JP5186271B2 - トンネル用照明システム - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル用照明システムに関し、詳しくは、トンネル内の長さ方向に沿って複数の照明器具が設けられ、各々の照明器具が複数の光源を有する照明設備の点灯制御を行うトンネル用照明システムに関する。
従来から、トンネル内に長さ方向に沿って複数の照明器具が設けられ、制御装置が当該トンネルへの車両の進入の有無等に応じて上記照明器具の照度を制御するトンネルの照明設備が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、トンネル内の明るさを昼間と夜間との間で異ならせることができるように、各照明器具を複数の光源を有する多灯式とし、目標とする明るさに応じて点灯する光源の数を増減させる照明装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この照明装置では、例えば、光源として4本の蛍光灯が設けられている場合に、4本のうち2本を点灯したときには50%の明るさが得られ、1本だけを点灯したときには25%の明るさが得られる。
一方、トンネル内に設けられた各照明器具を複数の光源を有する多灯式とすると共に、照明器具の長寿命化を図るために複数の光源の一部を順次点灯させる照明システムがある。具体的には、図7に示すように、トンネル10の長さ方向に沿って複数の照明器具11、12・・1nが設けられ、各照明器具は、上下2段に蛍光灯1A、1Bを有し、例えば、24時間おきに上段の蛍光灯1Aが点灯した状態と下段の蛍光灯1Bが点灯した状態とが切替えられる照明システムがある。このシステムでは、各照明器具の寿命は、個別の蛍光灯の寿命の約2倍になるので、蛍光灯を取替えるメンテナンス作業の頻度を大幅に低減することができる。
特開2004−127845号公報 特開2007−188785号公報
ところが、上記照明システムでは、上下の蛍光灯1A、1Bが交互に点灯状態とされるために、監視作業員がパトロール車20に乗ってトンネル10内を走行しつつ照明器具の点灯状態を目視で点検するときに、不点灯となった蛍光灯を発見できない場合がある。
具体的には、各照明器具の上段の蛍光灯1Aが点灯中に、例えば1つの照明器具の上段の蛍光灯1Aがフィラメント切れ等によって不点灯となり、その後、監視作業が行われるまでに下段の蛍光灯1Bが点灯するように制御が切替えられた場合には、下段の蛍光灯1Bは全てが正常に点灯するので監視作業員は不点灯となった上段の蛍光灯1Aを発見することができない。
また、照明器具の上下いずれかの蛍光灯1A、1Bが不点灯となった後に、点灯制御される蛍光灯が上下段で切替えられる前に監視作業が行われた場合であっても、監視作業員はパトロール車20に乗って走行しつつ点検をするので、不点灯で暗い状態の蛍光灯は見逃してしまう可能性が高い。
上記のような監視作業員の見逃しを防止するために、各照明器具毎にLED等の警告ランプを設け、上下いずれかの蛍光灯1A、1Bが不点灯となった場合には当該照明器具の警告ランプを点灯することが考えられるが、走行しつつ点検を行う監視作業者の見逃しを防止するためには相当に大型の警告ランプを設けなければならず設備コストがかかる。
また、設備コストをかけない方法として、照明器具の上下いずれかの蛍光灯1A、1Bが不点灯となった場合に、正常な方の蛍光灯を点滅制御させることが考えられるが、この方法はトンネル内を走行する一般のドライバーの注意を不必要にトンネルの壁面方向へ引くことになり安全上好ましくない。
