JP5194128B2 - 超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置 - Google Patents

超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、生体等の被検体に当てて超音波を送信及び受信することにより、被検体の診断情報を得るために使用される超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は、超音波をヒトや動物等の生体の被検体内に照射し、生体内で反射されるエコー信号を検出して生体内組織の断層像等をモニタに表示し、被検体の診断に必要な情報を提供する。この際、超音波診断装置は、被検体内への超音波の送信と、被検体内からのエコー信号を受信するために超音波トランスデューサ及び超音波探触子を利用している。
図1は、超音波トランスデューサの構成を示す概略図である。
図1に示すように、超音波トランスデューサ10は、被検体(図示せず)との間で超音波を送受信する。超音波トランスデューサ10は、超音波振動子11と、超音波振動子11の被検体側の前面(図1の右方向)に設けられる1層以上(図1は1層)からなる音響マッチング層12と、音響マッチング層12の被検体側表面に設けられた音響レンズ13と、超音波振動子11に対して音響マッチング層12の反対側となる背面に設けられる背面負荷材14とから構成されている。
超音波振動子11の前面と背面には、それぞれ電極(図示せず)が配置され、超音波振動子11との間で電気信号の送受信を行う。
超音波振動子11は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系等の圧電セラミック、単結晶、前記材料と高分子を複合した複合圧電体、あるいはPVDF(ポリフッ化ビニリデン:PolyVinylidine DiFluoride)等に代表される高分子の圧電体等によって形成され、電圧
を超音波に変換して被検体内に送信し、あるいは被検体内で反射したエコーを電気信号に
変換して受信する。
音響マッチング層12は、超音波を効率よく被検体内に送受信するために設けられる。
背面負荷材14は、超音波振動子11に結合されてこれを保持し、さらに不要な超音波を減衰させる役割を果たす。
音響レンズ13は、超音波ビームを収束させて断層像の分解能を向上させるために設けられており、この音響レンズ13の超音波ビーム15の収束は固定であり、ほぼ1点の距離に絞られる構成となっている。
一方、超音波ビームの収束法として、収束位置を可変するという構成も知られており、音響レンズの両端に空洞を設けてその空洞に液体を流しその液体の量を調整して音響レンズの曲率半径を可変して変える構成も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、超音波振動子の背面側に圧電バイモルフや形状記憶合金を設けて超音波振動子の曲率を可変して収束ビームを可変する構成も知られている(例えば、特許文献2,3参照)。
また、超音波振動子と被検体の間に音速を可変する材質を設けて音速を可変して超音波ビームの収束を可変する構成も知られている(例えば、特許文献4参照)。
一方、近年、超音波ビーム方向を可変して3次元走査し、被検体内から超音波を3次元に受信して、3次元画像を表示し画像診断行う超音波診断装置がある。
そのような装置の一例として、複数個の超音波振動子が1次元に配列された超音波トランスデューサを、配列した方向と直交する方向にモータなどの駆動系で機械的に往復運動走査、あるいは揺動走査して、3次元画像データを収集するものがある。
図2は、電子走査型といわれるタイプの超音波トランスデューサの構成を示す概略図である。
図2に示すように、超音波トランスデューサ20は、超音波を送受信する超音波振動子21を有する。超音波振動子21は、背面負荷材のような保持台22に複数個配列されている。超音波トランスデューサ20は、音響窓26に抱合されており、音響窓26内には液体の超音波伝播媒質27が充填されている。
複数個配列された超音波振動子21は、任意の群にまとめられ、個々の超音波振動子21にケーブル23を介して一定の遅延時間与えて駆動信号が入力される。複数個配列された超音波振動子21は、被検体内に超音波の送信と受信を行う。遅延時間を与えて被検体内に超音波の送信と受信を行うことにより、実時間で2次元に超音波画像を得ることができる。
また、超音波トランスデューサ20は、伝達軸24を介してモータ25の回転運動を機械的に受ける。モータ25は、超音波振動子21の配列方向と直交する方向に、超音波トランスデューサ20を回転運動させ、複数個配列した超音波振動子21を走査させる。これにより、複数個配列した超音波振動子21の方向と直交する方向にも超音波画像を得ることができ、3次元の超音波画像を得ることができる。
特許文献1には、超音波振動子に音響レンズなどを設置した超音波トランスデューサが
記載されている。音響レンズは、音響マッチング層や超音波ビームを収束させ分解能を向上させることができる。超音波振動子に音響レンズを設けた超音波トランスデューサは、感度、周波数特性が向上する。
電子走査型の超音波診断装置は、複数個配列した超音波振動子を任意の群にして、個々の超音波振動子に一定の遅延時間与えて駆動し、超音波振動子から被検体内に超音波の送信と受信を行い、これら超音波振動子を順次電子的に切り替えて超音波ビームを可変して走査し超音波画像を得ることができる。特許文献5では、これら超音波振動子を機械的に超音波振動子の配列方向と直交する方向に移動して超音波ビームの走査を行い、3次元画像を得ている。これらは超音波ビームの送受信する方向を可変して2次元あるいは3次元的に超音波画像を得るために行っているものであり、この構成は、現在では一般的なシステムとして既に知られている。
このように超音波ビームの送受信する方向を可変する方法は、配列した複数個の超音波振動子を設けてこれらを電子的に切り替えて行うことは高速にできるという長所があり、これにより実時間で超音波画像が得られるという特徴を有している。
超音波ビーム方向を可変走査して3次元画像を得るほかの方法としては、超音波振動子を2次元に配列したいわゆる2次元アレイ型超音波トランスデューサがある。
特許文献6には、2次元に配列した超音波振動子を個々に電気信号を可変して超音波ビームを2次元走査することにより3次元の超音波画像を得る超音波トランスデューサが記載されている。2次元に配列した超音波振動子を個々に電気信号を可変して超音波ビームを2次元走査することにより被検体内において3次元画像データを収集する。
特開2003−47084号公報 特開平02−93362号公報 特開2001−3776号公報 特開2003−75036号公報 特開2007−152101号公報 米国特許第06238346号明細書
電子走査型の超音波診断装置は、複数個配列した超音波振動子を任意の群にして個々の圧電素子に一定の遅延時間与えて駆動し、超音波振動子から被検体内に超音波の送信と受信を行う。このような遅延時間を与えることで超音波ビームが収束あるいは拡散され、広い視野幅あるいは高分解能の超音波画像を得ることができる。
一方、複数個配列した超音波振動子の方向と直交する方向の超音波ビームの収束あるいは拡散は、音響レンズによりほぼ1箇所に収束して高分解能化を図っているが、電子走査
する方向に対して超音波ビームを被検体の深さ方向でビームを複数に焦点を可変して収束することができていない。
この構成は、一般的なシステムとして既に知られている。超音波探触子として、高分解能の超音波画像を得るために重要なことは、複数個配列した超音波振動子の方向と直交する方向の超音波ビームの収束あるいは拡散もコントロールできる方法が望まれている。その一つの方法として超音波振動子を2次元に複数個配列したいわゆる2次元アレイに構成
して電子的に超音波ビームをコントロールする方法がある。しかし、電子回路、制御、超音波トランスデューサを構成するには困難度が高く、簡単にできるものではないのが現状である。
また、特許文献1に示すような、曲率を有した音響レンズの両側に空洞部を設けて、前記空洞部に液体を流しその流量を調節することで音響レンズの曲率を可変して超音波の焦点の位置を可変する構成がある。しかし、液体の流量を調節する装置が必要になり、また可変は高速にできないなどの課題がある。
また、特許文献2に示すような、超音波振動子の背面に圧電バイモルフを設けて超音波振動子などを変形させて超音波ビームの焦点の位置を可変する構成がある。しかし、超音波振動子全体を変形させる必要があり超音波振動子は柔軟性があるものという限定があり、他の重要な特性、例えば感度、周波数特性に限界があるなどの課題がある。
また、特許文献3に示すような、超音波振動子の背面に形状記憶合金を設けて、温度変化により形状記憶合金を変形させ、超音波振動子などを変形させて超音波ビームの焦点の位置を可変する構成がある。しかし、温度変化の可変は高速化が難しく、また上記と同じように、超音波振動子全体を変形させる必要があり超音波振動子は柔軟性があるものという限定があり、他の重要な特性、例えば感度、周波数特性に限界があるなどの課題がある。
また、特許文献4に示すような、超音波振動子の前面に音速可変層を設けて音速を可変させることによりで超音波の伝播時間に変化を持たせて超音波ビームの焦点位置を可変するという構成である。しかし、超音波ビームの収束位置は可変できるものの、音速可変層は超音波振動子と被検体との間に設けており、音響的なマッチングに影響するため、他の重要な特性、感度、周波数特性などの特性に課題がある。
超音波画像の高分解能化の要望が多く、これらを実現するための技術の進化の重要性はますます高くなってきている。
また、特許文献5に示すような電子走査型の超音波診断装置は、モータ及び駆動力を伝達する駆動系を用いて、超音波トランスデューサを機械的に回転、平行、あるいは揺動走査して超音波ビームを走査している。モータ及び駆動系を用いる構成であるため、小型・軽量化ができず、操作しにくいという課題がある。また、機構の磨耗等の経年変化があること、振動などにより各超音波振動子から引き出した電気端子ケーブルなどの寿命が長くないことから信頼性の点で課題があった。
また、特許文献6に示すような2次元に配列した超音波振動子を個々に電気信号を可変して超音波ビームを2次元走査する方法は、超音波振動子の数量が極めて多くなり超音波振動子ごとに電気端子を取り出しそれを接続するケーブルの本数も多くなる。超音波トランスデューサを構成するには複雑で困難度が高く、容易にできるものではない。また、制御回路も超音波振動子の増大に対応して多くなって回路規模が大きくなるなどの課題があった。
本発明の目的は、診断の深さ方向の超音波ビームを広い領域で細く収束することが可能となり、高分解能の診断画像を得ることができる超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置を提供することである。また、本発明の目的は、形状変化層の形状を変化させて、超音波ビームの方向を可変することが可能となり、簡単な構成であるため小型、軽量で超音波ビームを3次元に走査することができる超音波トランスデューサ及び超音波探触子を提供することである。
本発明の超音波トランスデューサは、超音波を送受信する超音波振動子と、前記超音波振動子の被検体側に設けられ、電気信号を受けて形状が変化する形状変化層と、前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記形状変化層に前記第1の電極と前記第2の電極を介して印加する前記電気信号を制御する制御手段とを備え、前記第2の電極は前記形状変化層の前記被検体側の表面上において複数個設けられており、前記制御手段は、前記形状変化層に印加する前記電気信号を制御することにより前記形状変化層の形状を変化させて、超音波の方向を可変する構成を採る。
本発明の超音波トランスデューサは、超音波を送受信する超音波振動子が1次元に配列された超音波振動子アレイと、前記超音波振動子の被検体側に設けられ、電気信号を受けて形状が変化する形状変化層と、前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記形状変化層に前記第1の電極と前記第2の電極を介して印加する前記電気信号を制御する制御手段とを備え、前記第2の電極は前記形状変化層の前記被検体側の表面上において複数個設けられており、前記制御手段は、前記形状変化層に印加する前記電気信号の制御を、前記超音波振動子アレイの配列方向の超音波の収束と連動させ、かつ前記超音波振動子アレイの配列方向と直交する方向に前記形状変化層の形状を変化させて、超音波を収束又は拡散を可変する構成を採る。
本発明の超音波トランスデューサは、超音波を送受信する超音波振動子と、前記超音波振動子の被検体側とは反対側に設けられかつ電気信号により形状が変化する形状変化層と、前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極とを備え前記電気信号は、前記形状変化層に前記第1の電極と前記第2の電極を介して印加され、前記第2の電極は前記形状変化層の前記被検体側の表面上において複数個設けられており、前記電気信号を制御することにより形状変化層の形状を変化させて、超音波ビームの方向を可変する構成を採る。
本発明の超音波探触子は、上記超音波トランスデューサにおける前記電気信号を制御することにより前記形状変化層の形状を変化させて、前記超音波トランスデューサの方向を可変することにより、超音波ビームの方向を可変する構成を採る。
本発明の超音波診断装置は、パルス電圧を超音波振動子に印加して超音波を送信及び、受信した超音波を収束若しくは拡散し、電気信号に変換して超音波診断を行う超音波診断装置であって、超音波を送受信する超音波振動子を配列した超音波振動子アレイと、電気信号を受けて形状が変化する形状変化層と、前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記形状変化層に前記第1の電極と前記第2の電極を介して印加する前記電気信号を制御する制御手段とを備え、前記第2の電極は前記形状変化層の前記被検体側の表面上において複数個設けられており、前記制御手段は、前記形状変化層に印加する前記電気信号の制御を、前記超音波振動子アレイの配列方向の超音波の収束と連動させ、かつ前記超音波振動子アレイの配列方向と直交する方向に前記形状変化層の形状を変化させて、超音波を収束又は拡散を可変する超音波探触子を有する構成を採る。
本発明によれば、電気信号を印加して形状変化層の形状を変化させることにより、診断の深さ方向の超音波ビームを広い領域で細く収束することが可能となり、高分解能の診断画像を得ることができる。また、形状変形層を任意の形状に可変することにより、超音波ビームの収束又は拡散を自由に可変することができ、高分解能の診断画像を得ることができる。
また、本発明によれば、電気信号を印加して形状変化層の形状を変化させることにより、簡単な構成で小型、軽量でしかも超音波ビームを3次元に走査することができ、高分解能の超音波画像を得ることができる。
