JP5193019B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、能動層に窒化物半導体を用いる窒化物半導体装置の製造方法に関する。
窒化物半導体は、その材料特性を利用して、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor、以下「HEMT」と記す)、金属絶縁膜電界効果トランジスタ(MISFET:Metal Insulator Semiconductor Field Effect
Transistor)のような高周波電子装置、発光ダイオード、レーザーダイオードのような受発光装置に広く用いられている。
図6は、従来の窒化物半導体装置を製造する方法を説明する。従来の窒化物半導体装置を製造する方法においては、基板の上に、半導体装置が形成された場合に、半導体装置の機能を行う窒化物半導体機能層を成長させる。すなわち、意図する半導体装置の構成を実現するために、窒化物半導体機能層として、基板の上に、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、及びインジウム(In)からなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素(N)、リン、及び砒素(As)からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素で構成された、III−V族窒化物半導体層を形成する。
従来の窒化物半導体装置によりHEMTを形成する場合には、窒化物半導体機能層として、例えば、サファイア基板100の上に、MOCVD法により、窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層102と、ノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなるチャネル層103と、チャネル層103との界面にキャリアとなる2次元電子ガス層を形成するn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるキャリア供給層104と、ノンドープ窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるショットキー層105とを、例えば、1130℃で順次成長し、積層する。(図6(a)、図6(b))
その後、ショットキー層105の上の所定の領域に、熱処理によって、オーミック接触するソース電極106a及びドレイン電極106bを形成する(図6(c))。そして、ショットキー層105の上の所定の領域に、ショットキー接触するゲート電極107を形成する(図6(d))。これにより、HEMTが完成する。ゲート電極107に印加する電圧を制御することにより、ソース電極106aとドレイン電極106bの間を流れるキャリア(2次元電子ガス)を制御することができる。特許文献1には、従来の製造方法により製造されたHEMT構造を有する窒化物半導体装置の1例が記載されている。
一方、従来の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層及び/又は窒化ガリウム(GaN)層の上にゲート電極を形成した半導体装置において、窒化物半導体層の表面準位にトラップされた電子により、表面のポテンシャルが揺らぎ、高いドレイン電圧動作時に準静的に測定した値よりドレイン電流が減少する現象(以下、「電流コラプス」と記す)が生じるという問題があった。特許文献2及び特許文献3には、表面に絶縁特性に優れた窒化物半導体層を設けることにより、電流コラプスを抑制することができる窒化物半導体装置が記載されている。
特開平10−335637号公報 特開2005−311029号公報 特開2005−183906号公報
従来の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層、窒化ガリウム(GaN)層等の窒化物半導体層を用いて作製したエピタキシャル基板においては、経時変化により、窒化物半導層、特に窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層が酸化されたり、窒化物半導層の表面に汚染物質が付着したりする。このため、エピタキシャル基板を大気中に長時間放置した後に、そのエピタキシャル基板を用いて半導体装置を作製する場合に、半導体装置の特性が低下するという問題があった。
また、電流コラプスを抑制するために、絶縁特性に優れた窒化物半導体キャップ層を表面に備えるエピタキシャル基板においても、窒化物半導体キャップ層の膜厚が小さいので、経時変化により、窒化物半導体キャップ層と窒化物半導体キャップ層の下にある窒化物半導体層が酸化したり、表面に汚染物質が付着したりする。このため、窒化物半導体キャップ層を表面に備えるエピタキシャル基板を大気中に長時間放置した後に、そのエピタキシャル基板を用いて半導体装置を作製する場合にも、半導体装置の特性が低下するという問題があった。
