JP5192852B2 - ロータリーキルン型汚泥乾燥装置とその安全停止方法 - Google Patents
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Description
同様の構成として特許文献1(特開2005−195278号公報)には、運転立下時において、燃焼ガスを生成する熱風炉のバーナ火炎が消えた場合に、熱風を乾燥機内に導入するための燃焼ファンの作動を停止する構成が開示されている。
前記乾燥排ガス排出ライン上に、定常運転時は開の状態に維持され前記乾燥機の停止時に閉に切り替えられる遮断ダンパを設けるとともに、前記燃焼ガス供給ライン上に、前記乾燥機の停止時に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を設けた構成としている。
この対策として、特許文献1に記載されるように乾燥に用いられる燃焼ガスを遮断する方法が挙げられるが、乾燥機の後段側に熱交換器を備え、低温側ガスとして乾燥排ガスを利用している場合には、乾燥排ガスの循環停止により熱交換器が高温化し、熱交換器の損傷や発火の惧れがある。
また、通常運転時は乾燥機内の状況を乾燥機出口温度で監視するが、停止工程で乾燥機への熱風供給を停止したあとは、出口側温度だけでは乾燥機内の状況を十分把握できない可能性がある。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、乾燥装置の汚泥乾燥運転停止時における乾燥装置内の自然発火を防止し、さらには後段に設置された熱交換器等の他の機器にも不具合を発生させることなく安全に停止工程を行うことができるロータリーキルン型汚泥乾燥装置とその安全停止方法を提供することを目的とする。
前記乾燥装置の汚泥乾燥運転停止後、前記回転ドラム入口側温度、該ドラム内のCO濃度、前記撹拌軸若しくは回転ドラムの軸方向の熱膨張量(線膨張量)のいずれかの検知信号に基づいて、前記回転ドラム内の自然発火の有無を監視し、該回転ドラム内への水噴霧及び脱水汚泥の投入のうち少なくとも脱水汚泥の投入を行うことを特徴とする。
水噴霧及び脱水汚泥の投入のうちの両方の選択、又は、脱水汚泥の投入のみの選択が前記回転ドラム入口側温度の温度上昇変化率に基づいて決定されることを特徴とする。
前記回転ドラム入口側温度の温度上昇が急激な際は、水噴霧が有効であるが、急激な水蒸気の発生を伴う恐れがある。このような恐れがある場合、含水率の高い脱水汚泥を追加投入する。前記回転ドラム入口側温度の温度上昇に応じて、処置を選択する。
このように、乾燥装置の回転ドラム入口側温度の上昇変化率により、乾燥装置内における温度上昇を抑える処置を選択することで、回転ドラム内の自然発火を防止するとともに、急激な水分蒸発の危険性を防いで汚泥品温を下げることができる。
また、前記乾燥装置の汚泥乾燥運転停止が、前記汚泥投入口よりの汚泥投入停止と燃焼ガス入口よりの燃焼ガス導入停止と回転ドラムの駆動停止によって行われることを特徴とする。
前記乾燥装置の汚泥乾燥運転停止後、前記回転ドラム入口側温度、該ドラム内のCO濃度、前記撹拌軸若しくは回転ドラムの軸方向の熱膨張量(線膨張量)のいずれかの検知信号に基づいて、前記回転ドラム内の自然発火の有無を監視する自然発火監視手段と、
該監視手段の監視結果に基づいて、該回転ドラム内への水噴霧及び脱水汚泥の投入のうち少なくとも脱水汚泥の投入を行う消炎手段とを具えたことを特徴とする。
水噴霧及び脱水汚泥の投入のうちの両方の選択又は脱水汚泥の投入のみの選択が前記回転ドラム入口側温度の温度上昇変化率に基づいて決定されるコントローラを具えたことを特徴とする。
これにより、上述した方法の発明と同様の効果を有する。
また、乾燥装置の回転ドラム入口側温度の上昇変化率により、乾燥装置内における温度上昇を抑える処置を選択することで、回転ドラム内の自然発火を防止するとともに、急激な水分蒸発の危険性を防いで汚泥品温を下げることができる。
図1は従来のロータリーキルン型汚泥乾燥装置を備えた熱処理システムの基本構成図、図2は実施例1に係るロータリーキルン型汚泥乾燥装置の構成図、図3は乾燥装置停止時における乾燥装置の撹拌軸伸び経時変化を示す図、図4は実施例2に係るロータリーキルン型汚泥乾燥装置の構成図である。
ここで、汚泥とは、下水汚泥、パルプスラッジ、糞尿汚泥、家畜汚泥等であり、特に脱水汚泥が好適に用いられる。