従来の超音波トランスデューサを示す概略断面図 従来の超音波トランスデューサの構成を示す概略図 本発明の実施の形態1に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態2に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す斜視図 本発明の実施の形態3に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態4に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す図 本発明の実施の形態5に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す斜視図 本発明の実施の形態6に係る超音波探触子の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態7に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態8に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す斜視図 本発明の実施の形態9に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態10に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す図 本発明の実施の形態11に係る超音波探触子の概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態12に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図 上記実施の形態12に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す斜視図 本発明の実施の形態13に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図 本発明の実施の形態14に係る超音波探触子の概略構成を示す断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図である。
図3に示すように、超音波トランスデューサ100は、超音波振動子110と、形状変化層120と、背面負荷材130と、形状変化層120の両面に配置された電極(第1電極)141,(第2電極)142と、電極141,142間に電気信号を印加する可変電源140とを備えて構成される。
また、必要に応じて超音波振動子110と形状変化層120の間に1層以上の音響マッチング層(図示せず)を設けてもよい。形状変化層120以外のこれら各構成要素のそれぞれの機能は、図1の従来技術で説明したものと同様である。
超音波振動子110は、PZT系のような圧電セラミックス、PZN−PT、PMN−PT系のような圧電単結晶、又は前記材料と高分子を複合した複合圧電体などの材料からなる。また、このほかにシリコン半導体にマイクロマシン技術を用いて加工した静電容量型もあり、ここでいう超音波振動子110は、超音波を送受信できる超音波センサであればこれらに限定されるものではない。
超音波振動子110の厚さ方向の前面には、図示しない接地電極と、背面には信号用電極がそれぞれ設けられている。両電極は、金や銀の蒸着、スパッタリング、あるいは銀の
焼き付け等により超音波振動子110の前面、背面にそれぞれ形成される。
形状変化層120は、超音波振動子110に対応して被検体側(図3の右方)となる厚さ方向前面に配置され超音波ビームを収束若しくは拡散の機能を有する。
形状変化層120は、音速が被検体、例えば生体の音速(1540m/s.)と違う値を有していれば超音波ビームを任意の距離に焦点を設定して収束することができるし、また拡散もさせることができる。これは形状変化層120の音速と、被検体の音速とに音速差をもたせることによりその境界で超音波は屈折するため、この屈折を利用してレンズ機能を持たせることができる。例えば、生体の音速(1540m/s.)より形状変化層120の音速が遅い場合に、超音波ビーム151,152を任意の距離に焦点を持たせて収束させる場合には、形状変化層120の被検体側表面の形状は凸面形状になり、形状変化層120の音速が早ければその逆の凹面形状になる。この形状変化層120が音響レンズの機能を有する。
また、形状変化層120の音響インピーダンス(密度×音速)は被検体(生体)の値(
約1.6MRayls)に近い値を有することが好ましいが、超音波振動子110と被検体との間を有する音響インピーダンスを有する値でも良い。
従来、一般的に音響レンズには、シリコーンゴム材料が用いられた構成をしており、この材料の音速は、約1000m/s.であるので超音波ビーム151,152を任意の距離に焦点を持たせて絞る場合の表面形状は凸面になる。この形状は固定の曲率を持たせており、この形状によりある距離に焦点を持たせた固定した超音波ビーム151若しくは152のどちらか1ヶ所に収束されることになっている。
本実施の形態では、形状変化層120は、電気信号により被検体側の形状を任意に可変できる材料を用いる。形状変化層120の両面には、電極141,142を設け、電極141,142間に電気信号(ここでは電圧)を印加する。可変電源140は、電極141,142間に印加する電圧を調整する。これにより、形状変化層120の形状を変化させて超音波ビーム151,152の収束、あるいは拡散をコントロールする。
形状変化層120の材料として、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子に印加する電気信号により高分子が変形する材料を用いる。
イオン導電性高分子ポリマーは、イオン交換樹脂とその両面に電極を設けたポリマーアクチュエータであり、印加する電圧によりイオン交換樹脂内のイオンが移動して、移動したイオン側が膨潤して高分子が変形する。このポリマーアクチュエータには、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基、カルボキシル基などの官能基が導入されたものや、特許文献5に記載されているようにポリ塩化ビニル(PVC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリウレタンなどの非導電性高分子とイオン性物質とが含有された高分子の材料などがある。
また、誘電型ポリマーは、ポリマーの両面に電極を設け電極間に電圧を印加することにより、その電極間の静電引力でポリマーが厚み方向に圧縮されてポリマーの平面方向に伸長して変形する。この誘電型ポリマーには、シリコーンゴムやポリウレタンやアクリルエラストマーなどの材料がある。
また、導電性ポリマーは、導電性を有したポリマーから電気端子を取り出し、その電気端子に電圧を印加すると電気端子間の導電性ポリマーが収縮し、印加電圧をオフにすると元に戻る。この誘電型導電性ポリマーには、ポリピロール樹脂などがある。
また、上記材料以外にも電気信号によりポリマー材が変形する他の材料であれば良く、上記材料に限定するものではない。
ここで、上記電気信号の電気は、主に電圧調整であるが、電流調整も可能である。また、上記電気信号の信号は、電圧を可変、あるいは印加するタイミングなどを可変することを含めて信号と表現した。
背面負荷材130は、超音波振動子110を背面から機械的に保持し、かつ必要に応じて不要な超音波信号を減衰させる機能を有する必要に応じて超音波振動子110に対して形状変化層120の反対側となる厚さ方向背面(図3の左方)に配置される。
次に、形状変化層120として上記の誘電型ポリマーであるシリコーンゴムを用いた場合、超音波ビームの焦点の距離fとシリコーンゴムの曲率半径Rは、次式(1)で示される。
f=R/((C2/C1)−1)) …(1)
ここで、C1はシリコーンゴムの音速、C2は被検体(生体)の音速を示す。シリコーンゴムの音速C1は約1000m/s.であり、また被検体の音速は1540m/s.である。シリコーンゴムの形状変化層120の幅(図3では上下方向)を5mmとして、形状変化層120の最大となる厚み(図3では超音波ビームの進行方向)Hとすると、超音波ビームの収束する焦点距離fを50mmにするには、変化層の曲率半径Rは上記計算式から約27mmとなり、厚みHは0.116mmになる。
この状態から、可変電源140は、形状変化層120の電極141,142間に電圧を印加する。形状変化層120は、印加電圧の電気信号に対応して形状が変化し曲率半径を可変する。
例えば、超音波ビームの収束の焦点距離fを20mmにするには、形状変化層の曲率半径Rは、上記式(1)から約11mmとなり、厚みHは0.288mmとなる。この曲率半径の変化は、可変電源140により印加電圧を調整する。
この誘電型ポリマーは、電極141,142間に電圧を印加することにより、静電引力により厚み方向に圧縮されて変形する。例えば、誘電型ポリマーは、曲率半径が約11mm、厚みHが0.288mmの状態で、電極141,142間に電圧を印加しない状態にしておき、この形状から前記電極間に電圧を印加して静電引力により形状を変形させて厚みを薄くする。この場合、この誘電型ポリマーは、曲率半径を約27mmにすることが可能となる。この誘電型ポリマーは、印加電圧と形状変化は比例関係にあり、印加電圧が高いと形状変化の度合いも大きくなる特性を有している。
このように、形状変化層120に印加する電圧を可変することにより、超音波ビームの収束する焦点距離を任意に可変することができ、また形状変化層120自体の変形であるため、高速に可変することができる。
以上、形状変化層120としてシリコーンゴムを用いた場合について説明した。
シリコーンゴム以外の材料を用いることも可能である。例えば、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子の材料を用いることができ、この場合の曲率半径は、形状変化層120の材料の音速の値に対応して変化させるようにすればよい。
なお、イオン導電性高分子ポリマーとして用いられるポリマーアクチュエータには、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などは被検体(生体)の音速1540m/s.より速く2000m/s.前後になるため、超音波ビームを収束させるためには、表面の形状は凹面形状になる。
以上詳細に説明したように、本実施の形態の超音波トランスデューサ100は、超音波振動子110と、超音波振動子の被検体側に設けられ、電気信号により形状が変化する形状変化層120と、形状変化層120の両面に配置された電極141,142と、電極141,142間に電気信号を印加する可変電源140とを備え、可変電源140は、電極141,142間に印加する電気信号を制御することにより、形状変化層120の形状を変化させて、超音波ビームの収束又は拡散を可変する。形状変化層120の形状が変化し、その結果として形状変化層の被検体側の表面の曲面が変化するため、形状変化層120を伝播する超音波ビームの収束する焦点距離は、任意に可変することができる。
また、拡散もできるため、超音波画像の深さ方向で広い領域で超音波ビームを細く収束することが可能になり、超音波画像の高分解能化が可能になる。
さらに、形状変化層120に印加する電圧の可変を高速にすることにより、実時間で超音波画像の高分解能化も可能となる。
しかも、変形は形状変化層120だけであり、超音波振動子110、背面負荷材130若しくは必要に応じて設ける音響マッチング層は変化させることなく固定した構成にできる。このため、超音波振動子110、背面負荷材130若しくは必要に応じて設ける音響マッチング層は、変形させる材料に制限することもないため、高性能な特性を有したトランスデューサを構成することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す斜視図である。図3と同一機能部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図4に示すように、超音波トランスデューサ200は、配列された複数の超音波振動子110と、各超音波振動子110に対応して被検体側(図4の右側)となる厚さ方向前面に配置された音響マッチング層170と、必要に応じて超音波振動子110に対して音響マッチング層170の反対側となる厚さ方向背面(図4の左側)に配置された背面負荷材130とを備える。また、超音波トランスデューサ200は、音響マッチング層170上に配置された形状変化層120と、形状変化層120の両面に配置された電極141,142と、電極141,142間に電気信号を印加する可変電源140とを備える。これらの構成は、いわゆる電子走査型超音波トランスデューサと呼称される。
超音波振動子110は、PZT系のような圧電セラミックス、PZN−PT、PMN−PT系のような圧電体若しくはこれら圧電体と高分子材料を複合した複合圧電体によって形成される。また、このほかにシリコン半導体にマイクロマシン技術を用いて加工した静電容量型もあり、ここでいう超音波振動子110は、超音波を送受信できる超音波センサであればこれらに限定されるものではない。
超音波振動子110の前面には、接地用電極(図示略)が形成され、超音波振動子110の背面には信号用電極(図示略)が形成されている。接地用電極及び信号用電極は、それぞれ金や銀のメッキ、蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付けなどによって形成される。上記信号用電極は、ポリイミドなどの高分子材料によって構成される絶縁性フィ
ルムに銅などの金属膜が披着された信号用電気端子160が挿着されている。上記信号用電極は、超音波振動子110に形成されている接地用電極から、前記信号用電気端子160と同じように接地用電気端子(図示略)と接続する。
以下、上述のように構成された超音波トランスデューサ200の動作について説明する。
超音波振動子110に形成された信号用電極は、信号用電気端子160を介して、また、超音波振動子110の接地電極を介して、それぞれ不図示のケーブルの一端に電気的に接続され、これらのケーブルのそれぞれの他端はコネクタなどを介して不図示の超音波診断装置の本体部に接続される。これによって、超音波診断装置の本体部で作られるパルス電圧を超音波振動子110に印加して超音波を送信し、また、受信した超音波のエコーを電気信号に変換して超音波診断装置の本体部に送信する。この主流となっている一方式として、配列した超音波振動子110のそれぞれに送受信する時間の遅延をかけて位相制御して超音波ビームを所望の位置に絞り高分解能化したり、あるいは超音波ビームを偏向したりして扇形状に走査する方式が一般的になっている。
形状変化層120は、配列された複数の超音波振動子110と直交する方向に対して超音波ビームを収束させて超音波画像の分解能を向上させる機能を有する。形状変化層120は、形状変化層120の音速が被検体(例えば生体)の音速(1540m/s.)と違う値であれば、超音波ビーム150を任意の距離に焦点を設定して収束することができるし、また拡散もさせることができる。これは形状変化層120の音速と被検体の音速差をもたせることによりその境界で超音波は屈折するため、この屈折を利用してレンズ機能を持たせることができることによる。例えば、生体の音速(1540m/s.)より形状変化層120の音速が遅い場合に、超音波ビーム150を任意の距離に焦点を持たせて収束する場合には形状変化層120の被検体側表面の形状は凸面形状になり、形状変化層120の音速が早ければその逆の凹面形状になる。
従来、一般的にシリコーンゴム材料を用いた音響レンズがこの機能に相当する。この材料の音速は、約1000m/s.であるので超音波ビームを任意の距離に焦点を持たせて収束する場合には表面形状は凸面になる。音響レンズの形状は、固定の曲率を持たせており、この形状によりある距離に焦点を持たせた固定した超音波ビーム150の絞られ方になっている。
本実施の形態では、形状変化層120は、電気信号により被検体側の形状を任意に可変できる材料を用いる。形状変化層120の両面には、電極141,142を設け、電極141,142間に電気信号(ここでは電圧)を印加する。可変電源140は、電極141,142間に印加する電圧を調整する。形状変化層120は、電圧と変化度合いは、ほぼ比例関係にあり、電圧が高くなると変形度合いは大きくなる特性を有している。これにより、形状変化層120の形状を変化させて超音波ビーム150の収束をコントロール、あるいは拡散をコントロールする。
形状変化層120の材料として、実施の形態1と同様に、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子に印加する電気信号により高分子が変形する材料を用いる。
図4に示すように、形状変化層120は、超音波振動子110の配列方向(図中、左下から右上方向)と直交する方向(図中上下方向)に曲面形状を設けており(言い換えると、超音波振動子110の配列方向(図中、左下と右上を結ぶ方向)と直交する方向(図中上下方向)の軸と、超音波の送受信方向の軸とを含む平面状で曲線を描くようにして、曲
