JP5185455B1 - 多層食品製造装置、多層製品製造装置、及び多層製品の製造方法 - Google Patents

多層食品製造装置、多層製品製造装置、及び多層製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外層食材及び内層食材として粘性を有する食材を用いつつ、品質の高い多層食材を製造可能であり、さらに装置構成がシンプルな多層食品製造装置の提供を目的とした。
【解決手段】多層食品製造装置10は、一軸偏心ねじポンプによって構成された内層食材圧送装置22と、外層食材圧送装置32と、吐出部40とを有する。吐出部40に設けられた吐出ノズル42は、外層食材供給装置32に接続された外層食材吐出筒58の内側に、内層食材供給装置22に接続された内層食材吐出筒56を挿入した二重構造のものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、高粘度液体材料等の粘性を有する外層食材の中に、内層食材を充填した多層構造を有する多層食品の製造に用いる多層食品製造装置、多層製品製造装置、及び多層製品の製造方法に関する。
従来、餡等の食材を別の食材からなる外皮によって包んだ饅頭や菓子等の多層食品を製造するための装置として、下記特許文献1〜4に開示されているような食品用の製造装置、あるいは製造方法が提供されている。下記特許文献1に開示されている包餡製品製造装置は、内包材供給筒と同軸状に設定される外皮材供給筒とを有し、外皮材供給筒を上方に向けて動かしつつ、外皮材を外皮材供給筒から吐出させると共に、外皮材が一定量供給された時点から外皮材の供給を終了する前までの間に、外皮材供給筒における外皮材の吐出を継続しつつ内包材を内包材供給筒から吐出させることにより内包材を外皮材によって包んだ多層食材を製造することができるものである。
また、下記特許文献2に開示されている包あん食品の製造方法は、特許文献1の包餡製品製造装置によるのと同様に、二重ノズルと搬送部材の間隔を広げつつ、二重ノズルをなす外側ノズルから外皮材の押し出しを開始し、その後一定時間経過した時点から、内側ノズルから内包材の押し出しを開始することにより包あん食品を製造するものである。
特開2011−115113号公報 特開平6−98684号公報
上述した従来技術の包餡製品製造装置等においては、饅頭等のように比較的硬い外層食材(外皮材)によって餡等の内層食材(内包材)を包んだ形態の多層食品を製造することができる。しかしながら、外層食材として粘性を有し内層食材(内包材)よりも軟らかい食材を用いて多層食材を製造することができない。すなわち、従来技術の包餡製品製造装置等においては、外層食材や内層食材として用いることができる食材が限定的であり、製造可能な多層食材のバリエーションが制限されるという問題がある。
そこで、本発明は、外層食材及び内層食材として粘性を有する食材を用いつつ、品質の高い多層食材を製造可能であり、さらに装置構成がシンプルな多層食品製造装置、多層製品製造装置、及び多層製品の製造方法の提供を目的とした。
上述した課題を解決すべく提供される本発明は、粘性を有する内層食材を、粘性を有する外層食材によって包んでなる多層食品の製造に用いる多層食品製造装置であって、前記内層食材を圧送可能な内層食材圧送装置を備えた内層食材供給部と、前記外層食材を圧送可能な外層食材圧送装置を備えた外層食材供給部と、前記内層食材供給部及び外層食材供給部から圧送された内層食材及び外層食材を吐出する吐出部とを有し、前記吐出部が、前記外層食材供給部に接続された外層食材吐出筒の内側に、前記内層食材供給部に接続された内層食材吐出筒を挿入した吐出ノズルを備えたものであり、前記内層食材圧送装置及び前記外層食材圧送装置が、動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、前記内層食材及び前記外層食材の圧送制御を行う制御手段を有し、前記外層食材の圧送開始後、前記前記外層食材圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることにより圧送を終了する動作と、前記内層食材の圧送開始後、前記前記外層食材圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることにより圧送を終了する動作とを実施可能であることを特徴とするものである。
本発明の多層食品製造装置においては、内層食材及び外層食材として高粘度液体材料等の粘性を有する食材を用いて多層食品を製造することができる。そのため、本発明の多層食品製造装置によれば、従来技術の包餡製品製造装置等においては製造しえなかった、外層食材が粘性を有する食材によって形成された多層食材を製造することが可能となる。
本発明の多層食品製造装置においては、内層食材圧送装置及び外層食材圧送装置が、一軸偏心ねじポンプ機構を備えた構成とされている。そのため、内層食材及び外層食材の圧送状態を精度よく制御し、内層食材及び外層食材を吐出ノズルから適切な量及びタイミングで吐出させうる。従って、本発明の多層食品製造装置によれば、多層食品の製造品質をより一層高品質なものとすることができる。
また、本発明において、内層食材圧送装置及び外層食材圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構は、ロータの回転方向を調整することにより、圧送対象である流動物(内層食材、外層食材)の流れ方向を適宜切り替え可能である。よって、内層食材及び外層食材の圧送を停止する際に、ロータを逆回転させることにより、内層食材及び外層食材の吐出を確実に停止させることができる。従って、本発明によれば内層食材及び外層食材が想定以上に吐出されてしまうことによる多層食品の品質低下を防止可能であると共に、装置構成がシンプルな多層食品製造装置を提供しうる。
上述した本発明の多層食品製造装置は、前記外層食材として、前記内層食材の粘性と同等、あるいは前記内層食材の粘性よりも低粘性の食材を供給し、多層食品を製造可能であるものであることが望ましい。
かかる構成によれば、内層食材をこれよりも高粘性の外層食材によって包んでなる多層食材に加え、従来技術の包餡製品製造装置等においては製造しえなかった、外層食材の方が内層食材よりも低粘性の食材によって形成された多層食材を製造することが可能となる。
上述した本発明の多層食品製造装置は、前記吐出部が、前記吐出ノズルを複数備えると共に、前記内層食材圧送装置及び前記内層食材吐出筒を繋ぐ内層食材流路と、前記外層食材圧送装置及び前記外層食材吐出筒を繋ぐ外層食材流路とを備えたものであり、前記内層食材流路及び前記外層食材流路が複数系統に分岐され、各系統の端部に前記吐出ノズルが接続されていることを特徴とするものであることが望ましい。
かかる構成によれば、内層食材圧送装置及び外層食材圧送装置によって圧送されてきた内層食材及び外層食材を、複数の吐出ノズルに分配することが可能となる。これにより、より一層、多層食品の量産化を図ることが可能となる。
また、上述した本発明の多層食品製造装置は、前記内層食材及び前記外層食材の圧送制御を行う制御手段を有し、前記制御手段が、前記外層食材圧送装置による外層食材の圧送開始後、所定時間だけ経過したタイミングにおいて前記内層食材圧送装置による内層食材の圧送を開始させ、前記外層食材圧送装置による外層食材の圧送終了よりも所定時間だけ前のタイミングにおいて前記内層食材圧送装置による内層食材の圧送を終了させることを特徴とするものであることが望ましい。
本発明の多層食品製造装置においては、内層食材圧送装置及び外層食材圧送装置が、一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものとされている。そのため、本発明のように、外層食材圧送装置による外層食材の圧送開始時点、及び圧送終了時点を基準として内層食材圧送装置による内層食材の圧送開始及び圧送終了のタイミングを制御することにより、多層食品の製造品質を高精度かつ安定したものとすることが可能となる。
上述した本発明の多層食品製造装置は、前記内層食材及び前記外層食材の圧送制御を行う制御手段を有し、内層食材及び外層食材の圧送終了時に、前記内層食材圧送装置及び前記外層食材圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることを特徴とするものであることが望ましい。
本発明の多層食品製造装置においては、内層食材圧送装置及び外層食材圧送装置が、一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであるため、ロータの回転方向を切り替えることにより、内層食材及び外層食材の流れ方向を切り替えることができる。本発明では、内層食材及び外層食材の圧送停止時に、ロータを圧送時とは逆方向に回転させることとしているため、内層食材及び外層食材の吐出を確実に停止させうる。従って、本発明によれば、内層食材及び外層食材に相当する粘性を有する食材が予期せず過剰に吐出されてしまうことを防止し、多層食品の製造品質を高精度かつ安定したものとすることが可能となる。
上述した本発明の多層食品製造装置は、前記吐出ノズルの下方に設けられた貯留槽を有し、前記吐出ノズルから吐出された多層食品を前記貯留槽に向けて滴下させることが可能であるものであっても良い。
かかる構成とした場合、外層食材を固化させるために用いる液体等を貯留槽に貯留しておき、この貯留槽に向けて吐出ノズルから内層食材及び外層食材を吐出させることにより、多層食品を製造することが可能となる。従って、本発明の多層食品製造装置によれば、従来技術の包餡製品製造装置等においては製造しえなかった多層食材を製造することが可能となる。
上述した本発明の多層食品製造装置は、前記吐出ノズルが、外層食材を環状に吐出しつつ、外層食材の吐出領域の内側において内層食材を環状に吐出可能なものとすることが可能である。
かかる構成とすることにより、環状に形成された外層食材の内側に、内層食材が環状に包含された、いわゆるドーナツ状の外観形状を有する多層食品を製造することが可能となる。
上述した本発明の多層食品製造装置は、前記吐出ノズルが、前記内層食材吐出筒の内側に内径側外層食材吐出筒を設けると共に、前記内径側外層食材吐出筒の内側に外層食材の非通過領域を形成する中心部材を設けたものであり、前記内径側外層食材吐出筒と前記中心部材との間に、外層食材が通過可能な環状流路が形成されたものとすることも可能である。
かかる構成とすることにより、上述したような環状(ドーナツ状)の多層食品を製造することが可能となる。また、外層食材吐出筒と内層食材吐出筒との間に形成される環状の流路(「外環流路」とも称す)から吐出される外層食材と、内径側外層食材吐出筒と中心部材との間に形成される環状流路(「内環流路」とも称す)から吐出される外層食材とを相違させることにより、さらにバリエーションに富んだ多層食品を製造することが可能となる。
