面の輪郭線が曲線により構成された態様、そして図2Cは成形型1の端部15を面取り(円弧状に加工)した態様をそれぞれ示している。成形型1の少なくとも1つの側面14を表す輪郭線は、第1の基板11と第2の基板12の境界である第1の境界部14aと、第2の基板12と第3の基板13の境界である第2の境界部14bとを含む範囲において連続かつ一定符号の値である、又は零である曲率を有している。ここで、境界部とは基板外周部における基板同士の接合境界部分を指している。曲率が零である場合には側面14の輪郭線は直線で構成され、連続かつ一定符号の値である場合には曲線で構成される。側面14の輪郭線の曲率が一定符号であればよいので、曲率中心を成形型1の内側に規定した場合に側面が成形型1の外側に凸である状態(曲率の符号が正)あるいは凹である状態(曲率の符号が負)であってもよい。
第1、第2、第3の基板は接合したままの状態では、各基板の外周部分の接合強度は基板中央に比べて弱く、パターン転写を繰返し行なうことで接合した基板同士が剥がれてしまうことがある。接合界面を発端として破損や剥がれが起こることがある。基板の破損や剥がれを防止するために、成形型の側面を内側に1mm以上研磨して接合強度の弱い部分を除くことが好ましい。又、第1、第2、第3の基板は接合したままの状態では、第1、第2の境界部は窪みを有しているので、その部分に異物が入ると除去しにくく、成形型の汚れを引き起こすことがある。従って、本発明のように窪みの部分を除去することが好ましい。
次に図3を参照して、実施形態に係る成形型の製造方法について述べる。図3は本発明に係る実施形態の製造方法を示す図面である。
§2.成形型の製造方法
(1)エッチング用マスクの形成(図3A参照)
第1の基板11上にエッチング用のマスク16を形成する。マスク16はレジスト、金属、SiO2、SiNなどの材料を用いることができる。第1の基板11がシリコンの場合には表面を熱酸化してSiO2を形成し、パターニングすることで開口を有するマスク16を得る。第1の基板11がガラスからなる場合にはレジスト、金属などを適宜マスク材として用いることができる。
(2)凹部の形成(図3B参照)
マスク16の開口部を通して第1の基板11をエッチングし、凹部10aを形成する。エッチング方法はドライエッチング、ウェットエッチングを挙げることができるが、微細加工を高精度に行なえる点でドライエッチングを用いることが好ましい。第1の基板11がシリコン又は石英の場合にはCF4(あるいはCF4とO2の混合ガス)をエッチングガスとして用いる。
(3)エッチング用マスクの除去(図3C参照)
凹部10aを形成した後、マスク16を除去する。これにより凹凸パターン10が形成された第1の基板11が準備される。凹凸パターン10は被加工物に凹凸を転写するためのパターンである。
(4)接合(図3D参照)
次に第1の基板11に対して第2の基板12、第3の基板13を順に接合していく。接合方法としては陽極接合、直接接合、接着剤を介した接合などの方法を基板の材料に応じて適宜選択できる。例えば、第1、第2、第3の基板がそれぞれシリコン、珪酸系ガラス、シリコンである場合には陽極接合を用いることができ、300℃〜500℃の温度下で300V〜500Vの電圧を印加して接合する。又第2、第3の基板を予め接合しておき、それを第1の基板に接合してもよい。
第1の基板がシリコン、石英からなる薄板の場合、脆性を有している。例えば、シリコンは基板に外力が加わった場合<110>方位へ割れやすいという特徴があり、転写層を成形型から剥離する際の破損の要因となる。本願では第2、第3の基板を備えることで転写層剥離時の応力に耐えうるよう第1の基板を補強することができる。
本発明の構成によれば、第2の基板の材料の選択肢を広げることができる。例えば、セラミックスは耐熱性に優れ、剛性が高く、かつ平坦な基板が市場で入手可能であり、第1、第3の基板と適切な接着方法があればセラミックスを選択することができる。
