JP5187025B2 - フルオロナフトール誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶化合物等の製造中間体として有用なフルオロナフトール誘導体の製造方法に関する。
液晶表示素子は、低電圧作動、薄型表示等の優れた特徴から現在広く用いられている。従来の液晶表示素子の表示方式にはTN(ねじれネマチック)、STN(超ねじれネマチック)、又はTNをベースにしたアクティブマトリックス(TFT:薄膜トランジスタ)等があり、これらは誘電率異方性値が正の液晶組成物を利用するものである。しかし、これら表示方式の欠点の一つとして視野角の狭さがあり、近年高まっている液晶パネルの大型化の要求に伴い、その改善が大きな課題となっている。
この解決策として、垂直配向方式、IPS(インプレインスイッチング)等の表示方式が実用化されてきた。垂直配向方式は液晶分子の垂直配向を利用して視野角の改善を図った方式であり、誘電異方性値が負の液晶組成物が使用される。またIPSは、ガラス基板に対して水平方向の横電界を用いて液晶分子をスイッチングさせることで視野角の改善を図った方法であり、誘電異方性値が正又は負の液晶組成物が使用される。このように、視野角改善のために有効な表示方式である垂直配向方式及びIPSには誘電率異方性値が負である液晶化合物ならびに液晶組成物が必要であり、強く要望されるようになってきた。
誘電率異方性が負の液晶組成物に使用される液晶化合物としては、1、7、8−トリフルオロナフタレン誘導体が挙げられる(特許文献1参照)。その製造方法における水酸基導入工程を以下に示す。
Figure 0005187025
この製造方法は、1)リチオ化後2)ホウ素化し3)加水分化し4)酸化することによって対応するナフトールを製造するものであった。しかしながら、この製造方法はリチオ化及びホウ素化工程を極低温で行う必要があるため特別な生産設備が必要であり、スケールアップやコストダウンが困難であった。また反応温度を上げると式(V)
Figure 0005187025
で表されるビナフチル誘導体及びその類縁体が生成してしまう。この化合物を含有するナフトールを使用し液晶化合物を製造すると、この化合物由来の不純物も同時に生成してしまう。その他、複雑な副反応が進行することもあり、この場合、着色などを惹き起こす。それらは通常の精製法では除去が非常に困難であり、更に液晶組成物の信頼性を低下させてしまう。
特開2005−272562号公報
本願発明の課題は、有機ホウ素化合物を経由するフルオロナフトール誘導体の製造において、リチオ化工程でのビナフチル誘導体の生成を抑え、極低温条件を必要としないリチオ化及びホウ素化工程を開発し、高品質かつ生産性に優れたフルオロナフトール誘導体の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために反応試薬の種類、添加条件等を鋭意検討した結果、本件発明を完成するに至った。本願は一般式(I)
Figure 0005187025
(式中、X、X、X、X及びXはそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から7の直鎖状アルキル基、炭素原子数1から7の直鎖状アルコキシル基、炭素原子数2から7の直鎖状アルケニル基又は炭素原子数2から7の直鎖状アルケニルオキシ基を表し、これらは1個又は2個以上の炭素原子が−O−、−C=C−又は−C≡C−により置き換えられても良く、1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子、フッ素化されていても良いアルキル基又はフッ素化されていても良いアルコキシル基により置き換えられても良く、分子内に不斉炭素原子を持つ場合にはラセミ体であっても光学活性体であっても良く、あるいは一般式(II)
Figure 0005187025
(式中、Rはフッ素原子、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1から7の直鎖状アルキル基、炭素原子数1から7の直鎖状アルコキシル基、炭素原子数2から7の直鎖状アルケニル基又は炭素原子数2から7の直鎖状アルケニルオキシ基を表し、1個又は2個以上の炭素原子が−O−、−C=C−又は−C≡C−により置き換えられても良く、1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子、フッ素化されていても良いアルキル基、フッ素化されていても良いアルコキシル基により置き換えられても良く、分子内に不斉炭素原子を持つ場合にはラセミ体であっても光学活性体であっても良く、Z及びZはそれぞれ独立的に単結合、−CHCH−、−(CH−、−CHCHCH−、−CHCHCH−、−CHCHO−、−OCHCH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CFCF−、−CF=CF−、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、Aはそれぞれ独立的にトランス−1、4−シクロへキシレン基、1、4−シクロヘキセニレン基、1、4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、1、4−フェニレン基、ナフタレン−2、6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2、6−ジイル基及び1、2、3、4−テトラヒドロナフタレン−2、6−ジイル基を表し、これら基中に含まれる1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子により置き換えられても良く、これら基中に存在する1個又は2個以上の−CH−は−O−により置き換えられても良く、nは0、1、2又は3を表すが、nが2及び3を表す場合において2個あるいは3個存在する環A、Z又はZは同一であっても異なっていても良い。)を表す。)で表される化合物及びホウ酸エステルの混合物を、リチウムジアルキルアミドと反応させ、加水分解した後に、酸化することを特徴とする一般式(III)