また、同様の課題を解決すべく提供される本発明は、粘性を有する内層材料を、粘性を有する外層材料によって包んでなる多層製品の製造に用いる多層製品製造装置であって、前記内層材料を圧送可能な内層材料圧送装置を備えた内層材料供給部と、前記外層材料を圧送可能な外層材料圧送装置を備えた外層材料供給部と、前記内層材料供給部及び外層材料供給部から圧送された内層材料及び外層材料を吐出する吐出部とを有し、前記吐出部が、前記外層材料供給部に接続された外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料供給部に接続された内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルを備えたものであり、前記内層材料圧送装置及び前記外層材料圧送装置が、動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、前記内層材料及び前記外層材料の圧送制御を行う制御手段を有し、前記外層材料の圧送開始後、前記前記外層材料圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることにより圧送を終了する動作と、前記内層材料の圧送開始後、前記前記外層材料圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることにより圧送を終了する動作とを実施可能であることを特徴とするものである。
本発明の多層製品製造装置においては、内層材料及び外層材料として高粘度液体材料等の粘性を有する材料を用いて多層製品を製造することができる。そのため、本発明の多層製品製造装置によれば、従来技術においては製造しえなかった、外層材料が粘性を有する材料によって形成された多層材料を製造することが可能となる。
本発明の多層製品製造装置においては、内層材料圧送装置及び外層材料圧送装置が、一軸偏心ねじポンプ機構を備えた構成とされている。そのため、内層材料及び外層材料の圧送状態を精度よく制御し、内層材料及び外層材料を吐出ノズルから適切な量及びタイミングで吐出させうる。従って、本発明の多層製品製造装置によれば、多層製品の製造品質をより一層高品質なものとすることができる。
また、本発明において、内層材料圧送装置及び外層材料圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構は、ロータの回転方向を調整することにより、圧送対象である流動物(内層材料、外層材料)の流れ方向を適宜切り替え可能である。よって、内層材料及び外層材料の圧送を停止する際に、ロータを逆回転させることにより、内層材料及び外層材料の吐出を確実に停止させることができる。従って、本発明によれば内層材料及び外層材料が想定以上に吐出されてしまうことによる多層製品の品質低下を防止可能であると共に、装置構成がシンプルな多層製品製造装置を提供しうる。
なお、本発明及び以下の説明において「多層製品」とは、上述した多層食品に限定されず、内層材料を外層材料によって包んだもの全般を指す概念である。また、本発明において、「内層材料」及び「外層材料」は、上述した多層食品を構成する「内層食材」及び「外層食材」に限定されず、食材以外の材料全般を含む概念である。
上述した本発明の多層製品製造装置は、前記吐出ノズルが、外層材料を環状に吐出しつつ、外層材料の吐出領域の内側において内層材料を環状に吐出可能なものとすることが可能である。
かかる構成とすることにより、環状に形成された外層材料の内側に、内層材料が環状に包含された、いわゆるドーナツ状の外観形状を有する多層製品を製造することが可能となる。
本発明は、前記外層材料を吐出するための外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料を吐出するための内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルから内層材料及び外層材料を吐出させることにより、粘性を有する外層材料によって粘性を有する内層材料を包んでなる多層製品の製造方法であって、前記外層材料吐出筒に接続された外層材料圧送装置、及び前記内層材料吐出筒に接続された内層材料圧送装置が、それぞれ動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、前記外層材料圧送装置により外層材料を圧送し、吐出ノズルにおける外層材料の吐出を開始させる外層材料吐出開始工程と、前記外層材料吐出開始工程の後、所定時間経過後に、前記内層材料圧送装置による内層材料の圧送を開始させる内層材料吐出開始工程と、前記内層材料吐出開始工程の後、前記内層材料圧送装置による内層材料の圧送を停止させる内層材料吐出停止工程と、前記内層材料吐出停止工程の後、前記外層材料圧送装置による外層材料の圧送を停止させる外層材料吐出停止工程とを有し、前記内層材料吐出停止工程において、前記内層材料圧送装置のロータを前記内層材料の吐出時とは逆方向に作動させることで内層材料の吐出を停止し、前記外層材料吐出停止工程において、前記外層材料圧送装置のロータを前記外層材料の吐出時とは逆方向に作動させることで外層材料の吐出を停止することを特徴とするものである。
本発明の多層製品の製造方法において用いられる内層材料圧送装置及び外層材料圧送装置が、一軸偏心ねじポンプ機構を備えた構成とされている。そのため、内層材料及び外層材料の圧送状態を精度よく制御し、内層材料及び外層材料を吐出ノズルから適切な量及びタイミングで吐出させうる。これにより、内層材料及び外層材料として高粘度液体材料等の粘性を有する材料を用いて多層製品を製造することが可能となる。そのため、本発明の多層製品の製造方法によれば、従来技術の包餡製品製造装置等においては製造しえなかった、外層材料が粘性を有する材料によって形成された多層製品を高品質なものとして製造することができる。
ここで、上述したように、内層材料及び外層材料として高粘度液体材料等の粘性を有する材料を用いて多層製品を製造する場合には、内層材料や外層材料の圧送を停止したとしても表面張力等の影響により吐出ノズルの端部近傍に内層材料や外層材料が残存してしまう可能性がある。内層材料及び外層材料の変質等を防止するためには、吐出停止中の僅かな期間であっても吐出ノズルの端部近傍に付着したまま外気にさらされる可能性を低減することが好ましく、内層材料及び外層材料が食材である場合には特に外気にさらされることを防止することが望ましい。また、吐出ノズルの端部近傍に内層材料あるいは外層材料が付着した状態で、次の内層材料あるいは外層材料の吐出動作を行うと、吐出ノズルの端部近傍に付着していた分だけ内層材料あるいは外層材料の吐出量が増加してしまい、多層製品の製造品質にバラツキが生じてしまいかねない。
さらに、本発明の多層製品の製造方法において用いる吐出ノズルが内層材料吐出筒及び外層材料吐出筒を略同心状に配置した構造とされていることから、内層材料吐出筒及び外層材料吐出筒の端部に付着している内層材料及び外層材料が吐出停止中に混ざり合う等してしまう可能性がある。内層材料及び外層材料が混合してしまうと、外観が悪くだけでなく、特性が変質してしまう等の問題が生じかねない。具体的には、内層材料及び外層材料が食品である場合には、混合に伴う外観上の問題に加え、食品衛生上の問題、あるいは味や香り等が変化してしまうといった問題等の様々な問題が生じ、多層製品としての商品価値が著しく損なわれてしまう可能性がある。これらの問題点を解消すべく、内層材料及び外層材料の吐出を停止する際には、内層材料吐出筒及び外層材料吐出筒を内側に引き戻すことが望ましい。
かかる要望に対応すべく、本発明の多層製品の製造方法は、前記内層材料吐出停止工程において内層材料の圧送を停止する際に、前記内層材料圧送装置のロータを前記内層材料の吐出時とは逆方向に作動させ、前記外層材料吐出停止工程において外層材料の圧送を停止する際に、前記外層材料圧送装置のロータを前記外層材料の吐出時とは逆方向に作動させるものであることが望ましい。
本発明において、内層材料圧送装置及び外層材料圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構は、ロータの回転方向を調整することにより、圧送対象である流動物(内層材料、外層材料)の流れ方向を適宜切り替え可能である。よって、本発明の製造方法のように、内層材料及び外層材料の圧送を停止する際に、ロータの逆回転させて内層材料吐出筒及び外層材料吐出筒の端部に付着している内層材料及び外層材料を引き戻すことにより、吐出停止中に内層材料及び外層材料が外気にさらされる可能性を低減することが可能となる。また、本発明によれば、内層材料及び外層材料が想定以上に吐出されてしまうことによる多層製品の品質低下を防止可能である。さらに、吐出停止中に内層材料吐出筒及び外層材料吐出筒の端部において内層材料及び外層材料が混ざり合うこと、及び内層材料及び外層材料の混合に伴う多層製品の品質低下を防止することができる。
上述した本発明に係る多層製品の製造方法は、外層材料を吐出するための外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料を吐出するための内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルから内層材料及び外層材料を吐出させることにより、粘性を有する外層材料によって粘性を有する内層材料を包んでなる多層製品の製造方法であって、前記外層材料吐出筒に接続された外層材料圧送装置、及び前記内層材料吐出筒に接続された内層材料圧送装置が、それぞれ動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、前記外層材料圧送装置により外層材料を圧送し、吐出ノズルにおける外層材料の吐出を開始させる外層材料吐出開始工程と、前記外層材料吐出開始工程の後、所定時間経過後に、吐出ノズルにおける内層材料の吐出を開始させる内層材料吐出開始工程と、前記内層材料吐出開始工程の後、前記内層材料圧送装置による内層材料の吐出を停止させる内層材料吐出停止工程と、前記内層材料吐出停止工程の後、前記外層材料圧送装置による外層材料の吐出を停止させる外層材料吐出停止工程とを有し、前記外層材料吐出開始工程の後であって、前記内層材料吐出開始工程の前に、前記内層材料圧送装置のロータを前記内層材料の吐出時とは逆方向に作動させ、前記外層材料吐出筒から吐出された外層食材を内層材料吐出筒の内側に吸引する外層材料吸引工程を有するものであっても良い。
本発明の多層製品の製造方法では、内層食材吐出開始工程において内層材料の吐出を開始する前に、外層材料吸引工程において内層材料圧送装置のロータを吐出時とは逆方向に作動させることにより、外層材料吐出筒から吐出されている外層食材を内層材料吐出筒の内側に吸引する。そのため、内層材料吐出開始工程を開始すると、先ず内層材料吐出筒の末端部分に吸い込まれた外層食材が吐出された後に内層食材が吐出される。これにより、内層材料の重量等の影響により、多層製品の底側から内層材料が漏れ出す等の製造不良を抑制し、歩留まりの向上に資することが可能となる。
