以下、添付図面を参照して、看護支援システム及びサーバ装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る看護支援システム100の全体構成を概略的に示す図である。同図に示すように、看護支援システム100は、端末装置10と、病院内サーバ20と、院内機器30とを有している。ここで、端末装置10、病院内サーバ20及び院内機器30は、同一の病院H内に設けられている。また、端末装置10と、病院内サーバ20とは、有線又は無線のLAN41(Local Area Network)を介して通信可能に接続されている。
端末装置10は、病院H内の各看護師(准看護師も含む)により携帯される携帯型の情報通信端末である。看護師は端末装置10を用いて病院内サーバ20にアクセスすることで、各患者の電子カルテや看護計画等を参照することが可能となっている。ここで、“看護計画”とは、各看護師が行う検温や採血等の看護作業のスケジュールを定めたものである。
病院内サーバ20は、Webサーバやアプリケーションサーバ、データベースサーバ等の機能を有した一又は複数のサーバ装置である。病院内サーバ20は、病院Hでの看護作業に必要な各種のデータを記憶・管理し、これらデータを端末装置10が参照可能に提供する。
院内機器30は、看護師が各種の作業に用いる各種の機器であって、病院H内の所定の場所に設けられている。院内機器30には、当該院内機器30を用いた作業内容を表す情報(以下、作業内容情報という)を、タグ情報として記憶したRFIDタグ31が付されている。例えば、院内機器30が体温計の場合、体温計を用いた作業内容として“検温”等が作業内容情報としてRFIDタグ31に記憶されている。なお、院内機器30は、上記した体温計等の医療器具の他、注射薬や点滴薬等の薬剤、包帯や湿布等の処置備品等をも含むものとする。また、院内機器30は、病院H内の特定の施設(例えば、入浴室やレントゲン室等)をも含む概念であるとし、この場合施設内の特定の部位や物品にRFIDタグ31が付されているものとする。
病院H内の各看護師は、看護作業の実行に際し、携帯する端末装置10を看護作業に用いる院内機器30に近づけることで、後述するリーダ部17によりRFIDタグ31を読み込ませる。また、看護作業の対象とする患者を識別する患者IDを、端末装置10に設けられた後述する入力部14やリーダ部17を用いて入力する。
以下、端末装置10及び病院内サーバ20の構成について説明する。図2は、端末装置10の構成の一例を示す図である。同図に示すように、端末装置10は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入力部14、表示部15、記憶部16、リーダ部17及び通信I/F18等を備えている。
CPU11は、ROM12や後述する記憶部16に記憶された各種プログラムを実行することにより、端末装置10を統括的に制御する。ROM12は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM13は、端末装置10の主記憶装置であって、CPU11のワークエリアとして機能する。
また、CPU11には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、入力部14及び表示部15が接続されている。入力部14は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスであって、看護師が操作した操作内容をCPU11に通知する。表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスであって、CPU11の指示に従い各種の情報を表示する。なお、入力部14をタッチパネル構成とすることで、表示部15と協働して操作内容を受け付ける形態としてもよい。
また、CPU11には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部16、リーダ部17、及び通信I/F18が接続されている。記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体であり、CPU11が実行する各種プログラムや各種設定ファイルを記憶している。
リーダ部17は、RFIDタグ(ICタグ)やICカードから情報を読み取るリーダ装置である。具体的に、リーダ部17は、院内機器30に付されたRFIDタグ31から作業内容情報を読み取る。また、病院Hの各看護師に当該看護師を識別する情報(例えば、看護師IDや、看護師ID及びパスワードの組)を記憶したICカードが配布されている場合には、当該ICカードから情報を読み取る。また。病院Hの各患者に当該患者を識別する情報(例えば、後述する患者IDや氏名)を記憶したICカードが配布されている場合には、当該ICカードから情報を読み取る。
