[歩行型田植機の全体構成]
図1〜図4に基づいて歩行型田植機の全体構成について説明する。図1は、歩行型田植機の全体側面図であり、図2は、歩行型田植機の全体平面図である。図3は、歩行型田植機前部の側面図であり、図4は、歩行型田植機前部の平面図である。なお、図3及び図4においては、上部カバー24、下部カバー25等は省略する。
図1及び図2に示すように、歩行型作業機は、走行機体1に一つの車輪3と、左右2つの苗植付装置8,9とを備えて、一輪式で2条植付け仕様に構成されている。走行機体1の前部に、歩行型田植機の動力源となるエンジンEが装備され、このエンジンEの左横外側にミッションケースMが連結されている。ミッションケースMはエンジンEの下側に延出され、この延出された部分の後部から走行伝動ケース2が延出されている。走行伝動ケース2には一つの車輪3が軸支され、エンジンEからの動力がミッションケースM及び走行伝動ケース2を介して車輪3に伝達される。
ミッションケースMの左右両側部から左右の伝動ケース4,5が後方に延出されており、この左の伝動ケース4の後端部に、左の横送り伝動ケース6を介して左の苗植付け装置8が連動連結されており、右の伝動ケース5の後端部に、右の横送り伝動ケース7を介して右の苗植付け装置9が連動連結されている。これにより、エンジンEからの動力がミッションケースM、左右の伝動ケース4,5及び左右の横送り伝動ケース6,7を介して左右の苗植付け装置8,9に伝達されて、苗植付け装置8,9の回転駆動により後述する苗載せ台18から所定量ずつ苗を圃場に植付けできるように構成されている。
図3及び図4に示すように、走行伝動ケース2には、走行伝動ケース2から上方に延出された前部ブラケット10が固定され、右の伝動ケース5には、右の伝動ケース5から左側方に延出された後部ブラケット11が固定されている。前部及び後部ブラケット10,11に亘って油圧単動式の昇降シリンダ12(油圧機器に相当)が装備されており、昇降シリンダ12におけるピストン部のチューブ側には、サスペンションバネとして機能する弾性バネ12aが内装されている。
昇降シリンダ12のロッド側の端部は、前部ブラケット10に左右方向の軸心周りで回動自在に支持され、昇降シリンダ12のチューブ側の端部は、後部ブラケット11に左右方向に軸心周りで回動自在に支持されている。これにより、後述するミッションケースMに装備された油圧ポンプ34からの圧油を昇降シリンダ12のロッド側に供給して昇降シリンダ12を短縮させると、走行伝動ケース2が左右方向の軸心P5周りに下方へ揺動して車輪3が走行機体1に対して下降し、走行機体1が上昇する(図16参照)。一方、昇降シリンダ12のロッド側から作動油を抜いて昇降シリンダ12を伸長させると、走行伝動ケース2が左右方向の軸心P5周りに上方へ揺動して車輪3が走行機体1に対して上昇し、走行機体1が下降する(図16参照)。
図1及び図2に示すように、左右の横送り伝動ケース6,7の後端部からパイプ状のハンドルフレーム13,14がそれぞれ延出されている。左右のハンドルフレーム13,14の前端部及び後端部には、スライドレール16及び案内ガイド17が支持されており、このスライドレール16及び案内ガイド17の上側に、側面視でハンドルフレーム13,14に沿って後上がり傾斜姿勢で配設された苗載せ台18が左右方向にスライド自在に装備されている。
左の横送り伝動ケース6の上部と右の横送り伝動ケース7の上部とに亘って横送り機構19が装備されており、この横送り機構19は、苗載せ台18に連係されている。これに
より、エンジンEからの動力がミッションケースM、右の伝動ケース5、及び右の横送り伝動ケース7を介して右の苗植付け装置9に伝達されると共に、横送り機構19に伝達されて苗載せ台18が左右に往復横送り駆動される。
横送り機構19の左右両端部には、左右の縦送り駆動アーム93が装備されており(図4参照)、この縦送り駆動アーム93が苗載せ台18の背部に左右方向の軸心周りで支持された縦送り回転部材96に連係されて、縦送り機構20が構成されている。これにより、横送り機構20によって苗載せ台18が左右に往復横送り駆動されると、苗載せ台18に載置された苗が縦送り機構20により所定量ずつ下方側に縦送り駆動される。
左の横送り伝動ケース6の上部から上方にパイプ状の左のフレーム部材21が延出されており、右の横送り伝動ケース7の上部から上方にパイプ状の右のフレーム部材22が延出されている。左右のフレーム部材21,22に亘って、苗載せ台18に補給する予備苗を載置する予備苗載せ台23が固定されている。
エンジンEの上部には、燃料タンクEaが配設されており、エンジンE及び車輪3の上側を覆うように、上部カバー24がその後端部の左右向きの軸心周りに上下に揺動開閉可能に装着され、エンジンE及びミッションケースM等を下側から覆うように、畦等への接触によるエンジンE及びミッションケースM等の破損を防止する下部カバー25が装着されている。
左右のハンドルフレーム13,14の下部には、左右の接地フロート26がその後部で左右向きの軸心周りに支持されており、左右のハンドルフレーム13,14の後端部には、後述する操縦ハンドル15が装備されている。
[歩行型田植機のミッションケース付近の構造]
図3及び図4に基づいて歩行型田植機のミッションケースM付近の構造について説明する。図3及び図4に示すように、走行機体1に装備されたエンジンEの左横外側に、ミッションケースMが連結され、エンジンEからの動力がミッションケースM内の伝動経路を介して車輪3、左右の苗植付装置8,9、横送り機構19、及び縦送り機構20に伝達されて、これらの機器が駆動するように構成されている。
ミッションケースMは、エンジンEの左横外側に固定された第1ケースM1と、この第1ケースM1の左横外側に固定された第2ケースM2とを備えて、2分割式に構成されている。ミッションケースMの左側端部には、後述する左側の植付駆動軸67を内装するパイプ状の左の伝動ケース4がフランジ構造により連結されて、ミッションケースMから左斜め後方外方に延出されている。ミッションケースMの右側端部には、後述する右側の植付駆動軸74を内装するパイプ状の右の伝動ケース5がフランジ構造により連結されて、ミッションケースMから右斜め後方外方に延出されている。
ミッションケースMの右側部には、後述する走行伝動軸113を内装するパイプ状の走行伝動ケース2がフランジ構造により連結されて、ミッションケースMから後方に延出されている。
エンジンEの上部には、機械式のガバナ(図示せず)が装備されており、このガバナに接続されたスロットルアーム(図示せず)が上下方向の軸心周りで回動自在に支持されている。スロットルアームの一端部には、エンジンEの回転数を下げる側に付勢する弾性バネが接続されており、スロットルアームの他端部には、後述するアクセルレバー183に接続された連係ワイヤ30が連係されている(図18参照)。
これにより、アクセルレバー183を操作して連係ワイヤ30を引っ張ると、弾性バネの付勢力に抗してスロットルアームが上下方向の軸心周りで回動操作されて、エンジンEの回転数が上昇する。一方、アクセルレバー183を操作して連係ワイヤ30が緩められると、弾性バネの付勢力によりスロットルアームが上下方向の軸心周りで回動操作されて、エンジンEの回転数が下降する。
[接地フロートの詳細構造]
図3及び図4に基づいて接地フロート26の詳細構造について説明する。図4に示すように、左右の接地フロート26の前部における内側部分には、平面視で左右の接地フロート26の前端から斜め内側後方に向かって直線状に傾斜した傾斜切り欠き部26Aが形成されている。
傾斜切り欠き部26Aにより切り欠かれた部分は、前後方向の辺が左右方向の辺よりも長くなるように、三角形状に形成されている。これにより、傾斜切り欠き部26Aが歩行型田植機を田面で移動させる際における抵抗になることを防止できる。
傾斜切り欠き部26Aの後側には、傾斜切り欠き部26Aから所定の長さ後方に延出された後部整地部26Bが形成されており、後部整地部26Bの後側に、苗植付装置8,9の植付アーム71,81が配設されている。
接地フロート26を田面に接地させて走行機体1を走行させる場合において、接地フロート26に形成された傾斜切り欠き部26A及び後部整地部26Bによって植付アーム71,81により苗を植え付ける位置における田面を無理なく確実に整地することができる。
図3及び図4に示すように、左右の伝動ケース4,5の下側に左右の接地フロート26の前部が位置するように配設した場合、走行機体1の昇降や田面の凹凸等により接地フロート26の前部が上方に揺動すると、接地フロート26の前部内側部分が左右の伝動ケース4,5に干渉する恐れがある。この実施形態における接地フロート26には、傾斜切り欠き部26Aが形成されているので、接地フロート26の前部が上方に揺動した場合であっても、傾斜切り欠き部26Aにより、左右の接地フロート26と左右の伝動ケース4,5との干渉を防止することができる。
これにより、接地フロート26により植付アーム71,81の位置における田面を無理なく確実に整地しながら、接地フロート26の伝動ケース4,5への干渉を防止して接地フロート26の揺動範囲を広く確保でき、接地フロート26を田面に無理なく接地追従させることができる。
なお、この実施形態では、平面視で左右の接地フロート26の前端から斜め内側後方に向かって直線状に傾斜した傾斜切り欠き部26Aを設けた例を示したが、傾斜切り欠き部26Aの形状として異なる形状を採用してもよく、例えば平面視で左右の接地フロート26の前端から斜め内側後方に向かって湾曲又は屈曲した形状に傾斜した傾斜切り欠き部26Aを設けてもよい。また、後部整地部26Bの前後方向での長さを短く又は長く設定してもよく、後部整地部26Bを設けずに、傾斜切り欠き部26Aのみを設けた接地フロート26を採用してもよい。