本発明は、エピタキシャル基板の経時変化を抑制し、エピタキシャル基板の経時変化により半導体装置の特性を低下することがない、エピタキシャル基板を用いる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体装置の製造方法であって、基板の上に、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、及びインジウム(In)からなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素(N)、リン(P)、及び砒素(As)からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素により構成された、III−V族窒化物半導体層を積層し、前記半導体装置を構成する窒化物半導体機能層を形成する工程と、前記窒化物半導体機能層の上に、前記窒化物半導体機能層の成長温度より低い成長温度で形成され、ガリウム(Ga)、ホウ素(B)、及びインジウム(In)からなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素(N)、リン(P)、及び砒素(As)からなるV族元素のうちの少なくとも窒素(N)を含むV族元素とにより構成されたIII−V族窒化物半導体層からなり、前記窒化物半導体機能層のエッチングレートより高いエッチングレートを有し、前記窒化物半導体機能層を保護する窒化物半導体保護層を積層し、エピタキシャル基板を形成する工程と、前記窒化物半導体保護層を前記エピタキシャル基板の全面にわたって選択的に除去し、前記窒化物半導体機能層を露出する工程と、露出した前記窒化物半導体機能層の上に、オーミック電極ショットキー電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記窒化物半導体保護層を積層し、エピタキシャル基板を形成する工程により形成された前記エピタキシャル基板を大気中で保管した後に、前記窒化物半導体保護層を前記エピタキシャル基板の全面にわたって選択的に除去し、前記窒化物半導体機能層を露出する工程を実行することを特徴としても良い。
さらに、本発明の半導体装置の製造方法は、前記窒化物半導体保護層を形成する工程において、前記窒化物半導体保護層として、窒化ガリウム(GaN)層を450℃以下の温度で形成し、前記窒化物半導体機能層を露出する工程において、前記窒化ガリウム(GaN)層を、水酸化カリウム水溶液(KOH)によりエッチングすることにより選択的に除去し、前記窒化物半導体機能層を露出することを特徴としても良い。
本発明により、経時変化を抑制することが可能なエピタキシャル基板を用いて、エピタキシャル基板の経時変化により半導体装置の特性を低下させることなく、半導体装置を精度良く製造することができる半導体装置の製造方法を提供することができる。


以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
<本発明の第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るエピタキシャル基板、このエピタキシャル基板を製造する方法、及び、このエピタキシャル基板を用いて窒化物半導体装置を製造する方法を示す。以下、窒化物半導体装置の例としてIII−V族窒化物半導体装置であるHEMTを例に本発明の第1の実施形態を説明する。
<第1の実施形態に係るエピタキシャル基板の説明>
図1(b)に基づいて、本発明の第1の実施形態に係るエピタキシャル基板について説明する。本発明の第1の実施形態に係るエピタキシャル基板18は、基板10と、基板10の上に設けられ、半導体装置が形成された場合に、半導体装置の機能を行う窒化物半導体機能層11と、窒化物半導体機能層11の上に設けられ、窒化物半導体機能層11のエッチングレートより高いエッチングレートを有し、窒化物半導体機能層11を保護する窒化物半導体保護層17とを有する。窒化物半導体機能層11は、半導体装置としての動作を担う能動素子等を構成する能動層と、能動層の機能を高めるために必要な場合に設けられるバッファ層等とを有する。
本発明の第1の実施形態に係るエピタキシャル基板において、基板10にサファイア基板を使用する場合を例として説明するが、基板10は、サファイア基板に限らず、シリコン基板、炭化珪素(SiC)基板、又は窒化物半導体基板を使用しても良い。
窒化物半導体機能層11は、意図する半導体装置の構成を実現するために、基板10の上に、ガリウム、アルミニウム、ホウ素、及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン、及び砒素からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素で構成されたIII−V族窒化物半導体層を有する。
本発明の第1の実施形態のエピタキシャル基板において、HEMTを形成する場合には、窒化物半導体機能層11として、例えば、サファイア基板10の上に、厚さ30nm程度の窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層12と、厚さ2.5μmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなるチャネル層13と、チャネル層13との界面にキャリアとなる2次元電子ガス層を形成する厚さ15nmのn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるキャリア供給層14と、厚さ3nmのノンドープ窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるショットキー層15とが順次積層される。また、窒化物半導体保護層17として、窒化物半導体機能層11の上に、窒化物半導体機能層11のエッチングレートより高いエッチングレートを有し、例えば、厚さ200nmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)が設けられる。なお、チャネル層13とキャリア供給層14とによって能動層が構成される。
