JP5190364B2 - 大環状ペプチドの調製の為の閉環メタセシス工程 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、C型肝炎ウィルス(HCV)感染症の治療用の薬剤として有用な大環状化合物の改良された製造方法に関する。
(背景技術)
下記式(I)の大環状化合物及びその調製方法は、Tsantrizos et al.、 米国特許第6,608,027号 B1 (Attorney Docket No. 13/076-1-C1); Llinas Brunet et al, 米国出願公開第2003/0224977号 A1 (Attorney Docket No. 13/092-1-C1); Llinas Brunet et al, 米国出願公開第2005/0075279号 A1 (Attny Docket 13/117); Llinas Brunet et al, 米国出願公開第2005/0080005号 A1; (Attorney Docket No. 13/124); Brandenburg et al., 米国出願公開第2005/0049187号 (Attorney Docket 9/265)、及びSamstag et al., 米国出願公開第2004/0248779号 A1. (Attorney Docket 1/1434) より知られている。
Figure 0005190364

式中、RA はOH、O-PGであり、当該PG は保護基であり、又は-OSO2-R27であって、当該R27はフェニル、p-トリル、p-ブロモフェニル、p-ニトロフェニル、メチル、トリフルオロメチル、ペルフルオロブチル及び2,2,2-トリフルオロエチルから選択される基であり又はRAは式IIで表される基
Figure 0005190364
(WはCH又はNであり、
L0はH、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、水酸基又はN(R23)2であり、
当該R23はそれぞれ独立に、H、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり、
L1、L2はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C1-4アルキル、-O-C1-4アルキル又は-S-C1-4アルキル(硫黄はいかなる酸化状態であってもよい)であり、又は
L0及びL1又はL0及びL2は、それらが連結している2個のC-原子と一緒に、共有結合により4-、5-又は6-員炭素環を形成してもよく、前記環において互いに直接結合していない1個又は2個の-CH2-基(5-又は6-員環の場合)が、それぞれ独立に-O-又はNRa(式中、RaはH又はC1-4アルキルである)により置き換えられていてもよく、かつ、前記環は任意にC1-4 アルキルにより一置換又は二置換されていてもよく、
R22は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6 チオアルキル、C1-6アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、C2-7アルコキシアルキル、C3-6シクロアルキル、C6又はC10アリール又はHet(Hetは、窒素、酸素及び硫黄より選択される1〜4個の環ヘテロ原子を含む5-、6-、又は7-員環の飽和又は不飽和複素環である)であり、
ここで、前記シクロアルキル、アリール又はHetはR24により置換されており、
ここで、R24は、H、ハロ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6 アルコキシ、C3-6シクロアルコキシ、NO2、N(R25)2、NH-C(O)-R25、又はNH-C(O)-NH- R25(式中、各R25は独立して、H、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルである。)であり、
又は、R24 は、NH-C(O)-OR26(式中、R26はC1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルである)である)であり、
R3は、水酸基、NH2、又は式- N(R*)-R9の基(式中、R*はH又は保護基、及びR9はC6又は10アリール、ヘテロアリール、-C(O)-R20、C(O)-NHR20又はC(O)-OR20であり、前記R20は、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり、
Dは3〜7原子の飽和アルキレン鎖であり、O、S又はN-R27(式中R27はH、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキルである。)又はC(O)R28(式中、R28はC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル又はC6又は0アリールである。)から選択される1から3個のヘテロ原子を任意に含み、
4は、H又は前記D鎖の任意の炭素原子における1〜3個の置換基(前記置換基は、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、水酸基、ハロ、アミノ、オキソ、チオ、又はC1-6チオアルキルよりなる群から独立して選択される。)であり、
Aは、式-C(O)-NH-R11のアミド(式中、R11は、C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C6又は10アリール、C7-16アラルキル又はSO2R5A(式中、R5Aは、C1-8アルキル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルキル-C3-7シクロアルキルである。)よりなる群から選択される。)であり、
又はAは、カルボン酸又は医薬的に許容されるその塩又はエステルである。)
式(I)の化合物は、C型肝炎ウィルス(HCV)感染症の治療に有効な薬剤として又は本願記載の抗HCV剤の調製に有用な中間体として上述の特許書類中に開示され、及び適切な有機溶媒中でルテニウム系触媒を用いた非環式ジオレフィンの閉環メタセシスを介して調製される。これまで報告されている化合物(I)へのアプローチ方法の不利な点は、反応時間の長さ、負荷する触媒量の多さ、中程度の収量、及び最適な結果を得る為にジエン基質の濃度をより低い濃度で使用する必要があることが含まれる。従って、当該分野において、式(I)の大環式化合物を得る為の改良方法を開発する継続的な必要性がある。
(発明の簡単な概要)
驚くべきことに、最初にジエン基質内のP1第2級アミドの窒素原子を、閉環工程の後に開裂することのできる適切な窒素保護基で置換することにより、閉環メタセシス工程が改良できることが見出された。
従って、本発明は前述の式Iの化合物の製造方法に関し、当該方法は、以下のスキームに概略を示すように、式IIIの化合物の第2級アミドの窒素原子を保護して式IVを得る工程(式中PGNは適切な窒素保護基である。)、得られた式IVの化合物を適切な触媒の存在下、適切な有機溶媒中で閉環し、化合物Vを得る工程、得られた式Vの化合物を脱保護してIを得る工程を含む。