通信I/F18は、病院内サーバ20とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU11は、この通信I/F18を制御し、病院内サーバ20との間で種々のデータを送受信する。なお、図示しないが、端末装置10は、RTC(Real Time Clock)等の計時装置を具備し、CPU11は、この計時装置から現在日時を表す日時情報を取得できるものとする。
次に、端末装置10の機能構成について説明する。図2に示すように、端末装置10のCPU11は、ROM12や記憶部16に記憶されたプログラムとの協働により、通信制御部111、看護計画参照部112、電子カルテ参照部113、位置情報取得部114及び行動履歴登録部115を実現させる。
通信制御部111は、通信I/F18を制御し、病院内サーバ20との間でデータの送受信を行う機能部である。通信制御部111は、病院内サーバ20へのアクセスに際し、入力部14やリーダ部17を介して自己の装置の操作者(看護師)から入力された看護師ID及びパスワードの組を、接続情報として病院内サーバ20に送信する。また、通信制御部111は、病院内サーバ20から後述する未処理作業情報を受信すると、この未処理作業情報に含まれる各種の情報を表示部15に表示する。
看護計画参照部112は、入力部14を介して入力される操作内容に応じて、看護計画の参照を要求する指示情報(以下、看護計画参照要求という)を生成し、通信制御部111を通じて病院内サーバ20に送信する。また、看護計画参照部112は、病院内サーバ20から看護計画が提供されると、この看護計画に含まれた各業務項目を表示部15に表示する。
電子カルテ参照部113は、入力部14を介して入力される操作内容に応じて、電子カルテの参照を要求する電子カルテ参照要求を、通信制御部111を通じて病院内サーバ20に送信する。また、電子カルテ参照部113は、病院内サーバ20から電子カルテが提供されると、この電子カルテに含まれた各項目を選択可能な状態で表示部15に表示する。また、電子カルテ参照部113は、入力部14を介して特定項目に対する編集操作(例えば、病状経過の記録等)を受け付けると、通信制御部111を介してその編集内容を病院内サーバ20に通知することで電子カルテの更新を指示する。なお、電子カルテ参照要求には特定の患者の患者IDが含まれるものとする。
位置情報取得部114は、病院H内における端末装置10の存在位置、つまり当該端末装置10を操作する看護師の存在位置を表した位置情報を取得する。ここで、病院H内における位置情報の取得方法は、特に問わず、屋内測位に係る公知・公用の技術を用いることができる。例えば、LAN41への接続にPHSや無線LANを用いている場合には、病院H内に設けられた各アクセスポイントとの電波強度から位置を特定する公知の技術を用いてもよい。また、端末装置10にRFIDタグを付与し、LAN41に接続された受信機が端末装置10のRFIDタグを検出し、このRFIDタグを検出した受信機の位置を、端末装置10の位置情報として、該受信機から取得する形態としてもよい。なお、位置情報の取得に他のデバイスが必要となる場合には、そのデバイスを端末装置10が具備する形態としてもよい。
行動履歴登録部115は、予め定められた時間(例えば5分)毎に、位置情報取得部114により取得された現在位置を表す位置情報と、現在日時を表す日時情報とを含む行動履歴登録要求を生成し、通信制御部111を通じて病院内サーバ20に送信する。
また、行動履歴登録部115は、入力部14又はリーダ部17から患者IDを表す患者情報と、リーダ部17から作業内容情報とが連続的に入力された場合に、この患者情報及び作業内容情報と、位置情報取得部114により取得された現在位置を表す位置情報と、現在日時を表す日時情報とを要素として含む行動履歴登録要求を生成し、通信制御部111を通じて病院内サーバ20に送信する。
具体的に、行動履歴登録部115は、患者情報(患者ID)又は作業内容情報の何れか一方の情報が入力されてから、所定時間内(例えば、5分以内)に他方の情報が入力された場合に、両情報が連続的に入力されたと判断し、これらの情報を含む上記行動履歴登録要求を生成し、病院内サーバ20に送信する。なお、患者情報及び作業内容情報の入力順序は特に問わないものとするが、入力順序を規定してもよい。また、入力部14を介して所定の操作(例えば、作業開始コマンドの入力)が行われた後、患者情報及び作業内容情報が入力された場合を、両情報が連続的に入力されたと判断する形態としてもよい。
図3は、病院内サーバ20の構成の一例を示す図である。同図に示すように、病院内サーバ20は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU21、ROM22、RAM23、入力部24、表示部25、記憶部26及び通信I/F27等を備えている。
