JP5187747B2 - ポリエステル樹脂製容器のトリミング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル樹脂の単層構造によるパリソンやシート、或いは、ポリエステル樹脂を主体とする多層構造のパリソンやシート等を材料として製造されるポリエステル樹脂製容器について、余分な部分と一体的に成形された容器に対し、容器の縁部に沿って余分な部分を切り離すための、ポリエステル樹脂製容器のトリミング装置に関する。
容器上端の封鎖部分を摘んで捻ったり押し倒したりすることで弱化部を破断して容器を開口させることができる所謂アンプル容器と呼ばれるものは、従来から広く一般的に知られており、そのようなアンプル容器を樹脂材料から製造する場合、従来から一般的には、オレフィン系の樹脂を材料として、筒型のパリソンや二枚のシートを、複数の容器型を凹設した二つ割りの金型で挟んで、圧空成形法や真空成形法やブロー成形法等の適宜の成形法により成形することで、バリの部分(パリソンやシートが金型で板状に押し潰されて残った部分)を介して複数個の容器が繋がった状態となるように、複数のアンプル容器を同時的に製造している。
なお、そのようなアンプル容器の製造では、容器の成形時に内容液を充填・密封しているが、その方法としては、先ず、内容液の充填空間を成形して、その上端開口から内容液を充填してから、上端開口を密封するように封鎖部分を成形するという方式と、充填空間の成形時に同時に封鎖部分を成形してから、容器の充填空間の下端開口から内容液を充填・密封するという方式の二通りがある。
何れの方式にしても、バリの部分を介して複数個の容器が繋がった状態で成形される樹脂製のアンプル容器では、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、カッター付きのロータによりピンチオフ(挟んで切断)することで、一つずつの容器に切り離されることとなるが、その場合、容器の材質がオレフィン系樹脂であるポリエチレンやポリプロピレンであることから、容器の縁部に沿ってバリの部分を切断する際に、容器の側にバリを残すようなこともなく、ピンチオフによって簡単に切断することができる。
特開2003−190256号公報
ところで、上記のような従来の樹脂製アンプル容器については、材料となるオレフィン系樹脂のポリエチレンやポリプロピレンでは透明性が低いため、内容液に異物が混入していないかを検査する内容物異物検査の自動化を図るのが難しく、また、ポリエチレンやポリプロピレンでは酸素を透過させてしまうため、内容液が医薬品である場合など、容器を更にポリエステル樹脂製の袋に入れて密封する必要があるものとなっている。これに対して、透明性が高くて酸素バリア性に優れたポリエステル樹脂によるアンプル容器の開発が進められている。
しかしながら、ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂の単層構造によるパリソンやシート、或いは、ポリエステル樹脂を主体とする多層構造のパリソンやシート等)を材料として従来の方法によりアンプル容器を製造する場合、ポリエステル樹脂は粘りがあって硬いため、容器の成形時に充填空間に内容液を充填・密封することで樹脂が冷えて硬くなってしまい、そのため、容器の縁部に沿ってバリの部分を切り離す際に、強い圧力でピンチオフしないと切断するのが難しく、また、切り離された容器の側にバリが残ってしまうことがある。
そこで、そのように容器に残ったバリを除去するために更に容器をプレス機に掛けると、容器が割れてしまったり、容器にギザギザの分離痕が残ってしまうことがあり、また、超音波カッターやレーザー光線などによりバリを切り取ろうとすると、加工時間が長くなって生産効率が悪くなるというだけでなく、昇華した樹脂が容器の表面に溶着するような虞もある。
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、ポリエステル樹脂製の容器について、容器の縁部に沿って余分な部分を切り離す際に、容器の側にバリを残すようなことなく、容易に切断できるようにするということを課題とするものである。
本発明は、上記のような課題を解決するために、
余分な部分と一体的に成形された容器に対し、容器の縁部に沿って余分な部分を切り離すためのポリエステル樹脂製容器のトリミング装置として、
容器の縁部に沿った部分で当接して容器を載置する先端部を有する受け部材と、
