JP5180138B2 - 光ピックアップレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクに対する記録または再生を行う光学系において用いられる光ピックアップレンズに関する。
近年、光ディスクの記録容量は増大し続けており、記録密度も増大し続けている。光ディスク装置のレーザ光源から出射されたレーザ光は、波長板やコリメータなどの透明部材を透過し、最終的に光ピックアップレンズによって光ディスク上に集光される。これにより、光ディスクに記録された情報を読み取ることができる。通常、レーザ光源から出射されたレーザ光は、コリメータレンズによって平行光に変換され、光ピックアップレンズに入射する。
また、このような大容量の光ディスク用の光ピックアップレンズの設計波長は405nmである。しかし、製造誤差によりレーザ光源から出射されるレーザ光の波長は設計波長の405nmからずれている場合がある。そのため、通常、このような大容量の光ディスクに記録された情報を再生する場合、波長が395〜415nmであるレーザ光が使用されることが多い。また、このような大容量の光ディスク用の光ピックアップレンズの開口数(NA)は0.84以上である場合が多い。
開口数(NA)が0.85を超えるBD(Blu−ray Disc)用の光ピックレンズのレンズ材料としては、様々な問題に対応するため、ガラス材料が使用されることが多い。例えば、プラスティックは一般的にガラス材料に比べて耐光性が劣ることが多い。これは、樹脂材料特有の問題である。プラスティックが光を吸収した場合、プラスティックがこの吸収したエネルギーを放出する前に、さらに光を吸収すると、プラスティック材料が分解されてしまう。すなわち、プラスティックに光が曝され続けると、プラスティック材料が劣化してしまう。また、この材料劣化が始まると、壊れた樹脂によって当該壊れた樹脂の回りの樹脂も壊されてしまう。そのため、一度、材料劣化が始まると、劣化するスピードは加速度的に速くなる。これに対して、ガラス材料の耐光性はプラスティックよりも強い。そのため、波長が短くエネルギーの強いBD用の光ピックアップレンズの材料としては、ガラスが用いられることが多い。例えば、特許文献1には、対物レンズ等の光学素子をガラス材料により製造する技術が記載されている。
特開2004−265524号公報
しかしながら、BD用のレーザ光の集光位置におけるパワーは、0.40mW弱である。そして、このレベルのレーザ光に対する耐光性を有する樹脂材料も存在する。現段階においても、記録用レーザのようなハイパワーのレーザ光に耐光性を有する樹脂も開発されつつあり、実現が想定される段階となっている。また、ガラス材料に比べて、プラスティックなどの樹脂材料の方が、成形性や生産性に優れる。そこで、プラスティックなどの樹脂材料を用いて、NAが0.85程度のBD用の光ピックアップレンズの設計を試みると、以下の問題点が確認できた。すなわち、BD用の光ピックアップレンズのNAは、DVD(Digital Versatile Disc)用の光ピックアップレンズのNAやCD(Compact Disc)用の光ピックアップレンズのNAよりも高い。そのため、高温におけるレンズチルト感度が低下してしまうという問題がある。
一般に、光ピックアップレンズは、光ディスク装置のクランプ部に対して略水平に位置するため、クランプ部によって光ディスクを固持した場合、ディスクチルトによるコマ収差が発生する。そして、このディスクチルトによるコマ収差を低減する為、光ピックアップレンズを傾けて、レンズチルトによるコマ収差を発生させる。すなわち、ディスクチルトによるコマ収差をレンズチルトによるコマ収差によって相殺する。
また、光ピックアップレンズは、正弦条件をなるべく満たすように設計される。正弦条件を満たすように光ピックアップレンズを設計した場合、レンズチルトによって発生する収差は3次コマ収差が主体となる。そして、設計温度でのレンズチルトによる3次コマ収差の絶対値は、ディスクチルトによる3次コマ収差と略同じ値となる。
また、光ピックアップレンズの使用環境として、光ディスク装置の装置内温度を35℃程度と仮定する。そこで、光ピックアップレンズの設計温度を35℃とする。しかし、使用環境としては、設計温度35℃よりも低温の使用温度5℃程度、高温の使用温度65℃を想定しなければならない。さらに高温の使用環境としては使用温度75℃、85℃を想定することができる。そして、このような低温や高温の使用環境においても、ディスクチルトによる3次コマ収差をレンズチルトによる3次コマ収差によって相殺することができなければならない。
しかし、高温になると、レンズチルトによる3次コマ収差の大きさは小さくなってしまう。特に、ガラス材料から成形された光ピックアップレンズの高温におけるレンズチルトによる3次コマ収差の大きさは、樹脂材料から成形された光ピックアップレンズの高温におけるレンズチルトによる3次コマ収差の大きさと異なることが分かった。