本発明は、外層材料を吐出するための外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料を吐出するための内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルから内層材料及び外層材料を吐出させることにより、粘性を有する外層材料によって粘性を有する内層材料を包んでなる多層製品の製造方法であって、前記外層材料吐出筒に接続された外層材料圧送装置、及び前記内層材料吐出筒に接続された内層材料圧送装置が、それぞれ動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、前記吐出ノズルにおいて外層材料を連続的に吐出させた状態において、間欠的かつ連続に内層材料を吐出させることを特徴とするものである。
本発明の多層製品の製造方法において用いられる内層材料圧送装置及び外層材料圧送装置は、一軸偏心ねじポンプ機構を備えた構成とされており、内層材料及び外層材料が仮に高粘度液体材料等の粘性を有するものであったとしても圧送状態を精度よく制御できる。そのため、吐出ノズルから適切な量及びタイミングで内層材料及び外層材料を吐出させることができる。従って、内層材料及び外層材料として高粘度液体材料等の粘性を有する材料を用いて多層製品を製造することが可能となる。
また、本発明の製造方法のように、内層材料圧送装置及び外層材料圧送装置として一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものを採用することにより、内層材料及び外層材料の圧送状態を高精度に制御することができる。そのため、本発明の製造方法のように、外層材料の吐出を開始した後、間欠的に内層材料を吐出させることにより高品質な多層製品を製造することが可能となる。
本発明の製造方法によれば、外層材料を連続的に吐出させた状態において、内層材料の吐出を断続させることにより多層製品を製造することが可能となる。従って、本発明の製造方法によれば、多層製品を一つ作る度に外層材料の吐出を停止する場合に比べて、多層製品の製造速度を格段に高速化することが可能となる。
ここで、饅頭等のように外層材料(外層食材)によって餡等の内層材料(内層食材)を完全に包み込んだ形態の多層製品(多層食品)に加え、芯となる内層材料の外周が外層材料によって巻かれ、内層材料の端部が外部に露出したようなロール状の形態の多層製品を製造したいという要望がある(図10(b),(c)参照)。
かかる要望に対応すべく、外層材料を吐出するための外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料を吐出するための内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルから内層材料及び外層材料を吐出させることにより、粘性を有する外層材料によって粘性を有する内層材料を包んでなる多層製品の製造方法であって、前記外層材料吐出筒に接続された外層材料圧送装置、及び前記内層材料吐出筒に接続された内層材料圧送装置が、それぞれ動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、前記吐出ノズルにおける外層材料の吐出及び内層材料の吐出開始及び吐出停止を同時に実施することが可能である
上述した製造方法によれば、上述したような芯となる内層材料の外周が外層材料によって巻かれ、内層材料の端部が外部に露出したようなロール状の形態の多層製品を容易に製造することが可能となる。
また、本発明の多層製品の製造方法においては、内層材料圧送装置及び外層材料圧送装置として一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものが採用されている。そのため、仮に内層材料及び外層材料が高粘度液体材料等の粘性を有するものであったとしても、圧送状態を精度よく制御できる。これにより、内層材料及び外層材料として高粘度液体材料等の粘性を有する材料を用いた場合であっても、高品質な多層製品を製造することが可能となる。
また、本発明の多層製品の製造方法は、前記吐出ノズルが、外層材料を環状に吐出しつつ、外層材料の吐出領域の内側において内層材料を環状に吐出可能なものであることが望ましい。
本発明によれば、環状に形成された外層材料の内側に、内層材料が環状に包含された、いわゆるドーナツ状の外観形状を有する多層製品を製造することが可能となる。
本発明によれば、外層食材及び内層食材として粘性を有する食材を用いつつ、品質の高い多層食材を製造可能であり、さらに装置構成がシンプルな多層食品製造装置、多層製品製造装置、及び多層製品の製造方法を提供することができる。
(a)は本発明の一実施形態に係る多層食品製造装置の正面図、(b)は側面図である。 (a)は内層食材圧送装置の内部構造を示す断面図、(b)は外層食材圧送装置が備えている一軸偏心ねじポンプ機構を示す断面図である。 (a)は外層食材流路の概略構成を示すスケルトン図、(b)は内層食材流路の概略構成を示すスケルトン図である。 吐出部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は吐出ノズルの拡大図、(e)は側面図、(f)はA−A断面図、(g)はB−B断面図、(h)はC−C断面図、(i)はD−D断面図、(j)はE−E断面図である。 図1に示す多層食品製造装置の動作を示すフローチャートである。 図1に示す多層食品製造装置の動作を示すタイミングチャートである。 図1に示す多層食品製造装置の動作の変形例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施例に係る人工いくらを製造するために用いる装置構成を示す説明図である。 (a)は本発明の多層製品の製造方法の変形例を示すタイミングチャートであり、(b),(c)は(a)に示すタイミングチャートに則って製造される多層製品の一例を示す断面図である。 (a)は本発明の多層製品の製造方法の参考例を示すタイミングチャートであり、(b)は(a)に示すタイミングチャートに則って製造される多層製品の一例を示す斜視図、(c)は(b)に示す多層製品の断面図である。 図5に示す制御フローによる外層食材及び内層食材の吐出状態を示した模式図である。 変形例に係る制御フローを説明するための模式図である。 (a)は変形例に係る吐出ノズルの断面図、(b)〜(d)は(a)に示す吐出ノズルを用いて製造可能な多層食品の断面図である。
続いて、本発明の一実施形態に係る多層食品製造装置10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。多層食品製造装置10は、中核をなす食材(以下、「内層食材」とも称す)を外皮をなす食材(以下、「外層食材」とも称す)によって包んでなる多層食品(多層製品)の製造に用いる装置である。多層食品製造装置10は、内層食材(内層材料)及び外層食材(外層材料)として、粘性を有する食材を用いて多層食材を製造することができる。
図1に示すように、多層食品製造装置10は、内層食材供給部20、外層食材供給部30、吐出部40、及び制御手段70を備えた構成とされている。内層食材供給部20は、多層食品をなす内層食材を吐出部40に対して供給するためのものである。内層食材供給部20は、内層食材を圧送可能な内層食材圧送装置22と、内層食材貯留槽24と、攪拌装置26とを具備している。
内層食材圧送装置22は、回転容積式のポンプによって構成されている。図2(a)に示すように、内層食材圧送装置22は、一軸偏心ねじポンプ機構100を備えた、いわゆる一軸偏心ねじポンプである。内層食材圧送装置22は、ケーシング106の内部に、ロータ102、ステータ104、及び動力伝達機構108等を収容した構成とされている。ケーシング106は、金属製で筒状の部材であり、長手方向一端側に第一開口部110が設けられている。また、ケーシング106の外周部分には、第二開口部112が設けられている。第二開口部112は、ケーシング106の長手方向中間部分に位置する中間部114においてケーシング106の内部空間に連通している。
第一開口部110及び第二開口部112は、それぞれ一軸偏心ねじポンプ機構100の吸込口及び吐出口として機能する部分である。内層食材圧送装置22は、ロータ102を正方向に回転させることにより、第一開口部110を吐出口、第二開口部112を吸込口として機能させることができる。また、ロータ102を逆方向に回転させることにより、第一開口部110を吸込口、第二開口部112を吐出口として機能させることができる。
ステータ104は、ゴム等の弾性体、又は樹脂等によって形成された略円筒形の外観形状を有する部材である。ステータ104の内周壁116は、n条で単段あるいは多段の雌ネジ形状とされている。本実施形態においては、ステータ104は、2条で多段の雌ねじ形状とされている。また、ステータ104の貫通孔118は、ステータ104の長手方向のいずれの位置において断面視しても、その断面形状(開口形状)が略長円形となるように形成されている。
ロータ102は、金属製の軸体であり、n−1条で単段あるいは多段の雄ねじ形状とされている。本実施形態においては、ロータ102は、1条で偏心した雄ねじ形状とされている。ロータ102は、長手方向のいずれの位置で断面視しても、その断面形状が略真円形となるように形成されている。ロータ102は、上述したステータ104に形成された貫通孔118に挿通され、貫通孔118の内部において自由に偏心回転可能とされている。
ロータ102をステータ104に対して挿通すると、ロータ102の外周壁120とステータ104の内周壁116とが両者の接線で密接した状態になり、ステータ104の内周壁116とロータ102の外周壁120との間に流体搬送路122(キャビティ)が形成される。流体搬送路122は、ステータ104やロータ102の長手方向に向けて螺旋状に伸びている。
流体搬送路122は、ロータ102をステータ104の貫通孔118内において回転させると、ステータ104内を回転しながらステータ104の長手方向に進む。そのため、ロータ102を回転させると、ステータ104の一端側から流体搬送路122内に流体を吸い込むと共に、この流体を流体搬送路122内に閉じこめた状態でステータ104の他端側に向けて移送し、ステータ104の他端側において吐出させることが可能である。本実施形態の一軸偏心ねじポンプ機構100は、ロータ102を正方向に回転させることにより使用され、第二開口部112から吸い込んだ食品構成材料(流動物)を圧送し、第一開口部110から吐出することが可能とされている。
