JP6162307B1 - 配管洗浄用器具および配管洗浄方法 - Google Patents
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Description
[1]可撓性の軸、かかる軸が貫通する可撓性の中空部材(当該中空部材は、吸引機と接続するための枝分かれ部分を途中に有していてもよい。)、前記可撓性の中空部材が枝分かれ部分を途中に有しない場合、少なくとも二股に分かれており、一方が前記可撓性の中空部材と連結されると共に前記可撓性の軸が貫通し、他方が吸引機と接続される分岐管、前記可撓性の中空部材が貫通する可撓性で伸縮可能なフレキシブル中空部材、および前記可撓性の軸の一方の端に装着される着脱自在のブラシ、ならびに前記可撓性の軸の他方の端に装着される着脱自在の電動機を含むことを特徴とする、配管洗浄用器具。
[2]前記電動機が電動ドライバー本体である、上記[1]に記載の配管洗浄用器具。
[3]前記可撓性の軸が金属製である、上記[1]または[2]に記載の配管洗浄用器具。
[4]前記可撓性の軸がコイル状である、上記[3]に記載の配管洗浄用器具。
[5]前記ブラシが金属製ワイヤーブラシである、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の配管洗浄用器具。
[6]前記配管がダクトまたは排煙用ダクトである、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の配管洗浄用器具。
[7]さらに、前記可撓性の中空部材のブラシ側の端にノズルを有する、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の配管洗浄用器具。
[8]さらに、吸引機を含む、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の配管洗浄用器具。
[10]配管洗浄後、フレキシブル中空部材を収縮状態から伸長状態に伸ばし、当該フレキシブル中空部材で覆いながら、可撓性の軸や可撓性の軸が貫通する可撓性の中空部材といった部品を配管から回収する工程をさらに含む、上記[9]に記載の配管洗浄方法。
1.本発明に係る配管洗浄用器具について
本発明に係る配管洗浄用器具(以下、「本発明洗浄用器具」という。)は、可撓性の軸、かかる軸が貫通する可撓性の中空部材(当該可撓性の中空部材は、吸引機と接続するための枝分かれ部分を途中に有していてもよい。)、前記可撓性の中空部材が枝分かれ部分を途中に有しない場合、少なくとも二股に分かれており、一方が前記可撓性の中空部材と連結されると共に前記可撓性の軸が貫通し、他方が吸引機と接続される分岐管、前記可撓性の中空部材が貫通する可撓性で伸縮可能なフレキシブル中空部材、および前記可撓性の軸の一方の端に装着される着脱自在のブラシ、ならびに前記可撓性の軸の他方の端に装着される着脱自在の電動機を含むことを特徴とする。
本発明洗浄用器具は、可撓性の軸(以下、「可撓軸」という。)を含む。かかる可撓軸は、電動機とブラシの間に設置され、電動機の回転運動をブラシに伝達する回転軸(シャフト)としての機能を有する。
当該可撓軸の材質としては、洗浄する配管に合わせてそれ自身を曲げることができる可撓性と回転を伝達する回転軸としての機能を有していれば特に制限されないが、通常、金属製のものを挙げることができる。かかる金属としては、例えば、ステンレススチール、スチール、鉄が挙げられる。これらの中でも、ステンレススチールが好ましい。
当該可撓軸として好適な性質を有するものは、フレキシブルシャフトとして市販されている。
本発明洗浄用器具は、可撓軸の一方の端に装着されるブラシを含む。かかるブラシは、当該ブラシの回転により配管を洗浄することができれば特に制限されないが、通常、軸および軸に放射状に植え付けられた毛を有する。このようなブラシとしては、例えば、チューブブラシ、ローラーブラシ、カップブラシが挙げられる。これらの中でもチューブブラシが好ましい。ブラシの毛の材質は配管に堆積した汚れを掻き取ることができれば特に制限されないが、例えば、真鍮、鉄、ステンレススチール等の金属、ナイロン、ポリエチレン等の合成樹脂、植物繊維、動物毛等の天然素材が挙げられる。これらの中でも真鍮、鉄、ステンレススチール等の金属であることが好ましい。特に、本発明洗浄用器具を排煙用ダクトに用いる場合は、その強固に堆積した油、スス、粉塵といった汚れを掻き落とすために金属製ワイヤーブラシが好適である。