[歩行型田植機の伝動構造(走行伝動系)]
図5〜図10に基づいて歩行型田植機の伝動構造(走行伝動系)について説明する。図5は、歩行型田植機の伝動系統図であり、図6は、ミッションケースMの全体側面図である。図7は、ミッションケースMの縦断側面図である。図8は、エンジンEの出力軸31
付近及び走行伝動系の伝動構造を示す断面図であり、図6のP1、P2、P5を通る位置での断面を展開した図である。図9は、後述する植付伝動系の伝動構造を示す断面図であり、図6のP2、P3、P4を通る位置での断面を展開した図である。図10は、車輪支持ケース114付近の横断平面図である。
図5及び図8に示すように、エンジンEから左横外側に出力軸31が延出されており、この出力軸31に、筒状の第1伝動軸32が左右方向の軸心P1周りで一体回動可能に外嵌されている。第1伝動軸32には、第1及び第2入力ギア32A,32Bが一体成形されており、第1伝動軸32の先端部には、ポンプ入力軸33が内嵌され、このポンプ入力軸33に、油圧ポンプ34が接続されている。これにより、エンジンEの出力軸31からの動力が第1及び第2入力ギア32A,32Bを介して後述する走行伝動系及び植付伝動系に伝達されると共に、ポンプ入力軸33に接続された油圧ポンプ34に伝達される。
エンジンEの出力軸31の下側後方に、第2伝動軸35がミッションケースMの第1ケースM1と第2ケースM2とに亘って左右向きの軸心P2周りで回動自在に支持されている(図6参照)。エンジンEの出力軸31と第2伝動軸35とに亘って変速部36(調節部に相当)が装備されており、この変速部36は、第1入力ギア32Aに咬合する第1分配ギア37と、第2入力ギア32Bに咬合する第2分配ギア38と、シフト部材39とを備えて構成されている。
第2伝動軸35には、第1及び第2分配ギア37,38が回動自在に支持されており、この第1及び第2分配ギア37,38は、それぞれ第1及び第2入力ギア32A,32Bに咬合されている。第2伝動軸35における第1分配ギア37を設けた位置と第2分配ギア38を設けた位置との間には、シフト部材39が第2伝動軸35と一体回動可能でかつ第2伝動軸35の軸方向にスライド自在に外嵌されている。
図7及び図8に示すように、シフト部材39の外周部には、シフト溝39aが形成され、このシフト溝39aに操作軸40の操作部材40aが係合されており、操作軸40を回動操作するとシフト部材39が左右方向にスライド移動して、シフト部材39が第1分配ギア37又は第2分配ギア38に噛合するように構成されている。
第1ケースM1には、操作軸40が上下方向の軸心周りで回動可能に支持されており、この操作軸40に操作アーム41が連係されている。操作アーム41と第1ケースM1とに亘って弾性バネ42が装着されており、この弾性バネ42により後述する変速レバー152が高速側に付勢されている。操作アーム41は、後述する第1及び第2操作ロッド154,155等を介して変速レバー152に連係されており、これにより、後述する変速レバー152を操作して第1及び第2操作ロッド154,155を操作すると、操作アーム41を介して操作軸40が上下方向の軸心周りで回動操作されるように構成されている。
すなわち、変速レバー152を低速位置に操作して第1及び第2操作ロッド154,155が後方に引っ張られると、シフト部材39が右側にスライド移動し、シフト部材39が第1分配ギア37に噛合して変速部36が低速側に操作され、シフト部材39と第1分配ギア37が一体回動して、第1分配ギア37からの動力がシフト部材39を介して第2伝動軸35に伝達される。一方、変速レバー152を高速位置に操作して弾性バネ42の付勢力により操作アーム41が揺動すると、シフト部材39が左側にスライド移動し、シフト部材39が第2分配ギア38に噛合して変速部36が高速側に操作され、シフト部材39と第2分配ギア38が一体回動して、第2分配ギア38からの動力がシフト部材39を介して第2伝動軸35に伝達される。
第1入力ギア32Aの歯数は、第2入力ギア32Bの歯数と異なる歯数に設定され、第1分配ギア37の歯数は、第2分配ギア38の歯数と異なる歯数に設定されているので、出力軸31からの動力が第1入力ギア32A及び第1分配ギア37を介して伝達される場合と、出力軸31からの動力が第2入力ギア32B及び第2分配ギア38を介して伝達される場合とで、出力軸31から第2伝動軸35に伝達される動力の回転数を変速でき、出力軸31から第2伝動軸35に伝達される動力を高速側及び低速側の高低2段に変速することができる。
すなわち、シフト部材39を第1分配ギア37側(低速側)に操作すると、第2伝動軸35の回転数を下げることができ、走行伝動系及び植付伝動系の伝達経路に入力される動力の双方の回転数を減速できる。一方、シフト部材39を第2分配ギア38側(高速側)に操作すると、走行伝動系及び植付伝動系の伝達経路に入力される動力の双方の回転数を増速できる。
図5及び図8に示すように、第2伝動軸35における変速部36の右側には、第2伝動軸35と一体回動可能に、エンジンEからの動力を走行伝動系へ入力する走行側入力ギア43が外嵌されており、第2伝動軸35における変速部36の左側には、第2伝動軸35と一体回動可能に、エンジンEからの動力を植付伝動系に入力する植付側入力ギア44が外嵌されている。
第2伝動軸35の下側(エンジンEの出力軸31の下側後方)に、第1ケースM1と第2ケースM2とに亘って第2中間軸100が左右方向の軸心P5周りで回動自在に支持されている(図6参照)。第2中間軸100の左側部には、第2伝動ギア101が回動自在に外嵌されており、この第2伝動ギア101が第2伝動軸35に装着した走行側入力ギア43に咬合されている。これにより、第2伝動軸35が回転すると、走行側入力ギア43を介して第2伝動ギア101が回転する。
第2中間軸100の伝動上手側の端部には、走行クラッチ102が装備されており、この走行クラッチ102は、シフト部材103と弾性バネ104とを備えて構成されている。第2中間軸100における第2伝動ギア101の伝動下手側には、シフト部材103が第2中間軸100と一体回動可能でかつ第2中間軸100の軸方向にスライド自在に外嵌されている。
図7及び図8に示すように、シフト部材103の外周部には、シフト溝103aが形成され、このシフト溝103aに、第1ケースM1に軸支された操作軸105の操作部材105aが係合されており、シフト部材103と第2中間軸100の段部とに亘ってシフト部材103を入り側(左側)に付勢する弾性バネ104が装着されている。
第1ケースM1には、操作軸105が上下方向の軸心周りで回動可能に支持されており、この操作軸105の下端部に操作アーム106が固定されている。操作アーム106には、後述する走行クラッチレバー181に連係された操作ワイヤ108が接続されている。これにより、後述する走行クラッチレバー181を操作して操作ワイヤ108を操作すると、操作アーム106を介して操作軸105が上下方向の軸心周りで回動操作されるように構成されている。
すなわち、走行クラッチレバー181を操作して操作ワイヤ108が後方に引っ張られると、弾性バネ104の付勢力に抗してシフト部材103が右側にスライド移動し、シフト部材103と第2伝動ギア101との噛合が外れて走行クラッチ102が切り側に操作され、第2伝動ギア101からシフト部材103への動力の伝達が遮断される。一方、走行クラッチレバー181のロック解除レバー181aを操作して操作ワイヤ108の後方
への引き操作を止めると、弾性バネ104の付勢力によってシフト部材103が左側にスライド移動し、シフト部材103が第2伝動ギア101に噛合して走行クラッチ102が入り側に操作され、シフト部材103と第2伝動ギア101が一体回動して、第2伝動ギア101からの動力がシフト部材103を介して第2中間軸100に伝達される。
図5及び図8に示すように、第1ケースM1の右側には、走行回動ケース110が第1ケースM1に対して左右方向の軸心P5周りで回動自在に支持されており、この走行回動ケース110の内部に、第2中間軸100が延出され、第2中間軸100の右側端部が走行回動ケース110に回動自在に支持されている。走行回動ケース110の右側端部は、中間ケース76から上方に延出された軸受フレーム部材76aに回動自在に支持されている(図4参照)。
走行回動ケース110の後端部には、筒状の走行伝動ケース2が締め付け固定されており、この走行伝動ケース2に走行伝動軸113が内装されている。走行伝動軸113は、ベベル伝達機構112を介して第2中間軸100と連動連結されており、これにより、第2中間軸100が回転すると、ベベル伝達機構112を介して走行伝動軸113が回転する。
図5及び図10に示すように、走行伝動ケース2の後端部には、車輪支持ケース114が締め付け固定されており、この車輪支持ケース114に左右方向の軸心周りで回動自在に車軸116が支持されている。走行伝動軸113の車輪支持ケース114側の端部は、ベベル伝達機構115を介して車軸116が連動連結されている。これにより、走行伝動軸113からの動力がベベル伝達機構115を介して車軸116に伝達されて、車軸116に装着された車輪3が回転駆動するように構成されている。
[歩行型田植機の伝動構造(植付伝動系)]
図5〜図13に基づいて歩行型田植機の伝動構造(植付伝動系)について説明する。図11は、株間ギアカバー55付近の断面図である。図12は、左の横送り伝動ケース6付近の断面図であり、図13は、右の横送り伝動ケース7付近の断面図である。
図5及び図9に示すように、第2伝動軸35の下側前方(エンジンEの出力軸31の下側前方)に、ミッションケースMの第1ケースM1と第2ケースM2とに亘って第1中間軸45が左右向きの軸心P3周りに回動自在に支持されている(図6参照)。第1中間軸45には、第1伝動ギア46が回動自在に外嵌されており、この第1伝動ギア46が第2伝動軸35に装着された植付側入力ギア44に咬合されている。