<第1の実施形態に係るエピタキシャル基板を製造する方法の説明>
次に、図1(a)及び図1(b)に基づいて、本発明の第1の実施形態に係るエピタキシャル基板を製造する方法について説明する。最初に、基板10を用意する。基板10にサファイア基板を使用する場合を例として本実施形態を説明する。なお、基板は、サファイア基板に限らず、シリコン基板、炭化珪素(SiC)基板、又は窒化物半導体基板を使用しても良い(図1(a))。
次に、基板10の上に、半導体装置が形成された場合に、半導体装置の機能を行う窒化物半導体機能層11を成長させる。すなわち、意図する半導体装置の構成を実現するために、窒化物半導体機能層11として、基板10の上に、ガリウム、アルミニウム、ホウ素、及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン、及び砒素からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素で構成されたIII−V族窒化物半導体層を成長し、積層させる(図1(b))。
HEMTを形成する場合には、窒化物半導体機能層11として、例えば、サファイア基板11の上に、MOCVD法により、厚さ30nm程度の窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層12と、厚さ2.5μmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなるチャネル層13と、チャネル層13との界面にキャリアとなる2次元電子ガス層を形成する厚さ15nmのn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるキャリア供給層14と、厚さ3nmのノンドープ窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるショットキー層15とを、基板温度1130℃で順次成長し、積層する(図1(b))。
次に、窒化物半導体機能層11を成長させた後に、チャンバを大気に開放することなく、窒化物半導体機能層11の上に、窒化物半導体機能層を保護する窒化物半導体保護層17を、窒化物半導体機能層11を成長した成長温度より低い成長温度で成長させる。窒化物半導体保護層17を成長させる成長温度は、窒化物半導体機能層11のエッチングレートと窒化物半導体保護層17のエッチングレートの差を考慮して定められる。窒化物半導体保護層17は、成長条件に応じて、アモルファス又は多結晶により形成される。
例えば具体例により説明すると、窒化物半導体保護層17として、III−V族窒化物半導体層11の上に、III−V族窒化物半導体層の成長温度より低い成長温度で、アルミニウムを除く、ガリウム、ホウ素、及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン、及び砒素からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素で構成されたIII−V族窒化物半導体層を成長させる。アルミニウムを除外するのは、窒化物半導体保護層17は、アルミニウムの酸化によって生じる半導体装置の性能劣化を防止するために設けられるからである。
上記説明に従って、HEMTを形成する場合には、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるショットキー層15の上に、例えば、基板温度を440℃として、厚さ200nmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなる表面保護層17を成長させる。これにより、表面保護層17として、非晶質(アモルファス)層、又は多結晶層が形成される。これにより、エピタキシャル基板が形成される(図1(b))。
<第1の実施形態に係る半導体装置を製造する方法の説明>
次に、図1(a)〜図1(e)に基づいて、エピタキシャル基板を用いて窒化物半導体装置を製造する方法について説明する。エピタキシャル基板を製造する工程については、図1(a)及び図1(b)を用いて、既に説明しているので、ここでは説明を省略する。以下、エピタキシャル基板を製造した後、半導体装置を製造するまでの工程について説明する。
窒化物半導体保護層17を、窒化物半導体機能層11のエッチングレートと窒化物半導体保護層の17エッチングレートとの差を利用して選択的に除去する。上記説明に従って、HEMTを形成する場合には、例えば、GaNからなる表面保護層17を、95℃、30wt%の水酸化カリウム水溶液でエピタキシャル基板全面にわたってエッチングすることにより除去し、ショットキー層15を露出させる(図1(c))。
図2は、GaN層の成長温度に対するエッチングレートを示す。GaN層のエッチングレートは、一般に、成長温度が低くなる程高くなる。特に、GaN層の成長温度が、480℃以下になると、成長温度が低くなるにしたがって、エッチングレートが、顕著に大きくなる。したがって、高温で成膜した窒化物半導体層のエッチングレートと低温で成膜した窒化物半導体層のエッチングレートの比により選択エッチングが可能となる。本実施形態のショットキー層15と表面保護層17とでは、エッチングの選択比は、例えば、約1:80となり、制御性良く表面保護層17を除去することができる。なお、図2において、GaN層の成長温度が600℃から420℃と低くなると、それに伴って成膜されたGaN層の結晶構造が、単結晶、多結晶、非晶質(アモルファス)と変化する。