第1、第3の基板がシリコンである場合、第2の基板の材料には例えば炭化珪素を用いることができる。炭化珪素は、金属合金の接着層を介してシリコンとの接合が可能である。金属合金はAg−Cu−Ti合金のような活性な金属を含むろう材が挙げられる。このように接着層を用いる際、第1の基板と第3の基板の両方に対して、同じ材料で同じ厚み、同じ接合条件で形成した接着層を用いることが必要である。
第1、第2、第3の基板が接合された成形型1を製造する際、接合を実施するのは凹凸パターン10形成の前後は問わない。しかし、凹凸パターン10の形成に市販の半導体デバイス製造装置又はフォトマスク製造装置を用いる場合には、基板の材料は一般的に流通している外形形状規格(この規格にはSEMI規格やJEITA規格などがある)を満たしたシリコンウエハ又はガラスウエハを採用することが好ましく、凹凸パターン10形成後に接合を行うのが良い。接合した基板に凹凸パターン10を形成する場合には、この基板が外形形状規格から外れることがあるため、半導体デバイス製造装置又はフォトマスク製造装置の利用に際し搬送時又はプロセス時に制約を受ける可能性がある。
(5)側面の研磨(図3E参照)
第1、第2、第3の基板をそれぞれ接合した後、成形型1の側面14を研磨し、成形型1の外周から1mm以上切除する。端部の欠片に起因する異物発生を抑制するために、端部を面取りしておくことが好ましい。面取りは、側面の輪郭線が直線よりも曲線となる方がより好ましい。側面の研磨と面取りはべべリング加工により同時に行うことができる。べべリング加工以外には、グラインダを用いて側面14を研磨してもよい。以上の工程により、成形型1が作製される。
次に図4を参照して、実施形態に係る成形型を用いたインプリント方法について述べる。図4は本発明に係る成形型を用いたインプリント方法を示す図面である。
§3.成形型を用いたインプリント方法
(1)転写層の形成(図4A参照)
予めシランカップリング剤などを含む離型剤で表面修飾した成形型1上に転写層100を形成する。転写層100の材料は、被加工物の主材料からなり、その例としては硬化型樹脂を、具体的にはPDMS(ポリジメチルシロキサン)を挙げることができる。PDMSはシリコーンゴム主剤に硬化剤を所定の割合で混合した後、塗布可能な状態とする。転写層100のはキャスティング法などにより、凹凸パターン10を被覆し、数μm〜数mm程度の厚みとなるように室温で形成する。
(2)転写層の成形(図4B参照)
転写層100上に主に補強材としての機能を有する基材110を当接させ、加熱する。転写層100を構成する樹脂を所定温度で所定時間保持し、転写層100を硬化処理して転写層100を成形する。このときの処理温度を、以下、硬化温度と呼称する。その後、室温へと降温させる。
(3)転写層の剥離(図4C参照)
室温へ降温した後、転写層100を成形型1から剥離し、成形品120を得る。転写層100と成形型1を垂直方向に力を加えて引き剥がしても良いし、抉じ開け作業で引き剥がしても良い。
本願発明に係る成形型は、第1、第2、第3の基板が接合されているため、転写層100を成形型1から剥離する際に加わる応力によって第1の基板が破損しにくい。又、成形型1の側面を研磨処理することで、接合面での強度が高いものとなっている。
ここで図5及び図6を参照して従来の成形型(従来例1及び従来例2)によりパターン転写される転写層の状態について詳細に説明する。図5は、従来の成形型(従来例1)による転写工程を表す図面である。凹凸パターン20が形成された第1の基板21からなる成形型2を準備する(図5A)。凹凸パターン20上に転写層100を形成し、転写層100上に基材110を配置した状態で、硬化温度で加熱する(図5B)。転写層100の硬化次第、成形型2を転写層100から剥離し、成形品120を得る(図5C)。第1の基板21は薄板であり、例えばシリコンである場合には特定の結晶方向に対して脆弱である。そのため、転写層100から成形型2を剥離する際に成形型2に破断が起こり、破断部23が生じる。
