JP5189355B2 - ハンマ位置決定装置 - Google Patents

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Description

この発明は、破砕機におけるハンマ配置を最適化するためのハンマ配置決定装置に関する。
塵芥、ガラス、金属片等の廃品を破砕する破砕機が知られている。このような破砕機においては、回転体の周囲に配置された複数のハンマが回転することによって、破砕機内に投入された各種廃品を順次破砕することができる。そして、破砕機に配置される各ハンマは、衝突によって摩耗が生じた場合に交換を要するため、通常は脱着可能に構成されている(例えば、特許文献1または特許文献2参照。)。
実開平4−51875号
特開2006−247519号
破砕機の回転体の所定位置に各ハンマを配置する場合、その重心が回転軸と一致するように配置することが理想的である。一致しない場合(特に不一致の程度が大きい場合)、重量バランスの狂いにより回転軸が安定せず騒音や振動が発生し、破砕機故障の原因ともなり得るからである。
しかし、各ハンマを等角位置に配置できたとしても、実際には、その重心が回転軸と必ずしも一致しない。なぜなら、ハンマの製作精度や材質等により、各ハンマの重量値に差が生じるからである。また、破砕機の使用によりハンマが摩耗することによって、各ハンマの重量値に差が生じることもあり得る。
したがって、ハンマの取り付け工程やメンテナンス工程においては、各ハンマの重量値を正確に計測した上で、配置後におけるハンマの重心が回転軸になるべく一致するように、バランスを考慮した計算を行い、各ハンマの最適な配置位置を決定しなければならない。
しかしながら、上記のような計算を人手によって行おうとすると、作業に時間がかかり効率的に破砕機を稼働することができないという問題がある。例えば、ハンマの取り付け位置が32箇所ある破砕機において、32個の異なる重量のハンマを取り付ける場合のハンマ配置方法は、約263×1033(32!=32×31×30×…×2×1)通り存在するため、その計算量は膨大になる。
また、ハンマ配置を人為的に計算する場合、計算ミスが発生したり、作業者間において計算方法が異なるため、メンテナンスレベルを一定に維持することが困難であるという問題も生じる。さらに、都心部のごみ処理場等に設置された破砕機においては、稼働時間の低下を防ぐ観点から、メンテナンスに多くの時間をかけられないという問題もある。
この発明は、上記のような問題点を解決するため、破砕機における最適なハンマ配置を自動計算して、ハンマ交換における作業効率を向上させることのできるハンマ配置決定装置の提供を目的とする。
(1)(2)この発明のハンマ配置決定装置は、
回転軸および、当該回転軸を中心に回転する複数の回転板であって、各回転板の外周側には少なくとも2以上のハンマ取付位置が設けられ、各回転板における各ハンマ取付位置と他の回転板のハンマ取付位置とが互いに同一直線上に位置するように設けられることによって1つの列を形成する複数の回転板を備えた破砕機のためのハンマ配置決定装置であって、
前記ハンマ取付位置に取り付けられる各ハンマの重量を取得するハンマ重量取得手段と、
前記ハンマ重量取得手段において取得した各ハンマの重量に基づいて、前記ハンマ取付位置に取り付けられる各ハンマの重量を列毎に加算して得られる列重量と、いずれかの他列における列重量との差が少なくなるように、各ハンマの配置を決定するハンマ配置決定手段と、
を備えたことを特徴とする。したがって、破砕機における最適なハンマ配置を自動計算して、ハンマ交換における作業効率を向上させることができる。
(3)この発明のハンマ配置決定装置においては、
ハンマ配置決定手段は、
各ハンマの重量値の順に基づいて、各ハンマをいずれの回転板のいずれのハンマ取付位置に予め配置しておくべきかを示した仮配置テーブルにしたがって、各ハンマを仮配置するハンマ仮配置手段を含むこと
を特徴とする。したがって、簡単な方法で入れ替え処理を効率的に行うことができる。例えば、破砕機の種類等に応じてハンマ取付位置を決定しておき、この取付位置における仮配置テーブルを用いることで、破砕機ごとに適切なハンマ配置処理を実行することができる。また、仮配置によってハンマ配置バランスが最適化された場合には処理を迅速に終了することができ、最適化されない場合であっても、ハンマ配置バランスは既にある程度最適化されていることにより、次の入替処理を行う場合には、入替の回数を少なくすることができる。
(4)この発明のハンマ配置決定装置においては、
ハンマ配置決定手段は、
列毎にハンマ取付位置に取り付けられる各ハンマの重量を加算して列重量を算出するとともに、各列の列重量から他列の列重量を減算して、各列毎に列重量差を算出する列重量差算出手段と、
対象列に含まれるハンマと他列に含まれるハンマを入れ替えると、当該対象列における列重量差の絶対値が現状より小さくなるようなハンマであって、所定条件をみたすハンマが前記他列に存在すると判断した場合には、当該対象列に含まれるハンマと当該他列に含まれるハンマとを入れ替えるハンマ入替手段を含むこと
を特徴とする。したがって、列ごとのバランスを考慮して、破砕機における最適なハンマ配置を自動計算することができる。
(5)この発明のハンマ配置決定装置においては、
列重量差算出手段は、各列の列重量からその対角列の列重量を減算して、各列毎に列重量差を算出すること
を特徴とする。したがって、対角列同士の相対的なバランスを考慮して、破砕機における最適なハンマ配置を自動計算することができる。
(6)この発明のハンマ配置決定装置においては、
ハンマ入替手段は、対象列に含まれるハンマと、その対角列に含まれるハンマとを入れ替えるか否かを判断する対角列入替手段を含むこと
を特徴とする。したがって、重心バランスに最も影響を与えやすい1組の列に含まれるハンマ同士を入れ替えて、破砕機における最適なハンマ配置を自動計算することができる。なお、対角列入替手段は、上述した仮配置手段の次に簡単な最適化方法であり、以下に示す非対角列入替手段のように複雑なアルゴリズムを用いない。このため、対角列入替手段においてハンマ配置バランスを最適化できれば処理を迅速に終了できる。
(7)この発明のハンマ配置決定装置においては、
前記対角列入替手段は、前記対象列における列重量差を、前記対象列に含まれるハンマの重量値から減算して得られた値と、前記対象列に含まれるハンマの重量値との間に存在する値となる重量値を有するハンマを入れ替えの対象とすること
を特徴とする。したがって、重心バランスのためにハンマ同士を入れ替える場合において、バランスが向上する方向にのみ変更することができる。
(8)この発明のハンマ配置決定装置においては、
対角列入替手段は、対象列における列重量差の2分の1の値を前記対象列に含まれるハンマの重量値から減算して得られた値に最も近似する重量値を有するハンマを他のハンマよりも優先して入れ替えの対象とすること
を特徴とする。したがって、入れ替え処理における無限ループを回避して、迅速に最適値を求めることができる。
(9)この発明のハンマ配置決定装置においては、
ハンマ入替手段は、対象列に含まれるハンマと、その対角列以外の列である非対角列に含まれるハンマとを入れ替えるか否かを判断する非対角列入替手段を含むこと
を特徴とする。したがって、少なくとも重心バランスに影響を与える列に含まれるハンマ同士を入れ替えて、破砕機における最適なハンマ配置を自動計算することができる。また、非対角列入替手段の実行により、上記対角列入替手段によって最適化を十分に行いきれない場合であっても、さらに入替の対象を広げて確実かつ高精度にロータバランスを最適化することができる。
(10)この発明のハンマ配置決定装置においては、
非対角列入替手段は、
対象列における列重量差が正の場合であって、かつ、その非対角列における列重量差が負の場合には、前記対象列における列重量差の絶対値またはその非対角列における列重量差の絶対値のいずれか小さい方の2倍の値を、前記対象列に含まれるハンマの重量値から減算して得られた値と、前記対象列に含まれるハンマの重量値との間に存在する値となる重量値を有するハンマを入れ替えの対象とし、
対象列における列重量差が負の場合であって、かつ、その非対角列における列重量差が正の場合には、前記対象列における列重量差の絶対値またはその非対角列における列重量差の絶対値のいずれか小さい方の2倍の値を、前記対象列に含まれるハンマの重量値に加算して得られた値と、前記対象列に含まれるハンマの重量値との間に存在する値となる重量値を有するハンマを入れ替えの対象とすること
を特徴とする。したがって、重心バランスのためにハンマ同士を入れ替える場合において、バランスが向上する方向にのみ変更することができる。
(11)この発明のハンマ配置決定装置においては、
非対角列入替手段は、
