JP5194320B2 - 静電選別システム - Google Patents

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Description

本発明は、静電選別システムに関し、特に、混合プラスチックに含まれる複数のプラスチックを選別する静電選別システムに関する。
プラスチック類を含む廃却された家電品および事務機械類などの廃却製品からプラスチックを有価な資源として回収する廃棄物の再資源化が行なわれている。この再資源化の過程において、破砕された複数種のプラスチック粒子よりなるプラスチック混合原料からプラスチックを高純度に分別回収する静電選別システムが開発されている。
このような廃棄物の再資源化においては、まず、解体が容易で有価な金属類および部品類が手解体などにより回収される。残る部分は解体および回収が難しい金属およびプラスチック類の複合物である。一般的には、この複合物は破砕処理されて、金属破砕粒子混合物とプラスチック類破砕粒子混合物とに大別される。さらに、これらの混合物は成分毎に分別回収処理がなされ、再資源化される。
本発明の適用先の一つは、比重が近接しているために比重選別法では分離回収が難しいプラスチック類破砕粒子混合物の選別処理である。
たとえば、遠藤康博他著、「使用済み家電混合プラスチックのリサイクル技術」、三菱電機技報、三菱電機株式会社、Vol.81、No.6、2007年発行(非特許文献1)に記載されているように、廃却された家電品類から得られた、主としてポリプロピレン(PP)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂およびポリスチレン(PS)樹脂よりなるプラスチック混合原料から比重選別法を用いて比重の軽いPP樹脂をまず選別回収する。そして、残るABS樹脂、PS樹脂、および残渣であるPP樹脂よりなるプラスチック混合原料から静電選別法を用いてABS樹脂とPS樹脂とを選別回収する。
具体的には、3成分すなわちABS樹脂、PS樹脂およびPP樹脂から主たる2成分であるABS樹脂およびPS樹脂を静電選別法で取り出す場合、たとえば静電選別処理を2段階で行なう。すなわち、1段階目でABS樹脂を選別回収し、2段階目でPS樹脂およびPP樹脂の混合物からPS樹脂を選別回収する。
このような場合、前段階の比重選別処理の残渣であるPP樹脂量がPS樹脂量に比べ1桁程度少ないため、特に2段階目の静電選別処理におけるプラスチック混合原料の組成は、偏った組成にならざるを得ない。たとえば、平均組成が、PS樹脂:PP樹脂=85〜95:15〜5となる。また、プラスチック混合原料の組成は、プラスチック混合原料の元である廃却製品の種別および量の変動、たとえば品目、数量および季節の変動などと、上流側の選別処理の動作状況などとによっても変化する。
一方、このような再資源化によって選別回収されたプラスチック原料よりなる再生プラスチック製品の強度などの物性は、原料である回収プラスチックの純度に大きく依存する。再生プラスチック製品についても新材料よりなる製品に近い特性を望む場合には、回収プラスチックの純度として少なくとも94%程度、好ましくは98%のレベルが要求される。但し、再生プラスチック製品の用途として、建材および公園ベンチなど高い品位を必要としない、いわゆるダウングレードユースの場合にはこの限りではない。
また、回収率は製品のコスト低減を図る上で重要である。すなわち、廃棄物であるプラスチック混合原料を再資源化し、回収されたプラスチックを幅広く製品に適用するためには、帯電に不利な偏った組成を有するプラスチック混合原料においても、安定して高純度かつ高回収率に分別回収することが可能な実用的な静電選別技術が求められる。
たとえば、特許第3549406号公報(特許文献1)には、以下のようなプラスチック選別方法が開示されている。すなわち、粉砕された複数種のプラスチック片を摩擦帯電装置に投入して攪拌することで帯電させ、帯電させたプラスチック片を摩擦帯電装置の下方に配置した静電分離部で分離し、プラスチック片を分離用容器に別々に回収するようにして特定のプラスチック片を取り出すようにする。また、回収しようとする特定のプラスチック片の量が少ない場合、複数種のプラスチック片同士を摩擦帯電装置で攪拌する際に、その特定のプラスチック片を摩擦帯電補助材として所定量だけ添加する。そして、摩擦帯電装置から落下したプラスチック片および摩擦帯電補助材のうち、摩擦帯電補助材を、静電分離部で分離されるまでに捕獲して摩擦帯電装置へ戻すことにより繰り返して使用する。
また、特開2000−126649号公報(特許文献2)には、以下のようなプラスチック選別方法が開示されている。すなわち、粉砕された複数種を混合したプラスチック片を摩擦帯電装置に投入して攪拌することで各プラスチック片の極性および帯電量に帯電させ、これら帯電させたプラスチック片を摩擦帯電装置の下方に配置した静電分離部で、極性および帯電量に応じて分離用容器に別々に回収するようにして特定のプラスチック片を取り出す。そして、回収しようとする特定のプラスチック片の量が少ない場合、混合したプラスチック片同士を摩擦帯電装置で攪拌する際に、その特定のプラスチック片、それと同種のプラスチック片、混合したプラスチック片の帯電序列で中間に位置するプラスチック片および所定の帯電序列でプラスまたはマイナス側に位置するプラスチック片のうちいずれかを摩擦帯電補助材として所定量だけ添加し、この添加した摩擦帯電補助材を摩擦帯電装置に残留させることで繰り返して使用する。
また、特開2007−111600号公報(特許文献3)には、以下のような帯電選別装置が開示されている。すなわち、帯電選別装置では、帯電序列内の位置が異なる第1および第2材料を含む混合物から、第1および第2材料を選別する。そして、この帯電選別装置は、混合物を帯電させ、少なくとも帯電機能を有する部分が第1材料で構成された第1帯電装置と、第1電極および第2電極を有し、第1および第2電極間に第1電界を発生させ、帯電した混合物に第1電界を通過させることにより、混合物から、混合物中の第1材料の含有比率よりも高い含有比率の第1材料を含む第1選別物と、混合物中の第2材料の含有比率よりも高い含有比率の第2材料を含む第2選別物とを選別する第1静電選別装置と、第2選別物を帯電させ、少なくとも帯電機能を有する部分が第2材料で構成された第2帯電装置と、第3電極および第4電極を有し、第3および第4電極間に第2電界を発生させ、帯電した第2選別物に第2電界を通過させることにより、第2選別物から、第1および第2材料を含む第3選別物と、第2選別物中の第2材料の含有比率よりも更に高い含有比率の第2材料を含む第4選別物とを選別する第2静電選別装置とを備える。
また、特許第3640571号公報(特許文献4)には、以下のようなプラスチック選別装置が開示されている。すなわち、プラスチック選別装置では、分離用空間の下方に、これを通過して分離されたプラスチック片を別々に回収するための回収部が設けられ、この回収部は複数個の回収室および回収部の各回収室を仕切る仕切り壁を備え、この仕切り壁がドラム電極に接近離間するよう水平方向に移動調節自在に構成され、仕切り壁を、各プラスチック片の極性および帯電量に伴う落下位置に応じて水平方向に移動させるための移動手段が設けられている。これにより、プラスチック片の選別がそれぞれの回収室において正確に行なえていない場合であっても、画像処理装置からのプラスチック片の静電分離状態に基づき、対向電極の電圧を変更することなく、回収室を仕切る仕切り壁をドラム電極に接近離間するよう移動手段を用いて、各プラスチック片の極性および帯電量に伴う落下位置に応じて水平方向に移動させることで、正確な分離回収ができる。