表面保護層17を除去した直後に、ショットキー層15の上の所定の領域にソース電極21a及びドレイン電極21bを形成する。ソース電極21a及びドレイン電極21bは、例えば、チタン(Ti)/アルミニウム(Al)/チタン(Ti)/金(Au)によって形成される。そして、熱処理によって、ソース電極21a及びドレイン電極21bとショットキー層15との間にオーミック接触が形成される(図1(d))。
その後、ショットキー層15の上の所定の領域にゲート電極22を形成する。ゲート電極22は、ニッケル(Ni)/金(Au)によって形成される。ゲート電極22とショットキー層15との間には、ショットキー接触が形成される(図1(e))。これにより、HEMTが完成する。
従来の製造方法で製造したエピタキシャル基板と本発明の第1の実施形態の製造方法で製造したエピタキシャル基板について、エピタキシャル基板製造から2カ月後にそれぞれHEMTを製造し、それぞれのドレイン電圧―電流特性を測定した。図3(a)は、本発明の第1の実施形態の製造方法で製造したエピタキシャル基板を用いたHEMTのドレイン電圧―電流特性を示し、図3(b)は、従来の製造方法で製造したエピタキシャル基板を用いたHEMTのドレイン電圧―電流特性を示す。
図3(b)に示されるように、従来の製造方法に係るHEMTのドレイン電圧―電流特性では、オン抵抗の増大及びドレイン電流の低下が見られ、エピタキシャル基板の経時変化の影響を顕著に受けていることが理解できる。他方、図3(a)に示されるように、本発明の第1の実施形態の製造方法に係るHEMTのドレイン電圧―電流特性では、オン抵抗の増大及びドレイン電流の低下は見られず、エピタキシャル基板の経時変化の影響を受けていないことが理解できる。
<本発明の第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係るエピタキシャル基板、このエピタキシャル基板を製造する方法、及び、このエピタキシャル基板を用いた窒化物半導体装置の製造方法を示す。以下、窒化物半導体装置の例としてIII−V族窒化物半導体装置であるHEMTを例に本発明の第2の実施形態を説明する。
<第2の実施形態に係るエピタキシャル基板の説明>
図4(b)に基づいて、本発明の第2の実施形態に係るエピタキシャル基板について説明する。本発明の第2の実施形態に係るエピタキシャル基板18は、基板10と、基板10の上に設けられ、半導体装置が形成された場合に、半導体装置の機能を行う窒化物半導体機能層11と、窒化物半導体機能層11の上に設けられ、窒化物半導体機能層11のエッチングレートより高いエッチングレートを有し、窒化物半導体機能層11を保護する窒化物半導体保護層17とを有する。窒化物半導体機能層11は、半導体装置としての動作を担う能動素子等を構成する能動層と、能動層の機能を高めるために必要な場合に設けられるバッファ層等とを有する。
本発明の第2の実施形態に係るエピタキシャル基板において、基板10にサファイア基板を使用する場合を例として説明するが、基板10は、サファイア基板に限らず、シリコン基板、炭化珪素(SiC)基板、又は窒化物半導体基板を使用しても良い。
窒化物半導体機能層11は、意図する半導体装置の構成を実現するために、基板10の上に、ガリウム、アルミニウム、ホウ素、及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン、及び砒素からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素で構成されたIII−V族窒化物半導体層を有する。
HEMTを形成する場合には、本発明の第2の実施形態のエピタキシャル基板において、窒化物半導体機能層11として、例えば、サファイア基板10の上に、厚さ30nm程度の窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層12と、厚さ2.5μmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなるチャネル層13と、チャネル層13との界面にキャリアとなる2次元電子ガス層を形成する厚さ15nmのn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるキャリア供給層14と、厚さ3nmのノンドープ窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるショットキー層15とが順次積層される。
また、本発明の第2の実施形態のエピタキシャル基板において、窒化物半導体機能層11には、ショットキー層15の上に、表面にトラップされた電子により表面準位が揺らぎ、半導体層装置の特性が不安定になるのを防止するために、厚さ10nmの窒化ガリウム(GaN)からなるキャップ層16が設けられる。そして、窒化物半導体保護層17として、窒化物半導体機能層11の上に、キャップ層16のエッチングレートより大きなエッチングレートを有する、例えば、厚さ200nmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)が設けられる。
<第2の実施形態に係るエピタキシャル基板を製造する方法の説明>
