JP5193618B2 - 干渉波キャンセラ - Google Patents
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Description
上記の対策として、直交座標系のフィルタ係数に対して過去の値から次のフィルタ係数更新時の値を推定することにより最適化を行っている。
しかし、特に高速な位相変動に対しては、直交座標系よりも極座標系において振幅と位相の変動量をそれぞれ検出し、検出した上記手法を行うことのほうが追従精度を高められる。ところが、振幅変動が激しいときには、振幅と位相の変動量の推定を誤る可能性が高く、このような場合には直交座標系で変動量推定を行うほうが追従精度を高められる場合がある。
本発明の目的は、上記のような問題を解決するために、高速な位相変動にも追従し、かつ、振幅変動が激しいときにも追従する干渉波キャンセラを提供することにある。
図1において、干渉波除去部100を構成する各要素では、予め定められた値で初期化された係数値及び数式が登録されている。
誤差算出部12は、減算器11より得られる出力信号yから理想値ypを算出し、理想値ypと出力信号yとの誤差eを算出し、誤差eに対して重み付け係数μを乗じた信号(誤差信号){μ・e(n)}をフィルタ係数更新部13、極座標系変動検出器15、及び直交座標系変動検出器16に出力する。ここで、μは更新重み付け係数で、0<μ≦1の値をとるものである。またnは、入力信号のシンボル数番号である。
フィルタ係数更新部13は、誤差算出部12から入力された誤差信号{μ・e(n)}と変動推定座標系選択部17から入力された推定変動量{μ1・L}を用いて係数w(n)を更新し、更新した係数w(n)を適応フィルタ18と更新間隔遅延メモリ14に出力する。係数w(n)の更新は、例えば、係数の更新間隔シンボル数をDとし、1回更新前の係数をw(n−D)とした場合に、式(1)から算出する。
具体的には、現在予定している更新係数w(n)(式(2)参照)と1回前の更新時に予定されていた更新係数w(n−D)(式(3)参照)との差を求めることにより、変動量Lを得ることができる(式(4)参照)。
なお、図1の適応フィルタ18は、干渉波除去部100の出力信号yとフィルタ係数更新部13から得られる係数wを用いて干渉波のレプリカ信号uを算出し、減算器11に出力するものである。このような適応フィルタ18は、例えば、FIR(Finite Impulse Response )フィルタで構成される。
図2は、図1の極座標系変動検出器15の一実施例の構成を示すブロック図である。21は極座標変換器、22と24は更新間隔遅延メモリ、23−r、23−θ、25−r、及び25−θは減算器、26−rと26−θは加算器、27は変動量検出器、28は直交座標変換器である。
まず、極座標変換器21は、更新間隔遅延メモリ14から入力された係数{w(n−D)}を極座標に変換し、振幅の信号{wr(n−D)}を更新間隔遅延メモリ22と減算器23−rに出力し、位相の信号{wθ(n−D)}を更新間隔遅延メモリ22と減算器23−θに出力する。
同様に、極座標変換器21は、誤差算出部12から入力された誤差信号{μ・e(n)}の極座標変換を行い、振幅の信号er(n)を更新間隔遅延メモリ24と減算器25−rに出力し、位相の信号eθ(n)を更新間隔遅延メモリ24と減算器25−θに出力する。
減算器23−rは、その被減算入力端子に入力された{wr(n−D)}を減算入力端子から人力された振幅の信号{wr(n−2D)}で減算した差分信号△wrを加算器26−rに出力する。また、減算器23−θは、その被減算入力端子に入力された{wθ(n−D)}を減算入力端子から入力された位相の信号{wθ(n−2D)}で減算した差分信号△wθを加算器26−θに出力する。
この更新間隔遅延メモリ24は、更新時の干渉波除去誤差の差分を算出するために用いる。
減算器25−rは、その被減算入力端子に入力されたer(n)を減算入力端子から入力された振幅の信号{er(n−D)}で減算した差分信号△erを加算器26一rに出力する。また、減算器25−θは、その被減算人力端子に人力されたeθ(n)を減算入力端子から入力された位相の信号{eθ(n−D)}で減算した差分信号△eθを加算器26−θに出力する。
変動検出器27と直交座標検出器28に出力する。この信号Lrは、極座標系変動推定信号の振幅成分信号である。
また加算器26−θは、人力された差分信号△wθと△eθの和をとった信号Lθを変動検出器27と直交座標変換器28に出力する。この信号Lθは、極座標系変動推定信号の位相成分信号である。
変動検出器27は、極座標系変動推定信号LrとLθから変動状態を検知し、極座標系での変動推定を採用するかどうかの判定信号Swを変動推定座標系選択部17に出力する。判定信号Swは、例えば、式(5)のような表わされる。
そして、直交座標系の信号に変換した信号Lpを変動推定座標系選択部17に出力する。