受け部材に対して軸線方向に移動可能で受け部材の先端部と対向する先端部を有する超音波ホーンと、
超音波ホーンに対して軸線方向に移動可能で超音波ホーンの先端部の内側に容器との当接面を有する押し込み部材と、
超音波ホーンと押し込み部材との間に設けられる弾性部材と、
超音波ホーンと受け部材との間に設けられるストッパー部材とを備えて、
容器を載置した状態の受け部材に向けて、超音波ホーンを超音波振動させながら、超音波ホーンと押し込み部材を移動させたときに、先ず、超音波ホーンの先端部と受け部材の先端部とが接触する寸前で、超音波ホーンの移動をストッパー部材により停止させてから、その状態で容器と当接している押し込み部材を、弾性部材を圧縮して更に移動させることで、容器の縁部に沿った部分が切断されるように構成されていることを特徴とするものである。
上記のような本発明のポリエステル樹脂製容器のトリミング装置によれば、切断する部分に超音波ホーンで加圧しながら超音波振動させることで、切断部分を溶かしながら超音波ホーンを切断部分に挿入できるため、容器の割れや容器にギザギザの分離痕を残すようなことなく、容器の縁部に沿った部分を短時間で切断することができる。
しかも、切断中に樹脂が溶融した状態では、超音波振動のエネルギーが伝わらないため、切断中に樹脂を過度に溶融させることがなく、樹脂が蒸散して容器の表面を汚してしまうような虞がない。
さらに、超音波ホーンの先端部と受け部材の先端部とが接触する寸前(両方の先端部の間に0.01〜0.05mm程度の僅かな間隔を持たせた状態)で、超音波ホーンの移動がストッパー部材により停止されることで、超音波ホーンの先端部と受け部材の先端部とが接触しないため、超音波ホーンや受け部材の先端部での摩耗や破損が抑えられて、装置のメンテナンス費用を節約することができる。
ポリエステル樹脂製の容器について、容器の縁部に沿って余分な部分を切り離す際に、容器の側にバリを残すようなことなく、容易に切断できるようにするという目的を、最良の形態として以下の各実施例に具体的に示すように、
余分な部分と一体的に成形された容器に対し、容器の縁部に沿って余分な部分を切り離すためのポリエステル樹脂製容器のトリミング装置として、
容器の縁部に沿った部分で当接して容器を載置する先端部を有する受け部材と、
受け部材に対して軸線方向に移動可能で受け部材の先端部と対向する先端部を有する超音波ホーンと、
超音波ホーンに対して軸線方向に移動可能で超音波ホーンの先端部の内側に容器との当接面を有する押し込み部材と、
超音波ホーンと押し込み部材との間に設けられる弾性部材と、
超音波ホーンと受け部材との間に設けられるストッパー部材とを備えて、
容器を載置した状態の受け部材に向けて、超音波ホーンを超音波振動させながら、超音波ホーンと押し込み部材を移動させたときに、先ず、超音波ホーンの先端部と受け部材の先端部とが接触する寸前で、超音波ホーンの移動をストッパー部材により停止させてから、その状態で容器と当接している押し込み部材を、弾性部材を圧縮して更に移動させることで、容器の縁部に沿った部分が切断されるように構成する、ということで実現した。
本発明の装置によりトリミングされるポリエステル樹脂製容器は、ポリエステル樹脂の単層構造によるパリソンやシート、或いは、ポリエステル樹脂を主体とする多層構造のパリソンやシート等を材料として、圧空成形法や真空成形法やブロー成形法等の適宜の成形法により、余分な部分(パリソンやシートのうちで容器として使用しない部分)を介して繋がった複数個の容器、又は、余分な部分が容器の縁部に繋がった単数個の容器として成形されるものである。
そのように成形されるポリエステル樹脂製容器で、容器の縁部に沿って余分な部分を切り離す際に、容器の側にバリを残すようなことなく、容易に切断できるような、本発明のポリエステル樹脂製容器のトリミング装置について、以下に示すような各実施例により詳しく説明する。
本実施例の装置は、アンプル容器のトリミングに使用するものであって、図1に示すように、アンプル容器1では、円形板状の底部11から上方に円筒形の胴部12が形成され、胴部12の上端から円錐台形の肩部13を介して、胴部12よりも小径で中央がやや膨出した太鼓形の頸部14が形成され、頸部14の上端から内方に口部15が形成されている。また、口部15の内縁から上方に、容器の開口部を封鎖する部分として、算盤珠形の中空球形部16が形成されており、この中空球形部16の上面側には、容器を開封する際の摘み部分として、板状の摘み部17が一体的に形成されている。