次に、図4(a)及び図4(b)に基づいて、本発明の第2の実施形態に係るエピタキシャル基板を製造する方法について説明する。最初に、基板10を用意する。基板10にサファイア基板を使用する場合を例として本実施形態を説明する。なお、基板は、サファイア基板に限らず、シリコン基板、炭化珪素(SiC)基板、又は窒化物半導体基板を使用しても良い(図4(a))。
次に、基板10の上に、半導体装置が形成された場合に、半導体装置の機能を行う窒化物半導体機能層11を成長させる。すなわち、意図する半導体装置の構成を実現するために、窒化物半導体機能層11として、基板10の上に、ガリウム、アルミニウム、ホウ素、及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン、及び砒素からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素で構成されたIII−V族窒化物半導体層を成長し、積層させる(図4(b))。
HEMTを形成する場合には、窒化物半導体機能層11として、例えば、サファイア基板10の上に、MOCVD法により、厚さ30nm程度の窒化ガリウム(GaN)からなるバッファ層12と、厚さ2.5μmのノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなるチャネル層13と、チャネル層13との界面にキャリアとなる2次元電子ガス層を形成する厚さ15nmのn型窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるキャリア供給層14と、厚さ3nmのノンドープ窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からなるショットキー層15とを、基板温度1130℃で順次成長し、積層する。また、表面にトラップされた電子により表面準位が揺らぎ、半導体層装置の特性が不安定になるのを防止するために、基板温度を500℃とし、ショットキー層15の上に、厚さ10nmの窒化ガリウム(GaN)からなるキャップ層16を成長させる。(図4(b))。
次に、窒化物半導体機能層11を成長させた後に、チャンバを大気に開放することなく、窒化物半導体機能層11の上に、窒化物半導体機能層を保護する窒化物半導体保護層17を、窒化物半導体機能層11を成長した成長温度より低い成長温度で成長させる。窒化物半導体保護層17を成長させる成長温度は、窒化物半導体機能層11の最上層であるキャップ層16のエッチングレートと窒化物半導体保護層17のエッチングレートの差を考慮して定められる。窒化物半導体保護層17は、アモルファス、又は多結晶により形成される。
窒化物半導体保護層17として、窒化物半導体機能層11の上に、窒化物半導体機能層の成長温度より低い成長温度で、アルミニウムを除く、ガリウム、ホウ素、及びインジウムからなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素、リン、及び砒素からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素で構成された、III−V族窒化物半導体層を成長させる。アルミニウムを除外するのは、窒化物半導体保護層17は、アルミニウムの酸化によって生じる半導体装置の性能劣化を防止するために設けられるからである。
上記説明に従って、HEMTを形成する場合には、窒化ガリウム(AlGaN)からなるキャップ層16の上に、例えば、基板温度を440℃として、厚さ200nmの表面保護膜となるノンドープ窒化ガリウム(GaN)からなる表面保護層17を成長させる。表面保護層17は、非晶質(アモルファス)層として形成される。これにより、エピタキシャル基板が形成される(図4(b))。
<第2の実施形態に係る半導体装置を製造する方法の説明>
次に、図4(a)〜図4(e)に基づいて、本発明の第2の実施形態のエピタキシャル基板を用いて窒化物半導体装置を製造する方法について説明する。エピタキシャル基板を製造する工程については、図4(a)及び図4(b)を用いて既に説明しているので、ここでは説明を省略する。以下、エピタキシャル基板を製造した後、半導体装置を製造するまでの工程について説明する。
窒化物半導体保護層17を、窒化物半導体機能層11の最上層にあるキャップ層16のエッチングレートと窒化物半導体保護層の17エッチングレートとの差を利用して選択的に除去する。上記説明に従って、HEMTを形成する場合には、例えば、GaNからなる表面保護層17を、95℃、30wt%の水酸化カリウム水溶液でエピタキシャル基板全面にわたって除去し、ショットキー層15を露出させる(図4(c))。
図2に示すように、GaN層のエッチングレートは、成長温度が低くなる程高くなる。特に、GaN層の成長温度が、480℃以下になると、成長温度が低くなるにしたがって、エッチングレートが、顕著に大きくなる。したがって、高温で成膜した窒化物半導体層のエッチングレートと低温で成膜した窒化物半導体層エッチングレートの比により選択エッチングが可能となる。本実施形態のキャップ層16と表面保護層17とでは、エッチングの選択比は約40となり、制御性良く表面保護層17を除去することができる。
表面保護層17を除去した直後に、ショットキー層15の上の所定の領域にソース電極21a及びドレイン電極21bを形成する。ソース電極21a及びドレイン電極21bは、例えば、チタン(Ti)/アルミニウム(Al)/チタン(Ti)/金(Au)によって形成される。そして、熱処理によって、ソース電極21a及びドレイン電極21bとショットキー層15との間にオーミック接触が形成される(図4(d))。
