JP5194754B2 - ガスメータ装置及びこの装置を用いたガス供給システム - Google Patents

Description

本発明は、各家庭でのガス供給管の入り口部分に設置され、ガス流量を計測するガスメータにおいて、使用器具やその使い方に合わせた料金体系やサービスを提供するために使用中のガス器具を判別検知する技術に関するものである。

従来、この種の流量計測装置は、図１３に示すように、特定の器具を判別するための方法として、以下のような提案がある（例えば特許文献１参照）。

提案例の動作について説明する。図１３は、あるガス器具の起動時のガス流量変化プロファイルとそのプロファイルをもとにプロファイルマッチングを行うための参照値（プロファイルテーブル）を示している。１つのガス器具についてこのプロファイルテーブルはガス器具の燃焼制御に伴って発生する一連のガスの流量変化プロファイル分用意する必要があり、また各家庭で使われているガス器具の総台数分必要になる。ガスメータの流量計測装置により計測された流量値の変化とこれらのプロファイルテーブルを常に比較しながらマッチングするものを抽出し、使用器具を特定するものである。
特開２００３−１４９０２７号公報

前記の構成において、ユーザーがガスを不正に使用する目的で、ガスメータ装置を取り外す、もしくは配管を改造してガスメータ装置をバイパスするといったような不正行為を行ったとしても、不正行為の前後でガス器具のガス流量変化プロファイルが変化することはないため、不正行為後のガスの不正使用を防止することができないという課題を有している。

本発明は、前記の課題を解決するもので、ユーザーが不正行為を行った際に、正常なガス器具の流量変化プロファイルとは異なる特定の流量変化プロファイルが発生することを検出することで、ガスの不正使用を防止することを可能とする技術を提供することを目的とする。

前記従来の課題を解決するために、本発明のガスメータ装置は家庭用ガス供給管に接続され、ガス流量を計測する流量計測手段と、器具情報入力手段と前記器具情報入力手段により登録されるデータを記憶する登録記憶手段と前記登録記憶手段のデータである器具判別値をもとに前記流量計測手段で計測されるガス流量値とを比較し使用ガス器具を判断する器具判別手段と、ユーザーの不正行為等により前記登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生し、且つ、前記流量計測手段で特定の流量値が連続して計測された場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する不正使用判別手段を有する構成である。

本発明のガスメータ装置は、ユーザーが不正行為を行った際に、正常なガス器具の流量変化プロファイルとは異なる特定の流量変化プロファイルが発生することを検出することで、ガスの不正使用の兆候を把握できるため、ガスの不正使用を防止することができる。

第１の発明は、家庭用ガス供給管に接続され、ガス流量を計測する流量計測手段と、器具情報入力手段と、前記情報入力手段により登録されるデータを記憶する登録記憶手段と前記登録記憶手段のデータである器具判別値をもとに流量計測手段で計測されるガス流量値とを比較し使用ガス器具を判断する器具判別手段と、ユーザーの不正行為等により前記登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生し、且つ、前記流量計測手段で特定の流量値が連続して計測された場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する不正使用判別手段を有する構成とすることで、ユーザーがガスを不正に使用する目的で、ガスメータ装置を取り外す等の不正行為を行ったとしても、正常なガス器具の流量変化プロファイルとは異なる特定の流量変化プロファイルの発生を検出
することで、ガスの不正使用の兆候を把握できるため、ガスの不正使用を防止することが可能となる。

第２の発明は、特に、第１の発明のガスメータ装置において、正常使用時にガス供給管内に供給されるガス種を記憶しているガス種記憶手段と、現在供給されているガス種を判別するガス種判別手段とを有し、不正使用判別手段は、登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生したことに加え、空気の混入等により前記ガス種記憶手段に記憶されたガス種と、前記ガス種判別手段が判別したガス種が異なったものとなり、ガス種が変化している場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する構成とすることで、ユーザーの不正行為によると思われる特定の流量変化プロファイルの発生時に、ガス種を判別してガスの成分に変化があったかどうかを確認し、その流量変化プロファイルがユーザーの不正行為により発生したものか、その他の要因で偶発的に発生したものかを総合的に判断できるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