また、特開2003−103198号公報(特許文献5)には、以下のようなプラスチック選別装置が開示されている。すなわち、静電選別設備において、破砕されたプラスチック片の表面に付着する汚染物を除去する乾式洗浄装置と摩擦帯電装置との間に粉塵除去装置を設け、プラスチック片に同伴された粉塵を吸引除去するようにしたので、粉塵により静電分離精度が低下することなく高精度にプラスチック片を分離することができる。
遠藤康博他著、「使用済み家電混合プラスチックのリサイクル技術」、三菱電機技報、三菱電機株式会社、Vol.81、No.6、2007年発行 特許第3549406号公報 特開2000−126649号公報 特開2007−111600号公報 特許第3640571号公報 特開2003−103198号公報
しかしながら、特許文献1および2記載のプラスチック選別方法では、特定の組成に対して特定成分のプラスチックを補助粒子として用意する必要がある。また、補助粒子を捕獲して除去する機構を別途設ける必要があり、原料組成および原料種別に対して選別プロセスが硬直的で且つ複雑であるという問題点があった。
さらに、特許文献1および2記載のプラスチック選別方法では、選別すべきプラスチック片と比べて大きいプラスチック片を補助粒子として用いて、プラスチック原料におけるこれらのプラスチック片の混合比(表面積を基準として)を帯電に有利な1:1近傍に強制的に調整する。このため、原理上原料と少なくとも同量あるいはそれを超える例えば4倍程度の補助粒子を追加する必要があることから、多量の補助粒子を製作する必要があり、コストが増大してしまうという問題点があった。そして、プラスチック選別システムが実質的に処理可能な混合原料が半減以下あるいは1/5程度と大幅に減少し、また、選別前の乾燥処理において必要なエネルギーが倍以上あるいは5倍と大幅に増加するため、量産性および効率が悪くなるという問題点があった。
また、特許文献3および4には、上記のような補助粒子を用いることによる問題点を解決するための構成は開示されていない。さらに、特許文献4記載の構成では、得られる回収純度が80〜90%と低く、本発明が目標とする回収純度98%以上を得ることができない。
また、特許文献5記載の発明は、一般的な組成の混合プラスチックに対し安定な帯電を得ることを念頭になされたものであるため、本発明が対象とするプラスチック混合原料、すなわち帯電に不利な偏った組成を有するプラスチック混合原料を静電選別する際に発生する問題点に対処するには不十分である。すなわち、特許文献5に開示されている粉塵の除去レベル(含有率0.4%)では選別に必要な帯電量が得られないという問題点があった。
本発明の目的は、種々の混合原料を、低コストで、安定して高純度に選別することが可能な静電選別システムを提供することである。
この発明のある局面に係わる静電選別システムは、第1のプラスチックおよび第2のプラスチックを含む混合プラスチックを受けて帯電させる帯電部と、帯電した混合プラスチックから第1のプラスチックと第2のプラスチックとを静電的に分離する静電分離部と、混合プラスチックの組成を測定する原料組成評価部と、原料組成評価部による測定結果に基づいて、分離された第1のプラスチックおよび第2のプラスチックのいずれか一方を選択して帯電部へ送る再循環部とを備える。
またこの発明のさらに別の局面に係わる静電選別システムは、第1のプラスチックおよび第2のプラスチックを含む混合プラスチックを受けて、混合プラスチックに含まれるプラスチック微粉を除去する微粉除去部と、微粉除去部によってプラスチック微粉が除去された混合プラスチックを帯電させる帯電部と、帯電した混合プラスチックから第1のプラスチックと第2のプラスチックとを静電的に分離する静電分離部とを備える。
本発明によれば、種々の混合原料を、低コストで、安定して高純度に選別することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの選別性能を示すグラフ図である。 本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの選別性能を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムの構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムの選別性能を示すグラフ図である。 本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムの選別性能を示すグラフ図である。 本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムの構成を示す図である。 プラスチック混合原料の微粉含有率とPS/PP混合プラスチック粒子の帯電特性との関係を示すグラフ図である。 PS/PP混合プラスチック粒子の帯電時間と帯電密度差との関係を示すグラフ図である。 プラスチック混合原料に含まれる微粒子および微粉の条件と帯電性との関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムの変形例の構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る静電選別システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 供給部、2 乾燥処理部、3,23 帯電部、4,24 静電分離部、5 回収部、6,16 再循環部、7 原料組成評価部、8 微粉除去部、9 微粉計測部、11 再循環切り替え部、12 貯蔵部、13 再循環供給部、101〜105 静電選別システム。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの構成を示す図である。
図1を参照して、静電選別システム101は、供給部1と、乾燥処理部2と、帯電部3と、静電分離部4と、回収部5と、再循環部6と、原料組成評価部7とを備える。再循環部6は、貯蔵部12と、再循環供給部13とを含む。
供給部1は、外部から受けたプラスチック混合原料を乾燥処理部2へ送り、かつ乾燥処理部2へ送るプラスチック混合原料の量を制御する。
乾燥処理部2は、供給部1および再循環供給部13から受けたプラスチック混合原料を乾燥させて帯電部3へ送る。
帯電部3は、乾燥処理部2から受けたプラスチック混合原料を帯電させて静電分離部4へ送る。
静電分離部4は、帯電部3によって帯電したプラスチック混合原料からPS樹脂粒子P1とPP樹脂粒子P2とを静電的に分離し、回収部5へ送る。
回収部5は、静電分離部4から受けたプラスチックを回収する。回収部5において、プラスチック混合原料中の多量成分であるPS樹脂粒子P1と、少量成分であるPP樹脂粒子P2と、PS樹脂粒子P1およびPP樹脂粒子P2の混合粒子P3(静電選別における中間成分)とが回収される。
再循環部6は、分離されたPP樹脂粒子P2の少なくとも一部を静電選別システム101の上流側に再循環させる、すなわち分離されたPP樹脂粒子P2の少なくとも一部を乾燥処理部2へ送る。たとえば、再循環部6は、PP樹脂粒子P2を搬送するための気流搬送機、ベルトコンベアおよび振動搬送機等を含む。
より詳細には、貯蔵部12は、回収部5で回収されたPP樹脂粒子P2を蓄える。再循環供給部13は、貯蔵部12に蓄えられたPP樹脂粒子P2を乾燥処理部2へ送り、かつ乾燥処理部2へ送るPP樹脂粒子P2の量を制御する。
このように、PP樹脂粒子P2を乾燥処理部2へ送ることにより、静電選別システムの起動時において再循環されたプラスチックが吸湿している場合、および再循環部6における湿度管理が不十分なために再循環プラスチックが吸湿している恐れがある場合などでも安定して選別処理を行なうことができる。
