JP5193712B2 - パワーモジュールのシール部構造 - Google Patents
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Description
このように構成することで、半導体ユニットの把持部をこの把持部の周囲よりも薄肉に形成してあることで、把持部のシール面に液冷反りや引けの発生を防止することが可能となる。
このように構成することで、半導体ユニットと流路ケースとを締め付ける際の締め付け代を確保しシール材に十分な潰し代を持たせることができ、かつ突起部によりシール材の潰し代を大きくすることができる。
また、凹部を設けることで、平坦な面で形成した場合に比較してこの部位での放熱面積を増加できるため、均一な冷却を確保することができ、液冷反りや引けの発生を防止できる。
このように構成することで、ケース内にポッティング材を充填するだけの簡単な作業でで樹脂モールド成形を行ないつつ、ケースの周囲とヒートシンクを把持する把持部との肉厚の差が大きくなることによる、液冷反りや引けの発生をシール面に及ばないようにした。
このように構成することで、把持部とは異なり液冷反りや引けが発生し易い流路ケースに重合する部分に液冷反りや引けが発生したとしても、突起を設けることで、流路ケースとの接合時における面圧を確保できる。
請求項2に記載した発明によれば、半導体ユニットと流路ケースとを締め付ける際の締め付け代を確保しシール材に十分な潰し代を持たせることができ、かつ突起部によりシール材の潰し代を大きくすることができるため、シール性能を高めることができる効果がある。また、凹部を設けることで、平坦な面で形成した場合に比較してこの部位での放熱面積を増加できるため、均一な冷却を確保することができ、液冷反りや引けの発生を防止できるため、この点でもシール性能を高めることができる効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、ケース内にポッティング材を充填するだけの簡単な作業で樹脂モールド成形を行ないつつ、ケースの周囲とヒートシンクを把持する把持部との肉厚の差が大きくなることによる、液冷反りや引けの発生をシール面に及ばないようにできる効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、把持部とは異なり液冷反りや引けが発生し易い流路ケースに重合する部分に液冷反りや引けが発生したとしても、突起を設けることで、流路ケースとの接合時における面圧を確保できるため、半導体ユニットと流路ケースとに確実な締め付け力を付与することができる効果がある。
図1はハイブリッド車両用のパワーコントロールユニット(PCU)1を含む回路の概略構成を示している。このハイブリッド車両はエンジン(図示せず)と、エンジンの機械的出力により駆動される発電機(GEN)2と、発電機2の発電出力により充電される高圧系のバッテリ(BAT)3と、バッテリ3の放電出力と発電機2の発電出力の少なくとも一方を用いて駆動輪(図示せず)を駆動するモータ(MOT)4を備えている。
これらコンバータ7、第1インバータ5及び第2インバータ6は、制御基板(ECU)8からの制御指令によりゲートドライブ基板(GDCB)9を介して駆動制御される。
樹脂ケース34には出力端子が露出しており、この出力端子は図2において左側からOutバスTrU22、Nバスバー21、POutバスバー20の取付端子22t,21t,20tとして設けられている。尚、19は取付端子22t,21t,20tの孔を示している。
ヒートシンク31はアルミニウム製の部材であって、下面には下側に向けて突出する複数のピン状のフィン40が一体形成されている。
樹脂ケース34の周壁36で囲まれ内側部分にはポッティング材が充填されたポッティング部35が形成され、ハイ側U相トランジスタUHとロー側U相トランジスタULが外部に露出しないようになっている。
流路ケース41は樹脂ケース34の下側に空間部を形成するための凹部42を備え、周囲に壁部45を備えている。流路ケース41の凹部42内はヒートシンク31のフィン40を収容して冷媒の流路を形成し、冷媒の流路には、ハイ側U相トランジスタUHとロー側U相トランジスタULとの配置方向に沿って流れる冷媒の入口ポート43と出口ポート44が流路ケース41の壁部45に下側にオフセットした状態で接続されている。尚、47は入口ポート43、出口ポート44に接続される配管、48は壁部45に形成された通路を示す。
ここで、流路ケース41の壁部45の上面であって、樹脂ケース34の下壁部38のシール面28に対応する部分に断面角形で角形の凹部46が形成され、この凹部46に断面円形状のシール材S1が配置されている。
また、半導体ユニット23の樹脂モールド部33は樹脂ケース34とポッティング部35とで構成され、ヒートシンク31を把持部39で把持して箱形となった樹脂ケース34内にポッティング材を充填して樹脂モールド部33が形成されるため、樹脂ケース34内にポッティング材を充填するだけの簡単な作業で成形を行ないつつ、樹脂ケース34の周囲とヒートシンク31を把持する把持部39との肉厚の差が大きくなることによる、液冷反りや引けの発生をシール面に及ばないようにできる。
