JP5192293B2 - 燃料電池用改質器 - Google Patents
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Description
例えば、シリコンやセラミックスからなる数センチ角の基板に、半導体加工技術を応用してミクロンオーダの流路を形成し、前記流路中で触媒反応をさせる化学反応装置を改質器として用いることが提案されている(特許文献1,2)。
従来の化学反応装置は、外部機器に合わせて設計するためフレキシビリティに欠ける問題があった。さらに、燃料ガスの流量に合わせた改質器とするためには大幅な設計変更が不可欠であり、設計の自由度が低いという問題があった。
本発明の目的は、小型化を図ることができるとともに、隣接機器との接続性向上と熱的応力の緩和とに配慮しつつ、フレキシビリティに富みかつ設計自由度の高い燃料電池用改質器を提供することにある。
前記触媒層はCu/Zn又はPtからなり、また、前記チューブ状流路はSiO2からなるのが好ましい。
なお、前記「通過ガス」とは、前記流体原料及び触媒反応により生成された流体物質を言う。また、前記チューブは材料がフレキシブル性を有するのではなく、製造されているチューブ状流路自体が何らかの原因によりフレキシブル性を有することで足りる。
このように各チューブ状流路がフレキシブル性を有するので、各チューブ状流路を適宜曲げた状態で改質器を配置することができるほか、周辺機器との配置設計の自由度もそのフレキシブル性により増大する。
また、改質器における原料ガスの流量が変更したときは、チューブホルダを含めた部品全部を交換したり設計を全体的に変更することなく、チューブ状流路の本数のみを加減することにより原料ガス流量の変更に対応することができるから、この点でも設計の自由度がはるかに増大する。
あるいはまた、各チューブ状流路の中間部分を適宜曲げて前記チューブホルダの配置位置を選択し、この選択された位置でチューブホルダに対して周辺機器への接続部品を取り付けることができる。
したがって、周辺機器との接続部の形成が極めて容易である。
図1は改質器の部分分解斜視図である。
2,2はブロック状に形成された一対のチューブホルダであり、このチューブホルダ2,2には、内面に触媒層1a(図2)を有し触媒及び通過ガスと反応しない材料からなるフレキシブル性と耐熱性とを有する複数のチューブ状流路1の両端部寄り部分が貫通状に保持されている。
前記チューブ状流路1の前記チューブホルダ2,2の相互間に位置する部分の外周面の少なくとも一部にはシート状のヒータ10が定着されている。
細径(例えば直径500μm程度)のチューブ状流路1を加工するとともに、当該チューブ状流路1の内周面へ触媒層1aを定着させる。チューブ状流路1の長さ方向中央領域の外周面にはヒータ10を被着させ、引き続いて当該ヒータ10の両端部と連続するように所定の長さ領域にわたり電極11を膜状に定着させる。
したがって、チューブ状流路1の材質はSiO2であるのが好ましい。SiO2からなる材料は、触媒反応を起させる環境下で腐食溶解がおき難くヒータ10による加熱に対しても劣化が少なく、加熱したヒータとの接着部での熱膨張差に起因した破壊が少ない。
なお、水平方向又は垂直方向に並ぶチューブ状流路1相互の端部は、U字状継手(図示しない)により連結して、当該チューブ状流路全体を蛇行状に構成することもできる。
さらに前記マスキングを除去し、ヒータ10の形成領域を遮蔽した状態で流路1の外周面における両端寄り領域へ、例えばAu,Pt,Pd等を物理蒸着により定着させて電極11を形成する。
この実施形態において、膜状の電極11はチューブ状流路の周方向の一部について長さ方向へ連続するように形成されている。
ヒータ10を保護するため、チューブ状流路1の外周面はポリイミド樹脂その他の絶縁性樹脂層で被覆するのが好ましい。
そして、第1保持ブロック21と第2保持ブロック22は、カップ状の収容部を有するカバー保持ブロック20の前記収容部内へ逆順に挿入された状態になっている。
各保持ブロック20,21,22は、ヒータ10による熱の影響を受け難く電気的絶縁性を有するものであれば特にその材質は問わないが、ポリイミド樹脂やポリイミドアミド樹脂を材質とし、これらをモールド成形したものが好ましく使用される。
次いでこれらのチューブ状流路1の第1保持ブロック21から突出した部分を第2保持ブロック22の孔へ貫通保持させる。このとき、各チューブ状流路1の外周面における膜状の電極11と接触するように、例えばカーボンペーストその他の導電材(ペースト)13を保持孔へ塗布する。
このとき、カバー保持ブロック20にあらかじめ形成されている挿入孔へ外部端子12をそれぞれ挿入し、カバー保持ブロック20の内側において電極11と対応する外部端子12とを導電材13等を介して電気的に接続する。
そして、当該流体原料を前記流路1内面に形成されている触媒層1aに接触させ、触媒との接触により生成された水素を前記流路1の他方の端部である排出口を経て燃料電池スタックへ供給する。水素とともに生成されるCOやCO2も排出口から排出する。
また、改質器における原料ガスの流量が変更したときは、チューブホルダ2を含めた部品全部を交換したり設計を全面的に変更することなく、チューブ状流路1の本数のみを加減することにより原料ガス流量の変更量に対応することができるから、この点でも設計の自由度がはるかに増大する。
あるいはまた、各チューブ状流路1の中間部分を適宜曲げて前記チューブホルダ2の配置位置を選択し、この選択された位置でチューブホルダ2に対して周辺機器への接続部品を取り付けることができる。
したがって、周辺機器との接続部の形成が極めて容易である。
1a 触媒層
10 ヒータ
11 電極
12 外部端子
13 導電材(ペースト)
2 チューブホルダ
20 カバー保持ブロック
21 第1保持ブロック
22 第2保持ブロック
3 カバー
Claims (5)
- 内面に触媒層を有し触媒及び通過ガスと反応しない材料からなるフレキシブル性と耐熱性とを有する複数のチューブ状流路と、前記チューブ状流路の両端部寄り部分を貫通状に保持するチューブホルダと、前記チューブホルダの相互間において前記チューブ状流路の外周面の少なくとも一部へ定着された膜状のヒータと、を備えたことを特徴とする燃料電池用改質器。
- 前記触媒層はCu/Znからなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用改質器。
- 前記触媒層はPtからなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用改質器。
- 前記チューブ状流路はSiO2からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用改質器。
- 前記チューブホルダは樹脂モールドにより成形されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用改質器。
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