JP5192408B2 - 配管ライニング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の給排水管などの配管内にライニング層を施工する配管ライニング方法に係り、とりわけ配管が集合継手管を含む配管ライニング方法に関する。
マンションや賃貸ビルなどの建造物では、給排水管などの配管の衛生と耐久性などを回復更生させるため、ライニング装置により配管の内壁を補修すべく所定の厚みの塗料をライナー層として施工している(例えば、本出願と同一出願人による特許文献1参照)。
特許文献1のライニング装置では、膨縮自在に設けられた落下傘状の袋体を用いているため、内部に旋回羽根や起伏部を備えた集合継手管にもライニング層を形成することが可能となっている。
一方、特許文献2のライニング装置も、本出願と同一出願人による発明であるが、表裏に反転可能なライニングクロス管を樹脂製チューブと一緒に索条体に連結している。
配管内に駆動圧を供給して索条体を繰出すに伴い、表裏に反転させたライニングクロス管の内周面を配管の内壁に密着させながら奥行方向に移動させてライナー層を形成している。このライニング装置においては、略均一な厚みで耐久性のある堅牢なライナー層を高い作業効率で施工できることから、優れた施工技術として配管更生業界から着目されている。
特許第4181405号公報 特許第4181439号公報
しかしながら、ライニングクロス管を反転させる特許文献2では、略均一な厚みで堅牢なライナー層が形成されるが、内部に起伏部を有する集合継手管の内壁をライニング施工するには十分でなかった。ライニングクロス管で集合継手管の内壁にライニング施工を行ってしまうと、ライニングクロス管自体が詰まりなどの原因となり、配管の給排水機能を損なう虞れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、集合継手管を含む配管に、ライニングクロス管や樹脂製チューブを用いてライニング施工を行う場合でも、集合継手管が詰まるなどの不都合を生じることなく、ライニング施工が可能となり、施工後の良好な給排水機能を損なうことなく維持することができる優れた配管ライニング方法を提供することにある。
(請求項1について)
配管ライニング方法において、液状の塗料が含浸されて表裏に反転可能なライニングクロス管を配管内に押込めて、表裏に反転させたライニングクロス管の内周面を配管の内壁に密着させながら、反転状態で配管の奥行方向に移動させてライナー層を形成する。
配管は、内部に突出部を有する集合継手管を含む。除去工程を設けて、ライニングクロス管のうち集合継手管の内壁に軸方向全長にわたって所在する軸長部分を配管と集合継手管との境界箇所で切除して、集合継手管の外部に取り出す。
除去工程では、ライニングクロス管の軸長部分を切除して集合継手管の外部に取り出しているので、軸長部分に起因して集合継手管が詰まるなどの不都合を生じることなく、ライニング施工が可能となり、施工後の良好な給排水機能を損なうことなく維持することができる。
(請求項2について)
ライニングクロス管に応じた長さ寸法を有し、配管に対するライナー層の施工時、ライニングクロス管の外周部を被覆してライニングクロス管とともに反転移動し、反転後のライニングクロス管の内周部に密着する樹脂製チューブを備えている。樹脂製チューブも、除去工程でライニングクロス管の軸長部分に相当する長さ部分だけ切除して、外部に取り出す。
樹脂製チューブを設けた場合でも、除去工程でライニングクロス管の軸長部分と一緒に集合継手管の外部に取り出されるので、樹脂製チューブに起因して集合継手管が詰まるなどの不都合を生じることなく、ライニング施工が可能となり、施工後の良好な給排水機能を損なうことなく維持することができる。
(請求項3について)
配管は、内部に突出部を有する集合継手管を含み、ライニングクロス管のうち集合継手管の内壁に軸方向全長にわたって所在する軸長部分を配管と集合継手管との境界箇所に、切離可能な細溝状の薄肉部を予め設けておき、軸長部分には、軸方向に沿って複数の薄肉部を予め設ける。
軸長部分の内周部には、予め熱収縮性の締付チューブを接触状態に設けておき、ライニングクロス管の反転移動に伴い、締付チューブが反転し、集合継手管の内壁に当接しながら軸長部分の外周部を接触状態に覆う。
