JP5181994B2 - 分割型固定子及び電動機 - Google Patents
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Description
まず、固定子の外周面におけるティース間の中央位置に第1の凹部を形成すると共に、固定子の外周面における当該第1の凹部の両側方の位置であって、外周方向の間隔が所定値以下となる位置に、2つの第2の凹部(固定子締結部)を形成する。一方、ケースの内周面における位置であって、前記2つの第2の凹部に対応する位置に2つの凸部(ケース締結部)を形成する。そして、固定子の外周面に形成された2つの第2の凹部と、ケースの内周面に形成された2つの凸部とを締結させるようにして、固定子をケースに収容する。このようにすることによって、ケースに固定子を収める際に、第1の凹部を周方向に挟み込むような応力が作用し、主要な磁路となる固定子の内周面側のティース間の中央位置にかかる応力を低下させることができる。
この分割型固定子を形成する際には、まず、稼働時に内部に形成される磁路を切断するように分割された固定子の部分毎の形状で電磁鋼板を打ち抜き、打ち抜いた電磁鋼板を積層させて固定子片を形成する。そして、複数の固定子片を周方向に組み合わせて分割型固定子を形成する。
このように分割型固定子は複数の固定子片を組み合わせて形成されるので、特許文献1に記載の技術を分割型固定子に適用した場合には、固定子とケースに、より一層高い加工精度が要求される。
本発明の電動機は、前記分割型固定子と、前記周方向に組み合わされた前記複数の固定子片の外周から当該複数の固定子片を密接し当該複数の固定子片を固定するケースとを有することを特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、分割型固定子の適用例である電動機の構成の一例を示す図である。
図1において、電動機10は、分割型固定子(ステータ)11と、回転子(ロータ)12と、ケース13とを有している。
ケース13は、焼き嵌め等が行われることにより、分割型固定子11の周囲(外周)から分割型固定子11に密接し、分割型固定子11を固定する。ケース13は、例えば、鉄等の磁性体あるいはステンレス鋼等の非磁性体により構成される。
回転子12は、その外周面が、各固定子片11a〜11lのティース部22(図2を参照)の先端面(すなわち分割型固定子11の内周面)と所定の間隔を有して相互に対向し、且つ、その軸心(回転軸)が分割型固定子11の軸心と略一致する位置に配置される。
図2において、固定子片11aは、同一形状の複数枚の電磁鋼板が積層されることにより形成される。固定子片11aは、周方向に延在するヨーク部21と、ヨーク部21から径方向に延在するティース部22とを有している。尚、図1、図2では図示を省略しているが、各固定子片11a〜11lのティース部22には、巻線が施されている。
尚、図2では、ヨーク部22はティース部22の中心軸に対して左右対称であるが、必ずしも左右対称である必要はない。また、図2では、当該2つのスリット23の間の領域24に接するスリット23の端部を角張らせているが、スリット23の端部における応力集中が大きくなり過ぎないように、スリット23の端部に小径の丸穴を形成させるようにするのが好ましい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向の両端面間の角度を、内周側の部分21bの周方向の両端面間の角度よりも突出させるようにした場合を例に挙げて説明した。本実施形態では、これとは逆に、ヨーク部のスリットよりも内周側の部分の周方向の両端面間の角度を、外周側の部分の周方向の両端面間の角度よりも突出させ、当該外周側の部分の周方向の端面の間に、補助部材を挿入するようにしている。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、分割型固定子の構成の一部が異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1、図2に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図3において、電動機30は、分割型固定子(ステータ)31と、補助部材32と、回転子(ロータ)12と、ケース13とを有している。
図4において、固定子片31aは、同一形状の複数枚の電磁鋼板が積層されることにより形成される。固定子片31aは、周方向に延在するヨーク部41と、ヨーク部41から径方向に延在するティース部42とを有している。
そこで、本実施形態では、固定子片31a〜31lがケース13に収められた際に、このような圧縮応力を発生させることができるようにすると共に、ヨーク部41のスリット43よりも内周側の部分41b同士を当接させることができるように、補助部材32の周方向の長さを設計段階で適宜設定する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aを加工せずに平らな状態にした。これに対し、本実施形態では、ヨーク部のスリットよりも外周側の部分を、分割型固定子を構成する電磁鋼板の積厚方向(高さ方向)に起伏が生じるように屈曲させると共に、ヨーク部のスリットよりも外周側の部分を、当該電磁鋼板の積厚方向の上下から押さえる押さえ部材を設けるようにしている。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、分割型固定子の加工の方法が異なると共に、前記押さえ部材を追加した点が異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1、図2に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図5、図6において、電動機50は、分割型固定子(ステータ)51と、回転子(ロータ)12と、ケース13と、押さえ部材52a、52bとを有している。
本実施形態では、略リング状(中空円筒状)の押さえ部材52a、52bが、分割型固定子51の上面、下面に取り付けられている(図6を参照)。この押さえ部材52a、52bにより、少なくともヨーク部71のスリット73よりも外周側の部分71aを、分割型固定子51を構成する電磁鋼板の積層方向(高さ方向)の上下から押さえるようにする。押さえ部材52a、52bは、例えば、鉄よりも比重が小さい非磁性体により構成される。