Figure 0005190364
(式中、
可変基RA、R3、R4、D及びAは前記定義の通りであり、R5はそれぞれ独立してH、C1-6アルキル及びC3-6シクロアルキルから選択され、及びPGN は窒素の保護基である。)
式IVで表されるこの変形基質を閉環反応に使用することにより、より高い収量、効率の改善及び高い基質濃度で反応を行うことができる能力、それに伴う生産性の向上などの改良を果たすことが可能である。
(定義)
本明細書において具体的に定義されていない用語は、当業者が開示及び内容を考慮してそれらに対して与えるであろう意味を有するものとする。しかしながら、明細書に使用されるように、別に特定しない限り以下の用語はここに示された意味を有し、また、以下の約束事が順守される。
以下に定義する基、遊離基、又は部分において、炭素原子の数はしばしば基の前に特定される、例えば、C1-6 アルキルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基又は遊離基を意味する。原則として、2又は3以上のサブグループを有する基については、最後に挙げられた基が遊離基の結合箇所である、例えば、“チオアルキル”は式HS-Alk-の一価の遊離基を意味する。以下に別途特定しない限り、すべての式及び基において、用語の慣習的な定義が適用され、かつ、慣習的な安定原子価が推定及び達成されるものとする。
本明細書に使用されるように、“C1-xアルキル”の用語は、単独で又は別の置換基と組み合わせて、1〜x個の炭素原子を有する非環状、直鎖又は分岐鎖のアルキル置換基を意味する。
本明細書に使用されるように、“C1-xアルコキシ”の用語は、単独で又は別の置換基と組み合わせて、置換基C1-xアルキル-O- を意味し、前記アルキルは上に定義した通りであり、x個までの炭素原子を有する。
本明細書に使用されるように、“飽和アルキレン鎖”の用語は、飽和の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素の各端から1つの水素原子を除去することにより誘導された二価のアルキル置換基を意味し、例えば-CH2CH2C(CH3)2CH2CH2-が含まれる。
本明細書に使用されるように、“C3-xシクロアルコキシ”の用語は、単独で又は別の置換基と組み合わせて、3〜x個の炭素原子を有する置換基C3-xシクロアルキル-O-を意味する。
本明細書に使用されるように、“C6又はC10アリール”の用語は、単独で又は別の置換基と組み合わせて、6個の炭素原子を有する芳香族単環系、又は10個の炭素原子を有する芳香族二環系のいずれかを意味する。例えば、アリールにはフェニル又はナフチル環系が含まれる。
本明細書に使用されているように、“C7-16アラルキル”という用語は、単独で又は別の置換基と組み合わせて、アルキル基と結合した上記で定義したアリールを意味し、前記アルキル基は、上記で定義したとおりであり、1から6個の炭素原子を有する。アラルキルには例えばベンジル及びブチルフェニルが含まれる。
本明細書に使用されるように、“Het”の用語は、単独で又は別の置換基と組み合わせて、炭素原子及び1〜4個の環ヘテロ原子(窒素、酸素及び硫黄より選択される)を含む5-、6-、又は7-員環の飽和又は不飽和(芳香族を含む)複素環から水素を除去することにより誘導される一価の置換基を意味する。適切な複素環の例としては:テトラヒドロフラン、チオフェン、ジアゼピン、イソオキサゾール、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリミジン又は下式が挙げられる。
Figure 0005190364
また、“Het”の用語は、複素環、炭素環を問わない1又は2以上の環(それぞれ飽和又は不飽和であり得る)と縮合した(上に定義した通りの)複素環をも含む。そのようなものの一例としてチアゾロ[4,5-b]-ピリジンが挙げられる。一般に“Het”の用語の下に包含されるものの、本明細書に使用される“ヘテロアリール”の用語は、二重結合が芳香族系を構成するような不飽和複素環を明確に定義する。複素芳香族系の適切な例としては: キノリン、インドール、ピリジン、
Figure 0005190364
が挙げられる。
“オキソ”の用語は、置換基として結合された二重結合基(=O)を意味する。
“チオ”の用語は、置換基として結合された二重結合基(=S)を意味する。
一般に、化学名又は化学名構造の中に特定の立体化学又は異性型が示されていない限り、化学構造又は化合物のすべての互変異性型及び異性型及び混合物(個別の幾何異性体又は光学異性体又は異性体のラセミもしくは非ラセミ混合物を問わない)が意図される。
本明細書に使用されるように、“医薬的に許容されるエステル”の用語は、単独で又は別の置換基と組み合わせて、分子のいずれのカルボキシル官能基(ただし、好ましくはカルボキシル末端)が下記のアルコキシカルボニル官能基により置換されている式Iの化合物のエステルを意味する:

Figure 0005190364
(式中、エステルのR部分は、アルキル(例えばメチル、エチル、n-プロピル、t-ブチル、n-ブチル)、アルコキシアルキル(例えばメトキシメチル)、アルコキシアシル(例えばアセトキシメチル)、アラルキル(例えばベンジル)、アリールオキシアルキル(例えばフェノキシメチル)、アリール(例えばフェニル)、(任意でハロゲン、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシにより置換されていてもよい)より選択される)。他の適切なプロドラッグエステルは、Design of Prodrugs, Bundgaard, H. Ed. Elsevier (1985)に記載されており、この文献は参照により本明細書に含まれるものとする。そのような医薬的に許容されるエステルは、通常、哺乳類に注射されるとin vivoで加水分解され、式Iの化合物の酸の形に変換される。
上に説明したエステルに関して、別途特定した場合を除き、存在するいかなるアルキル部分も、好ましくは1〜16個の炭素原子、特に1〜6個の炭素原子を含む。そのようなエステルに存在するいかなるアリール部分にも、好ましくはフェニル基が含まれる。
特に、前記エステルは、C1-16アルキルエステル、非置換ベンジルエステル、又は、少なくとも1つのハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロもしくはトリフルオロメチルで置換されたベンジルエステルであっても良い。
本明細書に使用されるように、“医薬的に許容される塩”の用語は、医薬的に許容される塩基から誘導されるものを含む。適切な塩基の例としては、コリン、エタノールアミン及びエチレンジアミンが挙げられる。Na+、K+、及び Ca++ の塩もまた本発明の範囲内にあると理解される(Pharmaceutical Salts, Birge, S.M. et al., J. Pharm. Sci., (1977), 66, 1-19 (参照により本明細書に含まれるものとする)も参照)。