除去工程では、ライニングクロス管の施工後、締付チューブを熱湯などで加温することにより、締付チューブが収縮変位して、軸長部分が締付チューブから収縮圧を受けて薄肉部で圧潰させる。
除去工程で圧潰した軸長部分は、集合継手管から締付チューブに包まれて落下して配管の外部で収容されるため、請求項1と同様な効果が得られる。
(請求項4について)
ライニングクロス管のうち軸長部分には、当初から塗料を含浸させない非付着部分としているため、反転した軸長部分が集合継手管の内壁に付着しなくなり、除去工程で軸長部分を切除により切り離し易くなる。
(請求項5について)
ライニングクロス管は、グラスファイバーおよびポリエチレンなどの化学繊維を含む可撓性の織布からなっている。このため、ライニングクロス管は、堅牢で耐久性に優れたタフネスクロスとなり、更生補修後の配管に優れたライニング層を確保することができる。
(請求項6について)
除去工程は、ライニングクロス管を配管内に押込めるに先立って行われ、ライニングクロス管の軸長部分は、予め切断除去されている。
これにより、集合継手管には、ライニングクロス管が配されることがなくなるので、請求項2と同様な効果が得られる。
(請求項7について)
配管ライニング方法において、外周部に接着剤が塗布されて表裏に反転可能な樹脂製チューブを配管内に押込めて、表裏に反転させた樹脂製チューブの内周面を配管の内壁に密着させながら、反転状態で配管の奥行方向に移動させて樹脂層を形成する。
配管は、内部に突出部を有する集合継手管を含む。除去工程では、樹脂製チューブのうち集合継手管の内壁に軸方向全長にわたって所在する軸長部分を配管と集合継手管との境界箇所で切除して、集合継手管の外部に取り出す。
樹脂製チューブは、集合継手管内の軸長部分で切除されるため、樹脂製チューブにより集合継手管が詰まるなどの不都合を生じることなく、ライニング施工が可能となり、施工後の良好な給排水機能を損なうことなく維持することができる。
(請求項8について)
配管ライニング方法において、外周部に接着剤が塗布されて表裏に反転可能な樹脂製チューブを配管内に押込めて、表裏に反転させた樹脂製チューブの内周面を配管の内壁に密着させながら、反転状態で配管の奥行方向に移動させて樹脂層を形成する。
配管は、内部に突出部を有する集合継手管を含む。樹脂製チューブのうち集合継手管の内壁に軸方向全長にわたって所在する軸長部分には、集合継手管の突出部に対応する切込みスリット部を形成している。
樹脂製チューブに切込みスリット部を形成しているので、樹脂製チューブを集合継手管に反転移動させる際、樹脂製チューブの切込みスリット部が突出部を通過させるようになる。このため、突出部が邪魔になることなく、樹脂製チューブが集合継手管の内壁に密着するようになり、施工後に樹脂製チューブにより集合継手管が詰まるなどの不都合を生じることがなくなる。
(請求項9について)
樹脂製チューブの内周面には、樹脂製チューブと一緒に反転する織布製チューブが同心的に配置され、織布製チューブの内周面および外周面に粘着剤が塗布されている。
この場合、織布製チューブの外周面は、樹脂製チューブの内周面に付着保持されており、反転時に織布製チューブの内周面は、配管の内壁に付着するため、樹脂製チューブを織布製チューブにより配管の内壁に強固に密着保持することができる。
(a)は、配管にライニングクロス管を施工する態様を示す縦断面図、(b)は集合継手管の斜視図である(実施例1)。 (a)は、軸長部分を切除して取り出す態様を示す縦断面図(実施例1)、(b)は要部の拡大縦断面図である(変形例)。 (a)は集合継手管およびその接続部の縦断面図、(b)は(a)のA−A線に沿う拡大横断面図、(c)は集合継手管内で潰圧されて締付チューブに包まれた軸長部分を示す縦断面図である(実施例2)。 配管にライニングクロス管を施工する態様を示す縦断面図である(実施例3)。 軸長部分を切除して取り出す態様を示す縦断面図である(実施例3)。 配管に樹脂製チューブを施工する態様を示す縦断面図である(実施例4)。 軸長部分を切除して取り出す態様を示す縦断面図である(実施例4)。 集合継手管および樹脂製チューブを示す斜視図である(実施例5)。 樹脂製チューブ内に織布製チューブを同心的に重ねた状態を示す斜視図である(実施例6)。