対象列における列重量差が正の場合であって、かつ、その非対角列における列重量差が負の場合には、前記対象列における列重量差の絶対値およびその非対角列における列重量差の絶対値を加算して2で除算した値を、前記対象列に含まれるハンマの重量値から減算した値に最も近似する重量値を有するハンマを他のハンマよりも優先して入れ替えの対象とし、
対象列における列重量差が負の場合であって、かつ、その非対角列における列重量差が正の場合には、前記対象列における列重量差の絶対値およびその非対角列における列重量差の絶対値を加算して2で除算した値を、前記対象列に含まれるハンマの重量値に加算した値に最も近似する重量値を有するハンマを他のハンマよりも優先して入れ替えの対象とすること
を特徴とする。したがって、入れ替え処理における無限ループを回避して、迅速に最適値を求めることができる。
(12)この発明のハンマ配置決定装置においては、
非対角列入替手段は、前記対角列入替手段を実行した後に実行されること
を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
を特徴とする。したがって、重心バランスに影響を与えやすい順に処理を行い、効率的に入れ替え処理を行うことができる。
(13)この発明のハンマ配置決定装置においては、
ハンマ仮配置手段は、前記ハンマ入替手段を実行する前に実行されること
を特徴とする。したがって、ハンマ入れ替え処理の処理速度を向上させることができる。
(14)この発明のハンマ配置決定装置においては、
ハンマ配置決定手段は、
対象列に含まれるすべてのハンマと対角列に含まれるすべてのハンマを入れ替えると、当該対象列を含む複数の列における列重量差の合計の絶対値が現状より小さくなるような対角列であって、所定条件をみたす対角列が存在すると判断した場合には、当該対象列と当該対角列をそのまま入れ替えるハンマ列全体入替手段を含むこと
を特徴とする。したがって、複数のハンマによるハンマ列全体同士を比較して入れ替えることができる。これにより、上記対角入替手段および非対角列入替手段によって最適化を十分に行いきれない場合であっても、全体として確実かつ高精度にロータバランスを最適化することができる。
(15)この発明のハンマ配置決定装置においては、
ハンマ列全体入替手段は、ハンマ入替手段を実行した後に実行されること
を特徴とする。したがって、破砕機全体としての重量バランスを最終調整することができる。
(16)この発明の物体配置決定方法は、
少なくとも2以上の物体が互いに同一直線上に位置するように設けられることによって1つの列を形成し、当該列が少なくとも2以上存在する場合における物体配置決定方法であって、
各物体の属性を取得する属性取得ステップと、
列毎に、各列における各物体の属性に基づいて、列属性を算出するとともに、各列の列属性および他列の列属性に基づいて、各列毎に他列に対する列属性差を算出する列属性差算出ステップと、
対象列に含まれる物体と他列に含まれる物体を入れ替えると、当該対象列における列属性差の絶対値が現状より小さくなるような物体であって、所定条件をみたす物体が前記他列に存在すると判断した場合には、当該対象列に含まれる物体と他列に含まれる物体とを入れ替える物体入替ステップと、
を実行することを特徴とする。したがって、各列に含まれる物体を入れ替えて、各列間における物体の配置バランスを最適化することができる。
[請求項の用語]
(A)ハンマ配置決定装置のハンマ重量取得手段は、実施形態においては、図3のステップS301およびS303の機能がこれに該当する。ハンマ配置決定手段は、実施形態においては、図3のステップS305〜S317の処理がこれに該当する。列重量差算出手段は、実施形態においては、図3のステップS309およびS311の機能等がこれに該当する。ハンマ仮配置手段は、実施形態においては、図3のステップS305〜S307の機能がこれに該当する。ハンマ入替手段は、実施形態においては、図3のステップS309〜S316の機能がこれに該当する。対角列入替手段は、実施形態においては、図3のステップS313(図4)の機能がこれに該当する。非対角列入替手段は、実施形態においては、図3のステップS315(図5)の機能がこれに該当する。ハンマ列全体入替手段は、実施形態においては、図3のステップS317(図6)の機能がこれに該当する。
なお、物体配置決定方法の属性取得ステップは、ハンマ配置決定装置のハンマ重量取得手段の処理内容に該当する。列属性差算出ステップは、列重量差算出手段の処理内容に該当する。物体入替ステップは、ハンマ入替手段の処理内容に該当する。
(B)「対角列」とは、破砕機の回転板に偶数のハンマ取付位置が等角に配置される場合において、任意のハンマ取付位置から回転板中心を隔てて対向する位置において形成されるハンマ取付位置の列をいう。そして、「非対角列」とは、破砕機の回転板に偶数のハンマ取付位置が等角に配置される場合において、任意のハンマ取付位置から回転板中心を隔てて対向する位置以外の位置において形成されるハンマ取付位置の列をいう。
(C)物体配置決定方法における「物体の属性」とは、重量、体積、形状、模様または色彩等に関する情報を含む概念である。
(D)「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
(E)「ある値と別の値との間に存在する値」とは、当該値が、ある値または別の値と同値となる場合をも含む概念である。
1.第1の実施形態
1−1.概要
1−1−1.全体の流れ
図7に示すように、破砕機700は、回転軸701の周囲に着脱式のハンマ703が複数個(本実施形態においては32個として説明する。)取り付けられて使用されるものである。なお、破砕機700は、各回転板705は、周縁部の等角位置において、8個の連結ピン707によって連結されている。そして、各ハンマは、各回転板705の連結ピン707の位置に取り付けられるものであり、この連結によって、各回転板におけるハンマ取付位置が1つの列を形成している。以下、この破砕機700におけるハンマ703の取り付け作業について簡単に説明する。
破砕機700に取り付けられる各ハンマ703は、製作精度により重量誤差が存在する。このため、作業者は、取り付け前の各ハンマ703について計量を実施し、その計量値を本発明にかかるハンマ配置決定装置に入力する。図8aにその入力画面を示す。
入力が完了すると、ハンマ配置決定装置は、入力された各ハンマの重量値に基づいて、破砕機700のロータバランスを最適化することができるハンマの取付位置を演算によって決定する。
そして、ハンマ配置決定装置は、どのハンマをどの取付位置に配置すべきかを示したハンマ配列を、作業者が認識可能な状態で出力表示する。図8bにその出力画面を示す。この画面においては、破砕機700において回転体を構成する各ハンマ取付位置を、列方向と行(段)方向に二次元的に展開した形式で表示している。
作業者は、この出力表示に従って各ハンマを実際に破砕機に取り付ける。これにより、作業者は、破砕機において、各ハンマをどの位置に取り付ければ、最もバランスがよいかを簡単に認識することができる。
なお、同時に、破砕機700の回転体を軸方向から見た場合の各列毎の重量合計値を、模式的に「ハンマバランスイメージ」画面(図8c)として表示させる。これにより、作業者は、配置後における回転体のバランス状態を容易に認識することができる。
1−1−2.ハンマの取付位置の演算処理
上述したハンマ配置決定装置におけるハンマの取付位置の演算は、(1)仮配置処理、(2)対角列入替処理、(3)非対角列入替処理、(4)列全体入替処理の順で実行される。以下、各処理の概要について説明する。
まず、(1)仮配置処理では、重量値の順に定められた所定位置に各ハンマを仮配置し、仮配置後における重量バランスを算出する。算出後において、列方向に各行のハンマ重量値を合計した重量合計値と、この列の対角位置にある列(対角列)の重量合計値に重量差が存在するか否かを判断する。
重量差が存在しなければ、仮配置後のロータバランスが最適であるので、次の処理(2)を実行する必要はない。この場合、最も簡単な方法である仮配置処理のみによってハンマバランスを最適化することができる。一方、重量差が存在すれば、この重量差を0に近づけることによってロータバランスの最適化を図ることを目的として、次の処理(2)を実行する。この場合、仮配置処理によって、重量差は既にある程度小さくなっているので、次の処理(2)の入替処理において入替回数を少なくすることができ、処理負荷を低減することができる。
(2)対角列入替処理では、各列とその対角列のそれぞれに含まれるハンマを入れ替えることによって、列間における重量差を0に近づける処理を行う。この対角列入替処理は、上述した(1)仮配置処理の次に簡単な処理方法である。処理後において、各列間における重量合計値に重量差があれば、さらに重量差を0に近づけることによってローターバランスの最適化を図るため次の処理(3)を実行する。なお、算出後のロータバランスが最適であれば、次の処理(3)を実行する必要はない。