面を形成している)、形状変化層120の電極141,142間に印加する電圧を可変に対応して曲率半径が変化し、その曲面に対して所望の位置に収束させた超音波ビーム150を調整することができる。一方、超音波振動子110の配列方向は、超音波振動子110のそれぞれに送受信する時間の遅延をかけて位相制御して超音波ビームを所望の位置に収束することを調整することができる。超音波振動子110アレイの配列方向は、送信の場合には、任意の位置に超音波診断装置で関心領域に切り換えることができる。
このように、関心領域を高分解能の診断画像を得るようにして診断の確率を高めるための使用方法がある。
そこで更なる高分解能の診断像を可能にするために、本実施の形態では、超音波振動子110アレイの配列方向と直交する方向に、形状変化層120の形状を変化させる。また、超音波振動子110アレイの配列方向は、送信の超音波の収束ビームの切り換えに連動させる。これらにより、関心領域に超音波ビームを収束させる。2次元に超音波ビームを収束させることができるため、更なる高分解能の超音波画像を得ることができることになる。
また、電極141,142間に電気信号を印加する可変電源140は、超音波診断装置の送信の超音波ビームの収束する位置の切り換えと連動するように接続するようにすれば良い。
すなわち、超音波診断装置の送信の超音波ビーム150の収束する位置の切り換えは、特に診断する関心領域を高分解能化して診断確率を高めるために通常行われている操作である。超音波振動子110の配列方向は、超音波振動子110のそれぞれに送受信する時間の遅延をかけて位相制御して超音波ビームを所望の位置に収束する。これに連動して超音波振動子110の配列方向と直交する方向の形状変化層120で超音波ビーム150を収束する方向についても、診断する関心領域に1箇所若しくは複数個所に収束させる。これにより更なる高分解能の超音波画像を得ることが可能となる。
ここで、超音波振動子110アレイの配列方向の超音波ビームは送信の場合について説明したが、これに限定するものではなく、受信側あるいは送信、受信の両方に連動して、形状変化層120の形状を変化させ超音波ビーム150の収束を可変するようにしても同様の効果を得ることができる。
例えば、形状変化層120としてシリコーンゴムを用いた場合について説明する。
超音波ビーム150の焦点の距離fとシリコーンゴムの曲率半径Rは、前記式(1)で示される。
前記式(1)のC1はシリコーンゴムの音速、C2は被検体(生体)の音速を示す。シリコーンゴムの音速C1は約1000m/s.であり、また被検体の音速は1540m/s.である。シリコーンゴムの形状変化層120の幅(図4では超音波振動子110の配列方向と直行する方向)を5mmとして、形状変化層120の厚み(図4では超音波ビームの進行方向)Hとすると、超音波ビームの収束させる焦点距離fを50mmにするには、変化層の曲率半径Rは前記式(1)から約27mmとなり、厚みHは0.116mmになる。
この状態から、可変電源140は、形状変化層120の電極141,142間に電圧を印加する。形状変化層120は、印加電圧の電気信号に対応して形状が変化し曲率半径を可変する。
例えば、超音波ビームの収束の焦点距離fを20mmにするには、形状変化層の曲率半径Rは、前記式(1)から約11mmとなり、厚みHは0.288mmとなる。この曲率半径の変化は、可変電源140により印加電圧を調整する。
この誘電型ポリマーは、電極141,142間に電圧を印加することにより、静電引力により厚み方向に圧縮されて変形する。例えば、誘電型ポリマーは、曲率半径が約11mm、厚みHが0.288mmの状態で、電極141,142間に電圧を印加しない状態にしておき、この形状から前記電極間に電圧を印加して静電引力により形状を変形させて厚みを薄くする。この場合、この誘電型ポリマーは、曲率半径を約27mmにすることが可能となる。この誘電型ポリマーは、印加電圧と形状変化は比例関係にあり、印加電圧が高いと形状変化の度合いも大きくなる特性を有している。
このように、形状変化層120に印加する電圧を可変することにより、超音波ビームの収束する焦点距離を任意に可変することができ、また形状変化層120自体の変形であるため、高速に可変することができる。
以上、形状変化層120としてシリコーンゴムを用いた場合について説明した。
シリコーンゴム以外の材料を用いることも可能である。例えば、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子の材料を用いることができ、この場合の曲率半径は、形状変化層120の材料の音速の値に対応して変化させるようにすればよい。
なお、イオン導電性高分子ポリマーとして用いられるポリマーアクチュエータは、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などは被検体(生体)の音速1540m/s.より、速く2000m/s.前後になるため、超音波ビーム150を収束させるために、表面の形状は凹面形状になる。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、形状変化層120に印加する電圧を可変することにより形状変化層120の形状が変化し、その結果として形状変化層120の被検体側の表面の曲面が変化する。これにより、形状変化層120を伝播する超音波ビーム150は、任意に可変することができる。このため、超音波画像の深さ方向で広い領域で超音波ビームを細く収束することが可能になり、超音波画像の高分解能化が可能になる。
また、形状変化層120に印加する電圧の可変を高速にすることにより、実時間で超音波画像の高分解能化も可能となる。
しかも、変形は形状変化層120だけであり、超音波振動子110、背面負荷材130若しくは必要に応じて設ける音響マッチング層170は変化させることなく固定した構成にできる。このため、超音波振動子110、背面負荷材130若しくは必要に応じて設ける音響マッチング層170は、変形させる材料に制限することもないため、高性能な特性を有したトランスデューサを構成することができる。
また、超音波診断装置の1断面画像を取得するときに、形状変化層120に印加する電圧を複数回可変して超音波ビームの収束する焦点位置を複数に可変できるように制御することにより、更なる高分解能の超音波画像を得ることが可能となる。
本実施の形態では、超音波診断装置を使用するとき診断する領域、例えば診断したい深
さを高分解能の診断画像にするための一手法として、超音波振動子110の配列方向では電子走査し、送信の超音波ビームを収束する深さを切り替えることができる。超音波振動子110の配列方向と直交する音響レンズによる超音波ビームを収束する深さは、従来は固定で可変することができなかった。これに対し、本実施の形態では、超音波ビームを収束する深さを任意に可変することができるので、超音波診断装置の送信の超音波ビーム150を絞る深さに連動させて、超音波振動子110の配列方向と直交する方向も超音波ビーム150を収束あるいは拡散させるようにすることも可能となる。
なお、本実施の形態は、超音波振動子110が1次元に配列した構成に形状変化層120を設けた場合について説明したが、超音波振動子110が2次元に配列した構成に形状変化層120を設けた場合にも同様に適用できる。例えば、超音波振動子110が2次元に配列した構成として、図4に示す超音波振動子110が図中上下複数個に分割された構成とする場合は、上記と同様の図4の上下方向だけでなく、この方向に直交する図中左下と右上を結ぶ方向と、超音波の送受信方向の軸とを含む平面状で曲線を描くようにして、曲面を形成することでも同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図である。図3と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図5に示すように、超音波トランスデューサ300は、超音波振動子110と、形状変化層120と、背面負荷材130と、形状変化層120の両面に配置された電極141,142と、電極141,142間に電気信号を印加する可変電源140と、形状変化層120の前面に配置された音響レンズ180とを備えて構成される。
また、必要に応じて超音波振動子110と形状変化層120の間に1層以上の音響マッチング層(図示せず)を設けてもよい。形状変化層120以外のこれら各構成要素のそれぞれの機能は、図1の従来技術で説明したものと同様である。
超音波振動子110は、PZT系のような圧電セラミックス、PZN−PT、PMN−PT系のような圧電単結晶、又は前記材料と高分子を複合した複合圧電体などの材料からなる。また、このほかにシリコン半導体にマイクロマシン技術を用いて加工した静電容量型もあり、ここでいう超音波振動子110は、超音波を送受信できる超音波センサであればこれらに限定されるものではない。
超音波振動子110の厚さ方向の前面には、図示しない接地電極と、背面には信号用電極がそれぞれ設けられている。両電極は、金や銀の蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付け等により超音波振動子110の前面、背面にそれぞれ形成される。
形状変化層120は、超音波ビーム151,152を任意の距離に焦点を設定して収束することを補助する機能を持たせ、超音波ビーム151,152を任意の距離に焦点を設定して収束させる機能は音響レンズ180に持たせる構成とする。
すなわち、音響レンズ180は、例えばシリコーンゴムなどの材料を使用して一定の形状に構成させる。この場合には音響レンズ180の形状の曲率に対応してある距離に超音波ビーム151か152に収束される。
本実施の形態では、形状変化層120は、電気信号により被検体側の形状を任意に可変できる材料を用いる。形状変化層120の両面には、電極141,142を設け、電極141,142間に電気信号(ここでは電圧)を印加する。可変電源140は、電極141
,142間に印加する電圧を調整する。これにより、形状変化層120は変形する。この変形に追従して前面に設けている音響レンズ180も変形することにより、音響レンズ180の曲率が可変することになる。音響レンズ180の曲率の変形に対応して超音波ビーム151,152の収束される焦点距離が可変できることになる。
形状変化層120の材料として、実施の形態1と同様に、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子に印加する電気信号により高分子が変形する材料を用いる。
なお、ここに用いる形状変化層120は、音響レンズ180を変形させて曲率を可変する機能を有する。このため、実施の形態1のように、被検体(生体)の音速と違う値であ
る必要はなく、被検体とほぼ同じ音速を有する値でも良く、音速の制限はない。また、形状変化層120の音響インピーダンス(密度×音速)は、音響レンズ180の値(約1.4-1.6MRayls)に近い値を有することが好ましいが、超音波振動子110と被検体との間を有する音響インピーダンスを有する値でも良い。
このように、本実施の形態の超音波トランスデューサ300は、形状変化層120の被検体側に、超音波を収束させる音響レンズ180を備える。実施の形態1と同様に、形状変化層120に印加する電圧を可変することにより形状変化層120の形状が変化し、その結果として形状変化層120の前面に設けた音響レンズ180の曲面が変化する。音響レンズ180を伝播する超音波ビームは、任意に可変することができるため、超音波画像の深さ方向で広い領域で超音波ビームを細く収束することが可能になる。その結果、超音波画像の高分解能化が可能になるとともに、形状変化層120に印加する電圧の可変を高速にすることにより、実時間で超音波画像の高分解能化も可能となる。
しかも、物理的な変形部分は形状変化層120と音響レンズ180だけであり、超音波振動子110、背面負荷材130若しくは必要に応じて設ける音響マッチング層は変化させることなく固定した構成にできる。このため、超音波振動子110、背面負荷材130若しくは必要に応じて設ける音響マッチング層は、変形させる材料に制限することもないため、高性能な特性を有した超音波トランスデューサ300を構成することができる。
なお、本実施の形態では、形状変化層120の被検体側表面の形状が凸面にしている場合について説明したが、このほか、形状変化層120の被検体側表面の形状が形状変化層120音響レンズ180と被検体との音速の関係から凹面形状にしても同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態では、超音波振動子110が単一の構成ついて説明したが、超音波振動子110が1次元に配列した構成若しくは2次元に配列した構成に形状変化層120を設けた場合についても同様の効果を得ることができる。
また、超音波振動子110が均一の厚みで平坦な形状に形状変化層120の被検体側表面に設けた場合について説明したが、超音波振動子110が不均一の厚みであっても、また凸面、凹面形状に形状変化層120の被検体側表面に設けも同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す図であり、図6Aはその断面図、図6Bはその正面図を示す。
図6Aに示すように、超音波トランスデューサ400は、超音波振動子410と、形状
変化層420と、背面負荷材430と、形状変化層420の超音波振動子410側に配置された電極441と、形状変化層420の凸面形状側に設けられた複数個の電極411〜413からなる電極414と、電極441と複数個の電極411〜413間に電気信号を印加する可変電源440とを備えて構成される。
超音波トランスデューサ400は、複数個の電極411〜413からなる電極414を備える。
図6Bに示すように、形状変化層420の凸面形状側に設けられた複数個の電極411〜413は、形状変化層420の凸面形状の先頭に電極411を配置し、電極411を中心として同心円状に、電極412,413を配置する。
可変電源440は、電極441と複数個の電極411〜413間に印加する電気信号(ここでは電圧)を調整する。可変電源440は、それぞれの電極411,412,413に印加する電圧は、別々に任意に可変することができる。
以上の構成において、可変電源440は、例えば形状変化層420の電極441と対向する電極411間に所定電圧を印加する。対向する領域の形状変化層420は、形状が変化するのに対し、その他の電極412,413の領域の形状変化層420は、その領域部分では、独自に形状を変化する力は働かず、形状を維持しようとする(形状変化層420のうち形状が変化する電極411に対抗する領域の周辺のみ影響を受けるが、基本的には形状を維持する。)。このようにして、電極411の領域の曲面を変形させることができる。同様に、電極412,413に印加する電圧を、それぞれ可変することにより、形状変化層420の該当領域を任意に変化させることができる。したがって形状変化層420は音響レンズの機能を有することになり、しかも形状を可変させることにより、任意の距離に超音波ビームを収束することが可能となる。
図6の構成によれば、単純な1つの中心点を持つ曲率の曲面だけではなく、非球面のような色々な形状曲面を構成することができるため、所望の超音波ビームをしかも形状変化層420に印加する電圧を可変することで高速に可変できることになる。
なお、本実施の形態において、複数個の電極411,412,413を凸面形状側に設けたが、電極441を弾力性のある導電性材料で構成する、あるいは電極面内に渦巻状等の切込みを入れて、変形可能な構成とすることで、位置関係を入れ替えても良い。
(実施の形態5)
図7は、実施の形態5に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す斜視図である。図4と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図7に示すように、超音波トランスデューサ500は、図4の超音波トランスデューサ200の形状変化層120の凸面形状側の電極142に代えて、複数個の電極511〜513からなる電極510を備える。
