JP4932851B2 - 超音波探触子 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波送受波部の送受波方向に音響レンズを配置した超音波探触子に関し、とくに、人体や家畜などの体内の状態を可視化して観察するのに用いて有効なものに関する。
人体や動物の体内を診断する際には、超音波探触子から体内に向けて超音波パルスを送波する一方、その体内からの超音波反射波を受信することで、体内の状態をリアルタイムで映像化することが行われている。
超音波探触子の主要部は、超音波パルスの発振および超音波反射波の受信を行う超音波送受波部と、超音波のビーム収束を行う音響レンズによって構成される。超音波送受波部は圧電振動子等を用いて構成される(特許文献1参照)。音響レンズは、観察対象体と音速が異なる音響伝播材料、たとえばシリコン樹脂やエポキシ樹脂などの固体材料を凸型あるいは凹型に形成したものが使用される(特許文献2参照)。
図9は従来の超音波探触子の概略構成を示す。同図において、(a)は探触子全体の外観斜視図、(b)はそのA−A方向断面図、(c)はそのB−B方向断面図をそれぞれ示す。
同図に示す超音波探触子は、多数の超音波振動子11がライン状に配列された超音波送受波部10と、各超音波振動子11からそれぞれに送波される超音波を観察部位に収束させるための音響レンズ201を用いて構成されている。音響レンズ201はいわゆるシリンドリカル・レンズであって、超音波ビームを上記配列ラインに平行する一軸上にビーム収束するように形成されている。
上記超音波探触子では、人体や動物の体内を診断する場合に、上記音響レンズ201の出射面22を観察対象の表面に密に接触させる。このため、音響レンズ201は音響伝搬損失が少ないとともに、観察対象と異なる音速の材質が使用される。
図示の音響レンズ201は、レンズ材質として人体よりも音速が遅いシリコン樹脂などの軟材質61を用いるとともに、レンズ形状をカマボコ状の凸面型シリンドリカル・レンズとすることにより、観察対象の所定深さに超音波ビームを収束する凸レンズ効果を得るようにしている。
音響レンズ201の出射面を観察対象に接触させて使用する超音波探触子では、観察対象の表面形状に対応させるために、図10に示すように、音響レンズ201を凹面型シリンドリカル・レンズとしなければならない場合もある。この場合、音響レンズ201は音速の速い硬材質62、たとえば人体よりも音速の速いエポキシ樹脂などを用いて形成する。
特開2000−139916 特開2005−245771
しかしながら、上述した超音波探触子には次のような問題があった。
すなわち、超音波診断等では観察部位の深さなどの位置を正確に定め、さらにはその位置を調節あるいは変更することが必要になるが、これに対応するためには、超音波のビーム収束位置を円滑に可変調節できることが必要となる。
しかし、上述した超音波探触子は固体材料からなるソリッドタイプの音響レンズ201を用いて構成されているため、観察対象内における超音波ビームの収束位置は、その音響レンズ201の材質すなわち音速、レンズ形状、および観察対象の音速によって固定的に決定される。このため、超音波ビームの収束位置を調節あるいは変更することが困難であるという問題があった。
上記音響レンズ201のレンズ形状は、レンズ材質と観察対象の音速比によって決定される。たとえば、シリコン樹脂などの比較的柔軟な材質は観察対象よりも音速が遅い。したがって、この材質を用いた音響レンズで超音波をビーム収束するレンズ効果を得るためには、図9に示したような凸面型のレンズ形状とする必要がある。
一方、人体等の診断では、図10に示したような凹面型のレンズ形状の方が好都合な場合もある。この場合、超音波をビーム収束するレンズ効果を得るためには、上記とは逆に、観察対象よりも音速の速い材質を用いる必要がある。しかし、このような材質は、たとえばエポキシ樹脂などの硬質材料であって、人体に密に接触させて使用するには適していない。
人体に接触して使用する場合、シリコン樹脂等の比較的柔軟な材質が好ましいが、この場合は、人体の表面形状に合わせて凹面型にすることができないといった背反が生じる。
このように、上述した超音波探触子は、音響レンズの材質と形状の最適化選択が行い難いという問題があった。