また、乾燥装置の停止時とは、汚泥投入口よりの汚泥投入停止と燃焼ガス入口よりの燃焼ガス導入停止と回転ドラムの駆動停止によるものである。また、異常時における非常停止時を含むものである。
循環ガス予熱器4は、乾燥機1からの乾燥排ガスが低温側ガス入口に導入され、乾燥機燃焼炉3からの燃焼ガスの少なくとも一部が高温側ガス入口に導入され、該乾燥排ガスと燃焼ガスとの間で熱交換を行う装置であり、乾燥排ガスの昇温とともに燃焼ガスの冷却を目的としている。循環ガス予熱器4は、相変化を伴わないガス−ガス熱交換器である。冷却された燃焼ガスは、原則として後段側の排ガス処理ライン5に送給される。
スクラバは、苛性ソーダ等のアルカリ剤を含む洗浄水を噴霧することによって酸性ガスを除去する。このとき排ガス温度も低下させることができる。スクラバは、SOxの除去に適しているため、処理対象としては燃焼ガス中にSOxが多く含まれる下水汚泥が好ましい。
乾燥機1から排出された200℃の乾燥排ガスは、乾燥ガス排出ライン31を介してサイクロン2に導かれ、該サイクロン2にて集塵された後乾燥排ガス排出ライン32を通って循環ガス予熱器4に送給される。このとき、乾燥排ガスの少なくとも一部は、循環ガスライン38を介して乾燥機の燃焼ガス入口側へ送給される。循環ガスライン38上にはダンパ46が設置され、循環ガス流量を調整することで乾燥用の燃焼ガス温度を調整するようになっている。
また、乾燥排ガス排出ライン32上で且つ循環ファン44より上流側には、ダンパ43が設置されている。そして、乾燥機1の乾燥排ガス出口の排ガス温度、流量に基づいてダンパ43を開度制御し、乾燥排ガスの流量を調整するようになっている。また、同様に、乾燥排ガス出口の排ガス温度、流量に基づいて誘引ファンの回転数を適宜調整するとよい。
また、燃焼ガス供給ライン35上には不活性ガス供給手段が設けられている。この不活性ガス供給手段は、窒素ガス供給手段であることが好ましい。窒素ガス供給手段は、窒素ガス供給ライン50と、該窒素ガス供給ライン50上に設けられた遮断ダンパ51とから構成される。この遮断ダンパ51は、定常運転時は閉の状態に維持されているが、乾燥機1の停止時には遮断ダンパ51を開に切り替えられて窒素ガスを供給するようになっている。
図2において、ロータリーキルン型汚泥乾燥装置は、脱水汚泥を乾燥する乾燥機1を主とした装置であり、ロータリーキルン式の乾燥機を用いている。乾燥機1は、キルン本体101に撹拌軸102が偏芯した状態で挿設され、該撹拌軸102には複数のパドル103が設けられる。キルン本体101の一側には汚泥投入口と、他側には乾燥処理物排出口が形成されるとともに、該キルン本体101には、汚泥の乾燥に用いられる燃焼ガスを導入する燃焼ガス入口と、汚泥の乾燥で生じた乾燥排ガスを排出する乾燥排ガス出口が設けられている。キルン本体内に投入された汚泥は、高速で回転する撹拌軸102と、該撹拌軸102に対して逆方向に低速で回転するキルン本体101によりキルン内を移送されながら、燃焼ガスと接触することにより乾燥される。乾燥排ガスは、乾燥排ガス出口より乾燥ガス排出ライン31を介してサイクロン2(図1)に導かれる。
また、燃焼ガス供給ライン35上には不活性ガス供給手段が設けられている。この不活性ガス供給手段は、窒素ガス供給手段であることが好ましい。窒素ガス供給手段は、窒素ガス供給ライン50と、該窒素ガス供給ライン50上に設けられた遮断ダンパ51とから構成される。この遮断ダンパ51は、定常運転時は閉の状態に維持されているが、乾燥機1の停止時には遮断ダンパ51を開に切り替えられて窒素ガスを供給するようになっている。
また、撹拌軸伸び計測装置14により撹拌軸102の熱伸びを監視しているが、回転ドラムの熱伸びを監視してもよい。また目視による監視でもよい。
このように、乾燥装置の回転ドラム入口側温度の上昇変化率により、乾燥装置内における温度上昇を抑える処置を選択することで、回転ドラム内の自然発火を防止するとともに、急激な水分蒸発の危険性を防いで汚泥品温を下げることができる。これは、乾燥装置の熱損を防止することができ、さらには後段に設置された熱交換器等の機器の不具合防止にもつながる。
図4において、ロータリーキルン型汚泥乾燥装置は、脱水汚泥を乾燥する乾燥機1を主とした装置であり、ロータリーキルン式の乾燥機を用いている。乾燥機1は、キルン本体に撹拌軸102が偏芯した状態で挿設され、該撹拌軸102には複数のパドルが設けられる。キルン本体の一側には汚泥投入口と、他側には乾燥処理物排出口が形成されるとともに、該キルン本体には、汚泥の乾燥に用いられる燃焼ガスを導入する燃焼ガス入口と、汚泥の乾燥で生じた乾燥排ガスを排出する乾燥排ガス出口が設けられている。キルン本体内に投入された汚泥は、高速で回転する撹拌軸102と、該撹拌軸102に対して逆方向に低速で回転するキルン本体によりキルン内を移送されながら、燃焼ガスと接触することにより乾燥される。乾燥排ガスは、乾燥排ガス出口より乾燥ガス排出ライン31を介してサイクロン2(図1)に導かれる。