そこで、本発明は、上記課題を解決するものであり、トンネル内に設けられた照明器具の各々が有する複数の光源の一部を順次点灯させるトンネル用照明システムにおいて、新たな設備コストをかける必要がなく、監視作業員が容易に不点灯の光源を発見することができるトンネル用照明システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トンネルの長さ方向を軸として上下2段に配置された2つの光源を各々に有し、トンネル内の長さ方向に沿ってトンネル内の側面に隣接して設けられ複数の照明器具と、前記照明器具の各々が有する2つの光源を順次点灯制御する制御装置と、前2つの光源の不点灯を個別に検出するセンサと、を備え、前記制御装置は、前記センサがいずれかの光源の不点灯を検出したときに、その不点灯の光源を有する照明器具に隣接する照明器具内の光源の点灯個数を増やすことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のトンネル用照明システムにおいて、前記制御装置は、前記センサがいずれかの光源の不点灯を検出したときに、さらに、不点灯の光源を有する照明器具内の全ての光源を消灯させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、不点灯の光源が検出されたときに、その不点灯の光源を有する照明器具に隣接する照明器具の光源の点灯個数を増加するので、巡回する監視作業員が容易に不点灯の光源を発見することができ、早期に照明器具の保守を行うことができる。
請求項2の発明によれば、不点灯の光源が検出されたときに、その不点灯の光源を有する照明器具に隣接する照明器具の光源の点灯個数を増加し、その上で、不点灯の光源を有する照明器具内の全ての光源を消灯するので、監視作業員による不点灯光源の発見の容易さを保ったまま電力消費を抑えることができる。
以下、本発明の一実施形態に係るトンネル用照明システムについて図1乃至図5を参照して説明する。本実施形態のトンネル用照明システム1は、図1に示されるように、トンネル10内の長さ方向に沿って複数設けられ、各々が蛍光灯1A、1B(光源)を上下2段に有する照明器具11、12・・1nと、各照明器具の蛍光灯1A、1Bが交替で点灯するように点灯制御する制御装置21、22・・2nと、全制御装置に亘って接続された管理装置2と、を備える。管理装置2は、各制御装置21、22・・2nへ蛍光灯1A、1Bの点灯制御の切替えタイミングを与えると共に、蛍光灯1A、1Bの調光すべき照度情報を与える。
照明器具11、12・・1n及び制御装置21、22・・2nの構成は同一であり、以下、1組の照明器具11と制御装置21について、図2を参照して説明する。照明器具11は上下2段に配置された蛍光灯1A、1Bと、各蛍光灯の調光制御を行うインバータ3A、3Bと、各蛍光灯の近傍に配置された照度センサ4A、4Bと、を備える。蛍光灯1A、1Bに代えてLED等の他の種類の光源を用いることができる。
インバータ3A、3Bは、制御装置21が送信する調光信号csに応じて各蛍光灯1A、1Bの光出力を制御する。また、インバータ3A、3Bへ供給される交流電源ACが制御装置21内のオンオフスイッチ5によりオンオフ制御されることによって、各蛍光灯1A、1Bの点灯制御が行われる。具体的には、上段の蛍光灯1Aに接続されたオンオフスイッチ5aがオンオフされることにより蛍光灯1Aが点灯・消灯され、同様に、下段の蛍光灯1Bに接続されたオンオフスイッチ5bがオンオフされることにより蛍光灯1Bが点灯・消灯される。照度センサ4A、4Bは、検出した照度の値を照度信号ssとして制御装置21へ出力する。
制御装置21は、上記オンオフスイッチ5にオンオフ信号nfsを出力してオンオフ動作させるマイクロプロセッサ6と、該マイクロプロセッサ6がいずれかの蛍光灯1A、1Bが不点灯になったと判定したときに隣接する制御装置22へ不点灯信号hsを出力する不点灯信号出力回路7と、隣接する制御装置22からの不点灯信号hsによってマイクロプロセッサ6へロー信号を入力する不点灯信号入力回路8と、を備える。また、マイクロプロセッサ6の管理装置2への接続ポート6pには管理装置2からの制御信号ta、tbによってオンオフされる無電圧接点9a、9bを備える。