そのようなアンプル容器では、口部15と中空球形部16との境界に、レーザー光線の照射により薄肉化されて脆性化された弱化部18が形成されていて、容器を開封する際には、摘み部17を指で摘んで捩ることにより、弱化部18が破断され、中空球形部16と口部15が切り離されて、口部15が開口されることで、内容液を注出するための開口部が形成されることとなる。
なお、中空球形部16と口部15が切り離されて開口部が形成された際に、弱化部18の破断跡が口部15の上面よりも上方に突出しないようにすると共に、弱化部18による破断部分を薄くして開封し易くするために、容器の成形時には、中空球形部16の下端を口部15の上面から0.1mm程下方に金型で押し込むように成形している。
上記のようなポリエステル樹脂製のアンプル容器を製造する場合、先ず、バリの部分を介して繋がった複数個の容器(又は、バリの部分が容器の縁部に繋がった単数個の容器)として成形するために、筒型のパリソンや二枚のシートを、複数(又は単数)の容器型を凹設した二つ割りの金型で挟んで、圧空成形法や真空成形法やブロー成形法等の適宜の成形法により成形することとなるが、本実施例では、この成形をダイレクトブロー成形法によって行っている。
また、容器の成形時に内容液を充填・密封する方法としては、先ず、内容液の充填空間を成形して、その上端開口から内容液を充填してから、上端開口を密封するように封鎖部分を成形するという方式と、充填空間の成形時に同時に封鎖部分を成形してから、容器の充填空間の下端開口から内容液を充填・密封するという方式の二通りがあるが、本実施例では、前者の方法を採用することで、先ず、頸部14の上端が開放された状態の充填空間を成形して、頸部14の上端開口から内容液を充填した後、頸部14の上端部分を口部15と中空球形部16と摘み部17とに成形することで、内容液が入った充填空間を密封している。
ところで、上記のように成形されたアンプル容器では、筒型のパリソンや二枚のシートを金型で挟んで容器を成形することで、図2に示すように、容器1の縁部から連続するようにバリ10の部分とその外側の余分な部分が形成されることとなるが、そのようなバリ10の部分とその外側の余分な部分を切り離して図1に示すような容器1とするためには、容器1の縁部に沿ってバリ10の部分を切断するようにトリミングすることが必要となる。
そのようなアンプル容器のトリミングを行うための本実施例の装置については、図3〜図5に示すようなものであって、トリミング装置3は、容器を載置する受け部材31と、超音波を発振する超音波ホーン32と、容器を押し込む押し込み部材と33と、超音波ホーン32と押し込み部材33との間に設けられる弾性部材34と、超音波ホーン32と受け部材31との間に設けられるストッパー部材35、36を備えたもので、本実施例の装置では、受け部材31の中央(先端部31aの内側)に、バリ10の部分で切り離された容器1を受け入れる空間部37が形成されている。
受け部材31の先端部31aと、超音波ホーン32の先端部32aは、何れも、それぞれの平面形状が、図示していないが、容器1の縁部(外縁)と相似形状であって、容器1の縁部に沿ってバリ10の部分と当接するように、容器1の縁部の形状よりも僅かに大きくなっており、受け部材31の先端部31aがバリ10の部分と当接することで、容器1が受け部材31に載置されることとなる。
同軸的に配置された受け部材31と超音波ホーン32と押し込み部材33では、受け部材31の上方に超音波ホーン32と押し込み部材33が配置されており、受け部材31に対して超音波ホーン32は上下方向(軸線方向)に移動可能となり、超音波ホーン32に対して押し込み部材33は上下方向(軸線方向)に移動可能となっていて、超音波ホーン32の先端部32aの内側で、容器1の胴部12に当接する断面円弧状の当接面33aが押し込み部材33に形成されている。
また、超音波ホーン32の先端部32aの外側で、超音波ホーン32と押し込み部材33との間には、弾性部材34が設けられており、さらに、受け部材31の先端部31aおよび超音波ホーン32の先端部32aの外側で、超音波ホーン32と受け部材31との間には、ストッパー部材35、36(即ち、本実施例では、受け部材31の側にストッパー部材35、超音波ホーン32の側にストッパー部材36)が設けられている。
