JP5181994B2 - 分割型固定子及び電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、分割型固定子に関し、特に、複数の固定子片を組み合わせて構成される分割型固定子に用いて好適なものである。
一般に、電動機を製造する場合には、焼き嵌め等を行ってケースに固定子を収めるようにしている。このようにしてケースに固定子を収める際にはケースが収縮するので、固定子が周囲から締め付けられる。よって、固定子を構成する鉄心に大きな応力が発生して鉄損が大きくなり、電動機の効率が低下する虞がある。
そこで、特許文献1では、以下のようにして固定子(鉄心)に発生する応力によって電動機の特性が劣化することを抑制している。
まず、固定子の外周面におけるティース間の中央位置に第1の凹部を形成すると共に、固定子の外周面における当該第1の凹部の両側方の位置であって、外周方向の間隔が所定値以下となる位置に、2つの第2の凹部(固定子締結部)を形成する。一方、ケースの内周面における位置であって、前記2つの第2の凹部に対応する位置に2つの凸部(ケース締結部)を形成する。そして、固定子の外周面に形成された2つの第2の凹部と、ケースの内周面に形成された2つの凸部とを締結させるようにして、固定子をケースに収容する。このようにすることによって、ケースに固定子を収める際に、第1の凹部を周方向に挟み込むような応力が作用し、主要な磁路となる固定子の内周面側のティース間の中央位置にかかる応力を低下させることができる。
特開2007−252088号公報
しかしながら、前述した特許文献1に記載の技術では、固定子の凹部とケースの凸部とを締結する必要がある。したがって、固定子の凹部とケースの凸部とを高い精度で形成する必要があり、電動機を容易に製造することができないという問題点があった。
ところで、固定子を一体で形成すると、固定子に対する巻線を容易に行うことができないことや、固定子の歩留まりが悪くなること等から、これらの不都合を解消したい場合には分割型固定子が用いられる。
この分割型固定子を形成する際には、まず、稼働時に内部に形成される磁路を切断するように分割された固定子の部分毎の形状で電磁鋼板を打ち抜き、打ち抜いた電磁鋼板を積層させて固定子片を形成する。そして、複数の固定子片を周方向に組み合わせて分割型固定子を形成する。
このように分割型固定子は複数の固定子片を組み合わせて形成されるので、特許文献1に記載の技術を分割型固定子に適用した場合には、固定子とケースに、より一層高い加工精度が要求される。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、従来よりも容易に且つ確実に鉄損を低減させることができる分割型固定子を提供することを目的とする。
本発明の分割型固定子は、周方向に延在するヨーク部と、当該ヨーク部から径方向に延在するティース部とを夫々が備える複数の固定子片を前記周方向に組み合わせることにより形成される分割型固定子であって、前記ヨーク部の外周部寄りの領域のみに、前記周方向における両端面から、前記周方向に延在する2つのスリットが、前記スリットと前記ヨーク部の外周部との間の前記端面の領域のうち相互に隣接する前記ヨーク部の当該領域同士が前記スリットよりも前記ヨーク部の外周側の領域に前記周方向の圧縮応力が発生する状態で直接又は部材を介して相互に接触するように、前記複数の固定子片のヨーク部の夫々に形成されており、1つの前記ヨーク部に形成された前記2つのスリットの間の領域の応力が、前記スリットよりも前記ヨーク部の内周側の領域の応力よりも大きいことを特徴とする。
本発明の電動機は、前記分割型固定子と、前記周方向に組み合わされた前記複数の固定子片の外周から当該複数の固定子片を密接し当該複数の固定子片を固定するケースとを有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の固定子片がケースに収められる際に生じる応力を、2つのスリットの間の領域に集中させることが可能になる。これにより、複雑な構成を採用しなくても鉄損を低減させることができる分割型固定子を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、分割型固定子の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。
図1において、電動機10は、分割型固定子(ステータ)11と、回転子(ロータ)12と、ケース13とを有している。
分割型固定子11は、複数の固定子片11a〜11lを有している。複数の固定子片11a〜11lは、その周方向の端面同士が隣接するように、環状に(周方向に)組み合わせられる。このようにして複数の固定子片11a〜11lを組み合わせることにより分割型固定子11が形成される。尚、固定子片の数は12に限定されるものではない。
ケース13は、焼き嵌め等が行われることにより、分割型固定子11の周囲(外周)から分割型固定子11に密接し、分割型固定子11を固定する。ケース13は、例えば、鉄等の磁性体あるいはステンレス鋼等の非磁性体により構成される。
