JP5181032B2 - スラブ連続鋳造用鋳塊鋳型の内部において溶融金属を回転させるための方法および関連電磁設備。 - Google Patents

スラブ連続鋳造用鋳塊鋳型の内部において溶融金属を回転させるための方法および関連電磁設備。 Download PDF

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Description

本発明は、金属スラブ、特に鋼スラブの連続鋳造に関する。本発明は、より詳細には、鋳造軸を中心とした回転運動を鋳造溶融金属に付与する作用をこの溶融金属に対して有する鋳塊鋳型内の移動磁界の使用に関する。
鋼スラブの連続鋳造が、従来、水の循環により強力に冷却された銅または銅合金製の互いに対面した長辺面(または大壁)二つと、この長辺面の端部に直角に気密な形で取付けられて長辺面と共に一つの鋳造空間を構成し、この空間が鋳造製品の寸法を決定することになる側方の短辺面二つとで構成された、垂直なまたは本質的に垂直な鋳塊鋳型内で実施されるということは、公知である。溶融金属は、この空間内に重力によって注ぎ込まれ、ここで鋳塊鋳型の冷却された金属壁と接触して漸進的に凝固し、それと同時に外周部が凝固したストランドが下の方に引き出されて鋳造機の二次冷却段内でその凝固を完遂する。かくして、鋳造過程全体を通して、溶融金属は鋳造空間を一定の高さレベルまで満たし、その高さレベルにスラグで覆われたメニスカス(溶融金属の自由表面)を形成し、溶融金属内に埋め込まれたノズルであって、鋳造軸に中心軸を合わされて端の短辺面と対面して開口する側方吐出孔を備えた通常は単一のノズル(メニスカスより数十センチメートルだけ下方)を用いて、溶融金属の規則的な流束が、鋳塊鋳型内に連続的に導かれるようになる。
移動磁界を用いてスラブ連続鋳造用鋳塊鋳型内においてメニスカスのレベルで溶融金属を軸方向に回転させる原理はすでに立証され、周知である。概略的に言うと、これらの原理は、鋳塊鋳型の長辺面上に取付けられた静止した多相誘導子が発生させる水平方向に移動する磁界によってもたらされた駆動力を使用して唯一の長円運動での鋳造軸を中心とした全体的回転を溶融金属に付与することから成る。
例えば、欧州特許出願公開第0151648号明細書は、ノズルの両側に設置され、ノズルと端の短辺面の間で、収容する長辺面の半幅を各々部分的に覆い、長辺面一つにつき二つの誘導子の割合で鋳塊鋳型の各長辺面に対称的に取付けられた同一の個別の誘導子四つを使用することを提案している。これらの三相誘導子は、各々水平方向に移動する磁界を発生させ、この磁界の移動方向は、同じ面の二つの誘導子については同一であり、もう一方の長辺面上で向かい合う二つの誘導子によって生じされるものとは方向が反対である。この場合、任意の誘導子が発生させる磁界とこの誘導子近傍の溶融金属との間の相互作用の結果として、鋳塊鋳型の幅に沿った押す力が溶融金属に対してもたらされる。鋳塊鋳型の断面内で四回、つまり一つの誘導子につき一回反復されるこの相互作用から、四つの駆動力をもつ系が起こり、そのうち鋳造軸との関係において対角に位置する二つの力は溶融金属をノズルから短辺面に向かって、つまりは「外側」に向かって押し、もう一方の対角上で向かい合う他方の二つの力は溶融金属を「内側」に向かって、つまり短辺面からノズルに向かって押す。
別の例として日本特許出願の特開昭57−075268号公報はというと、これは、一つの長辺面につき一つのみの部分的誘導子の原理を採用している。各誘導子は、鋳造軸との関係において互いに対角の位置にあって、その受け容れ用の長辺面の約3/4を占有する。かくして残りの1/4は、移動磁界の作用を全く受けないままに残され、回転する溶融金属流が端の短辺面と直角に正面衝突する前に減速して衝撃エネルギーを減衰させることができるようになっている。
同じ考え方で、欧州特許出願公開第0096077号明細書が提案しているのは、長辺面一つあたり三つの一列に並んだ誘導子をベースとした形態の設備であって、共同して同じ方向に水平に移動する磁界を発生させるが、鋳造金属に対して差分化された押す力によって磁界が作用するようにできる手段に結びつけられたものである。磁界の移動方向で考慮した場合、第一の誘導子、つまり一方の端の短辺面近傍にある誘導子は、対面する溶融金属塊を加速させ、第二の誘導子は長辺面の中央部分でその速度を維持し、一方、第三の誘導子は、自らの前を通過する溶融金属の流束がもう一方の端の短辺面に正面衝突する前にこれを減速できるように規制制御されると考えられる。
さらに最近では、欧州特許出願公開第0750958号明細書は、一つの長辺面につき一つのみの一体型誘導子、つまり先に引用した日本特許出願の特開昭57−075268号公報の中で記載されているタイプではあるが三相電源にそれを接続する複雑な電気結線技術を用いる誘導子で構成される、メニスカスにおいて溶融金属を回転させるための設備を提案することによって、さらに次の段階を超えているように思われる。従来の構想の誘導子に応用されたこの電気結線の精巧さは、ここでもまた、鋳塊鋳型の幅に沿って駆動力を変調させるための手段の使用を可能にすることを目的としている。したがってここで目的とされるのは、外側に向かって溶融金属を「押す」ために長辺面の端部領域内における力を、もう一方の長辺面上で対面する同じ端部領域内で作用し逆方向に方向づけされた(したがって内側に向かって押す)力よりもさらに強くすることにある。かくして、端の短辺面に対する正面衝突の前に溶融金属の流れを減速させるのが望ましいとする先の考慮事項の逆を主張するこの操作方法は、この特許文献によると、メニスカスにおける溶融金属の軸方向回転運動と、この場所における鋳塊鋳型の壁と接触する溶融金属の温度とを同時にうまく均等化することができるようにするものと思われる。実際、この特許文献はこの点について明示的でないものの、分析すると、以上で喚起した手段の使用によるこのような目標の達成は、鋳塊鋳型内の溶融金属浴の流体力学本来の「ダブルループ」タイプの形態を呈する場合にのみ実際に企図可能であると思われる。
特に「シングルループ」モードと対比して、鋳塊鋳型内部での溶融金属の循環モードの記述という観点からみてこの表現が網羅するものについては、後に喚起するものとする。さしあたり、メニスカスにおいて溶融金属を長円に軸方向回転させるための解決法の提案が、何年も前から文献中に頻出しているとすれば、それは、最適な解決法がまだ見つかっていないためであることは明らかであろう。ところで、本発明は、鋳塊鋳型内部での溶融金属の循環モードをきわめて高い重要度で考慮に入れていることをまさにその理由として、この点において鋳造の全段階、またはほぼ全段階にわたり、溶融金属の安定かつ均質な長円の軸方向回転運動をメニスカスにおいて確保するための最適な解決法であると主張しているのである。
