JP5194523B2 - X線発生装置 - Google Patents

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Description

この発明は、加速器内で円形の軌道を描きながら周回する電子によりX線などの電磁波を発生させる、X線発生装置に関する。
円形加速装置を利用したX線発生装置として、円形磁気誘導加速器(ベータトロン)を利用したものがある。従来のベータトロンを利用したX線発生装置においては、電子を加速器内の真空チャンバに入射するとき、および加速した電子をターゲットに衝突するときに電子ビーム軌道の遷移をさせるためにスパイク電圧を利用する構成にしている。(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−335099号公報(0020段、0021段、図4、図5)
ベータトロンを利用したX線発生装置では、電子を真空チャンバの外周部にある電子銃によって注入し、電子銃に当たらないようにするため内側に軌道を修正する。軌道修正には、コア磁石に巻着させたビーム制御コイルに負の電圧を印加する必要がある。
従来のX線発生装置では、ビーム制御コイルは、スイッチと抵抗、複数のコイルと複数のコンデンサからなるパルス形成用回路網(PFN)と接続されている。このスイッチが閉状態のときに電子が注入され、スイッチの切断時にPFNに設けられたコイルのインダクタンスにより負のスパイク電圧が発生する。これにより電子ビーム軌道を内側に遷移させる。電子ビーム軌道の遷移に、ビーム制御コイルに直列接続したインダクタンスを切断するときに発生するスパイク電圧を利用しているので、発生する電圧値が安定せず、電子ビーム軌道を精度良く遷移できないので、放射線強度コントロールが困難であるという問題点があった。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、電子ビーム軌道の変更を正確に行えるようにして、X線強度を高精度化することができるX線発生装置を得るものである。
この発明にかかわるX線発生装置においては、真空チャンバと、該真空チャンバの内部に電子を注入する電子銃と、前記真空チャンバの外側に配置され、前記真空チャンバ内の電子ビーム軌道を前記電子銃が外側に配置されるような円形に保つための磁界を生じさせるとともに、電子ビーム軌道内の磁束密度を変化させて、電子の加速に利用される誘導電界を生じさせる主励磁コイルと、前記真空チャンバ内の円形の電子ビーム軌道の内側に配置され、電子の衝突によりX線を発生するターゲットと、電子ビーム軌道を遷移させる磁界を生じさせるビーム制御コイルと、該ビーム制御コイルに可変調整された直流電圧を与える制御コイル電源とを備えたものである。
この発明によれば、安定した電子ビーム軌道の変更を実現し、放射線強度を高精度化することが可能となる。


実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるX線発生装置の鉛直断面図、図2はこの発明の実施の形態1におけるX線発生装置の水平断面図、図3はこの発明の実施の形態1における回路系統図、図4はこの発明の実施の形態1における電圧、電流、磁界の波形図である。
図1、図2において、内部を真空に保つ断面が矩形形状のドーナツ型であり内部に電子ビーム軌道100を有する真空チャンバ1と、この真空チャンバ1内に電子を入射するように電子銃2が設けられ、前記真空チャンバ1の外側に主励磁コイル3が設置され主励磁電源4により励磁される。また、前記真空チャンバ1の内側にビーム制御コイル5が設置され、制御コイル電源6で励磁される。主励磁コイル3と真空チャンバ1とビーム制御コイル5を挟むように電磁石7を設け、この電磁石7は真空チャンバ1を挟む箇所では上下の間隔は比較的広く、真空チャンバ1の内側でビーム制御コイル5を含む部分では上下の間隔を狭くなるようにしてある。真空チャンバ1の内部で、電子ビーム軌道100の内側には電子を衝突させ特性X線を発生させるターゲット8が置かれている。なお、電子ビーム入射時の電子ビーム軌道を101、ターゲットへの衝突時の電子ビーム軌道を102とする。