第1伝動ギア46の伝動下手側には、植付伝動系の過負荷を防止する安全クラッチ47が装備されている。安全クラッチ47は、クラッチ体48と、板状部材49と、弾性バネ50とを備えて構成されている。第1中間軸45には、クラッチ体48が第1中間軸45と一体回動可能でかつ第1中間軸45の軸方向にスライド自在に外嵌されており、このクラッチ体48と、第1中間軸45の段部に外嵌された円板状の板状部材49とに亘って弾性バネ50が装着されている。これにより、通常の伝動状態では、弾性バネ50の付勢力によりクラッチ体48が第1伝動ギア46に噛合して、第1伝動ギア46からの動力が安全クラッチ47を介して第1中間軸45に伝達される。一方、安全クラッチ47の伝動下手側における植付伝動系に過負荷が作用すると、弾性バネ50の付勢力に抗してクラッチ体48が左側に移動し、第1伝動ギア46とクラッチ体48との噛合が外れて、安全クラッチ47がトルクリミッターとして機能する。
第1中間軸45の下側で少し前方(エンジンEの出力軸31の下側前方)に、第1ケースM1と第2ケースM2とに亘って連結軸51及び植付伝動軸52が左右向きの軸心P4
周りに回動自在に支持されている(図6参照)。植付伝動軸52の左側端部には、連結軸51が回動自在に内嵌されており、この連結軸51を介して植付伝動軸52の左側端部が第2ケースM2に回動自在に支持されている。
図9及び図11に示すように、第1中間軸45には、第1株間ギア53が第1中間軸45と一体回動可能でかつ第1中間軸45に着脱可能に装着されており、連結軸51には、第1株間ギア53と咬合する第2株間ギア54が連結軸51と一体回動可能でかつ連結軸51に着脱可能に装着されている。これにより、第1及び第2株間ギア53,54によって、第1中間軸45から植付伝動軸52に伝達される動力を変速できる。また、第2ケースM2に着脱可能に装着された株間ギアカバー55取り外して、第1及び第2株間ギア53,54を交換することで、第1中間軸45から連結軸51(植付伝動軸52)に伝達される動力の変速比を変更調節して、走行速度に対する苗植付装置8,9の駆動速度を変更でき、圃場に植え付ける苗の株間を変更できる。
図5及び図9に示すように、連結軸51と植付伝動軸52とに亘って植付クラッチ56が装備されている。連結軸51には、円板状のクラッチ体57が一体成形されており、植付伝動軸52には、シフト部材58が植付伝動軸52と一体回動可能でかつ植付伝動軸52の軸方向にスライド自在に外嵌されている。植付伝動軸52の段部とシフト部材58とに亘って弾性バネ59が装着されており、この弾性バネ59によりシフト部材58がクラッチ体57側(植付クラッチ56の入り側)に付勢されている。
図6及び図9に示すように、第2ケースM2には、操作軸60が押し引き操作可能に装着されており、この操作軸60に操作アーム61が連係されている。操作アーム61は、第1ケースM1から延出された支軸62に左右方向の軸心周りで回動自在に支持されており、操作アーム61の一端部に、左側の伝動ケース4に一端部が支持された戻しバネ63の他端部が連係され、操作アーム61の他端部に、後述する植付クラッチレバー180に接続された操作ワイヤ64が連係されている。これにより、後述する植付クラッチレバー180を操作して操作ワイヤ64を操作すると、操作アーム61を介して操作軸60が前後に押し引き操作されるように構成されている。
すなわち、植付クラッチレバー180を操作して操作ワイヤ64が後方に引っ張られると、操作アーム61を介して操作軸60が後方に引き出されて、弾性バネ59の付勢力によりシフト部材58が左側に移動する。そして、シフト部材58がクラッチ体57に噛合して植付クラッチ56が入り側に操作され、連結軸51から植付伝動軸52へ動力が伝達される。一方、植付クラッチレバー180のロック解除レバー180aを操作して操作ワイヤ64の後方への引き操作を止めると、戻しバネ63の付勢力により操作アーム61が揺動し、操作アーム61を介して操作軸60が前側に押し込まれて、弾性バネ59の付勢力に抗してシフト部材58が右側に移動する。そして、シフト部材58のクラッチ体57への噛合が外れて植付クラッチ56が切り側に操作され、連結軸51から植付伝動軸52への動力の伝達が遮断される。
図5及び図9に示すように、植付クラッチ56の伝動下手側には、ベベル伝達機構66を介して左側の植付駆動軸67が連動連結されており、植付クラッチ56を入り側に操作すると、エンジンEからの動力が植付伝動軸52及びベベル伝達機構66を介して左側の植付駆動軸67に伝達される。
第2ケースM2には、斜め左方後方に延出された円筒状の左側の伝動ケース4が締め付け固定されており、この左側の伝動ケース4に、第2ケースM2から斜め左方後方に延出された左側の植付駆動軸67が内装されている。
図5及び図12に示すように、左側の伝動ケース4の後端部に、左側の横送り伝動ケース6が締め付け固定されている。左側の横送り伝動ケース6には、回転軸68が左右向きの軸心P6周りで回動自在に支持されており、この回転軸68がベベル伝達機構69を介して左側の植付駆動軸67の後端部と連動連結されている。回転軸68には、苗植付装置8のクランクアーム70が回転駆動自在に支持されており、このクランクアーム70に苗植付装置8の植付アーム71が連動連結されている。
左側の植付駆動軸67からの動力によりベベル伝達機構69を介して回転軸68が回転すると、後述する横送り機構19により苗載せ台18が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、クランクアーム70が回転駆動され、苗載せ台18の下部から植付アーム71が苗を取り出して圃場に植え付ける。
図5及び図9に示すように、植付伝動軸52の右側端部には、ベベル伝達機構73を介して右側の植付駆動軸74が連動連結されており、植付クラッチ56を入り側に操作すると、エンジンEからの動力が植付伝動軸52及びベベル伝達機構73を介して右側の植付駆動軸74に伝達される。
第1ケースM1には、右横外側に延出された筒状部材75が締め付け固定されている。筒状部材75には、第1ケースM1から右外側に延出された植付伝動軸52の一部が内装されており、この筒状部材75の右側端部に、中間ケース76が締め付け固定されている。
中間ケース76には、斜め右方後方に延出された円筒状の右側の伝動ケース5が締め付け固定されている。右側の伝動ケース5には、右側の植付駆動軸74が内装されており、この右側の伝動ケース5の後端部に、右側の横送り伝動ケース7が締め付け固定されている。
図5及び図13に示すように、右側の横送り伝動ケース7には、回転軸77が左右向きの軸心P6周りで回動自在に支持されており、この回転軸77がベベル伝達機構78を介して右側の植付駆動軸74の後端部と連動連結されている。回転軸77には、苗植付装置9のクランクアーム80が回転駆動自在に支持されており、このクランクアーム80に苗植付装置9の植付アーム81が連動連結されている。
右側の植付駆動軸74からの動力によりベベル伝達機構78を介して回転軸77が回転すると、後述する横送り機構19により苗載せ台18が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、クランクアーム80が回転駆動され、苗載せ台18の下部から植付アーム81が苗を取り出して圃場に植え付ける。
右側の横送り伝動ケース7は、機体内側に位置する伝動ケース5の後端部に連結された第1伝動ケース7Aと、この第1伝動ケース7Aの機体外側に締め付け固定された第2伝動ケース7Bとを備えて、2分割式に構成されており、第1伝動ケース7Aに対して第2伝動ケース7Bを横外側に取り外すことができるように構成されている。
回転軸77の上方には、第1伝動ケース7Aと第2伝動ケース7Bとに亘って中間支軸82が左右方向の軸心P7周りで回動自在に支持されており、中間支軸82の上方には、第1伝動ケース7Aと第2伝動ケース7Bとに亘って横送り駆動軸83が左右方向の軸心P8周りで回動自在に支持されている。
回転軸77には、第1横送りギア84が回転軸77と一体回動可能でかつ回転軸77に着脱可能に装着されており、中間支軸82には、第1横送りギア84に咬合された第2横
送りギア85が中間支軸82と一体回動可能でかつ中間支軸82に着脱可能に装着されている。これにより、第1及び第2横送りギア84,85によって、回転軸77から中間支軸82(横送り駆動軸83)に伝達される動力を変速できる。また、第2伝動ケース7Bに着脱可能に装着された横送りギアカバー86を取り外して、第1及び第2横送りギア84,85を交換することで、回転軸77から中間支軸82(横送り駆動軸83)に伝達される動力の変速比を変更して、苗植付装置8,9の駆動速度に対する横送り機構19の横送り速度を変更でき、圃場に植え付ける苗の量を変更できる。
中間支軸82と横送り駆動軸83とに亘ってチェーン伝動機構87が装着されている。チェーン伝動機構87は、中間支軸82と一体回動可能に外嵌された第1スプロケット88と、横送り駆動軸83と一体回動可能に外嵌された第2スプロケット89と、第1及び第2スプロケット88,89に亘って巻回された伝動チェーン90とを備えて構成されている。これにより、回転軸77からの動力により第1及び第2横送りギア84,85を介して中間支軸82が回転すると、チェーン伝動機構87を介して横送り駆動軸83が回転駆動する。
図5,図12及び図13に示すように、横送り駆動軸83には、往復螺旋溝83aが形成されており、この往復螺旋溝83aに係入する係合部材91aを自転可能に備えたスライダ91が、左右方向にスライド可能に横送り駆動軸83に外嵌装着されている。スライダ91には、苗載せ台18が連係部材92を介して連結されており、横送り駆動軸83が一定方向に回転することでスライダ91が横送り駆動軸83に沿って一定のストロークで往復移動し、これに連れて苗載せ台18が往復横移動するように構成されている。