動力伝達機構108は、駆動機124から上述したロータ102に対して動力を伝達するためのものである。動力伝達機構108は、動力伝達部126と偏心回転部128とを有する。動力伝達部126は、ケーシング106の長手方向の一端側に設けられている。また、偏心回転部128は、中間部114に設けられている。偏心回転部128は、動力伝達部126とロータ102とを動力伝達可能なように接続する部分である。偏心回転部128は、従来公知のカップリングロッドや、スクリューロッドなどによって構成された連結軸148を備えている。そのため、偏心回転部128は、駆動機124を作動させることにより発生した回転動力をロータ102に伝達させ、ロータ102を偏心回転させることが可能である。
図1(b)に示すように、上述した内層食材圧送装置22は、略水平に設置されている。内層食材の吐出に用いられる第一開口部110には、後に詳述する吐出部40が配管接続されている。また、第二開口部112は、上方に設置された内層食材貯留槽24に対して接続されている。内層食材貯留槽24は、内層食材を貯蔵する漏斗状の容器(ホッパー)であり、内部に貯蔵している内層食材を下部に設けられた排出口24aから第二開口部112に向けて供給することができる。また、内層食材貯留槽24には、上方から攪拌装置26の攪拌翼が差し込まれている。そのため、攪拌装置26を作動させることにより、内層食材貯留槽24内に貯蔵されている内層食材の沈殿等を防止し、槽内全体において略均一の組成とすることができる。
外層食材供給部30は、多層食品をなす外層食材を吐出部40に対して供給するためのものである。図1(a),(b)に示すように、外層食材供給部30は、外層食材を圧送可能な外層食材圧送装置32と、外層食材貯留槽34とを具備している。外層食材圧送装置32は、回転容積式のポンプによって構成されている。外層食材圧送装置32は、一軸偏心ねじポンプ機構200を備えたポンプ機構部35と、駆動部36と、連結部38とを有する。
図2(b)に示すように、ポンプ機構部35は、ケーシング201の内部に、ロータ202、ステータ204を収容した構成とされている。一軸偏心ねじポンプ機構200、及びこれを構成するロータ202及びステータ204の主要構成は、上述した内層食材圧送装置22の一軸偏心ねじポンプ機構100、ロータ102及びステータ104と同様である。
すなわち、一軸偏心ねじポンプ機構200は、ロータ202をステータ204に挿通することにより形成されている。ロータ202は、n−1条(本実施形態では1条)で単段あるいは多段の雌ネジ形状を有する金属製の軸体によって構成されている。また、ステータ204は、弾性体あるいは樹脂等によって形成された筒体であり、内部がn条(本実施形態では2条)で単段あるいは多段の雌ネジ形状とされている。ロータ202は、ステータ204に形成された貫通孔206に挿通され、貫通孔206の内部において自由に偏心回転可能とされている。また、ロータ202をステータ204に対して挿通することにより、螺旋状の流体搬送路208(キャビティ)が形成される。一軸偏心ねじポンプ機構200は、ロータ202をステータ204の内部において回転させることにより、流体搬送路208をステータ204の長手方向に進行させることができる。
また、ロータ202は、従来公知のカップリングロッドや、スクリューロッドなどによって構成された接続部210を介してロッド212に接続されている。また、図1に示すように、ロッド212は、駆動機214の駆動軸に対して接続されている。そのため、駆動機214を作動させることにより、ロータ202を偏心回転させることが可能である。また、ロッド212の中間部分には、攪拌翼216が取り付けられている。
上述したポンプ機構部35は、外層食材貯留槽34の直下に配置されている。外層食材貯留槽34は、外層食材を貯蔵する漏斗状の容器(ホッパー)であり、下部に設けられた排出口34aに対してポンプ機構部35が接続されている。これにより、外層食材貯留槽34に貯蔵されている外層食材を逐次、ポンプ機構部35に向けて供給可能とされている。ロッド212が、外層食材貯留槽34を上下方向に貫通するように設置されており、中間部分に取り付けられた攪拌翼216が外層食材貯留槽34の槽内に位置している。そのため、ロータ202を回転させるべく駆動機214を作動させると、攪拌翼216が外層食材貯留槽34内で回転し、貯蔵されている外層食材の沈殿等を防止することができる。
上述した内層食材供給部20及び外層食材供給部30は、吐出部40に対して接続されている。吐出部40は、内層食材供給部20及び外層食材供給部30から圧送されてきた内層食材及び外層食材を吐出することにより多層食品を成形するためのものである。図4に示すように、吐出部40は、多数の吐出ノズル42を有し、図3に示すような内層食材流路44、及び外層食材流路46を内蔵した吐出ユニット50を備えている。
図4(d)に示すように、吐出ノズル42は、内層食材を吐出するための内層食材吐出筒52を、外層食材を吐出するための外層食材吐出筒54の内側に略同心になるように配した二重管構造とされている。
内層食材流路44及び外層食材流路46は、概ね図3に示すように分岐した構成とされている。すなわち、内層食材流路44及び外層食材流路46は、それぞれ上流側から下流側に向けて、いわゆるトーナメント表の如く段階的に分岐している。内層食材流路44及び外層食材流路46は、末端部分に向けて多系統に分岐されており、それぞれの末端部分に吐出ノズル42の内層食材吐出筒52及び外層食材吐出筒54が接続されている。
吐出部40は、内層食材流路44及び外層食材流路46を配管により形成し、その末端部に吐出ノズル42を連結させた構成としても良いが、本実施形態では、図4に示すように孔あるいは溝等を形成した複数(本実施形態では5枚)のプレート60を組み合わせることにより内層食材流路44、及び外層食材流路46を形成し、これらに対して吐出ノズル42を接続した構成とされている。具体的には、吐出部40は、上方から下方に向けて第一プレート60a〜第五プレート60eからなる5枚のプレート60を重ね合わせることにより形成されている。第一プレート60a〜第五プレート60eには、内層食材流路44及び外層食材流路46を構成する孔あるいは溝が形成されている。
さらに詳細には、図3に示すように、内層食材流路44を第一構成部44a〜第五構成部44eに分類し、各構成部44a〜44eに相当する溝あるいは孔を第一プレート60a〜第五プレート60eに形成し、組み合わせることにより、内層食材流路44が形成されている。また、外層食材流路46を第一構成部46a〜第五構成部46eに分類し、各構成部46a〜46eに相当する溝あるいは孔を第一プレート60a〜第五プレート60eに形成し、組み合わせることにより外層食材流路46が形成されている。また、第一プレート60aには、内層食材供給部20に対して接続される内層用接続部56、及び外層食材供給部30に対して接続される外層用接続部58が設けられている。
各プレート60の構成について具体的に説明すると、図4(b)に示すように、第一プレート60aの天面側において略中央部に外層用接続部58が形成されている。図4(f)に示すように第一プレート60aには、外層食材流路46の第一構成部46aをなす縦孔46a1が外層用接続部58に連通するように形成されている。また、また、第一構成部46aをなす横溝46a2が、第一プレート60aの裏面側に形成されている。横溝46a2は、縦孔46a1と連通しており、縦孔46a1との連通位置を境界として第一プレート60aの長手方向に対称に延びるように形成されている。
また、図4(b)に示すように、第一プレート60aの天面側には、内層用接続部56が4つ設けられており、そのそれぞれに内層食材流路44が接続されている。図4(f)に示すように、第一プレート60aを平面視した状態において、第一プレート60aの長さ方向(長手方向)に延びる中央線L1、及び幅方向(短手方向)に延びる中央線L2を想定し、これらの中央線L1,L2によって区画される4つの領域を想定した場合に、内層用接続部56及び内層食材流路44は、各領域毎に設けられている。すなわち、4領域のそれぞれに、内層食材流路44をなす第一構成部44aが設けられている。また、第一プレート60aよりも下方に配される第二プレート60b〜第五プレート60eにも、前述した4領域のそれぞれに相当する位置に、内層食材流路44の第二構成部44b〜第五構成部44eに相当する孔あるいは溝が形成されている。
第一プレート60aには、内層食材流路44の第一構成部44aをなす孔及び溝として、縦孔44a1及び横溝44a2が形成されている。縦孔44a1は、内層用接続部56に連通し、第一プレート60aの天面側から底面側に向けて延びる孔である。また、横溝44a2は、第一プレート60aの裏面側において、第一プレート60aの長手方向に伸びる溝である。縦溝44a1は、横溝44a2の略中央部において連通している。
図4(g)に示すように、第二プレート60bには、外層食材流路46の第二構成部46bをなす縦孔46b1が2つ、第二プレート60bの長手方向に対称の位置関係となるように形成されている。縦孔46b1は、第一プレート60a及び第二プレート60bを重ね合わせた状態において、第一プレート60a側に形成されている横溝46a2の両端部に相当する位置に設けられている。そのため、第一プレート60a及び第二プレート60bを重ね合わせることにより、外層食材流路46の第一構成部46a及び第二構成部46bを連通させることができる。
また、第二プレート60bには、内層食材流路44の第二構成部44bをなす縦孔44b1が8つ形成されている。縦孔44b1は、第一プレート60aに形成された各内層食材流路44をなす横溝44a2の両端部に相当する位置に設けられている。そのため、第一プレート60a及び第二プレート60bを重ね合わせることにより、内層食材流路44の第一構成部44a及び第二構成部44bを連通させることができる。
図4(h)に示すように、第三プレート60cには、外層食材流路46の第三構成部46cをなす縦孔46c1及び横溝46c2が2組設けられている。縦孔46c1及び横溝46c2は、第三プレート60cの長手方向に対称の位置関係となるように設けられている。縦孔46c1は、第二プレート60b及び第三プレート60cを重ね合わせた状態において、第二プレート60b側に形成されている縦孔46b1と連通する位置に設けられている。
また、第三プレート60cには、内層食材流路44の第三構成部44cをなす縦孔44c1及び横溝44c2が8組形成されている。縦孔44c1は、第二プレート60bに形成された8つの縦孔44b1に相当する位置に設けられている。そのため、第二プレート60b及び第三プレート60cを重ね合わせることにより、第二プレート60b及び第三プレート60cに形成された縦孔44b1,44c1が連通する。また、横溝44c2は、第三プレート60cの底面側において、第三プレート60cの長手方向に延びるように形成されている。縦孔44c1は、横溝44c2の略中央部分において、横溝44c2と連通している。