この目的で、本発明はまず第一に、鋳造軸に中心軸を合わされ、鋳塊鋳型の端の短辺面に対面して開口した側方吐出孔を有する溶融金属内に埋め込まれた鋳造用のノズルを備えたスラブ連続鋳造用鋳塊鋳型内で溶融金属を長円に軸方向電磁回転させるための方法において、鋳塊鋳型の長辺面に、長辺面一つにつき二つの誘導子の割合で鋳塊鋳型の幅に沿って移動する磁界を有する多相のインダクタ、誘導子が少なくとも四つ取付けられ;鋳造軸との関係において互いに対角の位置にある任意の誘導子対に帰属し、溶融金属をノズルから短辺面に向かってつまりは「外側に向かって」押す二つの力と、一方で互いに対角の位置にあるもう一つの誘導子対に帰属し、溶融金属を短辺面からノズルに向かってつまりは「内側に向かって」押す他方の二つの力とを含めた四つの駆動力の系を作り出す目的で鋳塊鋳型の同一の長辺面上に並んで配置された誘導子が規制制御されており;これら四つの力を同時に使用することで、メニスカスにおける長円の軸方向回転運動が溶融金属に全体的に付与される方法であって、鋳造の間にメニスカスにおける前記回転運動を均質化することを目的として、前記各駆動力の強度をこれらの力の間で差分化された形に規制制御し、かくして、長辺面近傍で考慮した場合に、溶融金属の流体本来の流れがそこで「外側に向かって」よりも「内側に向かって」強く進行する場合には溶融金属を「外側に向かって」押す二つの力に対して最も高い強度を適用し、逆に前記流れがそこで「外側に向かって」よりも「内側に向かって」弱く進行する場合には「内側に向かって」溶融金属を押す二つの力に対し最も高い強度を適用するようになっていることを特徴とする方法を目的としている。
「溶融金属の流体本来の流れ」とは、誘導子に給電せずに鋳造条件にしたがって生じる流れを意味する。
好ましい実施形態においては、鋳造軸との関係において互いに対角の位置にある各々の誘導子対の駆動力の強度が相互間で等化される。
別の好ましい実施形態においては、鋳塊鋳型内の溶融金属浴の流体本来の流れモードが「不安定流れ」タイプのものである場合にのみ、全ての駆動力の間でその強度が等化される。
メニスカスにおける溶融金属の循環を直接考慮に入れる、この方法の第一の主要な変形形態によると、鋳塊鋳型の同一の長辺面の近傍で、流れが「内側に向かって」進行する溶融金属および流れが「外側に向かって」進行する溶融金属のメニスカスにおける速度が測定され、振幅および正負符号で前記測定済み速度間の差を表わす示差信号が作成され、かつ、前記示差信号を常にゼロに向かわせる強度の偏差を適用することによって、「内側に向かって」押す力と「外側に向かって」押す力との間の前記各駆動力の差分化が規制制御される。
メニスカスにおける溶融金属の循環が予測的に考慮されている第二の主要な変形形態によると、鋳造に固有のパラメータを考慮に入れることによって鋳塊鋳型内部での溶融金属の流体本来の流れモードが予測され、次に、溶融金属浴の流体本来の流れモードが「シングルループ」タイプのものである場合には溶融金属を「内側に向かって」押す力をより一層強化し、逆に溶融金属浴の流体本来の流れモードが「ダブルループ」タイプのものである場合には溶融金属を「外側に向かって」押す力をより一層強化するような形で、駆動力間の差分化が行なわれる。
好ましくは、溶融金属の流体本来の流れモードのみならず、メニスカスにおける溶融金属の循環の流体本来の速度も予測され、「外側に向かって」押す駆動力と「内側に向かって」押す駆動力との差は、メニスカスにおいて予測される前記流体本来の速度と正比例するような形に規制制御される。
本発明は同様に、鋳造軸に中心軸を合わされ、鋳塊鋳型の端の短辺面に対面して開口した側方吐出孔を有する溶融金属内に埋め込まれた鋳造用のノズルを備えたスラブ連続鋳造用鋳塊鋳型の上部部分において溶融金属を長円に回転させるために、メニスカスにおける溶融金属の循環速度が測定される変形形態での、本方法を実施するための電磁設備において、鋳塊鋳型の長辺面に、長辺面一つにつき二つの誘導子の割合で取付けられた移動磁界をもつ個別の多相誘導子を少なくとも四つ含む設備であって、鋳塊鋳型の同一の長辺面上に並んで配置された誘導子は、鋳塊鋳型の幅に沿って溶融金属を互いに同じ方向に、かつもう一方の長辺面上で向かい合った二つの誘導子によりもたらされた駆動力の方向とは反対の方向に押す駆動力を生じさせ、かくして鋳造軸に対して対角の位置にある任意の誘導子対に帰属し、溶融金属をノズルから短辺面に向かってつまりは「外側に向かって」押す二つの力と、一方で、対角にあるもう一つの誘導子対に帰属し、溶融金属を「内側に向かって」すなわち短辺面からノズルに向かって押す他方の二つの力とを含めた四つの力の系が作り出されるようになっており、メニスカスにおいて均質な軸方向回転運動を実現する目的で、
−鋳塊鋳型内で鋳造される溶融金属に対する各誘導子の駆動力を差分化させるための手段を備えた、誘導子への多相電源ユニット
−鋳塊鋳型の同一の長辺面の近傍で、流れが「内側に向かって」進行する溶融金属および流れが「外側に向かって」進行する溶融金属のメニスカスにおける速度を測定し、振幅および正負符号で前記測定済み速度間の差を表わす示差信号を作成するための速度測定手段と;
−前記示差信号に応答して、前記示差信号をゼロに向かわせるため前記駆動力の差分化手段に介入することのできる電源ユニットの制御手段と、
を含むことを特徴とする電磁設備をも目的としている。
本発明はさらに、鋳造軸に中心軸を合わされ、鋳塊鋳型の端の短辺面に対面して開口した側方吐出孔を有する溶融金属内に埋め込まれた鋳造用のノズルを備えたスラブ連続鋳造用鋳塊鋳型内で溶融金属浴を長円に軸方向回転させるためにメニスカスにおける溶融金属の循環を予測的に考慮に入れる変形形態での、本方法を実施するための電磁設備において、鋳塊鋳型の長辺面に、長辺面一つにつき二つの誘導子の割合で取付けられた移動磁界をもつ多相誘導子を少なくとも四つ含む設備であって、鋳塊鋳型の同一の長辺面上に並んで配置された誘導子は、鋳塊鋳型の幅に沿って溶融金属を互いに同じ方向に、かつもう一方の長辺面上で向かい合う二つの誘導子により生じさせられた駆動力の方向とは反対の方向に押す駆動力を生じ、かくして鋳造軸に対して対角の位置にある任意の誘導子対に帰属し、溶融金属をノズルから短辺面に向かってつまりは「外側に向かって」押す二つの力と、一方で対角にあるもう一つの誘導子対に帰属し、溶融金属を「内側に向かって」すなわち短辺面からノズルに向かって押す他方の二つの力とを含めた四つの力の系が作り出されるようになっており、メニスカスにおいて均質な軸方向回転運動を実現する目的で、
−鋳塊鋳型内で鋳造される溶融金属に対する各誘導子の駆動力を差分化させるための手段を備えた、誘導子への多相電源ユニットと;
−鋳塊鋳型の内部における溶融金属浴の流体本来の流れモードを識別するための手段と;
−流れモード識別手段に応答して、前記駆動力の差分化手段に介入して、溶融金属浴の流体本来の流れモードが「シングルループ」タイプのものである場合には溶融金属を「内側に向かって」押す力をより一層強化し、逆に溶融金属浴の流体本来の流れモードが「ダブルループ」タイプのものである場合には溶融金属を「外側に向かって」押す力をより一層強化することができる、電源の制御手段と、
を含むことを特徴とする電磁設備をも目的としている。