なお、静電選別システムの連続的な運転時において再循環に要する時間が短い場合には、再循環されたプラスチックについては乾燥処理を省略する。すなわち、図1に示す点線の矢印のように、再循環供給部13は、貯蔵部12に蓄えられたPP樹脂粒子P2を直接帯電部3へ送る構成とすることができる。このような構成により、乾燥処理に要するエネルギーを低減することができる。
ここで、回収部5で回収されたPP樹脂粒子P2のうち、点線より右側のPP樹脂粒子が再循環部6へ送られ、点線より左側のPP樹脂粒子が、選別処理の結果得られた製品として静電選別システム101から取り出される。
なお、再循環されるPP樹脂粒子の量は、静電選別システム101の立上げ時に一時的に増える場合もありうる。また、貯蔵部12を用いて再循環量をオン・オフ的に運転する場合には、あるときは再循環量が多く、あるときは再循環量が少なくなる場合もありうる。
また、貯蔵部12に一定レベルまでPP樹脂粒子P2が蓄積されるように、回収部5で回収されたPP樹脂粒子P2の全部または一部がたとえばオン・オフ運転により再循環される。このような構成により、帯電部3が受けるプラスチック混合原料を起動時から速やかに所望の組成に調合し、安定して選別処理を行なうことができる。
なお、静電選別システムは、貯蔵部12を備えない構成であってもよい。この場合、再循環部6は、供給部1の供給量と連動して常に同量だけPP樹脂粒子P2を再循環させればよい。
また、原料組成評価部7は、外部から受けたプラスチック混合原料の組成を測定し、この組成情報を再循環部6へ出力する。なお、原料組成評価部7は、帯電部3が乾燥処理部2から受けるプラスチック混合原料の組成を測定する構成であってもよい。
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムが選別処理を行なう際の動作について説明する。まず、定常運転時の静電選別システム101の動作を説明する。
ここでは、選別対象であるプラスチック混合原料の平均組成は、PS樹脂粒子88.5重量%、PP樹脂粒子11.5重量%であり、±8.5ポイントの変動幅を有するものと仮定して説明する。
異粒子同士の摩擦による帯電を利用してプラスチック粒子を帯電させ、電界空間を落下する帯電粒子の軌跡の差異で材料を選別する静電選別システムにおいては、特に偏った組成条件下で組成が変動すると異粒子同士の衝突頻度、ひいては粒子の帯電状態が変化しやすくなるため、結果的に選別性能が大きく変動する。
しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムでは、再循環部6は、選別された少量成分であるPP樹脂粒子P2の少なくとも一部を帯電部3の上流側に再循環させる。これにより、帯電部3が受けるプラスチック混合原料の組成を選別に有利な組成、たとえばPP樹脂粒子P2の割合が15重量%以上である状態を保つ。
より詳細には、再循環供給部13は、原料組成評価部7から受けたプラスチック混合原料の組成情報に基づいて、再循環量すなわちPP樹脂粒子P2を乾燥処理部2へ送る量を制御する。このような構成により、偏った組成条件下で組成が変動した場合であっても、選別性能が大きく変動することを防ぐことができる。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの選別性能を示すグラフ図である。図2において、横軸はプラスチック混合原料のPP樹脂含有率を示し、縦軸はPS樹脂の回収率を示す。
グラフG1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの回収率を示す。また、グラフG2は、プラスチック混合原料におけるPP樹脂の濃度が低い場合における、PP樹脂粒子の再循環を行なわない従来の静電選別システムの回収率を示す。また、グラフG3は、プラスチック混合原料におけるPP樹脂の濃度が高い場合における、PS樹脂粒子の再循環を行なわない従来の静電選別システムの回収率を示す。また、A1は、従来の静電選別システムにおいて帯電されるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の範囲を示す。A2は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムにおいて帯電されるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の範囲を示す。
グラフG2から分かるように、PP樹脂粒子P2を再循環しない従来の静電選別システムは、プラスチック混合原料の組成変動の影響を受ける。すなわち、製品であるPS樹脂の回収率が64%(PP樹脂粒子P2の含有率が3%のとき)から88%(PP樹脂粒子P2の含有率が20%のとき)まで変動している。特に、PP樹脂粒子P2の濃度が低下すると、製品であるPS樹脂の回収率が大きく低下する。
一方、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムでは、帯電部3が受けるプラスチック混合原料の組成を、少量成分であるPP樹脂粒子P2の割合がたとえば15重量%以上となる組成に調整する。これにより、PP樹脂粒子P2とPS樹脂粒子P1との衝突頻度が増大することにより、PS樹脂粒子P1の帯電量を増大させることができるため、グラフG1から分かるようにPS樹脂の回収率を84%以上に安定に保つことができる。
ところで、特許文献1および2記載のプラスチック選別方法では、特定の組成に対して特定成分のプラスチックを補助粒子として用意する必要がある。また、補助粒子を捕獲して除去する機構を別途設ける必要があり、原料組成および原料種別に対して選別プロセスが硬直的で且つ複雑であるという問題点があった。ここで、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの特長は、元来不純物成分として製品価値の低い少量成分すなわちPP樹脂粒子P2を帯電部3の上流側に再循環し、プラスチック混合原料から容易に入手できる安価な帯電補助材として活用することにある。このような構成により、特定の組成に対して特定成分のプラスチックを補助粒子として用意する必要がなくなり、また、原料組成および原料種別に対して選別プロセスを柔軟かつ簡易にすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムでは、既設の静電選別部5の機能を流用することにより、回収すべき多量成分であるPS樹脂粒子P1と補助粒子として用いる少量成分であるPP樹脂粒子P2とを選別する構成であるため、帯電補助粒子を捕獲して除去する構成が不要となる。
さらに、特許文献1および2記載のプラスチック選別方法では、選別すべきプラスチック片と比べて大きいプラスチック片を補助粒子として用いるため、原理上原料と少なくとも同量あるいはそれを超える例えば4倍程度の補助粒子を追加する必要があることから、多量の補助粒子を製作する必要があり、コストが増大してしまうという問題点があった。そして、プラスチック選別システムが実質的に処理可能な混合原料が半減以下あるいは1/5程度と大幅に減少し、また、選別前の乾燥処理において必要なエネルギーが倍以上あるいは5倍と大幅に増加するため、量産性および効率が悪くなるという問題点があった。また、従来の静電選別システムでは、帯電補助粒子を捕獲するために、帯電補助粒子は選別対象である原料よりも通常2〜3倍程度大きく作られている。このため、帯電補助粒子において帯電に直接的に寄与する表面積が小さいことから、帯電効率が悪かった。