図3において、電磁石7を鉄心とするコイルは主励磁コイル3とビーム制御コイル5からなり、主励磁コイル3は交流電源である主励磁電源4に接続され、ビーム制御コイル5は複数の直流電源からなる制御コイル電源6に接続されている。この制御コイル電源6は、並列に接続された電圧V1の第1の直流電源11、電圧V2の第2の直流電源12、電圧V3の第3の直流電源13、電圧V4の第4の直流電源14から電力が供給される。第1の直流電源11は、第1のスイッチ15により電源供給の制御が行われ、この第1のスイッチ15を保護するため、第1のスイッチと並列に第1の還流ダイオード19、第1のスイッチと直列に第1の逆流防止ダイオード23を設けている。第2の直流電源12、第3の直流電源13、第4の直流電源14も同様に、それぞれ、第2のスイッチ16と第2の還流ダイオード20と第2の逆流防止ダイオード24、第3のスイッチ17と第3の還流ダイオード21と第3の逆流防止ダイオード25、第4のスイッチ18と第4の還流ダイオード22と第4の逆流防止ダイオード26を設けている。また、第1ないし第4の電源のスイッチ接続されていない端は接地27に接続され、ビーム制御コイル5の制御コイル電源6に接続されていない端は接地28に接続されている。
図4において、図4(a)は主励磁電源4から出力される電圧の波形、図4(b)は主励磁コイル3に流れる電流の波形、図4(c)は制御コイル電源6から出力される電圧の波形、図4(d)はビーム制御コイル5に流れる電流の波形、図4(e)は主励磁コイル3とビーム制御コイル5により生成される加速電圧の波形、図4(f)は電子ビーム軌道上に発生する磁界の波形を示す。
次に動作について、電子の加速から説明する。本発明のX線発生装置に用いるベータトロンでは、電子は電磁石7が電子ビーム軌道100の円内に与える磁束密度の変化による誘導電界を利用して加速する。また、電子ビーム軌道を円形に保つためにこの電磁石7が電子ビーム軌道100に与える磁界によるローレンツ力と電子の運動による遠心力とが平衡になるようにしてあり、次回の増加に従って電子が加速される。電子の遠心力とこの電磁石7による磁束密度および磁界の変化は主励磁電源4により励磁される主励磁コイル3の励磁電流が与える。
電子の加速には電子ビーム軌道100内の磁界の増大が必要であり、電子ビーム軌道100を円形に保つためには電子ビーム軌道100上の磁界による電子への力を円の中心方向へむける必要があるため、交流である主励磁電源4の1/4周期を利用する。すなわち、図4(b)に示す主励磁電流波形の時刻t2から時刻t5の間で電子を加速させる。
また、通常のサイン波形の加速電圧に対し大きい電圧を印加すると、電子ビームの速度が通常に比して上がることとなり、電子ビーム軌道は円形から外側に拡大する方向に向き、逆に通常のサイン波形の加速電圧に対し小さい電圧を印加すると、電子ビームの速度が通常に比して下がることとなり、電子ビーム軌道は円形から内側に縮小する方向に向く。
次に、電子の入射について説明する。加速電圧の正弦波が最大となっているタイミングで電子銃9から電子を入射する。このとき、1周した電子ビームが電子銃に衝突して損失とならないようにするため、軌道半径を縮小させる電子ビーム軌道101を描かせるように、入射タイミングに合わせて制御コイル電源6を駆動させてビーム制御コイル5にパルス電圧を印加して加速電圧を低下させる。入射が終わるタイミングでパルス電圧印加は終了し、その後は主励磁コイルによる正弦波状加速電圧の最大のタイミングからビーム加速が開始される。
電子のターゲット8への衝突時について説明する。ターゲット8は真空チャンバ1の内周に設置しているので、これに電子ビームを衝突させるためには再びビームを減速し軌道を縮小させる必要がある。このため、前記のビーム入射時と同様に、電子が所定のエネルギーまで達したとき、すなわち正弦波形の加速電圧が負になる直前に、制御コイル電源6を駆動させてビーム制御コイル5に負のパルス電圧を印加して加速電圧を低下させる。ターゲットへの衝突が終わるタイミングでパルス電圧印加は終了させる。
電子の入射、加速、ターゲットへの衝突における、制御コイル電源6の動作を詳細に説明する。制御コイル電源6を駆動させていないときは、図4(e)の加速電圧は図4(a)の主励磁コイル3への印加電圧と同じであり、図4(f)の磁界は図4(b)の主励磁電源4の電流に比例する。加速電圧が最大に近づいた時刻t1に、制御コイル電源6の第1のスイッチ15を入にする。制御電圧は図4(c)に示す第1の直流電源11の電圧V1となる。加速電圧は電子ビーム軌道100内への磁界の変化に影響するため、真空チャンバ1の内側にあるビーム制御コイル5が励磁されているときはビーム制御コイル5の影響が大きくなる。すなわち、制御電圧がV1になると加速電圧も図4(e)に示すV1となる。制御電流はビーム制御コイル5のインダクタンスにより変化するが、ビーム制御コイル5が主励磁コイル3に影響される磁界内にあるため図4(a)からの相対電圧によるインダクタンスで電流が変化し、図4(d)に示すように時刻t1とt2の間で増加する。