具体的には、温度の変化に伴って硝材の屈折率は変化する。ガラス材料の屈折率変化量は、温度上昇1℃あたり、おおよそ−0.0000050/℃であり、樹脂材料に比べて小さい。そして、例えば、設計温度を35℃、使用波長を405nm、物体距離を無限遠、光ディスクの透明基板厚を0.0875mmとした場合、使用温度65℃におけるレンズチルトによる3次コマ収差の大きさは、35℃のときに比べて低下してしまう。しかし、ガラス材料におけるレンズチルトの3次コマ収差の温度上昇に伴う低下量は小さい。そのため、ガラス材料から成形された光ピックアップレンズにおいては、正弦条件をほぼ守るように設計されていても、高温において、レンズチルトによる3次コマ収差によって、ディスクチルトによる3次コマ収差を十分低減することができる。
一方、樹脂材料の屈折率変化量は、温度上昇1℃あたり、−0.0000930/℃〜−0.0001250/℃であり、ガラス材料に比べて大きい。そのため、樹脂材料から成形された光ピックアップレンズのレンズチルトによる3次コマ収差の使用温度の上昇に伴う低下量は、ガラス材料から成形された光ピックアップレンズに比べてかなり大きい。したがって、正弦条件を通常程度守るように設計した場合でも、樹脂材料から成形された光ピックアップレンズにおいては、高温において、レンズチルトによる3次コマ収差によって、ディスクチルトによる3次コマ収差を十分に低減することが難しくなってしまう。すなわち、樹脂材料から成形された光ピックアップレンズにおいては、高温におけるレンズチルト感度が低下してしまう。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、高温におけるレンズチルト感度が良好なNAが0.84以上の光ピックアップレンズを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる光ピックアップレンズは、開口数(NA)が0.84以上の光ピックアップレンズである。また、前記光ピックアップレンズの使用波長が395nm以上415nm以下である。さらに、前記光ピックアップレンズは、以下の(1)式乃至(13)式を満たす。
J−5≦Cc≦J+5 ・・・・・(1)
J=A+5×(L−0.0875)/(0.1−0.075)
・・・・・(2)
A=B+Cd ・・・・・(3)
B=−(C+D) ・・・・・(4)
C=S/1.6×E×(Td−Tc) ・・・・・(5)
D=S/1.6×F×(Td−Tc) ・・・・・(6)
E=0.48/(6.428×(N−1.515)+1)/(G+H)
・・・・・(7)
F=0.09×(−Δn−0.000123)/0.000023/(N/1.515)/(G+H)) ・・・・・(8)
G=(d/(S/1.6×1.108)) ・・・・・(9)
H=(d−(S/1.6×1.108))×0.98+1
・・・・・(10)
1.50≦N≦1.60 ・・・・・(11)
−0.0000930≦Δn≦−0.0001250 ・・・・・(12)
0.075≦L≦0.100 ・・・・・(13)
Tc:設計温度(℃)
Td:使用温度(℃)
Cc:設計温度Tc(℃)において透明基板厚L(mm)の位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
Cd:使用温度Td(℃)において透明基板厚0.100mmの位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
S:レーザ光源側のレンズ面の有効径(mm)
Δn:光ピックアップレンズの硝材の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量(/℃)
N:光ピックアップレンズの硝材の設計温度Tc(℃)における屈折率
d:光ピックアップレンズの中心厚(mm)
L:設計透明基板厚(mm)
本発明の第1の態様においては、(1)式乃至(13)式を満たすように光ピックアップレンズが成形されている。正弦条件を守って光ピックアップレンズを設計した場合、使用温度Tdが設計温度Tcよりも上昇すると、レンズチルトによって発生する3次コマ収差が小さくなる。そのため、使用温度Tdにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を十分に低減できなくなってしまう。そこで、本発明では、使用温度Tdにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を相殺する3次コマ収差をレンズチルトによって発生させるために必要となる設計条件について規定した。換言すれば、本発明では、使用温度Tdにおいて十分な3次コマ収差を発生させるため、当該設計条件を正弦条件からどの程度外すのかについて規定した。
(11)式、(12)式、(13)式は、本発明にかかる光ピックアップレンズの特性を規定する式である。また、当該設計条件を規定するにあたり、NAが0.85、有効径Sが1.60mm、中心厚dが1.108mm、屈折率が1.515、屈折率変化量が−0.0000950以上−0.0001234以下であるレンズを基準とした。そして、(9)式及び(10)式は、本発明にかかる光ピックアップレンズの有効径S(mm)と中心厚d(mm)が基準となるレンズからずれるズレ量を設計条件に反映させるための式である。