マイクロプロセッサ6は、無電圧接点9aがオンされたときにオンオフスイッチ5aをオンして上段の蛍光灯1Aを点灯させ、無電圧接点9bがオンされたときにオンオフスイッチ5bをオンして下段の蛍光灯1Bを点灯させる。管理装置2は、例えば24時間毎に制御信号ta、tbの出力を切替え、これによって上段の蛍光灯1Aが点灯している状態と、下段の蛍光灯1Bが点灯している状態とが24時間毎に切替えられる。以上のように上段の蛍光灯1Aと下段の蛍光灯1Bとを交互に点灯状態とする制御をサイクリック点灯と称する。
不点灯信号出力回路7は、マイクロプロセッサ6からの信号によってオンオフされる無電圧接点31を備える。無電圧接点31がオンされるとポートp1、p2が導通される。不点灯信号入力回路8は、隣接する制御装置22のポートp1、p2にそれぞれ接続されたポートp3、p4と、ポートp4に接続されたフォトカプラ32と、フォトカプラ32のコレクタ側に抵抗rを介して接続された電圧源Pと、を備える。
従って、不点灯信号入力回路8は、隣接する制御装置22のポートp1、p2が導通されると、フォトカプラ32がオンし、マイクロプロセッサ6のポートp5の入力をロー信号に切替える。マイクロプロセッサ6は、ポートp5の入力がロー信号に切替わったことによって隣接する制御装置22が不点灯信号を発信していることを検知する。換言すると、マイクロプロセッサ6は、隣接する照明器具22のいずれかの蛍光灯1A、1Bが不点灯となったことを認識する。
次に、マイクロプロセッサ6が実行する自照明器具11の蛍光灯1A、1Bの調光制御、及び不点灯を検出する手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。まず、マイクロプロセッサ6は、照度センサ4A、又は4Bから照度信号ssとして検出値を取得し(#1)、予め管理装置2から受信している目標の照度と比較する(#2)。検出照度の方が目標照度よりも大きい場合には(#2でYES)、インバータ3A、又は3Bに調光信号csを送信して蛍光灯1A、又は1Bの出力を下げる(#3)。
検出照度の方が目標照度よりも小さい場合には(#2でNO)、目標照度に一致するか否かを判定し(#4)、一致する場合には(#4でYES)、蛍光灯1A、又は1Bの出力を変化させず(#5)、一致しない場合には(#4でNO)、インバータ3A、又は3Bに調光信号csを送信して蛍光灯1A、又は1Bの出力を上げる(#6)。
そして、マイクロプロセッサ6は、再び照度センサ4A、又は4Bから照度信号ssとして検出値を取得し(#7)、予め記憶している最低限照度と比較する(#8)。検出照度が最低限照度よりも大きい場合には(#8でYES)、不点灯状態ではないので手順を終了する。検出照度が最低限照度よりも小さい場合には(#8でNO)、蛍光灯1A、又は1Bがフィラメント切れ等によって不点灯となっていると判定する(#9)。なお、目標照度は、一般的に昼間において比較的高い値に設定され、夜間において比較的低い値に設定される。
次に、マイクロプロセッサ6が不点灯を検出したときに実行する手順について、図4(a)、(b)のフローチャートを参照して説明する。図4(a)は自照明器具11が不点灯である場合の処理手順を示し、図4(b)は隣接する照明器具12が不点灯である場合の処理手順を示す。まず、マイクロプロセッサ6は、自照明器具11について蛍光灯1A、又は1Bの不点灯を検出した場合には(#11でYES)、オンオフスイッチ5を動作させて不点灯と判定した蛍光灯1A、又は1Bとは異なる側の蛍光灯1B、又は1Aを点灯させ(#12)、不点灯信号出力回路7の無電圧接点31をオンする(#13)。不点灯信号出力回路7の無電圧接点31がオンされることによって、隣接する制御装置22の不点灯信号入力回路8へ不点灯信号hsが入力される。マイクロプロセッサ6は、不点灯を検出しない場合には(#11でNO)、不点灯信号出力回路7の無電圧接点31をオフする(#14)。
また、マイクロプロセッサ6は、ポートp5の入力がロー信号に切替っているか否かを判定し(#21)、切替っている場合には(#21でYES)、隣接する照明器具12のいずれかの蛍光灯1A、1Bが不点灯となったと判定し、オンオフスイッチ5a、5bを共にオンとして自照明器具11の蛍光灯1A、1Bを共に点灯させる(#22)。マイクロプロセッサ6は、ポートp5の入力がロー信号に切替っていない場合には(#21でNO)、管理装置2からの制御信号ta、tbに応じた通常の切替えタイミングでオンオフスイッチ5をオンオフする。つまり、蛍光灯1A、1Bをサイクリック点灯させる。