好ましい一変形実施形態において、前記電源制御手段は、駆動力の強度の差分化手段に介入して、溶融金属浴の流体本来の流れモードが「不安定流れ」タイプのものである場合にのみ、全ての駆動力の強度を等化する。
完全に自動化された好ましい一変形実施形態においては、鋳造用鋳塊鋳型の内部における溶融金属浴の流れモードの識別手段は、予測的なものであり、アルゴン流量、鋳造されたスラブの断面積、ノズルの幾何形状および溶融金属内に埋め込まれた深度、ならびに鋳造速度からなる鋳造パラメータに基づいて流体本来の流れを描写する流体力学の数学モデルを用いて構築された識別計算図表(および/またはそれらの分析形状)を記憶したRAMを有するプログラミングされたコンピュータを含む情報処理システムによって構成されている。
この段階で、鋳造中にスラブ用鋳塊鋳型の内部で溶融金属浴の本来の流体力学が取る可能性のある形態について語るときに「シングルループ」、「ダブルループ」および「不安定流れ」という用語が意味するものについて喚起しておくことが好ましい。本発明の根拠そのものに基づき理解できるように、実際、メニスカスに対して均質で充分に発達した長円の軸方向回転運動を付与するために鋳塊鋳型内で適用すべき電磁駆動力の場のトポロジーを条件づけするのはこれらの形態だけである。同様に、均質な回転運動という用語の意味ならびに鋳造された金属の品質について当然期待できる効果を明示することも妥当であると思われる。
これらの明示は、本発明およびその実施手段についての、一例として示された添付の図面を参照したより詳細な説明の枠内で行なうこととする。
スラブ連続鋳造用鋳塊鋳型の内部で鋳造の間に、鋳造用のノズルが中心軸を合わされている鋳造軸を通過し長辺面に平行な鋳塊鋳型の主要中央平面Bにおいて発達するとおりの「シングルループ」タイプの形態を示している。 スラブ連続鋳造用鋳塊鋳型の内部で鋳造の間に、鋳造用のノズルが中心軸を合わされている鋳造軸を通過し長辺面に平行な鋳塊鋳型の主要中央平面Bにおいて発達するとおりの「ダブルループ」タイプの形態を示している。 鋳塊鋳型内における溶融金属の「シングルループ」タイプの流体本来の流れの場合のメニスカスにおける溶融金属の循環運動を、鋳塊鋳型の上から見た形で示している。 鋳塊鋳型内における溶融金属の「ダブルループ」タイプの流体本来の流れの場合のメニスカスにおける溶融金属の循環運動を、鋳塊鋳型の上から見た形で示している。 図2aに示す「シングルループ」タイプの溶融金属の流体本来の流れに適用すべきメニスカスレベルでの本発明に係る電磁駆動力の場の作図を概略的に示している。 図2bに示す「ダブルループ」タイプの溶融金属の流体本来の流れに適用すべきメニスカスレベルでの本発明に係る電磁駆動力の場の別の作図を概略的に示している。 図2aに示す「シングルループ」タイプの表面運動トポロジーに対する図3aに係る駆動力の場の適用、または図2bに示す「ダブルループ」タイプの表面運動トポロジーに対する図3bに係る駆動力の場の適用によってメニスカスにおいて得られた溶融金属の均質な循環運動を、同じく上面図で表わしている。 図4に示す溶融金属の軸方向回転の均質な運動をメニスカスにおいて実現するための、鋼スラブの連続鋳造用鋳塊鋳型のメニスカスにおける溶融金属の流体本来の流れモードの測定による制御という態様での本発明に係る設備の実施を概略的に示している。 図4に示す溶融金属の軸方向回転の均質な運動をメニスカスにおいて実現するための、鋼スラブの連続鋳造用鋳塊鋳型内部における溶融金属の流体本来の流れモードの予測による制御という態様での本発明に係る設備の実施を概略的に示している。
図中、同じ要素は、同一の符号で呼称されている。
電磁力Fは溶融金属の基本的体積に対して作用してこれを電磁力を作り出している磁界の伝播方向に駆動するのだが、この電磁力Fは、F=σ・V・Beff 2という関係式により充分に近似でき、式中、σは溶融金属の導電率であり、Beffは磁気誘導の有効強度であり、Vは溶融金属との関係における磁界の移動の相対速度であることを最初に喚起しておくことが好ましい。この相対速度は、V=2τ・f,−vという関係式から求められ、式中τは誘導子の磁極ピッチであり、fはこの誘導子に供給される電流の周波数であり、vは、磁界と同じ方向に進行すると仮定されている、磁界を受けた溶融金属の速度である。同様に、Beffが、アンペールの法則を介して、誘導子の導体内を通過する電流の有効強度Ieffに直接由来するという点も喚起しておく。
一般に、誘導子の磁極ピッチτは、製造上課される一定の大きさであることから、駆動力Fの強度を、電源電流の強度Ieffによってかまたは、その目的で可変周波数電源が使用される場合にはこの電流の周波数fによって制御することができるということがわかる。以下では、簡略化のため、駆動力は電源電流の強度によって制御され、電源はこの電流の周波数が3Hzさらにはそれ未満という低い値にあり、通過すべき鋳塊鋳型の壁の厚みおよび鋳塊鋳型を形成する金属の組成を考慮に入れて誘導子の近傍での溶融金属内への磁気誘導の充分な進入深度を得るように規制制御される、という仮定を行なうものとする。
明確さを期して、移動磁界という観点からではなく、むしろ溶融金属の駆動力という観点から本発明の実施を説明するように専念したが、溶融金属との相互作用により駆動力を生じさせるのは移動磁界であり、そのような磁界が、供給される電流(強度または周波数)の制御により作動が操作される誘導子によって作り出されるのは当然のこととして理解される。
ここで、側方吐出孔をもつ溶融金属内に埋め込まれた中央のノズルによって溶融金属が供給されるスラブ連続鋳造用鋳塊鋳型内部における溶融金属浴の本来の流体力学に関しては、この流体力学が、二つの安定した主要なモードと一つの不安定モードという考えられる三つの循環モードにしたがって出現し得るということを明らかにすることができた。
第一の安定したモードは、「ダブルループ」(英語の「double roll」という名称により良く知られている)モードである。図1bおよび図2bによって示されているこのモードによると、鋳造軸Aに中心軸を合わされた溶融金属内に埋め込まれたノズル3の側方の孔2を通って鋳塊鋳型に達する各々の溶融金属ジェット1は、衝突の後二つの逆の流れ7および8に分割されることになるような運動量および入射角で鋳塊鋳型の端の短辺面5に到達する。流れ8は、深さ方向に下降し、流れ7の方は、短辺面5に沿ってメニスカス4まで再上昇し、そこで、ひとたびこの高さに到達したならば、この流れは波16の形に発達し、この波は鋳塊鋳型の軸Aに向かって長辺面12、12’に沿って進行し、そこでもう一つの短辺面5’から来た対になった波16’と遭遇する。
第二の安定したモードは「シングルループ」(または「Single roll」)と呼ばれる。図1aおよび図2aで示されているこのモードでは、入ジェット1の相対出力に関する前出の条件は充分ではない。ノズル内へのアルゴン注入に由来する溶融金属流中に分散した気泡のアルキメデスの原理に係る浮力は、このとき優勢である。ノズルの孔2から出た直後に、溶融金属ジェット1のほぼ全てから来る流れ9はメニスカス4に向かって再上昇し、このメニスカスはかくして、ノズル3から短辺面5および5’の各々に向かって進行する溶融金属の循環の中枢となり、それら短辺面にひとたび到達した時点で表面流は鋳塊鋳型の下方に向かって入り込む。