超音波ビームの収束位置(フォーカス)を可変する手段としては、モータを用いた機械駆動システム(メカニカル・フォーカシング)が従来から提案されているが、この種の機械駆動システムは音響雑音を発生しやすい。この雑音発生は、微弱な超音波反射波を高感度かつ高S/N比で検出する際の障害となる。この障害雑音は、機械駆動システムの稼働中だけに限らず、稼働していない停止状態でも、駆動システムの可動部分あるいは機構部品などが音響スプリアスの発生源となって生じることがあり、これが超音波音響による診断を妨げる障害要因となり得ることが判明した。
本発明は、以上のような問題を解決するものであって、超音波診断等における観察部位の深さなどの位置を正確に定めること、およびその位置の調節あるいは変更を観察中にリアルタイムで迅速かつ円滑に行えるとともに、観察対象に接触させられる音響レンズの材質と形状を観察対象の状態に応じて最適化設定することが可能であり、さらに超音波診断の際に大きな障害要因となる雑音発生を抑えて診断の精度(S/N比)を向上させることができる超音波探触子を提供することにある。
本発明の上記以外の目的および構成については、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
上記問題の解決のため、本発明は次のような手段を提供する。
(1)超音波送受波部の送受波方向に音響レンズを配置して超音波のビーム収束を行うようにした超音波探触子において、上記音響レンズは、少なくとも超音波の入出射面となる部分が音響透過性の良好な材質からなる密閉ケーシングを有し、このケーシング内には、互いに不溶で音速が異なり、かつ一方が導電性で他方が絶縁性の2種類の液体層が間に界面を形成しながら上記送受波方向に積層する状態で収容され、さらに、上記2種類の液体層の周囲に絶縁層で覆われた非接触電極が配置されるとともに、上記導電液体層に導電接触する接触電極が設置され、上記非接触電極と上記接触電極間への電圧印加により上記界面形状を変化させて音響レンズの焦点を可変するようにしたことを特徴とする超音波探触子。
(2)上記手段(1)において、上記超音波送受波部はライン状に配列された超音波振動子を備え、上記音響レンズはその超音波振動子の配列ラインに平行する一軸上に超音波をビーム収束するシリンドリカル・レンズを形成することを特徴とする超音波探触子。
(3)上記手段(2)において、上記非接触電極は、上記2種類の液体層を挟んで対向する一対の独立電極をなすことを特徴とする超音波探触子。
(4)上記手段(1)〜(3)のいずれかにおいて、上記導電液体層に水を用い、上記絶縁液体層にオイルを用いたことを特徴とする超音波探触子。
(5)上記手段(4)において、上記導電液体層を超音波出射面側に配置したことを特徴とする超音波探触子。
(6)上記手段(1)〜(5)のいずれかにおいて、上記音響レンズの音軸上に固体材料からなる補助音響レンズを設置したことを特徴とする超音波探触子。
(7)上記手段(1)〜(6)のいずれかにおいて、上記超音波送受波部と上記音響レンズの間に音響整合層を設置するとともに、その音響整合層の少なくとも一部の層を上記ケーシングによって形成してことを特徴とする超音波探触子。
(8)上記手段(1)〜(7)のいずれかにおいて、少なくとも上記音響レンズの出射面側に位置するケーシングの部位が、観測対象との音響インピーダンス整合をなすための音響整合を形成するようにその材質および/または厚みが設定されていることを特徴とする超音波探触子。
超音波のビーム収束を音響レンズで行う超音波探触子において、簡単かつ低コストな構成でもって、超音波診断等における観察部位の深さなどの位置を正確に定めること、およびその位置の調節あるいは変更を観察中にリアルタイムで迅速かつ円滑に行えるとともに、観察対象に接触させられる音響レンズの材質と形状を観察対象の状態に応じて最適化設定することが可能であり、さらに超音波診断の際に大きな障害要因となる雑音発生を抑えて診断の精度(S/N比)を向上させることができる。
本発明は上記以外の作用/効果については、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
図1は本発明の技術が適用された超音波探触子の第1実施形態の概略構成を示す。同図において、(a)は探触子全体の外観斜視図、(b)はそのA−A方向断面図、(c)はそのB−B方向断面図をそれぞれ示す。
同図に示す超音波探触子は、多数の超音波振動子11がライン状に配列された超音波送受波部10と、各超音波振動子11からそれぞれに送波される超音波を観察部位に収束させるための音響レンズ20とによって主要部が構成されている。音響レンズ20はいわゆるシリンドリカル・レンズであって、超音波ビームを上記配列ラインに平行する一軸上にビーム収束するように形成されている。