図6を参照して別の例について詳細に説明する。図6は、従来の成形型(従来例2)による転写工程を表す図面である。凹凸パターン30が形成された第1の基板31と、第1の基板31に接合された第2の基板32からなる成形型3を準備する(図6A)。凹凸パターン30上に転写層100を形成し、転写層100上に基材110を配置した状態で、硬化温度で加熱する(図6B)。このとき、従来の成形型3は硬化温度帯において第1の基板31と第2基板32との熱膨張係数差によって反りが生じている。その後、転写層100の硬化が終了次第、成形型3を転写層100から剥離し、成形品120を得る(図6C)。前述の転写層の硬化時において成形型3の反りが転写層100へ転写されてしまい、成形品120の精度は劣ったものとなることが分かる。
つまり成形品の精度は、硬化温度帯における成形型の平坦度の影響を顕著に受ける。本願発明に係る成形型は、硬化温度帯においても平坦度が維持されているため、高精度の成形品を作製することが可能である。
成形品120はマイクロコンタクトプリントに用いるスタンパとして用いることができる。成形品120は上記に限定されず、例えば光学部材、マイクロチップなどを含むものである。
(実施例)
厚み725μmのシリコン単結晶基板(第1の基板)、厚み600μmのショット社製ホウ珪酸ガラスであるテンパックス(登録商標)基板(第2の基板)、厚み725μmのシリコン単結晶基板(第3の基板)をそれぞれ準備した。シリコン単結晶基板の反りはいずれも10μm程度であった。なお、各基板は直径200mmのウエハであった。図3に示す手順に従って、第1の基板に凹凸パターンを形成した後、第2、第3の基板と陽極接合により接合して成形型を得た。接合後、成形型の外周部を切削加工した後、側面をべべリング加工することで、直径150mmの側面研磨された成形型を作製した。
得られた成形型の反り(SORI)を光干渉式平坦度計測器(ニデック社製FT−900)により室温と硬化温度でそれぞれ計測した。室温において成形型1の反りは10.8μmであり、反りは接合前の単結晶シリコン基板の反りと同程度であり、実用上許される。又、PDMSの硬化温度帯である80℃および150℃において、成形型の反りはそれぞれ11.5μm、11.0μmであり、硬化温度帯においても室温での反りとほとんど変わらないことが確認された。
ホウ珪酸ガラスの熱膨張係数は20℃〜300℃において3.2×10-6/Kであり、シリコン(2.6×10-6/K〜3.3×10-6/K)と異なる。熱履歴として陽極接合時の温度(300℃〜500℃)を経ている。又硬化温度は80〜150℃程度であるが、実施例は反りがほとんど変わらなかった。
室温においてシリコーンゴム主剤(信越化学工業株式会社製KE−106、ポッティング用二液加熱タイプ)100重量部に硬化剤(信越化学工業社製CAT−RG)10重量部を混合した液を用意し、成形型表面にキャスティング法により塗布して、転写層を形成した後、転写層上に基材を配置した状態で150℃で30分間加熱して転写層を硬化させた。その後、成形型から剥離した。この工程で得られた成形品(PDMSスタンパ)は、平坦性の高い、高精度なものであった。
(比較例1)
厚み725μmのシリコン単結晶基板を準備し、実施例と略同様の条件で凹凸パターンを有する1層の成形型を得た(従来例1)。
上記成形型を用いて、実施例と略同様にしてPDMSスタンパを作製した。しかし、転写層を剥離する際に加わる応力に耐えられず、成形型が破損した。例えば、抉じ開け作業においても成形型が破損した。
(比較例2)
厚み725μmのシリコン単結晶基板(第1の基板)、厚み600μmのショット社製ホウ珪酸ガラスであるテンパックス(登録商標)基板(第2の基板)をそれぞれ準備した。シリコン単結晶基板の反りは10μm程度であった。実施例と略同様の条件で外周部分を研磨加工した2層の成形型を得た(従来例2)。
得られた成形型の反り(SORI)を光干渉式平坦度計測器(ニデック社製FT−900)により室温と硬化温度でそれぞれ計測した。室温において成形型の反りは35.9μmであった。又、PDMSの硬化温度帯である80℃および150℃において、成形型の反りはそれぞれ32.4μm、30.5μmであり、硬化温度帯においては、反りが実用上許されない程度に大きいものであった。この原因は、第1の基板と第2の基板が陽極接合温度においては反りの小さい状態で接合されたのであるが、硬化温度においては両温度の差による熱膨張の影響が現れたものであると推測できる。