必要な場合は、「スラブの品質に対する液体鋼の流れモードの効果および金型内の動的電磁制御の必要性について」という題の、バーミンガム(イギリス)で2002年10月14、15および16日に開催された第4回欧州連続鋳造会議で提示されたPierre H.Daubyらの論文中に、溶融金属のこれら二つの流れモードの詳細な記述を見出すことができるのであり、本書にその内容が参照として援用される。
これら二つの主要なモードは、幸い頻度が低いため図示していない、鋳塊鋳型の内部における流れの、必ずしもそうではないが一般に過渡的である、不安定さを示す一つのモードにより補完される。その一つの原因が、鋳造の間に鋳造パラメータが意図的に(例えば鋳造中の寸法変更など)または偶発的に(例えばアルゴン流量など)修正されるという事実にあるということは分かっている。そのことだけで、鋳塊鋳型内の溶融金属の循環を、「シングルループ」フローから「ダブルループ」フローへおよびその逆に遷移させるのには充分であり得るが、それに対して何らかの対策をとることができなかったり、さらにはそれを知らずにいることさえある。別の原因は、例えばノズルの側方の孔の部分的閉塞が生じた後、吐出するジェットに非対称が突然発生することにあるかもしれない。さらに別の理由は、最も頻繁に起こり得るのだが、鋳造に影響を及ぼす四つの必須パラメータ(スラブの幅、鋳造速度、アルゴン流量およびノズルの孔の溶融金属内に埋め込まれた深度)の各値の「不利な」組合わせであり得、これはこのとき、「ダブルループ」モードから「シングルループ」モードへおよびその逆への永続的往復運動として出現し得る、複雑で予測不可能なエネルギーの空間分布を実施する混乱した流体力学的現象を引き起こす。実際、過度に長時間持続した場合には鋳造そのものが損なわれる可能性のある、横揺れおよび縦揺れの形でのメニスカスレベルの反響を伴うノズル両側における鋳塊鋳型内の溶融した金属塊の「左右」の動揺現象に言及することによって以外、この第三のモードを簡単に記述するのは困難である。例えばノズルと短辺面の間のほぼ中間で行なったメニスカスにおける溶融金属の速度の測定値が変動し平均ゼロの結果を与える場合にこの「不安定流れ」モードであると識別することが好ましいと考えられる。
これらの注意喚起を行なった上で、「均質な」という用語をメニスカスにおける溶融金属の軸方向回転運動を修飾するために使用する場合の、この用語の意味、ならびに図4上で概略的に示されているようなかかる軸方向回転の冶金学的利点も同様に明示することが好ましい。メニスカスにおける溶融金属の軸方向回転の均質な運動は、メニスカスのあらゆる箇所において壁に沿った速度が至るところで等しい(またはほぼ等しい)場合に成立する。そうでなければ、溶融金属は圧縮不可能な液体であるため、不可避的に、散発的かつ制御不能な形で、再循環のミニ回路が作り出され、これは、公知のとおり、鋳造金属の冶金学的特性にとってきわめて不利である局所的渦流の形に劣化し得る。
このため、メニスカスにおいて溶融金属を軸方向回転させることの利点はそれ自体、実際には、この旋回運動に割当てられた二つの主要な機能の結果としてもたらされる。
第一の機能は、メニスカスにおいて熱的均質化を提供する溶融金属浴の「撹拌」機能である。撹拌を行わない場合、そこに局所的温度勾配が起こり、これは、鋳塊鋳型の冷却された銅製の壁と接触した最初の表皮の凝固に修復不能な不均質性をもたらし、結果として、公知のとおり、凝固中の製品における亀裂の出現およびそれに関連するブレークアウトのおそれを伴う。
第二の機能は、凝固先端の「洗浄」である。溶融金属の内部に不可避的に存在する気泡または非金属粒子は、樹枝状結晶成長中の凝固先端の窪みによって捕捉された状態になることが多く、通常介在物と呼ばれるものとなる。掃引流の速度が各ケースに固有の閾値を超えた場合、そのような気泡および粒子は解放され、溶融金属流と共に運ばれて、表面で分離することとなり、そこで表面に浮かぶカバースラグにより捕捉される。かくして凝固した鋳造製品の表皮である黒皮は、介在物の無い状態となり、良質の製品が得られる。
ここで、水平方向に掃引する溶融金属流による生じた凝固先端のこの洗浄が、溶融金属の自由表面における速度を均一にすることにより、この表面の温度均質性にも寄与することに留意されたい。すでに強調したとおり、溶融鋼は液体でありしたがって材料は圧縮不能な状態にあるため、表面におけるあらゆる速度不均質は、溶融金属浴内における深さ方向での被覆粉末の巻き込みによる溶融金属の汚染の原因である局所的渦流の散発的な出現の原因となりかねない。
これらの注意喚起を行ないつつ、ここでまず第一に、溶融金属浴の循環が「シングルループ」モードにあるという仮定を立てる。
メニスカスにおいて生み出された溶融金属の流体本来の循環運動を、鋳塊鋳型の上から見た画像が、図2aによって示されている。ここではノズル3の近傍で両側に発達する、いわば対抗する二つのわら箒状の頭が関係していることが分かるが、ノズルのところではまだまとまっている、発生期のその糸状のもの1(吐出するジェット1)は急速に離隔して平行な糸状の束9の形に広がり短辺面5の近傍まで進行し、そこで次に下に向かって湾曲して鋳塊鋳型の深みの中に降下する(図1a参照)。
ここで、「シングルループ」のケースに適合された本発明の実施を示す、対になった図3aを参照する。鋳塊鋳型は、鋳造スラブの寸法を規定する長めの矩形断面を有するものである。溶融金属内に埋め込まれたノズル3は、鋳造軸Aに中心軸を合わされている。鋳塊鋳型の幅に沿って移動する磁界をもつ四つの多相(この例では三相と仮定する)平面誘導子10a、10b、10cおよび10dが、長辺面一つあたり二つの誘導子の割合で、鋳塊鋳型の長辺面12および12’に対面して取付けられている。誘導子10aおよび10bは、ノズル3の両側で長辺面12上に並んだ状態で取付けられており、誘導子10cおよび10dも、相対する長辺面12’上に同様の状態で取付けられている。これら四つの誘導子は、鋳造軸Aとの関係において軸対称であると同時に、鋳造軸Aを通り長辺面12、12’に対して平行な鋳塊鋳型の主要中央平面Bとの関係において面対称であって、鋳塊鋳型の幾何形状の中で対称なアセンブリを形成する。したがって、例えば、誘導子10aは、主要中央平面Bとの関係において向かい合わせに配置された誘導子10dと対称であると同時に、二次中央平面(図示せず)との関係において並んで配置された誘導子10bと対称であり、鋳造軸3(これは主要中央平面Bと二次中央平面の交差点にある)との関係において対角に置かれた誘導子10cと対称である。
見ればわかるように、このアーキテクチャは、各誘導子がそれが中心軸を合わされている長辺面12、12’のおよそ半幅を被覆することになるようなものである。磁界が端の短辺面5、5’のところまで、さらにはノズル3のところまで作用する必要はないことから、この被覆は部分的でしかなくてもよい。反対に、二つの並置された誘導子の間に数センチメートルの自由空間を設けてそこに鋳塊鋳型の構造の機械的補強材を収納できるようにすることが有用であり得る。