電子走査型の超音波トランスデューサ500は、複数配列した超音波振動子110の被検体側に設けた音響マッチング層170の前面に形状変化層120を設ける。そして、形状変化層120の一方の面には電極141を設け、他方の凸面形状側には複数個の電極511〜513からなる電極510を、超音波振動子110の配列方向に帯状に設ける。形状変化層120は、音響レンズの機能を有し、超音波振動子110の配列方向と直交する方向の超音波ビームを収束させる。
以上の構成において、可変電源440は、例えば形状変化層120の電極141と対向する電極511の部分に電圧を印加する。対向している領域の形状変化層120が変形し、電極511の部分の表面の形状(個々では曲面)が変化する。同様に、電極512,513に印加する電圧を、それぞれ可変することにより、形状変化層120の該当領域を任意に変化させることができる。
図7の構成は、図4の構成の装置のように、単純な1つの中心点を持つ曲率の曲面だけではなく、非球面のような色々な形状曲面を構成することができる。超音波トランスデューサ500は、電極141と複数個の電極511〜513間に印加する電圧を任意に調整することで、関心領域を診断するときにその領域に形状変化層120を形状変化させて超音波ビームを収束することができるなど、所望の超音波ビームを高速に可変することができる。
このように形状変化層120の変形により超音波ビームの集束位置を任意に可変する操作は、配列した超音波振動子110方向の電子的な制御と連動している。この連動した制御により、更なる高分解能の超音波画像を得ることができる。
また、形状変化層120に設けた複数個の電極511は配列した超音波振動子110方向と直交する方向に設けた場合について説明したが、このほか、配列した超音波振動子110方向に対して複数個電極511を設けて、配列方向の超音波振動子110の任意の位置あるいは領域だけ形状変化層120を変形させて超音波ビームの集束位置を可変することも可能である。更に2次元に分割した複数個に電極511を設けても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6に係る超音波探触子の概略構成を示す断面図である。図3と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図8に示すように、超音波探触子600は、円筒形状の筐体610と、筐体610に内包された超音波トランスデューサ100と、筐体610内と超音波トランスデューサ100間を充填する超音波伝播媒質620とを備えて構成される。
超音波トランスデューサ100は、実施の形態1で説明した構成と同じで、機能も同一である。実施の形態1の超音波トランスデューサ100に代えて、実施の形態2乃至5の超音波トランスデューサ200,300,400,500を適用してもよい。
筐体610は、被検体と直接若しくは間接的に接触する。筐体610は、被検体に近い音響インピーダンスを有する材料(例えば、ポリエチレン、ポリメチルペンテンなど)を用いる。
超音波伝播媒質620は、筐体610と同様の被検体に近い音響インピーダンスを有する材料(例えば1,3ブタンジオールやオイル系の液体)を用いる。
超音波トランスデューサ100の超音波振動子110により発生した超音波は、形状変化層120、超音波伝播媒質620そして筐体610を透過して被検体に送信される。被検体から反射してきた超音波は、再び送信と逆の経路を通って超音波振動子110で受信される。
超音波探触子600は、このような超音波トランスデューサ100を、超音波伝播媒質620を介在して筐体610に内包する。
本実施の形態によれば、形状変化層120に電圧を印加して形状変化層120の形状を変化させる場合、形状変化層120が直接被検体に接触して使用するときのように形状変化層120の変形が妨げられることがなくなり、所望の超音波ビームを高速に可変できて形成することができるようになる。
また、超音波トランスデューサ100を機械的に回転、往復運動若しくは揺動させて走査する構成の超音波探触子600に適用することも可能である。
なお、本実施の形態では、超音波振動子110が単一の構成ついて説明したが、このほか、超音波振動子110が1次元に配列した構成若しくは2次元に配列した構成に形状変化層120を設けた場合についても同様の効果を得ることができる。
また、超音波振動子110が均一の厚みで平坦な形状に形状変化層120の被検体側表面に設けた場合について説明したが、このほか、超音波振動子110が不均一の厚みであっても、また凸面、凹面形状に形状変化層120の被検体側表面に設けも同様の効果を得ることができる。
なお、上記各実施の形態は、形状変化層120の表面の形状が単一の曲面の場合について説明したが、形状変化層120の表面の形状の曲面が場所によって曲率半径が変わるいわゆる非球面、非曲面の形状若しくは、フレネルレンズのような曲率だけを平面上に並べた形状であっても同様の効果を得ることができる。
また一方、上記各実施の形態において、各電極に電圧を印加した場合、形状変化層120(420)は、その厚みにより同じ電圧を印加しても場所により変化量が異なる。
例えば、図7において、形状変化層120の中央部(電極511の領域)よりも形状変化層120の端部周辺(電極513の領域)のほうが、厚みが薄いため変化量が大きくなり、電極513の電極512側に近い領域の厚さは、電極512、電極513の領域の厚さに近づくことより、この間の曲率半径が大きくなる。一方、電極511の領域においては、形状変化層120の端部のエッジ部に着目すれば、当初電圧が印加されていないときよりも局所的に大きく湾曲することになり、曲率半径が小さくなる。
このように、形状変化層120の中央部と周辺部での曲率半径が異なることより、焦点を1箇所に絞るのが難しくなるが、複数配列した超音波振動子110の個々の長さを、両端をカットして短くし形状変化層120の中央部を中心に超音波を送信できるようにすることで、焦点を絞りやすくできる。また、当初より、複数の超音波振動子をマトリックス状に2次元に構成することで、超音波を送信したとき、中央部と周辺部とで、複数の焦点を構成することができる。
なお、形状変化層120の中央部(電極511の領域)だけ、あるいは形状変化層120の端部周辺(電極513の領域)だけというように、部分的に電圧をかける、あるいは、それぞれ異なる電圧をかけることで、変化量を場所ごとに任意に設定でき、これに合わせて複数の焦点を得ることができる。
また、形状変化層120の被検体側に設けた電極142,510は、その分割数をさらに多くし、ひとつの電極が占める面積を小さくするほど、より精密に形状変化層120の被検体側表面の形状を制御できるようになることは言うまでもない。
また、上記各実施の形態では、形状変化層120の被検体側に設けた電極142,41
0,510が被検体に直接接触するような構成の場合について説明したが、電極142,510と被検体との間に形状変化層120の変形に追従するようなフィルムなどの絶縁体を設けても同様の効果を得ることができる。
また、形状変化層120の被検体側表面の形状が凸面にしている場合について説明したが、このほか、形状変化層120の被検体側表面の形状が形状変化層120と被検体との音速の関係から凹面形状にしても同様の効果を得ることができる。
さらに、超音波振動子110が均一の厚みで平坦な形状に形状変化層120の被検体側表面に設けた場合について説明したが、このほか、超音波振動子110が不均一の厚みであっても、また凸面、凹面形状に形状変化層120の被検体側表面に設けも同様の効果を得ることができる。
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図である。
図9に示すように、超音波トランスデューサ700は、超音波振動子710と、形状変化層720と、背面負荷材730と、形状変化層720の両面に配置された電極741,742と、電極741,742間に電気信号を印加する可変電源740とを備えて構成される。
また、必要に応じて超音波振動子710と形状変化層720の間に1層以上の音響マッチング層(図示せず)を設けてもよい。形状変化層720以外のこれら各構成要素のそれぞれの機能は、図1の従来技術で説明したものと同様である。
超音波振動子710は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系のような圧電セラミックス、PZN−PT、PMN−PT系のような圧電単結晶、又は前記材料と高分子を複合した複合圧電体などの材料からなる。また、このほかにシリコン半導体にマイクロマシン技術を用いて加工した静電容量型もあり、ここでいう超音波振動子710は、超音波を送受信できる超音波センサであればこれらに限定されるものではない。
超音波振動子710の厚さ方向の前面には、図示しない接地電極と、背面には信号用電極がそれぞれ設けられている。両電極は、金や銀の蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付け等により超音波振動子710の前面、背面にそれぞれ形成される。
形状変化層720は、超音波振動子710に対応して被検体側(図9の上方)となる厚さ方向前面に配置され超音波ビームの方向を可変する機能を有する。
形状変化層720は、音速が被検体、例えば生体の音速(1540m/s.)と違う値を有していれば、形状変化層720と被検体との境界で屈折して超音波ビーム751,752,753を任意の方向に可変することができる。これは形状変化層720の音速と被検体の音速とに差をもたせることによりその境界で超音波は屈折する。この屈折を利用して形状変化層720の形状を変化させて超音波ビーム751,752,753の方向を制御することができる。
本実施の形態では、形状変化層720は、電気信号により被検体側の形状を任意に可変できる材料を用いる。形状変化層720の両面には、電極741,742を設け、電極741,742間に電気信号(ここでは電圧)を印加する。可変電源740は、電極741,742間に印加する電圧を調整する。これにより、形状変化層720の形状を変化させ
て超音波ビーム751,752,753の方向を可変する。
形状変化層720の材料として、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子に印加する電気信号により高分子が変形する材料を用いる。
イオン導電性高分子ポリマーは、イオン交換樹脂とその両面に電極を設けたポリマーアクチュエータであり、印加する電圧によりイオン交換樹脂内のイオンが移動して、移動したイオン側が膨潤して高分子が変形する。このポリマーアクチュエータには、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基、カルボキシル基などの官能基が導入されたものや、特許文献3に記載されているようにポリ塩化ビニル(PVC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリウレタンなどの非導電性高分子とイオン性物質とが含有された高分子の材料などがある。
また、誘電型ポリマーは、ポリマーの両面に電極を設け電極間に電圧を印加することにより、その電極間の静電引力でポリマーが厚み方向に圧縮されてポリマーの平面方向に伸長して変形する。この誘電型ポリマーには、シリコーンゴムやポリウレタンやアクリルエラストマーなどの材料がある。
また、導電性ポリマーは、導電性を有したポリマーから電気端子を取り出し、その電気端子に電圧を印加すると電気端子間の導電性ポリマーが収縮し、印加電圧をオフにすると元に戻る。この導電性ポリマーには、ポリピロール樹脂などがある。
また、上記材料以外にも電気信号によりポリマー材が変形する他の材料であれば良く、上記材料に限定するものではない。
ここで、上記電気信号の電気は、主に電圧調整であるが、電流調整も可能である。また、上記電気信号の信号は、電圧を可変、あるいは印加するタイミングなどを可変することを含めて信号と表現した。
背面負荷材730は、超音波振動子710を背面から機械的に保持し、かつ必要に応じて不要な超音波信号を減衰させる機能を有する必要に応じて超音波振動子710に対して形状変化層720の反対側となる厚さ方向背面(図9の下方)に配置される。
次に、形状変化層720の方向可変動作について説明する。
形状変化層720は、形状変化層720の音速が被検体、例えば生体の音速(1540m/s.)と違う値を有していれば形状変化層720と被検体との境界で屈折して超音波ビーム751,752,753を任意の方向に可変することができる。例えば、形状変化層720の材料としてポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの音速は、生体の音速より速く、約2000m/s.前後であり、また、シリコーンゴムは逆に生体の音速より遅く、約1000m/s.前後である。
超音波の屈折の関係は、公知のようにスネルの法則によって算出することができる。2つの媒体の音速C1とC2を有する境界で超音波は、音速C1媒体から音速C2媒体に入射する超音波の屈折の関係は、次式(2)に表される。
C1/sinθi=C2/sinθt …(2)
θiは、音速C1の媒体から入射する角度、θtは、音速C2の媒体に入射する角度を
示す。
例えば、形状変化層720の音速C1が誘電型ポリマーとして音速が約1000m/s.の値を有するシリコーンゴムを使用した場合と、イオン導電性高分子ポリマーの音速が約2000m/s.の値を有するポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)などを使用し、音速C2が約1540m/s.を有する被検体として生体を対象にした場合、上記式(2)より算出することができる。
図9Aに示すように、形状変化層720に印加電圧が無い場合、伝播する超音波ビーム751は、形状変化層720と被検体の境界面に対してほぼ直角であり、屈折することなく直進する。
一方、図9B,Cに示すように、形状変化層720の電極741,742に電気信号電圧を印加して制御することにより形状変化層120を変化させて被検体の境界面に傾斜を設けさせると超音波ビーム752、753は屈折して進行方向を可変させることができる。
例えば、形状変化層720の被検体側の面が超音波振動子710から超音波が形状変化層720に直進して伝播して形状変化層720の被検体側表面の形状が超音波ビーム751の直進方向に対して20度傾斜した場合、形状変化層720の音速C1が約1000m/s.、約2000m/s.の超音波ビームが屈折して進行するそれぞれの角度θは、約31.8度、約15.3度となる。したがって、図9Aの場合の超音波ビーム751が直進する方向に対して、それぞれ形状変化層720の角度20度の傾斜を持たせることによって超音波ビーム752、753の進行方向を可変することができる。すなわち、形状変化層720の傾斜角度と材料の音速により超音波の進行方向を可変することができる。
このように、形状変化層720に印加する電気信号を調整することにより傾斜角度を任意に可変させることができる。また、形状変化層720の電極741,742に印加する電気信号を制御して形状変化層720の傾斜面を可変させるように操作することにより超音波ビーム751,752,753のように角度を可変して走査することができる。
この走査する超音波ビーム751、752、753の角度は、形状変化層720の表面の傾斜角を印加電圧を可変することで前記のような約31.8度、約15.3度より広くすることも可能である。
また、任意の方向に超音波ビームを被検体に送受信した後、形状変化層720の電極741,742に印加する電圧を可変して形状を変化させて超音波ビームの方向を可変して違う方向で被検体に送受信する、ことを繰り返し行うことにより、被検体の断層像を構築できることになる。このような制御は超音波診断装置本体部で行うことにより実現できる。