上記の成形型を用いて、実施例と略同様にしてPDMSスタンパを作製した。実施例に比べて平坦性が悪く、作製したPDMSスタンパでマイクロコンタクトプリンティングを行なったところ、均一なパターン転写ができなかった。
(比較例3)
比較例2と同様の構成で、外周側面の研磨を実施しなかった成形型を得た。このとき第1の基板は厚み725μmのシリコン単結晶基板であり、第2の基板は厚み600μmのコーニング社製ホウ珪酸ガラスであるパイレックス(登録商標)基板である。外周研磨加工を実施しなかった点を除き、比較例2と略同様の条件で成形型を得た。
比較例2と比較例3の成形型について、転写層剥離時に生じる力に対する耐久性を測定した。測定方法は、成形型両面の外周より3.0mm内に、接触面が35mm角である平板治具を接着し、平板治具を介して接合面に対し垂直な引張り力を加え、評価用サンプルにおいて接合の境界部で剥がれが生じた時の引張り力の大きさ(以下、接合強度と呼称する。)を評価した。
外周研磨を実施した成形型(比較例2)は、接合強度が10.3MPaであった。これに対し外周研磨を実施しなかった成形型(比較例3)は、接合強度が2.3MPaであった。この違いは、外周を研磨するにより接合強度の小さな部分を除去できたためである。
以上、本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る成形型の断面図である。 本発明に係る成形型の側面を説明する図面である。 本発明に係る成形型の側面を説明する図面である。 本発明に係る成形型の側面を説明する図面である。 本発明に係る成形型の製造方法を表す図面である。 本発明に係る成形型の製造方法を表す図面である。 本発明に係る成形型の製造方法を表す図面である。 本発明に係る成形型の製造方法を表す図面である。 本発明に係る成形型の製造方法を表す図面である。 本発明に係る成形型を用いたインプリント方法を表す図面である。 本発明に係る成形型を用いたインプリント方法を表す図面である。 本発明に係る成形型を用いたインプリント方法を表す図面である。 従来の成形型(従来例1)による転写工程を表す図面である。 従来の成形型(従来例1)による転写工程を表す図面である。 従来の成形型(従来例1)による転写工程を表す図面である。 従来の成形型(従来例2)による転写工程を表す図面である。 従来の成形型(従来例2)による転写工程を表す図面である。 従来の成形型(従来例2)による転写工程を表す図面である。
符号の説明
1:成形型
2:(従来の)成形型
3:(従来の)成形型
10:凹凸パターン
10a:凹部
11:第1の基板
12:第2の基板
13:第3の基板
14:側面
14a:第1の境界部
14b:第2の境界部
15:端部
16:マスク

20:凹凸パターン
21:第1の基板
23:破断部

30:凹凸パターン
31:第1の基板
32:第2の基板

100:転写層
110:基材
120:成形品

Claims (1)

  1. 一方の主面側に凹凸パターンを有する第1の基板と、
    前記第1の基板の前記凹凸パターンの形成面の反対側に接合された第2の基板と、
    前記第2の基板を前記第1の基板とで挟持して配置され、前記第2の基板と接合された第3の基板と、を具備し、
    前記第1の基板と前記第3の基板は熱膨張係数が同一あるいは略同一の材料であって、かつ、同じ材料からなり、
    前記第1の基板の厚みと前記第3の基板の厚みは同一あるいは略同一であり、
    少なくとも1つの側面を表す輪郭線が、前記第1の基板と前記第2の基板の境界である第1の境界部と、前記第2の基板と第3の基板の境界である第2の境界部とを含む範囲において連続かつ一定符号の値である、又は零である曲率を有し、
    前記第1の基板がシリコン、前記第2の基板がガラス又はセラミックス、前記第3の基板がシリコンでそれぞれ構成されていることを特徴とする成形型。
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