本発明の配管ライニング方法では、集合継手管を含む配管に、ライニングクロス管や樹脂製チューブを用いてライニング施工する場合でも、集合継手管が詰まるなどの不都合を生じることなく、ライニング施工が可能となり、施工後の良好な給排水機能を損なうことなく維持することができるものである。
図1および図2は本発明の実施例1を示す。図1(a)は、建物の排水管網におけるライニング施工例であり、排水管網としての配管6は、ライニング施工に先立って、クリーニングが行われ、流れ落ちた錆瘤やスケールなどの付着物は外部枡から万能配管更生車(図示せず)により回収される。
このライニング施工例における配管6は、高層ビル向けの配管工事に使用されており、上部集合管6Aと下部集合管6Bとを有している。上部集合管6Aと下部集合管6Bとの間は、図1(b)にも示す集合継手管6Cにより接続されている。集合継手管6Cは、上部集合管6Aや下部集合管6Bからの給排水を受けるため肉厚で高い強度で堅牢になっており、内壁6dには、流水速度緩和用の整流部(図示せず)や旋回羽根6eなどの突出部が形成されている。
クリーニング後には、後述のライニングクロス管10を有する配管ライニング方法に基づいて、配管6に塗装をライナー層7として施す。
ライニング施工用の塗料は、彩色用の顔料やエポキシ樹脂などを含有した液状のものである。ライニングクロス管10を作製するにあたっては、配管6の内径に見合った寸法で、グラスファイバーおよびポリエチレンなどの化学繊維を含む可撓性の織布からタフネスクロス(厚み1〜4mm)を構成する。タフネスクロスに塗料を含浸させることにより、堅牢で耐久性に優れて表裏に反転可能なライニングクロス管10が形成される。
塗料を含浸したライニングクロス管10は、その外周部を樹脂製チューブ13で全長にわたって覆っている。ライニングクロス管10の先端部10aは、樹脂製チューブ13の先端部13aと一緒に索条体Gの先端部G1に対して解放可能に接続されている。索条体Gは、圧送管20内を挿通して反転機18の巻回部18aに巻き取られている。
反転工程では、ライニングクロス管10を樹脂製チューブ13の先端部13aと一緒に巻回部18aから繰り出し、ライニングクロス管10の基端部10bを樹脂製チューブ13と一緒に配管6内に押し込み、裏返しに反転させて配管6に嵌め込む。
反転機18からライニングクロス管10にわたっては、遠隔操作カメラ(図示せず)が配置されており、索条体Gの移動量により配管6に対するライニングクロス管10の繰出し態様をモニターPにより監視できるようになっている。
圧力付与工程では、送風機31の駆動圧によりライニングクロス管10に配管6の奥行方向への移動力を付与して、ライニングクロス管10を押圧する{図1(a)の矢印M参照}。
移動工程では、圧力付与工程で発生させた駆動圧により、裏返しに反転させたライニングクロス管10の内周面を配管6の内壁6aに密着させながら配管6の奥行方向に反転移動させる。これに伴い、樹脂製チューブ13も反転し、反転後のライニングクロス管10の内周面に接触した状態で進行する。
反転移動の終了時、索条体Gを巻回部18aに巻き取ることにより、図1(a)に矢印Nで示す方向に引き出して、ライニングクロス管10の先端部10aおよび樹脂製チューブ13の先端部13aに対する索条体Gの先端部G1の連結を解く。これに伴い、同図の二点鎖線で示すように、樹脂製チューブ13の先端部13aが膨張してライニングクロス管10の先端開口部10Aを自由にして配管6の終端内壁部6Dに密着させる。
硬化工程では、ボイラーや圧送装置(図示せず)などにより発生させたホットエアーなどを乾燥硬化のため配管6に送る。これにより、ライニングクロス管10が裏返しになって配管6の内壁6aに密着したライナー層7(例えば、2〜3mm程度の厚みで)を形成し、配管6内に生じた損傷部を塞いで更生補修を施す。反転した樹脂製チューブ13は、ライナー層7の内周面に密着した内表層を形成する。
集合継手管6Cにおいては、図2(a)に示すように、ライニングクロス管10および樹脂製チューブ13のうち集合継手管6Cの内壁6dに軸方向全長にわたる長さTの部分を軸長部分10Eとしている。
除去工程では、軸長部分10Eを配管6と集合継手管6Cとの境界箇所6f、6gで切除して、集合継手管6Cの外部に取り出す。集合継手管6Cは、強度的に高く堅牢なため、内壁6dに対する更生補修用のライニング施工は省いてもよいということを前提としている。