発明の実施態様
以下の合成スキームにおいては、別途特定した場合を除き、化学式中のすべての置換基は式(I)の場合と同じ意味を有するものとする。以下に説明する合成スキームに使用される反応体は、式IIIのジエン化合物を含み、本明細書に説明されるように得るか、又は本明細書に説明されていない場合は、それ自体が市販されているか、又は市販原料から技術分野において既知の方法によって調製することができる。例えば、特定の出発物質は国際特許出願WO 00/09543及びWO 00/09558、米国特許第6,323,180 B1、米国特許第6,608,027 B1及び、米国出願公開第2003/0224977 A1、2005/0080005 A1及び2005/0049187 A1に記載されている方法により得ることができる。
最適な反応条件及び反応時間は、使用する特定の反応体によって変動し得る。別途特定した場合を除き、溶媒、温度、圧力、及び他の反応条件は当業者が容易に選択することができる。具体的な手順は合成実施例の項において述べる。典型的には、所望の場合、反応の進行過程は高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によってモニタリングすることができ、また、中間体及び生成物はシリカゲル上のクロマトグラフィー及び/又は再結晶化によって精製することができる。
一般的な一実施態様において、本発明は下記式(I)の化合物の製造方法を対象とし、上記製造方法は、下記スキームに概説するように、式IIIの化合物を保護して化合物IV(PGNは適切な窒素保護基である。)を得る工程、式IVの得られた化合物を適切な触媒の存在下、適切な有機溶媒中で環化させることにによって閉環して式Vの化合物を得る工程、及び式Vの得られた化合物を脱保護して式Iの化合物を得る工程を含む。
スキームI
Figure 0005190364
式中、可変基RA、R3、R4、D及びAは前記定義の通りであり、各R5は独立してH, C1-6アルキル及びC3-6シクロアルキルから選択され、及びPGNは適切な窒素保護基である。
本発明はスキームIに示されるような多工程合成方法を対象とし、同様に各反応工程及び中間物質(IV)及び(V)に関する。各反応工程の詳細は以下に述べる。
工程1 IIIからIVへの変換
工程1において、式IIIのジエン化合物中の第二級アミドの窒素原子を保護し、式IVの化合物を得る(前記PGNは窒素保護基である。)。
Figure 0005190364
式(III)中の各R5は独立してH、C1-6アルキル及びC3-6cシクロアルキルから選択され、好ましくはHから選択される。
式IIIの化合物の第二級アミドの窒素原子は、本発明の工程に適した任意の周知の窒素保護基を用いて保護しても良く、当該窒素保護基には以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない。すなわち、C1-6アルキル、C6又はC10アリール、C7-16アラルキル、-COOC1-6アルキル、-COC1-6アルキル、トリ-C1-6アルキルシリル及びホスフィンアミド類であって、前記のどのアルキル、アリール及びアラルキル基も、水酸基、C1-3アルコキシ及びトリ-C1-6アルキルシロキシから選択される1以上の置換基で任意に置換されていても良い。t-Boc(-COOt-Bu)又はDMb(-CH2-C6H3(OCH3)2)のような酸又は塩基による加水分解で容易に開裂できる基をPGNに選択することが好ましい。
この保護工程は、任意の従来の窒素保護プロトコル及び当該分野で公知の特定の窒素保護基が要求する条件で行われる。適切な方法は、たとえば、Protective Groups in Organic Synthesis第3版(1999) (John Wiley & Sons社 出版)第7章に記載の方法であっても良い。例えば、t-Bocが所望する窒素保護基である場合、対応する非置換ジエン化合物(III)をBoc2O及び触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)で処理すると、所望するt-Boc保護生成物が得られる。適切な保護方法は本願明細書の合成例のセクションにも記載されている。
工程2-IVからVへの変換
次の工程において、式IVの化合物を適切な触媒の存在下、適切な有機溶媒の存在下閉環し、大環状化合物Vを得る。
Figure 0005190364
この閉環工程に適切な閉環触媒は通常用いられるモリブデン系触媒(シュロック及び修飾シュロック触媒)及びタングステン系触媒と同様、ルテニウムを基礎とする触媒を含む。例えば、オレフィンメタセシス反応に使用される公知のいかなるルテニウム系触媒、例えばグラッブス触媒(Grubb's catalyst)(第一及び第二世代)、ホヴェイダ触媒(Hoveyda's catalyst)(第一及び第二世代)及びノーラン触媒(Nolan's catalyst)を、選択した特定の触媒によって、閉環が進行するようにするために必要な反応条件を適切に調節することにより使用することができる。
メタセシスの環化工程に適したルテニウム触媒にはRCM反応に有用な周知のルテニウム触媒が含まれ、例えば、式A、B、C、D又はEの化合物を含む。
Figure 0005190364
式中、
X1とX2は、それぞれ独立にアニオン性リガンドを表し、
L1は、ルテニウム原子に結合している中性電子供与リガンドを表し、かつ前記リガンドはフェニル基に結合してもよく、また、
L2は、ルテニウム原子に結合している中性電子供与リガンドを表し
また、R5 は、ベンゼン環上の1又は2以上の置換基から選択され、各置換基は独立して、水素、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、HS-C1-6アルキル、HO-C1-6アルキル、パーフルオロC1-6アルキル、C3-6 シクロアルキル、C1-6アルコキシ、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、イミノ、オキソ、チオ又はアリールから選択され、
X2及びL2は任意に、共にキレート二座配位子を形成してもよい。
より具体的な実施態様においては、ルテニウム触媒は式(A-1)及び(A-2)から選択される化合物である:
Figure 0005190364
(式中、
L1 は式PR3の三置換ホスフィン基であり、前記RはC1-6アルキル及びC3-8シクロアルキルから選択され、
L2は、PR3の式で表される三置換ホスフィン基であり、前記RはC1-6アルキル及びC3-8シクロアルキルから選択され、
又はL2は式A又はBの基であり、
Figure 0005190364
(式中、
R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子又はC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C6-12アリール又はC6-12 アリールC1-6アルキル基を表す。)及び、