回転子12は、その外周面が、各固定子片11a〜11lのティース部22(図2を参照)の先端面(すなわち分割型固定子11の内周面)と所定の間隔を有して相互に対向し、且つ、その軸心(回転軸)が分割型固定子11の軸心と略一致する位置に配置される。
図2は、固定子片11aの構成の一例を示す図である。具体的に図2(a)は、固定子片11aを俯瞰した図であり、図2(b)は、固定子片11aの正面図である。尚、固定子片11a〜11lは、全て同じ構成を有しているので、ここでは、固定子片11b〜11lについての詳細な説明を省略する。
図2において、固定子片11aは、同一形状の複数枚の電磁鋼板が積層されることにより形成される。固定子片11aは、周方向に延在するヨーク部21と、ヨーク部21から径方向に延在するティース部22とを有している。尚、図1、図2では図示を省略しているが、各固定子片11a〜11lのティース部22には、巻線が施されている。
本実施形態では、ヨーク部21の周方向の両端面から周方向に切れ目を入れ、その部分に2つのスリット23が形成されるようにしている。ここで、ヨーク部21に形成されている2つのスリット23の位置と、当該2つのスリット23の間の領域24の周方向の長さと、スリット23よりも外周側の部分21aの径方向の長さは、各固定子片11a〜11lをケース13に確実に固定することができる範囲内で、設計段階で適宜設定される。
具体的に、ヨーク部21に形成されている2つのスリット23の位置は、当該2つのスリット23の間の領域24が、電動機10が稼働したときの主要な磁路と重ならないように、外周側であるの好ましい。また、スリット23の径方向の長さは小さいほど好ましい。更に、図2に示すように、スリット23は、ティース部22の周方向の端面22a、22bよりも内側の領域まで形成されるようにするのが好ましい(すなわち、2つのスリット23の間の領域24の周方向の長さが、ティース部22の幅よりも短いのが好ましい)。後述するように、2つのスリット23の間の領域24に応力が集中するので、各固定子片11a〜11lをケース13に確実に固定することができる範囲内で、領域24の大きさを可及的に小さくするのが好ましいからである。
尚、図2では、ヨーク部22はティース部22の中心軸に対して左右対称であるが、必ずしも左右対称である必要はない。また、図2では、当該2つのスリット23の間の領域24に接するスリット23の端部を角張らせているが、スリット23の端部における応力集中が大きくなり過ぎないように、スリット23の端部に小径の丸穴を形成させるようにするのが好ましい。
また、本実施形態では、固定子片11a〜11lがケース13に収められたときに、ヨーク部21のスリット23よりも内周側の部分21b同士を当接させることができる範囲内で、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向の両端面間の角度(例えば、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向の両端面と分割型固定子11の軸とを最短距離で結ぶ直線のなす角度)を、内周側の部分21bの周方向の両端面間の角度よりも突出(大きく)させている。本実施形態ではこのようにすることによって、ケース13に収められた際に、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aに、周方向に沿った圧縮応力(突張力)が発生するようにする。尚、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向の端面が、内周側の部分21bの周方向の端面よりも突出している長さは1mmよりも短い。
以上のようにして構成される各固定子片11a〜11lがケース13に収められることによって当該各固定子片11a〜11lに発生する応力は、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aおよび2つのスリット23の間の領域24に集中する。この領域24は、電動機10を稼働させたときの固定子片11a〜11lにおける磁束密度が小さい領域である。したがって、この領域24に応力を集中させ、磁束密度が大きなヨーク部21のスリット23よりも内周側の部分21bの応力を抑制することにより、鉄損が増大することを抑制することができる。
以上のように本実施形態では、ヨーク部21の周方向の両端面からティース部22の周方向の端面22a、22bよりも内側の領域まで、周方向に切れ目を入れて2つのスリット23を形成すると共に、当該スリット23よりも外周側の部分21aの周方向の両端面間の角度を、当該スリット23よりも内周側の部分21bの周方向の両端面間の角度よりも突出させるようにした。したがって、電動機10を稼働させたときの固定子片11aにおける主要な磁路となる領域に発生する応力を低減し、固定子片11aにおける磁束密度が小さい領域に応力を集中させることができる。このように本実施形態では、電動機10を稼働させたときに固定子片11aに生じる磁束密度が大きくなる領域と、分割型固定子11に発生する応力が集中する領域とを分離することができる。よって、電動機10に生じる鉄損を低減することができる。また、前述した特許文献1に記載の技術で問題点となった、ケース13と分割型固定子11を高い加工精度で形成する必要がない。以上のことから、従来よりも容易に且つ確実に鉄損を低減させることができる分割型固定子を提供することができる。