CPU21は、ROM22や後述する記憶部26に記憶された各種プログラムを実行することにより、病院内サーバ20を統括的に制御する。ROM22は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM23は、病院内サーバ20の主記憶装置であって、CPU21のワークエリアとして機能する。
また、CPU21には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、入力部24及び表示部25が接続されている。入力部24は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスであって、操作者が操作した操作内容をCPU21に通知する。表示部25は、LCD等の表示デバイスであって、CPU21の指示に従い各種の情報を表示する。
また、CPU21には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部26及び通信I/F27が接続されている。
記憶部26は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU21が実行する各種プログラムや各種設定ファイルを記憶している。記憶部26に記憶されるファイルとしては、例えば、各看護師の看護師IDとパスワードとの組を記憶・管理する認証用リポジトリ261、各患者の電子カルテを記憶・管理する電子カルテリポジトリ262、各看護師の看護計画を記憶・管理する看護計画リポジトリ263、各看護師の行動履歴を記憶・管理する行動履歴リポジトリ264等が挙げられる。
図4は、認証用リポジトリ261のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、認証用リポジトリ261は、各看護師を識別する識別情報としての看護師IDと、パスワードとを関連付けて格納している。ここで、看護師IDとパスワードとの組は病院内サーバ20にアクセスする際に必要なる認証情報である。病院内サーバ20は、端末装置10から送信された看護師IDとパスワードとの組が、認証用リポジトリ261に登録された何れかの認証情報と一致した場合に、各種リポジトリへのアクセスを許可する。なお、看護師IDとパスワードとは、各看護師に予め割り当てられているものとする。
図5は、電子カルテリポジトリ262のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、電子カルテリポジトリ262は、病院Hの各患者を識別する患者IDと、この患者IDの患者の電子カルテとを関連付けて格納している。
図6は、看護計画リポジトリ263のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、看護計画リポジトリ263は、看護師を識別するための看護師IDと関連付けて、当該看護師IDの看護師が実行すべき看護作業の内容(作業内容)と当該作業内容の実行期限とを含んだ看護計画を格納している。また、各作業内容には、その看護作業を実行したか否かをチェックするための欄(実行欄)が関連付けられている。ここで、実行期限には、日付及び時刻が登録される他、日付のみが登録される場合がある。また、作業内容は、看護作業の内容を特定するための要素として、看護作業を行う場所を特定する作業位置情報と、看護作業の対象となる患者の患者情報(患者ID)と、看護作業の内容を表す作業内容情報とを含んでいる。例えば、図6の場合、“101号室”が作業位置情報、“患者01”が患者情報、“検温”が作業内容情報となる。
図7は、行動履歴リポジトリ264のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、行動履歴リポジトリ264は、各看護師の看護師ID毎に、当該看護師IDの看護師が行った行動の履歴(行動履歴)と、その行動が行われた日時(行動日時)とを関連付けて格納する。後述する行動履歴記録部214は、端末装置10から送信された行動履歴登録要求の内容を、行動履歴リポジトリ264に登録する。なお、図7の例では、看護師ID“看護師01”の看護師の行動履歴として、2010年11月9日の10時15分に、ナースセンターに存在し、同日の10時20分に“101号室”において、“患者01”の“検温”作業を行ったことが記録されている。
図3に戻り、通信I/F27は、端末装置10とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU21は、通信I/F27を用いて、端末装置10との間で種々のデータを送受信する。