しかしながら、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムでは、選別対象である原料の一部を帯電補助粒子として活用する。このような構成により、補助粒子を製作する必要がなくなる。また、帯電補助粒子として用いる粒子の径と選別対象である粒子の径とが同じである。これにより、再循環させる少量成分の量は、従来の静電選別システムにおける帯電補助粒子と比べてたとえば半分から1/4程度で済むため、プラスチック選別システムの処理能力が減少することを防ぐことができ、また、選別前の乾燥処理において必要なエネルギーが増加することを防ぐことができる。
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムでは、種々の混合原料を、低コストで、安定して高回収率かつ高効率に選別することができる。
一方、過度に少量成分を再循環させてプラスチック混合原料に添加すると、プラスチック混合原料中のPS樹脂濃度を下げることになるため、PS樹脂の濃縮工程である静電分離が困難となるという課題がある。具体的には、原料中のPS樹脂の濃度が低い条件下でも、濃度が高い条件と同レベルの高純度なPS樹脂を回収するために、異粒子間の帯電量の差を大きくする必要がある。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの選別性能を示すグラフ図である。図3において、横軸はプラスチック混合原料のPP樹脂含有率を示し、縦軸はPS樹脂の回収純度を示す。
グラフG1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムの回収純度を示す。また、グラフG2は、プラスチック混合原料におけるPP樹脂の濃度が低い場合における、PP樹脂粒子の再循環を行なわない従来の静電選別システムの回収純度を示す。また、グラフG3は、プラスチック混合原料におけるPP樹脂の濃度が高い場合における、PS樹脂粒子の再循環を行なわない従来の静電選別システムの回収純度を示す。また、A1は、従来の静電選別システムにおいて帯電されるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の範囲を示す。A2は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムにおいて帯電されるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の範囲を示す。
グラフG3から分かるように、従来の静電選別システムでは、PP樹脂粒子P2の割合がプラスチック混合原料の25%を超えると、PS樹脂の回収純度が大きく低下する。これは、前述のように、原料中のPS樹脂の濃度の低下による選別難易度の上昇の影響が、PP樹脂の濃度の上昇による帯電量の増大の影響よりも大きく、PS樹脂を高純度に回収することが難しいためである。
そこで、製品として価値の低い少量成分であるPP樹脂粒子P2を再循環させて多量成分であるPS樹脂粒子P1の帯電を強化することに加えて、帯電部3が受けるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率に上限および下限を設けることが考えられる。
具体的には、回収すべきPS樹脂粒子の回収純度および回収率とPP樹脂粒子のプラスチック混合原料における割合との相関を求め、回収純度および回収率の目標値との関係などを整理して、PP樹脂含有率の適切な目標範囲を設定する。
たとえば、帯電部3が受けるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の目標上限値を、PS樹脂の回収純度が低下し始める23%に設定する。但し、先に仮定した条件では、プラスチック混合原料中のPP樹脂含有率がバラツキを含めて20%程度以下であり、上限値の23%を下回るため、PP樹脂含有率の上限を調整するための具体的措置は不要であった。すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムでは、PP樹脂平均含有率が25%以下であるプラスチック混合原料が選別対象となる。なお、PP樹脂含有率の上限を制御するための具体的措置については、本発明の第2の実施の形態において説明する。
一方、PP樹脂含有率の適切な目標下限値の設定は以下の通りである。すなわち、PP樹脂粒子P2の再循環量の増大は、静電選別システムの最大処理量の制約により、実質的に選別処理されるプラスチック混合原料の低減、および再循環部6を構成する設備の増大をもたらすため、基本的に好ましいものではない。そこで、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムでは、PS樹脂の回収率として80%程度を確保したいという目標との兼ね合いで、帯電部3が受けるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の目標下限値を15%に設定した。すなわち、外部から受けたPP樹脂含有率が15%以下の場合に再循環部6がPP樹脂粒子P2を再循環させることで帯電部3が受けるPP樹脂含有率が15%以上になるように設定した。
ここで、原料組成評価部7は、連続的或いは定期的に、少なくともPP樹脂についてのプラスチック混合原料の組成情報を得る。そして、再循環供給部13は、原料組成評価部7から受けた組成情報と、供給部1によるプラスチック混合原料の供給流量情報とに基づいて、PP樹脂粒子P2の再循環量を制御する。
また、原料組成評価部7は、たとえば、赤外線スペクトル等の分光法を用いた樹脂種の特定あるいは試薬による湿式分析を用いた樹脂種の特定などと、重量測定とを組み合わせてプラスチック混合原料の組成情報を得る。あるいは、原料組成評価部7は、スペクトル分光法を用いてプラスチック粒子の樹脂種を個々に特定し、それを基に個数ベースの組成情報を算出し、これを活用する。
なお、プラスチック混合原料の組成の短時間での大きな変動は通常稀であることから、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムが採用する高度な制御方式の代わりに、一定量のPP樹脂粒子P2、たとえばプラスチック混合原料の5%に相当するPP樹脂粒子P2を再循環する構成であっても、PP樹脂含有率が特に低い場合における回収率の大きな低下を防ぐ効果がある。これは、細かな回収率の維持向上が必ずしも必要でない場合も同様である。
また、静電選別システムは、プラスチック混合原料の特に大きな組成変動がある場合、手動で少量成分の再循環量を調整することが可能な構成であってもよい。
また、静電選別システムにおいて採用された制御方式の要求に応じて、原料組成評価部7は、プラスチック混合原料におけるPP樹脂についての組成情報を高頻度に測定し、静電選別システム101の制御側に組成情報を提供する自動分析機器であってもよい。
また、プラスチック混合原料の組成が短時間で大きく変動しない場合、原料組成評価部7を用いる代わりに、投入原料のロット毎の組成情報に基づいて少量成分の再循環量を決定する構成であってもよい。また、上記組成情報は、原料ロットの組成分析結果、ならびにプラスチック混合原料の元原料である廃却された家電品および事務機械類などの廃却製品の種別および数量などの、廃棄物処理システム上流側の情報により推定された組成情報であってもよい。