第３の発明は、特に、第１の発明のガスメータ装置において、ガス供給管内のガス圧を計測する圧力測定手段を有し、不正使用判別手段は、登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生したことに加え、前記圧力測定手段が計測するガス圧が急激に低下した場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する構成とすることで、ユーザーの不正行為によると思われる特定の流量変化プロファイルの発生時に、ガス供給管内のガス圧を計測して急激な圧力の低下があったかどうかを確認し、その流量変化プロファイルがユーザーの不正行為により発生したものか、その他の要因で偶発的に発生したものかを総合的に判断できるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

第４の発明は、特に、第１の発明のガスメータ装置において、ガスメータ装置の振動を検出する感振器を有し、不正使用判別手段は、登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生したことに加え、前記感振器が異常な振動を検出した場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する構成とすることで、ユーザーの不正行為によると思われる特定の流量変化プロファイルの発生時に、感振器がガスメータ装置を取り外す等の行為によって発生する異常な振動を検出したかどうかを確認し、その流量変化プロファイルがユーザーの不正行為により発生したものか、その他の要因で偶発的に発生したものかを総合的に判断できるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

第５の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明のガスメータ装置において、ガスの不正使用が行われていると判断した場合にガスを遮断するガス遮断弁を有し、不正使用判別手段は、管理会社等により解除されない限り、ガス遮断弁にガスの遮断を継続させる構成とすることで、管理会社の点検等で不正行為が発覚しないように、ユーザーが事前に取り外したメーターを元通り取り付ける等の行為で自らの不正行為を隠匿しようとしても、管理会社等に連絡して遮断状態を解除してもらわない限り、正規の状態でガスを使用することができず、不正行為を隠匿することができなくなるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

第６の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明のガスメータ装置において、ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、その旨を表示する表示部を有する構成とすることで、ユーザーによる不正行為が行われたと判断した時点で、表示部に不正行為に対する警告等を表示し、不正行為を行った証拠として残すことで、不正行為を隠匿することができなくなるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

第７の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明のガスメータ装置において、ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、その旨をリアルタイムで管理会社等へ報知する報知手段を有する構成とすることで、ユーザーによる不正行為が行われたと判断した時点で、不正行為に対する警告等をリアルタイムで管理会社等へ報知するので、管理会社等の担当者が常時待機できる体制になっていれば、即座に必要な対応を取ることができるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

第８の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明のガスメータ装置において、ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、その旨を記憶する不正使用記憶手段と、前記不正使用記憶手段の記憶内容を所定のタイミングで定期的に管理会社等へ報知する報知手段を有する構成とすることで、ユーザーによる不正行為が行われたと判断した後、所定のタイミングで定期的に管理会社等へ報知するので、管理会社等の担当者がそのタイミングに合わせて待機するだけで、必要な対応を取ることができるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

第９の発明は、特に、第１〜４のいずれか１つの発明のガスメータ装置において、ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、その旨を記憶する不正使用記憶手段と、前記不正使用記憶手段の記憶内容を管理会社等からの問い合わせに応じて報知する報知手段を有する構成とすることで、ユーザーによる不正行為が行われたと判断した後、管理会社等からの問い合わせに応じて報知するので、管理会社等の担当者の都合に合わせて、必要な対応を取ることができるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

第１０の発明は、特に、第１〜９のいずれか１つの発明のガスメータ装置において、流量計測手段が超音波計測方式より構成されており、瞬時計測が行えるため、時間経過による流量変化の詳細を計測することが可能で、正常なガス器具の流量変化プロファイルとは異なる特定の流量変化プロファイルの発生を高精度に検出することで、更に確実にガスの不正使用を防止することが可能である。

第１１の発明は、特に、第１〜１０のいずれか１つの発明のガスメータ装置において家庭用ガス供給管に接続されたガスメータ装置を用いたガス供給システムを構築することにより、ガスの不正使用を防止することで、ガス事業者等が本来受け取るべき利益を守ることが可能である。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１におけるガスメータ装置の構成を示すものである。