形状変化層720の被検体側の面の形状を可変する方法の一つとして、形状変化層720の一方の面に設けた電極、図9では電極742を複数個設けてそれぞれの電極742に印加する電気信号、例えば電圧を可変することにより可能にすることができる。例えば、形状変化層720にイオン導電性高分子ポリマーを用いた場合には、電極741,742に印加する電圧によりイオンが移動して、移動したイオン側が膨潤して変形する大きさが変わるため、この電圧をそれぞれの電極742に印加する電圧を可変することにより、それぞれの電極742に位置する領域の形状変化層720の部分の変形量を変えることが可能である。このことにより形状変化層720の被検体側の面を任意に可変できることになる。これは誘電型ポリマー、導電性ポリマーを用いた場合についても同じことがいえる。但し、形状変化層720に設けた電極741,742は、超音波が伝播するときに影響な
いような厚み(例えば影響しないほど薄くする)にすることを考慮しておく必要がある。
また、形状変化層720は、図9の構成から明らかのように超音波が伝播する材料であるのでこの材料を設けたことによる影響、例えば多重反射などを最小限にする必要がある。そのために望まれるのは、形状変化層720の音響インピーダンスは、被検体に近いたとえば生体の音響インピーダンスの値をおおよそ1.4〜1.65メガレールを有することが望ましい。しかし、音響インピーダンスが被検体の値とかけ離れた場合においても、超音波振動子710と被検体の間を有する音響インピーダンスであれば、その形状変化層720の前後に音響整合層を設けることにより多重反射を低減することができる。このため、形状変化層720の音響インピーダンスは、超音波振動子710と被検体の間の値を有するものでも良い。
このように、本実施の形態の超音波トランスデューサ700は、超音波振動子710と、超音波振動子の被検体側に設けられ、電気信号により形状が変化する形状変化層720と、形状変化層720の両面に配置された電極741,742と、電極741,742間に電気信号を印加する可変電源740とを備え、可変電源740は、電極741,742間に印加する電気信号を制御することにより、形状変化層720の被検体側の表面形状が変化させて、形状変化層720を伝播する超音波ビーム方向を任意に可変する。形状変化層720の形状が変化し、その結果として形状変化層720の被検体側の超音波ビームの方向が変化する。超音波ビームを任意の角度で走査できるため、2次元の超音波画像を取得することができ、従来のような機械的な走査は必要なく、モータも不必要であり、小型軽量で操作性良好な超音波画像を得ることができる。
また、電極742の構成を変え、あるいは複数の電極を構成し、それぞれの電極に印加する電圧を制御することにより、形状変化層720を1次元方向だけではなく、2次元の方向にも形状を変化させることも可能である。この構成によれば、3次元に超音波ビームを走査することも可能になり、3次元の超音波画像を構築することも容易にできる。
さらに、形状変化層720は、電気的に可変することが可能であり、かつ可変時間も機械式より高速にできるため、実時間での超音波画像を得ることも可能となる。このため、形状変化層720に印加する電圧の可変を高速にすることにより、実時間で超音波画像の高分解能化も可能となる。
しかも、変形は形状変化層720だけであり、超音波振動子710、背面負荷材730若しくは必要に応じて設ける音響マッチング層は変化させることなく固定した構成にできる。このため、超音波振動子710、背面負荷材730若しくは必要に応じて設ける音響マッチング層は、変形させる材料に制限することもないため、高性能な特性を有したトランスデューサを構成することができる。
(実施の形態8)
図10は、本発明の実施の形態8に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す斜視図である。図9と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。なお、図10中のAの方向から見た図が図9の断面図である。
図10に示すように、超音波トランスデューサ700aは、配列された複数の超音波振動子710と、各超音波振動子710に対応して被検体側(図10の右側)となる厚さ方向前面に配置された音響マッチング層770と、必要に応じて超音波振動子710に対して音響マッチング層770の反対側となる厚さ方向背面(図10の左側)に配置された背面負荷材730と、音響マッチング層770上に配置された形状変化層720と、形状変化層720の両面に配置された電極741,742と、電極741,742間に電気信号
を印加する可変電源740とを備えて構成される。これらの構成は、いわゆる電子走査型超音波トランスデューサと呼称される。
超音波振動子710は、PZT系のような圧電セラミックス、PZN−PT、PMN−PT系のような圧電体若しくはこれら圧電体と高分子材料を複合した複合圧電体によって形成される。また、このほかにシリコン半導体にマイクロマシン技術を用いて加工した静電容量型もあり、ここでいう超音波振動子710は、超音波を送受信できる超音波センサであればこれらに限定されるものではない。
超音波振動子710の前面には、接地用電極(図示略)が形成され、超音波振動子710の背面には信号用電極(図示略)が形成されている。接地用電極及び信号用電極は、それぞれ金や銀のメッキ、蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付けなどによって形成される。上記信号用電極は、ポリイミドなどの高分子材料によって構成される絶縁性フィルムに銅などの金属膜が披着された信号用電気端子760が挿着されている。上記信号用電極は、超音波振動子710に形成されている接地用電極から、前記信号用電気端子760と同じように接地用電気端子(図示略)と接続する。
以下、上述のように構成された超音波トランスデューサ700aの動作について説明する。
超音波振動子710に形成された信号用電極は、信号用電気端子760を介して、また、超音波振動子710の接地電極を介して、それぞれ不図示のケーブルの一端に電気的に接続され、これらのケーブルのそれぞれの他端はコネクタなどを介して不図示の超音波診断装置の本体部に接続される。これによって、超音波診断装置の本体部で作られるパルス電圧を超音波振動子710に印加して超音波を発信し、また、受信した超音波のエコーを電気信号に変換して超音波診断装置の本体部に送信する。この主流となっている一方式として、配列した超音波振動子710のそれぞれに送受信する時間の遅延をかけて位相制御して超音波ビームを所望の位置に絞り高分解能化したり、あるいは超音波ビームを偏向したりして扇形状に走査する方式が一般的になっている。
これらの超音波ビームを所望の位置に収束するあるいは超音波ビームの方向を可変する方向は、超音波振動子710の配列方向に対して制御することになる。
形状変化層720は、形状変化層720の音速が被検体、例えば生体の音速(1540m/s.)と違う値を有していれば、形状変化層720と被検体との境界で屈折して超音波ビーム750を任意の方向に可変することができる。実施の形態17で説明したように、形状変化層720の音速と、被検体の音速とに差をもたせることによりその境界で超音波は屈折するため、この屈折を利用して形状変化層720の形状を変化させて超音波ビーム750の方向を制御する。形状変化層120は超音波ビームの方向を可変する機能を有し、超音波振動子110の配列方向と直交する方向の超音波ビーム方向を可変させる。
本実施の形態では、形状変化層720は、電気信号により被検体側の形状を任意に可変できる材料を用いる。形状変化層720の両面には、電極741,742を設け、電極741,742間に電気信号(ここでは電圧)を印加する。可変電源740は、電極741,742間に印加する電圧を調整する。これにより、形状変化層720の形状を可変させて超音波ビーム750の方向をコントロールする。
形状変化層720の被検体側の電極742は、複数設けている。これら電極742は、超音波振動子710を配列した方向に延伸されており、超音波振動子710の配列方向と直交する方向の電極742は複数個に分割されている。それぞれの電極742に印加する
電気信号の電圧は可変できるようになっており、この印加電圧を変化させることで形状変化層720の被検体側の面を超音波振動子710の配列方向と直交する方向に変形させ、図9Aの変形前の状態から図9B,Cに示すように変形させて傾斜させることが可能になる。
なお、形状変化層720の被検体側に設ける電極742を複数個設ける構成としたが、被検体側と反対側に複数個電極を設けた構成にしても良い。
また、形状変化層720の一方に設けた電極742を超音波振動子710の配列方向に延伸しその直交方向に複数個設けた構成にしたが、電極742を2次元の配列した構成にすることにより、これら電極に印加する電圧を制御することで2次元に超音波ビームの方向を可変制御できることになる。例えば、配列した超音波振動子710の両端の超音波ビームの方向を違う方向にすることもできる。また、診断画像の関心領域を抽出したい場合、超音波トランスデューサ700を移動しないで超音波ビーム750の方向を可変することで可能となる。
ここで、形状変化層720の音速が被検体の音速と違う材料を用いることで、形状変化層720の表面を傾斜させることにより、超音波ビーム750を超音波振動子710の配列方向と直交する方向に可変し走査することが可能となる。
例えば、形状変化層720にイオン導電性高分子ポリマーを用いた場合には、電極741,742に印加する電圧によりイオンが移動して、移動したイオン側が膨潤して高分子が変形する大きさが変わるため、この電圧をそれぞれの電極742に印加する電圧を可変することによりそれぞれの電極742に位置する領域の形状変化層720の部分の変形量を変えることが可能であり、このことにより形状変化層720の被検体側の面を任意に可変できることになる。これは誘電型ポリマー、導電性ポリマーを用いた場合についても同じことがいえる。形状変化層720に設けた電極741,742は超音波が伝播するときに影響ないような厚みにすることを考慮しておく必要がある。
また、形状変化層720は、図10の構成から明らかのように超音波が伝播する材料であるのでこの材料を設けたことによる影響、例えば多重反射などを最小限にする必要がある。そのために望まれるのは、形状変化層720の音響インピーダンスは、被検体に近いたとえば生体の音響インピーダンスの値をおおよそ1.4〜1.65メガレールを有することが望ましい。
このように、超音波振動子710の配列方向と直交する方向に形状変化層720を変形させることにより超音波ビーム750の方向を可変走査できるため、超音波振動子710の配列方向と直交する方向においても超音波画像を得ることができ、超音波振動子710の配列方向の電子走査で取得する超音波画像と併せることにより3次元の超音波画像を得ることができる。
超音波診断装置などの本体部は、超音波ビーム750の方向可変するための形状変化層720の両面の電極に印加する電圧の制御を行う。本体部は、配列した複数のある群の超音波振動子710のそれぞれに送受信する時間の遅延をかけて位相制御して超音波ビームを送受信する。本体部は、上記位相制御を順次電子的に切り換えて走査し、所望の超音波断層像を1断面得る。その後、本体部は、形状変化層720の各電極に制御した電圧を印加して配列した超音波振動子710と直交する方向に超音波ビーム方向を可変するように制御する。このような走査を繰り返すことにより、3次元的な超音波画像を構築することが可能となる。このような制御は、超音波診断装置本体で容易に行うことができ、しかも形状変化層720の変形速度は高速にできることも可能であり、実時間での3次元画像を
得ることも可能となる。
従来のような複数個配列した超音波振動子710の電子走査型超音波トランスデューサをモータなどで超音波トランスデューサを往復運動、揺動運動などさせていた構成に対して、本実施の形態は、モータなどの駆動系及びそれを伝達する伝達系は不要であり、しかも超音波トランスデューサは、殆ど動くことがなく形状変化層720のみの変形だけである。小型で軽量、しかも電気端子やそれに接続されるケーブルなど可動することがなく、また機構なども不要であるため寿命も長くなるなど信頼性が高い長所を有している。
(実施の形態9)
図11は、本発明の実施の形態9に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図である。図9と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図11に示すように、超音波トランスデューサ700bは、超音波振動子710と、形状変化層720A,720B,720Cと、背面負荷材730と、形状変化層720A,720B,720Cの両面に配置された電極741,742と、電極741,742間に電気信号を印加する可変電源740とを備えて構成される。
また、必要に応じて超音波振動子710と形状変化層720A,720B,720Cの間に1層以上の音響マッチング層(図示せず)を設けてもよい。形状変化層720A,720B,720C以外のこれら各構成要素のそれぞれの機能は、図1の従来技術で説明したものと同様である。
超音波振動子710は、PZT系のような圧電セラミックス、PZN−PT、PMN−PT系のような圧電単結晶、又は前記材料と高分子を複合した複合圧電体などの材料からなる。
超音波振動子710の厚さ方向の前面には、図示しない接地電極と、背面には信号用電極がそれぞれ設けられている。両電極は、金や銀の蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付け等により超音波振動子710の前面、背面にそれぞれ形成される。
形状変化層720A,720B,720Cは、超音波振動子710に対応して被検体側(図11の上方)となる厚さ方向前面に配置され超音波ビームの方向を可変する機能を有する。
形状変化層720A,720B,720Cは、図9の形状変化層720の機能と同じであり、被検体の音速と形状変化層720A,720B,720Cの音速が違うということを有効に利用して超音波ビームの方向を可変する。
さらに、本実施の形態の形状変化層720A,720B,720Cは、被検体の任意の深さに超音波ビームを収束させる機能を付加している。以下、具体的に説明する。
図11A−Cに示すように、形状変化層720A,720B,720Cの被検体側の面の状態は、曲面形状を有する。
図11Aに示すように、超音波ビーム751を直進させ、任意の深さに収束させる場合には、形状変化層720Aの被検体側の面は、単一の曲率半径を持たせるような形状にすればよい。形状変化層720A表面の曲面形状は、形状変化層720Aの音速と被検体の音速差で凹面形状あるいは凸面形状にすることにより超音波ビームを収束することができる。例えば、形状変化層720Aの音速が被検体の音速より遅い値の場合には、超音波ビ
ームを収束させるには形状は凸面になり、逆に形状変化層の音速が速い場合には凹面形状になる。この機能は実施の形態1にて詳細に説明した内容と同じである。
これを図11B,Cに示すように、超音波ビーム752,753の方向を可変させて、かつ超音波ビーム752,753を任意の深さに収束させる場合には、形状変化層720B,720Cの被検体側の面の曲面は、曲率半径が位置によって徐々に可変するような形状にする。
このように形状変化層720A,720B,720Cの被検体側の表面形状の可変は、形状変化層720の一方の電極、ここでは電極742を複数個に分割して、それぞれの電極に印加する電気信号である電圧を制御することにより可能となる。このように形状変化層720の形状を変形させることで超音波ビームの収束と方向の可変を行うためには、精度よく変形させることが必要になってくる。変形を精度良く行うためには、複数個設けている電極742の数を増やし、また電極の形状、更にそれぞれの電極に印加する電圧の制御精度良く行うということも考慮する必要がある。
例えば、形状変化層720A,720B,720Cにイオン導電性高分子ポリマーを用いた場合には、電極741,742に印加する電圧によりイオンが移動して、移動したイオン側が膨潤して高分子が変形する大きさが変わる。このため、この電圧をそれぞれの電極742に印加する電圧を可変することによりそれぞれの電極142に位置する領域の形状変化層720A,720B,720Cの部分の変形量を変えることが可能である。