ストッパー部材35、36については、このストッパー部材35、36により受け部材31に対する超音波ホーン32の移動(下降)を停止させた状態で、超音波ホーン32の先端部32aと受け部材31の先端部31aとが接触する寸前(両方の先端部31a、32aの間隔が0.01〜0.05mm程度の状態)となるように形成されており、また、弾性部材34については、ストッパー部材35、36により超音波ホーン32の移動(下降)を停止させた状態で、当接面33aが容器1と当接している押し込み部材33を、容器の縁部に沿ったバリ10の部分が切断されるまで、更に移動(下降)できる程度に圧縮(減容)可能なものとされている。
上記のような本実施例のトリミング装置3では、先ず、図3に示すように、容器1の縁部に沿ったバリ10の部分を、受け部材31の先端部31aに当接させた状態で、バリ10の部分(及びその外側の余分な部分)と一体的に成形された容器1を、受け部材31の上に載置してから、超音波ホーンを超音波振動させながら、受け部材31の上方に位置する超音波ホーン32と押し込み部材33を下降させる。
そのように超音波ホーン32と押し込み部材33を下降させると、先ず、図4に示すように、ストッパー部材35、36同士が当接することで、超音波ホーン32と押し込み部材33の下降は停止されて、この状態で、超音波を発振しながら加圧することでバリ10の部分に食い込んだ超音波ホーン32の先端部32aは、受け部材31の先端部31aと接触する寸前(両方の先端部31a、32aの間隔が0.01〜0.05mm程度の状態)となっており、また、押し込み部材33(当接面33a)は容器1に当接している。
そのような状態から、押し込み部材33を更に下降させると、図5に示すように、押し込み部材33により弾性部材34が圧縮(減容)されて、弾性部材34に圧縮(減容)分だけ押し込み部材33が更に下降することとなり、その結果、超音波ホーン32の先端部32aにより切断される寸前となっていたバリ10の部分は、押し込み部材33の当接面33aにより容器1が下方に押し込まれることで、受け部材31の先端部31aによって完全に切断されることとなる。
なお、上記のように使用される本実施例のトリミング装置3で、受け部材31の先端部31aと超音波ホーン32の先端部32aについて、具体的には、超音波ホーン32の先端部32aの横幅を0.3mmとし、受け部材31の先端部31aの横幅を0.2mmとして、超音波ホーン32の先端部32aの横幅を受け部材31の先端部31aの横幅超よりも広く形成している。また、受け部材31の先端部31aの硬度をHRC55とし、超音波ホーン32の先端部32aの硬度をHRC58として、受け部材31の先端部31aの硬度が超音波ホーン32の先端部32aの硬度よりも低くなるようにしている。
また、超音波ホーン32による加圧と超音波振動について、切断するバリ10の部分の厚さが約0.5mmであるのに対して、この部分を受け部材31の先端部31aと超音波ホーン32の先端部32aとの間に挟み込んでから、超音波ホーン32により、400kPaの圧力で加圧しながら、周波数が20kHzで振幅60μmの超音波を発振させている。この超音波の発振時間は約0.8msec程度であるが、特に、本実施例では、0.3msecの間発振し、0.1msecの減衰期間を置いて、振幅を40μmに減衰させて0.4msecの間発振させており、そうすることで、樹脂を切断するのに必要な溶融状態以上に厚く広範囲に樹脂を溶融させることなく、必要以上に余分に溶融した樹脂が蒸散現象を起こすことがないようにしている。
さらに、本実施例では、容器1の縁部に沿ったバリ2の部分の切断を完了させた後で、超音波ホーン32を超音波振動させながら、超音波ホーン32の先端部32aと受け部材31の先端部31aとを遠ざけるようにしており、そうすることで、バリ10の部分を超音波ホーン32の先端部32aに付着させることなく、バリ10の部分から超音波ホーン32の先端部32aを完全に分離させるようにしている。
本実施例の装置は、フランジ付き容器のトリミングに使用するものであって、図6に示すように、トレー型のフランジ付き容器2では、略長方形の底部21から上方に、増径しながらテーパー状に広がるように胴部22が形成され、胴部22の上端から外側に向かって水平に広がるようにフランジ部23が形成されている。このフランジ部23には、図示していないが、ヒートシール法や接着剤によりシート状の蓋体を貼着して容器を密封することとなるが、この蓋体については、合成樹脂製の単層や多層或いはアルミ箔や合成樹脂を積層させた多層のシートからなるもので、イージーピール性が付与されたり、ストロー等の開封具を容易に差し込める等の所望の構成が付与されたものがある。