図１において、１はガスメータ装置であり、ガス供給管の途中に設けられ、その下流側の配管には各顧客宅内に設置された１台以上のガス器具が接続されている。

ガスメータ装置１内部はガス流量計測手段２と、本発明に係わるガス器具判別を行うための演算手段３及び器具情報入力手段４と、その情報を登録する登録記憶手段５及び器具判別手段６と、ガスの不正使用が行われているかどうかを判断する不正使用判別手段７と
、ガス供給管内に供給されるガス種を記憶させておくためのガス種記憶手段８と、ガス供給管内に供給されるガス種を判別するガス種判別手段９と、ガス配管内の圧力を計測する圧力測定手段１０と、ガスメータ装置の振動を検出する感震器１１と、不正使用が行われた場合にガスを遮断するガス遮断弁１２と、不正使用が行われた場合にその旨を表示する表示部１３と、ガスの不正使用が行われた場合に管理会社等にその旨を報知する報知手段１４と、ガスの不正使用が行われた場合にその旨を記憶する不正使用記憶手段１５と、感震器１１や圧力測定手段１０の作動や器具判別、不正使用判別その他を統括制御処理する制御回路１６及びそれらの動力源となる電池（図示せず）を内蔵している。

登録記憶手段５には、流量変化が起こったかどうかの比較判別値となる器具判別値及び異常が起こったかどうかの比較判別値となる保安基準値が記録されている。記録されたデータを記憶保持する記憶手段としては本発明では半導体メモリを使用しているが、記録の追加、書き換えができるものであれば、磁気記録媒体その他でも可能である。また必要に応じて複数の記録媒体に分割して記録することも可能である。

なお、本発明の流量計測手段２に関しては、超音波方式の計測手段を使用しているが、計測方式としては、他の流量計測方式でもフルディック方式などの短時間に一定サイクルで連続計測可能であれば使用可能である。

以下、動作について説明する。

まず超音波方式の流速計測に関して図２をもとに説明する。計測流路１７は矩形断面を持っており、計測流路１７のガスの流れる方向と直角方向にある壁面には計測流路１７を挟んで一対の超音波送受信器１８、１９が流路の上流側と下流側で角度φを有して斜めに対向して装着されている。超音波送受信器１８、１９間で交互に超音波を送受信させて流体の流れに対して順方向と逆方向の超音波の伝搬時間の差を一定間隔を置いて計り、伝搬時間差信号として出力する働きを持つ。この伝搬時間差信号を受けて計算手段（図示せず）により被計測流体の流速及び流量を算出するものである。

演算式を下記に示す。

図２においてＬLは測定距離であり、ｔ１を上流からの伝達時間、ｔ２を下流からの伝達時間、Ｃを音速とすると、流速Ｖは
Ｖ＝（Ｌ／２cosφ）・（（１／ｔ１）−（１／ｔ２）） ・・・式１
計測の時間間隔は超音波の送受信が可能な範囲で設定できるが、本発明では２秒間隔の計測を行っている。更に時間間隔を小さくすることは測定原理上可能であり、ガス器具によっては２秒より短時間で起動する器具もあるため、測定時間間隔を小さくすることは器具判別を瞬時に行う点では有利となるが、計測間隔を短くすると電池の消耗が大きくなるなどの課題がある、また計測時間を従来のガスメータで使用している膜式方式と同等の計測間隔が２桁オーダーの秒数間隔になると、本発明のアルゴリズムの流量変化の差分を見て判断することが困難になり、コストや器具判別の性能面からバランスの良い時間として本発明では２秒間隔計測で行っている。

次に、ガス器具の動作状態の判別手順について図３をもとに説明する。

ガスメータ装置１では上記した様に２秒間隔毎にガス流量を計測し、そのデータを演算手段３に送り流量値を微分して２秒毎の流量の差分データとして出力している。

この差分データは逐次器具判別手段６に送られ、登録記憶手段５に登録されている変化判別値との比較を行っている。差分値が変化判別値を超えた場合、ガス器具に状態変化が
あったと判断する。変化が検知されると、器具判別手段６は登録記憶手段５に登録されている各ガス器具の状態別の器具判別値と比較し、器具の判別とその器具の状態の判別を行う。器具判別の結果、登録記憶手段５に登録されている器具ではないと判断した場合、不正使用判別手段７はある特定の流量値の連続があるかどうかを確認し、特定の流量値の連続があればユーザーの不正行為によってガスの不正使用が行われていると判断する。