図7において、固定子片71aは、同一形状の複数枚の電磁鋼板が積層されることにより形成される。固定子片71aは、ヨーク部71と、ヨーク部71から径方向に延在するティース部72とを有している。
また、本実施形態では、押さえ部材52a、52bによって、ヨーク部61のスリット63よりも外周側の部分61aを上下から押さえつけるようにしたので、ケース13に収めることにより分割型固定子51に発生する応力の大きさを調整することができる。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、各固定子片11a〜11lのヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向における端面と、内周側の部分21bの周方向における端面とを夫々積厚方向に平らな状態にした。これに対し、本実施形態では、これらの端面を積厚方向に櫛歯状に凹凸を有する。ヨーク部41のスリット43よりも外周側の部分41aの周方向における端面のみを櫛歯状にしても、スリット43よりも内周側の部分41bの周方向における端面のみを櫛歯状にしても、スリット43よりも外周側の部分41aおよび内周側の部分41bの両方の周方向における端面を櫛歯状としてもよい。このように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、これらの端面の形状が異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1、図2に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図8の上図に示すように、固定子片11a、11bのヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向における端面は、櫛歯状に凹凸を有している。固定子片11a、11bが組み合わさる際には、図8の下図に示すように、固定子片11aの端面の凹部(凸部)と、固定子片11bの端面の凸部(凹部)とが嵌合するようにする(すなわち、固定子片11aの端部と、これに隣接する固定子片11bの端部とがオーバーラップするようにする)。
尚、図8に示した端面以外の端面(ヨーク部21のスリット23よりも外周側の部分21aの周方向における端面と、内周側の部分21bの周方向における端面)も、図8と同じようになっているので、ここではその詳細な説明を省略する。
11、31、51 分割型固定子
12 電動機
13 ケース
21、41、71 ヨーク部
21a、41a、71a ヨーク部のスリットよりも外周側の部分
21b、41b、71b ヨーク部のスリットよりも内周側の部分
22、42、72 ティース部
23、43、73 スリット
24、44、74 ヨーク部のスリットの間の領域
52 押さえ部材
Claims (8)
- 周方向に延在するヨーク部と、当該ヨーク部から径方向に延在するティース部とを夫々が備える複数の固定子片を前記周方向に組み合わせることにより形成される分割型固定子であって、
前記ヨーク部の外周部寄りの領域のみに、前記周方向における両端面から、前記周方向に延在する2つのスリットが、前記スリットと前記ヨーク部の外周部との間の前記端面の領域のうち相互に隣接する前記ヨーク部の当該領域同士が前記スリットよりも前記ヨーク部の外周側の領域に前記周方向の圧縮応力が発生する状態で直接又は部材を介して相互に接触するように、前記複数の固定子片のヨーク部の夫々に形成されており、
1つの前記ヨーク部に形成された前記2つのスリットの間の領域の応力が、前記スリットよりも前記ヨーク部の内周側の領域の応力よりも大きいことを特徴とする分割型固定子。 - 前記2つのスリットは、前記ヨーク部の前記周方向の両端面から、前記ティース部の周方向の端面よりも内側の領域まで、前記周方向に延在していることを特徴とする請求項1に記載の分割型固定子。
- 前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分の前記周方向における両端面間の角度が、前記ヨーク部の、前記スリットよりも内周側の部分の前記周方向における両端面間の角度よりも突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の分割型固定子。
- 前記ヨーク部の、前記スリットよりも内周側の部分の前記周方向における両端面間の角度が、前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分の前記周方向における両端面間の角度よりも突出しており、
前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分の前記周方向における端面の間に挿入された、補助部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の分割型固定子。 - 前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分は、軸心方向に起伏が生じるように屈曲していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の分割型固定子。
- 前記ヨーク部の、前記スリットよりも外周側の部分の前記周方向における端面の間に挿入された、補助部材を有することを特徴とする請求項5に記載の分割型固定子。
- 前記ヨーク部の、前記周方向における端面が、積層方向に櫛歯状に凹凸を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の分割型固定子。
- 請求項1〜7の何れか1項に記載の分割型固定子と、
前記周方向に組み合わされた前記複数の固定子片の外周から当該複数の固定子片に密接し当該複数の固定子片を固定するケースとを有することを特徴とする電動機。
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