この場合、詳細な図示説明は省略するが、各超音波振動子11はそれぞれ、周囲から音響的に遮蔽されるとともに互いに干渉することなく音響的に独立して超音波の送受波を行えるよう、音響吸収材やバッキング材を用いて設置されている。
上記音響レンズ20は、少なくとも超音波の入出射面21,22となる部分が音響透過性の良好な硬質材質たとえばポリイミド樹脂からなる密閉ケーシング25を有する。ケーシング25は自己保形性を有するハードケースであって、シリンドリカル・レンズを形成するために長形に形成され、その断面はカマボコ状に形成されている。このケーシング25内には、互いに不溶で音速が異なり、かつ一方が導電性で他方が絶縁性の2種類の液体層41,42が、間に界面(液相界面)を形成しながら上記送受波方向に積層する状態で収容されている。
導電液体層42は人体などの観察対象側に位置するので水(水溶液)が好適である。絶縁液体層41は導電液体層42の水と接触しても混じり合わず、かつ相互に溶解することなく明瞭な液相界面を安定的に形成することができるとともに、その水よりも音速の遅いオイルがとくに適している。この場合、導電液体層42の水と人体などの生体内での音速はほぼ同じであるため、絶縁液体層41が音響レンズ効果を呈することになる。
上記2種類の液体層41,42の周囲に絶縁層で覆われた非接触電極31,32が配置されるとともに、上記導電液体層42に導電接触する接触電極33が設置されている。非接触電極31,32は、金属板等の面状導体をケーシング25の幅方向で対向する側壁部23に埋設設置することにより、薄い絶縁層を介して2つの液体層41,42の周囲に非導電接触している。接触電極33は、ケーシング25の長手方向端部の内壁面に設置されて導電液体層42に直接接触している。
ケーシング25の内壁面のうち、超音波出射面22を除く3方の内壁面は撥水性を持たせられており、これにより、導電液体層42の水は、図1の(c)に示すように、定常時にケーシング内壁面にとの間で作用する撥水効果により、中央部が厚く膨らんだ凸面状態で安定するようになっている。
超音波の送受波を効率的に行わせるためには、超音波振動子11と音響レンズ20の間にて音響インピーダンス整合を取る必要がある。この整合をとるために、通常は音響整合層が設置されるが、この音響整合層は、超音波振動子11と音響レンズ10の間に介在する超音波入射面21部分の材質、厚みを設定することによっても形成することができる音響レンズ20と観察対象との間で音響インピーダンス整合が必要となる場合にも、同様に、両者間に介在する超音波出力面22部分の材質、厚みを設定することによって音響整合層を形成することができる。
上記のように、音響レンズ20の超音波入射面21、超音波出力面22は音響整合層の少なくとも一部の層として利用することができるが、この場合、超音波入射面21、超音波出力面22を2層以上の多層にし、音響インピーダンスが段階的に変化するようにすれば、反射損失の少ない良好な音響整合層をケーシング25だけで形成することも可能である。
図2は、図1に示した超音波探触子の動作状態とくに音響レンズの挙動を示す。
まず、図2の(a)に示すように、非接触電極31,32と接触電極33間に電圧を印加しないオフ状態(定常状態)では、水である導電液体層42が、その液体の表面張力とケーシング25内壁面の撥水とによって、凸面状態を呈している。これにともない、オイルである絶縁液体層41は凹面状態を呈している。
この場合、導電液体層42と観察対象の音速がほぼ同じであるとともに、絶縁導体層41の音速が相対的に低いことにより、その凹面状の絶縁液体層41が音響ビームを拡散する凹レンズ効果を形成する。つまり、この場合の音響レンズ42は負の焦点距離を持つ。
次に、図2の(b)に示すように、非接触電極31,32と接触電極33間にある程度の電圧V1を印加すると、導電液体層42と非接触電極31,32間に電界が作用することにより、導電液体層42が非接触電極31,32全体に広がろうとする力が作用するようになる。いわゆるエレクトロウェッティング現象が作用するようになる。この結果として、導電液体層42は凸面状から平坦状に流動変形し、これにともない、絶縁液体層41は凹面状から平坦状に流動変形する。
これにより、絶縁液体層41での凹レンズ効果が喪失し、音響レンズ42の焦点距離は無限大になる。つまり、この場合は超音波をそのまま直線的に透過させる。