図４（ａ）に実際のガス器具使用時のガス流量の変化と差分値の変化を示す。

図４（ａ）のグラフにおいて実線が流量計測手段により測定されたガスの流量値と破線がそのときの微分値、すなわち、２秒毎の差分値を示す。ガス器具の起動時には差分値はプラス側にピークを持って表現され、停止時にはマイナス側にピークをもって表現される。

次に図４（ｂ）にユーザーがガスメータ装置を取り外す等の不正行為を行った場合のガス流量の変化と差分値の変化の例を示す。

図４（ｂ）のグラフにおいて実線が流量計測手段により測定されたガスの流量値と破線がそのときの微分値、すなわち、２秒毎の差分値を示す。ユーザーがガスメータ装置を取り外す等の不正行為を行った時の例としては、例えば正常なガス器具の使用では起こりえないマイナスの流量が連続して発生する場面等が考えられる。このような場合、仮にしきい値として流量を−５０ｌ／ｈ、継続時間を連続１０秒であるとすると、図４（ｂ）に示すように−５０ｌ／ｈを超えるマイナスの流量が１０秒以上連続して流れると、ユーザーの不正行為によるガスの不正使用が行われたと判断する。

このように、ユーザーがガスを不正に使用する目的で、ガスメータ装置を取り外す等の不正行為を行ったとしても、正常なガス器具の使用では起こりえないマイナスの流量のような特定の流量値が連続して発生することを検出することで、ガスの不正使用の兆候を把握できるため、ガスの不正使用を防止することが可能となる。

また、図５に示すように、不正使用判別手段７が、例えば、正常なガス器具の使用では起こりえないマイナスの流量のような特定の流量値の発生を連続して検出することに加え、空気の混入等によりガス種記憶手段８に記憶されたガス種と、ガス種判別手段９が判別したガス種が異なったものとなり、ガス種が変化している時に、ガスの不正使用が行われていると判断する構成である場合には、ユーザーの不正行為によると思われる特定の流量値が連続して発生した時に、ガス種を判別してガスの成分に変化があったかどうかを確認し、ユーザーの不正行為により発生したものか、その他の要因で偶発的に発生したものかを総合的に判断できるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

なお、超音波測定方式においては、ガス種により超音波の伝達時間が変化することを利用し、空気の混入等によりガスの成分に変化があった場合には、超音波送受信器１８、１９間の順方向と逆方向の超音波の伝搬時間が双方とも同時に増加もしくは減少するため、比較的容易にガス種の変化を検出することが可能であり、流量計測手段２とガス種判別手段９を個別に設けることなく兼用することも可能である。

また、図６に示すように、不正使用判別手段７が、例えば、正常なガス器具の使用では起こりえないマイナスの流量のような特定の流量値の発生を連続して検出することに加え、圧力測定手段１０が計測するガス圧が急激に低下した時に、ガスの不正使用が行われていると判断する構成である場合には、ユーザーの不正行為によると思われる特定の流量値が連続して発生した時に、ガス供給管内のガス圧を計測して急激な圧力の低下があったかどうかを確認し、ユーザーの不正行為により発生したものか、その他の要因で偶発的に発
生したものかを総合的に判断できるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

また、図７に示すように、不正使用判別手段７が、例えば、正常なガス器具の使用では起こりえないマイナスの流量のような特定の流量値の発生を連続して検出することに加え、感振器１１が異常な振動を検出した時に、ガスの不正使用が行われていると判断する構成である場合には、ユーザーの不正行為によると思われる特定の流量値が連続して発生した時に、感振器１１がガスメータ装置を取り外す等の行為によって発生する異常な振動を検出したかどうかを確認し、ユーザーの不正行為により発生したものか、その他の要因で偶発的に発生したものかを総合的に判断できるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