誘導子と電源との接続は、鋳塊鋳型の同一の長辺面上に並んで配置された誘導子が、互いに同一方向に、かつもう一方の長辺面上で向い合う二つの誘導子により生じさせる磁界の方向とは反対方向に移動する磁界を生じさせるように行われる。鋳塊鋳型内に溶融金属が存在する状態で、各々一つの個別の誘導子に帰属する四つの駆動力の系が結果としてもたらされる。すなわち、
−単純化を期して「内側に向かって」押す力と命名する、短辺面5および5’から鋳造軸3に向かって溶融金属を押す、各長辺面12および12’上でそれぞれ互いに対角に対面した第一の偶力(誘導子10aおよび10cに帰属する力);
−「外側に向かって」押す力と命名する、鋳造軸3から短辺面5、5’に向かって溶融金属を押す、もう一つの対角線に沿って互いに対面した第二の偶力(誘導子10bおよび10dに帰属する力)。
明確さを期して、これらの力は、関係する誘導子に沿って長壁近傍で鋳塊鋳型の内部に示されたベクトルを用いて表わされている。
本発明の不可欠な特徴にしたがうと、鋳塊鋳型の一つの長辺面に対面して並んだ二つの誘導子により生じる溶融金属の各駆動力は互いに異なる強度をもつ。
鋳塊鋳型の内部の「シングルループ」タイプの溶融金属の循環というこの場合に適用されると、この特徴は、図3aが示すとおり、「内側に向かって」押す対角にある偶力(太い矢印)が、「外側に向かって」に押す対角にあるもう一つの偶力(細い矢印)よりも高い強度を有するということを意味する。
実際、誘導子10aおよび10cは、メニスカスにおける流体本来の流れに「逆行して」作用することから(図2a参照)、メニスカスにおいて流体本来の流れに「順行して」作用するそのそれぞれの隣接誘導子10bおよび10dの駆動力よりも大きい駆動力を生じさせなければならない。しかもそれには、後にわかるように、長辺面近傍で鋳塊鋳型の幅のあらゆる箇所において強さがほぼ同一である速度をもつ強制流れを得る目的がある。一つの長辺面上で並んだ二つの誘導子の力が等しいとすると、「内側に向かって」押す力ひいては考慮対象の半幅上の流体本来の流れの向流に打ち克たなければならない力は、もう一方の半幅よりも確実に弱い流れを生じさせることになり、こうして不均質な全体的流れを引き起こすことになる。
したがって、本発明によると、図3aに示された差分化した駆動偶力の組(偶力10a、10cは偶力10b、10dよりも強く押す)を適用することで、図2aに示された流体本来の形態から、図4に示されているような鋳造軸Aを中心とする安定して充分に形成された長円の旋回形態へと移行する全体的運動が、メニスカス4における溶融金属に付与されることになる、ということがわかる。
すでに強調したとおり、本発明を実施する上で、力の強度、ひいては「内側に向かって」押す偶力と「外側に向かって」押す偶力との間のその偏差を操作するための特別な動作源は、各誘導子に供給される各電流の強度である。かくして、この偏差は長壁に沿った溶融金属の循環が不均質であるほどいっそう大きくなって、各誘導子にそれぞれ対面した移動中の溶融金属の各速度をよりよく等化させることができるようにし、さらに、メニスカスにおける溶融金属の長円の軸方向回転運動は、メニスカスの表面で均質かつ充分発達した状態となる。規制制御の最適な位置は、当然のことながら、各鋳造に固有の特性と共に変動するのである。例えば、駆動力を規制制御するためにノズルの両側でメニスカスにおける局所的速度の直接的測定計器を設置することによってか、または、予測的管理によって、これに到達するか、いずれにせよそれに接近することができ、図5および図6を参照しながら以下で記述する。
メニスカスにおける溶融金属の回転運動の安定性と均質性に関しては、鋳塊鋳型内の溶融金属浴の流体本来の循環モードが「ダブルループ」タイプである場合にも、類似の結果が得られる(図2b参照)。
これに関して図3bを参照すると、図3aの配置と逆の配置が優先するということが確認できる。すなわち、「内側に向かって」押す偶力10a、10cとの関係において、この場合より強力にされるのは、「外側に向かって」押す偶力10b、10dである。この配置が尊重された場合、差分化された偶力のこのような組を適用することで、メニスカスにおける溶融金属には、図2bの流体本来の形態から、図4に示されているような鋳造軸Aを中心とする安定して均質な長円の旋回形態へと移行する全体的運動が付与されることになる。
反対に、「不安定流れ」の場合は、「内側に向かって」押す力と「外側に向かって」押す力の強度間の偏差は好ましくはゼロにされ、強度は、メニスカスにおいて可能なかぎり均質である軸方向回転運動を得るまで増大させられる。
ここでまず第一に図5および図6を併せて参照しながら、二つの変形実施形態にしたがって本発明に係る電磁設備の構成ならびに、四つの誘導子同士の電気接続および多相電源ユニットとの電気接続について、より具体的に記述する。設備は、図を不用に煩雑にしないように、鋳造軸Aに中心軸を合わされて溶融金属内に埋め込まれた単一のノズル3、長辺面12、12’および端の短辺面5だけが表わされているスラブ鋳造用鋳塊鋳型上の機能的位置に取付けられた状態で示されている。
考慮対象の例においては、互いに対角に置かれた二つの誘導子は同じ電源に接続されている。かくして、誘導子10aおよび10cは電源15aに連結され、誘導子10bおよび10dは電源15bに連結されている。
当然のことながら、遵守すべき極性の順序は、所望の方向へ磁界を移動させるためのものである。したがって例証された取付け例によると、各誘導子は、上から見て図4上に示されているとおり時計回りに進行するメニスカスにおける溶融金属の旋回運動を実現するために、図3a、3b上に示されているとおり水平方向に移動するそれぞれの磁界を生じさせる。何らかの理由でメニスカスにおける反時計回りの運動が望まれる場合でも誘導子の極性を逆転させるだけでよい、ということがわかる。
電源ユニットは、誘導子対毎に駆動力の強度を差分化させるための手段を各々備えた別個の二つの同一の電源15aおよび15bで構成されている。このように対合されて対角に配置された各々の誘導子対は、唯一の電源に連結される。つまり、誘導子対10a、10cは、電源15aによる給電を受け、誘導子対10b、10dは、電源15bによる給電を受ける。ここで問題となっているのは、多相電源、好ましくは二相または三相電源であって、それにより、誘導子が移動磁界を生じさせることができるようにしているという点を喚起しておく。好ましくは、すでに記したとおり、誘導子に送り込まれる電流の強度、ひいては磁界の強度そしてその周波数ひいては移動磁界の移動速度を容易に規制制御できるように、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency、可変電圧可変周波数)タイプの可変周波数トランジスタ付き電源を選択する。