次に、病院内サーバ20の機能構成について説明する。図3に示すように、病院内サーバ20のCPU21は、ROM22や記憶部26に記憶されたプログラムとの協働により、通信制御部211、看護計画提供部212、電子カルテ提供部213、行動履歴記録部214、実行判定部215及び看護計画監視部216を実現させる。
通信制御部211は、通信I/F27を制御し、端末装置10とのデータの送受信を行う。具体的に、通信制御部211は、端末装置10から送信された接続情報に含まれる看護師ID及びパスワードの組と、認証用リポジトリ261に登録された各認証情報(看護師ID及びパスワードの組)とを照合し、一致するものが存在するか否かを判定する。一致した場合、通信制御部211は、その看護師IDの看護師が端末装置10の操作者と判断し、クッキー等の公知の技術を用いることで、この看護師IDを送信した端末装置10とのセッションを確立する。なお、接続情報が認証用リポジトリ261の何れの認証情報とも一致しなかった場合、通信制御部211は不正なアクセスと判定し、アクセスを拒否する。
看護計画提供部212は、端末装置10から送信される看護計画参照要求に応じて、当該端末装置10に看護計画を提供する。具体的に、看護計画提供部212は、看護計画参照要求を送信した端末装置10の看護師IDに基づいて、この看護師IDに関連付けられた看護計画を看護計画リポジトリ263から読み出し、通信制御部211を介して端末装置10に送信する。なお、端末装置10から看護計画参照要求とともに特定の日付(年月日)が指定された場合には、この指定された日付に関連付けられた看護計画を読み出すものとするが、日付が指定されない場合には、本日の日付に関連付けられた看護計画を読み出すものとする。
電子カルテ提供部213は、端末装置10から送信される電子カルテ参照要求に応じて、当該端末装置10に電子カルテを提供する。具体的に、電子カルテ提供部213は、電子カルテ参照要求に含まれた患者IDに基づいて、この患者IDに関連付けられた電子カルテを電子カルテリポジトリ262から読み出し、通信制御部211を介して端末装置10に送信する。また、電子カルテ提供部213は、端末装置10から電子カルテの更新指示(編集内容)を受け付けると、端末装置10に提供中の電子カルテに編集内容を反映することで、電子カルテの更新を行う。
行動履歴記録部214は、端末装置10から送信される行動履歴登録要求に応じて、当該行動履歴登録要求に含まれた各種情報を、行動履歴リポジトリ264に登録する。具体的に、行動履歴記録部214は、行動履歴登録要求を送信した端末装置10を操作する看護師の看護師IDと関連付けて、行動履歴登録要求に含まれた日時情報を行動日時の欄に登録する。また、行動履歴記録部214は、行動履歴登録要求に含まれた位置情報や患者情報、作業内容情報を行動履歴の欄に登録する。
実行判定部215は、行動履歴記録部214による行動履歴の登録により、行動履歴リポジトリ264が更新される毎に、当該行動履歴リポジトリ264に新たに登録された看護師ID、行動日時及び行動履歴と、看護計画リポジトリ263に登録された各看護師IDの看護計画(実行期限及び作業内容)とを比較することで、何れかの看護計画(作業内容)が実行されたか否かを判定する。そして、実行判定部215は、実行されたと判定し看護計画の実行欄にチェックフラグを登録することで、看護計画リポジトリ263を更新する。
より具体的に、実行判定部215は、看護計画リポジトリ263に登録された看護計画のうち、実行欄が未チェックの看護計画のうち、行動履歴リポジトリ264に新たに登録された看護師IDに該当し且つ実行期限が本日の日付のものを抽出する。また、実行判定部215は、行動履歴リポジトリ264に新たに登録された行動履歴に含まれる各要素を検索条件として設定すると、看護計画リポジトリ263から抽出した各看護計画の作業内容に、この検索条件に該当するものが存在するか否かを判定する。そして、実行判定部215は、検索条件に該当した看護計画が実行されたと判断し、その実行欄にチェックフラグを登録する。
看護計画監視部216は、看護計画リポジトリ263に登録された看護計画のうち、実行欄が未チェックで、且つ、当該看護計画に含まれた実行期限の現在日時との時間差が所定時間以内の看護計画を抽出する。また、看護計画監視部216は、抽出した看護計画を担当する看護師の看護師ID毎に区分けすると、未処理作業として、対応する看護師IDの看護師が操作する端末装置10宛に、通信制御部211を通じて送信する。なお、実行期限に日付のみが登録されている場合には、予め定めた時刻(例えば、18時)との時間差を判定することで、看護計画の抽出を行うものとする。
以下、図8〜図14を参照して、看護支援システム100の動作について説明する。まず、図8を参照し、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる認証処理について説明する。ここで、図8は、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる認証処理の手順を示すフローチャートである。