具体的には、配管6内に挿入した送圧管30およびノズル30aから成るカッター装置30cを用いる。送圧管30を矢印J方向に回転させながらノズル30aから噴射するジェット水流30bを軸長部分10Eに衝突させて軸長部分10Eを境界箇所6f、6gで切断した後、専用工具などを用いて軸長部分10Eを集合継手管6Cの内壁6dから剥がす。
送圧管30によるジェット水流30bに代わって、図2(b)に示すように、旋回軸31cに丸鋸31dを回転可能に連結したカッター装置31eを変形例として設けてもよい。カッター装置31eの作動時には、旋回軸31cを矢印J1方向に回転させながら、丸鋸31dを矢印J2方向に駆動し、丸鋸31dの環状歯31fにより軸長部分10Eの境界箇所6f(6g)を切断する。
上記構成では、ライニングクロス管10の軸長部分10Eを切除して集合継手管6Cの外部に取り出しているので、軸長部分10Eに起因して集合継手管6Cが詰まるなどの不都合を生じることなく、ライニング施工が可能となり、施工後の良好な給排水機能を損なうことなく維持することができる。
なお、軸長部分10Eの内周部には、実施例1の変形例として予め剥離チューブを被覆状態に設けてもよい。これにより、反転移動の剥離チューブが軸長部分10Eと集合継手管6Cの内壁6dとの間に介在するため、除去工程で軸長部分10Eを切除により切り離し易くなる。
また、ライニングクロス管10のうち軸長部分10Eには、当初から塗料を含浸させない非付着部分としてもよい。反転後の軸長部分10Eが集合継手管6Cの内壁6dに付着しないようになるため、上述の剥離チューブを設けた場合と同様な効果が得られる。
図3は本発明の実施例2を示す。実施例2が実施例1と異なるところは、軸長部分10Eにおいて、配管6と集合継手管6Cとの境界箇所6f、6gに対応する部分に切離可能な細溝状の薄肉部6h、6iを予め設けておいたことである{図3(a)参照}。軸長部分10Eには、軸方向に沿って薄肉部6h、6iに到る複数の薄肉部6jを予め設けている。樹脂製チューブ13にも、薄肉部6h、6iに対応する薄肉部(図示せず)とともに、薄肉部6jに対応する薄肉部13jを形成している{図3(b)参照}。
軸長部分10Eの内周部には、予め熱収縮性の締付チューブ32を接触状態に設けておき、ライニングクロス管10の反転移動に伴い、締付チューブ32が反転し、集合継手管6Cの内壁6dに当接しながら軸長部分10Eの外周部を接触状態に覆う。
ライニングクロス管10の施工後、締付チューブ32を熱湯などで加温することにより、締付チューブ32自体が収縮変位する。このため、軸長部分10Eが締付チューブ32から径方向の収縮圧を受けて薄肉部6h、6i、6j(13j)で圧潰する{図3(c)参照}。
圧潰した軸長部分10Eは、集合継手管6Cから締付チューブ32に包まれて配管6の外部に取り出される。圧潰して締付チューブ32に包まれた軸長部分10Eは、捕獲ネット(図示せず)により配管6の外部に運び出すようにしてもよい。
なお、軸長部分10Eの内周部には、実施例1の変形例で述べたように、予め剥離チューブを被覆状態に設けてもよい。また、ライニングクロス管10のうち軸長部分10Eには、当初から塗料を含浸させない非付着部分としてもよい。
図4および図5は本発明の実施例3を示す。実施例3が実施例1と異なるところは、ライニングクロス管10のうち集合継手管6Cの長さTに相当する部分を予め切除したことである(除去工程)。このため、図4に示すように、ライニングクロス管10のうち軸長部分10Eの長さTに相当する部分は空白になって切除部10Dを形成している。
ライニングクロス管10を配管6内で反転移動させた後、集合継手管6Cの長さTに相当する樹脂製チューブ13を切除して集合継手管6Cから外部に搬出する{図5参照}。
図6および図7は本発明の実施例4を示す。実施例4が実施例1と異なるところは、ライニングクロス管10を省略し、樹脂製チューブ13により配管6の内壁6aにライニング施工を行うようにしたことである{図6参照}。
樹脂製チューブ13の外周部には、接着剤が全体的に塗布されており、樹脂製チューブ13が反転移動する際、反転した樹脂製チューブ13が配管6の内壁6aに密着状態に固定されてライナー層14を形成する。図7に示す除去工程では、樹脂製チューブ13のうち集合継手管6Cに対応する長さTの軸長部分13Fを切除し、集合継手管6Cの内壁6dから剥がして外部に運び出す。