また、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aと内周側の部分21bとを分離させると、各固定子片をケースに固定させることが困難になると共に、分割型固定子と回転子との軸合わせが困難になる。これに対し、本実施形態では、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aと内周側の部分21bとを、2つのスリット23の間の領域24で連結している。したがって、各固定子片11a〜11lをケース13に可及的に容易に固定させることができると共に、分割型固定子11と回転子12との軸合わせを可及的に容易に行うことができる。尚、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aと内周側の部分21bとを分離させた場合には、それらを、ボルトやナット等を用いて固定することも考えられるが、そのようにすると分割型固定子の製造そのものが困難になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向の両端面間の角度を、内周側の部分21bの周方向の両端面間の角度よりも突出させるようにした場合を例に挙げて説明した。本実施形態では、これとは逆に、ヨーク部のスリットよりも内周側の部分の周方向の両端面間の角度を、外周側の部分の周方向の両端面間の角度よりも突出させ、当該外周側の部分の周方向の端面の間に、補助部材を挿入するようにしている。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、分割型固定子の構成の一部が異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1、図2に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図3は、分割型固定子の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。
図3において、電動機30は、分割型固定子(ステータ)31と、補助部材32と、回転子(ロータ)12と、ケース13とを有している。
分割型固定子31は、複数の固定子片31a〜31lを有している。複数の固定子片31a〜31lは、その周方向の端面同士が隣接するように、周方向に(環状に)組み合わせられる。このようにして複数の固定子片31a〜31lを組み合わせることにより分割型固定子31が形成される。
図4は、固定子片31aの構成の一例を示す図である。具体的に図4(a)は、固定子片31aを俯瞰した図であり、図4(b)は、固定子片31aの正面図である。尚、固定子片31a〜31lは、全て同じ構成を有しているので、ここでは、固定子片31b〜31lについての詳細な説明を省略する。
図4において、固定子片31aは、同一形状の複数枚の電磁鋼板が積層されることにより形成される。固定子片31aは、周方向に延在するヨーク部41と、ヨーク部41から径方向に延在するティース部42とを有している。
図3、図4に示すように、本実施形態では、ヨーク部41のスリット43よりも内周側の部分41bの周方向の両端面間の角度を、当該スリット43よりも外周側の部分41aの周方向の両端面間の角度よりも突出させ、且つ、当該スリット43よりも外周側の部分41aの周方向の端面の間に補助部材32を挿入するようにしている。この補助部材32は、例えば、鉄等の強磁性体(分割型固定子31よりも熱膨張係数の小さい磁性体や、分割型固定子31と同じ材料等)あるいはステンレス鋼等の非磁性体で形成される。また、図3では補助部材の断面形状は扇形であるが、補助部材の周方向の端部がヨーク部41のスリット43よりも外周側の部分41aの周方向の端面に接していれば、矩形あるいはその他の形状でも良く、固定子片31a〜31lをケース32に確実に固定することができる範囲で、設計段階で適宜設定される。また、補助部材32の高さは、分割型固定子31の高さ(電磁鋼板の積厚)と同等あるいはより高いことが好ましい。補助部材32の、分割型固定子31の高さよりも高い部分は、当該電磁鋼板の積厚方向の上下から押さえる、押さえ部材を形成しても良い。
ここで、前述した第1の実施形態では、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向の両端面間の角度を、当該スリット23よりも内周側の部分21bの周方向の両端面間の角度よりも突出させるようにして、ケース13に納められた際に、スリット23よりも外周側の部分21aに、周方向に沿った圧縮応力が発生するようにした。これに対し、本実施形態では、ヨーク部41のスリット43よりも外周側の部分41aの周方向の端面の間に補助部材32を挿入することにより、ケース13に納められた際に、当該スリット43よりも外周側の部分41aに、周方向に沿った圧縮応力が発生するようにする。