続いて、図4(a)の主励磁電圧が最大に達した時刻t2に、制御コイル電源6の第1のスイッチ15を切に、第2のスイッチ16を入にする。時刻t2とt3の間に、電子銃2より電子ビームを入射し、制御電圧は図4(c)に示す第2の直流電源12の電圧V2となり、加速電圧も図4(e)に示すV2となる。制御電流はビーム制御コイル5のインダクタンスにより図4(d)に示すように減少する。加速電圧が主励磁電圧より低いため電子ビーム軌道101のように縮小し、電子ビーム軌道100になる時刻t3に、制御コイル電源6の第2のスイッチ16を切にする。すなわち、時刻t2とt3の時間および電圧V2は、電子ビームを所定の電子ビーム軌道100にするために必要な値に設定され、時刻t1とt2の間の時間および電圧V1は図4(d)に示す制御電流の時刻t2とt3の間での減少分を打ち消すために必要な値に設定される。
時刻t3とt4の間は、制御コイル電源6を駆動させないで、主励磁コイル3により電子を加速する。加速電圧が0に近づいた時刻t4に、制御コイル電源6の第3のスイッチ17を入にする。制御電圧は図4(c)に示す負電圧である第3の直流電源13の電圧V3となり、V3が直流の一定電圧であるため加速電圧も図4(e)に示すV3となる。制御電流はビーム制御コイル5のインダクタンスにより図4(d)に示すように時刻t4とt5の間で減少する。加速電圧が主励磁電圧より低い値であるため、電子ビーム軌道は102のように縮小し電子をターゲット8に衝突させる。続いて、電子のターゲット8への衝突が終了し図4(a)の主励磁電圧が0となる時刻t5に、制御コイル電源6の第3のスイッチ17を切に、第4のスイッチ18を入にする。時刻t5とt6の間は、制御電圧は図4(c)に示す第4の直流電源14の電圧V4となり、加速電圧も図4(e)に示すV4となる。制御電流はビーム制御コイル5のインダクタンスにより図4(d)に示すように増加する。加速電圧が0となる時刻t6に制御コイル電源6の第4のスイッチ18を切にする。すなわち、時刻t4とt5の時間および電圧V3は、電子ビームの軌道を縮小しターゲットに衝突させるために必要な値に設定され、時刻t5とt6の間の時間および電圧V4は図4(f)に示す制御電流の時刻t4とt5の間での減少分を打ち消すために必要な値に設定される。
このように、実施の形態1では、電子ビームの軌道の遷移時に、ビーム制御コイルに直流電圧を印加することで、安定した電子ビーム軌道の変更を実現し、放射線強度を高精度化することができる。
実施の形態2.
なお、実施の形態1では、制御コイル電源6を4個の直流電源で構成したが、図5に示すように第3の直流電源13にスイッチのブリッジ回路30を接続することにより、3個の直流電源で構成してもよい。図5において、第3の直流電源13と接続するブリッジ回路30には、ブリッジ回路内の第1のスイッチ32、ブリッジ回路内の第2のスイッチ33、ブリッジ回路内の第3のスイッチ34、ブリッジ回路内の第4のスイッチ35と、これらスイッチに並列に接続するブリッジ回路内の第1の還流ダイオード36、ブリッジ回路内の第2の還流ダイオード37、ブリッジ回路内の第3の還流ダイオード38、ブリッジ回路内の第4の還流ダイオード39で構成される。ブリッジ回路の片端は接地27と接続し、他端は双方向スイッチ31を介してビーム制御コイル5に接続する。
次に動作について、実施の形態1と異なる部分について記載する。電子ビームの加速が終了する直前の、加速電圧が0に近づいた時刻t4に、制御コイル電源6の双方向スイッチ31、ブリッジ回路内の第1のスイッチ32、ブリッジ回路内の第4のスイッチ35を同時に入にする。制御電圧は負電圧である第3の直流電源13の電圧V3となり、V3が直流の一定電圧であるため加速電圧もV3となる。制御電流はビーム制御コイル5のインダクタンスにより時刻t4とt5の間で減少する。加速電圧が主励磁電圧より低い値であるため、電子ビーム軌道は102のように縮小し電子をターゲット8に衝突させる。
続いて、主励磁電圧が0となる時刻t5に、制御コイル電源6のブリッジ回路内の第1のスイッチ32、ブリッジ回路内の第4のスイッチ35を切に、ブリッジ回路内の第2のスイッチ33、ブリッジ回路内の第3のスイッチ34を入にする。時刻t5とt6の間は、第3の直流電源13が時刻t4とt5の間と逆方向で接続され正電圧である電圧−V3となり、加速電圧も−V3となる。制御電流はビーム制御コイル5のインダクタンスにより増加する。加速電圧が0となる時刻t6に制御コイル電源6の双方向スイッチ31、ブリッジ回路内の第2のスイッチ33、ブリッジ回路内の第3のスイッチ34を同時に切にする。すなわち、時刻t4とt5の時間および電圧V3は、電子ビームの軌道を縮小しターゲットに衝突させるために必要な値に設定され、時刻t5とt6の時間は制御電流の時刻t4とt5の間での減少分を打ち消すために必要な値に設定される。
このように、実施の形態2では、直流電源を1台減らし、3台の構成にしても、電子ビームをターゲットに正確に衝突させることができ、放射線強度を高精度化できると同時に、コストダウンを図ることができる。
実施の形態3.
