JP5191152B2 - モータ駆動装置 - Google Patents
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Description
Iu+Iv+Iw=0
の式から計算で求め、モータの3相電流を求めている(例えば、特許文献1参照)。
また、三角波比較法以外に用いられる方法として、電圧の利用率を母線電圧の1倍とすることができる空間電圧ベクトル法がある。特許文献1のモータ駆動装置でも空間電圧ベクトル法でモータの電流を検出可能であるが、PWM信号の変調率が1未満で極めて1に近い値のとき、電流検出の可能な時間が極めて短くなり、マイコンのA/Dポートでシャント電圧を取り込んでいる最中にPWM信号が切り替わり(例えばU相の下アームのスイッチング素子がオンからオフへ変化)、それによりシャント抵抗の両端に、回路の配線のインダクタンスに起因したリンギングが発生し、それによりA/Dポートへの信号にリンギングノイズが発生することがあり、正確な電流を検出できなくなることがあった。また、変調率が大きくなるにつれ、モータの3相のうち1相も電流を検出できない期間が生じるため、モータ制御が不安定になることがある。
また、第2の目的はスイッチング素子のスイッチングによるリンギングの影響を抑え、正確なモータの電流を検出できるモータ駆動装置を得るものである。
制御部は、所定のキャリア周期における各スイッチング素子のオン・オフの組み合わせ期間に対し、キャリア周期での最下点もしくはピーク点を基準として、前記期間における検出電流の取り込み時間がそれぞれ設定され、PWM信号の変調率に応じて、前記期間のうちキャリア周期の最下点もしくはピーク点を始点とする最初の期間が所定時間以下になったときには、その期間での検出電流の取り込みを中止して、次の期間以降に設定された時間毎に検出電流を取り込み、最初の期間及び次の期間の両方が所定時間以下になったときには、更に次の期間に設定された時間後に検出電流を取り込み、また、PWM信号の変調率により、前記期間のうちキャリア周期の最下点もしくはピーク点を始点とする最初の期間で検出電流の取り込み可能なときには、前記時間をゼロにして、最初の期間で各相の検出電流を取り込むようにしたものである。
図1は本発明の実施の形態1に係るモータ駆動装置を示す回路図である。
図中に示す整流回路2は、ブリッジ接続された4個のダイオードからなり、交流電源1からの電圧を整流する。平滑コンデンサ3は、整流回路2により整流された電圧を平滑する。整流回路2と平滑コンデンサ3とでコンバータ回路が構成されている。インバータ回路10は、例えばバイポーラトランジスタ、IGBT、パワーMOSFETなどからなる6個のスイッチング素子6a〜6fと、各スイッチング素子6a〜6fにそれぞれ並列に逆方向に接続されたダイオード7a〜7fとを備え、出力端にモータ4が接続されている。
本装置に交流電源1が印加されると、整流回路2が交流電圧を整流し、平滑コンデンサ3が整流された電圧を平滑する。制御部5からインバータ回路10にPWM信号が出力されると、上アームと下アームの各スイッチング素子6a〜6fがPWM信号の入力に基づいてオン・オフ動作し、平滑コンデンサ3により平滑された直流電圧を制御に応じた電圧・周波数の3相交流に変換し、モータ4を駆動させる。この時、平滑コンデンサ3からインバータ回路10を介してモータ4の各相に駆動電流が流れ、その駆動電流がスイッチング素子6a〜6fのオン・オフの組み合わせに応じて電流検出部8a〜8cに流れる。
この図に示す(100)、(110)等の数字は、左からU相のスイッチング素子6a、6d、V相のスイッチング素子6b、6e、W相のスイッチング素子6c、6fの動作状態を示しており、例えば(100)の場合、左端の(1…)はU相の上アームのスイッチング素子6aがオン、下アームのスイッチング素子6dがオフ、中央の(0)はV相の下アームのスイッチング素子6eがオン、上アームのスイッチング素子6bがオフ、右端の(…0)はW相の下アームのスイッチング素子6fがオン、上アームのスイッチング素子6cがオフしていることを示す。図中のp,nはそれぞれ上アームと下アームを示しており、例えば、UpはU相の上アームのスイッチング素子6a、UnはU相の下アームのスイッチング素子6dのことを示している。ただし、図2では、説明を簡単にするために、スイッチング素子6a〜6fの上下アーム短絡を防止するデッドタイム(Td)は省略している。
K=Vin/Vdc … (1)
a1=t1×2+t4=(1−Ksin(θ+60°))・T …(2)
a2=t2×2=KTsin(60°―θ) …(3)
a3=t3×2=KTsinθ … (4)