しかし、図2の(c)に示すように、非接触電極31,32と接触電極33間の印加電圧V1を高くしていくと、上記エレクトロウェッティング現象の作用が強く現れるようになって、導電液体層42は平坦状から凹面状に流動変形し、これにともない、絶縁液体層41は平坦状から凸面状に流動変形する。この変形により、絶縁液体層41が音響ビームを収束する凸レンズ効果を形成するようになる。つまり、この場合の音響レンズ42は正の焦点距離を持つようになる。
以上のように、上述した本発明の超音波探触子では、非接触電極31,32と接触電極33間の印加電圧V1を操作するだけで、音響レンズ20による超音波ビームの収束位置を簡単に可変設定することができる。
これにより、簡単かつ低コストな構成でもって、音波診断等における観察部位の深さなどの位置を正確に定めること、およびその位置の調節あるいは変更を観察中にリアルタイムで迅速かつ円滑に行うことができるようになる。
超音波診断においては、装置自体が発生する雑音が診断の大きな妨げとなるが、本発明の超音波探触子では、複雑でメンテナンスの面倒および雑音発生の大きな機械駆動システムに依存していないことにより、単純で低コストに構成できるとともに、雑音発生を抑えて診断の精度(S/N比)を大幅に向上させることができる。
さらに、本発明の超音波探触子は、超音波ビームの収束位置をリアルタイムで可変設定することができるので、超音波探触子で患部を観察しながら、その観察部位に超音波ビームを照射させて治療する用途にも適している。つまり、診断しながら超音波の局所照射による治療を行うことができる。
超音波探触子を人体に接触させて使用する場合、超音波探触子での発熱が問題となる。しかし、人体に接触する側に配置されている上記導電液体層42に水を用いれば、水冷効果により、少なくとも人体に接触する部分での温度上昇を抑制する効果が得られる。
また、音響レンズ20のレンズ効果は、ケーシング25内の液体層41,42によって得られるので、ケーシング25の材質および形状に選択の自由度が得られる。したがって、たとえば、図3あるいは図4に示すように、人体等の観察対象に接触する超音波出射面22は、材質の種類に制約されることなく、平坦状あるいは凹面状など、任意に形成することが可能である。これにより、観察対象に接触させられる音響レンズ20の材質と形状を観察対象の状態に応じて最適化設定することが可能となる。
シリコンゴムを使用した凸面状の音響レンズは、使用中の押し付けによる外圧での変形、および使用中の摩擦による擦り減り等でビームパターンを変化させていくと言った不都合が生じるが、本発明に係る音響レンズでは、上記のようにケーシング25を形成するための材質に制約がないので、その材質に硬質な材料を用いて、外圧での変形、摩擦による擦り減りを防止し、使用中のビームパターン変化を防止するという効果を得ることもできる。
さらに、超音波探触子全体の形状についても、たとえば図5に示すようなストレート形状以外に、図6に示すような湾曲形状も、音響レンズ効果を損なうことなく任意に選択することが可能である。
図7は本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態は基本的に上記第1実施形態と同じであるが、上記非接触電極31,32が上記2種類の液体層41,42を挟んで対向する一対の独立電極として使用されるところに特徴がある。
この場合、同図の(a)または(b)に示すように、一対の独立電極41,42の一方41と他方42にそれぞれに印加する電圧V1,V2を互いに異ならせることにより、導電液体層42をいずれか一方の非接触電極31または32に偏寄させながら流動変形させることができる。
これにより、超音波をビーム収束する焦点距離に加えて、そのビーム方向すなわち音軸方向についても、印加電圧V1,V2の操作によって簡単に可変設定することができる。
このことは、たとえば観察位置の変更や範囲拡大に非常に有効であり、超音波探触子による診断の高精度化および能率向上などに大きく寄与するものである。
図8は本発明の第3実施形態を示す。同図の(a)または(b)に示すように、本発明に係る超音波探触子は、液体層41,42を用いた上記音響レンズ20の音軸上に固体材料からなる補助音響レンズ202を設置して使用してもよい。
この場合、その補助音響レンズ202を補正レンズとし、上記音響レンズ20のレンズ精度を補償するようにすれば、超音波探触子の精度をさらに向上させることができる。あるいは、その補助音響レンズ202に凸レンズ効果を持たせれば、印加電圧がゼロの点から凸レンズ効果が現れはじめるような光学的バイアス効果を得ることができる。