なお、実施の形態2では、電子ビームのターゲットへの衝突時に使用する直流電源を1個の直流電源で構成したが、同様に電子ビーム入射時に使用する直流電源を1個の直流電源で構成してもよい。図6において、第1の直流電源11と接続するブリッジ回路40には、ブリッジ回路内の第1のスイッチ42、ブリッジ回路内の第2のスイッチ43、ブリッジ回路内の第3のスイッチ44、ブリッジ回路内の第4のスイッチ45と、これらスイッチに並列に接続するブリッジ回路内の第1の還流ダイオード46、ブリッジ回路内の第2の還流ダイオード47、ブリッジ回路内の第3の還流ダイオード48、ブリッジ回路内の第4の還流ダイオード49で構成される。ブリッジ回路の片端は接地27と接続し、他端は双方向スイッチ41を介してビーム制御コイル5に接続する。
図7は、この発明の実施の形態3における電圧、電流、磁界の波形図であり、図7(a)は主励磁電源4から出力される電圧の波形、図7(b)は主励磁コイル3に流れる電流の波形、図7(c)は制御コイル電源6から出力される電圧の波形、図7(d)はビーム制御コイル5に流れる電流の波形、図7(e)は主励磁コイル3とビーム制御コイル5により生成される加速電圧の波形、図7(f)は電子ビーム軌道上に発生する磁界の波形を示す。
次に動作について、実施の形態2と異なる部分について記載する。加速電圧が最大に近づいた時刻t1に、制御コイル電源6の双方向スイッチ41、ブリッジ回路内の第1のスイッチ42、ブリッジ回路内の第4のスイッチ45を同時に入にする。制御電圧は図7(c)に示す第1の直流電源11の電圧V1となり、加速電圧も図7(e)に示すV1となる。制御電流はビーム制御コイル5のインダクタンスにより図7(d)に示すように時刻t1とt2の間で増加する。
続いて、主励磁電圧が最大に達した時刻t2に、制御コイル電源6のブリッジ回路内の第1のスイッチ42、ブリッジ回路内の第4のスイッチ45を切に、ブリッジ回路内の第2のスイッチ43、ブリッジ回路内の第3のスイッチ44を入にする。同時に電子銃2より電子ビームを入射する。時刻t2とt3の間は、制御電圧は図7(c)に示すように第1の直流電源11の負方向の電圧−V1となり、加速電圧も図7(e)に示す−V1となる。制御電流はビーム制御コイル5のインダクタンスにより図7(d)に示すように時刻t2とt3の間で減少する。加速電圧が負電圧であるため、電子ビームは起動を内側へ縮小させながら軌道100と逆回りに進む。電子ビームが軌道100上に到達する時刻t3に、制御コイル電源6の双方向スイッチ41、ブリッジ回路内の第2のスイッチ43、ブリッジ回路内の第3のスイッチ44を同時に切にする。加速電圧が主励磁電圧と同じになるため、電子ビームは方向を変更し電子ビーム軌道100上を回るようになる。すなわち、時刻t2とt3の時間および負の電圧−V1は、電子ビームを所定の電子ビーム軌道100上に到達させるために必要な値に設定され、時刻t1とt2の間の時間は制御電流の時刻t2とt3の間での減少分を打ち消すために必要な値に設定される。
このように、実施の形態3では、実施の形態2よりさらに直流電源を1台減らし、2台の構成にしても、電子ビームをターゲットに正確に衝突させることができ、放射線強度を高精度化できると同時に、コストダウンを図ることができる。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4を示すものである。図8において、加速された電子がターゲット8に衝突して発生するX線31を検出するX線検出器32と、このX線検出器32の出力を制御コイル電源6へ入力するための帰還回路33を設けている。
電子ビーム入射の動作は、電子ビーム入射時のt2とt3の間の入射時加速電圧を低下させることでビーム軌道を縮小するようにしている。また、ターゲットへの衝突の動作は、電子ビーム衝突時のt4とt5の間の加速電圧を低下させることでビーム軌道を縮小し、ターゲットに照射されるようにしている。このような電子ビームの制御において、電磁石の磁気特性が電磁石温度変動に起因して変動することによる電子ビーム軌道変化や、ターゲットの位置変化などの原因でX線量が変動することがある。
この場合、電子ビーム入射時あるいはターゲットへの衝突時の電子ビーム軌道の調整により、X線量の変動を抑えることができる。すなわち、制御コイル電源内の各電源電圧をX線量検出値に応じて制御することでX線量の変動を抑制することができる。