(3)非対角列入替処理では、各列とその非対角列のそれぞれに含まれるハンマを入れ替えることによって、列間における重量差を0に近づける処理を行う。この非対角列入替処理では、各列について、その対角列との重量差および非対角列との重量差を同時に0に近づける処理を行う。つまり、(2)対角列入替処理において処理した対角列との重量差によるハンマバランスが悪化しないように、非対角列との重量差を処理する。(3)非対角列入替処理により、(2)対角列入替処理によって最適化を十分に行いきれない場合であっても、さらに入替の対象を広げて確実かつ高精度にロータバランスを最適化することができる。
(4)列全体入替処理では、複数のハンマが含まれる列をその対角列とそっくり入れ替えることにより、対角列重量差を保持しながらロータバランスを最適化する。(4)列全体入替処理により、(3)非対角列入替処理によって最適化を十分に行いきれない場合であっても、全体として確実かつ高精度にロータバランスを最適化することができる。
1−2.機能ブロック図
図1に、本発明にかかるハンマ配置決定装置1の機能ブロック図を示す。この図において、ハンマ配置決定装置1は、入力手段101、ハンマ重量取得手段103、ハンマ配置決定手段104および出力手段119を備えている。ここで、ハンマ配置決定手段104は、ハンマ仮配置手段105、列重量差算出手段109、ハンマ入替手段111およびハンマ列全体入替手段117を含む。さらに、ハンマ入替手段111は、対角列入替手段113および非対角列入替手段115を含む。
入力手段101は、ユーザ操作から各ハンマの重量値の入力を受け付ける。ハンマ重量取得手段103は、入力を受け付けたハンマの重量値を取得する。ハンマ仮配置手段105は、仮配置テーブル2093に基づいて各ハンマを所定位置に仮配置する。列重量差算出手段109は、列毎にハンマの重量を加算して列重量を算出し、各列の列重量から対角列の列重量を減算して、各列毎に列重量差を算出する。
対角列入替手段113は、対象列における列重量差の絶対値が現状より小さくなるように、対象列に含まれるハンマとその対角列に含まれるハンマを入れ替える。非対角列入替手段115は、対象列における列重量差の絶対値が現状より小さくなるように、対象列に含まれるハンマとその対角列以外の列である非対角列に含まれるハンマを入れ替える。
ハンマ列全体入替手段117は、対象列を含む複数の列における列重量差の合計の絶対値が現状より小さくなるように、対象列と対角列をそのまま入れ替える。出力手段119は、入れ替え後のハンマ配置状態を出力する。
1−3.ハードウェア構成
図1に示したハンマ配置決定装置1を構成する装置をCPUを用いて実現したハードウェア構成の一例を、図2に示す。なお、本実施形態においては、ハンマ配置決定装置1を1つのコンピュータ装置で構成する例について説明する。
図2に示すように、上記コンピュータ装置は、ディスプレイ201、CPU203、メモリ205、マウス/キーボード207、ハードディスク209、DVD−ROMドライブ211および通信回路215を備えている。
ハードディスク209は、ハンマ配置決定プログラム2091および仮配置テーブル2093を記憶している。ハンマ配置決定プログラム2091は、DVD−ROM211を介してDVD212等に記録されたデータを読み出してインストールされたものである。なお、上記インストールは、通信回路215を用いてネットワーク216等からダウンロードしたデータを使用して行うようにしてもよい。
図9に、仮配置テーブル2093の例を示す。仮配置テーブル2093は、上述したように、破砕機700において回転体を構成する各ハンマ取付位置を、列方向と行(段)方向に二次元的に展開した形式で表示される。そして、重量値の順に付された番号で特定された各ハンマを、いずれの位置(列・段)に仮配置すべきかが示されている。
ハンマ配置決定装置1を構成するハンマ重量取得手段103、ハンマ仮配置手段105、列重量差算出手段109、対角列入替手段113および非対角列入替手段115を含むハンマ入替手段111ならびにハンマ列全体入替手段117は、ハンマ配置決定プログラム2091によって実現される。
1−4.処理詳細
図3〜図6は、CPU203においてハンマ配置決定プログラム2091を実行させた場合に行われる各処理を示したフローチャートである。なお、図3はハンマ配置決定処理のメインルーチンを示し、図4〜6はハンマ配置決定処理のサブルーチンを示している。
1−4−1.ハンマ重量の入力
作業者であるユーザが、マウス/キーボード207を用いてディスプレイ201上に表示されたハンマ配置決定プログラム2091を示す所定アイコンをダブルクリックまたは選択後実行すると、CPU203はハンマ配置決定プログラム2091を起動し、図8aに示すような入力画面801をディスプレイ201に表示する。
図8aに示すように、入力画面801には、破砕機700に取り付けようとするすべてのハンマの重量値を入力するための入力欄803が表示される。作業者は、各ハンマを計量して得られた重量値を入力欄に順に入力する(ステップS301)。例えば、図8aの入力画面801に示すように、破砕機700に取り付けるべき32個のハンマについて各重量値を入力する。
すべてのハンマについての入力が完了すると、ユーザは、確定ボタン805を押下する。これを受けて、CPU203は、入力確定を認識し、ハンマ配置を決定するための各処理を実行する(ステップS303)。
1−4−2.仮配置処理
まず、CPU203は、重量値の小さい順(軽い順)に、すべてのハンマをソート(並び替え)する(ステップS305)。
ソートを終えると、CPU203は、図9に示した仮配置テーブル2093に基づいて、破砕機700の所定の取付位置に各ハンマを仮配置する(ステップS307)。例えば、図9の仮配置テーブル2093を参照して、1列目の1段目の位置901に、最も重量値の小さいハンマを仮配置する。また、1列目の7段目の位置903に、最も重量値の大きいハンマを仮配置する。
なお、仮配置テーブルを用いてハンマの仮配置を行うのは、以下に示す対角列入替処理および非対角列入替処理の実行を効率的に行うためである。仮配置テーブルを用いない場合には、任意の取付位置に対してランダムにハンマを配置するようにしてもよい。
CPU203は、仮配置処理を終えると、列毎に、各列に含まれるハンマの重量値を合計して、ハンマ重量値合計を算出する(ステップS309)。例えば、上述した仮配置処理において、図10のAに示すように各ハンマが仮配置されたとする。なお、図10においては、説明上「1列」および「5列」の仮配置状態のみを表示しているが、実際には、入力画面801において入力された全ハンマが各列における各段に仮配置されており、以下に示す各処理も各列において行われるものとする。
図10のAに示すように、「1列」においては、「1段」、「3段」、「5段」および「7段」にハンマが仮配置されているため、これらのハンマ重量値の合計(列重量合計)は、「168.944」となる。同様に、「5列」においては、「1段」、「3段」、「5段」および「7段」にハンマが仮配置されているため、これらのハンマ重量値の合計(列重量合計)は、「168.956」となる。なお、ハンマ重量値の単位(例えば、キログラム等)は省略して説明する。
次に、CPU203は、列毎に、対象列のハンマ重量合計と対角列のハンマ重量合計との差である対角重量差を算出する(ステップS311)。例えば、図10のAに示すように、「1列」のハンマ重量合計から「5列」のハンマ重量合計を減算して、「1列」における対角重量差「−0.012」を算出する。同様に、「5列」のハンマ重量合計から「1列」のハンマ重量合計を減算して、「5列」における対角重量差「+0.012」を算出する。すなわち、対象列と対角列においては、それぞれの対角重量差は相対的な値をとる。
CPU203は、上記仮配置処理の後において算出した各列の対角重量差が0であれば、ハンマ配置バランスが最適化されたと判断して、後述するステップS318にスキップする(ステップS312、YES)。このように、仮配置処理を最初に実行することにより、最も簡単な方法でハンマ配置バランスを最適化することができるとともに、処理を迅速に終了することができる。
一方、対角重量差が0でなければ、この対角重量差を0に近づけることによってハンマ配置バランスの最適化を図るため、以下の対角列入替処理を実行する(ステップS312、NO)。このように、仮配置処理を実行した後に対角列入替処理を実行することにより、対角重量差をある程度小さくした状態からハンマを入れ替えることができるため、入替処理における入替回数を少なくすることができ、処理負荷を低減することができる。
1−4−3.対角列入替処理
上述したステップS312において、全列の対角重量差が0でなければ、さらにハンマ配置バランスを最適化することを目的として、CPU203は、図4に示すサブルーチンで対角列入替処理を実行する(図3、ステップS313)。図8cに示すように、破砕機700のハンマ取付位置は各回転板705において等角に配置されるため、ハンマ取付位置の個数が偶数個の場合には、回転板中心を隔てて対向する位置にもハンマ取付位置が存在する。本実施形態においては、この位置において複数の回転板によって形成されるハンマ取付位置の列を対角列とする。例えば、図8bおよび図8cにおいて、「1列」の対角列は「5列」となる。