このことにより形状変化層720A,720B,720Cの被検体側の面を任意に可変できることになる。誘電型ポリマー、導電性ポリマーを用いた場合についても同じことがいえる。但し、形状変化層720A,720B,720Cに設けた電極741,742は超音波が伝播するときに影響ないような厚みにすることを考慮しておく必要がある。
また、形状変化層720に用いる色々な材料はあるが、これらの材料はそれぞれ印加電圧と変形量に違いがあるので、使用する材料によって印加電圧を最適化する必要がある。
また、形状変化層720A,720B,720Cは、超音波が伝播する材料であるので、この材料を設けたことによる影響、例えば多重反射などを最小限にする必要がある。そのために望まれるのは、形状変化層720A,720B,720Cの音響インピーダンスは、被検体に近いたとえば生体の音響インピーダンスの値をおおよそ1.4〜1.65メガレールを有することが望ましい。
なお、本実施の形態では、超音波振動子710が単一の構成の場合について説明したが、超音波振動子710が複数個配列した電子走査型の構成やリング状に超音波振動子を配列したいわゆるアニュラーアレイ型の構成についても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態10)
図12は、本発明の実施の形態10に係る超音波トランスデューサの概略構成を示す断面図である。図9と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図12に示すように、超音波トランスデューサ700cは、超音波振動子710と、形状変化層720と、背面負荷材730と、形状変化層720の両面に配置された電極741,742と、電極741,742間に電気信号を印加する可変電源740と、形状変化層720の前面に配置された音響レンズ780とを備えて構成される。
また、必要に応じて超音波振動子710と形状変化層720の間に1層以上の音響マッ
チング層(図示せず)を設けてもよい。形状変化層720以外のこれら各構成要素のそれぞれの機能は、図1の従来技術で説明したものと同様である。
超音波振動子710は、PZT系のような圧電セラミックス、PZN−PT、PMN−PT系のような圧電単結晶、又は前記材料と高分子を複合した複合圧電体などの材料からなる。
超音波振動子710の厚さ方向の前面には、図示しない接地電極と、背面には信号用電極がそれぞれ設けられている。両電極は、金や銀の蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付け等により超音波振動子710の前面、背面にそれぞれ形成される。
音響レンズ780は、超音波ビームを任意の深さに収束させる。音響レンズ780は、例えばシリコーンゴムなどの材料を使用して一定の形状に形成される。
形状変化層720は、電気信号により被検体側の形状を任意に可変できる材料を用いる。形状変化層720の両面には、電極741,742を設け、電極741,742間に電気信号(ここでは電圧)を印加する。可変電源740は、電極741,742間に印加する電圧を調整する。
形状変化層720としては、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子に印加する電気信号により高分子が変形する材料を用いる。形状変化層720は、前記形状変化層720の音速が被検体、例えば生体の音速(1540m/s.)と違う値を有していれば形状変化層720と被検体との境界で屈折して超音波ビーム751,752,753を任意の方向に可変することができる。これは形状変化層720の音速と、被検体の音速とに音速差をもたせることによりその境界で超音波は屈折するため、この屈折を利用して形状変化層720の形状を変化させて超音波ビーム751,752,753の方向を可変することができる。
しかし、超音波ビーム751,752,753の進行方向の可変は可能であるものの、これを超音波画像とした場合は、超音波ビーム751,752,753は収束していないため、高分解能化は難しい。そこで超音波ビーム751,752,753を収束する機能を有する音響レンズ780を形状変化層720の被検体側に設ける。
このような構成にすることにより、形状変化層720が、超音波ビーム751,752,753の方向を可変する機能を有し、音響レンズ780が、超音波ビーム751,752,753を収束する機能を持つ。これにより、超音波トランスデューサ700cは、高分解能の超音波画像を得ることが可能となる。
また、形状変化層720は、超音波が伝播する材料であるのでこの材料を設けたことによる影響、例えば多重反射などを最小限にする必要がある。そのために望まれるのは、形状変化層720の音響インピーダンスは、音響レンズ780若しくは被検体(例えば生体)に近い音響インピーダンスの値をおおよそ1.4〜1.65メガレールを有することが望ましい。
以上のように、形状変化層720に印加する電圧を可変することにより形状変化層720の形状が変化し、その結果として形状変化層720の被検体側の表面状態が変化するため、形状変化層720を伝播する超音波ビーム方向を任意の角度に可変走査することができる。また、形状変化層720の前面に超音波ビームを収束する音響レンズ780を設けているため、2次元の高分解能の超音波画像を取得することができる。従来のような機械的な走査ではないため、モータも不必要であり、小型軽量で操作性良好な超音波画像を得
ることができる。
また、電極742の構成を変えることにより、形状変化層720を1次元方向だけではなく、2次元の方向にも形状を変化させることも可能である。この構成によれば、3次元に超音波ビームを走査することも可能になり、3次元の超音波画像を構築することも容易にできる。
さらに、形状変化層720を電気的に可変することが可能であり可変時間も機械式より高速にできるため、実時間での超音波画像を得ることも可能となる。
なお、本実施の形態は、形状変化層720の音響インピーダンスが音響レンズ780若しくは被検体の音響インピーダンスに近い値を有する場合について説明したが、形状変化層720の音響インピーダンスの値が被検体と違う値の材料の場合には、形状変化層720と音響レンズ780の間に音響マッチング層を設けた構成にしても同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態は、形状変化層720を超音波振動子710に直接設けた構成の場合について説明したが、形状変化層720は間接的つまり超音波振動子に直接接触しないで間に超音波伝播媒質などを介在した構成についても同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態は、超音波振動子710が単一の構成の場合について説明したが、超音波振動子710が複数個配列した電子走査型の構成や、リング状に超音波振動子を複数設けたいわゆるアニュラーアレイ型の構成についても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態11)
図13は、本発明の実施の形態11に係る超音波探触子の概略構成を示す断面図である。図9と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図13に示すように、超音波探触子800は、円筒形状の筐体610と、筐体610に内包された超音波トランスデューサ700と、筐体610内と超音波トランスデューサ700間を充填する超音波伝播媒質620とを備えて構成される。
超音波トランスデューサ700は、実施の形態7で説明した構成と同じで、機能も同一である。実施の形態7の超音波トランスデューサ700に代えて、実施の形態7乃至10の超音波トランスデューサ700a,700b,700cを適用してもよい。
筐体610は、被検体と直接若しくは間接的に接触する。筐体610は、被検体に近い音響インピーダンスを有する材料(例えば、ポリエチレン、ポリメチルペンテンなど)を用いる。
超音波伝播媒質620は、筐体610と同様の被検体に近い音響インピーダンスを有する材料(例えば1,3ブタンジオールやオイル形の液体)を用いる。
超音波トランスデューサ700の超音波振動子710により発生した超音波は、形状変化層720、超音波伝播媒質620そして筐体610を透過して被検体に送信される。被検体から反射してきた超音波は、再び送信と逆の経路を通って超音波振動子710で受信される。
超音波探触子800は、このような超音波トランスデューサ700を、超音波伝播媒質620を介在して筐体610に内包する。
本実施の形態によれば、形状変化層720に電圧を印加して形状変化層720の形状を変化させる場合、形状変化層720が直接被検体に接触して使用するときのように形状変化層720の変形が妨げられることがなくなり、所望の超音波ビーム751,752,753を高速に可変走査できて形成することができるようになる。
また、超音波トランスデューサ700を機械的に回転、往復運動若しくは揺動させて走査する構成の超音波探触子800に適用することも可能である。
なお、本実施の形態では、超音波振動子710が単一の構成ついて説明したが、このほか、超音波振動子710が1次元に配列した構成若しくは2次元に配列した構成に形状変化層720を設けた場合についても同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施の形態1乃至11では、形状変化層720の被検体側に設けた電極742が被検体に直接接触するような構成の場合について説明したが、電極742と被検体との間に形状変化層720の変形に追従するようなフィルムなどの絶縁体を設けて保護するような構成にしても同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施の形態では、超音波振動子710が均一の厚みで平坦な形状に形状変化層720の被検体側表面に設けた場合について説明したが、超音波振動子710が不均一の厚みであっても、また凸面,凹面形状に形状変化層720の被検体側表面に設けも同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施の形態では、形状変化層720の音響インピーダンスが被検体の音響インピーダンスに近い値を有する場合について説明したが、このほか形状変化層720の音響インピーダンスの値が、被検体と違う値の材料の場合には、形状変化層720と被検体の間に音響マッチング層を設けた構成にしても同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施の形態では、形状変化層720超音波振動子710に直接設けた構成の場合について説明したが、形状変化層720は、間接的つまり超音波振動子に直接接触しないで間に超音波伝播媒質などを介在した構成についても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態12)
図14は、本発明の実施の形態12に係る超音波トランスデューサの概略断面図である。
図14に示すように、超音波トランスデューサ700dは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系のような圧電セラミックス、PZN-PT(亜鉛ニオブ酸チタン酸鉛)、PMN-PT(マグネシウムニオブ酸チタン酸鉛)系のような圧電単結晶、又は前記材料と高分子を複合した複合圧電体などからなる。
また、このほかにシリコン半導体にマイクロマシン技術を用いて加工した静電容量型もあり、ここでいう超音波振動子710は、超音波を送受信できる超音波センサであればこれらに限定されるものではない。
これらの材料の、超音波を送受信する超音波振動子710と、超音波振動子710において、被検体側(図14の上方)とは反対の側、つまり超音波の送受信方向に関しては背面側(図14の下方)に配置され超音波振動子710の向きを可変する機能を有する形状変化層720と、更に形状変化層720の背面には、超音波振動子710と形状変化層7
20を保持し、かつ必要に応じて不要な超音波信号を減衰させる機能を有する背面負荷材730から構成されている。また、必要に応じて超音波振動子710の被検体側の面には、1層以上の音響マッチング層と音響レンズ(図示略)を設けても良い。形状変化層72
0の上下面には、電極741,742を設けている。形状変化層720以外のこれら各構成要素のそれぞれの機能は、図1の従来技術で説明したものと同様である。
超音波振動子710の厚さ方向の前面には図示していない接地電極と、背面には信号用電極がそれぞれ設けられている。両電極は、金や銀の蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付け等により超音波振動子710の前面、背面にそれぞれ形成される。
形状変化層720は、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子に印加する電気信号により高分子が変形する材料を用いる。
イオン導電性高分子ポリマーは、イオン交換樹脂とその両面に電極741,742を設けたポリマーアクチュエータで、印加する電圧によりイオンが移動して、移動したイオン側が膨潤して高分子が変形する。イオン導電性高分子ポリマーは、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基、カルボキシル基などの官能基が導入されたものや、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリウレタンなどの非導電性高分子とイオン性物質とが含有された高分子の材料などがある。
また、誘電型ポリマーの両面に電極741,742を設け、電極間に電圧を印加する。誘電型ポリマーは、その電極間の静電引力で厚み方向に圧縮されてポリマーの平面方向に伸長して変形する。誘電型ポリマーは、シリコーンゴムやポリウレタンやアクリルエラストマーなどの材料がある。
また、導電性ポリマーは、導電性を有したポリマーから電気端子を取り出し、その電気端子に電圧を印加する。導電性ポリマーは、電気端子間で収縮し、印加電圧をオフにするともとに戻る。導電性ポリマーは、ポリピロール樹脂などがある。また、上記材料以外にも電気信号によりポリマー材が変形する他の材料であれば良く、上記材料に限定するものではない。
なお、このほか、ポリマーに電気信号を印加することにより変形する特性を有するポリマーアクチュエータであれば上記材料に限定するものではなく同様の効果が得られる。
形状変化層720の電極741,742に印加する電気信号である電圧を印加しない状態は、図14Aに示すように変形しない状態で均一の厚みの形状になっており、このような状態で超音波振動子710に電気信号を印加すると、超音波振動子710は振動して超音波が発生し被検体側に超音波ビーム751が直進して送信される。
図14Aに示す状態において、形状変化層12の電極741,742に電気信号の電圧を印加する。これにより、形状変化層720は、例えばイオン導電性高分子ポリマーを使用した場合には、ポリマー内でイオンの移動が発生して、イオンが移動した側のポリマー部は膨張して形状変化層720に変形が起こる。この機能を利用することで、図14B,Cに示すように、形状変化層720の電極741,742に印加する電圧を可変調整する。これにより、形状変化層720を変形させて超音波振動子710側の面を傾斜させることが可能となる。
形状変化層720に印加する電圧と変形量は、ほぼ比例関係にあり、印加電圧を高くすると変形量が大きくなる。印加電圧の値を調整することにより形状変化層720の変形量を調整することができる。このため、形状変化層720の前面に設けている超音波振動子
710が形状変化層720の変形に追従して傾斜させることが可能となる。その結果、超音波ビーム751は、図14B,Cに示すように超音波ビーム752,753のように方向を可変することができる。