R9及びR10はそれぞれ独立して水素原子又はC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C6-12アリール又はC6-12 アリールC1-6アルキル基を表し、それぞれ任意に水素、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、HS-C1-6アルキル、HO-C1-6アルキル、全フッ素化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、水酸基、ハロゲン、ニトロ、イミノ、オキソ、チオ又はアリールから選択される1、2、又は3つの基で置換され、
X1及びX2 はそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、
R5 は水素又はニトロを表し、及び
R6はC1-6 アルキル基を表す。)
他の実施例において、ルテニウム触媒は以下から選択される。
Figure 0005190364
(式中Phはフェニルであり、及びMes は2,4,6-トリメチルフェニルである。)
上に示したようなメタセシス環化工程のために有用なルテニウム系触媒は、すべて既知の合成技術により得られる既知の触媒である。例えば、適切なルテニウム系触媒の例については以下の文献を参照すること:
Organometallics 2002, 21, 671; 1999, 18, 5416; 及び 1998, 17, 2758;
J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 6543; 1999, 121, 791; 1999, 121, 2674; 2002, 124, 4954; 1998, 120, 2484; 1997, 119, 3887; 1996, 118, 100; 及び 1996, 118, 9606
J. Org. Chem. 1998, 63, 9904;及び1999, 64, 7202;
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1998, 37, 2685; 1995, 34, 2038; 2000, 39, 3012 及び 2002, 41, 4038;
米国特許第5,811,515; 6,306,987 B1;及び6,608,027 B1
当業者は、他の反応条件と同様、式IVの基質及び触媒の相対的な濃度を、どの特定の工程においても最適な結果を得ることができるように容易に調製することができる。
本発明の他の具体的実施態様において、閉環反応は約20℃〜約120℃の範囲内の温度の溶媒中で行う。閉環メタセシス反応に適したどの溶媒を使用しても良い。適切な溶媒の例にはn-ペンタン、n-ヘキサン又はn-ヘプタンなどのアルカン類、ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン又はジクロロエタンのような塩素化炭化水素類、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、3-メチル-テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルアルコールジオキサン、エチルアセテート及びtert-ブチルアセテートが含まれる。
本発明の他の具体的実施態様においては、閉環反応はジエン化合物(IV)の触媒に対するモル比の範囲が1000:1〜100:1、好ましくは1000:1〜250:1、とりわけ700:1〜330:1で行われる。
本発明の他の具体的実施態様においては、閉環反応はジエン化合物(IV)の溶媒に対する重量比の範囲が1:200〜1:4、好ましくは1:50〜1:7、とりわけ1:14〜1:7で行われる。
本発明の他の具体的な実施態様において、閉環反応はトルエン又はジクロロメタンのような適切な溶媒による触媒溶液を、妥当な時間枠内、好ましくは30分から2時間、継続的に添加することにより行われる。
当該分野における当業者は容易に、選択した特定の閉環触媒にとって適切な条件を選択し及び調節することにより、環化工程を容易に最適化することができる。例えば、選択した触媒に依存して環化工程を高温で、例えば90度を超える温度下で行うことが好ましい場合があるが、反応混合物にハロゲン化銅(CuX、式中Xはハロゲン)のような活性剤を加えることにより、より低い温度で行うことが可能となる。
この工程の具体的実施態様において、式(IV)の化合物を脱気した有機溶媒(トルエン又はジクロロメタンのような)に約0.22Mより低い濃度で溶解し、グレーラ触媒のようなルテニウム系の触媒で約40℃〜約110度の温度下で、反応が完了するまで処理する。一部又はすべてのルテニウム金属はTHP、イミダゾール、又は重金属を捕捉することで知られる他の薬剤等の適切な重金属捕捉剤で処理することにより反応混合物から除去する。反応混合物は続いて水で洗浄し、有機層を分離し洗浄する。得られた有機溶液にチャコールを添加し、続いてろ過することにより脱色してもよい。
一つの実施態様において、式(IV)のプロリン環の酸素は、従来の技術を用いた閉環工程の前はいかなるときも保護基(式中RA = O-PG)で保護されている。任意の適切な酸素保護基、例えば酢酸、ベンジルオキシ、安息香酸、パラ-ニトロ安息香酸、ナフトエ酸、ハロゲン化安息香酸、メトキシ安息香酸、フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、ピバロエート、クロトン酸、メチルカルボン酸、メトキシメチルカルボン酸、エチルカルボン酸、ハロゲン化カルボン酸、パラ-ニトロフェニルカルボン酸、トリイソプロピルシリル、トリエチルシリル、ジメチルイソプロピル、ジエチルイソプロピル、ジメチルセキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、ジ-t-ブチルメチルシリルブチルメチルシリル、トリス(トリメチルシリル)シリル、t-ブトキシメトキシフェニルシリル、t-ブトキシジフェニルシリル等を使用してもよい。
さらに、式(IV)のジエン化合物中に存在する他のアミン又はカルボン酸の基を、適切な従来の技術を用いた閉環工程の前の任意の時に、当該分野における従来の保護基と、既知の方法を用いて適切な保護基で保護しても良い。所望する付加する保護基の位置は、例えばR3部分(アミン保護)又はA部分(カルボン酸保護)を含む。アミン基はt-Bocのような従来の窒素保護基で、カルボン酸基はアルキルエステル類、アルキルアミド類及びニトリル基のような従来のカルボン酸基保護基で保護することができる。
他の実施態様において、メタセシス環化工程の前に環化反応を阻害するであろうすべての不純物を反応混合物から除去する為に式(III)のジエン化合物の溶液を精製することが望ましい。当該技術分野において当業者に周知の従来の精製方法を使用してよい。ある実施態様において、ジエン化合物の溶液は、環化工程において使用する前に、アルミナ、例えば活性化アルミナを用いて精製される。他の実施態様において、ジエン化合物は単一の溶媒又は1以上の溶媒を含む溶媒混合物を用いた適切な溶媒系から再結晶により精製される。