また、原料組成評価部7は、厳密な組成情報を得る構成である必要は必ずしも無く、静電分離部4で選別された各プラスチック成分すなわちPS樹脂粒子P1、PP樹脂粒子P2および混合粒子P3の重量配分に関わる情報等に基づいて原料組成を推定する構成であってもよい。具体的には例えば、予め得られた選別後の各プラスチック成分の重量配分の組成依存性に関わる装置データ(重量配分と組成の相関データ)に対し、選別中の各時点で得られたPS樹脂粒子P1、PP樹脂粒子P2および混合粒子P3の重量配分に関わるデータを参照することで、上記各時点でのプラスチック混合原料の推定組成を得ることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムでは、図1に示すように、回収部5で回収された高純度なPP樹脂粒子P2の一部を再循環部6へ送るように構成したが、これに限定するものではない。回収部5が、さらに、回収されたPP樹脂粒子を相対的に高純度なPP樹脂粒子と相対的に低純度なPP樹脂粒子とに区分して回収し、低純度なPP樹脂粒子を再循環部6へ送る構成であってもよい。PP樹脂粒子の再循環はあくまで組成調整を目的とするため、プラスチック混合原料よりもPP樹脂組成が高ければ効果が得られる。具体的には、混合粒子P3(静電選別における中間成分)の近傍に落下したPP樹脂粒子(模式的には図1において点線より左側のPP樹脂粒子)を再循環する方が、製品の純度管理および製品量の増大という点で有利である。再循環するPP樹脂は組成がたとえば60%以上あれば十分利用可能である。
次に、起動時の静電選別システム101の動作を説明する。
静電選別システム101では、再循環したPP樹脂粒子P2を一定量貯蔵する貯蔵部12が設けられている。そして、静電選別システム101の起動時には貯蔵部12が蓄えているPP樹脂粒子P2と供給部1から供給されるプラスチック混合原料とを必要に応じて適宜混合し、帯電部3において帯電することにより、起動時から良好な回収純度および回収率を得ることができる。
そして、静電分離部4および回収部5によって選別回収されたPP樹脂粒子P2は、貯蔵部12に戻される。
運用的には、たとえば、起動時には、再循環部6のデッドボリュームすなわち樹脂粒子の流路の体積を勘案して定常運転時よりも多めにPP樹脂粒子P2を貯蔵する。或いは、運転開始後のみデッドボリューム分だけ定常運転時よりも多いPP樹脂粒子P2を貯蔵部12に戻す。
なお、静電選別システム101の導入直後の起動時においては、貯蔵部12を含めて少量成分であるPP樹脂粒子P2は一切保有されていないが、以下のように取り扱えばよい。
図2および図3に示すように、PP樹脂粒子P2を再循環させない場合でも、回収率は劣るものの比較的高い純度で選別回収を行なうことが可能である。選別後のPP樹脂粒子P2が多く含まれる回収物を再循環部6を通して再循環し、運転をしばらく継続することで、再循環部6によって再循環されるPP樹脂粒子P2の純度が増すため、定常運転が可能になる。プラント容量にも依存するが、1時間〜半日程度で定常運転に移ることが可能である。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る静電選別システムと比べて再循環させる樹脂粒子を選択する機能を追加した静電選別システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る静電選別システムと同様である。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムの構成を示す図である。
図4を参照して、静電選別システム102は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムと比べて、再循環部6の代わりに再循環部16を備える。再循環部16は、再循環切り替え部11と、貯蔵部12と、再循環供給部13とを含む。
再循環切り替え部11は、原料組成評価部7によって得られたプラスチック混合原料の組成情報に基づいて、分離されたPP樹脂粒子P2を貯蔵部12へ送るか、分離されたPS樹脂粒子P1を貯蔵部12へ送るかを切り替える。すなわち、静電選別システム102では、再循環経路の導入部を切り替え可能とすることで、1個の再循環部16を少量成分である樹脂粒子と多量成分である樹脂粒子とで共用している。なお、静電選別システムの使用頻度が高い場合などには、少量成分および多量成分でそれぞれ専用の再循環経路を設けてもよい。
また、再循環供給部13は、原料組成評価部7によって得られたプラスチック混合原料の組成情報に基づいて、帯電部3が受けるプラスチック混合原料中のPS樹脂の割合が所定範囲になるように、帯電部3へ送るPS樹脂粒子P1およびPP樹脂粒子P2の量を制御する。
ここでは、選別対象であるプラスチック混合原料の平均組成は、PS樹脂粒子82重量%、PP樹脂粒子18重量%であり、±10ポイントの変動幅を有するものと仮定して説明する。
静電選別システム102は、外部から受けたプラスチック混合原料のPP樹脂含有率が規定値であるたとえば15%よりも低い場合、少量成分であるPP樹脂粒子P2の少なくとも一部を再循環部16によって帯電部3の上流側に再循環する。これにより、帯電部3が受けるプラスチック混合原料の組成を選別に有利な組成、たとえばPP樹脂粒子P2の割合が15重量%以上である状態を保つ。
また、静電選別システム102では、外部から受けたプラスチック混合原料のPP樹脂含有率が規定値であるたとえば21%よりも高い場合、多量成分であるPS樹脂粒子P1の少なくとも一部を再循環部16によって帯電部3の上流側に再循環する。これにより、帯電部3が受けるプラスチック混合原料の組成を選別に有利な組成、たとえばPP樹脂粒子P2の割合が21重量%以下である状態を保つ。
ここで、再循環量は、原料組成評価部7によって得られるプラスチック混合原料の組成情報と、供給部1によるプラスチック混合原料の供給流量とに基づいて決定される。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムの選別性能を示すグラフ図である。図5において、横軸はプラスチック混合原料のPP樹脂含有率を示し、縦軸はPS樹脂の回収率を示す。
グラフG1は、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムの回収率を示す。また、グラフG2は、再循環を行なわない従来の静電選別システムの回収率を示す。また、A1は、従来の静電選別システムにおいて帯電されるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の範囲を示す。A2は、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムにおいて帯電されるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の範囲を示す。
静電選別システム102では、少量成分であるPP樹脂粒子P2の含有率が相対的に低い場合、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムと同様に、選別後のPP樹脂粒子P2を再循環して帯電部3が受けるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率を上げることにより、PS樹脂粒子P1の回収率を向上させることができる。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムの選別性能を示すグラフ図である。図6において、横軸はプラスチック混合原料のPP樹脂含有率を示し、縦軸はPS樹脂の回収純度を示す。
グラフG1は、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムの回収純度を示す。また、グラフG2は、再循環を行なわない従来の静電選別システムの回収純度を示す。また、A1は、従来の静電選別システムにおいて帯電されるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の範囲を示す。A2は、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムにおいて帯電されるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率の範囲を示す。