横送り駆動軸83の左右両端部に、縦送り駆動アーム93が一体回動可能に外嵌されており、この縦送り駆動アーム93の先端部に先端ローラー93aが回動自在に支持されている。スライダ91には、アーム部材94が揺動自在に支持されており、このアーム部材94から左右両外側に棒状部材94aが延出されている。苗載せ台18の背部には、支軸95が左右方向の軸心周りで回動自在に支持されており、この支軸95に複数の縦送り回転部材96が一体回動可能に連結されている。支軸95の左右中央部には、アーム97が固定されており、このアーム97がロッド98を介してアーム部材94に連係されている。
苗載せ台18が左右のストロークエンドに到達するたびに、縦送り駆動アーム93の先端ローラー93aがアーム部材94の棒状部材94aに接当してロッド98を押し引き操作し、縦送り回転部材96を所定量ずつ所定の回転方向に回動して、苗載せ台18に載置された苗を所定量ずつ下方へ移動できるよう構成されている。
[油圧ポンプ付近の詳細構造]
図6,図8,図14,図15に基づいてミッションケースMに装備されている油圧ポンプ162付近の詳細構造について説明する。図14は、油圧ポンプ34付近の縦断正面図であり、図15は、油圧ポンプ34付近の縦断側面図である。図16は、昇降シリンダ12付近の右側面図である。
図6及び図8に示すように、エンジンEの出力軸31に、出力軸31と同心状のポンプ入力軸33が連動連結されており、このポンプ入力軸33の左側端部に、トロコイド式の油圧ポンプ34が一体回動可能に連結されている。ミッションケースMの第2ケースM2の左横外側の面には、油圧ポンプ34を内装したバルブブロック118が連結されている。
図14及び図15に示すように、バルブブロック118の右側面には、左側に円柱状に
凹入したポンプケース部118aが一体成形されており、このポンプケース部118aに油圧ポンプ34の回転部材34aを内装し、ミッションケースMの第2ケースM2の左横外側の面に、バルブブロック118を、Oリングを介して連結する。これにより、ポンプケース部118aと回転部材34aにより油圧ポンプ34が構成される。
第2ケースM2には、吸い込み油路119、及び吸込ポート120が形成されており、吸い込み油路119から吸込ポート120を介して油圧ポンプ34に吸い込んだ作動油を、バルブブロック118に形成されたポンプポートPに吐出できるように構成されている。
バルブブロック118には、リリーフバルブ121と、スプール122と、接続ポートCと、タンクポートTが形成されており、タンクポートTは、ミッションケースMに連通され、油圧ポンプ34及びスプール122からの作動油がミッションケースM内に排出されるように構成されている。
油圧ポンプ34のポンプポートPはリリーフバルブ121を介してスプール122に接続されており、スプール122は、左右方向の軸心周りで回動自在に支持されている。これにより、スプール122を回動操作することによって、スプール122に形成された油路の方向を変更して、接続ポートCへ圧油を供給する上昇位置、接続ポートCへの圧油の供給を遮断する中立位置、及び接続ポートCをタンクポートTへ接続する下降位置の3つの位置に切り換えできるように、3位置切り換え式に構成されている。
これにより、出力軸31の回転により油圧ポンプ34が回転すると油圧ポンプ34からの圧油がリリーフバルブ121に供給され、油圧ポンプ34からの圧油がリリーフバルブ121の設定圧力に達すると、油圧ポンプ34からの圧油の一部又は全部がタンクポートTからリリーフされる。リリーフバルブ121により設定圧力に制御された圧油は、スプール122に供給され、スプール122の操作位置により接続ポートCに供給される。
図4,図6,図16に示すように、接続ポートCは、前方に向くようにバルブブロック118に一体成形されており、この接続ポートCのネジ部に、配管継手124を介して弾性を有する金属パイプ製の油圧配管125が接続されている。
油圧配管125は、接続ポートCに接続された部分から前方下方に延出され、この延出端からミッションケースMの前側を通るように右方に延出されている。ミッションケースMの右側に延出された油圧配管125は、右側の延出端から斜め後方上方に延出され、この延出端から更に斜め後方下方に延出されて、昇降シリンダ12に形成された接続部12bに、配管継手124を介して接続されている。
油圧配管125の両端部は、配管継手124を接続ポートC及び接続部12b側にねじ込むと、油圧配管125先端の面と接続ポートC及び接続部12bに形成された面とが接触して、油圧配管125のシール製を確保できるように金属接触式のシール構造が採用されている。
図4及び図16に示すように、油圧配管125の長さが比較的長く設定されており、昇降シリンダ12の接続部12bの位置の昇降時の変化が少なく設定されているので、昇降シリンダ12を伸縮させて、昇降シリンダ12の接続部12bの位置が変更された場合であっても、油圧配管125の弾性変形により昇降シリンダ12の接続部12bの位置変更を許容できるように構成されている。
具体的には、図16の実線及び2点鎖線で示すように、昇降シリンダ12を伸縮するこ
とにより昇降シリンダ12の接続部12bの位置が変更されると、油圧配管125におけるミッションケースMの右側部に沿った前後向きの配管部分に曲げ応力が作用すると共に、油圧配管125におけるミッションケースMの前部に沿った左右向きの配管部分にねじり応力が作用する。これにより、油圧配管125の弾性変形で昇降シリンダ12の接続部12bの位置変更を許容できる。この場合、油圧配管125に曲げ応力及びねじり応力が作用しても、油圧配管125の接続ポートC及び接続部12b側の先端部には、油圧配管125の弾性変形による上下向きの反力が少し作用するだけであるので、油圧配管125の両端部の接続部におけるシール性を損なうこともない。
これにより、例えばバルブブロック118の接続ポートCと昇降シリンダ12の接続部12bをゴム製の油圧ホース(図示せず)等により接続した場合のように、油圧ホースを支持するホースクランプ等(図示せず)が不要になって配管接続構造を簡素化できると共に、歩行型田植機の組立時に略同じ位置に油圧配管125を通すことができるので、油圧配管経路のバラツキを防止でき、昇降シリンダ12の伸縮による油圧配管125とミッションケースM等との干渉を防止できる。
なお、この実施形態では、バルブブロック118の接続ポートCと昇降シリンダ12の接続部12bとを金属パイプ製の油圧配管125のみで接続した例を示したが、油圧配管125の一部に油圧ホース(図示せず)を接続する構成を採用してもよい。具体的には、例えば接続ポートCからミッションケースMの外周部を通る位置においては金属パイプ製の油圧配管125を採用し、油圧配管125の接続部12b側の端部を、短い油圧ホース(図示せず)を介して昇降シリンダ12の接続部12bに接続する構成を採用してもよい。
[ハンドルフレームの詳細構造]
図17〜図19に基づいてハンドルフレーム13,14の詳細構造について説明する。図17は、走行機体1後部の側面図であり、図18は、走行機体1後部の平面図である。図19は、ハンドルフレーム13,14の前部の縦断側面図である。
図17及び図18に示すように、左右の横送り伝動ケース6,7の下部後部に、左右のハンドルフレーム13,14が固定されている。左右のハンドルフレーム13,14には、左右のハンドルフレーム13,14の前端部に固着された板状のフランジ部127と、左右のハンドルフレーム13,14の後端部に固着されたハンドル接続部材128と、補強フレーム部材130とが備えられている。
図19に示すように、左右のハンドルフレーム13,14のフランジ部127は、ハンドルフレーム13,14の先端部13A,14Aがフランジ部127から前方に突出するように、ハンドルフレーム13,14の前端から所定の長さ後方に入り込んだ位置で、ハンドルフレーム13,14の前端部に固着されている。一方、左右の横送り伝動ケース6,7の下部後部には、ハンドルフレーム13,14のフランジ部127の前面側が接当する接当面6a,7aが形成され、この接当面6a,7aから前方に円柱状に凹入した凹入部6b,7bが一体成形されている。
ハンドルフレーム13,14のフランジ部127から突出した先端部13A,14Aを横送り伝動ケース6,7の凹入部6b,7bに内嵌挿入し、ハンドルフレーム13,14のフランジ部127の前面側を横送り伝動ケース6,7の接当面6a,7aに接当させて、後方から複数のボルト129で締め付け固定することで、ハンドルフレーム13,14を横送り伝動ケース6,7の下部後部に固定できるように構成されている。
後述する操縦ハンドル15を操作して、横送り伝動ケース6,7とハンドルフレーム1
3,14との接続部に曲げ力又はせん断力が作用した場合において、ボルト129の締め付け力に加えて、フランジ部127の前面と横送り伝動ケース6,7の接当面6a,7aとの接当、及びハンドルフレーム13,14の先端部13A,14Aの凹入部6b,7bへの係入により、横送り伝動ケース6,7とハンドルフレーム13,14との接続部に作用する曲げ力及びせん断力を支持することができる。これにより、ハンドルフレーム13,14を横送り伝動ケース6,7に強固に連結でき、簡素な構造で横送り伝動ケース6,7とハンドルフレーム13,14との接続強度を向上できる。
なお、この実施形態では、横送り伝動ケース6,7側に凹状の凹入部6b,7bを形成し、ハンドルフレーム13,14側に凸状の先端部13A,14Aを形成した例を示したが、横送り伝動ケース6,7側を凸状に形成し、ハンドルフレーム13,14側を凹状に形成してもよい。また、凹状又は凸状に形成する横送り伝動ケース6,7側及びハンドルフレーム13,14側の形状についても、同様の機能を発揮するものであれば、異なる形状を採用してもよい。