工程3-VからIへの変換
本工程において、式Vの化合物を窒素保護基PGNを除去し、式Iの化合物を得るため脱保護条件下で反応させる。
Figure 0005190364
この脱保護工程は、窒素保護基の除去のための、当該技術分野で周知のいかなる従来の脱保護プロトコルを用いて行ってもよい。適切な方法は、例えばGreene et al Protective Groups in Organic Synthesis第3版 (1999) (John Wiley & Sons社出版)第7章に見いだすことができる。例えば、化合物(V)のt-Boc窒素保護基は、化合物(V)を酸で処理することにより除去できる。好ましい酸は塩酸、臭化水素酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸である。
式(I)の生成物を得るための手順である特定の閉環後の工程により、閉環した生成物中に存在するすべての付加した保護基(例えば式中、RAが保護された水酸基(O-PG)、Aが保護されたカルボン酸基、又はR3がアミノ保護基を有する場合である)、についても除去することが望ましい。これらの化合物(V)中に存在する他の保護基の除去は、閉環工程に続いて任意の時、すなわちPGN基 (工程3中)の除去の前、間、後にも行うことが出来、又はもっと後の化合物(I)の下流の処理中にも行うことができる。そのような他の保護基の除去は当該技術分野で周知の特定の保護基を除去する為の任意の従来の脱保護プロトコールを用いて行うことができる。例えば、t-Boc窒素保護基、アセチル酸素保護基、及びカルボン酸のメチルエステル保護基を同時に除去する為のプロトコルは、以下に示す合成実施例の項に見出すことができる。
式IV、V及びI に表される追加の実施態様
製造方法の特定の実施態様において、下記定義を有する式Iの化合物が調製される。
RAは水酸基、O-PG(PGは保護基)又は-OSO2-R27(式中R27はp-トリル、p-ブロモペンチル、p-ニトロフェニル、メチル、トリフルオロメチル、ペルフルオロブチル及び2,2,2-トリフルオロエチルから選択される)から選択され、
又はRA は式IIで表される基であり、

Figure 0005190364
(式中、
WはNであり、
L0はH、C1-6アルキル、C1-6 アルコキシ、水酸基、クロロであり、
L1及びL2はそれぞれ独立してH、ハロゲン又はC1-4アルキルであり、
R22はH、C1-6 チオアルキル、C1-6アルコキシ、フェニル又は以下に示す式
Figure 0005190364
からなる一群から選択されるHetであり、
式中R24はH、C1-6 アルキル、アルキル、NH-R25、NH-C(O)-R25、NH-C(O)-NH-R25(式中各R25 は独立してH、C1-6 アルキル又はC3-6シクロアルキルである)であり、
又はNH-C(O)-OR26(式中 R26はC1-6アルキルである)又は、
R3はN(R*)-C(O)-OR20 (式中R*はH又は保護基である)及びR20はC1-6 アルキル又はC3-6シクロアルキルであり、
Dは任意に、O、S又はN-R27(式中R27はH、C1-6アルキル又はC2-7アシルである)から独立して選択される1又は2個のヘテロ原子を含む4〜6原子の飽和アルキレン鎖であり、
R4はH又はC1-6アルキルであり、
及びAはカルボン酸又は医薬的に許容可能なその塩又はエステルである。)
工程の他の特定の実施態様において、式Iの化合物が調製されており、実施態様中、
RAはOH、O-PG(PGは保護基である)又は-OSO2-R27(式中、R27 はp-トリル、p-ブロモフェニル、p-ニトロフェニル、メチル、トリフルオロメチル、ペルフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロエチルから選択されるである)であり、
R3はN(R*)-C(O)-OR20(式中、R20はブチル、シクロブチル又はシクロペンチルである)及びR*はH又は保護基であり、
R4はH又はC1-6アルキルであり、
Dは5原子-飽和アルキレン鎖であり、及び、
Aはカルボン酸又は医薬的に許容可能なその塩又はエステルであり、
工程の他の具体的な実施態様において、式Iの化合物が調製されており、実施態様中、
RAはOH、p-ニトロベンゾイルオキシ、t-ブチルジメチルシリルオキシ、アセチルオキシ及び-OSO2-R27、 (R27はp-ブロモフェニルである)から選択され、
R3はN(R*)-C(O)-OR20 (R20はシクロペンチルである)及びR*はH又は保護基であり、
R4はH又はC1-3アルキルであり、
Dは5-原子飽和アルキレン鎖であり、及び
Aはカルボン酸又は医薬的に許容可能なその塩又はエステルである。
本発明の方法により調製される式Iの化合物の具体例は以下の合成実施例の項に記載され、また米国特許第6,608,027 B1及び米国出願公開第2003/0224977 A1、2005/0080005 A1 及び2005/0049187 A1にも記載されている。
本発明の方法において調製され、及び使用される式(IV)及び(V)の中間化合物の具体的な実施態様には、上記式(I)の多様な具体的実施例に対応するものが含まれるが、窒素保護基(PGN)を第二級アミドの窒素原子に有する態様である。好ましいPGN基は-COOC1-6アルキルであり、より好ましくはtert-ブチルオキシカルボニル (t-Boc)である。式(IV)中の好ましいR5基は水素である。
出発物質の調製
出発物質として使用する式(III)のジエン化合物は市販原料から当該分野において記載されている従来方法を用いて得る。例えば、米国特許第6,608,027 B1及び米国出願公開第2003 /0224977 A1、2005/0080005 A1及び2005/0049187 A1を参照すること。
以下の反応系列は式IIIの特定の中間化合物(式中RAが式IIの基である。すなわち式IIIAの化合物)を調製するもう一つの代替方法を提供する。
(i)式(2)の化合物を式(3)の化合物と反応させ、式(4)の化合物を得る。
Figure 0005190364
式中PGはアミノ保護基であり、Xはハロゲン原子及びQは以下の式の置換基である。
Figure 0005190364
(ii)式(4)の化合物を式(5)の化合物と反応させ、式(6)の化合物を得る:
Figure 0005190364
式中Aは式C(O)-NH-R11のアミド(R11は式Iで定義したとおりである)であり、
又はAは保護されたカルボン酸基である。
(iii)式(6)中の窒素保護基を除去し、式(7)の化合物を得る:
Figure 0005190364
(iv)式(7)の化合物を式(8)の化合物と反応させ、式(IIIA)の化合物を得る:
Figure 0005190364
工程(i)
式(2)及び(3)の化合物間のカップリング反応は、典型的には適切な溶媒中で、塩基の存在下行われる。この反応に適切な塩基の例にはt-BuOK、t-BuONa、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム塩、KDMOが含まれ、t-BuOKが好ましい塩基である。この反応に適切な溶媒の例には極性非プロトン性溶媒(例えばDMSO、DMF、NMP)又は他の一般的な極性非プロトン性溶媒が含まれる。