以上、本発明をその代表的な実施例に基づいて説明したが、本発明は上述した以外にも種々の態様が可能である。たとえば、本発明は、超音波振動子が二次元的に配列されている超音波探触子にも好適に適応可能である。
超音波のビーム収束を音響レンズで行う超音波探触子において、簡単かつ低コストな構成でもって、超音波診断等における観察部位の深さなどの位置を正確に定めること、およびその位置の調節あるいは変更を観察中にリアルタイムで迅速かつ円滑に行えるとともに、観察対象に接触させられる音響レンズの材質と形状を観察対象の状態に応じて最適化設定することが可能であり、さらに超音波診断の際に大きな障害要因となる雑音発生を抑えて診断の精度(S/N比)を向上させることができる。
本発明の第1実施形態による超音波探触子の概略構成を示す斜視図および断面図である。 図1に示した超音波探触子の動作を示す断面図である。 本発明において超音波の出射面を平坦状に形成した例を示す断面図である。 本発明において超音波の出射面を凹面状に形成した例を示す断面図である。 本発明において超音波探触子全体をストレート形状にした例を示す断面図である。 本発明において超音波探触子全体を湾曲させた例を示す断面図である。 本発明による超音波探触子の別の動作例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態による超音波探触子の腰部を示す断面図である。 従来の超音波探触子の概略構成を示す斜視図および断面図である。 従来の超音波探触子において出射面を凹面状に形成した例を示す断面図である。
符号の説明
10 超音波送受波部
11 超音波振動子
20 音響レンズ(液体層)
201 音響レンズ(固体材料)
202 補助音響レンズ
21 超音波入射面
22 超音波出射面
23 側壁部
25 ケーシング
31,32 非接触電極
33 接触電極
41 絶縁液体層
42 導電液体層
61 シリコン樹脂などの軟材質
62 エポキシ樹脂などの硬材質
V1,V2 印加電圧

Claims (6)

  1. 超音波送受波部の送受波方向に音響レンズを配置して超音波のビーム収束を行うようにした超音波探触子において、上記音響レンズは、少なくとも超音波の入出射面となる部分が音響透過性の良好な材質からなる密閉ケーシングを有し、このケーシング内には、互いに不溶で音速が異なり、かつ一方が導電性で他方が絶縁性の2種類の液体層が間に界面を形成しながら上記送受波方向に積層する状態で収容され、さらに、上記2種類の液体層の周囲に絶縁層で覆われた非接触電極が配置されるとともに、上記導電液体層に導電接触する接触電極が設置され、上記非接触電極と上記接触電極間への電圧印加により上記界面形状を変化させて音響レンズの焦点を可変にするとともに、
    上記超音波送受波部はライン状に配列された超音波振動子を備え、
    上記音響レンズはその超音波振動子の配列ラインに平行する一軸上に超音波をビーム収束するシリンドリカル・レンズを形成するものであり、
    上記非接触電極は、上記2種類の液体層を挟んで対向する一対の独立電極をなすものであることを特徴とする超音波探触子
  2. 請求項1に記載の超音波探触子において、上記導電液体層に水を用い、上記絶縁液体層にオイルを用いたことを特徴とする超音波探触子。
  3. 請求項2に記載の超音波探触子において、上記導電液体層を超音波出射面側に配置したことを特徴とする超音波探触子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の超音波探触子において、上記音響レンズの音軸上に固体材料からなる補助音響レンズを設置したことを特徴とする超音波探触子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の超音波探触子において、上記超音波送受波部と上記音響レンズの間に音響整合層を設置するとともに、その音響整合層の少なくとも一部の層を上記ケーシングによって形成してことを特徴とする超音波探触子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の超音波探触子において、少なくとも上記音響レンズの出射面側に位置するケーシングの部位が、観測対象との音響インピーダンス整合をなすための音響整合を形成するようにその材質および/または厚みが設定されていることを特徴とする超音波探触子。
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