図17及び図18に示すように、左右のハンドルフレーム13,14は、側面視で、横送り伝動ケース6,7に接続された部分から後方に延出され、その延出端から苗載せ台18の背部に沿って斜め後方上方に屈曲した形状に成形されている。
図19に示すように、右のハンドルフレーム13の側面視で屈曲した形状に成形された部分と、左のハンドルフレーム14の側面視で屈曲した形状に成形された部分とに亘って、下向きに開口したコ字状の補強フレーム部材130が固定されている。左右のハンドルフレーム13,14の内側には、後述する左右の操作具用ブラケット138が固着されており、この左右の操作具用ブラケット138の内面側に亘って、補強フレーム部材130が固着されている。なお、この実施形態では、操作具用ブラケット138を介して補強フレーム部材130を装着した例を示したが、左右のハンドルフレーム13,14に直接的に補強フレーム部材130を固着する構成を採用してもよい。
補強フレーム部材130の位置は、後述する苗取り量調節機構132の苗送り量調節レバー142の左右向きの揺動支点aの近傍に位置し、後述する接地フロート26を昇降するフロート高さ調節機構145のフロート高さ調節レバー150の左右向きの揺動支点bの近傍に位置するように、苗送り量調節レバー142とフロート高さ調節レバー150との間に配設されている。これにより、苗送り量調節レバー142及びフロート高さ調節レバー150の操作等によって左右のハンドルフレーム13,14に無理な力が作用し易い位置に補強フレーム部材130を配設することができ、左右のハンドルフレーム13,14を比較的軽量な補強フレーム部材130で効果的に補強できる。
また、側面視での補強フレーム部材130の縦断面形状は、左右のハンドルフレーム13,14に沿った前後方向に長い形状に形成されているので、左右のハンドルフレーム13,14のねじれを効果的に抑制できる。
なお、この実施形態では、補強フレーム部材130の形状を、下向きに開口したコ字状に形成した例を示したが、補強フレーム部材130の形状として異なる形状を採用してもよく、例えば補強フレーム部材130を、丸パイプ材や、角パイプ材で構成してもよい。
[苗取り量調節機構の詳細構造]
図17〜図21に基づいて苗取り量調節機構132(調節機構に相当)の詳細構造について説明する。図20は、苗取り量調節機構132及びフロート高さ調節機構145の構造を説明する縦断側面図であり、一部の部品を分解したものである。図21は、苗取り量調節機構132の構造を説明する横断平面図である。
図17及び図18に示すように、左右のハンドルフレーム13,14の前部に苗取り量調節機構132が装備されており、苗取り量調節レバー142(調節レバーに相当)を操作して苗植付装置8,9の植付アーム71,81によって苗載せ台18から苗を取る量を調節できるように構成されている。
図19及び図20に示すように、苗載せ台18の下部における背部には、レール部材133が固定されており、このレール部材133がスライド部材131を介してスライドレール16に支持されている。これにより、苗載せ台18の下部が左右方向にスライド移動可能に支持されている。
左右のハンドルフレーム13,14の下部内側には、内向きに開口したコ字状のブラケット134が固定されており、このブラケット134の上端部及び下端部の折り曲げ部に、側面視で苗載せ台18の後上がり傾斜方向に沿った方向の斜め後方上方に連通する上下の貫通穴134aが形成されている。
上下の貫通穴134aには、樹脂製の上下の軸受部材135を介して昇降ロッド136が苗載せ台18の後上がり傾斜方向に沿った方向にスライド移動自在に内嵌されており、この昇降ロッド136の上端部に、支持部材137を介してスライドレール16が固定されている。
昇降ロッド136は、樹脂製の上下の軸受部材135を介してスライド移動自在に支持されているので、後述する苗取り量調節レバー142を操作して昇降ロッド136をブラケット134に対して無理なくスライド移動させることができると共に、昇降ロッド136をスライド自在に支持する部分の錆びつきを防止できる。これにより、軸受部材135が磨耗等した場合には、軸受部材135のみを交換すればよく、例えばブラケット134により昇降ロッド136を直接的に支持する場合に比べ、メンテナンスコストを低く抑えることができる。
図19〜図21に示すように、左右のハンドルフレーム13,14の下部内側には、縦平板状の左右の操作具用ブラケット138が固着されており、この左右の操作具用ブラケット138の前部上部に、側面視で上向きに解放した第1取付穴138aが形成されている。左右の第1取付穴138aには、上方から操作軸139が挿入され、この操作軸139が左右のブラケット140を介して操作具用ブラケット138に締め付け固定されており、これにより、操作軸139が操作具用ブラケット138にブラケット140を介して左右方向の支点a周りに回動自在に支持されている。
操作軸139の左右両端部には、左右のアーム部材141が固定されており、この左右のアーム部材141の先端部が、支持部材137の支持面137aに接当するように配設されている。操作軸139の右側部には、苗取り量調節レバー142が固定されており、苗取り量調節レバー142の上部には、右外側に折り曲げられた折り曲げ部が一体成形されている。
図18及び図19に示すように、右側のハンドルフレーム14には、プレス成形されたレバーガイド143が内側から締め付け固定されている。レバーガイド143には、苗取り量調節レバー142を装着する第1案内部143Aと、後述するフロート高さ調節レバー150を装着する第2案内部143Bが形成されている。
レバーガイド143の第1案内部143Aには、複数の案内溝が所定間隔で形成されており、この案内溝に、第1案内部143Aに装着された苗取り量調節レバー142の折り
曲げ部が係合するように構成されている。レバーガイド143の第2案内部143Bには、複数の案内溝が所定間隔で形成されており、この案内溝に、第2案内部143Bに装着されたフロート高さ調節レバー150の折り曲げ部が係合するように構成されている。
苗取り量調節レバー142の後端部を握って苗取り量調節レバー142を左側に少し押し操作して弾性変形させると、苗取り量調節レバー142の折り曲げ部の第1案内部143Aの案内溝への係合が外れて、苗取り量調節レバー142が左右方向の支点a周りに揺動操作可能になる。そして、苗取り量調節レバー142を揺動操作して、操作軸139を介して左右のアーム部材141を左右方向の支点a周りに揺動させることで、支持部材137を苗載せ台18の後上がり傾斜方向に沿った方向に押し上げ又は引き下げる。これにより、支持部材137の上面側に支持されたスライドレール16が苗載せ台18の後上がり傾斜方向に沿った方向に移動し、植付アーム71,81の位置に対する苗載せ台18の下端部の位置が変更されて、植付アーム71,81により苗載せ台18から苗を取る量を調節できる。
苗取り量を調節した位置で、苗取り量調節レバー142の左側への押し操作を止めると、弾性変形の復元力により、苗取り量調節レバー142が右側に移動して苗取り量調節レバー142の折り曲げ部が第1案内部143Aの案内溝に再び係合し、苗取り量を調節した苗取り量調節レバー142の位置を保持できる。この場合、レバーガイド143の第1案内部143Aには、複数の案内溝が所定間隔で形成されているので、苗取り量調節レバー143を案内溝に係合する位置を段階的に変更することで、所定量ずつ苗取り量を変更できる。
[フロート高さ調節機構]
図18〜図20,図22に基づいてフロート高さ調節機構145(調節機構に相当)の詳細構造について説明する。図22は、フロート高さ調節機構145の構造を説明する縦断背面図である。図20及び図22に示すように、フロート高さ調節機構145のフロート高さ調節レバー150(調節レバーに相当)を操作することで、接地フロート26の高さを変更調節できるように構成されている。
左右のハンドルフレーム13,14の下部内側に固定された左右の操作具用ブラケット138の後部下部には、側面視で下向きに解放した第2取付穴138bが形成されている。左右の第2取付穴138bには、下方から操作軸146が挿入され、この操作軸146が左右のブラケット147を介して操作具用ブラケット138に締め付け固定されており、これにより、操作軸146が操作具用ブラケット138にブラケット147を介して左右方向の支点b周りに回動自在に支持されている。
図18〜図20に示すように、操作軸146の左右両端部には、左右の揺動アーム148が固定されており、この左右の揺動アーム148の先端部に、接地フロート26の後部上面側に連結されたブラケット149の上部が左右方向の軸心周りで回動自在に支持されている。操作軸146の右側部で苗取り量調節レバー142の右側には、フロート高さ調節レバー150が固定されており、フロート高さ調節レバー150の上部には、右外側に折り曲げられた折り曲げ部が一体成形されている。
フロート高さ調節レバー150の後端部を握ってフロート高さ調節レバー150を左側に少し押し操作して弾性変形させると、フロート高さ調節レバー150の折り曲げ部の第2案内部143Bの案内溝への係合が外れて、フロート高さ調節レバー150が左右方向の支点b周りに揺動操作可能になる。そして、フロート高さ調節レバー150を揺動操作して操作軸146に固定した左右の揺動アーム148を左右方向の支点b周りに揺動させることで、接地フロート26を昇降できる。これにより、接地フロート26の高さを調節
できる。