以下、対象列に配置されたハンマと、当該対象列の対角列に配置されたハンマを入れ替えることによって、ハンマバランスを最適化する処理について説明する。
まず、CPU203は、対象列および対象行を決定する(ステップS401、S403)。例えば、対象列を「1列」とし、対象行を「7段」とする。なお、対象列は、いずれの列を選択してもよい。また、対象行は、対象列におけるいずれの行を選択してもよい。
続いて、CPU203は、対象列の対象行におけるハンマ重量値を読み込む(ステップS405)。例えば、「1列」の「7段」におけるハンマ重量値「42.183」を読み込む。そして、CPU203は、対象列の対象行における最適入替重量値aを算出する(ステップS407)。
ここで、最適入替重量値とは、対角列におけるいずれかの行に配置されたハンマと、当該対象列の対象行におけるハンマとを入れ替える場合において、入れ替え対象となる対角列のハンマの最も適した重量値である。よって、最適入替重量値と一致する重量値を有するハンマが対角列に存在し、これと対象列の対象行におけるハンマを入れ替えることができれば、その対角重量差は0となる。また、最適入替重量値に近似する値から優先して入れ替え対象となるハンマを探すことにより、迅速に最適値を求めることができる。
図10のBに示すように、最適入替重量値aは、当該対象列「1列」の対象行「7段」におけるハンマの重量値「42.183」から、当該対象列「1列」における対角重量差「−0.012」の2分の1を減算して得ることができる。この場合、最適入替重量値aは「42.189」となる。
次に、CPU203は、当該対象列の対象行における入替重量値の上限値および下限値を算出する(ステップS409)。ここで、上限値および下限値とは、対角列におけるいずれかの行に配置されたハンマと、当該対象列の対象行におけるハンマとを入れ替える場合において、入れ替え対象となる対角列のハンマの重量値がとり得る範囲である。なお、下限値以上および上限値以下の範囲にある重量値のハンマを入れ替える限り、対角重量差が現状よりも悪化することはない。
図10のBに示すように、上限値bは、当該対象列「1列」の対象行「7段」におけるハンマの重量値「42.183」から、当該対象列「1列」における対角重量差「−0.012」を減算して得ることができる。この場合、上限値bは「42.195」となる。また、下限値cは、当該対象列「1列」の対象行「7段」におけるハンマの重量値「42.183」と同一である。これは、対角重量差(「−0.012」)が負数(マイナス)であるので、対角重量差が正数(プラス)の方向に傾くように調整すべきであることに基づくものである。
対象列の対象行におけるハンマについて、最適入替重量値a、上限値bおよび下限値cを算出すると、CPU203は、対角列において入替対象となるハンマを検索する(ステップS411)。例えば、ハンマの検索は、図10のBに示す「入替重量−順位テーブル」を用いて行うことができる。
「入替重量−順位テーブル」では、最適入替重量値aを中心として、その前後において所定単位「0.001」ごとの差を有する数値列を生成し、各数値ごとに順位を付している。この場合、最適入替重量値a「42.189」を順位「1」として、これに「0.001」を加えた数値「42.190」を順位「2」とし、また、最適入替重量値a「42.189」から「0.001」を減じた数値「42.188」を順位「3」…としている。
CPU203は、「入替重量−順位テーブル」を作成すると、まず順位「1」の最適入替重量値a「42.189」に合致するハンマ重量値が、対角列である「5列」に存在するか否かを判断する。図10のAに示すように、「5列」におけるハンマ重量値は、「42.308(1段)」、「42.253(3段)」、「42.207(5段)」および「42.188(7段)」であるので、最適入替重量値a「42.189」に合致するハンマ重量値は存在しない。
このため、CPU203は、順位「2」の重量値「42.190」以下について、同様の処理を行い、合致する重量値を見つけるか、「入替重量−順位テーブル」におけるすべての重量値について処理を終えるまで、上記処理を繰り返す。ここで、順位「3」の重量値「42.188」については、対角列である「5列」の「7段」のハンマ重量値「42.188」と合致するため、このハンマ(「5列」、「7段」)を入れ替え対象のハンマとして決定する。
なお、上記においては、「入替重量−順位テーブル」を用いて、入れ替え対象のハンマを検索するように構成したが、Visual Basic(商標)などのプログラム言語に含まれる「lookup関数」などを用いて、適切なハンマを検索するようにしてもよい。また、最適入替重量値aの近似値を検索できれば、その他の方法を用いてもよい。
CPU203は、ステップS413において、入れ替え対象のハンマが存在しない場合、ステップS423にスキップし、対象行を変更して同様の処理を繰り返す(ステップS423、NO)。一方、ステップS413において、入れ替え対象となるハンマが見つかると、対象列の対象行のハンマと対角列のハンマを入れ替える(ステップS415)。例えば、対象列「1列」の対象行「7段」のハンマ重量値「42.183」と、対角列「5列」の対象行「7段」のハンマ重量値「42.188」とを入れ替える。
ハンマの入れ替えを行うと、CPU203は、対象列とその対角列におけるハンマ重量値合計(列重量合計)および対角重量差をそれぞれ算出する(ステップS417、S419)。例えば、図10のCに入れ替え後におけるハンマ配置状況を示す。入れ替え後においては、「1列」の列合計重量が「168.949」であり、「5列」の列合計重量が「168.951」であるので、「1列」の対角重量差が「−0.002」となり、図10のAに示す入れ替え前の対角重量差「−0.012」に比べて、ハンマ配置のバランスが向上しているといえる。
CPU203は、上記入替処理の後において、入替対象となった列の対角重量差が0となれば、この対象列についてはハンマ配置バランスが最適化されたため他の行(段)を入替る必要はないと判断して、後述するステップS425にスキップする(ステップS421、YES)。
一方、対角重量差が0でなければ、この対象列における対角重量差を0に近づけることによってハンマ配置バランスの最適化を図るため、他の行(段)を対象行として、上記ステップS403に戻って処理を再実行する(ステップS423、NO)。
CPU203は、対象列におけるすべての行について処理した場合、ステップS401に戻り、対象列を変更して同様の処理を繰り返す(ステップS425、NO)。なお、対象列の変更は、全列数の半数を処理するまで行えばよい。これは、対象列とその対角列を処理することにより、同時に2列のハンマバランスを最適化しているためである。
CPU203は、上記対角列入替処理の後(図3のステップS314)において、各列の対角重量差が0となっていれば、ハンマ配置バランスが最適化されたと判断して、後述するステップS318にスキップする。
一方、対角重量差が0でなければ、この対角重量差を0に近づけることによってハンマ配置バランスの最適化を図るため、以下の非対角列入替処理を実行する(ステップS314、NO)。このように、対角列入替処理を実行した後に非対角列入替処理を実行することにより、対角列入替処理によって最適化を十分に行いきれない場合であっても、さらに入替の対象を広げて確実かつ高精度にハンマ配置バランスを最適化することができる。
1−4−4.非対角列入替処理
上述したステップS314において、全列の対角重量差が0でなければ、さらにハンマ配置バランスを最適化することを目的として、CPU203は、図5に示すサブルーチンで非対角列入替処理を実行する(図3、ステップS315)。図8cに示すように、破砕機700のハンマ取付位置は各回転板705において等角に配置されるため、回転板中心を隔てて対向する位置(対角)以外にもハンマ取付位置が存在する。本実施形態においては、この位置において複数の回転板によって形成されるハンマ取付位置の列を非対角列とする。例えば、図8bおよび図8cにおいて、「1列」の非対角列は「5列」以外の列である「2列」〜「4列」および「6列」〜「8列」となる。
以下、対象列に配置されたハンマと、当該対象列の非対角列に配置されたハンマを入れ替えることによって、当該対象列とその対角列のハンマバランスおよび非対角列とその対角列のハンマバランスを同時に最適化する処理について説明する。
1−4−4−1.非対角列の決定方法