本発明洗浄用器具は、可撓軸の他方の端(ブラシ装着側と反対側)に装着される着脱自在の電動機を含む。かかる電動機としては、可撓軸を十分に回転させ、その先端に装着されるブラシを十分に回転させる駆動力(トルク)を有するものであれば特に制限されないが、例えば、電動ドリルドライバー、インパクトドライバー、電気ドリルなどの電動ドライバー本体、電気モーター、ガソリンモーターを挙げることができる。これらの中で電動ドライバー本体は一般に市販されており簡便で好ましい。電動機の電源は通常の家庭用電源等が使用できるが、充電器を使用してもよい。交換可能な充電器を備えた電動ドライバー本体であれば、1以上の当該充電器を本発明洗浄用器具と一緒に作業場に運んで本発明洗浄用器具に予備として搭載することにより、電源の備えられていない場所においてもバッテリー切れによる作業中断を回避することができる。
本発明洗浄用器具は、可撓軸が貫通する可撓性の中空部材(以下、「可撓性中空部材」という。)を含む。かかる可撓性中空部材は、吸引機と接続するための枝分かれ部分を途中に有していてもよい。可撓性中空部材は、電動機により回転する可撓軸を保護し、またブラシで配管から掻き落とされた粉塵や油といった汚れを配管外へ排出する際の通路としての機能も有する。
可撓性中空部材が枝分かれ部分を途中に有している場合、その枝分かれ部分に吸引機が接続され、そこから吸引機の吸引力により、ブラシで配管から掻き落とされた粉塵や油といった汚れが配管外へ排出される。
本発明洗浄用器具は、前記可撓性中空部材が枝分かれ部分を途中に有しない場合、少なくとも二股に分かれており、一方が前記可撓性中空部材と連結されると共に前記可撓性軸が貫通し、他方が吸引機と接続される分岐管を含む。かかる分岐管には気密性のホースを介して吸引機が接続され、そこからブラシで配管から掻き落とされた粉塵や油といった汚れが配管外へ排出される。
本発明洗浄用器具は、前記可撓性中空部材が貫通する可撓性で伸縮可能なフレキシブル中空部材(以下、「フレキシブル中空部材」という。)を含む。かかるフレキシブル中空部材は、通常、管状であり、当該中空部材の長軸方向に、例えば蛇腹式(アコーディオン式)に収縮させることにより、伸長状態から収縮状態に縮めることができ、また逆に収縮状態から伸長状態に伸ばすことができる(図6(A)、(B)参照)。フレキシブル中空部材は、配管洗浄後、可撓軸や可撓性中空部材といった部品、またはそれに加えてブラシを配管から回収する際に、収縮状態から伸長状態に伸ばすことにより、それら部品等をカバーすることができ、それらに付着した粉塵や油といった汚れの飛散、落下などを防止する機能を有する。
本発明洗浄用器具で洗浄することができる配管は、本発明洗浄用器具を使用することができれば特に制限されないが、例えば、ダクト(通風管)、水道管、排水管、ガス管、消火管が挙げられる。これらの中でもダクトが好ましい。ダクトはその用途によって、排煙用ダクト、換気用ダクト等に分類されるが、本発明洗浄用器具は、これらの中でも排煙用ダクトに用いられることが好ましい。排煙用ダクトは、通常、工場や焼肉店等の飲食店において、建造物内より煙を除去するために配設されたダクトである。煙は不完全燃焼の結果にできる微粒子を含む空気の固まりであり、通常、スス、粉塵、油分、有害な微粒子等を含むことが多いため、排煙用ダクトは特に油分の汚れや粉塵の蓄積が顕著である。
本発明洗浄用器具は、さらに吸引機を含むことができる。かかる吸引機により、ブラシで配管から掻き落とされた粉塵や油といった汚れを配管外へ速やかに排出することができる。
当該吸引機としては、洗浄する配管の汚れを吸引することができれば特に制限されないが、例えば、バキューム、掃除機、電動ポンプ、ガソリンポンプが挙げられる。これらの中でもバキュームや掃除機が好ましい。また、バキュームの中でも業務用の強力なもの、例えば、高真空・大風量タイプのものが好ましい。
本発明洗浄用器具に適した吸引機としては、例えば、東浜工業株式会社製のパワーバッククリーナー TVC−3200型が挙げられる。
本発明洗浄用器具は、さらに前記可撓性中空部材のブラシ側の端にノズル含むことができる。かかるノズルは、ブラシによって掻き落とされた汚れを吸い取るための、吸引機の吸い取り口として機能する。
本発明に係る配管洗浄方法(以下、「本発明洗浄方法」という。)は、以下の(1)〜(5)の工程を含むものである。