アミノ保護基PGは当該技術分野において周知の任意の適切なアミノ保護基であってもよい。 例えば、WO 00/09543, WO 00/09558に記載されているものを参照してもよい。使用される保護基の典型例はBoc又はCBZ基のようなカルバメート保護基である。
式(3)中のX基は任意のハロゲン原子であるが、塩素であることが好ましい。
出発物質として使用される式(2)の化合物は例えばBoc-4(R)-ヒドロキシプロリンのように市販されているか、既知の材料から、従来技術を用いて調製することができる。ある実施例においては、式(II)の化合物は式(X)の4-ヒドロキシプロリン化合物のアミノ-保護により調製できる。

Figure 0005190364
(X) (2)
第一の工程においては、従来の方法を使用して、適切なアミノ-保護基が式(X)の4-ヒドロキシプロリン化合物の環窒素原子上に導入される。例えば、式(X)の化合物を適切な溶媒に溶解して、適切なアミノ-保護基導入剤と反応させることができる。例えば、この範囲に限定することを意図するものではないが、Boc(tert-ブチルオキシカルボニル)が所望の保護基である場合、化合物(X)をアセトン/水、MIBK/水又はTHF/水などの溶媒混合物中で無水Boc2O(又はBoc-ON)と反応させ、そこにNaOH、KOH、LiOH、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、又はN-メチル-ピロリジンなどの塩基が加えられる。当該反応は20〜60℃の温度で行われる。
式(3)のハロゲン-置換キノリン化合物は、対応する下記式(III')のヒドロキシル-置換キノリン化合物から、技術分野に知られる様々なハロゲン化剤を様々な条件下で使用して、周知のハロゲン化手順に従うことによって調製することができる。そのようなハロゲン化剤の例としては、広く使用される POX3 及び PX5(X=F、Cl、Br 又は I)が挙げられ、ここでこれらのハロゲン化剤は、いくつかのケースにおいては溶媒として、又は極性非プロトン性溶媒(例えばDMF又はアセトニトリルなど)と組み合わせて使用し得る。
Figure 0005190364
使用し得るハロゲン化条件の例については以下を参照すること:
塩素化: Outt, P. E. et al, J Org Chem 1998, 63 (17), 5762-5768及びその引用の文献を参照
臭素化: Nakahara, S. et al, Tetrahedron Lett 1998, 39 (31), 5521-5522及びその引用の文献を参照
付加溶媒: Nomoto, Y.; et al, Chem Pharm Bull 1990, 38 (8), 2179-2183
式(3')の水酸基-置換キノリン化合物は市販原料からWO 00/59929、WO 00/09543 及びWO 00/09558、米国特許第6,323,180 B1、米国特許第6,608,027 B1及び米国特許出願公開第2005/0020503 A1に記載されている方法を用いて合成することができる。
工程(ii)
この工程において、式(4)及び(5)の化合物は周知のペプチドカップリング法により互いに結合する。例えば、WO 00/09543、WO 00/09558及びUS 6,608,027 B1に開示された手法を参照されたい。式(4)及び(5)の化合物間のペプチドカップリングは例えば、当該技術分野で既知の多様な条件下、非プロトン性の溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、THF、DMF、NMP、DMSO)中で従来のペプチドカップリング剤(DCC、EDC、TBTU、HBTU、HATU、DMTMM、HOBT又はHOAT)を用いて得ることができる。
式(5)の化合物はWO 00/09543、WO 00/09558、及びUS 6,608,027 B1から既知であり、それらに記載されている通りに調製してもよい。
工程(iii)
この、式(6)の化合物中の窒素保護基の開裂工程は周知の方法、例えばWO 00/09543、WO 00/09558及びUS 6,608,027 B1に記載されている方法で果たすことができる。具体的な実施態様において、この工程は、多様なプロトン又は非プロトン性の溶媒(例えばアルコール類、エーテル、トルエン、ACN又はDCMのような)中での、有機又は無機酸(例えばHCl、H2SO4、TFA、AcOH、MeSO3H、PhSO3H、TsOHのような)を用いた、式(6)の化合物の酸加水分解を含む。
工程 (iv)
本工程においては、式(7)及び(8)の化合物を、上記式(4)及び(5)のペプチドカップリングの為の工程(ii)におけるものと同様の周知のペプチドカップリング方法により、互いに結合させる。
出発物質として使用する式(8)の置換酸化合物は米国特許第6,608,027 B1より既知であり、文献記載の方法により、市販原料から得ることができる。
後処理工程
式(I)の大環状化合物を得るための反応工程の後、さらに他の式(I)の化合物を得るための反応工程がありうる。例えば式(I)中のRAがOH、O-PG(PGは保護基である)又は-OSO2-R27 である場合、当該化合物は米国特許第6,608,027 B1及び米国出願第2003/0224977 A1、2005/0080005 A1 及び2005/0049187 A1に十分に開示されている方法で、式中のRAが式(II)である他の式(I)の化合物に変換することができる。
これらの参照特許文献に十分に記載されているように、例えば式中RAがOH又は-OSO2-R27である式(I)の化合物を式(VI)の化合物と反応させ、式中RAが式(II)の基である式(I)を得ることができる。
Figure 0005190364
他の態様において以下の反応スキームに示すように、式(I)の化合物(式中RAはOHである)は、スルホン化化合物QUIN と反応し、式(I)(式中RAは式(II)である)が得られる。
Figure 0005190364
QUIN中のスルホニル基上のR基は、例えばC1-6アルキル、C6又はC10アリール又はヘテロアリールを含む。R基はフェニルであることが好ましい。
式(I)の化合物及びQUIN間のカップリング反応は塩基の存在下、適切な溶媒中で典型的方法により行われる。本反応に適切な塩の例にはt-BuOK、t-BuONa、t-BuOCs、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド及びKDMOが含まれ、t-BuOK及びKDMOが好ましい塩基である。本反応に適切な溶媒の例は極性の非プロトン性溶媒であり、例えばDMSO、DMF、NMP又は他の一般的な極性の非プロトン溶媒、加えてTHF及び他の適度に極性のエーテルである。好ましい溶媒はDMSOである。
好ましい反応温度は0℃〜50℃ (溶媒の凝固点に依存する)であり、最も好ましくは10℃〜25℃である。