図4(i)に示すように、第四プレート60dには、外層食材流路46の第四構成部46dをなす縦孔46d1が4つ形成されている。縦孔46d1は、第三プレート60c及び第四プレート60dを重ね合わせた状態において、第三プレート60c側に形成されている横溝46c2の両端部に相当する位置に設けられている。そのため、第三プレート60c及び第四プレート60dを重ね合わせることにより、各横溝46c2を2系統に分岐する流路を形成することができる。従って、第一プレート60aから第四プレート60dに至る間に、外層食材流路46が4系統に分岐された状態になる。
また、第四プレート60dには、内層食材流路44の第四構成部44dをなす縦孔44d1が16個形成されている。縦孔44d1は、第三プレート60cに形成されている8つの横溝44c2の両端部に相当する位置に設けられている。そのため、第三プレート60c及び第四プレート60dを重ね合わせることにより、各横溝44cを2系統に分岐する流路を形成することができる。従って、第一プレート60aから第四プレート60dに至る間に、内層食材流路44は、16系統に分岐された状態になる。
図4(j)に示すように、第五プレート60eには、外層食材流路46の第五構成部46eをなすH型溝46e1が4つ形成されている。H型溝46e1は、平面視が略H型の溝である。第四プレート60d及び第五プレート60eを重ね合わせた状態において、第四プレート60dに形成されている4つの縦孔46d1が、各H型溝46e1の略中央部に連通した状態になる。また、各H型溝46eの端部(四隅)には、第五プレート60eの裏面側に連通した縦孔46e2が設けられている。そのため、第四プレート60d及び第五プレート60eを重ね合わせることにより、各縦孔46d1を介して導入された外層食材を、それぞれ4系統に分岐する流路を形成することができる。従って、第五プレート60e全体として、外層食材を16系統に分岐することができる。
第五プレート60eの裏面側において、各縦孔46e2に相当する位置に吐出ノズル42が取り付けられている。そのため、外層用接続部58を介して導入された外層食材を、第一プレート60a〜第五プレート60e内に形成された外層食材流路46によって16系統に分流させ、16個の吐出ノズル42から吐出させることができる。
また、第五プレート60eに設けられた16個の縦孔46e2には、内層食材流路44の第五構成部44eをなす管44e1に相当するものとして、吐出ノズル42をなす内層食材吐出筒52が挿通されている。また、各内層食材吐出筒52は、第四プレート60d及び第五プレート60eを重ね合わせることにより、第四プレート60d側に形成されている縦孔44d1と連通した状態になる。そのため、内層用接続部56を介して導入された内層食材を、第一プレート60a〜第五プレート60e内に形成された内層食材流路44によって16系統に分流させ、16個の吐出ノズル42から吐出させることができる。
図1に二点鎖線によって示すように、上述した吐出部40の下方には、ベルトコンベアあるいは作業台等の台80が設置される。これにより、外層食材及び内層食材を吐出部40からベルトコンベア等の上に吐出しつつ、多層食品を成形することができる。
制御手段70は、主として上述した内層食材圧送装置22及び外層食材圧送装置32の動作制御を実行し、内層食材及び外層食材の圧送制御を行うものである。制御手段70による内層食材圧送装置22及び外層食材圧送装置32についての基本的な動作制御は、図5に示すフローチャート及び図6に示すタイミングチャートに示す通りである。具体的には、ステップ1において運転信号がオン状態になると、ステップ2において外層食材圧送装置32による外層食材の圧送が開始される。これにより、吐出部40に設けられた各吐出ノズル42において、内層食材吐出筒52と外層食材吐出筒54との間に形成された隙間から下方に向けて吐出される(外層材料吐出開始工程)。
ステップ2において外層食材の吐出が開始された後、所定時間t3が経過したことがステップ3において確認されると、制御フローがステップ4(内層材料吐出開始工程)に進められる。ここで、所定時間t3は、外層食材及び内層食材の粘性、吐出速度、吐出ノズル42の形状、多層食材をなす外層食材の厚み等の各種条件を加味して設定され、条件によっては所定時間t3を設けず外層食材及び内層食材の吐出を同時に開始する(t3=0)こととしても良い。
ステップ4においては、上述したステップ2において開始された外層食材の吐出が継続されつつ、各吐出ノズル42の内層食材吐出筒52から内層食材が下方に向けて吐出する動作が開始される。すなわち、ステップ2における外層食材の吐出開始から所定時間t3だけ遅れたタイミングから、外層食材の吐出に加え、内層食材の吐出も開始される。
ステップ4において内層食材の吐出を開始した後、ステップ5において所定時間t4が経過したことが確認されると、制御フローがステップ6に進む。ステップ6においては、内層食材圧送装置22のロータ102の回転方向が、所定時間t5に亘って内層食材の吐出時とは逆方向に切り替えられる。所定時間t5が経過すると、制御フローがステップ7に進められ、ロータ102の回転が停止される(ステップ6〜7:内層材料吐出停止工程)。
一方、外層食材圧送装置32は、ステップ8において外層食材の吐出開始後、所定時間t1が経過したことが確認されるまで外層食材の吐出を継続する。ステップ8において所定時間t1の経過が確認されると、制御フローがステップ9に進められる。ステップ9においては、外層食材圧送装置32に設けられたロータ202の回転方向が、所定時間t2に亘って外層食材の吐出時とは逆方向に切り替えられる。所定時間t2が経過すると、制御フローがステップ10に進められ、ロータ202の回転が停止されると共に、一連の制御フローが完了する(ステップ9〜10:外層材料吐出停止工程)。
上述した本実施形態の多層食品製造装置10においては、内層食材及び外層食材として高粘度液体材料等の粘性を有する食材を用いて多層食品を製造可能である。そのため、本実施形態の多層食品製造装置10によれば、外層食材が粘性を有する食材によって形成された多層食材を製造することが可能である。また特に、多層食品製造装置10によれば、外層食材として内層食材の粘性と同等、あるいは前記内層食材の粘性よりも低粘性の食材を用いることができる。そのため、多層食品製造装置10によれば、従来技術の包餡製品製造装置等においては製造しえなかった、外層食材の方が内層食材よりも低粘性の食材によって形成された多層食材を製造することが可能となる。
また、多層食品製造装置10においては、内層食材圧送装置22及び外層食材圧送装置32として、一軸偏心ねじポンプ機構100,200を備えたものを採用している。そのため、内層食材及び外層食材の圧送状態を精度よく制御し、内層食材及び外層食材を多層食品を製造する上で適切な量及びタイミングで吐出させうる。従って、多層食品製造装置10によれば、多層食品の製造品質をより一層向上させることが可能となる。
また、内層食材圧送装置22及び外層食材圧送装置32を構成する一軸偏心ねじポンプ機構100,200は、いずれもロータ102,202の回転方向を調整することにより、内層食材、外層食材の流れ方向を適宜切り替えることが可能である。そのため、内層食材及び外層食材として粘性の低い食材を用いたとしても、各食材の圧送停止時にロータ102,202を逆回転させることにより、予期せず液だれしてしまうこと、及び液だれに伴う多層食品の品質低下を防止できる。また、内層食材圧送装置22及び外層食材圧送装置32をなす一軸偏心ねじポンプ機構100,200は、装置構成が極めてシンプルである。これにより、多層食品製造装置10の製造コストの抑制、及びメンテナンス特性の向上を図ることが可能となる。
また、多層食品製造装置10は、吐出ノズル42を複数(本実施形態では16個)備えると共に、内層食材流路44及び外層食材流路46が複数系統に分岐されている。そのため、内層食材圧送装置22及び外層食材圧送装置32によって圧送されてきた内層食材及び外層食材を、内層食材流路44及び外層食材流路46を介して略均等に複数の吐出ノズル42に分配することが可能となる。従って、多層食品製造装置10によれば、同一品質の多層食品を量産しうる。
多層食品製造装置10においては、内層食材圧送装置22及び外層食材圧送装置32が、一軸偏心ねじポンプ機構100,200を備えたものとされているため、内層食材及び外層食材の吐出開始、及び終了を正確に制御することができる。そのため、上述したように、外層食材圧送装置32による外層食材の圧送開始後、所定時間t3だけ経過したタイミングにおいて内層食材圧送装置22による内層食材の圧送を開始させ、外層食材圧送装置32による外層食材の圧送開始から終了までの時間t1よりも所定時間だけ前のタイミングにおいて内層食材圧送装置22による内層食材の圧送を終了させることとすれば、高品質な多層食品を安定して製造することが可能となる。
なお、上述した図6に係るタイミングチャートは、多層食品製造装置10の動作の一例を示したものに過ぎず、適宜変更することが可能である。また、多層食品製造装置10は、吐出部40に昇降機構を設けた構成とし、この昇降機構の動作と、外層食材及び内層食材の吐出とを連動させて制御するようにしても良い。すなわち、例えば図7(a)〜(c)に係るタイミングチャートに示すように、多層食品の成形に用いる外層食材あるいは内層食材の粘性等の特性を考慮し、外層食材及び内層食材の吐出タイミングを基準として適切なタイミングで吐出部40を上下動させることができる。
具体的には、図7(a)に示す例においては、外層食材及び内層食材の吐出に先だって、吐出部40が待機位置から上昇し、所定の位置まで移動した後、吐出開始位置まで下降する。吐出部40が吐出開始位置に到達すると、外層食材圧送装置32による外層食材の吐出が開始される。その後所定時間が経過すると、内層食材圧送装置22による内層食材の吐出が開始されると共に、吐出部40の上昇移動が開始される。内層食材の吐出が完了するタイミングになると、内層食材圧送装置22のロータ102を所定時間に亘って逆回転させる。これにより、内層食材の吐出が完了する。その後、外層食材の吐出完了のタイミングに到達すると、外層食材圧送装置22のロータ202を所定時間に亘って逆回転させる。これにより、外層食材の吐出が完了する。外層食材の圧送が完了後、しばらくすると、吐出部40は、上昇移動を停止し、所定の待機時間を経てから待機位置に戻る動作を行う。
また、図7(b)に示す例は、概ね上述した図7(a)に係る動作と同一であるが、外層食材圧送装置32による外層食材の吐出終了後、外層食材圧送装置22のロータ202の逆回転を終了させるタイミングを吐出部40の上昇移動が完了するタイミングよりも後の時点まで遅延させた点において相違する。また、図7(c)に示す例についても概ね上述した図7(a)に係る動作と同一であるが、外層食材圧送装置32による外層食材の吐出終了後、外層食材圧送装置22のロータ202の逆回転を終了させるタイミングを、吐出部40の上昇移動が完了するタイミングよりも僅かに前のタイミングまで遅延させた点において相違する。また、図7(c)に示す例は、内層食材の吐出開始のタイミングを、吐出部40の上昇移動開始のタイミングよりも前とした点においても図7(a)に係る動作と相違する。