Figure 0005187025
(式中、X、X、X、X又はXは一般式(I)と同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法及び一般式(I)
Figure 0005187025
(式中、X、X、X、X及びXは一般式(I)と同じ意味を表す。)で表される化合物及びホウ酸エステルの混合物を、リチウムジアルキルアミドと反応させた後に、加水分解することを特徴とする一般式(IV)
Figure 0005187025
(式中、X、X、X、X又はXは一般式(I)と同じ意味を表す。)で表される有機ホウ素化合物の製造方法。を提供する。
本発明の製造方法により、副生成物である式(V)で表されるビナフチル誘導体の生成を抑え、実用的な温度条件下で一般式(I)で表されるフルオロナフトール誘導体を製造することができるようになった点において有用である。
一般式(I)で表される化合物とホウ酸エステルの混合物をリチウムジアルキルアミドと反応させることにより、脱プロトン化と同時にほう素化を行う。その後該有機ホウ素化合物を酸化することにより一般式(III)の製造ができる。
一般式(I)で表される化合物としてはXが炭素原子数1から7の直鎖状アルキル基、炭素原子数1から7の直鎖状アルコキシル基、炭素原子数2から7の直鎖状アルケニル基又は炭素原子数2から7の直鎖状アルケニルオキシ基又は一般式(II)で表される化合物が好ましく、一般式(II)のAが、1、4−フェニレン基、ナフタレン−2、6−ジイル基及び1、2、3、4−テトラヒドロナフタレン−2、6−ジイル基を表し、これら基中に含まれる1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子により置き換えられている場合及び/又はRがフッ素原子である場合には、それらAに置換したフッ素原子の総数が1、2、3、4又は5個が好ましく、1又は隣り合わない2個が更に好ましく、1個が更に好ましい。
溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、エーテル系溶媒および炭化水素系溶媒等を挙げることができる。エーテル系溶媒としては、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよびt-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等を、炭化水素系溶媒としてはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン又はキシレン等が挙げられ、中でもテトラヒドロフランが好ましい。これらは単独で使用してもよく、混合物であってもよい。
リチウムジアルキルアミドとしては、一般式(I)で表される化合物のナフタレン環のフッ素に隣接する炭素原子上の水素を引き抜く能力があれば実質的に何れでも構わないが、例えばアルキル基が炭素原子数1から12の直鎖、枝分かれ及び環状のリチウムジアルキルアミドを挙げることができるそのようなものとしては、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジイソブチルアミド、リチウムジtert-ブチルアミド、リチウムジペンチルアミド、リチウムジイソペンチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジノニルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウムジウンデシルアミド、リチウムジドデシルアミド、リチウムアジリジド、リチウムアゼチジド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、ジリチウムピペラジド、トリリチウムヘキサヒドロトリアジド、リチウムモルホリドなどが挙げられ、中でもリチウムジイソプロピルアミドが好ましい。また、その他の置換基を有していても良いリチウムアミド化合物として、置換基を有していても良いリチウムジシラザンを挙げることができ、そのようなものとしてリチウムヘキサメチルジシラザンを例示することができる。
ホウ酸エステルとしては、ホウ素原子に結合しているアルコキシ基の炭素原子数が1から5である化合物が上げられ、具体的にはホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリイソブチル、ホウ酸トリtert-ブチル、ホウ酸トリペンチル、ホウ酸トリイソペンチルなどが挙げられ、中でもホウ酸トリイソプロピルを用いるのが好ましい。また、その他のホウ酸エステルとして、アルコキシ基が環状構造を有しているようなものを挙げることもできる。例えば、アルコキシ(ピナコラト)ボラン、アルコキシ(カテコラト)ボラン、を挙げる事が出来、そのようなものとして2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランが好ましい。
有機ホウ素化合物を製造する際の反応温度は−60℃から40℃が好ましく、−40℃から30℃がより好ましく、−20℃から20℃が更に好ましい。
得られた有機ホウ素化合物は一度単離してもよく、単離せずそのまま酸化してもよい。また、得られたほう素化合物を加水分解してホウ酸化合物へと変換した後に酸化しても構わない。