まず、CPU203は、対象列および入れ替え対象とする非対角列を決定する(ステップS501、S503)。例えば、図13の1301に示すように、「1列」〜「8列」のハンマ重量合計および対角重量差が算出されているものとする。上述したように、各列とその対角列においては、それぞれの対角重量差は相対的な値をとる。ここで、対象列を「3列」とすると、その対角列は「7列」であるので、その非対角列は「1列」、「2列」、「4列」〜「6列」および「8列」となる。これらの非対角列の中から、対象列の対角重量差に対して逆の符号を有する対角重量差にかかる非対角列を入れ替え対象として抽出する。
図13においては、「3列」の対角重量差が「+0.008」であるので、1303に示すように、これと逆の符号である「負数(マイナス)」を有する対角重量差にかかる非対角列として、「1列」(対角重量差が「−0.004」)、「4列」(対角重量差が「−0.003」)および「6列」(対角重量差が「−0.005」)を、入れ替え対象として抽出する。
ここで、対象列の対角重量差と逆の符号を有する対角重量差にかかる非対角列のみを入れ替え対象としているのは、入替前の状態よりもハンマバランスを少なくとも悪化させないためである。また、これにより、処理量を減らして処理負荷を低減させることができる。さらに、入れ替え処理における無限ループを回避することができる。
その後、CPU203は、入れ替え対象として抽出した非対角列の中から、処理の対象とすべき非対角列を決定し、各非対角列について順に、以下に示す非対角入替処理を実行する。例えば、図13においては、対象列を「3列」として場合、入れ替え対象は「1列」、「4列」および「6列」であり、「3列」の近傍に位置する順に、処理の対象とすべき非対角列を決定する。この場合、「4列」、「1列」、「6列」の順に処理を行う。
なお、処理の対象とすべき非対角列を決定する方法は、他の方法であってもよい。例えば、対象列の対角重量差の逆数に最も近い順に、処理の対処とする非対角列の優先順位を決定するようにしてもよい。
1−4−4−2.非対角列における対角重量差が負数の場合
CPU203は、対象列および入れ替え対象とする非対角列を決定すると(ステップS501、S503)、対象列における対象行を決定する(ステップS505)。例えば、対象列を「3列」とし、入れ替え対象の非対角列を「1列」とし、対象行を「3段」として以下の処理を説明する。なお、対象列は、いずれの列を選択してもよい。また、対象行は、対象列におけるいずれの行を選択してもよい。さらに、入れ替え対象の非対角列は、上述したように、所定の順に決定してもよい。
続いて、CPU203は、対象列の対象行におけるハンマ重量値を読み込む(ステップS507)。例えば、図11のAに示すように、「3列」の「3段」におけるハンマ重量値「42.402」を読み込む。そして、CPU203は、対象列の対象行における最適入替重量値aを算出する(ステップS509)。
ここで、最適入替重量値とは、非対角列におけるいずれかの行に配置されたハンマと、当該対象列の対象行におけるハンマとを入れ替える場合において、入れ替え対象となる非対角列のハンマの最も適した重量値である。よって、最適入替重量値と一致する重量値を有するハンマが非対角列に存在し、これと対象列の対象行におけるハンマを入れ替えることができれば、その対角重量差は0となる。また、最適入替重量値に近似する値から優先して入れ替え対象となるハンマを探すことにより、迅速に最適値を求めることができる。
図11のBに示すように、最適入替重量値aは、当該対象列「3列」の対象行「3段」におけるハンマの重量値「42.402」から、入れ替え対象の非対角列「1列」における対角重量差「−0.004」の絶対値と当該対象列「3列」における対角重量差「+0.008」の絶対値を加算して得られた値の2分の1を、減算して得ることができる。この場合、最適入替重量値aは「42.396」となる。
次に、CPU203は、当該対象列の対象行における入替重量値の上限値および下限値を算出する(ステップS511)。ここで、上限値および下限値とは、非対角列におけるいずれかの行に配置されたハンマと、当該対象列の対象行におけるハンマとを入れ替える場合において、入れ替え対象となる非対角列のハンマの重量値がとり得る範囲である。なお、下限値以上および上限値以下の範囲にある重量値のハンマを入れ替える限り、対角重量差が現状よりも悪化することはない。
図11のBに示すように、上限値bは、当該対象列の対象行におけるハンマの重量値「42.402」と同一である。これは、対角重量差(「+0.008」)が正数(プラス)であるので、対角重量差が負数(マイナス)の方向に傾くように調整すべきであることに基づくものである。また、下限値cは、当該対象列の対象行におけるハンマの重量値「42.402」から、当該対象列「3列」における対角重量差の絶対値と当該非対角列「1列」における対角重量差の絶対値のいずれか小さい方の2倍を減算して得ることができる。この場合、当該非対角列「1列」における対角重量差「−0.004」の絶対値が、当該対象列「3列」における対角重量差「+0.008」の絶対値よりも小さいので、「0.004」の2倍を減算して、下限値c「42.394」を算出する。
対象列の対象行におけるハンマについて、最適入替重量値a、上限値bおよび下限値cを算出すると、CPU203は、入れ替え対象とした非対角列において入替対象となるハンマを検索する(ステップS513)。例えば、ハンマの検索は、図11のBに示す「入替重量−順位テーブル」を用いて行うことができる。
上述したように、「入替重量−順位テーブル」では、最適入替重量値aを中心として、その前後において所定単位「0.001」ごとの差を有する数値列を生成し、各数値ごとに順位を付している。この場合、最適入替重量値a「42.396」を順位「1」として、これに「0.001」を加えた数値「42.397」を順位「2」とし、また、最適入替重量値a「42.396」から「0.001」を減じた数値「42.395」を順位「3」…としている。
CPU203は、「入替重量−順位テーブル」を作成すると、まず順位「1」の最適入替重量値a「42.396」に合致するハンマ重量値が、入れ替え対象の非対角列である「1列」に存在するか否かを判断する。図11のAに示すように、「1列」におけるハンマ重量値は、「42.397(1段)」、「42.220(3段)」、「42.198(5段)」および「42.132(7段)」であるので、最適入替重量値a「42.189」に合致するハンマ重量値は存在しない。
このため、CPU203は、順位「2」の重量値「42.397」以下について、同様の処理を行い、合致する重量値を見つけるか、「入替重量−順位テーブル」におけるすべての重量値について処理を終えるまで、上記処理を繰り返す。ここで、順位「2」の重量値「42.397」については、非対角列である「1列」の「1段」のハンマ重量値「42.397」と合致するため、このハンマ(「1列」、「1段」)を入れ替え対象のハンマとして決定する。
CPU203は、ステップS515において、入れ替え対象のハンマが存在しない場合、ステップS525にスキップし、対象行を変更して同様の処理を繰り返す(ステップS525、NO)。一方、ステップS515において、入れ替え対象となるハンマが見つかると、対象列の対象行のハンマと非対角列のハンマを入れ替える(ステップS517)。例えば、対象列「3列」の対象行「3段」のハンマ重量値「42.402」と、対角列「1列」の対象行「1段」のハンマ重量値「42.397」とを入れ替える。
ハンマの入れ替えを行うと、CPU203は、対象列とその対角列におけるハンマ重量値合計(列重量合計)および対角重量差をそれぞれ算出する(ステップS519、S521)。例えば、図11のCに入れ替え後におけるハンマ配置状況を示す。入れ替え後においては、「3列」の列合計重量が「168.986」であり、「7列」の列合計重量が「168.983」であるので、「3列」の対角重量差が「+0.003」となり、図11のAに示す入れ替え前の対角重量差「+0.008」に比べて、ハンマ配置のバランスが向上しているといえる。
また、入れ替え後においては、非対角列「1列」の列合計重量が「168.952」であり、「5列」の列合計重量が「168.951」であるので、「1列」の対角重量差が「+0.001」となり、図11のAに示す入れ替え前の対角重量差「−0.004」に比べて、ハンマ配置のバランスが向上しているといえる。
CPU203は、上記入替処理の後において、入替対象となった列およびその非対角列のそれぞれの対角重量差が0となれば、これらの列についてはハンマ配置バランスが最適化されたため他の行(段)を入替る必要はないと判断して、後述するステップS529にスキップする(ステップS523、YES)。
一方、いずれかの列の対角重量差が0でなければ、この対象列における対角重量差を0に近づけることによってハンマ配置バランスの最適化を図るため、他の行(段)を対象行として、上記ステップS505に戻って処理を再実行する(ステップS525、NO)。