そこで、本実施形態では、固定子片31a〜31lがケース13に収められた際に、このような圧縮応力を発生させることができるようにすると共に、ヨーク部41のスリット43よりも内周側の部分41b同士を当接させることができるように、補助部材32の周方向の長さを設計段階で適宜設定する。
以上のようにして構成される各固定子片31a〜31lがケース13に収められることにより当該各固定子片31a〜31lに発生する応力は、ヨーク部41のスリット43よりも外周側の部分41aおよび2つのスリット43の間の領域44に集中する。第1の実施形態で説明したようにこの領域44は、電動機30を稼働させたときの固定子片31a〜31lにおける磁束密度が小さい領域である。したがって、この領域44に応力が集中しても、鉄損が増大することを抑制することができる。
以上のように本実施形態では、ヨーク部41のスリット43よりも内周側の部分41bの周方向の両端面間の角度を、当該スリット43よりも外周側の部分41aの周方向の両端面間の角度よりも突出させ、当該スリット43よりも外周側の部分41aの周方向の端面の間に補助部材32を挿入するようにした。したがって、スリット43よりも外周側の部分41aの周方向の長さを厳密に調整しなくても、補助部材32の周方向の長さを調節することによって、ヨーク部41のスリット43よりも内周側の部分41bの周方向の端面同士を当接させることができる。よって、ヨーク部41のスリット43よりも内周側の部分41bの周方向の端面同士を当接させるための調整を、第1の実施形態よりも容易に行うことができる。更に、スリット43よりも外周側の部分41aの周方向の長さに高い精度が要求されないので、固定子片31a〜31lの歩留まりを向上させることができる。
尚、本実施形態では、ヨーク部41のスリット43よりも内周側の部分41bの周方向の両端面間の角度を、当該スリット43よりも外周側の部分41aの周方向の両端面間の角度よりも突出させるようにしたが、周方向に薄い箔状の補助部材を用いる場合には、これらの端面の周方向における位置を同じにしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aを加工せずに平らな状態にした。これに対し、本実施形態では、ヨーク部のスリットよりも外周側の部分を、分割型固定子を構成する電磁鋼板の積厚方向(高さ方向)に起伏が生じるように屈曲させると共に、ヨーク部のスリットよりも外周側の部分を、当該電磁鋼板の積厚方向の上下から押さえる押さえ部材を設けるようにしている。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、分割型固定子の加工の方法が異なると共に、前記押さえ部材を追加した点が異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1、図2に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図5は、分割型固定子の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。また、図6は、図5のA−A´方向から見た断面図である。
図5、図6において、電動機50は、分割型固定子(ステータ)51と、回転子(ロータ)12と、ケース13と、押さえ部材52a、52bとを有している。
分割型固定子51は、複数の固定子片51a〜51lを有している。複数の固定子片51a〜51lは、その周方向の端面同士が隣接するように、周方向に(環状に)組み合わせられる。このようにして複数の固定子片51a〜51lを組み合わせることにより分割型固定子51が形成される。
本実施形態では、略リング状(中空円筒状)の押さえ部材52a、52bが、分割型固定子51の上面、下面に取り付けられている(図6を参照)。この押さえ部材52a、52bにより、少なくともヨーク部71のスリット73よりも外周側の部分71aを、分割型固定子51を構成する電磁鋼板の積層方向(高さ方向)の上下から押さえるようにする。押さえ部材52a、52bは、例えば、鉄よりも比重が小さい非磁性体により構成される。
図7は、固定子片51aの構成の一例を示す図である。具体的に図7(a)は、固定子片71aを俯瞰した図であり、図7(b)は、固定子片71aの正面図であり、図7(c)は、図7(a)、図7(b)のB方向から見た図である。尚、固定子片71a〜71lは全て同じ構成を有しているので、ここでは、固定子片71b〜71lについての詳細な説明を省略する。
図7において、固定子片71aは、同一形状の複数枚の電磁鋼板が積層されることにより形成される。固定子片71aは、ヨーク部71と、ヨーク部71から径方向に延在するティース部72とを有している。
図7に示すように、本実施形態では、ヨーク部71のスリット73よりも外周側の部分71aを、分割型固定子51を構成する電磁鋼板の積厚方向に(図7(a)、図7(c)の上側に)起伏が生じるように屈曲させている。尚、図7では、ヨーク部71のスリット73よりも外周側の部分71aに生じさせる起伏はΛ状であるが、1段の折れ形状でも複数段の折れ形状でも曲率を有する形状でもよい。また、ヨーク部71のスリット73よりも外周側の部分71aに生じさせる起伏は、分割型固定子51を周方向に(環状)に組み合わせる前のいずれかの工程で形成しても、分割型固定子51を周方向に(環状)に組み合わせる時に形成してもよい。また、起伏の高さは、各固定子片71a〜71lをケース13に確実に固定することができる範囲内で小さい方が好ましく、設計段階で適宜設定される。