本工程の他の好ましい実施例において、以下の一連の反応条件を使用する。フラスコに大環状分子(I)及びQUINを入れ、窒素で3回パージ(purge)し、DMSOをシリンジで添加する。混合物を再び窒素で3回パージし、温度を20度に調製する。その後、スラリーに50% KDMO/ヘプタンを1時間かけてシリンジポンプで加える。得られた混合物を窒素雰囲気下、20℃2時間攪拌する。その後混合物に氷酢酸を滴下することにより反応を停止し、混合物を攪拌する。反応混合物をゆっくりと水に加え、沈殿物を得る。その後スラリーを攪拌し、ろ過し、固化させ、水、続いてヘキサンで洗浄し、固体を乾燥させる。
Aが、式(I)における保護されたカルボン酸基、例えばカルボン酸エステル基である場合、式(I)の化合物は対応するフリーのカルボン酸化合物を得るために任意で脱保護(加水分解)条件に供される。加水分解は当該技術分野で知られている従来の加水分解条件を用いて行われる。
以下のスキームIIに概要を示すように、スルホン化した出発物質QUINは既知の材料から調製することができる。
スキームII
Figure 0005190364
これらの水酸基置換キノリン類IIは、はじめにハロ-キノリン化合物III(式中Xはハロゲン)に変換し、続いて、一般に使用されるPOX3及びPX5(式中X=F、Cl、Br又はI)のような多様なハロゲン化剤を使用した周知のハロゲン化工程(当該工程においてこれらの試薬はある場合は溶媒として、又はDMF又はアセトニトリルのような極性非プロトン性溶媒と組み合わせて使用することができる)、その後ハロゲン化化合物IIIを、PhSO2Naのようなスルフィン酸塩RSO2M(Mはアルカリ金属)と反応させることにより、目的化合物であるスルホンキノリンQUINに変換することによってスルホンキノリンQUINに変換することができる。
その代わりに、最初にベンゼンスルホニルクロライド又はトシルクロライドのようなアレーンスルホニルクロライドRASO2Cl(式中RAは電子豊富なアレーン基である。)化合物と、適切な塩基の存在下、適切な溶媒中反応させ、中間化合物であるスルホン酸塩を生産し、IIを一工程(one-pot procedure)でスルホンキノリンに変換することができる。この工程に適切な塩基はN-メチルピロロリジン及びジイソプロピルエチルアミンのような第4級アミン塩基であり、適切な溶媒にはアセトニトリル、THF、トルエン及びDMF非プロトン性の溶媒が含まれ、好ましくはアセトニトリルである。得られた化学種は酸性条件下(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸などの存在下、好ましくは酢酸存在下)in situでPhSO2Na又はPhSO2Kのようなスルフィン酸塩RSO2M(Mはアルカリ金属)と適切な反応温度、例えば0〜100℃の範囲で、好ましくは25〜50℃で反応させる。スルホンキノリン生成物は反応混合物から当該分野の当業者に周知の従来方法により単離することができる。一つの実施態様において、スルホンキノリンは溶液を室温まで冷却し、水を加えることにより結晶化させることができる。結晶化した生成物はろ過し、従来法を用いてすすぎ、洗浄する。
式(II)の水酸基置換キノリン化合物は市販材料から、例えばWO 00/59929、WO 00/09543及びWO 00/09558、米国特許第6,323,180 B1、米国特許第6,608,027 B1及び米国出願公開第2005/0020503 A1に記載された方法を用いて合成することができる。
(合成実施例)
実施例1〜7:置換及び非置換基質を用いた閉環工程の比較
以下の実施例は閉環工程において本発明の窒素置換基質の使用により、非置換基質の使用に対して得ることができる改善された結果を実証する為に示すものである。すべての実施例にわたり、基質濃度を増加させた場合であっても、より高い収量が得られることが実証された。
実施例1:p-ニトロベンゾイル基質1a及び1b
Figure 0005190364
実施例2:t-ブチルジメチルシリル基質1c及び1d
Figure 0005190364
実施例3:アセチル基質1e及び1f
Figure 0005190364
実施例4:ブロモフェニルスルフォニル基質1g及び1h
Figure 0005190364
実施例5:ヒドロキシ基質1i及び1j
Figure 0005190364
実施例6:シスp-ニトロニトロベンジル基質1k及び1l
Figure 0005190364
実施例7:ベンジル基質1m及び1n
Figure 0005190364
RCM(Ring Closing Metathesis:閉環メタセシス)実施例1-7の一般的工程
ジエン(10mmol、1.0eq)及び適切な量のトルエン(所望するジエン濃度に対応する)を反応容器中で混合しN2で30分間脱気する。反応溶液を110℃まで加熱し、Ru触媒(14mg in 3mL無水トルエン溶液、0.2%)を15分間かけて加える。15分後、試料を採り、HPLCでチェックする。変換が95%以下なら、さらに一回あたり、Ru触媒(14mg in 3mL無水トルエン溶液、0.2%)を15分間かけて加える。15分後、試料を採り、HPLCでチェックする。変換が95%以下なら、さらにの濃度で溶解したものを変換が95%に達するまで加える。基質1m-1nについては、触媒は1mol%ずつ完全に変換されるまで加える。イミダゾール(0.28g又は0.56g(Ru触媒の第2のポーションが加えられた場合))を反応に加え、80℃で2時間攪拌し、HCl(1M水溶液、30mL又は60mL(Ru触媒の第2のポーションが加えられた場合))及びH2O(2×30mL又は60mL(Ru触媒の第2のポーションが加えられた場合))で抽出する。有機層は〜20mLになるまで蒸留し、チャコール4gと珪藻土1gを含む漏斗(内径2インチ)を3回循環させる。溶液を濃縮しカラムクロマトグラフィーで精製し、所望する大環状分子を一定の収量で得る。
実施例8: 実施例1〜7で使用する基質の調製
基質1a、1c、1e、1g、1i、1k、1m及び1nの調製
Figure 0005190364

Figure 0005190364

Figure 0005190364
非置換性のトリペプチド1b、1d、1f、1h又は1lをBoc2O及び触媒量のDMAPで処理することにより、所望する生成物を良好あるいは非常に良好な収率でで得ることができる。ジ-Bocジエン化合物1e'は1f を過剰量のBoc2O及びDMAPで処理して調製する。ジエン1iは、Boc-保護から直接調製することができないので、化合物1cの酸加水分解を使用する。ジベンジル基質の1mは2.2eqのBuLiを用いた1jの脱保護、続いて3.0eqのBnBrと反応させることにより調製する(クロマトグラフィー後、収率15%)。Bn置換1nは1jを1.1eqのBuLiで処理し、続いて2.0eqのBnBrで処理することにより調製する(クロマトグラフィー後、収量35%)。
Figure 0005190364
実施例9: 例1〜3において調製した式2a、2c及び2e の大環状化合物の脱保護。
大環状化合物2a、2c及び2eを酸で処理し、続いて塩基で処理することにより脱保護する。