さらに、対象列におけるすべての行について処理した場合、ステップS503に戻り、非対角列を変更して同様の処理を繰り返す(ステップS527、NO)。加えて、入れ替え対象のすべての非対角列について処理した場合、ステップS501に戻り、対象列を変更して同様の処理を繰り返す(ステップS529)。なお、対象列の変更は、全列数の半数を処理するまで行えばよい。これは、対象列とその対角列を処理することにより、同時に2列のハンマ配置バランスを最適化しているためである。
CPU203は、上記非対角列入替処理の後(図3のステップS316)において、各列の対角重量差が0となっていれば、ハンマ配置バランスが最適化されたと判断して、後述するステップS318にスキップする。
一方、対角重量差が0でなければ、この対角重量差を0に近づけることによってハンマ配置バランスの最適化を図るため、以下のハンマ列全体入替処理を実行する(ステップS316、NO)。このように、非対角列入替処理を実行した後にハンマ列全体入替処理を実行することにより、対角列入替処理および非対角列入替処理によって最適化を十分に行いきれない場合であっても、全体として確実かつ高精度にロータバランスを最適化することができる。
1−4−4−3.非対角列における対角重量差が正数の場合
上記においては、対象列における対角重量差が正数(プラス)であって、かつ、非対角列における対角重量差が負数(マイナス)の場合を、図11を用いて説明した。しかし、対象列における対角重量差が負数(マイナス)である場合もあり得る。そこで、対象列における対角重量差が負数(マイナス)であって、かつ、非対角列における対角重量差が正数(プラス)の場合を、図12を用いて説明する。なお、対象列における対角重量差が0(ゼロ)となる場合には、バランスがとれているため処理する必要はない。
上記と同様に、ステップS501〜S505において、CPU203が、対象列を「3列」とし、入れ替え対象の非対角列を「1列」とし、対象行を「3段」として決定した場合について以下説明する。
CPU203は、対象列の対象行におけるハンマ重量値を読み込む(ステップS507)。例えば、図12のAに示すように、「3列」の「3段」におけるハンマ重量値「42.402」を読み込む。そして、CPU203は、対象列の対象行における最適入替重量値aを算出する(ステップS509)。上述したように、最適入替重量値と一致する重量値を有するハンマが非対角列に存在し、これと対象列の対象行におけるハンマを入れ替えることができれば、その対角重量差は0となる。また、最適入替重量値に近似する値から優先して入れ替え対象となるハンマを探すことにより、迅速に最適値を求めることができる。
図12のBに示すように、最適入替重量値aは、当該対象列「3列」の対象行「3段」におけるハンマの重量値「42.402」に、入れ替え対象の非対角列「1列」における対角重量差「+0.004」の絶対値と当該対象列「3列」における対角重量差「−0.008」の絶対値を加算して得られた値の2分の1を、加算して得ることができる。この場合、最適入替重量値aは「42.408」となる。
次に、CPU203は、当該対象列の対象行における入替重量値の上限値および下限値を算出する(ステップS511)。上述したように、下限値以上および上限値以下の範囲にある重量値のハンマを入れ替える限り、対角重量差が現状よりも悪化することはない。
図12のBに示すように、下限値cは、当該対象列の対象行におけるハンマの重量値「42.402」と同一である。これは、対角重量差(「−0.008」)が負数(マイナス)であるので、対角重量差が正数(プラス)の方向に傾くように調整すべきであることに基づくものである。また、上限値bは、当該対象列の対象行におけるハンマの重量値「42.402」に、当該対象列「3列」における対角重量差の絶対値と当該非対角列「1列」における対角重量差の絶対値のいずれか小さい方の2倍を加算して得ることができる。この場合、当該非対角列「1列」における対角重量差「+0.004」の絶対値が、当該対象列「3列」における対角重量差「−0.008」の絶対値よりも小さいので、「0.004」の2倍を加算して、上限値b「42.410」を算出する。
対象列の対象行におけるハンマについて、最適入替重量値a、上限値bおよび下限値cを算出すると、CPU203は、入れ替え対象とした非対角列において入替対象となるハンマを検索する(ステップS513)。例えば、ハンマの検索は、図12のBに示す「入替重量−順位テーブル」を用いて行うことができる。
上述したように、「入替重量−順位テーブル」では、最適入替重量値aを中心として、その前後において所定単位「0.001」ごとの差を有する数値列を生成し、各数値ごとに順位を付している。この場合、最適入替重量値a「42.408」を順位「1」として、これに「0.001」を加えた数値「42.409」を順位「2」とし、また、最適入替重量値a「42.408」から「0.001」を減じた数値「42.407」を順位「3」…としている。
CPU203は、「入替重量−順位テーブル」を作成すると、まず順位「1」の最適入替重量値a「42.408」に合致するハンマ重量値が、入れ替え対象の非対角列である「1列」に存在するか否かを判断する。図12のAに示すように、「1列」におけるハンマ重量値は、「42.407(1段)」、「42.220(3段)」、「42.198(5段)」および「42.130(7段)」であるので、最適入替重量値a「42.408」に合致するハンマ重量値は存在しない。
このため、CPU203は、順位「2」の重量値「42.409」以下について、同様の処理を行い、合致する重量値を見つけるか、「入替重量−順位テーブル」におけるすべての重量値について処理を終えるまで、上記処理を繰り返す。ここで、順位「3」の重量値「42.407」については、非対角列である「1列」の「1段」のハンマ重量値「42.407」と合致するため、このハンマ(「1列」、「1段」)を入れ替え対象のハンマとして決定する。
CPU203は、ステップS515において、入れ替え対象のハンマが存在しない場合、ステップS525にスキップし、対象行を変更して同様の処理を繰り返す(ステップS525、NO)。一方、ステップS515において、入れ替え対象となるハンマが見つかると、対象列の対象行のハンマと非対角列のハンマを入れ替える(ステップS517)。例えば、対象列「3列」の対象行「3段」のハンマ重量値「42.402」と、対角列「1列」の対象行「1段」のハンマ重量値「42.407」とを入れ替える。
ハンマの入れ替えを行うと、CPU203は、対象列とその対角列におけるハンマ重量値合計(列重量合計)および対角重量差をそれぞれ算出する(ステップS519、S521)。例えば、図12のCに入れ替え後におけるハンマ配置状況を示す。入れ替え後においては、「3列」の列合計重量が「168.969」であり、「7列」の列合計重量が「168.972」であるので、「3列」の対角重量差が「−0.003」となり、図12のAに示す入れ替え前の対角重量差「−0.008」に比べて、ハンマ配置のバランスが向上しているといえる。
また、入れ替え後においては、非対角列「1列」の列合計重量が「168.950」であり、「5列」の列合計重量が「168.951」であるので、「1列」の対角重量差が「−0.001」となり、図12のAに示す入れ替え前の対角重量差「+0.004」に比べて、ハンマ配置のバランスが向上しているといえる。
なお、ステップS523〜S529の処理については、上記1−4−4−2において説明した通りである。
1−4−5.ハンマ列全体入替処理
上述したステップS316において、全列の対角重量差が0でなければ、さらにハンマ配置バランスを最適化することを目的として、CPU203は、図6に示すサブルーチンでハンマ列全体入替処理を実行する(図3、ステップS317)。上記により、仮配置処理、対角列入替処理、非対角列入替処理を終えると、ある程度バランスのとれたハンマ配置が決定される。
しかしながら、図14aに示すように、破砕機700の回転板を軸方向から見た模式図において、各列(ハンマ列)における対角重量差のバランスがとれておらず、回転板全体としてアンバランスが生じている場合もあり得る。このような、アンバランスを排除するため、ハンマ列全体をその対角列と入れ替える必要があるか否かを判断し、必要である場合には入れ替え処理を行いハンマ列の配置を全体として最適化する手法について以下説明する。
まず、CPU203は、対象列を決定する(ステップS601)。例えば、対象列を「1列(丸数字の1)」とする。なお、対象列は、いずれのハンマ列を選択してもよい。
続いて、CPU203は、対象列についての半周対角重量差合計Aを算出する(ステップS603)。ここで、半周対角重量差合計Aとは、対象列およびその対角列を結ぶ直線によってその他のハンマ列を2つの領域に分割した場合に、一方の領域に含まれる各ハンマ列の対角重量差を合計して得られる値である。例えば、図14aに示すように、各列毎(丸数字の1〜8)に、各ハンマ重量値に基づいて列合計重量および対角重量差が算出されている。このとき、対象列「1列(丸数字の1)」およびその対角列「5列(丸数字の5)」を結ぶ直線140によって、ハンマ列「2列(丸数字の2)」〜「4列(丸数字の4)」が含まれる領域X1と、ハンマ列「6列(丸数字の6)」〜「8列(丸数字の8)」が含まれる領域X2に分割できるので、この一方の領域X1に含まれるハンマ列「2列(丸数字の2)」〜「4列(丸数字の4)」の各対角重量差を合計して、半周対角重量差合計A「−0.005」を算出する。