このように、実施の形態4では、発生するX線を検出するX線検出器と、その出力を制御コイル電源へ入力するための帰還回路を設けることにより、放射線強度を高精度化することが可能となる。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5を示すものである。図9において、主励磁コイル3とコンデンサ53を並列に主励磁電源4に接続している。主励磁コイル3とコンデンサ53は共振するようにしている。すなわち、主励磁電源4の周波数をf、主励磁コイル3のインダクタンスをL、コンデンサ53の容量をCとすると、Cが以下の式で与えられる値になるようにコンデンサ53を選定する。
C=1/(4π22L)
以上の構成で、主励磁電源4に周波数fの交流電圧V0を発生させると、主励磁電源4から供給される負荷電流と、コンデンサ53と主励磁コイル3の間を往還する共振電流が発生する。共振電流の値Iωは以下の式で与えられる。
Iω={2πfC−1/(2πfL)}・V0
例えば、f=1000Hz、C=100μF、L=1mH、V0=200Vの場合、Iω=100Aとなり、励磁電流として100Aの正弦波電流を流すことができる。このとき、負荷電流の値Irは、コンデンサ53や主励磁コイル3が理想的で損失がなければ、Ir=0となるが、実際は共振回路における損失を補填する必要があり、通常は共振電流の1/10以下程度が流れる。
このように、実施の形態5では、主励磁コイルと並列に接続し共振するコンデンサを導入することにより励磁電流を発生させるため、主励磁電源の負荷電流を励磁電流より小さくでき、主励磁電源を小型化することができる。
なお、実施の形態5を示す図9において、制御コイル電源は実施の形態1と同様の構成としているが、実施の形態2或いは3と同様の構成にすることも可能である。
この発明の実施の形態1を示すX線発生装置の鉛直断面図である。 この発明の実施の形態1を示すX線発生装置の水平断面図である。 この発明の実施の形態1を示す回路系統図である。 この発明の実施の形態1を示す電圧、電流、磁界の波形図である。 この発明の実施の形態2を示す回路系統図である。 この発明の実施の形態3を示す回路系統図である。 この発明の実施の形態1を示す電圧、電流、磁界の波形図である。 この発明の実施の形態4を示すX線発生装置のブロック図である。 この発明の実施の形態5を示す回路系統図である。
符号の説明
1 真空チャンバ
2 電子銃
3 主励磁コイル
5 ビーム制御コイル
6 制御コイル電源
8 ターゲット
53 コンデンサ
100 電子ビーム軌道

Claims (5)

  1. 真空チャンバと、
    該真空チャンバの内部に電子を注入する電子銃と、
    前記真空チャンバの外側に配置され、前記真空チャンバ内の電子ビーム軌道を前記電子銃が外側に配置されるような円形に保つための磁界を生じさせるとともに、電子ビーム軌道内の磁束密度を変化させて、電子の加速に利用される誘導電界を生じさせる主励磁コイルと、
    記真空チャンバ内の円形の電子ビーム軌道の内側に配置され電子の衝突によりX線を発生するターゲットと、
    子ビーム軌道を遷移させる磁界を生じさせるビーム制御コイルと、
    該ビーム制御コイルに可変調整された直流電圧を与える制御コイル電源と
    を備えたX線発生装置。
  2. 制御コイル電源は、異なる電圧の複数の直流電源と、これらの直流電源をビーム制御コイルに接続するスイッチとを有することを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. スイッチは、直流電源に対しブリッジ状に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
  4. 発生するX線を測定するX線検出器と、該X線検出器の出力に応じて直流電源の電圧を調整する回路とを設けたことを特徴とする請求項2または3に記載のX線発生装置。
  5. 主励磁コイルと並列に、前記主励磁コイルと共振するコンデンサを設けたことを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載のX線発生装置。
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