まず、端末装置10では、病院内サーバ20へのアクセスに際し、看護師は自己に割り当てられた接続情報(看護師ID及びパスワード)を、入力部14やリーダ部17を介して入力する。これに伴い、端末装置10の通信制御部111は、接続情報の入力を入力部14から受け付けると(ステップS11)、この接続情報を病院内サーバ20に送信する(ステップS12)。
病院内サーバ20では、端末装置10から送信された接続情報を通信制御部211が受信すると(ステップS21)、通信制御部211は、この接続情報と認証用リポジトリ261に登録された各認証情報とを照合し(ステップS22)、一致するものが存在するか否かを判定する(ステップS23)。ここで、認証用リポジトリ261に登録された何れの認証情報とも一致しないと判定した場合(ステップS23;No)、通信制御部211は、不正なアクセスと判断し、アクセスを拒否する旨の応答情報を端末装置10に送信した後(ステップS24)、処理を終了する。
また、ステップS23において、接続情報に一致する認証情報が存在すると判定した場合(ステップS23;Yes)、通信制御部211は、この認証情報の看護師IDに対応する看護師がアクセス元の端末装置10の操作者と判断し、アクセスを許可する旨の応答情報を端末装置10に送信する(ステップS25)。なお、この場合、通信制御部211は、端末装置10との間のセッションを維持し、続く看護計画提供処理(図9)、電子カルテ提供処理(図10)又は行動履歴登録処理(図11)の何れかに継続する。
一方、端末装置10では、通信制御部111が病院内サーバ20から応答情報を受信すると(ステップS13)、この応答情報がアクセスを許可するものか否かを判定する(ステップS14)。ここで、応答情報がアクセスを拒否する旨のものと判定した場合(ステップS14;No)、通信制御部111は、アクセスが拒否されたことを報知する画面を表示部15に表示し(ステップS15)、処理を終了する。
また、ステップS14において、応答情報がアクセスを許可する旨のものと判定した場合(ステップS14;Yes)、通信制御部111は、病院内サーバ20との間のセッションを維持し、続く看護計画提供処理(図9)、電子カルテ提供処理(図10)又は行動履歴登録処理(図11)の何れかに継続する。
このように、病院内サーバ20は、認証用リポジトリ261に登録された正規の看護師のみアクセスを許可するため、電子カルテ等の各種レポジトリのセキュリティを確保することができる。
次に、図9を参照して、端末装置10から看護計画を参照する際の動作について説明する。ここで、図9は、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる看護計画提供処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理は、図8の認証処理でアクセスが許可された後に実行可能となるものである。
まず、端末装置10の看護計画参照部112は、入力部14から看護計画の参照を指示する操作内容を受け付けると(ステップS31)、看護計画参照要求を生成し、病院内サーバ20に送信する(ステップS32)。
病院内サーバ20では、通信制御部211が看護計画参照要求を端末装置10から受信すると(ステップS41)、看護計画提供部212は、この看護計画参照要求を送信した端末装置10の看護師IDに基づき、当該看護師IDに関連付けられたレコード、つまり看護計画を看護計画リポジトリ263から読み出す(ステップS42)。続いて、看護計画提供部212は、ステップS42で読み出した看護計画を端末装置10に送信する(ステップS43)。
端末装置10では通信制御部111が看護計画を受信すると(ステップS33)、看護計画参照部112は、この看護計画を表示部15に表示する(ステップS34)。続くステップS35では、看護計画参照部112は、看護計画の参照を終了する旨の操作内容が入力部14に入力されたか否かを判定し、入力されないと判定した場合には(ステップS35;No)、ステップS34に再び戻る。また、看護計画の参照を終了する旨の操作が入力部14を介して入力された場合(ステップS35;Yes)、看護計画参照部112は、看護計画の参照終了を病院内サーバ20に通知する(ステップS36)。そして、看護計画参照部112は、表示部15に表示した看護計画を消去した後(ステップS37)、処理を終了する。
一方、病院内サーバ20では、看護計画提供部212が、後述する行動履歴登録処理により、端末装置10に提供中の何れかの看護計画の実行欄が更新されたか否かを判定する。ここで、更新を検知した場合(ステップS44;Yes)、看護計画提供部212は、ステップS42に再び戻り、読み出した看護計画を端末装置10に送信することで(ステップS43)、実行欄が更新された後の看護計画を端末装置10に表示させる。