Figure 0005190364
実施例10: 調製例-化合物3
1. OH-ジエン基質(115g、1.0eq)、DMAP(2.7g、0.1eq)、Et3N(34g、1.2eq)及びトルエン450mLを反応容器に加える。反応液を5℃まで冷却し及びAc2O(27g、1.1eq)を10分間かけて添加した。1時間後、5-10℃で5gのH2Oを加え、続いて0℃で、NaOH溶液(16g in 200g H2O)を20分かけて添加した。水層を取り除き、有機層をNaHCO3溶液(10g in 200g H2O)で洗浄した。水槽を取り除き、有機層を30分かけて300mLまで蒸留した。DMAP(8.1g、0.3eq)を加え、続いてEtOAc200mLを加えた。10℃で、Boc2O(65g、1.3eq)のEtOAc(100mL)溶液を30分かけて加えた。反応溶液は1.5時間かけて室温まで温める。その後0℃まで冷却し、HCl溶液(20mL 37% HCl in 230mL H2O)を5分間かけて加える。水層は除去し、有機層は200mLのH2Oで2回洗浄する。有機層は蒸留し、残った溶液(〜230g)を90度まで熱する。100mLのトルエン及び1Lのヘプタンを加え、得られた溶液を1時間かけて室温まで冷却し、40℃で種晶を入れ、室温で1時間攪拌する。得られた固体物はろ過し、200mLのヘプタンで洗浄する。収量は134g(90%)である。
Figure 0005190364
2.最後の工程で得られた化合物1e(45g、1.0eq)及びトルエン800mLを反応容器中で混合し、30分間脱気する。反応溶液は110℃まで熱し、Ru触媒(55mg in 11mL無水トルエン、0.1%)を15分かけて加える。15分後、HPLCにより反応が完了したことが示された(>99%変換、93%収率)。1.1gのイミダゾールを加え、反応溶液を80℃で2時間攪拌し、100mLのHCl(1M水溶液)及びH2O(2x100mL)で抽出する。有機層を〜200mLまで蒸留し、チャコール18gと珪藻土5gを含む漏斗(内径5インチ)を3回循環させる。
Figure 0005190364
3.上記工程から得た2eのトルエン溶液(〜200mL)を〜50mLまで蒸留する。100mLのメタノールを加え、得られた溶液を蒸留する。溶媒交換を3回繰り返す。メタノール200mL及びHCl(12M、40mL)を加え、得られた溶液を60℃で6時間攪拌し、その後0℃まで冷却する。NaOH(50g in 100mLH2O)をゆっくりと30分かけて加え、反応溶液を30℃2時間攪拌する。溶液を0℃まで冷却し、HCl(12M、80mL)を30分かけて加える。200mLのEtOAcを加え、水層を除去する。有機層を100mLのH2Oで2回洗浄し、〜80mLまで濃縮する。15mLCHCl3を攪拌しながら加える。2分後、沈殿(3のCHCl3との溶媒和化合物)をろ過した(32.5gが3の26gに対応する。RCM全体+加水分解の収率80%)。

Claims (6)

  1. 下記の式Vで表される化合物。
    Figure 0005190364
    (式中RAがOH、p−ニトロベンゾイルオキシ、t-ブチルジメチルシリルオキシ、アセチルオキシから選択され、
    R3がNH-C(O)-OR20(R20はシクロペンチル)であり、
    R4がH又はC1-3アルキルであり、
    Dが5-原子飽和アルキレン鎖であり、
    Aがカルボン酸又は医薬的に許容可能なその塩又はエステルであり、及び
    PGNtert−ブチルオキシカルボニルである。)
  2. 適切な触媒の存在下、適切な有機溶媒中で、式IVの化合物を閉環し、大環式化合物Vを得る工程を含む、請求項1記載の式Vの化合物の製造方法:
    Figure 0005190364
    (式中、RA、R3、R4、D、A及びPGNは請求項1で定義した通りであり、式IV中の各R5は独立して、H、C1-6アルキル及びC3-6シクロアルキルから選択される。)であって、
    触媒が式A-1
    Figure 0005190364
    (式中、
    L2は式PR3の三置換ホスフィン基であり、前記RはC1-6アルキル及びC3-8シクロアルキルから選択され、
    又はL2は式A又はBの基であり、
    Figure 0005190364
    (式中、
    R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子又はC1-6アルキル、C2-6 アルケニル、C6-12アリール又は C6-12アリールC1-6アルキル基を表し、
    R9及びR10はそれぞれ独立して水素原子又はC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C6-12アリール又はC6-12アリールC1-6アルキル基を表し、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、HS-C1-6アルキル、HO-C1-6アルキル、全フッ素化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、水酸基、ハロゲン、ニトロ、イミノ、オキソ、チオ、又はアリールから選択された1、2又は3個の基で置換され、
    X1及びX2はそれぞれ独立してハロゲン原子を表し、
    R5は水素又は窒素を表し、
    R6はC1-6アルキル基を表す。)。
  3. 触媒が以下の化合物から選択される請求項2記載の方法:
    Figure 0005190364
    Figure 0005190364
    (Mesは2,4,6-トリメチルフェニルを表す。)。
  4. 請求項1記載の化合物(V)を使用する、下記の式Iの化合物の製造方法であって、前記方法が化合物Vを脱保護し、式Iの化合物を得ることを含む方法:
    Figure 0005190364
    (式中、RA、R3、R4、D、A及びPGNは、請求項1で定義されたとおりである。)。
  5. 下記の式(IV)の化合物。
    Figure 0005190364
    RAがOH、p-ニトロベンゾイルオキシ、t-ブチルジメチルシリルオキシ、アセチルオキシから選択され、
    R3がNH-C(O)-OR20(R20はシクロペンチルである)であり、
    R4がH又はC1-3アルキルであり、
    各R5がそれぞれ独立してHから選択され、
    Dが5-原子飽和アルキレン鎖であり、
    Aがカルボン酸又は医薬的に許容可能なその塩又はエステルであり、
    PGNがtert-ブチルオキシカルボニルである。)
  6. 請求項5記載の式IVの化合物を調製するための方法であって、前記方法が化合物IIIをBoc2O及び触媒量のジメチルアミノピリジン(DMAP)で処理することを含む方法。
    Figure 0005190364
    (式中RA、R3、R4、R5、D、A、及びPGNは請求項5において定義されている通りである。)
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