ここで、Vinはモータ4への印加電圧、Vdcは母線電圧(直流電圧)、Tはキャリア周期、KはPWM信号の変調率である。この変調率Kが1.155を越えた場合には、a1(パルス幅)が負となり、a2+a3の和がキャリア周期より大きくなる。この場合は、a1=0とし、a2とa3はa2とa3の比を変えずにキャリア周期内に分割して割り当てるものとする。t1、t4期間でのベクトルはゼロベクトルと呼ばれ、t1は下アームのスイッチング素子6d〜6f、t4は上アームのスイッチング素子6a〜6cがオンしている期間である。
A区間における期間t1では電流検出部8a〜8cにそれぞれ−Iu,Iv,Iwの駆動電流が流れるため、各電流検出部8a〜8cの両端に発生する電圧は、増幅回路9a〜9cにより増幅され、制御部5のA/D1〜3の各ポートに入力されてデジタル値に変換され、電流値として読み込まれる。同様に(100)のベクトルのモードにおいては、Up,Vn,Wn相の各スイッチング素子6a,6e,6fがオンするt2期間であるため、Iv,Iwの駆動電流を検出し、(110)のベクトルのモードにおいては、Up,Vp,Wn相の各スイッチング素子6a,6b,6fがオンするt3期間であるため、Iwのみの駆動電流を検出する。2相しか電流を検出できない場合は、Iu+Iv+Iw=0の関係式から残りの相を算出する。なお、図2のベクトル制御におけるA区間からF区間までの切り替えは角度θにより行う。θ=0−60゜の時はA区間、60−120゜の時はB区間のように、検出電流の結果によりこのθを演算して求めている。
制御部5は、A/D1〜3の各ポートに入力される増幅回路9a〜9cからの信号の取り込みタイミングを決定するA/D取り込みタイミング設定タイマー1〜3を設けており、1キャリアの最下点(もしくはピーク点)を基準として、A/D1のポートにおけるA/D値取り込みタイミング1はt7後、A/D2のポートにおけるA/D値取り込みタイミング2はt9後、A/D3のポートにおけるA/D値取り込みタイミング3はt11後となる。
実施の形態1では、PWM信号の変調率Kに応じて駆動電流の検出タイミングを変えることにより、正確な駆動電流を検出できるようにしたものであるが、実施の形態2では、モータ4の回転周波数により駆動電流の検出タイミングを切り替えるようにしたものである。
図5〜図7における横軸の位相θが0→360°まで変化する周期(以下:「f1」とする)とモータ4の回転周波数とは比例の関係にあり、モータ4の回転周波数が大きくなると、f1も大きくなり、位相θが0→360°までに要する時間は短くなる。そのため、位相θが0→360°まで変化する間に発生するキャリアの個数、すなわち駆動電流の検出回数は少なくなるため、モータ4の回転周波数が大きくなると、モータ4の1回転あたりの駆動電流の検出回数は減少し、駆動電流の検出1回あたりの検出精度が求められるようになる。
6a〜6f スイッチング素子、7a〜7f ダイオード、8a〜8c 電流検出部、
9a〜9c 増幅回路、10 インバータ回路。
Claims (1)
- 交流電源の電圧を直流に変換するコンバータ回路と、
複数のスイッチング素子の動作に基づいて前記コンバータ回路の出力電圧を交流電圧に変換し、モータに供給するインバータ回路と、
該インバータ回路の下アームの各スイッチング素子と前記コンバータ回路のマイナス側との間に挿入され、前記モータに流れる各相の電流を検出する3つの電流検出部と、
該電流検出部の検出電流に基づいてPWM信号を生成し、前記インバータ回路に出力して前記モータの駆動を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、所定のキャリア周期における各スイッチング素子のオン・オフの組み合わせ期間に対し、キャリア周期での最下点もしくはピーク点を基準として、前記期間における検出電流の取り込み時間がそれぞれ設定され、PWM信号の変調率に応じて、前記期間のうちキャリア周期の最下点もしくはピーク点を始点とする最初の期間が所定時間以下になったときには、その期間での検出電流の取り込みを中止して、次の期間以降に設定された時間毎に検出電流を取り込み、最初の期間及び次の期間の両方が前記所定時間以下になったときには、更に次の期間に設定された時間後に検出電流を取り込み、また、PWM信号の変調率により、前記期間のうちキャリア周期の最下点もしくはピーク点を始点とする最初の期間で検出電流の取り込み可能なときには、前記時間をゼロにして、最初の期間で各相の検出電流を取り込むことを特徴とするモータ駆動装置。
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