以上のように本実施形態では、ヨーク部71のスリット73よりも外周側の部分71aを、分割型固定子51を構成する電磁鋼板の積厚方向に起伏が生じるように屈曲させるようにした。したがって、前述した第1の実施形態で説明した効果に加え、ケース13に収められたときに分割型固定子51に発生する応力の一部を、分割型固定子51を構成する電磁鋼板の積厚方向に逃がすことができ、ヨーク部71のスリット73よりも内周側の部分71b同士を、より確実に当接させることができるという効果を奏する。更に、ヨーク部71に形成されている2つのスリット73の間の領域74に応力が集中することによって分割型固定子51が意図しない変形をしてしまうことを防止することができるという効果も奏する。
また、本実施形態では、押さえ部材52a、52bによって、ヨーク部61のスリット63よりも外周側の部分61aを上下から押さえつけるようにしたので、ケース13に収めることにより分割型固定子51に発生する応力の大きさを調整することができる。
尚、本実施形態では、第1の実施形態の構成に、スリット73よりも外周側の部分71aを屈曲させる構成と、スリット73よりも外周側の部分71aを上下から押さえる構成とを付加した場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。すなわち、第2の実施形態の構成に、本実施形態で説明した前記構成を付加してもよい。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、各固定子片11a〜11lのヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向における端面と、内周側の部分21bの周方向における端面とを夫々積厚方向に平らな状態にした。これに対し、本実施形態では、これらの端面を積厚方向に櫛歯状に凹凸を有する。ヨーク部41のスリット43よりも外周側の部分41aの周方向における端面のみを櫛歯状にしても、スリット43よりも内周側の部分41bの周方向における端面のみを櫛歯状にしても、スリット43よりも外周側の部分41aおよび内周側の部分41bの両方の周方向における端面を櫛歯状としてもよい。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、これらの端面の形状が異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1、図2に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図8は、固定子片11a、11bのヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向における端面の様子の一例を示す図である。
図8の上図に示すように、固定子片11a、11bのヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向における端面は、櫛歯状に凹凸を有している。固定子片11a、11bが組み合わさる際には、図8の下図に示すように、固定子片11aの端面の凹部(凸部)と、固定子片11bの端面の凸部(凹部)とが嵌合するようにする(すなわち、固定子片11aの端部と、これに隣接する固定子片11bの端部とがオーバーラップするようにする)。
尚、図8に示した端面以外の端面(ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向における端面と、内周側の部分21bの周方向における端面)も、図8と同じようになっているので、ここではその詳細な説明を省略する。
以上のように本実施形態では、各固定子片11a〜11lのヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向における端面と、内周側の部分21bの周方向における端面とを、夫々櫛歯状にし、固定子片の端部と、これに隣接する固定子片の端部とが相互にオーバーラップするようにした。したがって、前述した第1の実施形態で説明した効果に加え、相互に隣り合う固定子片11a〜11lの境界の部分で磁束の流れが妨げられることを可及的に確実に防止することができるという効果を奏する。また、各固定子片11a〜11lを周方向に(環状に)組み合わせたときに、その周方向で電磁鋼板の端面同士が積層毎に隣接する結果、積厚方向に各固定子片11a〜11lの上下面が揃うという効果も奏する。
尚、本実施形態では、第1の実施形態における各固定子片11a〜11lの周方向における端面を櫛歯状にする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、第2、第3の実施形態のようにした場合にも、本実施形態を適用することができる。ただし、第2の実施形態のようにした場合、ヨーク部41のスリット43よりも外周側の部分41aの周方向における端面には補助部材32が挿入されるので、ヨーク部41のスリット43よりも内周側の部分41bの周方向における端面のみを櫛歯状にする。