先に仮定した条件では、プラスチック混合原料のPP樹脂含有率は、PS樹脂の回収純度を低下させる比較的高濃度なレベルまで変動している。
すなわち、再循環を行なわない従来の静電選別システムでは、少量成分であるPP樹脂粒子P2の濃度が上昇すると、製品であるPS樹脂の回収純度が大きく低下する。
しかしながら、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムでは、再循環切り替え部11は、原料組成評価部7から受けたプラスチック混合原料の組成情報により、PP樹脂含有率がたとえば21%を超えると、選別後の多量成分であるPS樹脂粒子P1を貯蔵部12へ送る。すなわち、多量成分であるPS樹脂粒子P1を帯電部3の上流側に再循環させることにより、帯電部3が受けるプラスチック混合原料の組成を選別に有利な組成、たとえば少量成分であるPP樹脂粒子P2の割合が21重量%以下である状態を保つ。これにより、グラフG1で示すように、98%のPS回収純度を維持することができる。
一方、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムでは、選別された高純度な製品すなわちPS樹脂粒子P1の一部を原料側に再循環させるため、グラフG1で示すように、PS樹脂の回収率がやや低下する。しかしながら、再資源化された樹脂を新品の樹脂と近いレベルで再利用するためには、高い純度で選別回収を行なう必要がある。プラスチック混合原料の組成が大きく変動する場合には、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムが奏する効果は大きい。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る静電選別システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。したがって、本発明の第2の実施の形態に係る静電選別システムでは、種々の混合原料を、低コストで、安定して高純度、高回収率かつ高効率に選別することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る静電選別システムと比べて混合プラスチック原料中の微粉を除去する機能を追加した静電選別システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る静電選別システムと同様である。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムの構成を示す図である。
図7を参照して、静電選別システム103は、本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムと比べて、さらに、微粉除去部8を備える。
微粉除去部8は、外部から受けたプラスチック混合原料に含まれるプラスチック微粉を除去し、除去後のプラスチック混合原料を供給部1へ送る。
供給部1は、微粉除去部8から受けたプラスチック混合原料を乾燥処理部2へ送り、かつ乾燥処理部2へ送るプラスチック混合原料の量を制御する。
ここでは、選別対象であるプラスチック混合原料の平均組成は、PS樹脂粒子90重量%、PP樹脂粒子10重量%であるものと仮定して説明する。
微粉除去部8は、プラスチック微粉を除去することにより、帯電部3における帯電を阻害しないようなレベルにプラスチック混合原料の微粉含有量を維持する。
プラスチック混合原料には、規格寸法以下の破砕片として、微粒子、および微粒子より更に微小な微粉が含まれる。本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムは、第1に、静電気力でプラスチック粒子表面に強固に固着する微粉が、プラスチック粒子の帯電に大きな悪影響を与えるという新たな知見に基づく。第2に、その悪影響はプラスチック混合原料の組成が偏るほど顕著になるというもう一つの新たな知見に基づく。
ここで、微粉は、目の開き0.3mm以下の篩(ふるい)を通過する微粒子として定義する。すなわち、微粉除去部8は、0.3mm以下の径を有するプラスチック微粉を除去する。
図8は、プラスチック混合原料の微粉含有率とPS/PP混合プラスチック粒子の帯電特性との関係を示すグラフ図である。図8において、横軸はプラスチック混合原料の微粉含有率を示し、縦軸はPS/PP混合プラスチック粒子の帯電密度差すなわちPS樹脂粒子−PP樹脂粒子間の帯電密度の差を示す。また、P1,P2,P3はプラスチック混合原料のPP樹脂含有率がそれぞれ10重量%,25重量%,50重量%である場合を示す。
図8における縦軸の帯電密度差は、本材料系では、正に帯電するPS樹脂粒子P1と、負に帯電するPP樹脂粒子P2との間の帯電密度の差であり、この帯電密度差が本材料系を静電選別する駆動力になる。本材料系で高い回収率を維持しつつPS樹脂の回収純度が98%レベルである静電選別を行なうためには、図8においてDで示すように、経験的に1nC/cm2程度以上の帯電密度差が要求される。この1nC/cm2程度以上の帯電密度差を達成するには、PP樹脂含有率が10重量%の場合には、微粉含有率を0.015%程度以下に保つ必要がある。また、PP樹脂含有率が25重量%の場合には、微粉含有率を0.05%程度以下に保つ必要がある。
このように、帯電部3が受けるプラスチック混合原料のPP樹脂含有率が高いほど帯電しやすく、プラスチック混合原料の微粉含有を許容する傾向がある。このため、静電選別システムがPP樹脂粒子P2の再循環を行なう場合には、微粉除去部8によって微粉含有率をたとえば0.03%以下にすれば、PS/PP混合プラスチック粒子の十分な帯電密度差を得ることができる。
本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムでは、回収部5で回収されたPP樹脂粒子P2を再循環部6によって帯電部3の上流側に再循環し、PP樹脂濃度の調整目標範囲の下限値をたとえば10%に設定して静電選別システムを動作させる。そして、さらに、微粉除去部8によってプラスチック混合原料の微粉含有率を0.015%以下に保つ。
図9は、PS/PP混合プラスチック粒子の帯電時間と帯電密度差との関係を示すグラフ図である。図9において、横軸はPS/PP混合プラスチック粒子の帯電時間を示し、縦軸はPS/PP混合プラスチック粒子の帯電密度差を示す。また、P11は、微粉除去部8を備え、再循環部6を備えないと仮定した場合の静電選別システム103の帯電密度差を示す。P12は、微粉除去部8および再循環部6を備える静電選別システム103の帯電密度差を示す。P13は、微粉除去部8および再循環部6を備えない従来の静電選別システムの帯電密度差を示す。
図8および図9を参照して、微粉除去部8によって微粉含有率をさらに0.01%以下にすれば、PS/PP混合プラスチック粒子の帯電量が一層強化される(図8のP1)。これにより、プラスチック混合原料のPP樹脂含有率が10%未満の場合でも、PP樹脂粒子P2の再循環量を削減した状態において高性能で安定な静電選別が可能になる。あるいは、PP樹脂粒子P2の再循環を行なわない構成であっても、高性能で安定な静電選別が可能になる(図9のP11)。また、PP樹脂粒子P2の含有率が25%を越えるような場合でも、帯電密度差を増大させることができ、PS樹脂の回収純度の低下を緩和することができる。その結果、PP樹脂濃度の調整目標範囲の上限値についての制約を緩和することができる。