図3において、更新間隔遅延メモリ14から入力された係数w(n−D)は、更新間隔メモリ31と減算器32に入力される。また、誤差算出部12から人力された誤差信号{μ・e(n)}は、更新間隔メモリ33と減算器34に入力される。
減算器32は、その被減算入力端子に入力された係数w(n−D)を減算入力端子から入力された遅延された係数w(n−2D)で減算し、差分信号△w0を加算器35に出力する。
また同様に、更新間隔遅延メモリ33は、人力された誤差信号{μ・e(n)}に干渉波除去部100の更新に要するシンボル数分(D)の遅延を行い、遅延させた誤差信号{μ・e(n−D)}を減算器34に出力する。
減算器34は、その被減算入力端子に入力された誤差信号{μ・e(n)}を減算入力端子から入力された遅延された誤差信号{μ・e(n−D)}で減算し、差分信号△e0を加算器35に出力する。
加算器35は、入力された2つの差分信号△w0と△e0の和を算出し、加算した信号L0を変動推定座標系選択部17に出力する。
図1若しくは図4において、変動推定座標系選択部17は、極座標変動検出器15から判定信号Swと変動量Lpを入力され、直交座標系変動検出器16から直交座標系で算出された変動量L0を入力される。そして、変動推定座標系選択部17は、判定信号Swに基づき、極座標系で算出されたと変動量Lpと直交座標系で算出された変動量L0の選択を行い、選択された推定変動量Lに対して推定変動量重み付け定数μ1を乗じた信号{μl・L}を係数更新部13に出力する。
乗算器42は、入力された信号Lに推定変動量重み付け定数μ1を乗算し、乗算した信号{μ1・L}を係数更新部13に出力する。ここでμ1は、0≦μ1<1の値をとるものとする。従って、μ1=0の場合は、係数更新時に変動推定量Lを加味しない。
また図5において、干渉波除去部500を構成する各要素では、予め定められた値で初期化された係数値及び数式が登録されている。
誤差算出部12は、減算器11より得られる出力信号yから理想値ypを算出し、理想値ypと出力信号yとの誤差eを算出し、誤差eに対して重み付け係数μを乗じた信号(誤差信号){μ・e(n)}をフィルタ係数更新部53、極座標系変動検出器55、及び直交座標系変動検出器56に出力する。ここで、μは更新重み付け係数で、0<μ≦1の値をとるものである。またnは、入力信号のシンボル数番号である。
フィルタ係数更新部53は、誤差算出部12から入力された誤差信号{μ・e(n)}と推定変動量合成部57から入力された推定変動量w′(w′={μ1・L′})を用いて係数w′(n)を更新し、更新した係数w′(n)を適応フィルタ18と更新間隔遅延メモリ14に出力する。係数w′(n)の更新は、例えば、係数の更新間隔シンボル数をDとし、1回更新前の係数をw′(n−D)とした場合に、式(1)と同様に算出する。
直交座標系変動検出器56は、誤差算出部12から入力された誤差信号{μ・e(n)}と、更新間隔遅延メモリ14から入力された係数w′(n−D)から、直交座標系で内部生成する各信号を更新間隔遅延させた信号との差分信号w0を算出し、推定変動量合成部57に出力する。
こうして式(1)〜式(4)と同様にして、変動量L′を、係数の差分値と誤差の差分値の和で求めることができる。
図6は、図5の極座標系変動検出器55の一実施例の構成を示すブロック図である。61は極座標変換器、62と24は更新間隔遅延メモリ、63−r、63−θは減算器、66−rと66−θは加算器、67は変動量重み付け検出器、68は直交座標変換器である。他の構成要素は図2と同様である。
まず、極座標変換器61は、更新間隔遅延メモリ14から入力された係数{w′(n−D)}を極座標に変換し、振幅の信号{wr′(n−D)}を更新間隔遅延メモリ62と減算器63−rに出力し、位相の信号{wθ′(n−D)}を更新間隔遅延メモリ62と減算器63−θに出力する。
同様に、極座標変換器61は、誤差算出部12から入力された誤差信号{μ・e(n)}の極座標変換を行い、振幅の信号er(n)を更新間隔遅延メモリ24と減算器25−rに出力し、位相の信号eθ(n)を更新間隔遅延メモリ24と減算器25−θに出力する。
減算器63−rは、その被減算入力端子に入力された{wr′(n−D)}を減算入力端子から入力された振幅の信号{wr′(n−2D)}で減算した差分信号△wr′を加算器66−rに出力する。また、減算器63−θは、その被減算入力端子に入力された{wθ′(n−D)}を減算入力端子から入力された振幅の信号{wθ′(n−2D)}で減算した差分信号△wを加算器66−θに出力する。
また加算器66−θは、人力された差分信号△wθ′と△eθの和をとった信号Lθ′を変動量重み付け検出器67と直交座標変換器68に出力する。この信号Lθ′は、極座標系変動推定信号の位相成分信号である。
また、直交座標変換器68は、人力された信号Lr′及びLθ′を直交座標変換する。そして、直交座標系の信号に変換した信号Wp′を推定変動量合成部57に出力する。