次に、CPU203は、全列数の半数に達するまで、各対象列についての半周対角重量差合計Aを算出する(ステップS605)。例えば、対象列「2列(丸数字の2)」およびその対角列「6列(丸数字の6)」を結ぶ直線143によって、ハンマ列「3列(丸数字の3)」〜「5列(丸数字の5)」とハンマ列「7列(丸数字の7)」〜「1列(丸数字の1)」に分割できるので、この一方の領域に含まれるハンマ列「3列(丸数字の3)」〜「5列(丸数字の5)」の各対角重量差を合計して、半周対角重量差合計A「−0.003」を算出する。図14aの場合、全列数が「8」であるので、「4列(丸数字の4)」が対象列となるまで上記処理を繰り返す。
各ハンマ列についての半周対角重量差合計Aを算出すると、CPU203は、半周対角重量差合計Aの絶対値が最大となるハンマ列群を決定する(ステップS607)。例えば、対象列「1列」についての半周対角重量差合計A「−0.005」の絶対値が最大であることにより、ハンマ列群「2列(丸数字の2)」〜「4列(丸数字の4)」を得る。
そして、CPU203は、絶対値が最大となる半周対角重量差合計Aqに基づいて最適入替重量値aを算出する(ステップS609)。
ここで、最適入替重量値とは、ハンマ列とその対角列のハンマ列をそっくり入れ替える場合において、入れ替え対象となるハンマ列の最も適した対角重量差である。よって、最適入替重量値と一致する対角重量差を有するハンマ列が存在し、これとその対角列のハンマ列全体を入れ替えることができれば、その半周対角重量差合計は0となる。また、最適入替重量値に近似する値から優先して入れ替え対象となるハンマ列を探すことにより、迅速に最適値を求めることができる。
図14bに示すように、最適入替重量値aは、当該半周対角重量差合計Aqの2分の1として得ることができる。この場合、最適入替重量値aは「−0.0025」となる。
次に、CPU203は、ハンマ列における入替重量値の上限値および下限値を算出する(ステップS611)。ここで、上限値および下限値とは、前記ステップS607で決定したハンマ列群におけるハンマ列全体とその対角のハンマ列全体とを入れ替える場合において、入れ替え対象となるハンマ列の対角重量差がとり得る範囲である。なお、下限値以上および上限値以下の範囲にある対角重量差のハンマ列全体を入れ替える限り、半周対角重量差が現状よりも悪化することはない。
図14bに示すように、上限値bは「0」となる。また、下限値cは、半周対角重量差合計Aq(「−0.005」)と同一の値となる。これは、半周対角重量差合計Aq(「−0.005」)が負数(マイナス)であるので、ハンマ列の入替によって、半周対角重量差合計Aqの絶対値が小さくなる範囲において、かつ、半周対角重量差合計Aqが正数(プラス)の方向に傾くように調整すべきであることに基づくものである。
なお、半周対角重量差合計Aqが正数(プラス)となる場合には、下限値cが「0」となり、上限値bが半周対角重量差合計Aqと同一の値となる。これは、半周対角重量差合計Aqが正数(プラス)であるので、ハンマ列の入替によって、半周対角重量差合計Aqの絶対値が小さくなる範囲において、かつ、半周対角重量差合計Aqが負数(マイナス)の方向に傾くように調整すべきであることに基づくものである。
最適入替重量値a、上限値bおよび下限値cを算出すると、CPU203は、ハンマ列群に含まれる各ハンマ列の対角重量差を参照して、入替対象となるハンマを検索する(ステップS612)。例えば、ハンマ列の検索は、図14bに示す「入替重量−順位テーブル」を用いて行うことができる。
「入替重量−順位テーブル」では、最適入替重量値aを中心として、その前後において所定単位「0.001」または「0.0005」ごとの差を有する数値列を生成し、各数値ごとに順位を付している。この場合、最適入替重量値a「−0.0025」を順位「1」として、これに「0.0005」を加えた数値「0.002」を順位「2」とし、また、最適入替重量値a「−0.0025」から「0.0005」を減じた数値「−0.003」を順位「3」…としている。
CPU203は、「入替重量−順位テーブル」を作成すると、順位「1」の最適入替重量値a「−0.0025」に合致する対角重量差を有するハンマ列が、ステップS607で決定したハンマ列群に存在するか否かを判断する(ステップS612)。図14aに示すように、「2列」における対角重量差は、「0.001」であるので、最適入替重量値a「−0.0025」に合致するハンマ列ではない。
このため、CPU203は、順位「2」の重量値「−0.002」以下について、同様の処理を行い、合致する重量値を見つけるか、「入替重量−順位テーブル」におけるすべての重量値について処理を終えるまで、上記処理を繰り返す。ここで、順位「2」の重量値「−0.002」については、「3列」の対角重量差「−0.002」と合致するため、このハンマ列「3列」とその対角列「7列」を入れ替え対象のハンマ列とする(ステップS613)。
ステップS613において、入れ替え対象となるハンマ列とその対角列のハンマ列が見つかると、これらのハンマ列をそっくり入れ替える(ステップS615)。例えば、図14aにおいて、ハンマ列「3列」と、その対角列「7列」とをそっくり入れ替える。
図14cに入れ替え後における各ハンマ列の状況を示す。入れ替え後においては、対象列「1列」についての半周対角重量差合計(ハンマ列群「2列(丸数字の2)」〜「4列(丸数字の4)」)が「−0.001」となり、図14aに示す入れ替え前の対角重量差合計A「−0.005」に比べて、ハンマ列配置のバランスが向上しているといえる。
ハンマ列の入れ替えを行うと、CPU203は、他の対象列における半周対角重量差合計を0に近づけることによってハンマ配置バランスの最適化を図るため、対象列を変更して、上記ステップS601に戻って処理を再実行する(ステップS623、NO)。
なお、上述した対角列入替処理および非対角列入替処理においては、入替後の対角重量差が0であれば処理をスキップするように構成したが、ハンマ列全体入替処理においては、半周対角重量差合計が0であっても処理をスキップまたは終了することなく、ステップS601に戻り対象列を変更して処理を再実行する。
また、対象列の変更は、全列数の半数を処理するまで行えばよい(ステップS623、YES)。これは、対象列とその対角列を処理することにより、同時に2列のハンマバランスを最適化しているためである。
1−4−6.ハンマ配置の表示
次に、CPU203は、上記の各処理を経由して決定した破砕機700におけるハンマ配置を表示する(図3、ステップS318)。このときCPU203は、上記において決定したハンマ配置の状態に基づいて、再度ハンマ重量合計および対角重量差を算出する。CPU203は、ハンマ配置データ、算出したハンマ重量合計および対角重量差に基づいて、図8bに示すハンマ取付重量配列画面821および図8cに示すハンマバランスイメージ画面841をそれぞれディスプレイ201に表示する。
ユーザは、ハンマ取付重量配列画面821によって、破砕機700のいずれの位置にいずれの重量値を有するハンマを配置すべきかを認識し、これに基づいてハンマ取付作業を実施する。また、ハンマバランスイメージ画面841によって、自動計算して得られたハンマ配置が、列全体としてバランスが最適化されているか否かを認識する。
1−5.まとめ
以上により、破砕機700のハンマ交換作業を行うユーザは、上述したハンマ配置決定装置1を使用して、破砕機700に取り付ける各ハンマについて、最適なハンマ配置を自動計算させ、ハンマ交換における作業効率を向上させることができる。これにより、破砕機700のメンテナンスにおいて、ハンマの交換作業を効率的かつ正確に行うことができ、破砕機700の稼働時間の低下を防ぐことができる。
2.その他の実施形態
2−1.
上記実施形態においては、図7に示した破砕機700に取付を行うハンマの配置処理について説明したが、本発明は、複数のハンマを取り付けた回転板を有する他の破砕機にも適用可能である。例えば、回転軸が水平方向に設けられた破砕機がこれに該当する。
また、ハンマ等の配置場所を入れ替えることによって、ある点に対する重心バランスを最適化する装置等にも適用可能である。例えば、取り替え可能な刃部を有する破砕機がこれに該当する。
さらに、ハンマ等の配置場所を入れ替えることに代えて、ハンマ等の物体の属性を示す体積、形状、模様または色彩等を変化させることによって、一方列と他方列のバランスを最適化する装置等にも適用可能である。例えば、各種の設計に用いるCADシステムの分野においても適用できる。
2−2.