なお、感振器１１については、ガスメータ装置を取り外す等の行為によって発生する異常な振動を検出する以外に、地震などの振動を検出する機能を兼用することも可能である。

また、図８に示すように、不正使用判別手段７が、例えば、ガスの不正使用が行われていると判断した時に、ガス遮断弁１２にガスを遮断させ、管理会社等により解除されない限り、ガス遮断弁１２にガスの遮断を継続させる構成である場合には、管理会社の点検等で不正行為が発覚しないように、ユーザーが事前に取り外したメーターを元通り取り付ける等の行為で自らの不正行為を隠匿しようとしても、管理会社等に連絡して遮断状態を解除してもらわない限り、正規の状態でガスを使用することができず、不正行為を隠匿することができなくなるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

また、図９に示すように、不正使用判別手段７が、例えば、ガスの不正使用が行われていると判断した時に、表示部１３にその旨を表示させる構成である場合には、ユーザーによる不正行為が行われたと判断した時点で、表示部１３に不正行為に対する警告等を表示し、不正行為を行った証拠として残すことで、不正行為を隠匿することができなくなるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

なお、表示部１３については、不正行為に対する警告等を表示する以外に、使用ガス流量等を表示する機能を兼用することも可能である。

また、図１０に示すように、不正使用判別手段７が、例えば、ガスの不正使用が行われていると判断した時に、報知手段１４にその旨をリアルタイムで管理会社等へ報知させる構成である場合には、ユーザーによる不正行為が行われたと判断した時点で、不正行為に対する警告等をリアルタイムで管理会社等へ報知するので、管理会社等の担当者が常時待機できる体制になっていれば、即座に該当ユーザー宅へのガスの供給停止や該当ユーザー宅への訪問調査や確認連絡等、状況に合わせて必要な対応を取ることができるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

また、図１１に示すように、不正使用判別手段７が、例えば、ガスの不正使用が行われていると判断した時に、不正使用記憶手段１５にその旨を記憶させ、報知手段１４に不正使用記憶手段１５の記憶内容を、所定のタイミングで定期的に管理会社等へ報知させる構成である場合には、ユーザーによる不正行為が行われたと判断した後、所定のタイミングで定期的に管理会社等へ報知するので、管理会社等の担当者がそのタイミングに合わせて待機するだけで、該当ユーザー宅へのガスの供給停止や該当ユーザー宅への訪問調査や確認連絡等、状況に合わせて必要な対応を取ることができるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

また、図１２に示すように、不正使用判別手段７が、例えば、ガスの不正使用が行われていると判断した時に、不正使用記憶手段１５にその旨を記憶させ、報知手段１４に不正使用記憶手段１５の記憶内容を、管理会社等からの問い合わせに応じて報知させる構成である場合には、ユーザーによる不正行為が行われたと判断した後、管理会社等からの問い合わせに応じて報知するので、管理会社等の担当者の都合に合わせて、該当ユーザー宅へのガスの供給停止や該当ユーザー宅への訪問調査や確認連絡等、状況に合わせて必要な対応を取ることができるため、より確実にガスの不正使用を防止することが可能となる。

また、以上のような本発明のガスメータ装置を用いたガスの供給源も含むガス供給システムも本発明に含まれるものとする。

なお、以上の説明は超音波流量計を用いた場合について説明したが、他の瞬間式の流量計測手段でも、同様の効果が得られることは明白である。

以上のように、本発明にかかわるガスメータ装置は、家庭用ガス供給管に接続され、ガス流量を計測する流量計測手段と、器具情報入力手段と、前記器具情報入力手段により登録されるデータを記憶する登録記憶手段と、前記登録記憶手段のデータである器具判別値をもとに前記流量計測手段で計測されるガス流量値とを比較し使用ガス器具を判断する器具判別手段と、ユーザーの不正行為等により前記登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生した場合にガスの不正使用が行われていると判断する不正使用判別手段を有する構成で、ユーザーがガスを不正に使用する目的で、ガスメータ装置を取り外す等の不正行為を行ったとしても、正常なガス器具の流量変化プロファイルとは異なる特定の流量変化プロファイルが発生することを検出することで、ガスの不正使用の兆候を把握できるため、ガスの不正使用を防止することができる。