推定変動量合成部57は、極座標系変動検出器55から入力された信号L0′及びLp′に対して、更新間隔遅延メモリ14から入力された信号αを用いた合成処理演算で合成変動量L′を算出し、更に重み付けを行い、合成変動量μ・L′をフィルタ係数更新部53に出力する。具体的には、Lp′の合成重み付け係数をα、L0′の合成重み付け係数をβとするとき、L′は次式(式(7))のように表される。
即ち、減算器71には、整数値1と入力信号αが入力し、その差分した信号(1−a)が乗算器72に出力される。
乗算器72は、入力された信号L0′と(1−α)を乗じた信号{(1−α)・L0′}を加算器74に出力する。
乗算器73は、入力信号Lp′とαを乗算し、乗算した信号{α・Lp′}を加算器74に出力する。
加算器74は、入力された信号{(1−α)・L0′}と{α・Lp′}の和を演算し、加算した信号L′を乗算器75に出力する。
乗算器75は、入力された信号L′に推定変動量重み付け係数μ1を乗算し、乗算した信号{μ1・L′}を図5のフィルタ係数更新部53に出力する。
また、図9は、図8の極座標系変動検出器85の構成を示すブロック図である。
減算器11、誤差算出部12、フィルタ係数更新部53、更新間隔遅延メモリ14と、直交座標系変動推定部56、推定変動量合成部57、及び適応フィルタ18は、第二の実施例と同一であるため、説明は省略する。
図9の構成は、図6の構成に加えて、変動アラーム検出器91を設けたものである。
変動アラーム検出器91は、入力される信号Lr′とLθ′から変動状態を検出し、変動状態に応じた振幅のアラーム信号Arと位相のアラーム信号Aθを装置内部または外部へ出力する。アラーム信号ArとAθは、例えば、あらかじめ設定した各しきい値に応じた値を出力する。
上述の第三の実施例によれば、干渉波の変動に応じたアラーム出力を可能とする。
前記変動検出手段は、極座標系による検出手段と直交座標系による検出手段とを備え、
前記極座標系検出手段は、前記フィルタ係数と前記キャンセル誤差の振幅成分の時間的差分値算出手段と位相成分の時間的差分値算出手段を備え、前記両座標系による変動検出手段から得られる干渉波の推定変動量から、前記変動検出手段が干渉波推定変動量として用いる値を、前記極座標系による検出手段の結果と前記直交座標系による検出手段の結果の切替え手段あるいは合成手段を備える。
また好ましくは、上記発明の干渉波キャンセラは、前記振幅変動検出手段と前記位相変動検出手段得られる結果に応じたアラーム信号を出力する手段により、前記アラーム信号を装置内部または外部に通報する手段を備える。
Claims (2)
- 受信信号から干渉波信号をキャンセルし、前記キャンセルした出力信号を再送信する干渉波キャンセラにおいて、
前記受信信号から前記干渉波信号を除去する適応フィルタと、前記適応フィルタが前記干渉波信号と同一特性の信号を生成するためのフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出手段と、前記出力信号からキャンセル誤差を算出するキャンセル誤差算出手段と、前記フィルタ係数と前記キャンセル誤差から前記干渉波信号の変動を検出する変動検出手段とを備え、
前記変動検出手段は、極座標系検出手段と直交座標系検出手段とを有し、前記直交座標系検出手段から得られる干渉波信号の推定変動量と前記極座標系検出手段から得られる干渉波信号の推定変動量とから、前記受信信号の推定変動量として用いる値を前記極座標系検出手段による結果若しくは前記直交座標系検出手段による結果を切替え若しくは合成する手段を有することを特徴とする干渉波キャンセラ。 - 請求項1記載の干渉波キャンセラにおいて、さらに、前記算出されたフィルタ係数信号に対して干渉キャンセラの更新に要する更新間隔分遅延して、該遅延した遅延フィルタ係数信号を前記変動検出手段へ出力する更新間隔遅延メモリを備え、
前記キャンセル誤差算出手段は、前記出力信号から理想値を算出し、該理想値と前記出力信号との誤差を前記キャンセル誤差として算出し、
前記フィルタ係数算出手段は、前記キャンセル誤差と前記受信信号の推定変動量として用いる前記値を用いてフィルタ係数を更新し、
前記極座標系検出手段は、前記キャンセル誤差と前記遅延フィルタ係数信号とから、前記キャンセル誤差と前記遅延フィルタ係数信号をそれぞれ前記更新間隔分遅延した信号を減算し、それらから極座標系による極座標変動差分信号と変動判定信号を算出し、
前記直交座標系検出手段は、前記キャンセル誤差と前記遅延フィルタ係数信号とから、前記キャンセル誤差と前記遅延フィルタ係数信号をそれぞれ前記更新間隔分遅延した信号を減算し、それらから直交座標系による直交座標変動差分信号を算出し、
前記変動検出手段は、前記変動判定信号に基づき、前記極座標変動差分信号若しくは前記直交座標変動差分信号のいずれかの選択を行うことを特徴とする干渉波キャンセラ。
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