いま、照明器具12の上段の蛍光灯1Aが不点灯となったときに、マイクロプロセッサ6が上記不点灯処理手順を実行した場合の態様を図5に示す。具体的には、照明器具12の下段の正常な蛍光灯1Bが不点灯の蛍光灯1Aに代わって点灯され、照明器具12の両隣の照明器具11、13の上下の蛍光灯1A、1Bが共に点灯される。上下の蛍光灯1A、1Bが共に点灯されることによって、監視作業員が不点灯の蛍光灯1Aを有する照明器具12の位置を容易に発見することができる。また、不点灯の蛍光灯1A、1Bが発生した照明器具12の両隣の照明器具11、13の点灯本数が増すので、周囲の照度が低下することがなく、トンネル10内を走行する車両の安全性が確保される。
なお、上記のように、不点灯の蛍光灯1A、1Bが発生した照明器具12の周囲の照度が十分に確保されるので、不点灯の蛍光灯1A、1Bが発生した照明器具12において、不点灯となった蛍光灯1A、又は1Bとは異なる側の蛍光灯1B、又は1Aを点灯させる処理を行わないことも可能である。この場合の処理手順は、図4(a)のフローチャートにおいて#12を省略することによって実行できる。この処理手順を実行したときの態様を図6に示す。点灯させる蛍光灯1A、1Bの本数が減るので監視作業員による不点灯光源の発見の容易さを保ったまま電力消費を抑えることができる。
また、本発明は、各照明器具11、12・・が3本以上の蛍光灯を有し、管理装置2からの制御信号によって各照明器具の1本又は複数本の蛍光灯を順次点灯させる構成のトンネル用照明システムにも容易に適用することができる。
さらに、不点灯となった蛍光灯が検出された照明器具に隣接する照明器具について、点灯する蛍光灯の本数を増加することに代えて点灯している蛍光灯の照度を増加するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係るトンネル用照明システムの全体を示す図。 同トンネル用照明システムの1組の照明器具と制御装置を示すブロック図。 同トンネル用照明システムにおける不点灯光源の検出手順を示すフローチャート。 (a)は同トンネル用照明システムにおいて自照明器具に不点灯の光源が発生したときの処理手順を示すフローチャート、(b)は同トンネル用照明システムにおいて隣接する照明器具に不点灯の光源が発生したときの処理手順を示すフローチャート。 同トンネル用照明システムにおいて照明器具に不点灯光源が発生したときの具体的な点灯態様を示す図。 同トンネル用照明システムにおいて照明器具に不点灯光源が発生したときのさらに別の点灯態様を示す図。 従来におけるトンネル用照明システムの全体を示す図。
符号の説明
1 トンネル用照明システム
1A、1B 蛍光灯(光源)
4A、4B 照度センサ
10 トンネル
11、12・・1n 照明器具
21、22・・2n 制御装置

Claims (2)

  1. トンネルの長さ方向を軸として上下2段に配置された2つの光源を各々に有し、トンネル内の長さ方向に沿ってトンネル内の側面に隣接して設けられ複数の照明器具と、
    前記照明器具の各々が有する2つの光源を順次点灯制御する制御装置と、
    前記2つの光源の不点灯を個別に検出するセンサと、を備え、
    前記制御装置は、
    前記センサがいずれかの光源の不点灯を検出したときに、その不点灯の光源を有する照明器具に隣接する照明器具内の光源の点灯個数を増やすことを特徴とするトンネル用照明システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記センサがいずれかの光源の不点灯を検出したときに、さらに、不点灯の光源を有する照明器具内の全ての光源を消灯させることを特徴とする請求項1に記載のトンネル用照明システム。
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