以上説明した本発明の各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の第1の実施形態を示し、分割型固定子の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、固定子片の構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、分割型固定子の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、固定子片の構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、分割型固定子の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。 本発明の第3の実施形態を示し、図5のA−A´方向から見た断面図である。 本発明の第3の実施形態を示し、固定子片の構成の一例を示す図である。 本発明の第4の実施形態を示し、固定子片のヨーク部のスリットよりも外周側の部分の周方向における端面の様子の一例を示す図である。
符号の説明
10、30、50 電動機
11、31、51 分割型固定子
12 電動機
13 ケース
21、41、71 ヨーク部
21a、41a、71a ヨーク部のスリットよりも外周側の部分
21b、41b、71b ヨーク部のスリットよりも内周側の部分
22、42、72 ティース部
23、43、73 スリット
24、44、74 ヨーク部のスリットの間の領域
52 押さえ部材

Claims (8)

  1. 周方向に延在するヨーク部と、当該ヨーク部から径方向に延在するティース部とを夫々が備える複数の固定子片を前記周方向に組み合わせることにより形成される分割型固定子であって、
    前記ヨーク部の外周部寄りの領域のみに、前記周方向における両端面から、前記周方向に延在する2つのスリットが、前記スリットと前記ヨーク部の外周部との間の前記端面の領域のうち相互に隣接する前記ヨーク部の当該領域同士が前記スリットよりも前記ヨーク部の外周側の領域に前記周方向の圧縮応力が発生する状態で直接又は部材を介して相互に接触するように、前記複数の固定子片のヨーク部の夫々に形成されており、
    1つの前記ヨーク部に形成された前記2つのスリットの間の領域の応力が、前記スリットよりも前記ヨーク部の内周側の領域の応力よりも大きいことを特徴とする分割型固定子。
  2. 前記2つのスリットは、前記ヨーク部の前記周方向の両端面から、前記ティース部の周方向の端面よりも内側の領域まで、前記周方向に延在していることを特徴とする請求項1に記載の分割型固定子。
  3. 前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分の前記周方向における両端面間の角度が、前記ヨーク部の、前記スリットよりも内周側の部分の前記周方向における両端面間の角度よりも突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の分割型固定子。
  4. 前記ヨーク部の、前記スリットよりも内周側の部分の前記周方向における両端面間の角度が、前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分の前記周方向における両端面間の角度よりも突出しており
    前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分の前記周方向における端面の間に挿入された、補助部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の分割型固定子。
  5. 前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分は、軸心方向に起伏が生じるように屈曲していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の分割型固定子。
  6. 前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分の前記周方向における端面の間に挿入された、補助部材を有することを特徴とする請求項5に記載の分割型固定子。
  7. 前記ヨーク部の、前記周方向における端面が、積層方向に櫛歯状に凹凸を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の分割型固定子。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の分割型固定子と、
    前記周方向に組み合わされた前記複数の固定子片の外周から当該複数の固定子片に密接し当該複数の固定子片を固定するケースとを有することを特徴とする電動機。
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