ステップS44において、看護計画の更新が確認されない場合(ステップS44;No)、看護計画提供部212は、端末装置10から看護計画の参照終了が通知されたか否かを判定する(ステップS45)。通知されないと判定した場合には(ステップS45;No)、ステップS44に再び戻る。また、看護計画の参照終了が通知された場合には(ステップS45;Yes)、処理を終了する。
このように、病院内サーバ20は、端末装置10からの要求に応じて、この端末装置10を操作する看護師の看護計画を提供する。また、看護計画の実行欄が更新された場合には、この更新後の看護計画を端末装置10に送信し、端末装置10の表示部15に更新後の看護計画を表示させる。これにより、端末装置10を操作する看護師は、自身の看護計画及びその実行状態を容易に確認することができるため、利便性を向上させることができる。
次に、図10を参照して、端末装置10から電子カルテを参照する際の動作について説明する。ここで、図10は、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる電子カルテ提供処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理は、図8の認証処理でアクセスが許可された後に実行可能となるものである。
まず、端末装置10の電子カルテ参照部113は、入力部14から特定の患者IDについての電子カルテの参照を指示する操作内容を受け付けると(ステップS51)、この患者IDを含んだ電子カルテ参照要求を生成し、病院内サーバ20に送信する(ステップS52)。
病院内サーバ20では、通信制御部211が電子カルテ参照要求を端末装置10から受信すると(ステップS61)、電子カルテ提供部213は、この電子カルテ参照要求に含まれた患者IDに基づき、当該患者IDに関連付けられた電子カルテを電子カルテリポジトリ262から読み出す(ステップS62)。続いて、電子カルテ提供部213は、ステップS62で読み出した電子カルテを端末装置10に送信する(ステップS63)。
端末装置10では通信制御部111が電子カルテを受信すると(ステップS53)、電子カルテ参照部113は、この電子カルテを表示部15に表示する(ステップS54)。続いて、電子カルテ参照部113は、電子カルテに含まれた何れかの項目に対する編集操作が入力部14を介して入力されたか否かを判定する(ステップS55)。ここで、編集操作が入力されないと判定した場合(ステップS55;No)、ステップS57に移行する。
また、ステップS55において、特定の項目に対し編集操作が入力されたと判定すると(ステップS55;Yes)、電子カルテ参照部113は、編集の対象となった項目名と、その編集内容とを病院内サーバ20に通知し(ステップS56)、ステップS57に移行する。
続くステップS57では、電子カルテ参照部113は、電子カルテの参照を終了する旨の操作内容が入力部14に入力されたか否かを判定し、入力されないと判定した場合には(ステップS57;No)、ステップS55に再び戻る。また、電子カルテの参照を終了する旨の操作が入力部14を介して入力された場合(ステップS57;Yes)、電子カルテ参照部113は、電子カルテの参照終了を病院内サーバ20に通知する(ステップS58)。そして、電子カルテ参照部113は、表示部15に表示した電子カルテを消去した後(ステップS59)、処理を終了する。
一方、病院内サーバ20では、電子カルテ提供部213が、端末装置10から編集対象の項目名と編集内容とが通知されたか否かを判定する(ステップS64)。ここで、通知されないと判定した場合(ステップS64;No)、ステップS66に移行する。また、ステップS64において、編集対象の項目名と編集内容との通知を受け付けると(ステップS64;Yes)、電子カルテ提供部213は、端末装置10に提供中の電子カルテから編集対象の項目を特定し、編集内容に応じた編集を実施する(ステップS65)。
続いて、電子カルテ提供部213は、端末装置10から電子カルテの参照終了が通知されたか否かを判定し、通知されないと判定した場合には(ステップS66;No)、ステップS64に再び戻る。また、電視カルテの参照終了が通知された場合(ステップS66;Yes)、処理を終了する。
このように、病院内サーバ20は、端末装置10からの要求に応じて、患者IDにより指定された患者の電子カルテを端末装置10に提供する。また、端末装置10において電子カルテに行われた編集内容を、電子カルテリポジトリ262に記憶された電子カルテに反映する。これにより、端末装置10を操作する看護師は、各患者の電子カルテの閲覧と編集とを容易に行うことができるため、利便性を向上させることができる。