このように形状変化層720を電圧によって変形させることが可能になる。超音波ビーム751,752,753の方向を2次元あるいは3次元的に可変できるため、超音波画像を2次元あるいは3次元的に表示することができる。なお、形状変化層720に設けた電極741,742に電気信号を印加する可変電源は図示していない。
より具体的には、超音波振動子710の面の向きを可変する方法の一例として以下がある。形状変化層720の一方の面に設けた電極、図14では電極742を複数個設けて、それぞれの複数の電極742に印加する電気信号、例えば電圧を可変する。これにより図14B,Cに示すように形状変化層720の左右の厚さを変えることができ、超音波の送受信方向を変更することができる。例えば、形状変化層720にイオン導電性高分子ポリマーを用いた場合には、電極741,742に印加する電圧によりイオンが移動して、移動したイオン側が膨潤して高分子が変形する大きさが変わる。このようにそれぞれの電極742に印加する電圧を可変制御することにより、それぞれの電極742に位置する領域の形状変化層720の部分の変形量を変える。形状変化層720の前面に設けている超音波振動子710の面の向きを任意に可変することができる。これは誘電型ポリマー、導電性ポリマーを用いた場合についても同じことがいえる。
なお、形状変化層720を図14に示すように精度よく変形させるには、形状変化層720の一方の電極(ここでは電極742)を複数個設け、また電極のパターンを変えて、それぞれの電極に印加する電圧を調整することが望ましい。
また、形状変化層720は、超音波振動子710と背面負荷材730の間に設けた構成にしているため、下記の対応を採ることができる。すなわち、背面負荷材730の機能である超音波振動子710を保持し、形状変化層720に背面負荷材730の機能を有するように、背面負荷材730に近い音響インピーダンスを持たせる。これにより、不要な超音波信号の減衰を低下させる、あるいは形状変化層720内で不要な超音波の多重反射などの懸念を解消することができる。この構成の場合は、背面負荷材730は固定された状態となる。
また、図14では、背面負荷材730を形状変化層720の背面に設けた構成について説明したが、このほか、形状変化層720そのものを背面負荷材の機能を有するような形状(厚み)にして、その形状変化層720の背面には保持する機能を有する保持台を設け
た構成においても同様の効果が得られる。
以上のように、形状変化層720に印加する電圧を可変することにより形状変化層720の形状が変化し、その前面に設けた超音波振動子710の被検体に対する向きが変わる。これにより超音波ビーム方向を任意の角度に可変走査することができるため、2次元の超音波画像を取得することができる。また、従来のような機械的な走査ではないため、モータも不要であり、小型軽量で操作性良好な超音波画像を得ることができる。
また、形状変化層720を1次元方向だけではなく2次元の方向にも電極742の構成を変えることにより可能である。3次元に超音波ビームを走査することも可能であり、3次元の超音波画像を構築することも容易である。さらに、形状変化層720を電気的に可変することで、可変時間を機械式より高速にすることができ、実時間での超音波画像を得ることができる。
以上、超音波振動子710が単一の場合の構成について説明したが、このほか、図15に示すように、超音波振動子710を複数備えてもよい。
図15中のAの方向から見た図面は図14A−Cを反時計回りに90°回転した図とほぼ同等である。図14と同一の基本機能を奏する構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
この超音波トランスデューサ700eは、超音波を送受信する配列された複数の超音波振動子710と、各超音波振動子710に対応して被検体側(図15の右側)となる厚さ方向前面に配置された性能を向上させるために設けた音響マッチング層770と、必要に応じて超音波振動子710に対して音響マッチング層770の反対側となる厚さ方向背面(図15の左側)に配置された形状変化層720と、更にその背面に配置された背面負荷材730と、音響マッチング層770上に配置された超音波を収束し分解能を向上させるために設けた音響レンズ780とから構成されている。この構成は、いわゆる電子走査型超音波トランスデューサである。これら各構成要素のそれぞれの機能は、形状変化層720以外は図1の従来技術で説明したものと同様である。
図15において、超音波トランスデューサ700eの構成要素のうち、複数の超音波振動子710はPZT系のような圧電セラミックス、PZN-PT、PMN-PT系のような圧電体若しくはこれら圧電体と高分子材料を複合した複合圧電体などによって形成される。
また、このほかにシリコン半導体にマイクロマシン技術を用いて加工した静電容量型もあり、ここでいう超音波振動子710は、超音波を送受信できる超音波センサであればこれらに限定されるものではない。
超音波振動子710の被検体側となる前面には接地用電極(図示略)が形成され、超音波振動子710の背面には信号用電極(図示略)が形成されている。接地用電極及び信号用電極は、それぞれ金や銀のメッキ、蒸着、スパッタリング、あるいは銀の焼き付けなどによって形成される。
また、超音波振動子710に形成されている信号用電極は、ポリイミドなどの高分子材料によって構成される絶縁性フィルムに銅などの金属膜が披着された信号用電気端子760が挿着されている。一方、超音波振動子710に形成されている接地用電極から、前記信号用電気端子760と同じように接地用電気端子(図示略)と接続する。
上記のように構成された超音波トランスデューサ700eの動作について説明する。
各超音波振動子710に形成された信号用電極は、信号用電気端子760を介して、また、超音波振動子710の接地電極を介して、それぞれ不図示のケーブルの一端に電気的に接続され、これらのケーブルのそれぞれの他端はコネクタなどを介して不図示の超音波診断装置の本体部に接続される。これによって、超音波診断装置の本体部で作られる規則正しいパルス電圧が超音波振動子710に印加される。超音波トランスデューサ700eは、超音波を発信し、また、超音波トランスデューサ700eは、受信した超音波のエコーを電気信号に変換して超音波診断装置の本体部に送信する。
この方式として、配列した複数の超音波振動子710のそれぞれに送受信する時間に遅延をかけて位相制御して、配列した超音波振動子710方向に対して超音波ビームを所望の位置に収束し高分解能化したり、あるいは超音波ビーム方向を可変し偏向したりして扇形状に走査する方式が一般的になっている。超音波振動子710と背面負荷材730の間
に設けた形状変化層720の上下面には電極741,742を設けている。
形状変化層720は、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子の両面に設けた電極741,742に印加する電気信号により高分子が変形する材料を用いる。
形状変化層720の電極741,742に印加する電気信号である電圧を印加しない状態は、図15に示すように変形しない状態で均一の厚みの形状になっている。図15に示す状態で超音波振動子710に電気信号を印加すると、超音波振動子710は振動して超音波が発生し被検体側に超音波ビーム750が直進して送信される。図15に示すような状態において、形状変化層720の電極741,742に電気信号の電圧を印加すると形状変化層720は、例えばイオン導電性高分子ポリマーを使用した場合には、ポリマー内でイオンの移動が発生して、イオンが移動した側のポリマー部は膨張して形状変化層720に変形が起こるという機能がある。この機能を利用することによって、図15のA方向から見た図として図14B,Cに示すように形状変化層720を変形させて配列した超音波振動子710と直交する方向に対して面を傾斜させることが可能となる。形状変化層720にも受けた電極742のパターンを変えることにより、配列した超音波振動子710と直交する方向だけではなく配列した超音波振動子方向に対しても傾斜させることができる。
この形状変化層720に印加する電圧と変形量は、ほぼ比例関係にあり、印加電圧を高くすると変形量が大きくなる。印加電圧の値を調整することにより形状変化層720の変形量を調整することができる。このため、形状変化層720の前面に設けている配列した超音波振動子710と直交する方向に超音波振動子710が形状変化層720の変形に追従して傾斜させることが可能となる。その結果、図15に示す超音波ビーム750は、図14B,Cに示すように超音波ビーム752、753のように方向を可変走査することができる。
超音波振動子710の面の向きを可変する方法の一つとして、形状変化層720の一方の面に設けた電極、図15では電極742を複数個設けて、それぞれの複数の電極742に印加する電気信号、例えば電圧を可変制御する。例えば、形状変化層720にイオン導電性高分子ポリマーを用いた場合には、電極741,742に印加する電圧によりイオンが移動して、移動したイオン側が膨潤して高分子ポリマーが変形する大きさが変わるため、この電圧をそれぞれの電極742に印加する電圧を可変する。これによりそれぞれの電極742に位置する領域の形状変化層720の部分の変形量を変えることが可能になる。これにより形状変化層720の前面に設けている超音波振動子710の面の向きを任意に可変できることになる。これは誘電型ポリマー、導電性ポリマーを用いた場合についても同じことがいえる。
なお、形状変化層720を図14に示すように精度よく変形させるには、形状変化層720の一方の電極(ここでは電極742)を複数個設け、また電極のパターンを変えて、それぞれの電極に印加する電圧を調整することが望ましい。
また、形状変化層720は、超音波振動子710と背面負荷材730の間に設けた構成にしているため、下記の対応を採ることができる。すなわち、背面負荷材730の機能である超音波振動子710を保持し、形状変化層720に背面負荷材730の機能を有するように、背面負荷材730に近い音響インピーダンスを持たせる。これにより、不要な超音波信号の減衰を低下させる、あるいは形状変化層730内で不要な超音波の多重反射などの懸念を解消することができる。この構成の場合は、背面負荷材730は固定された状態となる。
また、図15では、背面負荷材730を形状変化層710の背面に設けた構成について説明したが、このほか、形状変化層720そのものを背面負荷材の機能を有するような形状(厚み)にして、その形状変化層720の背面には保持する機能を有する保持台を設け
た構成においても同様の効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態は、超音波振動子710の配列方向と直交する方向に形状変化層720を変形させることにより超音波ビーム750を可変走査させることができる。超音波振動子710の配列方向と直交する方向においても超音波画像を得ることができるので、超音波振動子710の配列方向の電子走査で取得する超音波画像と併せることにより3次元の超音波画像を得ることができる。
形状変化層720で超音波ビーム750の方向可変する方式と、超音波トランスデューサ700を従来のモータなどで可変する方式を併用することにより、更に超音波ビームの可変の自由度を拡大することができる。
また、従来例では、モータなどで超音波トランスデューサ700を往復運動、揺動運動などさせていた。これに対して、本実施の形態は、モータなどの駆動系、及び駆動系を伝達する軸も不要である。しかも、本実施の形態は、超音波トランスデューサ700eは殆ど動くことがなく形状変化層720のみの変形だけであるため、小型で軽量しかも電気端子やそれに接続されるケーブルなども可動がない。このため、変形がなく、また機構など不要であるため寿命も長くなり信頼性が高くなる長所を有する。
なお、本実施の形態は、超音波振動子710が均一の厚みの構成の場合について説明したが、このほか、超音波振動子710が不均一の厚みであっても、また凸面、凹面形状にした構成でも同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態は、形状変化層720を超音波振動子710と背面負荷材730の間に設けた場合について説明したが、このほか形状変化層720の設ける位置は、これに限定されるものではなく、背面負荷材を兼ねる場合でも、背面負荷材730の背面側に設けても、超音波振動子710の向きを可変できる構成であれば同様の効果を得ることができる。
(実施の形態13)
図16は、本発明の実施の形態13に係る超音波探触子の概略断面図である。図12と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図16に示すように、超音波探触子820の超音波トランスデューサ700は、PZT系のような圧電セラミックス、PZN-PT、PMN-PT系のような圧電単結晶、又は前記材料と高分子を複合した複合圧電体などの材料の超音波振動子710と、超音波振動子710に対応して被検体側(図16の上方)とは反対側の背面(図16の下方)に配置され、超音波振動子710を保持し、かつ必要に応じて不要な超音波信号を減衰させる機能を有する背面負荷材730とを備える。
また、超音波探触子820は、超音波トランスデューサ700の背面負荷材730の一部で、かつ超音波振動子710と背面負荷材730を可動させる機能を有する形状変化層720と、超音波振動子710と背面負荷材730を可動させるために、形状変化層720の一部が接続されて土台となる固定台790とを備える。形状変化層720の両面には電極741,742を設けている。
また、超音波探触子820は、必要に応じて超音波振動子710の被検体側の面に、1層以上の音響マッチング層と音響レンズ(図示せず)を設けても良い。
形状変化層720は、イオン導電性高分子ポリマー、誘電型ポリマー、及び導電性ポリマーなどの高分子の両面に設けた電極741,742に印加する電気信号により高分子が変形する材料を用いる。
図16に示すように、形状変化層720は背面負荷材730、固定第台790の左右に2個取り付けている構成にしている。
形状変化層720の電極741,742に印加する電気信号である電圧を印加しない状態では、図16Aに示すように変形しない状態で均一の厚み(図314中、超音波送受信
方向に対しての長さが均一)の形状になっており、このような状態で超音波振動子710に電気信号を印加すると超音波振動子710は振動して超音波が発生し被検体側に超音波ビーム751が直進して送信される。図16Aに示す状態において、形状変化層720の電極741,742に電気信号の電圧を印加する。形状変化層720は、例えばイオン導電性高分子ポリマーを使用した場合には、イオンの移動が発生して形状変化層720に変形が起こるという機能がある。この機能によって、図16B,Cに示すように、左右の形状変化層720に異なる電圧を印加することでそれぞれ異なる厚さに変形させて超音波振動子710と背面負荷材730の超音波トランスデューサ700を傾斜させることができる。したがって、背面負荷材730の前面に設けてある超音波振動子710の面の向きを傾斜させることが可能となる。この場合、固定台790は固定されており可動することはない。
より具体的には、図16では、形状変化層720を背面負荷材730の左右に2個設けた構成である。この2個の形状変化層720に印加する電圧を、それぞれ個別に調整して、変形量を調整する。超音波振動子710と背面負荷材730で構成した超音波トランスデューサ700は、図16Aから16B,Cに示すように可動させて傾斜させる。図16に示すように、超音波振動子710からの超音波ビーム751,752,753の方向を可変走査することができる。
この形状変化層720に印加する電圧と変形量はほぼ比例関係にあり、印加電圧を高くすると変形量が大きくなる。この印加電圧の値を調整することにより形状変化層720の変形量を調整することができる。
以上のように、本実施の形態は、形状変化層720に印加する電圧を可変することにより形状変化層720の形状を変化させることができる。超音波トランスデューサ700の被検体に対する向きが変わることにより超音波ビーム方向を任意の角度で可変走査することができ、2次元の超音波画像を取得することができる。