本発明の実施の形態１における流量計測装置の構成図 本発明の実施の形態１における流量計測部構成図 本発明の実施の形態１における判別動作の流れ図 本発明の実施の形態１における流量及び演算値の図 本発明の実施の形態１における他の判別動作の流れ図 本発明の実施の形態１における他の判別動作の流れ図 本発明の実施の形態１における他の判別動作の流れ図 本発明の実施の形態１における他の判別動作の流れ図 本発明の実施の形態１における他の判別動作の流れ図 本発明の実施の形態１における他の判別動作の流れ図 本発明の実施の形態１における他の判別動作の流れ図 本発明の実施の形態１における他の判別動作の流れ図 従来の流量計測装置の判別方法データ構成図

符号の説明

１ ガスメータ装置
２ 流量計測手段
３ 演算手段
４ 器具情報入力手段
５ 登録記憶手段
６ 器具判別手段
７ 不正使用判別手段
８ ガス種記憶手段
９ ガス種判別手段
１０ 圧力測定手段
１１ 感震器
１２ ガス遮断弁
１３ 表示部
１４ 報知手段
１５ 不正使用記憶手段
１６ 制御回路
１７ 計測流路
１８、１９ 超音波送受信器

Claims (11)

1. 家庭用ガス供給管に接続され、ガス流量を計測する流量計測手段と、
   器具情報入力手段と前記器具情報入力手段により登録されるデータを記憶する登録記憶手段と、
   前記登録記憶手段に登録された器具判別値をもとに前記流量計測手段で計測されるガス流量値とを比較し使用ガス器具を判断する器具判別手段と、
   前記登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生し、且つ、前記流量計測手段で特定の流量値が連続して計測された場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する不正使用判別手段を有するガスメータ装置。
2. 正常使用時にガス供給管内に供給されるガス種を記憶しているガス種記憶手段と、現在供給されているガス種を判別するガス種判別手段とを有し、不正使用判別手段は、登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生したことに加え、空気の混入等により前記ガス種記憶手段に記憶されたガス種と、前記ガス種判別手段が判別したガス種が異なったものとなり、ガス種が変化している場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する請求項１に記載のガスメータ装置。
3. ガス供給管内のガス圧を計測する圧力測定手段を有し、不正使用判別手段は、登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生したことに加え、前記圧力測定手段が計測するガス圧が急激に低下した場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する請求項１に記載のガスメータ装置。
4. ガスメータ装置の振動を検出する感振器を有し、不正使用判別手段は、登録記憶手段に登録された器具判別値とは異なる特定の流量変化プロファイルが発生したことに加え、前記感振器が異常な振動を検出した場合に、ガスの不正使用が行われていると判断する請求項１に記載のガスメータ装置。
5. ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、ガスを遮断するガス遮断弁を有し、不正使用判別手段は、管理会社等により解除されない限り、ガス遮断弁にガスの遮断を継続させる請求項１〜４のいずれか１項に記載のガスメータ装置。
6. ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、その旨を表示する表示部を有する請求項１〜４のいずれか１項に記載のガスメータ装置。
7. ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、その旨をリアルタイムで管理会社等へ報知する報知手段を有する請求項１〜４のいずれか１項に記載のガスメータ装置。
8. ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、その旨を記憶する不正使用記憶手段と、前記不正使用記憶手段の記憶内容を所定のタイミングで定期的に管理会社等へ報知する報知手段を有する請求項１〜４のいずれか１項に記載のガスメータ装置。
9. ガスの不正使用が行われていると判断した場合に、その旨を記憶する不正使用記憶手段と、前記不正使用記憶手段の記憶内容を管理会社等からの問い合わせに応じて報知する報知手段を有する請求項１〜４のいずれか１項に記載のガスメータ装置。
10. 流量計測手段は、超音波計測方式からなる請求項１〜９のいずれか１項に記載のガスメータ装置。
11. 請求項１〜１０のいずれか１項に記載のガスメータ装置を用いたガス供給システム。