(1)配管洗浄用器具のフレキシブル中空部材に、可撓性中空部材を挿入し貫通する工程
(2)当該配管洗浄用器具の先端にあるブラシを、可撓軸を介して、可撓性中空部材と共に洗浄する配管に挿入する工程
(3)当該配管洗浄用器具における枝分かれ部分に、または少なくとも二股に分かれた分岐管の可撓軸が貫通していない方にホースを介して吸引機を接続する工程
(4)当該配管洗浄用器具の電動機を作動することによって、可撓軸に連通して回転する前記ブラシで当該配管の汚れを落とす工程
(5)汚れを落としながら、または汚れを落とした後、その汚れを当該配管洗浄用器具の可撓性中空部材を通して前記吸引機で吸い取る工程
(6)配管洗浄後、フレキシブル中空部材を収縮状態から伸長状態に伸ばし、当該フレキシブル中空部材で覆いながら、可撓軸や可撓性中空部材といった部品を配管から回収する工程。
図2は、本発明の一例である本発明洗浄用器具Aの分解側面図である。この一例において、可撓軸3は、図2中の拡大図に示すようにコイル状の外形を有する金属製のものである。可撓軸3の一方の端には金属製のチューブワイヤーブラシであるブラシ6が、他方の端側には電動ドライバー本体である電動機1が接続されている。また、可撓性中空部材4の一方の端には、吸引機の取り込み口として機能するノズル5ないし5A(図3参照)が、他方の端側には分岐管2が接続されている。
本工程は、配管洗浄用器具のフレキシブル中空部材に、可撓性中空部材を挿入し貫通する工程である。
まず、本発明洗浄用器具Aを、洗浄する配管10が設置されている建造物等に運搬し、設置する。本発明洗浄用器具Aは、一体として、また部品に分解されて運搬され、作業場所に設置される。そして、配管洗浄作業に際して、ブラシ6を装着した可撓軸3およびそれを覆う可撓性中空部材4を配管に挿入する際に、通常は、収縮状態のフレキシブル中空部材20が当該配管の挿入口に配置または接続され、その中空部を通してブラシ6および可撓性中空部材4が配管に挿入される。この工程において配置または接続されたフレキシブル中空部材20は、配管洗浄作業の終了後、可撓軸3や可撓性中空部材4といった部品、またはそれに加えてブラシ6を配管から回収する際に、収縮状態から伸長状態に伸ばすことにより、それら部品等をカバーすることができ、それらに付着した粉塵や油といった汚れの飛散、落下などを防止することができる。
本工程は、本発明洗浄用器具の先端にあるブラシを、可撓軸を介して洗浄する配管に挿入する工程である。
本発明洗浄用器具Aの一方の端にあるブラシ6を、可撓軸3を介して洗浄する配管10に挿入する。図1の使用図においてはブラシ6、可撓軸3、および可撓性中空部材4が、配管10の入り口にあるフレキシブル中空部材20および焼肉用テーブル9の上方より挿入されている。可撓軸3および可撓性中空部材4は、図1および図2に示すように、配管10の曲がりに応じて折れ曲がることができ、ブラシ6は配管10の内部にまで挿入される。本発明洗浄用器具Aの設置に先だって、ファイバースコープ等により配管内の汚れやその堆積の程度を確認することもできる。
本工程は、当該配管洗浄用器具における枝分かれ部分に、または少なくとも二股に分かれた分岐管の前記可撓軸が貫通していない方にホースを介して吸引機を接続する工程である。
図1および図2では、本発明洗浄用器具Aの分岐管2において、電動機1も可撓性中空部材4も接続されない開口部にホース7を介して吸引機8が接続されている、または接続される。図2および図5の分岐管2は金属製であり可撓性ではないが、本発明洗浄用器具においては、分岐管を有さず可撓性中空部材自体が分岐していてもよい。
本工程は、当該配管洗浄用器具の電動機を作動することによって、前記可撓軸に連通して回転する前記ブラシで当該配管の汚れを落とす工程である。
本発明洗浄用器具Aの電動機1を起動することにより可撓軸3が回転し、その回転がブラシ6に伝達され、ブラシ6が回転する。このブラシ6の回転によって配管10内の堆積した油、スス、粉塵といった汚れが掻き落とされる。汚れが強固な場合は、電動機1の回転を高速回転にすることで高い洗浄力を得ることができる。
本工程は、汚れを落としながら、または汚れを落とした後、その汚れを当該配管洗浄用器具の可撓性中空部材を通して前記吸引機で吸い取る工程である。