また、図6に示すように、共通する樹脂モールド部33’に3個分をまとめてシールするシール材S1’を設けてもよい。
図7,図8に示すように、この実施形態のパワーモジュール30’は、流路ケース41の壁部45の上面であって、樹脂ケース34の下壁部38の下面の直下に位置する部分に、断面角形で角形の凹部50が形成されると共に、ここに角断面の角リングシールS2が配置されている。そして、この凹部50に対応して、半導体ユニット32の樹脂モールド部33の把持部39の下壁部38に角シールリングS2の上部を受け入れる受け入れ凹部51を設けたものである。この受け入れ凹部51の開口面積は角シールリングS2との間に隙間を形成するように、角シールリングS2の上下面であるシール面よりも大きく形成されている。また、この受け入れ凹部51の底壁52の中央部には円錐形状の突条部53が下側に向かって突出している。尚、54は凹部50の底壁を示す。
ここで、角シールリングS2の潰れ代は半導体ユニット32に流路ケース41を固定した場合に、受け入れ凹部51と凹部50と各底壁間52,54の寸法と、自然状態での角シールリングS2の高さ寸法Hとの差で決定されるため、角シールリングS2の高さ寸法Hを潰れ代分だけ大きく設定してある。
また、C=0.2mm〜0.8mmであり、図9に示すように、半導体ユニット32に流路ケース41を固定した場合に、突条部53の寸法分(C)だけ突条部53によって角シールリングS2が押圧され、角シールリングS2に更に潰れ代を付与するようになっている。ここで、突条部53は先端が細くなっているため、角シールリングS2をずれなく押圧することができる。
また、樹脂モールド部33に角シールリングS2の受け入れ凹部51を設けることで、平坦な面で形成した場合に比較してこの部位での放熱面積、つまり樹脂モールド部33の樹脂ケース34を成形する際の放熱面積を増加できるため、均一な冷却を確保することができ、樹脂ケースの34の製造時においてこの部分での液冷反りや引けの発生を防止できる。よって、液冷反りや引けの生じていない平坦なシール面(ここでは、受け入れ凹部51の底壁52)を確保でき、角シールリングS2のシール性を損なうことはない。
この実施形態は第2実施形態のパワーモジュール30’’の半導体ユニット32の樹脂モールド部33に改良を加えたものである。樹脂モールド部33の樹脂ケース34の周壁36の下面であって、角シールリングS2の配置部位の近傍、具体的には角リングシールS2の配置部位の外側に、内側と外側に2条の連続した突条60,60が形成されている。ここで、この突条60,60は、この突条60,60の形成部位にひけが生じていた場合であっても流路ケース41に締め付けられた際に適切な締め付け力を付与できるような高さ寸法に設定されている。尚、この突条60,60は連続していない複数の突起であってもよい。
したがって、この実施形態によれば、把持部39の下壁部38よりも肉厚が大きいため樹脂ケース34の周壁36の下部に液冷反りや引けが生じていたとしても、この2条の突条60,60により半導体ユニット32と流路ケース41との接合時において締め付け代を確保して面圧を確保できるため、半導体ユニット32と流路ケース41とに確実な締め付け力を付与して角シールリングS2のシール機能に悪影響を与えることはない。
28 シール面
31 ヒートシンク
32 半導体ユニット
34 樹脂ケース(ケース)
39 把持部
41 流路ケース
51 受け入れ凹部(凹部)
52 底壁
53 突条部(突起部)
60 突条(突起)
S1 シール材
Claims (4)
- ヒートシンクを備えた複数の半導体装置を樹脂材料にて形成された樹脂モールド部で一体的に把持する半導体ユニットと、前記半導体ユニットに取り付けられ、前記ヒートシンクを冷却する冷媒の流路を構成する流路ケースとで構成されるパワーモジュールのシール部構造であって、前記樹脂モールド部に前記半導体ユニットの前記ヒートシンクの縁部を把持する把持部を設け、前記把持部をこの把持部の周囲よりも薄肉に形成し、この把持部の直下に前記流路ケースとのシール面を設定し、このシール面にシール材を配置したことを特徴とするパワーモジュールのシール部構造。
- 前記半導体ユニットの前記シール面に前記流路ケース側に固定された前記シール材を受け入れる凹部を設け、該凹部の開口面積を前記シール材との間に隙間を形成するように前記シール材のシール部よりも大きく形成し、前記凹部の底壁に前記シール材を押圧する突起部を設けたことを特徴とする請求項1記載のパワーモジュールのシール部構造。
- 前記半導体ユニットを構成する前記樹脂モールド部で前記半導体装置を取り囲むようなケースを構成し、このケース内にポッティング材が充填されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパワーモジュールのシール部構造。
- 前記半導体ユニットには前記シール面の近傍であって、前記流路ケースに重合する部位に突起を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のパワーモジュールのシール部構造。
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