その後、ショットキー層15の上の所定の領域にゲート電極22を形成する。ゲート電極22は、ニッケル(Ni)/金(Au)によって形成される。ゲート電極19とショットキー層22との間には、ショットキー接触が形成される(図4(e))。これにより、HEMTが完成する。
従来の製造方法で製造したエピタキシャル基板と本発明の第2の実施形態の製造方法で製造したエピタキシャル基板について、エピタキシャル基板製造から6カ月後にそれぞれ従来の製造方法と本発明の第2の実施形態の製造方法でHEMTを製造し、それぞれのドレイン電圧―電流特性を測定した。図5(a)は、本発明の第2の実施形態の製造方法で製造したエピタキシャル基板を用いたHEMTのドレイン電圧―電流特性を示す。図5(b)は、従来の製造方法で製造したエピタキシャル基板を用いたHEMTのドレイン電圧―電流特性を示す。
図5(b)に示されるように、従来の製造方法で製造したHEMTのドレイン電圧―電流特性では、DC測定に対しパルス測定の電流値が低下している。キャップ層16が存在しても、電流コラプスが起きていることが理解できる。他方、図5(a)に示されるように、本発明の製造方法で製造したHEMTのドレイン電圧―電流特性では、DC測定とパルス測定の電流値に差がなく電流コラプスが抑制されていることが理解できる。
本発明の第1の実施形態に係るエピタキシャル基板、このエピタキシャル基板を製造する方法、及び、このエピタキシャル基板を用いて窒化物半導体装置を製造する方法を示す断面図である。 GaN層の成長温度とエッチングレートの関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置と従来の製造方法により製造された半導体装置のドレイン電圧とドレイン電流の特性を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るエピタキシャル基板、このエピタキシャル基板を製造する方法、及び、このエピタキシャル基板を用いて窒化物半導体装置を製造する方法を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法により製造された半導体装置と従来の製造方法により製造された半導体装置のドレイン電圧とドレイン電流の特性を示す図である。 従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
符号の説明
10:基板、11:窒化物半導体機能層、12:バッファ層、13:チャネル層、14:キャリア供給層、15:ショットキー層、16:キャップ層、17:半導体保護層(表面保護層)、18:エピタキシャル基板、21a:ソース電極、21b:ドレイン電極、22:ゲート電極、100:基板、102:バッファ層、103:チャネル層、104:キャリア供給層、105:ショットキー層、106a:ソース電極、106b:ドレイン電極、107:ゲート電極

Claims (3)

  1. 半導体装置の製造方法であって、
    基板の上に、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、及びインジウム(In)からなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素(N)、リン(P)、及び砒素(As)からなるV族元素のうちの少なくとも窒素を含むV族元素により構成された、III−V族窒化物半導体層を積層し、前記半導体装置を構成する窒化物半導体機能層を形成する工程と、
    前記窒化物半導体機能層の上に、前記窒化物半導体機能層の成長温度より低い成長温度で形成され、ガリウム(Ga)、ホウ素(B)、及びインジウム(In)からなる群のうち少なくとも1つからなるIII族元素と、窒素(N)、リン(P)、及び砒素(As)からなるV族元素のうちの少なくとも窒素(N)を含むV族元素とにより構成されたIII−V族窒化物半導体層からなり、前記窒化物半導体機能層のエッチングレートより高いエッチングレートを有し、前記窒化物半導体機能層を保護する窒化物半導体保護層を積層し、エピタキシャル基板を形成する工程と、
    前記窒化物半導体保護層を前記エピタキシャル基板の全面にわたって選択的に除去し、前記窒化物半導体機能層を露出する工程と、
    露出した前記窒化物半導体機能層の上に、オーミック電極ショットキー電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記窒化物半導体保護層を積層し、エピタキシャル基板を形成する工程により形成された前記エピタキシャル基板を大気中で保管した後に、前記窒化物半導体保護層を前記エピタキシャル基板の全面にわたって選択的に除去し、前記窒化物半導体機能層を露出する工程を実行することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記窒化物半導体保護層を積層し、エピタキシャル基板を形成する工程において、前記窒化物半導体保護層として、窒化ガリウム(GaN)層を450℃以下の温度で形成し、
    前記窒化物半導体機能層を露出する工程において、前記窒化ガリウム(GaN)層を、水酸化カリウム水溶液(KOH)によりエッチングすることにより選択的に除去し、前記窒化物半導体機能層を露出することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
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