上述した多層食品製造装置10は、内層及び外層の二層の食品を製造するものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに多層の食品を製造するものとすることが可能である。具体的には、吐出ノズル42をさらに多層構造とし、吐出ノズル42の各層から異なる食品を吐出可能としても良い。すなわち、内層食材の多層化を図るべく内層食材吐出筒52を多重筒とすること、及び外層食材の多層化を図るべく外層食材吐出筒54を多重筒とすることのいずれか一方又は双方を行うことにより、より一層多層化した多層食材を製造することが可能である。また、内層食材吐出筒52や外層食材吐出筒54の多重化を図る場合には、内層食材流路44や外層食材流路46の他、内層食材供給部20や外層食材供給部30についても各食材毎に別々に設けることにより、多層化された内層食材吐出筒52や外層食材吐出筒54の各層に対して必要な食材をスムーズに供給することが可能となる。
上述した多層食品(多層製品)の製造方法は、本発明の一実施形態に過ぎず、多層食品製造装置10(多層製品製造装置)により他の製造方法により製造することとしても良い。具体的には、図9(a)のタイミングチャートに示すように、外層食材圧送装置32による圧送を開始した後、停止させることなく外層食材(外層材料)を吐出ノズル42から吐出させる。これと並行して、所定のタイミング毎に内層食材圧送装置22の作動及び停止を行い、吐出ノズル42から内層食材(内層材料)を吐出させる。このようにすることで、外層食材を連続的に吐出させた状態において、内層材料の吐出を断続させることにより多層製品を製造することが可能となる。従って、図9(a)に示すタイミングチャートに則った多層食品の製造方法によれば、多層食品を一つ作る度に外層食材の吐出を停止する場合に比べて、多層食品の製造速度を格段に高速化することが可能となる。
また、このように、外層食材を連続的に吐出させつつ、間欠的に内層食材を吐出させることによる多層食材の製造方法を採用した場合において、外層食材が雫状、あるいは球状となって滴下されるような低粘性のものである場合には、図9(b)に示すように外層食材に内層食材が内包された球状の形態、あるいは雫状の形態の多層食品を製造することができる。また、前述のものよりも外層食材の粘性が高い場合については、図9(c)に示すように連続的に形成された外層食材の中に、内層食材が所定の間隔毎に包含された形態の多層食品を製造することができる。図9(c)に示すような形態で多層食品を製造した場合には、内層食材が包含されていない中間部分において外層食材を切断等して分解するようにしても良い。
また、多層食品製造装置10(多層製品製造装置)を用いた多層食品(多層製品)の製造方法の変形例として、例えば図10(a)に示すタイミングチャートに則った製造方法が考えられる。具体的には、図10(a)に示すように、吐出ノズル42における外層食材(外層材料)の吐出及び内層食材(内層材料)の吐出開始及び吐出停止を同時に実施するようにしても良い。このような製造方法によれば、図10(b),(c)に示すように芯となる内層食材の外周が外層食材によって巻かれ、内層食材の端部が露出したようなロール状の形態の多層食品を容易に製造できる。
また、上述した実施形態の多層製品(多層食品)の製造方法は、図5に示す制御フローや図11に模式図で示すように、外層材料吐出開始工程(ステップ2)、内層材料吐出開始工程(ステップ4)、内層材料吐出停止工程(ステップ6〜ステップ7)、及び外層材料吐出停止工程(ステップ9〜10)の各工程を順次行う例を示したが、これらの工程に加えて別の工程をさらに付加したものであっても良い。具体的には、図12において模式的に示すように、外層材料吐出開始工程の後であって、内層材料吐出開始工程の前に、内層材料圧送装置22のロータ102を内層材料の吐出時とは所定量だけ逆方向に作動させる外層材料吸引工程を設けることが可能である。
上述した外層材料吸引工程を設けることにより、外層材料吐出開始工程の後、吐出ノズル42の外層材料吐出筒54から吐出され、先端部に付着している外層材料が、内層材料吐出筒52の内側に吸引される。従って、内層材料吐出開始工程の前に、内層材料吐出筒52の先端部に、幾ばくかの外層材料が充填された状態になる。このような状態において、製造工程が外層材料吸引工程から内層材料吐出開始工程に移行すると、内層材料吐出筒52の先端部に充填されている外層材料が吐出された後、内層材料が吐出されることになる。そのため、このようにして製造された多層製品(多層食品)は、内層材料吐出開始工程の開始直後に内層材料吐出筒52から吐出された外層食材によって内層材料の下部が補強されたような構造となる。これにより、内層材料の重量等の影響により、多層製品の底側から内層材料が漏れ出す等の製造不良を抑制し、歩留まりの向上に資することが可能となる。
また、上述した多層食品製造装置10(多層製品製造装置)においては、吐出ノズル42として内層食材吐出筒52と外層食材吐出筒54とを設け、環状に形成された外層食材の吐出領域の中心部に、内層食材の吐出領域が円形に形成されるものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、図13に示した吐出ノズル142のように、内層食材吐出筒52及び外層食材吐出筒54に相当する内層食材吐出筒152及び外層食材吐出筒154に加え、内層食材吐出筒152の内側に内径側外層食材吐出筒156を設けると共に、内径側外層食材吐出筒156の内側に中心部材158を設けたものとすることが可能である。このような構成とすることにより、内層食材吐出筒152及び外層食材吐出筒154の間、及び内径側外層食材吐出筒156と中心部材158の間から外層食材を吐出させつつ、これらによって形成される外層食材の吐出領域の内側において内層食材を環状に吐出することが可能となる。これにより、ドーナツ状に吐出された外層食材の内側に、内層食材を外層食材と同様に環状に吐出させることが可能となる。
上述した吐出ノズル142の構成についてさらに詳細に説明すると、外層食材吐出筒154は、吐出ノズル142の基端側(一端側)から先端側(他端側)に向けて貫通した貫通孔154aを有する筒状部154bと、基端側において径方向外側に膨出したフランジ部154cとを有する筒状の部材とされている。また、フランジ部154cの周部には、第一接続部154dが肉厚方向(径方向)に貫通するように形成されている。
内層食材吐出筒152は、吐出ノズル142の基端側(一端側)から先端側(他端側)に向けて貫通した貫通孔152aを有する筒状部152bと、基端側に径方向外側に膨出したフランジ部152cとを有する。筒状部152bは、外層食材吐出筒154の貫通孔154a内に収まる大きさとされている。また、筒状部152bは、フランジ部152cとの境界近傍に段部152eを有し、段部152eよりも先端側の部分の外径が基端側の部分の外径よりも小さくなっている。そのため、外層食材吐出筒154の貫通孔154a内に内層食材吐出筒152を挿入すると、内層食材吐出筒152と外層食材吐出筒154との間に外層食材を通過させるための環状の流路(以下、「外環流路153」とも称す)が形成される。また、フランジ部152cの周部には、第二接続部152dが肉厚方向(径方向)に貫通するように形成されている。
外環流路153は、吐出ノズル142の組み立て状態において、第一接続部154dと連通している。そのため、第一接続部154dに外層食材を供給することにより、外環流路153を介して外層食材を吐出させることができる。また、フランジ部152c,154cが接触するまで外層食材吐出筒154に対して内層食材吐出筒152を差し込んだ状態において、筒状部154bの先端部が筒状部152bの先端部よりも僅かに吐出ノズル142の内側(基端側)に位置している。そのため、外環流路153は、吐出ノズル142の先端部において径方向内側(内層食材吐出筒152側)に拡がった拡張部153aを有する。
内径側外層食材吐出筒156は、貫通孔156aを備えた筒状部156bと、基端側に径方向外側に膨出したフランジ部156cとを有する。筒状部156bは、内層食材吐出筒152の貫通孔152a内に収まる大きさとされている。また、筒状部156bとフランジ部156cとの境界近傍に段部156eが形成されており、段部156eよりも先端側の部分の外径が基端側の部分の外径よりも小さくなっている。そのため、内層食材吐出筒152の貫通孔152a内に内径側外層食材吐出筒156を挿入すると、内層食材吐出筒152と内径側外層食材吐出筒156との間に内層食材を通過させるための環状の流路(以下、「中環流路155」とも称す)が形成される。また、フランジ部156cの周部には、第三接続部156dが肉厚方向(径方向)に貫通するように形成されている。
中環流路155は、吐出ノズル142の組み立て状態において、第二接続部152dと連通している。中環流路155は、吐出ノズル142の先端側において、上述した外環流路153の拡張部153aに合流している。そのため、第二接続部152dに外層食材を供給することにより、中環流路155を介し、外環流路153における外層食材の吐出領域内に層食材を吐出させることができる。
中心部材158は、断面形状が略T字型の部材であり、円柱状の柱状部158a及びその基端側に設けられたフランジ部158bを有する。柱状部158aは、内径側外層食材吐出筒156の貫通孔156aに挿入される部分である。柱状部158aとフランジ部158bとの境界近傍に段部158cが形成されており、段部156eよりも吐出ノズル142の先端側の部分において外径が基端側の部分の外径よりも小さくなっている。そのため、貫通孔156aに柱状部158aを挿入すると、内径側外層食材吐出筒156と中心部材158との間に外層食材を通過させるための環状の流路(以下、「内環流路157」とも称す)が形成される。内環流路157は、上述した中環流路155に対して吐出ノズル142の径方向内側に隣接する位置に形成されている。内環流路157には、上述した第三接続部156dが連通している。
上述したような吐出ノズル142を吐出ノズル42の代わりに設け、外層食材圧送装置32によって圧送された外層食材を二分岐して供給可能とした配管(図示せず)を第一接続部154d及び第三接続部156dに対して接続する。また、第二接続部152dに対し、内層食材圧送装置22を接続する。これにより、第一接続部154dに連通した外環流路153及び第三接続部156dに連通した内環流路157を通じて外層食材を吐出させると共に、第二接続部152dに連通した中環流路155を通じて内層食材を吐出させることができる。従って、このような吐出ノズル142を用い、図5に示す制御フローに則って外層食材及び内層食材を吐出させることにより、図13(b),(c)に示すように、ドーナツ状の外層食材に、環状に内層食材が内包された形態の多層食品を製造することが可能となる。