汚れを配管10から掻き落としながら、または汚れを掻き落とした後、その汚れは本発明洗浄用器具Aの可撓性中空部材4を通過して吸引機8によって吸い取られる。図1および図2の一例では、ブラシ6の根元に位置するところにあるノズル5が吸引機8の吸い取り口として機能し、そこから汚れが吸い取られる。吸い取られた汚れは、可撓性中空部材4を通って吸引機内部に蓄積される。このとき、図3に示すノズル5Aを用いた場合はノズルの側方から、図4に示すノズル5Bを用いた場合はノズルの正面から汚れが主に吸い込まれる。このように、吸引機8により汚れを吸い取り除去することにより、油、スス、粉塵といった汚れが堆積し、閉塞した配管であっても容易に洗浄することができる。
本工程は、配管洗浄後、フレキシブル中空部材を収縮状態から伸長状態に伸ばし、当該フレキシブル中空部材で覆いながら、可撓軸や可撓性中空部材といった部品を配管から回収する工程である。本工程は、必要に応じて、上記(1)〜(5)の工程に追加される。
配管洗浄作業の終了後、フレキシブル中空部材20を収縮状態から伸長状態に伸ばし、可撓軸3、可撓性中空部材4といった部品、またはそれに加えてブラシ6をフレキシブル中空部材20で覆いながら、配管から回収することができる。これにより洗浄の過程で付着した粉塵や油といった汚れが、周囲、例えば焼肉テーブル9上や店内へ飛散、落下することを防止することができる。
また、本発明洗浄方法を用いれば、配管周囲の設備、例えば焼肉用テーブル9を取り除くことなく、また焼肉テーブル9や店内への汚れの飛散を最小限に抑えながら洗浄作業を行うことができる。
1 電動機
2 分岐管
3 可撓軸
4 可撓性中空部材
5 ノズル
6 ブラシ
7 ホース
8 吸引機
9 焼肉用テーブル
10 配管
20 フレキシブル中空部材
Claims (7)
- 可撓性の軸、
かかる軸が貫通する可撓性の中空部材(当該可撓性の中空部材は、吸引機と接続するための枝分かれ部分を途中に有していてもよい。)、
前記可撓性の中空部材が枝分かれ部分を途中に有しない場合、少なくとも二股に分かれており、一方が前記可撓性の中空部材と連結されると共に前記可撓性の軸が貫通し、他方が吸引機と接続される分岐管、
前記可撓性の中空部材が貫通する可撓性で伸縮可能なフレキシブル中空部材、
前記可撓性の軸の一方の端に装着される着脱自在のブラシ、および
前記可撓性の軸の他方の端に装着される着脱自在の電動機、ならびに
吸引機を含むことを特徴とするダクト洗浄用器具を用いる、飲食店の排煙用ダクトを洗浄する方法であって、
前記ダクト洗浄用器具のフレキシブル中空部材に、可撓性の軸が貫通する可撓性の中空部材を挿入し貫通する工程、
当該ダクト洗浄用器具の先端にあるブラシを、可撓性の軸を介して、可撓性の軸が貫通する前記可撓性の中空部材と共に洗浄するダクトに挿入する工程、
当該ダクト洗浄用器具における枝分かれ部分に、または少なくとも二股に分かれた分岐管の前記可撓性の軸が貫通していない方にホースを介して吸引機を接続する工程、
当該ダクト洗浄用器具の可撓性の軸に電動機を装着し作動することによって、前記可撓性の軸に連通して回転する前記ブラシで当該ダクトの汚れを落とす工程、および
汚れを落としながら、または汚れを落とした後、その汚れを当該ダクト洗浄用器具の可撓性の中空部材を通して前記吸引機で吸い取る工程
を含むことを特徴とする、飲食店における排煙用ダクト洗浄方法。 - 前記電動機が電動ドライバー本体である、請求項1に記載の排煙用ダクト洗浄方法。
- 前記可撓性の軸が金属製である、請求項1または2に記載の排煙用ダクト洗浄方法。
- 前記可撓性の軸がコイル状である、請求項3に記載の排煙用ダクト洗浄方法。
- 前記ブラシが金属製ワイヤーブラシである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の排煙用ダクト洗浄方法。
- さらに、前記可撓性の中空部材のブラシ側の端にノズルを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の排煙用ダクト洗浄方法。
- ダクト洗浄後、フレキシブル中空部材を収縮状態から伸長状態に伸ばし、当該フレキシブル中空部材で覆いながら、可撓性の軸や可撓性の軸が貫通する可撓性の中空部材といった部品をダクトから回収する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の排煙用ダクト洗浄方法。
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