この場合、樹脂製チューブ13がライニングクロス管10の役割を果たし、除去工程では、樹脂製チューブ13の軸長部分13Fを切除して集合継手管6Cの外部に取り出しているので、軸長部分13Fに起因して集合継手管6Cが詰まるなどの不都合を生じることなく、ライニング施工が可能となり、施工後の良好な給排水機能を損なうことなく維持することができる。
樹脂製チューブ13の外周部のうち集合継手管6Cの長さTに対応する軸長部分13Fは、非付着部分として接着剤を塗布しなくてもよい。この場合、軸長部分13Fは、反転時に集合継手管6Cの内壁6dに固着しないため、軸長部分13Fが集合継手管6Cの内壁6dから取り外し易くなる。
図8は本発明の実施例5を示す。実施例5が実施例4と異なるところは、樹脂製チューブ13の軸長部分13Fに、集合継手管6Cの整流部や旋回羽根6eに対応する切込みスリット部33を形成したことである。
樹脂製チューブ13に切込みスリット部33を形成しているので、樹脂製チューブ13を集合継手管6C内で反転移動させる際、樹脂製チューブ13の切込みスリット部33が整流部や旋回羽根6eを通過させるようになる。このため、整流部や旋回羽根6eが邪魔になることなく、樹脂製チューブ13が集合継手管6Cの内壁6dに密着するようになり、施工後に樹脂製チューブ13により集合継手管6Cが詰まるなどの不都合を生じることがなくなる。
実施例5では、樹脂製チューブ13により集合継手管6Cの内壁6dにも整流部や旋回羽根6eを避けて、ライニング施工を行うことができる点で有用である。
図9は本発明の実施例6を示す。実施例6が実施例4と異なるところは、樹脂製チューブ13内に織布製チューブ35を重ねて設けたことである。
すなわち、樹脂製チューブ13と一緒に反転する織布製チューブ35が同心的に配置され、織布製チューブ35の内周面35aおよび外周面35bに粘着剤(図示せず)が塗布されている。
この場合、織布製チューブ35の外周面35bは、樹脂製チューブ13の内周面13eに付着保持されており、反転時に織布製チューブ35の内周面35aは、配管6の内壁6aに付着するため、樹脂製チューブ13を織布製チューブ35により配管6の内壁6aに強固に密着保持することができる。
織布製チューブ35は、粘着性液剤に浸漬することにより、粘着剤が内周面35aと外周面35bとの両面に塗布されるようにしてもよい。
(変形例)
(a)実施例1では、軸長部分10Eを切断する際、カッター装置30c、31eを用いたが、カッター装置30cのジェット水流30bやカッター装置31eの丸鋸31dに限らず、駆動ナイフやブレード鋏部を有するカッターを使用してもよい。
(b)実施例1ないし実施例5で用いられた集合継手管6Cは、給排水管用のものばかりでなく空調ダクトや排気ダクト(工業ダクト、厨房ダクト)などに適用してもよい。
本発明の配管ライニング方法によれば、集合継手管を含む配管に、ライニングクロス管や樹脂製チューブを用いてライニング施工する場合でも、集合継手管が詰まるなどの不都合を生じることなく、ライニング施工が可能となり、施工後の良好な給排水機能を維持することが可能となる。集合継手管を含む配管への合理的な施工性に着目して需要が増大し、施工用の塗料や部品などの流通を介して化学・機械業界に適用することができる。
6 配管
6A 上部集合管
6B 下部集合管
6C 集合継手管
6a 配管の内壁
6d 集合継手管の内壁
6h、6i、6j 薄肉部
6e 集合継手管内の旋回羽根(突出部)
6f、6g 境界箇所
7、14 ライナー層
10 ライニングクロス管
10D 切除部
10E ライニングクロス管の軸長部分(非付着部分)
13 樹脂製チューブ
13F 樹脂製チューブの軸長部分(非付着部分)
13e 樹脂製チューブの内周面
13j 薄肉部
32 締付チューブ
33 切込みスリット部
35 織布製チューブ
35a 織布製チューブの内周面
35b 織布製チューブの外周面
G 索条体
G1 索条体の先端部
T 集合継手管の長さ(軸長部分の長さ)

Claims (9)

  1. 液状の塗料が含浸されて表裏に反転可能なライニングクロス管を配管内に押込めて、表裏に反転させた前記ライニングクロス管の内周面を前記配管の内壁に密着させながら、反転状態で前記配管の奥行方向に移動させてライナー層を形成する配管ライニング方法において、