次に、図11を参照して、各看護師の行動履歴を行動履歴リポジトリ264に登録する際の動作について説明する。ここで、図11は、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる行動履歴登録処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理は、図8の認証処理でアクセスが許可された後に実行可能となるものである。
まず、端末装置10の行動履歴登録部115は、前回行動履歴登録要求を送信してから所定時間(例えば、5分)が経過したか否かを判定する(ステップS71)。ここで、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS71;No)、行動履歴登録部115は、ステップS73に移行する。
また、ステップS71において、所定時間経過と判定した場合(ステップS71;Yes)、行動履歴登録部115は、位置情報取得部114により取得された現在位置を表す位置情報と、現在日時を表す日時情報とを含む行動履歴登録要求を、通信制御部111を通じて病院内サーバ20に送信し(ステップS72)、ステップS73に移行する。
ステップS73で行動履歴登録部115は、作業内容情報及び患者情報の両情報が、連続的に入力されたか否かを判定する(ステップS73)。ここで、入力が確認できない場合(ステップS73;No)、ステップS71に再び戻る。また、ステップS73において、入力されたと判定した場合(ステップS73;Yes)、行動履歴登録部115は、入力された作業内容情報及び患者情報と、位置情報取得部114により取得された現在位置を表す位置情報と、現在日時を表す日時情報とを含む行動履歴登録要求、通信制御部111を通じて病院内サーバ20に送信し(ステップS74)、ステップS71に再び戻る。
ここで、ステップS71及びステップS73で判定の指標となる所定時間は、同一の値としてもよいし、異なる値としてもよい。また、本処理では、ステップS71及びステップS73の判定をシーケンシャルに行う形態としたが、これに限らず、ステップS71(及びステップS72)と、ステップS73(及びステップS74)との処理を並列で行う形態としてもよい。なお、ステップS73では、上述した電子カルテ提供処理のステップS51での患者情報の入力も判定の対象に含めるものとする。
一方、病院内サーバ20では、通信制御部211が端末装置10から行動履歴登録要求を受信すると(ステップS81)、行動履歴記録部214は、この行動履歴登録要求を送信した端末装置10の看護師IDに関連付けて、行動履歴登録要求に含まれた各種情報を行動履歴リポジトリ264に登録する(ステップS82)。
また、ステップS82の処理に伴い、実行判定部215は、行動履歴リポジトリ264の更新を検知すると、実行判定処理を実行し(ステップS83)、本処理を終了する。以下、図12を参照して、ステップS83の実行判定処理の動作について説明する。
図12は、実行判定処理の手順を示すフローチャートである。まず、実行判定部215は、看護計画リポジトリ263に登録された実行欄が未チェックの看護計画のうち、行動履歴リポジトリ264に新たに登録された看護師ID及び行動日時の条件に該当する看護計画を抽出する(ステップS91)。
続いて、実行判定部215は、行動履歴リポジトリ264に新たに登録された行動履歴に含まれる要素を用いて検索条件を設定すると(ステップS92)、この検索条件に該当する看護計画(作業内容)が、ステップS91で抽出した各看護計画に存在するか否かを判定する(ステップS93)。ここで、検索条件に該当する看護計画が存在しないと判定した場合(ステップS93;No)、図11の行動履歴登録処理に戻り、処理を終了する。
また、ステップS93において、検索条件に該当する看護計画が存在すると判定した場合(ステップS93;Yes)、実行判定部215は、該当すると判定した看護計画の実行欄にチェックフラグを登録した後(ステップS94)、図11の行動履歴登録処理に戻り、処理を終了する。
このように、行動履歴登録処理では、端末装置10から行動履歴登録要求が送信される毎に、当該行動履歴登録要求に含まれる各種の情報を、端末装置10を操作する看護師の看護師IDと関連付けて行動履歴リポジトリ264に登録する。そして、行動履歴リポジトリ264に登録された行動履歴が、看護計画リポジトリ263の看護計画(作業内容)に該当する場合には、その看護計画の実行欄にチェックフラグを登録する。これにより、看護師が実行した看護計画を自動でチェック(記録)することができるため、手動でチェックする手間を省くことができ、看護作業を行う際の利便性を向上させることができる。