上記のようなトレー型のフランジ付き容器では、金属製の缶容器と同程度の耐熱性を有するように、球晶性ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂の単層構造や、ポリエステル樹脂を主体とした熱可塑性樹脂による多層構造を備えたものがあって、そのようなポリエステル樹脂製のフランジ付き容器ではレトルト殺菌処理が可能なものとなる。
そのようなポリエステル樹脂製のフランジ付き容器を製造する場合、球晶性ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂の単層構造のシートや、ポリエステル樹脂を主体とした熱可塑性樹脂による多層構造のシートを材料として、先ず、塑性変形が可能な状態にまでシートを予備加熱してから、容器のフランジ部となる部分を上金型と下金型の周縁部分で挟持し、上金型側からプラグや圧空でシートを押し付けたり、下金型側から真空でシートを引き付けたりして、容器の外面形状が複数個(又は単数個)凹設された下金型にシートを押し付けることで、フランジ部から外側の余分なシート部分を介して繋がった複数個の容器(又は、余分なシート部分がフランジ部から外側に繋がった単数個の容器)として成形される。
ところで、上記のように成形されたフランジ付き容器では、容器のフランジ部となるシートの部分を金型で挟んで容器を成形することで、容器のフランジ部の外縁から連続するように余分なシートが繋がっていることとなるが、そのような余分なシートを容器のフランジ部と切り離すためには、容器のフランジ部の縁部(外縁)に沿ってシートを切断するようにトリミングすることが必要となる。
その場合、シートの材質がポリエステル樹脂であるため、容器のフランジ部となるシートの部分を上金型と下金型の周縁部分で挟持した途端に樹脂の固化が始まって、容器のフランジ部の縁部(外縁)に沿った部分で樹脂が粘りのある硬いものとなるため、容器のフランジ部の縁部(外縁)に沿ってシートを切断する際に、単なるピンチオフによる切断では、かなりの圧力を必要とし、また、フランジ部の先端から糸を引いたような微細なバリが発生してしまう虞がある。
これに対して、本実施例のトリミング装置を使用することにより、超音波を発振する超音波ホーンの先端部と、受け部材の先端部との間に、容器のフランジ部の外縁に沿ったシートの部分を挟み込んで、加圧しながら超音波ホーンを超音波振動させることにより、容器のフランジ部の外縁に沿ったシートの部分を、バリを発生させるようなことなく、容易に切断することができて、余分なシートを容器のフランジ部から切り離すことができることとなる。
そのような本実施例のトリミング装置については、図7〜図9に示すようなものであって、容器の切断部分を載置する受け部材31と、超音波を発振する超音波ホーン32と、容器を押し込む押し込み部材と33と、超音波ホーン32と押し込み部材33との間に設けられる弾性部材34と、超音波ホーン32と受け部材31との間に設けられるストッパー部材35、36を備えたものであるという点では、先に述べた実施例(実施例1)の装置と同様である。
一方、受け部材31と超音波ホーン32のそれぞれの先端部31a、32aの平面形状が、容器2のフランジ部23の縁部(外縁)に沿った形状であるという点、また、押し込み部材33の当接面33aが、容器2のフランジ部23に当接する先端面(下端面)であるという点、および、受け部材31の中央(先端部31aの内側)には、容器2を支持する支持台38が押し下げ可能に設けられているという点で、先に述べた実施例(実施例1)の装置とは相違する。
以下、先に述べた実施例(実施例1)の装置と同様の点については説明を省略した上で本実施例(実施例2)の装置について説明すると、支持台38は、その上面にフランジ付き容器2の外面形状が凹設されたものであり、容器2を支持台38に吸着させたり吹き出させたりするための孔部38aを有するものであって、押し込み部材33による下方への押し込みが可能なように、図示していない弾性部材によって支えられている。
そのような支持台38を備えた本実施例の装置では、図7に示すように、支持台38によって容器2のフランジ部23の切断部分が受け部材31の先端部31aに位置決めされた状態から、超音波ホーン32と押し込み部材33を下降させると、先ず、図8に示すように、ストッパー部材35、36により超音波ホーン32と押し込み部材33の下降が停止され、この状態で、押し込み部材33(当接面33a)がフランジ部23に当接すると共に、フランジ部23の切断部分に食い込んだ超音波ホーン32の先端部32aは、受け部材31の先端部31aと接触する寸前となっている。