また、燃焼ガス供給ライン35上には不活性ガス供給手段が設けられている。この不活性ガス供給手段は、窒素ガス供給手段であることが好ましい。窒素ガス供給手段は、窒素ガス供給ライン50と、該窒素ガス供給ライン50上に設けられた遮断ダンパ51とから構成される。この遮断ダンパ51は、定常運転時は閉の状態に維持されているが、乾燥機1の停止時には遮断ダンパ51を開に切り替えられて窒素ガスを供給するようになっている。
また、実施例1と同様に、撹拌軸伸び計測装置14により撹拌軸102の熱伸びを監視しているが、回転ドラムの熱伸びを監視してもよい。また目視による監視でもよい。
コントローラ15により回転ドラム入口側温度の温度上昇に基づいて水噴霧若しくは脱水汚泥の投入のいずれか若しくは両方の選択を決定し、乾燥装置の回転ドラム入口側温度の上昇変化率により、乾燥装置内における温度上昇を抑える処置を選択することで、回転ドラム内の自然発火を防止するとともに、急激な水分蒸発の危険性を防いで汚泥品温を下げることができる。
2 サイクロン
3 乾燥機燃焼炉
4 循環ガス予熱器
5 排ガス処理ライン
12 乾燥機入口部温度計
13 CO濃度計
14 撹拌軸伸び計測装置
15 コントローラ
31 乾燥排ガス排出ライン
35 燃焼ガス供給ライン
38 乾燥排ガス循環ライン
41 遮断ダンパ
50、53 窒素ガス供給ライン
102 撹拌軸
Claims (5)
- 回転ドラム軸線方向に沿って挿通された汚泥撹拌軸を具えたロータリーキルン本体入口側に汚泥投入口と汚泥の乾燥に用いられる燃焼ガス導入口を、一方本体出口側に乾燥処理物排出口と、汚泥の乾燥で生じた乾燥排ガスを排出する乾燥排ガス出口を夫々設けたロータリーキルン型汚泥乾燥装置の安全停止方法において、
前記乾燥装置の汚泥乾燥運転停止後、前記回転ドラム入口側温度、該ドラム内のCO濃度、前記撹拌軸若しくは回転ドラムの軸方向の熱膨張量(線膨張量)のいずれかの検知信号に基づいて、前記回転ドラム内の自然発火の有無を監視し、該回転ドラム内への水噴霧及び脱水汚泥の投入のうち少なくとも脱水汚泥の投入を行うことを特徴とするロータリーキルン型汚泥乾燥装置の安全停止方法。 - 前記自然発火監視のための検知信号が前記回転ドラム入口側温度である請求項1記載のロータリーキルン型汚泥乾燥装置の安全停止方法において、
水噴霧及び脱水汚泥の投入のうちの両方の選択、又は、脱水汚泥の投入のみの選択が前記回転ドラム入口側温度の温度上昇変化率に基づいて決定されることを特徴とするロータリーキルン型汚泥乾燥装置の安全停止方法。 - 前記乾燥装置の汚泥乾燥運転停止が、前記汚泥投入口よりの汚泥投入停止と燃焼ガス入口よりの燃焼ガス導入停止と回転ドラムの駆動停止によって行われることを特徴とする請求項1記載のロータリーキルン型汚泥乾燥装置の安全停止方法。
- 回転ドラム軸線方向に沿って挿通された汚泥撹拌軸を具えたロータリーキルン本体入口側に汚泥投入口と汚泥の乾燥に用いられる燃焼ガス導入口を、一方本体出口側に乾燥処理物排出口と、汚泥の乾燥で生じた乾燥排ガスを排出する乾燥排ガス出口を夫々設けたロータリーキルン型汚泥乾燥装置において、
前記乾燥装置の汚泥乾燥運転停止後、前記回転ドラム入口側温度、該ドラム内のCO濃度、前記撹拌軸若しくは回転ドラムの軸方向の熱膨張量(線膨張量)のいずれかの検知信号に基づいて、前記回転ドラム内の自然発火の有無を監視する自然発火監視手段と、
該監視手段の監視結果に基づいて、該回転ドラム内への水噴霧及び脱水汚泥の投入のうち少なくとも脱水汚泥の投入を行う消炎手段と、を具えたことを特徴とするロータリーキルン型汚泥乾燥装置。 - 前記監視信号が前記回転ドラム入口側温度である請求項4記載のロータリーキルン型汚泥乾燥装置において、
水噴霧及び脱水汚泥の投入のうちの両方の選択又は脱水汚泥の投入のみの選択が前記回転ドラム入口側温度の温度上昇変化率に基づいて決定されるコントローラを具えたことを特徴とするロータリーキルン型汚泥乾燥装置。
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