    前記配管は、内部に突出部を有する集合継手管を含み、前記ライニングクロス管のうち前記集合継手管の内壁に軸方向全長にわたって所在する軸長部分を前記配管と前記集合継手管との境界箇所で切除して、前記集合継手管の外部に取り出す除去工程を設けたことを特徴とする配管ライニング方法。
  2. 前記ライニングクロス管に応じた長さ寸法を有し、前記配管に対する前記ライナー層の施工時、前記ライニングクロス管の外周部を被覆して前記ライニングクロス管とともに反転移動し、反転後の前記ライニングクロス管の内周部に密着する樹脂製チューブを備え、前記樹脂製チューブも、前記除去工程で前記ライニングクロス管の前記軸長部分に相当する長さ部分だけ切除して、外部に取り出すことを特徴とする請求項1に記載の配管ライニング方法。
  3. 液状の塗料が含浸されて表裏に反転可能なライニングクロス管を配管内に押込めて、表裏に反転させた前記ライニングクロス管の内周面を前記配管の内壁に密着させながら、反転状態で前記配管の奥行方向に移動させてライナー層を形成する配管ライニング方法において、
    前記配管は、内部に突出部を有する集合継手管を含み、前記ライニングクロス管のうち前記集合継手管の内壁に軸方向全長にわたって所在する軸長部分を前記配管と前記集合継手管との境界箇所に、切離可能な細溝状の薄肉部を予め設けておき、前記軸長部分には、軸方向に沿って複数の薄肉部を予め設け、
    前記軸長部分の内周部には、予め熱収縮性の締付チューブを接触状態に設けておき、ライニングクロス管の反転移動に伴い、前記締付チューブが反転し、前記集合継手管の内壁に当接しながら前記軸長部分の外周部を接触状態に覆い、
    前記ライニングクロス管の施工後、前記締付チューブを熱湯などで加温することにより、前記締付チューブが収縮変位して、前記軸長部分が前記締付チューブから収縮圧を受けて前記薄肉部で圧潰させる除去工程を設けたことを特徴とする配管ライニング方法。
  4. 前記ライニングクロス管のうち前記軸長部分には、当初から塗料を含浸させない非付着部分としたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の配管ライニング方法。
  5. 前記ライニングクロス管は、グラスファイバーおよびポリエチレンなどの化学繊維を含む可撓性の織布からなっていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の配管ライニング方法。
  6. 前記除去工程は、前記ライニングクロス管を前記配管内に押込めるに先立って行われ、前記ライニングクロス管の前記軸長部分は、予め切除されていることを特徴とする請求項2に記載の配管ライニング方法。
  7. 外周部に接着剤が塗布されて表裏に反転可能な樹脂製チューブを配管内に押込めて、表裏に反転させた前記樹脂製チューブの内周面を前記配管の内壁に密着させながら、反転状態で前記配管の奥行方向に移動させて樹脂層を形成する配管ライニング方法において、
    前記配管は、内部に突出部を有する集合継手管を含み、前記樹脂製チューブのうち前記集合継手管の内壁に軸方向全長にわたって所在する軸長部分を前記配管と前記集合継手管との境界箇所で切除して、前記集合継手管の外部に取り出す除去工程を設けたことを特徴とする配管ライニング方法。
  8. 外周部に接着剤が塗布されて表裏に反転可能な樹脂製チューブを配管内に押込めて、表裏に反転させた前記樹脂製チューブの内周面を前記配管の内壁に密着させながら、反転状態で前記配管の奥行方向に移動させて樹脂層を形成する配管ライニング方法において、
    前記配管は、内部に突出部を有する集合継手管を含み、前記樹脂製チューブのうち前記集合継手管の内壁に軸方向全長にわたって所在する軸長部分には、前記集合継手管の前記突出部に対応する切込みスリット部を形成していることを特徴とする配管ライニング方法。
  9. 前記樹脂製チューブの内周面には、前記樹脂製チューブと一緒に反転する織布製チューブが同心的に配置され、前記織布製チューブの内周面および外周面に粘着剤が塗布されていることを特徴とする請求項7に記載の配管ライニング方法。
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