接地フロート26の高さを調節した位置で、フロート高さ調節レバー150の左側への押し操作を止めると、弾性変形の復元力により、フロート高さ調節レバー150が右側に移動してフロート高さ調節レバー150の折り曲げ部が第2案内部143Bの案内溝に再び係合し、高さ調節したフロート高さ調節レバー150の位置を保持できる。この場合、レバーガイド143の第2案内部143Aには、複数の案内溝が所定間隔で形成されているので、フロート高さ調節レバー150を案内溝に係合する位置を段階的に変更することで、所定高さずつ接地フロート26の高さを変更できる。
操作軸146の左右両端部には、左右の揺動アーム148が固定されているので、一つのフロート高さ調節レバー150により左右の接地フロート26の高さを一度に変更調節できる。これにより、例えば左右の接地フロート26の高さを別々に変更調節するように構成する場合に比べ、フロート高さ調節機構145の構造を簡素化できると共に、左右の接地フロート26の高さを合わせる作業が必要なくなって、左右の接地フロート26の高さ調節を容易に行うことができる。
[変速レバーの連係構造]
図18,図19,図23に基づいて変速レバー152(操作レバーに相当)の連係構造について説明する。図23は、後述する作業姿勢での操縦ハンドル15付近の側面図である。
図18及び図19に示すように、苗取り量調節機構132における操作軸139の左側端部には、連係アーム153が回動自在に支持されており、この連係アーム153の一端部(前端部)に第1操作ロッド154が連係され、この第1操作ロッド154は、車輪3と左側の伝動ケース4との間を通って斜め前方上方に延出されて、ミッションケースMの上部に上下向きの軸心周りで回動可能に支持された操作軸40の操作アーム41に連係されている(図6参照)。
図18及び図23に示すように、左右のハンドルフレーム13,14の後部に亘って上向きに開口したコ字状のフレーム部材156が固着されている。フレーム部材156の左右中央部における下部には、ボス部156aが形成されており、このボス部156aに左右揺動自在に変速レバー152が支持されている。
フレーム部材156の後部折り曲げ部156bには、レバーガイド部156cが形成されており、このレバーガイド部156cに沿って変速レバー152が左右に揺動し、レバーガイド部156cの左右両端で、変速レバー152の左右揺動範囲が規制されるように構成されている。
変速レバー152の前後中央部には、弾性バネ157の一端部(後端部)が連係されており、この弾性バネ157の他端部(前端部)が第2操作ロッド155を介して連係アーム153の他端部(後端部)に連係されている。これにより、ミッションケースMの変速部36を操作する操作軸40の操作アーム41が、第1操作ロッド154、連係アーム153、第2操作ロッド155、及び弾性バネ157を介して変速レバー152に連係されている。
上記のように、ミッションケースM側と変速レバー152とを第1及び第2連係ロッド154,155を介して連係することで、長期間の使用等により第1及び第2連係ロッド154,155等が破損等した場合であっても、第1及び第2連係ロッド154,155自体を交換しなくても、第1及び第2連係ロッド154,155を溶接等により修理する
ことができる。これにより、例えば連係ワイヤ(図示せず)等により連係する場合にように、部品を交換しなければ歩行型田植機の使用ができなくなるような状況が発生し難くなって、歩行型田植機のメンテナンス性を向上できる。
変速レバー152が低速位置に操作された状態で、弾性バネ157の付勢力に抗して変速レバー152をデッドポイントDPを超えて左側に揺動操作すると、変速レバー152がレバーガイド部156cの左側端に接当し、変速レバー152が高速位置に操作される。これにより、ミッションケースM側の弾性バネ42の付勢力により第1操作ロッド154が前方に引っ張られ、連係アーム153を介して第2操作ロッド155が前方に引っ張られて、操作軸40の操作アーム41が前方へ揺動操作され、ミッションケースMの変速部36が高速側に操作される。一方、変速レバー152が高速位置に操作された状態で、弾性バネ157の付勢力に抗して変速レバー152をデッドポイントDPを超えて右側に揺動操作すると、変速レバー152がレバーガイド部156cの右側端部に接当し、変速レバー152が低速位置に操作される。これにより、第2操作ロッド155が後方に引っ張られ、連係アーム153を介して第1操作ロッド154が後方に引っ張られて、操作軸40の操作アーム41が後方へ揺動操作され、ミッションケースMの変速部36が低速側に操作される。
フレーム部材156の左右両側部には、苗載せ台18の後部をスライド自在に支持する案内ガイド17が固定されており、この案内ガイド17の案内部17aが苗載せ台18の後部における背部に装着されたレール部材158に嵌め込まれている。また、フレーム部材156には、エンジンE始動用のメインスイッチ(図示せず)と、エンジンEに連係されたチョークレバー(図示せず)とが装備されている。これにより、フレーム部材156を左右のハンドルフレーム13,14を繋ぐ補強部材として兼用できるだけでなく、フレーム部材156を案内ガイド17、メインスイッチ、及びチョークレバーを装着する部材として兼用でき、歩行型田植機の部品点数を削減できる。
フレーム部材156は、操縦ハンドル15の近くに配設されているので、比較的操作頻度の高い変速レバー152、エンジンE始動用のメインスイッチ、及びチョークレバーを、操縦ハンドル15を操作する作業者の手元に近い位置に集中配置することができる。これにより、少ない手や腕の動きで(小さな動作で)変速レバー152、メインスイッチ、及びチョークレバーを操作することができ、変速レバー152、メインスイッチ、及びチョークレバーの操作性を向上できる。
[接地フロート前部の支持構造]
図26及び図27に基づいて接地フロート26前部の支持構造について説明する。図26は、接地フロート26前部の支持構造を説明する側面図であり、図27は、接地フロート26前部の支持構造を説明する平面図である。図26及び図27に示すように、左右の接地フロート26の前端部には、上向きに開口したコ字状の前部ブラケット160が固定されており、この前部ブラケット160に、中間部材163がロッド164により左右方向の軸心周りで回動自在に支持されている。
中間部材163には、長穴163aが形成されており、この長穴163aに、左右の伝動ケース4,5における前後中央部の下部から横外側に延出された固定ロッド162が連通されている。
ミッションケースMの第2ケースM2には、縦平板状の左のブラケット165が固定されており、ミッションケースMの第1ケースM1には、縦平板状の右のブラケット166が固定されている。左右のブラケット165,166の上端部には左右向きの支軸167が固定されている。
支軸167には、アーム部材168が回動自在に支持されており、バルブブロック118に装備されたスプール122の左外端部には、操作アーム169が固定されている。操作アーム169には、ローラー169aが左右向きの軸心周りで回動自在に支持されており、このローラー169aがアーム部材168の前端部に形成された案内部168aに接当するように構成されている。
支軸167には、左右の中間リンク170,171の前端部が回動自在に支持されており、この左右の中間リンク170,171の後端部に左右のロッド164が連係され、左右の中間リンク170,171の前部に亘って左右向きの連動ピン172が遊嵌されている。
アーム部材168と操作アーム169とに亘って弾性バネ173が装着されている。アーム部材168には、長穴174aが形成されたヨーク174を介して連係ワイヤ175のインナワイヤが連係されており、この連係ワイヤ175が後述する油圧昇降レバー182に接続されている。これにより、後述する油圧昇降レバー182を操作すると、連係ワイヤ175を介して操作アーム168が揺動して、油圧昇降レバー182の操作に対応してスプール122が回動操作され、昇降シリンダ12を伸縮することができる。
すなわち、油圧昇降レバー182を操作して連係ワイヤ175が後方に引っ張られると、アーム部材168が下方へ揺動して、アーム部材168の案内部168aが操作アーム169のローラー169aに接当し、操作アーム169が下方に揺動する。そして、スプール122が回動操作されて、スプール122が下降位置から中立位置(中立位置から上昇位置)に操作される。一方、油圧昇降レバー182を操作して連係ワイヤ175の後方への引き操作を止めると、弾性バネ173の付勢力により操作アーム169が上方に揺動する。そして、スプール122が回動操作されて、スプール122が上昇位置から中立位置(中立位置から下降位置)に操作される。
また、左右の接地フロート26の前部が共に所定高さ以上上昇し、連動ピン172がアーム部材168に接当してアーム部材168が揺動すると、アーム部材168の案内部168a及びローラー169aを介して操作アーム169が揺動する。そして、油圧昇降レバー182の操作とは無関係にスプール122が回動操作され、スプール122が自動的に上昇位置に操作されて、走行機体1が上昇する。この場合、走行機体1が所定高さ以上上昇すると、連動ピン172がアーム部材168に接当しなくなって、スプール122が自動的に中立位置に操作されて、走行機体1の上昇した位置が維持される。
なお、この実施形態では、油圧昇降レバー182の操作とは無関係にスプール122が回動操作されて、走行機体1が自動的に上昇するように構成した例を示したが、例えば操作ワイヤ175をスプール122に固定された操作アーム169に直接連係して、スプール122が油圧昇降レバー182の操作によってのみ、上昇位置、中立位置、及び下降位置に回動操作されるように構成してもよい。この場合、例えばヨーク174の長穴174aを廃止して、ヨーク174を操作アーム169に直接連係し、操作ワイヤ175により操作アーム175を揺動させるように構成してもよい。