また、従来例のような機械的な走査ではないため、モータも不必要であり、小型軽量で操作性良好な超音波画像を得ることができる。
また、本実施の形態は、電極742のパターン構成を変えることにより、形状変化層720を1次元方向だけではなく2次元の方向にも変化させることが可能である。同様に、3次元に超音波ビームを走査するように構成すれば、3次元の超音波画像を構築することも容易にできる。
本実施の形態は、形状変化層720を電気的に可変するので、可変時間が機械式より高速となり、実時間での超音波画像を得ることも可能となる。
なお、図16の形状変化層720は、図16の内側、外側同士を同じ機能を有する電極としたが、電極の設置方法は、これに限るものではない。また、形状変化層720の長手の方向の面ではなく、背面負荷材730側の面と固定台790側の面に設けてもよい。
また、形状変化層720の長手方向の面に電極を設けた場合、長手方向への変形を優先し、電極間方向への変形を制限するための補強材を設けてもよい。
また、形状変化層720の材料として導電性ポリマーは、電極を設ける必要はなく、導電性ポリマーから電気端子を取り出した構成で電気端子間に電圧を印加すればそれで変形する。
また、本実施の形態では、超音波振動子710は単一の場合について説明したが、このほか、超音波振動子710を複数個配列されたいわゆる1次元あるいは2次元アレイ型超音波振動子、若しくは超音波振動子710を円環状に複数個設けたいわゆるアニュラーアレイ型超音波振動子の構成にしても同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、固定台と背面負荷材の一部側面に2個の形状変化層を設けた構成の場合について説明したが、このほか、背面負荷材と固定台の間に1個若しくは3個以上の形状変化層を設けた構成にしても同様の効果が得ることができる。
また、本実施の形態では、固定台と背面負荷材の一部側面に複数個の形状変化層を設け、固定台と背面負荷材に空間があるような構成の場合について説明したが、このほか、背面負荷材と固定台の間に直接形状変化層を設けた構成にしても同様の効果が得ることができる。
(実施の形態14)
図17は、本発明の実施の形態14に係る超音波探触子の一部概略断面図である。図16と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図17に示すように、超音波探触子900の超音波トランスデューサ700は、PZT系のような圧電セラミックス、PZN-PT、PMN-PT系のような圧電単結晶、又は前記材料と高分子を複合した複合圧電体などの材料の超音波を送受信する超音波振動子710を備える。また、超音波トランスデューサ700は、超音波振動子710に対応して被検体側(図17の右方)と反対側の背面(図17の左方)に配置され超音波振動子710の向きを可変する機能を有する形状変化層720と、更に形状変化層720の背面には、超音波振動子710と形状変化層720を保持し、かつ必要に応じて不要な超音波信号を減衰させる機能を有する背面負荷材730とを備える。
また、必要に応じて超音波振動子710の被検体側の面には、1層以上の音響マッチング層と音響レンズ(図示略)を設けても良い。形状変化層720の上下面には、電極74
1,742を設けている。形状変化層720以外のこれら各構成要素のそれぞれの機能は、従来技術で説明したものと同様である。
超音波トランスデューサ700の構成及び機能は、実施の形態12.13で説明したものと同じである。
図17に示すように、超音波トランスデューサ700は、筐体610に内包されており、筐体610と超音波トランスデューサ700の間には、液体のような超音波伝播媒質620を設けた構成にする。筐体610は、被検体と直接若しくは間接的に接触する。超音
波振動子710から発生した超音波は、形状変化層720、超音波伝播媒質620そして筐体610を伝播して被検体に送信され、被検体から反射してきた超音波は、送信と逆の経路を通って再び超音波振動子710で受信される。
筐体610は、被検体に近い音響インピーダンスを有する材料、例えばポリエチレン、ポリメチルペンテンなどを用いる。超音波伝播媒質620は、筐体610と同様の被検体に近い音響インピーダンスを有する材料、例えば1,3ブタンジオールやオイル系などの
液体を用いる。
超音波トランスデューサ700は、筐体610に内包されているので、形状変化層720に電圧を印加して形状変化層720の形状を変化させる場合、形状変化層720が直接被検体に接触して使用するときのように形状変化層720の変形が妨げられることがない。形状変化層720の変形が妨げられないので、高速な可変走査が可能になる。図17は、高速に可変走査された超音波ビーム751,752,753を示している。
また、超音波トランスデューサ700を機械的に回転、往復運動若しくは揺動させて走査する構成の超音波探触子900に適用することも可能である。また、超音波トランスデューサ700以外に、実施の形態13の構成を用いても良い。
なお、本実施の形態は、超音波振動子710が単一の構成ついて説明したが、このほか、超音波振動子710が1次元に配列した構成若しくは2次元に配列した構成に形状変化層720を設けた場合についても同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態は、超音波振動子710が均一の厚みで平坦な形状に形状変化層720の被検体側表面に設けた場合について説明したが、このほか、超音波振動子710が不均一の厚みであっても、また凸面、凹面形状に形状変化層720の被検体側表面に設けも同様の効果を得ることができる。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
上記各実施の形態では、超音波トランスデューサ及び超音波探触子という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、トランスデューサ、超音波ビーム装置等であってもよい。
2009年3月4日出願の特願2009−051314の日本出願、2009年3月4日出願の特願2009−051315の日本出願、及び2009年3月9日出願の特願2009−054551の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明に係る超音波トランスデューサ、超音波探触子及び超音波診断装置は、人体等の被検体の超音波診断を行う各種医療分野、さらには材料や構造物の内部探傷を目的とした工業分野において利用が可能である。
100,200,300,400,500,700,700a,700b,700c,700d,700e 超音波トランスデューサ
110,410,710 超音波振動子
120,420,720 形状変化層
130,430,730 背面負荷材
140,440,740 可変電源
141,142,411〜414,441,510,511〜513,741,742
電極
160,760 信号用電気端子
170,770 音響マッチング層
180,780 音響レンズ
600,800,820,900 超音波探触子
610 筐体
620 超音波伝播媒質
790 固定台

Claims (23)

  1. 超音波を送受信する超音波振動子と、
    前記超音波振動子の被検体側に設けられ、電気信号を受けて形状が変化する形状変化層と、
    前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、
    前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極と、
    前記形状変化層に前記第1の電極と前記第2の電極を介して印加する前記電気信号を制御する制御手段とを備え、
    前記第2の電極は前記形状変化層の前記被検体側の表面上において複数個設けられており、
    前記制御手段は、前記形状変化層に印加する前記電気信号を制御することにより前記形状変化層の形状を変化させて、超音波の方向を可変する超音波トランスデューサ。
  2. 前記超音波振動子は複数個配列された超音波振動子アレイであり、
    前記制御手段は、前記超音波振動子アレイの配列方向と直交する方向に前記形状変化層の形状を変化させて、超音波ビームの方向を可変する請求項1記載の超音波トランスデューサ。
  3. 前記超音波は、超音波又は超音波ビームを収束又は拡散することで可変される請求項1又は2のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  4. 前記形状変化層の被検体側に、超音波を収束させる音響レンズを備え、
    前記音響レンズは、前記形状変化層の変化に対応してレンズ形状が変化して、超音波を収束又は拡散を可変する請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
  5. 前記形状変化層は、前記被検体側の面が曲面形状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
  6. 前記形状変化層の被検体側に、超音波ビームを任意の深さに収束させる音響レンズを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
  7. 前記第2の電極は、前記形状変化層の前記被検体側の表面上において一つの前記超音波振動子に対向する領域で複数個設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
  8. 前記複数の第2の電極は、一つの前記第2の電極を中心に同心円状に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の超音波トランスデューサ。
  9. 超音波を送受信する超音波振動子が1次元に配列された超音波振動子アレイと、
    前記超音波振動子の被検体側に設けられ、電気信号を受けて形状が変化する形状変化層と、
    前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、
    前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極と、
    前記形状変化層に前記第1の電極と前記第2の電極を介して印加する前記電気信号を制御する制御手段とを備え、
    前記第2の電極は前記形状変化層の前記被検体側の表面上において複数個設けられており、
    前記制御手段は、前記形状変化層に印加する前記電気信号の制御を、前記超音波振動子アレイの配列方向の超音波の収束と連動させ、かつ前記超音波振動子アレイの配列方向と直交する方向に前記形状変化層の形状を変化させて、超音波を収束又は拡散を可変する超音波トランスデューサ。
  10. 超音波を送受信する超音波振動子と、
    前記超音波振動子の被検体側とは反対側に設けられかつ電気信号により形状が変化する形状変化層と
    前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、
    前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極とを備え
    前記電気信号は、前記形状変化層に前記第1の電極と前記第2の電極を介して印加され、
    前記第2の電極は前記形状変化層の前記被検体側の表面上において複数個設けられており、
    前記電気信号を制御することにより形状変化層の形状を変化させて、超音波ビームの方向を可変する超音波トランスデューサ。
  11. 前記超音波振動子は複数個配列されて超音波振動子アレイを構成し、
    前記超音波振動子アレイの配列方向と直交する方向に、前記電気信号を制御することにより前記形状変化層を変化させて、超音波ビームの方向を可変する請求項10記載の超音波トランスデューサ。
  12. 前記超音波振動子は複数個設けられており、
    前記形状変化層は前記複数の超音波振動子にわたって形成されていることを特徴とする請求項1〜7、9〜11のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
  13. 前記複数個設けられた第2の電極は、それぞれが前記複数の超音波振動子にわたって形成されていることを特徴とする請求項12に記載の超音波トランスデューサ。
  14. 前記第2の電極は前記複数の超音波振動子の配列方向に帯状に設けられていることを特徴とする請求項12又は13のいずれかに記載の超音波トランスデューサ。
  15. 前記形状変化層の音速は、前記被検体の音速と異なる値を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
  16. 前記形状変化層は、電圧を印加させることにより形状が変化する導電性高分子、イオン導電性高分子、及び誘電エラストマー材であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
  17. 前記形状変化層の前記超音波振動子に対向する面の一辺の幅の大きさは、前記対向する面と直交する前記形状変化層の厚みの大きさよりも、大きいことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサ。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサにおける前記電気信号を制御することにより前記形状変化層の形状を変化させて、前記超音波トランスデューサの方向を可変することにより、超音波ビームの方向を可変する超音波探触子。
  19. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の超音波トランスデューサと、これらを抱合する筐体と、前記筐体内に設けた超音波伝播媒質とを備えたことを特徴とする超音波探触子。
  20. 超音波を送受信する超音波振動子と、
    前記超音波振動子の被検体側又は被検体側とは反対側に設けられ、電気信号を受けて形状が変化する形状変化層と、
    前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、
    前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極とを備え、
    前記第2の電極は複数個設けられていることを特徴とする超音波探触子。
  21. 前記超音波振動子は複数個配列された超音波振動子アレイであり、
    前記複数個設けられた第2の電極は、それぞれが前記複数の超音波振動子にわたって形成されていることを特徴とする請求項20に記載の超音波探触子。
  22. 前記第2の電極は前記複数の超音波振動子の配列方向に帯状に設けられていることを特徴とする請求項20又は21のいずれかに記載の超音波探触子。
  23. パルス電圧を超音波振動子に印加して超音波を送信及び、受信した超音波を収束若しくは拡散し、電気信号に変換して超音波診断を行う超音波診断装置であって、
    超音波を送受信する超音波振動子を配列した超音波振動子アレイと、
    電気信号を受けて形状が変化する形状変化層と、
    前記形状変化層に対して前記超音波振動子側に配置された第1の電極と、
    前記形状変化層に対して前記被検体側に配置され、前記第1の電極と対向する第2の電極と、
    前記形状変化層に前記第1の電極と前記第2の電極を介して印加する前記電気信号を制御する制御手段とを備え、
    前記第2の電極は前記形状変化層の前記被検体側の表面上において複数個設けられており、
    前記制御手段は、前記形状変化層に印加する前記電気信号の制御を、前記超音波振動子アレイの配列方向の超音波の収束と連動させ、かつ前記超音波振動子アレイの配列方向と直交する方向に前記形状変化層の形状を変化させて、超音波を収束又は拡散を可変する超音波探触子を有する超音波診断装置。
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