前記有機ホウ素化合物を酸化する際、必要に応じて酸化剤を用いることが出来る。そのような酸化剤としては、酸素の他、無機酸化剤、有機酸化剤が挙げられる。無機系酸化剤としてはハロゲンオキソ酸及びその金属塩、過酸化水素水及びその金属塩、クロム酸、過マンガン酸カリウム、オゾン、オキソンなどが挙げられ、有機酸化剤としては過酢酸、過ギ酸、メタクロロ過安息香酸、ジメチルジオキシラン、tert-ブチルヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルオキシド、その他アルコール過酸化物、ジエチルエーテルヒドロペルオキシド、ジエチルエーテルペルオキシド、テトラヒドロフランヒドロペルオキシド、テトラヒドロフランペルオキシド、その他エーテル過酸化物、N-メチルモルホリンN-オキシド、ピリジンN-オキシドなどのアミンN-オキシド類が挙げられ、中でも過酸化水素、過酢酸及び過ギ酸を用いるのが好ましい。反応温度は−78℃から70℃が好ましく、0℃から50℃がより好ましい。また、酸化剤との反応時には、溶媒に水が含まれていても構わない。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)等により確認した。
化合物記載に下記の略号を使用する。
THF :テトラヒドロフラン
iPr :イソプロピル基

(実施例1)3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシ-2-ナフトール(I−a)の製造
Figure 0005187025
窒素雰囲気下、62.6 gのジイソプロピルアミンの180mLのTHF溶液へ369 mLの1.58Mのブチルリチウム/ヘキサン溶液を-5〜0℃で滴下した。更に-5〜0℃で15分攪拌の後、生成したリチウムジイソプロピルアミド(LDA)溶液を-10℃に冷却した100 gの3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシナフタレン及び117.4 gのホウ酸トリイソプロピルの300 mLのTHF溶液中に滴下した。更に-12〜-8℃で1時間攪拌の後、0℃まで昇温させ50 mLの水を加え加水分解した。更に0〜5℃で30分攪拌した後、反応液を45℃に昇温し、283 gの10%過酸化水素水を滴下した。更に45〜50℃で2時間攪拌の後、25℃に冷却し50mLの水および50mLのトルエンを加えた。水層を分離後、有機層を水、10%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、濃縮し116 gの褐色粗生成物を得た。ヘキサン/トルエン混合溶媒から再結晶を行い、96.8 gの純度99.0%以上の淡黄色の3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシ-2-ナフトール(I−a)を得た。
MS m/z : 256 (M+)
1H-NMR (60 MHz, CDCl3)
δ: 1.05 1.10 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.80 1.90 (m, 2 H), 4.10 4.14 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 5.40 (s, 1 H), 7.07 7.11 (m, 1 H), 7.20 7.14 (m, 1 H), 7.36 7.40 (m, 1 H).

(比較例1)3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシ-2-ナフトール(I−a)の製造
Figure 0005187025
窒素雰囲気下、激しく攪拌しながら-60℃に冷却した100 gの3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシナフタレンの300 mLのTHF溶液中に290 mLの1.58Mのブチルリチウム/ヘキサン溶液を-60〜-55℃で滴下した。更に30分間攪拌した後、-60℃で51.9 gのホウ酸トリメチルの150 mLのTHF溶液を滴下した。更に-12〜-8℃で1時間攪拌の後、0℃まで昇温させ50 mLの水を加え加水分解した。更に0〜5℃で30分攪拌した後、反応液を45℃に昇温し、283 gの10%過酸化水素水を滴下した。更に45〜50℃で2時間攪拌の後、25℃に冷却し50mLの水および50mLのトルエンを加えた。水層を分離後、有機層を水、10%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、濃縮し113 gの褐色粗生成物を得た。ヘキサン/トルエン混合溶媒から再結晶を行い、97.2 gの純度99.0%以上の淡黄色の3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシ-2-ナフトール(I−a)を得た。
この方法で得られた3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシ-2-ナフトールは問題となる不純物を含まないため品質的には問題がないものの、反応を-60℃という極低温で行わなければならない。
(比較例2)
Figure 0005187025