上記実施形態においては、破砕機700に略同一重量のハンマを取り付ける例について説明したが、本発明は、取付位置に応じて種類や重量の異なるハンマをとりつける構造を有する破砕機にも適用可能である。このような場合、ハンマまたはハンマ列が入れ替え可能か否かを判断して、本発明を適用すればよい。また、ハンマをグループ化できる場合には、当該グループ内に取り付けられたハンマに対して、本発明を適用すればよい。
2−3.
上記実施形態においては、破砕機700とは独立したハンマ配置決定装置1における処理について説明したが、本発明は、配置決定機能を組み込んだ破砕機としても適用可能である。この場合、ハンマ重量を入力する場合には、各取付位置において重量センサを組み込んでおけばよい。
2−4.
上記実施形態においては、破砕機700の回転板には、偶数個の取付位置が存在していることを前提としているが、本発明は、奇数個の場合にも適用可能である。この場合、対象列から所定数離れた位置にある他の列を、対角列とみなして同様の処理を行うことにより、ハンマバランスを最適化することができる。
2−5.
上記実施形態においては、図1に示す各機能を実現する為に、CPUを用いソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部もしくは全てを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。なお、プログラムの一部の処理をさらに、オペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
ハンマ配置決定装置の機能ブロック図である。 ハンマ配置決定装置のハードウエア構成を示す図である。 ハンマ配置決定装置における処理のフローチャートである。 対角列入替処理のフローチャートである。 非対角列入替処理のフローチャートである。 ハンマ列全体入替処理のフローチャートである。 破砕機の外観を示す図である。 ハンマ重量の入力画面を示す図である。 ハンマ取付重量配列画面を示す図である。 ハンマバランスイメージ画面を示す図である。 仮配置テーブルを示す図である。 対角列入替処理の具体例を示す図である。 非対角列入替処理の例を示す図である。 非対角列入替処理の例を示す図である。 非対角列入替処理の対象とする列を決定する例を示す図である。 ハンマ列全体入替処理の例を示す図である。 ハンマ列全体入替処理の例を示す図である。 ハンマ列全体入替処理の例を示す図である。
符号の説明
1:ハンマ配置決定装置

Claims (12)

  1. 回転軸および、当該回転軸を中心に回転する複数の回転板であって、各回転板の外周側には少なくとも2以上のハンマ取付位置が設けられ、各回転板における各ハンマ取付位置と他の回転板のハンマ取付位置とが互いに同一直線上に位置するように設けられることによって1つの列を形成する複数の回転板を備えた破砕機のためのハンマ配置決定装置であって、
    前記ハンマ取付位置に取り付けられる各ハンマの重量を取得するハンマ重量取得手段と、
    前記ハンマ重量取得手段において取得した各ハンマの重量に基づいて、前記ハンマ取付位置に取り付けられる各ハンマの重量を列毎に加算して得られる列重量と、いずれかの他列における列重量との差が少なくなるように、各ハンマの配置を決定するハンマ配置決定手段と、
    を備えたことを特徴とするハンマ配置決定装置。
  2. 回転軸および、当該回転軸を中心に回転する複数の回転板であって、各回転板の外周側には少なくとも2以上のハンマ取付位置が設けられ、各回転板における各ハンマ取付位置と他の回転板のハンマ取付位置とが互いに同一直線上に位置するように設けられることによって1つの列を形成する複数の回転板を備えた破砕機のためのハンマ配置決定装置を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、コンピュータに以下の手段を構成させることを特徴とするプログラム:
    前記ハンマ取付位置に取り付けられる各ハンマの重量を取得するハンマ重量取得手段と、
    前記ハンマ重量取得手段において取得した各ハンマの重量に基づいて、前記ハンマ取付位置に取り付けられる各ハンマの重量を列毎に加算して得られる列重量と、いずれかの他列における列重量との差が少なくなるように、各ハンマの配置を決定するハンマ配置決定手段。
  3. 請求項1または2のハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記ハンマ配置決定手段は、
    各ハンマの重量値の順に基づいて、各ハンマをいずれの回転板のいずれのハンマ取付位置に予め配置しておくべきかを示した仮配置テーブルにしたがって、各ハンマを仮配置するハンマ仮配置手段を含むこと
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  4. 請求項1〜3のいずれかのハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記ハンマ配置決定手段は、
    前記列毎に前記ハンマ取付位置に取り付けられる各ハンマの重量を加算して列重量を算出するとともに、各列の列重量から他列の列重量を減算して、各列毎に列重量差を算出する列重量差算出手段と、
    対象列に含まれるハンマと他列に含まれるハンマを入れ替えると、当該対象列における列重量差の絶対値が現状より小さくなるようなハンマであって、所定条件をみたすハンマが前記他列に存在すると判断した場合には、当該対象列に含まれるハンマと当該他列に含まれるハンマとを入れ替えるハンマ入替手段を含むこと
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  5. 請求項4のハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記列重量差算出手段は、各列の列重量からその対角列の列重量を減算して、各列毎に列重量差を算出すること
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  6. 請求項5のハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記ハンマ入替手段は、対象列に含まれるハンマと、その対角列に含まれるハンマとを入れ替えるか否かを判断する対角列入替手段を含むこと
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  7. 請求項6のハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記対角列入替手段は、前記対象列における列重量差を、前記対象列に含まれるハンマの重量値から減算して得られた値と、前記対象列に含まれるハンマの重量値との間に存在する値となる重量値を有するハンマを入れ替えの対象とすること
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  8. 請求項7のハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記対角列入替手段は、前記対象列における列重量差の2分の1の値を前記対象列に含まれるハンマの重量値から減算して得られた値に最も近似する重量値を有するハンマを他のハンマよりも優先して入れ替えの対象とすること
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  9. 請求項5〜8のいずれかのハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記ハンマ入替手段は、対象列に含まれるハンマと、その対角列以外の列である非対角列に含まれるハンマとを入れ替えるか否かを判断する非対角列入替手段を含むこと
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  10. 請求項9のハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記非対角列入替手段は、
    前記対象列における列重量差が正の場合であって、かつ、その非対角列における列重量差が負の場合には、前記対象列における列重量差の絶対値またはその非対角列における列重量差の絶対値のいずれか小さい方の2倍の値を、前記対象列に含まれるハンマの重量値から減算して得られた値と、前記対象列に含まれるハンマの重量値との間に存在する値となる重量値を有するハンマを入れ替えの対象とし、
    前記対象列における列重量差が負の場合であって、かつ、その非対角列における列重量差が正の場合には、前記対象列における列重量差の絶対値またはその非対角列における列重量差の絶対値のいずれか小さい方の2倍の値を、前記対象列に含まれるハンマの重量値に加算して得られた値と、前記対象列に含まれるハンマの重量値との間に存在する値となる重量値を有するハンマを入れ替えの対象とすること
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  11. 請求項10のハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記非対角列入替手段は、
    前記対象列における列重量差が正の場合であって、かつ、その非対角列における列重量差が負の場合には、前記対象列における列重量差の絶対値およびその非対角列における列重量差の絶対値を加算して2で除算した値を、前記対象列に含まれるハンマの重量値から減算した値に最も近似する重量値を有するハンマを他のハンマよりも優先して入れ替えの対象とし、
    前記対象列における列重量差が負の場合であって、かつ、その非対角列における列重量差が正の場合には、前記対象列における列重量差の絶対値およびその非対角列における列重量差の絶対値を加算して2で除算した値を、前記対象列に含まれるハンマの重量値に加算した値に最も近似する重量値を有するハンマを他のハンマよりも優先して入れ替えの対象とすること
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
  12. 請求項1〜11のいずれかのハンマ配置決定装置またはプログラムにおいて、
    前記ハンマ配置決定手段は、
    対象列に含まれるすべてのハンマと対角列に含まれるすべてのハンマを入れ替えると、当該対象列を含む複数の列における列重量差の合計の絶対値が現状より小さくなるような対角列であって、所定条件をみたす対角列が存在すると判断した場合には、当該対象列と当該対角列をそのまま入れ替えるハンマ列全体入替手段を含むこと
    を特徴とするハンマ配置決定装置またはプログラム。
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