なお、上記変形例においては、第一接続部154及び第三接続部156dに対して単一の外層食材圧送装置32によって外層食材を圧送可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一接続部154及び第三接続部156d毎に別の外層食材圧送装置32,32を接続した構成としても良い。また、このような構成とした場合には、第一接続部154を介して外環流路153に供給する外層食材と、第三接続部157を介して内環流路157に供給する外層食材とを別の食材によって構成することも可能である。このようにすることにより、図13(d)に示すようなバリエーションに富んだ多層食品を製造することが可能となる。
≪多層菓子製造装置・製造方法としての実施例≫
上述した多層食品製造装置10は、例えば饅頭等の菓子を製造するために使用することができる。さらに具体的には、外層食材としてホイップクリームや溶解させたチョコレート等の低粘性食材を供給すると共に、内層食材としてチョコレートやジャム等のソースを供給することが可能である。多層食品製造装置10においては、従来技術においてなされているように外層食材を内層食材よりも粘度が高く硬い食材とすることに加え、外層食材を内層食材よりも粘度が低く軟らかい食材とすることも可能である。
≪パン生地製造装置・製造方法としての実施例≫
上述した多層食品製造装置10は、多層構造のパン生地を製造するために使用することができる。具体的には、小麦粉あるいはライ麦粉などを主原料として発酵させたもの外層食材とし、生地の中に入れるクリームやチョコレート、餡などの食品を内層食材として用いてパン生地を製造することが可能である。
≪アイスクリーム・ソフトクリームの製造装置・製造方法としての実施例≫
上述した多層食品製造装置10は、アイスクリーム、あるいはソフトクリームを多層化したものを製造するために使用することが可能である。また、多層食品製造装置10は、アイスクリームあるいはソフトクリームを外層食材とし、その内側にチョコやクリーム等のアイスクリームあるいはソフトクリームよりも粘性が高く流動性の低い別の食材を内層食材として包み込んだ多層のアイスクリームあるいはソフトクリームを製造するためにも使用することができる。
≪人工いくら製造装置、あるいはサプリメントの製造装置・製造方法等としての実施例≫
近年、天然のいくらに似せたものとして人工的に製造した人工いくらと称されるものが提供されている。人工いくらは、アルギン酸ナトリウム、あるいはカラギーナンをゲル化させることにより外皮をなす膜(外層食材)を作成し、その内側にカラギーナン、ゼラチン、ペクチン、サラダ油、色素材等の混合物(内層食材)を収容させた構成とされている。人工いくらを製造する場合には、外層食材をなすアルギン酸ナトリウム等、及び内層食材をなす前述した混合物を多層食品製造装置10に供給すると共に、図8に示すように吐出部40の下方に塩化カルシウム水溶液を貯留した貯留槽90を設け、この貯留槽90に向けて吐出部40から外層食材及び内層食材を吐出させる。これにより、人工いくらを製造することが可能となる。
また、上述した人工いくらと同様に、外皮をなす膜(外層食材)の内側に、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の栄養補助食品、あるいはハーブ等の薬効成分等の食材(内層食材)を収容したサプリメントが提供されている。このようなサプリメントについても、上述した人工いくらと同様の製造方法により、多層食品製造装置10を用いて製造することが可能である。
上述した人工いくら等のように、滴下により雫状、あるいは球状となる程度まで低粘性の食材を外層食材として用いる場合には、図9(a)に示すタイミングチャートのように、外層食材を連続的に吐出させている間に、内層食材を間欠的に吐出させる製造方法により、製造速度の高速化を図ることが可能となる。
≪生菓子等製造装置・製造方法としての実施例≫
上述した多層食品製造装置10は、葛粉を用いて作った生地を外層食材とし、この生地によって餡等の内層食材を包んでなる水饅頭、葛饅頭、あるいは水仙饅頭等の生菓子を製造するために使用することができる。また、多層食品製造装置10は、餅やチョコレート等によって構成された外層食材により、アイスクリーム、チョコレート、クリーム、あるいは餡等の内層食材を包んでなる菓子を製造するために使用することができる。
多層食品製造装置10により水饅頭等の生菓子を製造する場合には、葛粉や砂糖等を混合し、加熱等して作成した粘性を有する生地を外層食材として外層食材供給部30に準備し、外層食材圧送装置32によって圧送する。また、餡等の生菓子の核となる食材を内層食材として内層食材供給部20に準備し、内層食材圧送装置22によって圧送する。上述した制御フローに則って適切なタイミングで、外層食材たる生地、及び内層食材たる餡を吐出部40において吐出させることにより、水饅頭、葛饅頭、あるいは水仙饅頭等の生菓子を製造することができる。餅やチョコレート等によってアイスクリーム等を包んだ菓子を製造する場合についても同様に、外層食材をなす餅等を外層食材供給部30に準備して圧送すると共に、内層食材をなすアイスクリーム等を内層食材供給部20に準備して圧送することにより製造することができる。
≪ポーション(喫茶食品)製造装置・製造方法としての実施例≫
上述した多層食品製造装置10は、液状のコーヒーあるいは紅茶等の飲料を内層食材とし、この内層食材を、コラーゲン等からなる水溶性の外層食材によって包んだポーション(喫茶食品)を製造するために使用することができる。内層食材として包含される飲料には、ミルク、砂糖、あるいはガムシロップ等を予め配合したものとすることも可能である。また、内層食材として包含される飲料は、液状のものとする他、外層食材と同様にコラーゲン等によってゲル状にしたものであっても良い。このようにして製造したポーションをカップ等に投入した後、湯水によって外層食材を溶解させることにより、コーヒーあるいは紅茶等の喫茶食品を飲用可能な状態とすることができる。なお、上記実施例4において説明した人工いくらあるいはサプリメントの製造装置や製造方法において説明したのと同様に、他の液体に接触させることにより外層食材の固化を促進させることができる場合には、上記実施例4と同様に貯留槽90(図8参照)を設け、この貯留槽90に向けて吐出部40から外層食材及び内層食材を吐出させることにより、製造品質の向上あるいは製造の容易化を図ることが可能となる。
≪薬品の製造装置・製造方法としての実施例≫
上述した多層食品製造装置10は、液状あるいはゲル状の薬剤を内層食材とし、この内層食材を、コラーゲン等からなる水溶性の外層食材によって包んだ薬品を製造するために使用することができる。内層食材として包含される水様の薬剤は、単一種のものであっても、複数種混合したものであっても良い。なお、薬品の製造に多層食品製造装置10を用いる場合についても、上記実施例4において説明したのと同様に、吐出ノズル42の下方に貯留槽90(図8参照)を設け、この貯留槽90に向けて吐出部40から外層食材及び内層食材を吐出させるようにしても良い。これにより、製造品質の向上あるいは製造の容易化を図り得る。
≪工業製品の製造装置・製造方法としての実施例≫
上述した多層食品製造装置10と同様の構造、構成からなる装置を、食品以外の工業製品であって、内層素材を外層素材によって包んだものを製造するための装置(以下、「多層製品製造装置10」とも称す)として用いることも可能である。この場合、多層食品製造装置10において内層食材用として設けられた内層食材供給部20や内層食材圧送装置22、内層食材流路44、内層食材吐出筒52等を内層素材用のものとすることができる。また、外層食材用として設けられた外層食材供給部30や外層食材圧送装置32、外層食材流路46、外層食材吐出筒54等を外層素材用のものとすることができる。
上述した多層製品製造装置10によれば、外層素材として内層素材の粘性と同等以下の素材を供給し、多層製品を製造することができる。多層製品製造装置10により製造可能な多層製品としては、液状あるいはゲル状の消臭剤あるいは芳香剤を内層素材とし、これを外皮をなす外層素材によって包んで球状あるいはビーズ状とした消臭製品あるいは芳香製品や、石鹸や入浴剤等の内層素材をゼリー状の外層素材や水溶性の外層素材によって包んだ入浴製品等、様々なものが挙げられる。
≪外周を外層材料によって包んだ多層状の菓子等の製造装置・製造方法としての参考例
図10(b),(c)に示すように、餡や飴等の芯となる内層材料(内層食材)の外周を、餅や飴等の外層材料(外層食材)によって巻くように包んだロール状の多層菓子等の製造に、多層製品製造装置10を用いることができる。具体的には、図10(a)のタイミングチャートに示すように、内層食材圧送装置22及び外層食材圧送装置32の双方を作動させ、内層食材と外層食材を吐出ノズル42から同時に吐出させる。このような吐出状態において、吐出ノズル42、及び吐出ノズル42の下方に設けられた台80をなすコンベアの搬送面のいずれか一方又は双方を水平方向に移動させる。これにより、図10(b),(c)に示すようなロール状の多層食品(多層製品)を製造することができる。
図10(b)に示す例においては、多層食品が円筒形の形状とされているが、吐出ノズル42の形状変更すること、あるいは吐出ノズル42に対して内層食材や外層食材の吐出形状を変化させるためのアタッチメントを取り付ける等すれば、様々な形状の多層食品を製造することができる。具体的には、吐出ノズル42から内層食材及び外層食材を扁平な断面形状となるように吐出可能とすれば、扁平な形状の多層食品を製造することができる。また、吐出ノズル42をなす外層食材吐出筒54を星形等の断面形状のものとすれば、外観形状が星形等であって、その内側に芯となる内層食材を内包した形態の多層食品を製造することができる。
≪多層ドーナツの製造装置・製造方法としての実施例≫
多層食品製造装置10において、上述した吐出ノズル142(図13(a)参照)を採用すると共に、小麦粉を主成分として構成されるドーナツ用の生地を外層食材として吐出ノズル142に対して供給すると共に、餡、チョコレート、あるいはクリーム等の食材を内層食材として吐出ノズル142に対して供給することにより、図13(b),(c)に示すように、ドーナツをなすリング状の外層食材の内部に、外層食材に沿ってリング状に内層食材が包含された多層食品を製造することが可能となる。
また、吐出ノズル142において外層食材供給用に設けられた第一接続部154及び第三接続部156dに対して別々の外層食材圧送装置32,32を接続し、味、色、食感、あるいは香り等が相違する外層食材を外環流路153及び内環流路157に供給することとすれば、図13(d)に示すように外径側と内径側とで異なる外層食材によって作成されたドーナツを提供することができる。