窒素雰囲気下、激しく攪拌しながら-15℃に冷却した100 gの3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシナフタレンの300 mLのTHF溶液中に290 mLの1.58Mのブチルリチウム/ヘキサン溶液を-15〜-10℃で滴下した。更に30分間攪拌した後、-15〜-10℃で51.9 gのホウ酸トリメチルの150 mLのTHF溶液を滴下した。更に-12〜-8℃で1時間攪拌の後、0℃まで昇温させ50 mLの水を加え加水分解した。更に0〜5℃で30分攪拌した後、反応液を45℃に昇温し、283 gの10%過酸化水素水を滴下した。更に45〜50℃で2時間攪拌の後、25℃に冷却し50mLの水および50mLのトルエンを加えた。水層を分離後、有機層を水、10%亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、濃縮し118 gの褐色粗生成物を得た。GCにより純度測定を行うと副生成物であるビナフチル体及びその類縁体が合計8%ほど生成していた。ヘキサン/トルエン混合溶媒から再結晶を行い、63.9 gの3,4,5-トリフルオロ-6-プロポキシ-2-ナフトール(I−a)を得た。実施例1と同様の精製を行ったが、GCにより純度測定を行うと副生成物であるビナフチル体及びその類縁体が合計1.8%ほど残留しており、精製後でも褐色に着色していた。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    Figure 0005187025
    (式中、X、X、X、X及びXはそれぞれ独立的に水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から7の直鎖状アルキル基、炭素原子数1から7の直鎖状アルコキシル基、炭素原子数2から7の直鎖状アルケニル基又は炭素原子数2から7の直鎖状アルケニルオキシ基を表し、これらは1個又は2個以上の炭素原子が−O−、−C=C−又は−C≡C−により置き換えられても良く、1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子、フッ素化されていても良いアルキル基又はフッ素化されていても良いアルコキシル基により置き換えられても良く、分子内に不斉炭素原子を持つ場合にはラセミ体であっても光学活性体であっても良く、あるいは一般式(II)
    Figure 0005187025
    (式中、Rはフッ素原子、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、炭素原子数1から7の直鎖状アルキル基、炭素原子数1から7の直鎖状アルコキシル基、炭素原子数2から7の直鎖状アルケニル基又は炭素原子数2から7の直鎖状アルケニルオキシ基を表し、1個又は2個以上の炭素原子が−O−、−C=C−又は−C≡C−により置き換えられても良く、1個又は2個以上の水素原子がフッ素原子、フッ素化されていても良いアルキル基、フッ素化されていても良いアルコキシル基により置き換えられても良く、分子内に不斉炭素原子を持つ場合にはラセミ体であっても光学活性体であっても良く、Z及びZはそれぞれ独立的に単結合、−CHCH−、−(CH−、−CHCHCH−、−CHCHCH−、−CHCHO−、−OCHCH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、−CFO−、−CFCF−、−CF=CF−、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、Aはそれぞれ独立的にトランス−1、4−シクロへキシレン基、1、4−シクロヘキセニレン基、1、4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、1、4−フェニレン基、ナフタレン−2、6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2、6−ジイル基及び1、2、3、4−テトラヒドロナフタレン−2、6−ジイル基を表し、これら基中に含まれる1個又は2個以上の水素原子はフッ素原子により置き換えられても良く、これら基中に存在する1個又は2個以上の−CH−は−O−により置き換えられても良く、nは0、1、2又は3を表すが、nが2及び3を表す場合において2個あるいは3個存在する環A、Z又はZは同一であっても異なっていても良い。)を表す。)で表される化合物及びホウ酸エステルの混合物を、リチウムジアルキルアミドと反応させ、加水分解した後に、酸化することを特徴とする一般式(III)
    Figure 0005187025
    (式中、X、X、X、X又はXは一般式(I)と同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法。
  2. 一般式(I)
    Figure 0005187025
    (式中、X、X、X、X及びX請求項1記載の一般式(I)と同じ意味を表す。)で表される化合物及びホウ酸エステルの混合物を、リチウムジアルキルアミドと反応させた後に、加水分解することを特徴とする一般式(IV)
    Figure 0005187025
    (式中、X、X、X、X又はX請求項1記載の一般式(I)と同じ意味を表す。)で表される有機ホウ素化合物の製造方法。
  3. 一般式(I)で表される化合物及びホウ酸エステルの混合物とリチウムジアルキルアミドとの反応温度が−40から30℃の範囲である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 一般式(I)で表される化合物及びホウ酸エステルの混合物とリチウムジアルキルアミドの反応において、一般式(I)で表される化合物及びホウ酸エステルの混合物にリチウムジアルキルアミドを滴下する請求項1、2又は3記載の製造方法。
  5. ホウ酸エステルとしてホウ酸トリイソプロピルを用いる請求項1、2、3又は4記載の製造方法。
  6. リチウムジアルキルアミドとしてリチウムジイソプロピルアミドを用いる請求項1、2、3、4又は5記載の製造方法。
  7. 一般式(I)におけるXが一般式(II)で表される化合物である請求項1、2、3、4、5又は6記載の製造方法。
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