溶融金属浴の流体本来の循環が「シングルループ」である場合、電流の強度(そして場合によってはその周波数も)の選択により、電源15bに接続された二つの他方の対角にある誘導子10bおよび10dによって生じさせるものよりもさらに強い溶融金属の駆動力を、一方の対角にある二つの給電対象の誘導子10aおよび10cに生じさせるのが電源15aとなるように、電源が規制制御される。そして溶融金属浴の流体本来の循環が「ダブルループ」である場合には、逆である。「不安定流れ」の場合、二つの電源15aおよび15bは、それらに同じ電流強度を送り出させて四つの誘導子に電磁駆動力を生じさせるように規制制御される。
本発明に係る設備の二つの変形実施形態は、これらの電源の操作モードにより区別される。
図5に表わされた、メニスカスにおける速度の直接的測定に基づく第一の変形形態によると、上述の基準にしたがった電源15aおよび15bの操作は、レギュレータ13を用いて行なわれる。その役目は、流体速度測定手段から受け取るメニスカスにおける速度に関する情報に応じて、最も強く押す力を作り出すべき誘導子対ともう一方の誘導子対との間に適用すべき電流の強度の偏差を常時規制制御することにある。
これらの測定用手段は、二つの速度測定用のプローブ20および21で構成されている。これらのプローブは、ノズル3の両側にあるメニスカスの異なる場所において、好ましくはノズルから等しい距離のところで、しかもここでは長壁12である鋳塊鋳型の同一の長壁から等しい距離のところで、溶融金属内にわずかに進入する。これは、溶融金属流のインパルスの下で、したがって流れている溶融金属の速度に直接左右される、ねじり偶力が中で発生する機械式プローブとすることができる。これらの速度センサは、測定された速度の方向を示す正負符号を含む溶融金属が運ばれる信号の形でレギュレータ13にその情報を伝達する。
これらの速度信号を受信するレギュレータ13は、そこから代数差を計算して速度差に比例する基準信号を作成し、信号の正負符号は、ノズルの両側でプローブ20および21と接触している二つの溶融金属流のうち最も強い方について、したがって二つの誘導子対のうちのいずれが最も低い押す力を生じさせるべきであるかについての情報を与える。この基準により、電源15a、15bは、各誘導子に対し適切な電流強度、すなわち基準信号をゼロへと向かわせる作用を溶融金属に及ぼす差分化された押す力の形で現われる互いの偏差によって差分化された強度を送り出し、メニスカスにおける溶融金属の回転運動に求められる均質性を保証することが可能になる。
二つのプローブの速度信号がゼロの前後で変動する状態になった場合には、メニスカスにおける溶融金属の運動は不安定であり、二つの誘導子対の間に適用すべき電流の強度の偏差は、ゼロにされることとなる。
当然のことながら、メニスカスにおける速度に対する駆動力のこのような制御ループは、始動段階を想定している。
鋳造の開始時に、四つの駆動力の強度は等しくなる。考え方を固定するため、「内側に向かう」押す力(誘導子10a、10cによる)は、「外側に向かう」押す力(誘導子10b、10dによる)と同様、誘導子毎の電流、例えば500A、で生じせることができるものとする。
その後、レギュレータ13は、それぞれ誘導子10bおよび10aに対面して壁12の近傍に置かれたプローブ20および21により、溶融金属流の速度の最初の測定に着手し、それらの差を表わす信号を作成する。振幅および正負符号による示差的なこの信号は、鋳塊鋳型内の溶融金属の流体本来の流れモードにより左右されるということがわかる。必要とあらば、実際に流れモードが「シングルループ」である場合(図2a)、プローブ20はプローブ21により測定されたものよりもはるかに高い速度を測定することになり、流れが「ダブルループ」である場合(図2b)には逆であるということを確認するために、図2aおよび2bを参照する。したがってこの示差信号の正負符号は、流れモードのアイデンティティーについてレギュレータ13に教示し、その振幅によりレギュレータは、電源15a、15bの操作のための強度偏差信号を作成することができるようになる。その後、力のループ制御が起こり、鋳塊鋳型内の溶融金属浴の流体本来の流れモードの推移の如何に関わらず、鋳造期間の大部分についてそれを継続することができる。
より一般的に言うと、電流強度(および周波数)の基準は、予め選択され、いわゆる規制制御段階の前に、溶融金属の回転の開始時点で四つの誘導子に適用される。この予備選択は、鋳造される溶融金属の組成成分および/または求められている品質目標に応じて、例えばプログラマブルオートマトン内に記録された値にしたがって、手動または自動で行なわれる。このようなプログラマブルオートマトン(例えばPLCタイプのもの)は、レギュレータ13を収納していてよい。
図6に表わされている、設備の第二の変形実施形態は、溶融金属の流体本来の流れの予測的アプローチに基づいている。先に述べられた基準にしたがった電源15aおよび15bの操作は、制御手段16を用いて行なわれる。そのような制御手段は有利には、公知で市販の「PLC」タイプ(PLC=Programmable Logic Controller)のプログラマブルオートマトンで構成され、その役目は、電源15aおよび15bに対し別々に電流強度(そして必要な場合は周波数も)の設定値を計算し、課すことにある。したがってPLC16はここでは、今度はメニスカスにおける速度の直接的測定に由来する偏差信号を無効にするための「規制制御」によってではなく、鋳塊鋳型内の溶融金属浴の流体本来の流れモードの予測的識別に応答して、二つの誘導子対のうちのいずれの対に最も強く押す力を作り出させるべきかを決定するシステムの機構である。
同様に、PLC16は、鋳塊鋳型内の溶融金属浴の流れモードの識別手段17を介してこのタスクのために必要な情報を受けとる。
したがって、後で説明するとおり、第一の変形実施形態の速度センサは連続鋳造用鋳塊鋳型内ではあまり使用に適していないことから、これらの識別手段がこれらの速度センサに取って代わるという点に留意されたい。
これらの識別手段であるパーソナルコンピュータ17は、そのような識別に必要なツールを含むRAM(ランダムアクセスメモリー)を備えたPC(パーソナルコンピュータ)タイプの標準的コンピュータで構成されている。
この段階で、「流れモードの識別」が、「シングル」もしくは「ダブルループ」または「不安定」タイプの流れのいずれであるかの質的予測だけでなく、メニスカスにおける溶融金属の流れ速度の量的予測をも意味し、ゼロで予測された速度が不安定状態と同一視されるという点を明示しておくことが有用である。
したがって、要するに、これらのツールは、一方では、鋳塊鋳型の厚みおよびノズルの幾何形状である、当初定められた二つの鋳造パラメータ、そして他方では、鋳造されたスラブの幅、鋳造速度、ノズルの孔の溶融金属内に埋め込まれた深度および注入されるアルゴン流量である、鋳造中に変動する可能性のある四つのパラメータの大きさから、鋳塊鋳型内の溶融金属浴の流れモードを予測できる流体力学の数学モデルに基づいて構築された適切なソフトウェアで構成されている。これらのデータは、可変の四組データと同様に固定の二組データも全て、好ましくは、鋳造作業を操作する鋳造設備の一般的コンピュータ19からの自動的収集によって導入される。流れモードの高速識別のためには、このソフトウェアによってもたらされる結果を、PLCが自動読取りでまたはそれらの分析形態への書換え後に使用できる計算図表の形で実現することができる。