[操縦ハンドル付近の詳細構造]
図1,図2,図23〜図25に基づいて操縦ハンドル15付近の詳細構造について説明する。図23は、後述する作業姿勢での操縦ハンドル15付近の側面図であり、図24は、後述する格納姿勢での操縦ハンドル15付近の側面図である。図25は、操縦ハンドル15の左側の握り部15a付近の平面図である。
図23〜図25に示すように、左右のハンドルフレーム13,14の後端部に固着されたハンドル接続部材128は、断面形状がL字状に成形されており、このハンドル接続部材128の縦板部分の前部に、側面視で前方上方向きに開口した取り付け穴128cが形成されている。ハンドル接続部材128の縦板部分における後部には、左右向きの貫通穴128aが形成されており、この貫通穴128aの位置における縦板部分の内面側には、ナット128bが固着されている。
操縦ハンドル15は、丸パイプ材の左右両端部を後向きに湾曲成形することにより、左右に長い前部フレーム部15Aと、この前部フレーム部15Aの左右両端部から後方に曲げ成形された左右の前後フレーム部15Bとを備えて、平面視で後向きに開口したコ字状に成形されており、この後向きに曲げ成形された左右の前後フレーム部15Bに樹脂製の左右の握り部15aが装着されている。
操縦ハンドル15の左右両側部には、縦平板状のハンドル角度調節部材177が固定されており、このハンドル角度調節部材177に、操縦ハンドル15の揺動支点を中心とした円周方向に沿った長穴177aが形成されている。
操縦ハンドル15のハンドル角度調節部材177の内面側がハンドル接続部材128の縦板部分の外面側に接当するように、ハンドル接続部材128の取り付け穴128cに斜め前方上方から操縦ハンドル15を挿入し、ハンドル角度調節部材177の外側から長穴177aを連通するように蝶ボルト178をハンドル接続部材128のナット128bに締め付けることで、操縦ハンドル15を左右のハンドルフレーム13,14の後端部に装着することができる。これにより、操縦ハンドル15の前後フレーム部15Bの角度を所定の範囲内で任意に調節可能なハンドル角度調節機構が構成されている。
図23に示すように、左右の蝶ボルト178を緩めて操縦ハンドル15を上下に揺動させることで、ハンドル角度調節部材177に形成された長穴177aが蝶ボルト178に沿って移動し、長穴177aが形成された角度の範囲内で操縦ハンドル15の角度を作業形態等に応じて簡易迅速に変更調節することができる。これにより、作業者の体格等に合わせて、操縦ハンドル15の角度を変更して植付作業を行うことができ、操縦ハンドル15の操作性を向上できる。
なお、この実施形態では、図23の実線で示す操縦ハンドル15が田面と略平行な状態から、下方へのハンドル角度の調節量よりも、上方へのハンドル角度の調節量が多くなるように、ハンドル角度調節部材177の長穴177aの長さが設定されている。
図24に示すように、左右の蝶ボルト178を着脱することで、操縦ハンドル15の握り部15aが後方に向いた作業姿勢(図23の姿勢)と、操縦ハンドル15の握り部15aが下方へ垂下した格納姿勢(図24の姿勢)とに姿勢変更できるように構成されている。これにより、通常の苗植付け作業においては、操縦ハンドル15を作業姿勢に姿勢変更し、歩行型田植機の出荷時、運搬時、保管時等には、操縦ハンドル15を格納姿勢に姿勢変更することで、歩行型田植機の前後長を短縮して、操縦ハンドル15を走行機体1側にコンパクトに格納できる。
ハンドル接続部材128の取り付け穴128cは、側面視で前方上方向きに開口するように形成されているので、格納姿勢での操縦ハンドル15がハンドル接続部材128の取り付け穴128cから外れることを防止できる。なお、格納姿勢を保持する保持機構(図示せず)を別途設けることで、操縦ハンドル15の握り部15aが下方へ垂下した格納姿勢を確実に保持でき、運搬時等における操縦ハンドル15の揺れ動きを防止できる。
操縦ハンドル15を格納姿勢に姿勢変更した状態では、操縦ハンドル15に装備した後述する油圧昇降レバー182、アクセルレバー183等の操作具が、側面視で苗載せ台18の後端より前に位置するように、操縦ハンドル15の揺動支点の位置等が設定されている。これにより、格納姿勢に姿勢変更することで操縦ハンドル15を走行機体1側にコンパクトに格納できるだけでなく、操縦ハンドル15に装備した後述する油圧昇降レバー182、アクセルレバー183等の操作具の運搬時等における破損を防止できる。
また、操縦ハンドル15を作業姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更する場合において、連係ワイヤ64及び操作ワイヤ108等の操作ケーブル類を無理なく湾曲させることができるので、連係ワイヤ64及び操作ワイヤ108等の操作ケーブル類の破損を防止できる。
図23に示すように、操縦ハンドル15の左側の握り部15aの下側には、植付クラッチレバー180が装備されている。植付クラッチレバー180には、上下揺動可能なロック解除レバー180aが装備されており、このロック解除レバー180aにより、植付クラッチレバー180が上方へ揺動し植付クラッチ56が入り側に操作された状態の保持(ロック)、及び植付クラッチ56が入り側に操作された状態の保持の解除ができる。
植付クラッチレバー180は、上述した操作軸60に連係された操作アーム61に操作ワイヤ64を介して連係されている。これにより、左側の握り部15aを握った左手の親指以外のいずれか又はすべての指で、植付クラッチレバー180が上方へ揺動するように植付クラッチレバー180を上方へ握り操作すると、連係ワイヤ64が後方に引っ張られて操作軸40に連係された操作アーム61が後方に揺動操作され、植付クラッチ56が入り側に操作される。この場合、ロック解除レバー180aにより、植付クラッチレバー180が上方に揺動した状態で自動的に保持(ロック)される。
植付クラッチレバー180を上方へ握り操作した状態では、ロック解除レバー180aは、下方へ揺動した状態のままであるので、左側の握り部15aを握った左手の親指以外のいずれか又はすべての指で、このロック解除レバー180aが上方へ揺動するようにロック解除レバー180aを上方へ握り操作すると、植付クラッチレバー180が上方に揺動し保持された状態が解除される。これにより、戻しバネ63により操作アーム61が揺動して、植付クラッチ56が切り側に操作される。
操縦ハンドル15の右側の握り部15aの下側には、走行クラッチレバー181が装備されている。走行クラッチレバー181には、上下揺動可能なロック解除レバー181aが装備されており、このロック解除レバー181aにより、走行クラッチレバー181が上方へ揺動し走行クラッチ102が切り側に操作された状態の保持(ロック)及び保持の解除ができる
走行クラッチレバー181は、上述した操作軸105の操作アーム106に連係された操作ワイヤ108に操作ワイヤを介して連係されている。これにより、右側の握り部15aを握った右手の親指以外のいずれか又はすべての指で、走行クラッチレバー181が上方へ揺動するように走行クラッチレバー181を上方へ握り操作すると、連係ワイヤが後方に引っ張られて操作軸105に連係された操作アーム106が後方に揺動操作され、走行クラッチ102が切り側に操作される。この場合、ロック解除レバー181aにより、走行クラッチレバー181が上方に揺動した状態で自動的に保持(ロック)される。
走行クラッチレバー181を上方へ握り操作した状態では、ロック解除レバー181aは、下方へ揺動した状態のままであるので、右側の握り部15aを握った右手の親指以外のいずれか又はすべての指で、このロック解除レバー181aが上方へ揺動するようにロック解除レバー181aを上方へ握り操作すると、走行クラッチレバー181が上方に揺
動し保持された状態が解除される。これにより、弾性バネ104により操作アーム106が揺動して、走行クラッチ102が入り側に操作される。
図23及び図25に示すように、操縦ハンドル15の左側の握り部15aの前側上部には、油圧昇降レバー182(油圧操作具に相当)が装備されている。油圧昇降レバー182には、操作部182aが上下向きの軸心周りで左右揺動自在に支持されており、左側の握り部15aを握った左手の親指で、操作部182aを左右に揺動操作することで、操作部182aが左側に揺動した上昇位置と、操作部182aが右側に揺動した下降位置と、上昇位置及び下降位置の左右中間部に位置し操作部182aが握り部15aに沿った状態の中立位置とに切り換えることができる。
油圧昇降レバー182は、操縦ハンドル15の左側の握り部15aの近傍(前側上部)で作業者の手元近くに装備されているので、例えば植付作業を行いながらであっても、油圧昇降レバー182の位置を容易に認識することができる。これにより、植付作業を行いながらの油圧昇降レバー182の操作を容易に行うことができる。
油圧昇降レバー182は、上述したスプール122の操作アーム169に連係ワイヤ175を介して接続されている。これにより、左側の握り部15aを握った左手の親指で、操作部182aを左側の上昇位置に揺動操作すると、連係ワイヤ175が後方に引っ張られ操作アーム169が下方に揺動操作され、スプール122が上昇位置に操作されて、昇降シリンダ12が短縮し走行機体1が上昇する(図26参照)。一方、左側の握り部15aを握った左手の親指で、操作部182aを右側の下降位置に揺動操作すると、弾性バネ173の付勢力により操作アーム169が上方に揺動操作され、スプール122が下降位置に操作されて、昇降シリンダ12が伸長し走行機体1が下降する(図26参照)。