なお、微粉除去部8を備えず、原料中の微粉量を管理しない従来の静電選別システムでは、微粉含有率がたとえば0.03%−0.1%の範囲となる。このため、プラスチック混合原料の組成が偏っており、かつ微粉量が多い場合には、十分な帯電密度差が得られない場合がある。すなわち、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムでは、選別性能の安定化を図ることができる。
本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムが本発明の第1の実施の形態に係る静電選別システムと比べてさらに優位な点は、帯電を阻害する微粉を除去することにより、PP樹脂粒子P2の再循環量をさらに低減するか、あるいはPP樹脂粒子P2の再循環を不要とする点にある。
すなわち、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムでは、たとえば乾燥処理部2および帯電部3を流通するプラスチックの総量は、プラスチック混合原料を1重量部とすると、再循環部6によるPP樹脂粒子P2の再循環量を合わせても1〜1.1重量部程度である。これにより、乾燥処理部2および帯電部3を流通するプラスチックの総量をプラスチック混合原料の倍程度から5倍程度にする必要がある従来の静電選別システムと比べ、プラスチック混合原料の処理量を約倍から約5倍にすることができる。そして、帯電の前処理として必要な乾燥処理に要するエネルギーを、再循環量が少ない分だけ削減することができる。
また、本発明の第1ないし第3の実施の形態に係る静電選別システムは、補助材を半永久的に循環させる従来の静電選別システムとは異なり、PP樹脂粒子P2の平均的な循環回数が3回程度である。これにより、帯電部3および静電分離部4の湿度等の動作環境にも依存するが、PP樹脂粒子P2の循環回数を少なくすることができるため、再循環させるPP樹脂粒子P2の乾燥処理および微粉除去は必ずしも必要でなく、乾燥処理に要するエネルギーをさらに削減することができる。
すなわち、従来の静電選別システムでは、多量の補助材が必要であり、再循環するプラスチック粒子の吸湿および磨耗劣化が避けられないことから、乾燥処理等の再生処理が不可欠である。一方、たとえば、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムでは、図7に示す点線の矢印のように、再循環供給部13は、貯蔵部12に蓄えられたPP樹脂粒子P2を直接帯電部3へ送る構成とすることができる。このような構成により、乾燥処理に要するエネルギーを従来の静電選別システムと比べて約半減することができる。
図10は、プラスチック混合原料に含まれる微粒子および微粉の条件と帯電性との関係を示す図である。
図10では、プラスチック混合原料に含まれる破砕片のうち、粒子径0.3mm−2mmと相対的に大きい微粒子と、粒子径0.3mm以下と相対的に小さい微粉との帯電性への影響度が比較されている。なお、ここでは、正規のプラスチック粒子の大きさを2mm以上と規定している。
図10を参照して、偏った組成を有するプラスチック混合原料では、微粒子を除去しても帯電性に大きな改善はみられなかった。
一方、0.3mm以下の径を有する微粉の含有量の低減に伴い、帯電性が大きく改善した。これは、径の小さな微粉はクーロン力で強固にプラスチック粒子表面に固着して帯電について活性な部位を覆い、摩擦帯電においても固着が外れないことから、帯電を阻害するからである。
0.3mmを超える径を有する微粒子は、帯電性の阻害効果が顕著でない。これは、摩擦帯電における振動などで固着が外れるためと考えられる。
上記の原理に基づけば、微粉除去部8としては、微粉の帯電が維持されるために効果的に微粉を除去できない乾式の加振/篩タイプのものよりも、帯電荷が必然的に放電される湿式の洗浄タイプの方が有効である。
ここでは、水槽中にプラスチック原料を投入し、5分間揺動を与え、その後洗浄し乾燥することで、微粉付着量をほぼ無くすことができた。このような処理で微粉付着率を0.005%程度以下に保つことにより、たとえばPP樹脂粒子10重量%であるプラスチック混合原料を用いる場合、少量成分であるPP樹脂粒子の含有率を増加させなくても、すなわちPP樹脂粒子P2の再循環を行なわなくても、必要最低限の帯電量を確保することができる。但し、少量成分の含有率を増加することにより、帯電量の裕度確保および選別の高精度化、ならびに図9のP12で示すように帯電の高速化が可能になる。
ところで、静電選別システム103の上流側であるプラスチック混合原料の供給側では、前述したような比重選別処理が行なわれたり、破砕粒子混合物の洗浄が行なわれたりする事例がある。
たとえば、静電選別システム103の上流側において上記のような湿式操作を行なうシステムに、微粉除去部8の機能を兼ねさせることが可能である。すなわち、静電選別システム103が受けるプラスチック混合原料中の微粉含有量が設定値以下である状態を確保することにより、静電選別システム103を簡略化することができる。
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムの変形例の構成を示す図である。
図11を参照して、静電選別システム104は、静電選別システム103と比べて、微粉除去部8の代わりに微粉計測部9を備える。
微粉計測部9は、外部から受けたプラスチック混合原料に含まれるプラスチック微粉量を計測または推定する。すなわち、微粉計測部9は、定期的あるいは不定期にプラスチック混合原料の微粉含有量を計測または推定し、静電選別システム104内の図示しない制御部等の他ブロック、および必要に応じて静電選別システム104の上流側の湿式操作を行なうシステム等へ計測または推定した微粉含有量をフィードバックする。
微粉計測部9は、たとえば、所定量のプラスチック試料を所定容積のたとえば水、水溶液またはイオン性溶媒と共に容器に導入し、揺動または超音波などによる振動処理を与え、その後、液側に移動させた微粉の量を光学的または重量などによる分析手段で定期的に定量化する。その際重要な点は、帯電性に影響を与えない微粒子ではなく帯電の阻害要因となる微粉の量を的確に評価することである。すなわち、プラスチック試料と液側とを分ける際に0.1mm〜0.3mm程度の目の開きを有する篩またはフィルターで漉し分けることにより、微粉量のみを定量化することができる。
なお、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムでは、微粉の定義の閾値および微粉量評価の閾値として粒径0.3mmを用いたが、現実的には破砕形状が不定形になることから一つの数字で閾値を代表することは困難である。
たとえば、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムにおいて、粒径0.1mm以上の微粒子が除去されたプラスチック混合原料を用いて帯電試験をした場合、帯電不良は、粒径0.1mm以上の微粒子の除去を行なわない場合と殆ど同じであった。すなわち、この場合には閾値を粒径0.1mm程度に設定することになる。したがって、このようなプラスチック混合原料を用いる場合には、微粉を定義するための閾値は、粒径0.1mm−0.3mm程度の範囲で設定する。ここでは、より安全に、閾値を粒径0.3mm以下に設定した場合を説明した。
なお、この閾値の粒径は材料系の組合せおよび帯電部3の仕様などにも依存すると考えられ、また、粒径の定義方法にも依存する。したがって、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムの個々の適用事例においては、実験などで評価することで必要に応じた範囲の閾値領域を認識し、この閾値範囲に基づいて微粉の閾値を設定すればよい。