これはさらに、これらの大きさの「二組データ−四組データ」の組み合わせの考えられる全ての値を、それら組の各々で裏付けられる流れモードと関連づけするデータバンクであってもよい。鋳造中、鋳造に固有の「二組データ−四組データ」の瞬時の組み合わせとこのバンクのものとを時間的に規則的に比較することにより、このとき、鋳造のデータに最も良く対応する記憶された要素を採用し、かくして鋳塊鋳型の内部の溶融金属の流体本来の流れモードを質的かつ量的に識別することが可能となる。
最後に、かくして計算された各々の流れモードについて、パーソナルコンピュータPC17によって提供された結果は、当然のことながら、メニスカスにおける溶融金属の流体本来の平均速度の計算された値を提供することができ、この値によって制御用PLC16は例えば200Aの偏差値(つまり始動時の初期電流が500Aとして予備選択された場合、二つの最も活動的なものについて600Aそして他の二つについては400A)を決定し、この趣旨に沿って、電源15aおよび15bに対し関係する誘導子対に対応する電流強度を送り出すように伝えることができるようになる。
要約すると、識別手段であるパーソナルコンピュータ17はかくして制御用手段16に対し、メニスカスにおける溶融金属の流体本来の流れ速度と正比例する振幅と、(この速度の方向が内側に向かっているかまたは外側に向かっているかに応じて)「シングルループ」または「ダブルループ」での流れタイプのアイデンティティーについて情報を与える正負符号とを有する一つの信号を提供する。制御装置16はこのとき、二つの誘導子対のうちのいずれに最も強く押す力を作り出させるべきかを、優勢な流れタイプに応じて決定する。制御装置は同様に、関係する二つの誘導子対間の電源電流の強度偏差も計算して、この偏差がメニスカスにおける溶融金属の平均速度に正比例するようにし、対応する設定値を電源15aおよび15bに伝送する。
PLC16は、PC17からゼロ振幅信号を受取った場合、電源電流の強度(および周波数)の偏差を無効にし、鋳造金属の組成成分および/または求められる品質目標に応じて予め選択されるかまたは予め記録された値に対応する設定値である、同じ電源電流(および周波数)設定値を四つの誘導子に提供する。
ここで、本発明が、鋳造中にメニスカスにおいて溶融金属を軸方向回転させる「オンライン」均質化を提供することがわかる。流れモードを条件づけする可変的パラメータの四組データの自動収集によって、各瞬間に、鋳造が進むにつれてPC17に到着するこれらの四組データの値に応えて、鋳造中に鋳塊鋳型の内部で次々と起こり得る流れモードの如何に関わらず均質な回転状態のメニスカスを常に確実に得られるようにする適切な差分化を、誘導子の押す力に適用することが可能となる。したがって、唯一の流れモードのみに適合された、したがって鋳造時間全体の一部分でしかない鋳造シーケンスについて適応した公知の先行システムとは異なり、本発明は、全鋳造期間にわたって、あるいは場合によって起こる不安定な流れシーケンスを考慮に入れるとそのほぼ全体にわたって、鋳造の最適な能動的「カバー率」を確保する。
「レギュレータ」システムと「予測」システムとの間の選択は、それを実行するユーザーの要望または必要性に応じて、このユーザーの評価に委ねられる。ここでは単に、「予測的」変形実施形態の方が確かにソフトウェア設備に関する要求がやや高いように思われるが、その代り、メニスカスに埋め込まれた計器を全く使用せず、速度センサの耐用寿命が数時間以内に制限されることがないといった、多くの場合決定的なものである利点を有している、という点を記しておくことにする。
当然のことながら、本発明は、以上で記述した実施例に制限できるものではなく、添付の特許請求の範囲によって与えられているその定義が遵守されるかぎりにおいて、多数の変形形態および等価物まで拡大されるものである。
かくして、所与の電源15aまたは15bに連結された対を形成する誘導子は、図5および図6に示されているように互いに並列に、または直列に電気的に接続されていてよい。
同様にして、誘導子と同数の電源を想定することも可能である。この場合、これらの誘導子の各々は、固有の専用電源により電流の供給を受けることができ、このことにより、特に、必要に応じて対角線にある誘導子によって生じさせる力の強度におけるわずかな不均衡を作り出すことができるようにすることで規制制御の柔軟性を増大させることが可能となる。
実際、対角にある二つの誘導子の駆動力が等しいことがより合理的であると考えられるにせよ、それが本発明の義務的配置となるわけではない。実際、メニスカスにおいて均質な回転を得ることつまり各誘導子の前の溶融金属の速度が等しいという第一の基準が満たされるようにするために望ましいと考えられる場合であれば、これらの力はそれ自体互いに強度の異なるものであってよい。
同様にして、誘導子の数も四つを超えてよいが、この場合この数は、鋳塊鋳型の各長辺面にそれぞれ同じ数の誘導子を具備するべく偶数のままにすべきである。
さらに、誘導子を鋳塊鋳型上のどれほどの高さに取付けるべきかについて提起される可能性のある問いに対しては、原則としてメニスカスの高さまで誘導子を上昇させる必然性はないと回答することができるのである。誘導子が充分な電力、したがって、充分な力を与えるように構想されている場合、たとえメニスカスより数十センチメートル下の所に誘導子を設置しても、充分に安定した均質な回転運動をメニスカスに付与することが可能となるものである。
1 溶融金属
3 ノズル
5 短辺面
10a、10b、10c、10d 誘導子
12 長辺面
13 レギュレータ
15a、15b 電源
17 パーソナルコンピュータ
19 コンピュータ
20、21 プローブ
欧州特許出願公開第0151648号明細書 特開昭57−075268号公報 欧州特許出願公開第0096077号明細書 欧州特許出願公開第0750958号明細書
Pierre H.Dauby外、イギリス、バーミンガムで2002年10月14〜16日に開催された第4回欧州連続鋳造会議で提示されたの論文 「スラブの品質に対する液体鋼の流れモードの効果および金型内の動的電磁制御の必要性について」

Claims (10)