なお、本処理では、行動履歴リポジトリ264の更新直後に実行判定処理を実行する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、実行判定処理を独立して実行する形態としてもよい。この場合、例えば、所定時間毎に実行判定処理を実行することで、行動履歴リポジトリ264に新たに登録された一又は複数のレコードの各々について、看護計画の実行判定を行うことができる。また、検索条件に該当する看護計画が複数存在すると判定した場合には、実行期限(時刻)がより早い看護計画にチェックフラグの登録を行うものとする。
次に、図13を参照して、未処理の作業内容を病院内サーバ20から端末装置10に報知する際の動作について説明する。ここで、図13は、端末装置10と病院内サーバ20との間で行われる未処理作業報知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、病院内サーバ20の看護計画監視部216は、前回看護計画リポジトリ263を参照してから、所定時間(例えば、30分)が経過するまで待機する(ステップS101;No)。ここで所定時間が経過すると(ステップS101;Yes)、看護計画監視部216は、看護計画リポジトリ263を参照し、本日の日付に関連付けられた看護計画のうち、実行欄が未チェックのものを抽出する(ステップS102)。
続いて、看護計画監視部216は、現在の時刻と、ステップS102で抽出した各看護計画に含まれる実行期限が表す時刻とをそれぞれ比較し(ステップS103)、その時間差が所定の閾値(例えば、1時間)以内となった看護計画を更に抽出する(ステップS104)。なお、閾値以内となる看護計画が存在しない場合には、ステップS104〜S106の処理をスキップし、ステップS101に再び戻るものとする。
看護計画監視部216は、ステップS104で抽出した看護計画を、当該看護計画に関連付けられている看護師ID毎に区分する(ステップS105)。そして、看護計画監視部216は、区分けした看護計画毎に未処理作業情報を生成すると、通信制御部211を通じて、対応する看護師IDの端末装置10宛にそれぞれ送信し(ステップS106)、ステップS101に再び戻る。
一方、端末装置10では、病院内サーバ20から送信された未処理作業情報を受信すると(ステップS111)、通信制御部111は、この未処理作業情報に含まれた看護計画を、当該看護計画の実行を確認するメッセージとともに、表示部15に表示することで、未処理の作業内容の存在を看護師に報知する(ステップS112)。
ここで、図14は、未処理作業情報の表示画面の一例を示す図である。同図では、未処理作業情報に含まれた看護計画として、実行期限(2010年11月9日 15時00分)及び作業内容(“303号室”で“患者04”の“血圧測定”)を表示するとともに、この看護計画が未処理である旨のメッセージを表示した例を示している。
このように、未処理作業報知処理では、看護計画リポジトリ263に登録された看護計画のうち、実行期限が迫ったものを各看護師に報知することができるため、看護計画の確認を促し、実行忘れを未然に防ぐことができる。
なお、本実施形態では、未処理作業情報の受信に伴い、当該未処理作業情報に含まれた看護計画を直ちに表示する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、未処理作業情報を受信したことをメッセージやアイコン等で報知し、入力部14を介して表示が指示された場合に、当該未処理作業情報に含まれた看護計画を表示する形態としてもよい。また、端末装置10がスピーカやインジケータランプ等を具備する場合には、これらを用いて未処理作業情報の受信を報知する形態としてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。また、上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、院内機器30のRFIDタグ31に、当該院内機器30を用いた作業内容を表す作業内容情報をタグ情報として直接記憶する形態としたが、これに限らず、作業内容情報を間接的に表す情報をタグ情報として記憶する形態としてもよい。例えば、院内機器30のRFIDタグ31に、院内機器30に固有の識別情報(例えば、シリアル番号や管理番号等)をタグ情報として記憶しておき、更にこれら各識別情報と対応する院内機器30の作業内容情報とを関連付けたテーブル(変換テーブル)を、病院内サーバ20等に記憶しておくことで、端末装置10から行動履歴登録要求を受け取った病院内サーバ20の行動履歴記録部が、上記変換テーブルを参照し、当該行動履歴登録要求に含まれた識別情報を作業内容情報に変換した後、行動履歴リポジトリ264に登録する形態としてもよい。
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。