そのような状態から、押し込み部材33を更に下降させると、図9に示すように、押し込み部材33により弾性部材34が圧縮(減容)されて、弾性部材34に圧縮(減容)分だけ押し込み部材33が更に下降することとなり、その分だけ押し込み部材33により支持台38と共に容器2が下方に押し込まれて、その結果、超音波ホーン32の先端部32aにより切断される寸前となっていたフランジ部23の切断部分は、受け部材31の先端部31aによって完全に切断されることとなる。
なお、上記のようにフランジ部23の余分な部分20が除去されたフランジ付き容器2については、図示していないが、超音波ホーン32と押し込み部材33を上昇させるか、或いは、受け部材31から下方に支持台38を抜き出した後で、支持台38の孔部38aから空気を吹き込むことにより、支持台38から抜き出されることとなる。
以上、本発明のポリエステル樹脂製容器のトリミング装置の各実施例について説明したが、本発明は、上記のような具体的な実施例にのみ限定されるものではなく、例えば、超音波ホーンと受け部材との間に設けられるストッパー部材について、上記の各実施例では、何れも、超音波ホーン側と受け部材側とにそれぞれストッパー部材を設けているが、両方のストッパー部材を合わせた大きさのストッパー部材を、超音波ホーン側と受け部材側の何れか一方に設けるようにしても良い等、適宜に設計変更可能なものであることはいうまでもない。
本発明のトリミング装置によってトリミングされる容器の一例であるアンプル容器を示す正面図。 図1に示したアンプル容器がバリの部分と一体的に成形された状態を示す正面図。 本発明のポリエステル樹脂製容器のトリミング装置の一実施例(アンプル容器用)について、トリミング開始前の状態を示す断面図。 図3に示した実施例のトリミング装置について、トリミング中の状態を示す断面図。 図3に示した実施例のトリミング装置について、トリミングが終了した状態を示す断面図。 本発明のトリミング装置によってトリミングされる容器の一例であるフランジ付き容器を示す斜視図。 本発明のポリエステル樹脂製容器のトリミング装置の他の実施例(フランジ付き容器用)について、トリミング開始前の状態を示す断面図。 図7に示した実施例のトリミング装置について、トリミング中の状態を示す断面図。 図7に示した実施例のトリミング装置について、トリミングが終了した状態を示す断面図。
符号の説明
1 アンプル容器
2 フランジ付き容器
3 トリミング装置
31 (トリミング装置の)受け部材
31a (受け部材の)先端部
32 (トリミング装置の)超音波ホーン
32a (超音波ホーンの)先端部
33 押し込み部材
33a (押し込み部材の)当接面
35 ストッパー部材
36 ストッパー部材

Claims (1)

  1. 余分な部分と一体的に成形された容器に対し、容器の縁部に沿って余分な部分を切り離すためのポリエステル樹脂製容器のトリミング装置として、
    容器の縁部に沿った部分で当接して容器を載置する先端部を有する受け部材と、
    受け部材に対して軸線方向に移動可能で受け部材の先端部と対向する先端部を有する超音波ホーンと、
    超音波ホーンに対して軸線方向に移動可能で超音波ホーンの先端部の内側に容器との当接面を有する押し込み部材と、
    超音波ホーンと押し込み部材との間に設けられる弾性部材と、
    超音波ホーンと受け部材との間に設けられるストッパー部材とを備えて、
    容器を載置した状態の受け部材に向けて、超音波ホーンを超音波振動させながら、超音波ホーンと押し込み部材を移動させたときに、先ず、超音波ホーンの先端部と受け部材の先端部とが接触する寸前で、超音波ホーンの移動をストッパー部材により停止させてから、その状態で容器と当接している押し込み部材を、弾性部材を圧縮して更に移動させることで、容器の縁部に沿った部分が切断されるように構成されていることを特徴とするポリエステル樹脂製容器のトリミング装置。
JP2008152343A 2008-06-11 2008-06-11 ポリエステル樹脂製容器のトリミング装置 Expired - Fee Related JP5187747B2 (ja)

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