本発明の多層食品製造装置(多層製品製造装置)は、多層構造に形成された菓子(多層菓子)や、パン生地、アイスクリーム、ソフトクリーム、人工いくら、サプリメント等の多層食品を製造するために有効利用することができる。また特に、外層食材が内層食材よりも粘度が低く軟らかい食材によって構成された多層食品の製造において有効利用することができる。また、本発明の多層製品製造装置及び多層製品の製造方法は、食品のみならず工業製品の製造にも有効利用することができる。
10 多層食品製造装置(多層製品製造装置)
20 内層食材供給部
22 内層食材圧送装置
30 外層食材供給部
32 外層食材圧送装置
40 吐出部
42 吐出ノズル
44 内層食材流路
46 外層食材流路
52 内層食材吐出筒
54 外層食材吐出筒
70 制御手段
90 貯留槽
100,200 一軸偏心ねじポンプ機構
102,202 ロータ
104,204 ステータ

Claims (13)

  1. 粘性を有する内層食材を、粘性を有する外層食材によって包んでなる多層食品の製造に用いる多層食品製造装置であって、
    前記内層食材を圧送可能な内層食材圧送装置を備えた内層食材供給部と、
    前記外層食材を圧送可能な外層食材圧送装置を備えた外層食材供給部と、
    前記内層食材供給部及び外層食材供給部から圧送された内層食材及び外層食材を吐出する吐出部とを有し、
    前記吐出部が、前記外層食材供給部に接続された外層食材吐出筒の内側に、前記内層食材供給部に接続された内層食材吐出筒を挿入した吐出ノズルを備えたものであり、
    前記内層食材圧送装置及び前記外層食材圧送装置が、動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、
    前記内層食材及び前記外層食材の圧送制御を行う制御手段を有し、
    前記外層食材の圧送開始後、前記前記外層食材圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることにより圧送を終了する動作と、
    前記内層食材の圧送開始後、前記前記外層食材圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることにより圧送を終了する動作とを実施可能であることを特徴とする多層食品製造装置。
  2. 前記外層食材として、前記内層食材の粘性と同等、あるいは前記内層食材の粘性よりも低粘性の食材を供給し、多層食品を製造可能であることを特徴とする請求項1に記載の多層食品製造装置。
  3. 前記吐出部が、前記吐出ノズルを複数備えると共に、前記内層食材圧送装置及び前記内層食材吐出筒を繋ぐ内層食材流路と、前記外層食材圧送装置及び前記外層食材吐出筒を繋ぐ外層食材流路とを備えたものであり、
    前記内層食材流路及び前記外層食材流路が複数系統に分岐され、各系統の端部に前記吐出ノズルが接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層食品製造装置。
  4. 前記内層食材及び前記外層食材の圧送制御を行う制御手段を有し、
    前記制御手段が、前記外層食材圧送装置による外層食材の圧送開始後、所定時間だけ経過したタイミングにおいて前記内層食材圧送装置による内層食材の圧送を開始させ、前記外層食材圧送装置による外層食材の圧送終了よりも所定時間だけ前のタイミングにおいて前記内層食材圧送装置による内層食材の圧送を終了させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層食品製造装置。
  5. 前記吐出ノズルの下方に設けられた貯留槽を有し、
    前記吐出ノズルから吐出された多層食品を前記貯留槽に向けて滴下させることが可能であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多層食品製造装置。
  6. 前記吐出ノズルが、外層食材を環状に吐出しつつ、外層食材の吐出領域の内側において内層食材を環状に吐出可能なものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の多層食品製造装置。
  7. 前記吐出ノズルが、
    前記内層食材吐出筒の内側に内径側外層食材吐出筒を設けると共に、前記内径側外層食材吐出筒の内側に外層食材の非通過領域を形成する中心部材を設けたものであり、
    前記内径側外層食材吐出筒と前記中心部材との間に、外層食材が通過可能な環状流路が形成されたものであることを特徴とする請求項に記載の多層食品製造装置。
  8. 粘性を有する内層材料を、粘性を有する外層材料によって包んでなる多層製品の製造に用いる多層製品製造装置であって、
    前記内層材料を圧送可能な内層材料圧送装置を備えた内層材料供給部と、
    前記外層材料を圧送可能な外層材料圧送装置を備えた外層材料供給部と、
    前記内層材料供給部及び外層材料供給部から圧送された内層材料及び外層材料を吐出する吐出部とを有し、
    前記吐出部が、前記外層材料供給部に接続された外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料供給部に接続された内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルを備えたものであり、
    前記内層材料圧送装置及び前記外層材料圧送装置が、動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、
    前記内層材料及び前記外層材料の圧送制御を行う制御手段を有し、
    前記外層材料の圧送開始後、前記前記外層材料圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることにより圧送を終了する動作と、
    前記内層材料の圧送開始後、前記前記外層材料圧送装置をなす一軸偏心ねじポンプ機構のロータを、圧送時とは逆方向に回転させることにより圧送を終了する動作とを実施可能であることを特徴とする多層製品製造装置。
  9. 前記吐出ノズルが、外層材料を環状に吐出しつつ、外層材料の吐出領域の内側において内層材料を環状に吐出可能なものであることを特徴とする請求項に記載の多層製品製造装置。
  10. 外層材料を吐出するための外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料を吐出するための内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルから内層材料及び外層材料を吐出させることにより、粘性を有する外層材料によって粘性を有する内層材料を包んでなる多層製品の製造方法であって、
    前記外層材料吐出筒に接続された外層材料圧送装置、及び前記内層材料吐出筒に接続された内層材料圧送装置が、それぞれ動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、
    前記外層材料圧送装置により外層材料を圧送し、吐出ノズルにおける外層材料の吐出を開始させる外層材料吐出開始工程と、
    前記外層材料吐出開始工程の後、所定時間経過後に、吐出ノズルにおける内層材料の吐出を開始させる内層材料吐出開始工程と、
    前記内層材料吐出開始工程の後、前記内層材料圧送装置による内層材料の吐出を停止させる内層材料吐出停止工程と、
    前記内層材料吐出停止工程の後、前記外層材料圧送装置による外層材料の吐出を停止させる外層材料吐出停止工程とを有し、
    前記内層材料吐出停止工程において、前記内層材料圧送装置のロータを前記内層材料の吐出時とは逆方向に作動させることで内層材料の吐出を停止し、
    前記外層材料吐出停止工程において、前記外層材料圧送装置のロータを前記外層材料の吐出時とは逆方向に作動させることで外層材料の吐出を停止することを特徴とする多層製品の製造方法。
  11. 外層材料を吐出するための外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料を吐出するための内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルから内層材料及び外層材料を吐出させることにより、粘性を有する外層材料によって粘性を有する内層材料を包んでなる多層製品の製造方法であって、
    前記外層材料吐出筒に接続された外層材料圧送装置、及び前記内層材料吐出筒に接続された内層材料圧送装置が、それぞれ動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、
    前記外層材料圧送装置により外層材料を圧送し、吐出ノズルにおける外層材料の吐出を開始させる外層材料吐出開始工程と、
    前記外層材料吐出開始工程の後、所定時間経過後に、吐出ノズルにおける内層材料の吐出を開始させる内層材料吐出開始工程と、
    前記内層材料吐出開始工程の後、前記内層材料圧送装置による内層材料の吐出を停止させる内層材料吐出停止工程と、
    前記内層材料吐出停止工程の後、前記外層材料圧送装置による外層材料の吐出を停止させる外層材料吐出停止工程とを有し、
    前記外層材料吐出開始工程の後であって、前記内層材料吐出開始工程の前に、前記内層材料圧送装置のロータを前記内層材料の吐出時とは逆方向に作動させ、前記外層材料吐出筒から吐出された外層食材を内層材料吐出筒の内側に吸引する外層材料吸引工程を有することを特徴とする多層製品の製造方法。
  12. 外層材料を吐出するための外層材料吐出筒の内側に、前記内層材料を吐出するための内層材料吐出筒を挿入した吐出ノズルから内層材料及び外層材料を吐出させることにより、粘性を有する外層材料によって粘性を有する内層材料を包んでなる多層製品の製造方法であって、
    前記外層材料吐出筒に接続された外層材料圧送装置、及び前記内層材料吐出筒に接続された内層材料圧送装置が、それぞれ動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータと、内周面が雌ねじ型に形成されたステータとを有する一軸偏心ねじポンプ機構を備えたものであり、
    前記吐出ノズルにおいて外層材料を連続的に吐出させた状態において、間欠的かつ連続に内層材料を吐出させることを特徴とする多層製品の製造方法。
  13. 前記吐出ノズルが、外層材料を環状に吐出しつつ、外層材料の吐出領域の内側において内層材料を環状に吐出可能なものであることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の多層製品の製造方法。
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