左側の握り部15aを握った左手の親指で、操作部182aを上昇位置から中央の中立位置に揺動操作すると、弾性バネ173の付勢力により操作アーム169が上方に揺動操作され、スプール122が中立位置に操作されて、昇降シリンダ12が下降した位置で停止する。また、左側の握り部15aを握った左手の親指で、操作部182aを下降位置から中央の中立位置に揺動操作すると、連係ワイヤ175が後方に引っ張られ操作アーム169が下方に揺動操作され、スプール122が中立位置に操作されて、昇降シリンダ12が上昇した位置で停止する。
このように、左手の親指以外の指で左側の握り部15aを握った状態で、左手の親指で油圧昇降レバー182を操作できるので、左手の親指以外の指で左の握り部15aを握って走行機体1を安定させた状態で、例えば走行作業又は植付作業を行いながら走行機体1を昇降することができる。これにより、例えば走行作業又は植付作業を止めて(走行機体1を停止させて)走行機体1を昇降する場合に比べ、連続作業が可能になって歩行型田植機の操作性を向上できる。
操縦ハンドル15の右側の握り部15aの前側上部には、アクセルレバー183が装備されている。アクセルレバー183には、操作部183aが上下向きの軸心周りで左右揺動自在に支持されており、右側の握り部15aを握った右手の親指で、操作部183aを左右に揺動操作することで、エンジンEの回転数を上昇及び下降させることができる。
アクセルレバー183は、上述したスロットルアーム(図示せず)に連係ワイヤ30を介して接続されている。これにより、右側の握り部15aを握った右手の親指で、操作部183aを右側の高速側に揺動操作すると、連係ワイヤ30が後方に引っ張られスロットルアームが後方へ揺動操作されて、アクセルレバー183の操作量に応じてエンジンEの回転数が上昇する。一方、右側の握り部15aを握った右手の親指で、操作部183aを
左側の低速側に揺動操作すると、弾性バネ29の付勢力によりスロットルアームが前方へ揺動操作され、スロットルアームが前方へ揺動操作されて、アクセルレバー183の操作量に応じてエンジンEの回転数が下降する。
このように、右手の親指以外の指で右側の握り部15aを握った状態で、右手の親指でアクセルレバー183を操作できるので、右手の親指以外の指で右の握り部15aを握って走行機体1を安定させた状態で、例えば走行等しながらエンジンEの回転数を変更することができる。これにより、例えば走行作業又は植付作業を止めて(走行機体1を停止させて)エンジンEの回転数を変更する場合に比べ、連続作業が可能になって歩行型田植機の操作性を向上できる。
すなわち、油圧昇降レバー182及びアクセルレバー183を上記のように配設することにより、操縦ハンドル15の左右の握り部15aを両手で握った状態で、一輪式で不安定になり易い走行機体1を両手で安定させながら、油圧昇降レバー182を操作して走行機体1を昇降させることができ、アクセルレバー183を操作してエンジンEの回転数を変更させることができる。これにより、連続作業が可能になって歩行型田植機の操作性を向上できる。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、操縦ハンドル15の左側の握り部15aの近傍に油圧操作具としての油圧昇降レバー182を装備した例を示したが、操縦ハンドル15の右側の握り部15aの近傍に油圧操作具としての油圧昇降レバー182を装備する構成を採用してもよい。この場合、油圧昇降レバー182と異なる機能の操作レバー(例えばアクセルレバー183)を、操縦ハンドル15の左側の握り部15aの近傍に装備する構成を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、操縦ハンドル15の握り部15aの前側上部に油圧操作具としての油圧昇降レバー182を装備した例を示したが、操縦ハンドル15の握り部15aの近傍の異なる位置に配設してもよい。具体的には、例えば操縦ハンドル15の握り部15aの前側における右側部、左側部又は下部に油圧操作具としての油圧昇降レバー182を装備してもよい。この場合、親指以外の異なる指で油圧操作具としての油圧昇降レバー182を操作できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、油圧操作具としての油圧昇降レバー182を上下向きの軸心周りに揺動可能に装着し、親指で左右に揺動操作可能に構成した例を示したが、油圧操作具としての油圧昇降レバー182を左右向きの軸心周りに揺動可能に装着し、上下に揺動操作可能に構成してもよい。この場合、親指以外の異なる指で油圧操作具としての油圧昇降レバー182を操作できるように構成してもよい。具体的には、例えば、前述の[発明を実施するための最良の形態]における油圧昇降レバー182を操縦ハンドル15に対して右側又は左側に90度回転させて装着した構成を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、油圧操作具としての油圧昇降レバー182により油圧機器であるところの昇降シリンダ12を伸縮して、走行機体1を昇降するように構成した例を示したが、操縦ハンドル15の握り部15aの近傍に装備する油圧操作具により、歩行型田植機の異なる油圧機器(図示せず)を操作するように構成してもよい。具体的には、油圧操作具により油圧機器として油圧モータ(図示せず)等の油圧アクチュエータを操作するように構成してもよい。また、前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、油圧操作具としての油圧昇降レバー182によりスプール122を機械的に操作するように構成した例を示したが、昇降シリンダ12を電磁切換弁
(図示せず)を介して油圧ポンプ34に接続し、油圧操作具により電気的に電磁切換弁を切換操作するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、油圧操作具をレバー式の油圧昇降レバー182で構成した例を示したが、油圧操作具として異なる構成を採用してもよく、例えばハンドル式、ダイアル式等の異なる機構の機械式の油圧操作具や、スイッチ等(トグル式、押しボタン式、ダイアル式)の電気式の油圧操作具を採用してもよい。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、及び[発明の実施の第1別形態]においては、操縦ハンドル15を、操縦ハンドル15の握り部15aが後方に向いた作業姿勢と、操縦ハンドル15の握り部15aが下方へ垂下した格納姿勢とに姿勢変更可能に構成した例を示したが、操縦ハンドル15の握り部15aが作業姿勢よりも前側に格納されるのであれば、操縦ハンドル15の格納姿勢として異なる姿勢を採用してもよい。
具体的には、操縦ハンドル15の握り部15aが上方に起立した格納姿勢に姿勢変更するように構成してもよく、操縦ハンドル15の握り部15aが前方に向いた格納姿勢に姿勢変更するように構成してもよい。この場合、例えば、前述の[発明を実施するための最良の形態]における操縦ハンドル15が上方又は前方に揺動操作した状態を保持する保持機構(図示せず)を設ける構成を採用してもよい。
また、例えば、操縦ハンドル15の左右の前後フレーム部15Bを、操縦ハンドル15の前部フレーム部15Aの左右両端部に上下向きの軸心周りに左右揺動自在に支持し、操縦ハンドル15の左右の前後フレーム部15Bを内側又は外側に揺動操作することで、操縦ハンドル15の左右の握り部15aが内側に向いた格納姿勢に姿勢変更するように構成してもよく、操縦ハンドル15の左右の握り部15aが外側又は前側に向いた格納姿勢に姿勢変更するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、及び[発明の実施の第1別形態]においては、操縦ハンドル15を曲げ成形したパイプ材で一体的に構成した例を示したが、左右分割式の操縦ハンドル(図示せず)を採用してもよい。この場合、左右の操縦ハンドルを、例えば左右のハンドルフレーム13,14の後端部等にそれぞれ別々に上下又は左右揺動自在に支持する構成を採用してもよい。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、フレーム部材156に調節部としての変速部36を操作する変速レバー156を装着した例を示したが、同様の機能を果たすのであれば、フレーム部材156に装着する操作レバーとして異なるものを採用してもよい。例えばクラッチレバー(図示せず)等をフレーム部材156に装着してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、及び[発明の実施の第2別形態]においては、調節機構として苗取り量調節機構132及びフロート高さ調節機構145を採用し、調節レバーとして苗取り量調節レバー142及びフロート高さ調節レバー150を採用して、操作軸139,146の近傍にフレーム部材130を配設した例を示したが、同様の機能を果たすのであれば、異なる調節機構の操作軸の近傍にフレーム部材130を配設する構成を採用してもよい。
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の
実施の第2別形態]、及び[発明の実施の第3別形態]においては、歩行型田植機に一つの車輪3を備えて一輪式に構成した例を示したが、二つ以上の車輪3を備えた歩行型田植機においても同様に適用でき、例えば二輪式の歩行型田植機においても同様に適用できる。また、苗植付装置8,9により、2条の苗を圃場に植え付けできるように構成した歩行型田植機を例に示したが、3条以上の苗を圃場に植え付けできるように構成した歩行型田植機においても同様に適用できる。
また、歩行型田植機に限らず、異なる歩行型作業機においても同様に適用でき、例えば歩行型移植機や歩行型管理機等においても同様に適用できる。