  1. 塊鋳型の端の短辺面に対面して開口した側方吐出孔を有する溶融金属内に埋め込まれた鋳造用のノズルを備えたスラブ連続鋳造用鋳塊鋳型内で溶融金属を軸方向電磁回転させるための方法において、鋳塊鋳型の長辺面に、長辺面一つにつき二つの誘導子の割合で鋳塊鋳型の幅に沿って移動する磁界をもつ個別の多相誘導子が少なくとも四つ取付けられ;鋳造軸に対して対角の位置にある任意の誘導子対に帰属し、溶融金属をノズルから短辺面に向かってつまりは「外側に向かって」押す二つの力と、一方で対角にあるもう一つの誘導子対に帰属し、溶融金属を短辺面からノズルに向かってつまりは「内側に向かって」押す他方の二つの力とを含めた四つの駆動力の系を作り出す目的で誘導子が規制制御されており;これら四つの力を同時に使用することで、メニスカスにおける溶融金属の軸方向回転運動が全体的に付与される方法であって、鋳造の間にメニスカスにおける溶融金属の前記回転運動を均質化することを目的として、前記各駆動力の強度をこれらの力の間で差分化された形に規制制御し、かくして、長辺面の近傍で考慮した場合に、溶融金属の局所的な流れがそこで「外側に向かって」よりも「内側に向かって」強く進行する場合には周知のとおり溶融金属を「外側に向かって」押す二つの力に対してより高い強度を適用し、逆に前記流れがそこで「外側に向かって」よりも「内側に向かって」弱く進行する場合には「内側に向かって」溶融金属を押す二つの力に対しより高い強度を適用するようになっていることを特徴とする、溶融金属を軸方向電磁回転させるための方法。
  2. 前記長辺面の近傍における溶融金属の局所的な流れの強さを評価するために、それら流れのそれぞれの速度を測定することを特徴とする、請求項1に記載の溶融金属を軸方向電磁回転させるための方法。
  3. 前記鋳塊鋳型の長辺面の近傍における溶融金属の局所的な流れの前記測定済み速度間の差を表わす信号を作成し、かつ前記信号を常にゼロに向かわせる偏差を適用することによって「内側に向かって」押す力と「外側に向かって」押す力との間の駆動力の強度の差分化を規制制御することを特徴とする、請求項2に記載の溶融金属を軸方向電磁回転させるための方法。
  4. 前記鋳塊鋳型内部での溶融金属の「シングルループ」または「ダブルループ」での流体本来の流れモードが事前に識別されているとき、溶融金属浴の流体本来の流れモードが「シングルループ」タイプのものである場合には溶融金属を「内側に向かって」押す力をより一層強化し、逆に溶融金属浴の流体本来の流れモードが「ダブルループ」タイプのものである場合には周知のとおり溶融金属を「外側に向かって」押す力をより一層強化することにより、駆動力の強度の差分化を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の溶融金属を軸方向電磁回転させるための方法。
  5. 対角の位置にある二つの誘導子に帰属する二つの駆動力を同じ強度に規制制御することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一つに記載の溶融金属を軸方向電磁回転させるための方法。
  6. 前記鋳塊鋳型内の溶融金属浴の流体本来の流れモードが「不安定流れ」タイプのものである場合、全ての駆動力を同じ強度に規制制御することを特徴とする、請求項4に記載の溶融金属を軸方向電磁回転させるための方法。
  7. 鋳造軸(A)に中心軸を合わされ、鋳塊鋳型の端の短辺面に対面して開口した側方吐出孔(4)を有する溶融金属内に埋め込まれた鋳造用のノズル(3)を備えたスラブ連続鋳造用鋳塊鋳型(1)の上部部分において溶融金属を長円に軸方向回転させる請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法を実施するための電磁設備において、鋳塊鋳型の長辺面(12、12’)に、長辺面一つにつき二つの誘導子の割合で取付けられた移動磁界を有する個別の多相誘導子(10a、10b、10c、10d)を少なくとも四つ含む設備であって、鋳塊鋳型の同一の長辺面(12)上に並んで配置された誘導子(10a、10b)は、鋳塊鋳型の幅に沿って溶融金属を互いに同じ方向に、かつもう一方の長辺面(12’)上で向かい合った二つの誘導子(10c、10d)により生じさせられた駆動力の方向とは反対の方向に押す駆動力を生じさせ、
    −鋳塊鋳型内で鋳造される溶融金属に対する各誘導子の駆動力を差分化させるための手段を備えた、誘導子への多相電源ユニット(15a、15b)と;
    −鋳塊鋳型の同一の長辺面(12)近傍で、流れが「内側に向かって」進行する溶融金属および流れが「外側に向かって」進行する溶融金属のメニスカスにおける速度を局所的に測定し、前記測定済み速度間の差を表わす示差信号を作成するための速度測定手段(20、21)と;
    −前記示差信号に応答して、前記示差信号がゼロに向かうよう駆動力の強度の前記差分化手段に介入することのできる前記電源ユニットの制御手段(13)と、
    を含むことを特徴とする電磁設備。
  8. 鋳造軸(A)に中心軸を合わされ、鋳塊鋳型の端の短辺面に対面して開口した側方吐出孔(4)を有する溶融金属内に埋め込まれた鋳造用のノズル(3)を備えたスラブ連続鋳造用鋳塊鋳型(1)の上部部分において溶融金属を長円に軸方向回転させる請求項4に記載の方法を実施するための電磁設備において、
    −鋳塊鋳型の長辺面(12、12’)に、長辺面一つにつき二つの誘導子の割合で取付けられた移動磁界をもつ個別の多相誘導子(10a、10b、10c、10d)であって、鋳塊鋳型の同一の長辺面(12)上に並んで配置された誘導子(10a、10b)が、鋳塊鋳型の幅に沿って溶融金属を互いに同じ方向に、かつもう一方の長辺面(12’)上で向かい合った二つの誘導子(10c、10d)により生じさせられた駆動力の方向とは反対の方向に押す駆動力を生じさせるようになっている多相誘導子を少なくとも四つと、
    −鋳塊鋳型の内部における溶融金属浴の流体本来の流れモードを「シングルループ」もしくは「ダブルループ」または「不安定流れ」として識別するための手段(17)と、
    を含む電磁設備であって、さらに
    −鋳塊鋳型内で鋳造される溶融金属に対する各誘導子の駆動力を差分化させるための手段を備えた、誘導子への多相電源ユニット(15a、15b)と;
    −前記識別手段(17)に応答して、駆動力の強度の前記差分化手段に介入して、溶融金属浴の流体本来の流れモードが「シングルループ」タイプのものである場合には溶融金属を「内側に向かって」押す力をより一層強化し、逆に溶融金属浴の流体本来の流れモードが「ダブルループ」タイプのものである場合には周知のとおり溶融金属を「外側に向かって」押す力をより一層強化することができる、前記電源ユニットの制御手段(16)と、
    を含むことを特徴とする電磁設備。
  9. 前記電源ユニット(15a、15b)の前記制御手段(13または16)は、駆動力の強度の前記差分化手段に介入して、溶融金属浴の流体本来の流れモードが「不安定流れ」タイプのものである場合にのみ、全ての駆動力の強度を等化するように規制制御されていることを特徴とする、請求項または請求項に記載の電磁設備。
  10. 駆動力の差分化手段を備えた前記電源ユニット(15a、15b)が、「可変電圧可変周波数」タイプのものであることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の電磁設備。
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