重要なことは、帯電を阻害する微粉の存在を認識することであり、また、含有量に限れば微粒子は微粉に比べ圧倒的に多量である一方、帯電を阻害するのは一桁以上少量の微粉であることである。したがって、微粒子に着目した既存の粉塵除去装置および粉塵含有量の管理手法は、現象の本質に立脚していない点で、特に偏った組成を有する混合プラスチックの選別処理を行なう場合に有効でない。
たとえば、前述の帯電試験では、0.1mm以下の微粉の含有率が0.015%であったのに対し、0.1mm−1.5mmの微粒子の含有率は0.5%であった。そして、前述のように0.1mm−1.5mmの微粒子を多量に除去しても、0.015%存在する微粉の影響で帯電特性は改善しなかった。
静電選別用途に提案されている従来例(特開2003−103198号公報(特許文献5)参照)の粉塵分離装置は、微粉の除去を目的とせず、また、粉塵分離処理後の混合プラスチック中の粉塵含有率が0.4%もあり、特に偏った組成を有する混合プラスチックの静電選別には有効でない。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る静電選別システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。したがって、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムでは、種々の混合原料を、低コストで、安定して高純度に選別することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る静電選別システムと比べて処理効率を向上させた静電選別システムに関する。以下で説明する内容以外は第3の実施の形態に係る静電選別システムと同様である。
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る静電選別システムの構成を示す図である。
図12を参照して、静電選別システム105は、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムと比べて、帯電部3および静電分離部4の代わりに帯電部23および静電分離部24を備える。
静電選別システムの実用運転においては、生産性の視点から、処理時間を律速する帯電時間の短縮化が重要である。
偏った組成を有する原料粒子では、異成分粒子同士の衝突頻度が少ないため、原料粒子が1:1の混合比を有する場合と比べて相対的に長い帯電時間を要する。さらに、原料粒子に微粉が含まれる場合には、衝突の有効度が減少するため、帯電が長時間化する。
このように偏った組成を有するプラスチック混合原料を回収純度98%程度の高純度で回収するには、たとえば30分程度の十分な帯電時間が必要である。したがって、偏った組成を有するプラスチック混合原料について高純度な回収を行なう場合、帯電部の帯電容器としてバッチ処理方式の帯電容器を用いる構成が一般的である。
一方、本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムでは、先に述べたように原料組成の最適化および帯電を阻害する微粉の高度除去によって帯電を活性化していることから、帯電を高速化できる利点がある。
図9を参照して、実質的に微粉が無い条件、たとえば本発明の第3の実施の形態に係る静電選別システムによって微粉含有率が0.005%程度以下に保たれる条件では、0.1〜0.2時間のような短い帯電時間でも静電選別処理において十分な帯電量を得ることができる。
さらに、少量成分であるPP樹脂粒子P2の再循環によってPP樹脂含有率を適正値、たとえば帯電部23が受ける混合プラスチックのPP樹脂粒子含有率を25%に保つことで、さらに帯電量を増大し、短時間で高精度な静電選別を行なうことができる。
そして、このような短い帯電時間であれば、連続供給・排出型の帯電容器を採用することができるため、処理時間の短縮およびシステム運用の簡素化を同時に実現することができる。
すなわち、本発明の第4の実施の形態に係る静電選別システムにおいて、帯電部23がプラスチック混合原料の受け入れおよび帯電と、帯電したプラスチック混合原料の静電分離部4への排出とを並行して行なう。これにより、帯電部23および静電分離部24は、プラスチック混合原料の帯電およびPS樹脂粒子P1とPP樹脂粒子P2との分離を並行して行なうことができる。
バッチ運転用すなわちバッチ処理方式の帯電容器を用いる場合には、具体的には、帯電容器が一系列であると、帯電処理中は静電分離部24などの他の機器が休止する一方で、帯電粒子の排出中は逆に帯電処理を行なえない欠点がある。このため、帯電時間が長くなることに加えて、システム運用面のロスがさらに加わる欠点がある。
しかしながら、連続供給・排出型の帯電容器の場合には、帯電部23および静電分離部24が常に連続的に動作しているため、システム運用面のロスが生じない。
このような連続供給・排出型の帯電容器は、たとえば円筒型の既存バッチ型の帯電容器において入口および出口を設置して常時開放して運用する構成、サイクロン式の帯電容器および配管壁で摩擦帯電する摩擦帯電容器が利用可能である。さらに、バッチ処理方式の帯電容器を2系列設け、一方の系列がプラスチック混合原料の受け入れおよび帯電処理を行ない、他方の系列がプラスチック混合原料の排出を行ない、これらの処理を両系列間で切り替える構成が利用可能である。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る静電選別システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。したがって、本発明の第4の実施の形態に係る静電選別システムでは、種々の混合原料を、低コストで、安定して高純度に選別することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (6)

  1. 第1のプラスチックおよび第2のプラスチックを含む混合プラスチックを受けて帯電させる帯電部と
    前記帯電した混合プラスチックから前記第1のプラスチックと前記第2のプラスチックとを静電的に分離する静電分離部と
    前記混合プラスチックの組成を測定する原料組成評価部と
    記分離された前記第1のプラスチックおよび前記第2のプラスチックのいずれか一方を前記帯電部へ送る再循環部とを備え
    前記再循環部は、前記原料組成評価部による測定結果に基づいて、前記分離された前記第1のプラスチックを前記帯電部へ送るか、前記分離された前記第2のプラスチックを前記帯電部へ送るかを切り替える、静電選別システム。
  2. 前記静電選別システムは、さらに、
    受けた前記混合プラスチックに含まれるプラスチック微粉を除去し、前記除去後の混合プラスチックを前記帯電部へ送る微粉除去部を備える、請求項1に記載の静電選別システム。
  3. 前記微粉除去部は、0.3mm以下の径を有するプラスチック微粉を除去する、請求項2に記載の静電選別システム。
  4. 前記微粉除去部は、前記混合プラスチックを水または水溶液中で揺動することにより、前記プラスチック微粉を除去する、請求項2に記載の静電選別システム。
  5. 前記帯電部は、前記混合プラスチックの受け入れおよび帯電と前記帯電した前記混合プラスチックの前記静電分離部への排出とを並行して行なう、請求項1に記載の静電選別システム。
  6. 前記再循環部は、前記第1のプラスチックの含有率が規定範囲よりも低いことを前記測定結果が示す場合、前記分離された前記第1のプラスチックを前記帯電部へ再循環させ、前記第1のプラスチックの含有率が前記規定範囲よりも高いことを前記測定結果が示す場合、前記分離された前記第2のプラスチックを前記帯電部へ再循環させる、請求項1に記載の静電選別システム。
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