一般に、屈折率が高いほど、高温におけるレンズチルトによって発生する3次コマ収差が小さくなる。すなわち、屈折率が高いほど、高温におけるレンズチルト感度が鈍くなる。そして、(7)式は、本発明にかかる光ピックアップレンズの屈折率Nと基準となるレンズの屈折率とのズレ量を基準となるレンズのレンズチルト感度に反映させることにより、本発明にかかる光ピックアップレンズの屈折率がレンズチルト感度に与える影響を規定する式である。
また、屈折率変化量が小さいほど、高温におけるレンズチルト感度が鈍くなる。また、屈折率が高いほど、相対的に、屈折率変化量がレンズチルト感度に与える影響が小さくなる。そして、(8)式は、本発明にかかる光ピックアップレンズの屈折率変化量がレンズチルト感度に与える影響を規定する式である。
また、(5)式及び(6)式は、それぞれ、(7)式及び(8)式で表されるレンズチルト感度に、使用温度Tdと設計温度Tcとの差を乗じたものであり、本発明の光ピックアップレンズの屈折率及び屈折率変化量が、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を表す式である。
そして、(4)式は、(5)式及び(6)式で表される3次コマ収差にマイナスを乗じたものであり、(3)式は、(4)式で表される値Bと、使用温度Tdでレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdとを加算したものである。すなわち、(3)式は、使用温度Tdでレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdから、本発明の光ピックアップレンズの屈折率及び屈折率変化量が、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を差し引いた値を表す式である。
また、(2)式の第2項は、本発明にかかる光ピックアップレンズの設計透明基板厚Lが、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を表すものである。したがって、(2)式は、使用温度Tdでレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdから、本発明の光ピックアップレンズの屈折率及び屈折率変化量が、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を差し引いた値Aに、本発明にかかる光ピックアップレンズの設計透明基板厚Lが、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を加算した値を表す式である。
そして、(1)式は、設計温度Tcにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Ccが、(2)式で表される値Jに、その他の設計事項によるばらつきを加味した値の範囲内とするという設計条件を示す式である。
そして、実際に、本発明にかかる光ピックアップレンズを設計する場合には、使用温度Tdにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を低減するのに十分な3次コマ収差の値を、設計温度Tdにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdの値として設定する。次いで、(2)式乃至(10)式に各値を代入することにより、Jの値を算出する。そして、(1)式に当該Jの値を代入し、設計温度Tcにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Ccが、(1)式を満たすように、光ピックアップレンズを設計する。
換言すれば、正弦条件よりある程度外れた設計条件で光ピックアップレンズを設計することにより、設計温度Tcにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Ccを余分に発生させる光ピックアップレンズを設計する。これにより、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdの値を、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を低減するのに十分な値とすることができる。すなわち、(1)式乃至(13)式を満たすように光ピックアップレンズを設計することにより、設計温度Tcよりも高温の使用温度Tdにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を低減するのに十分な3次コマ収差をレンズチルトにより発生させることができる。したがって、設計温度Tcよりも高温の使用温度Tdにおけるレンズチルト感度が良好なNAが0.84以上の光ピックアップレンズを提供することができる。
なお、本発明において、有効径S(mm)とは、NAが0.85である光ピックアップレンズのレーザ光源側のレンズ面の径である。しかし、製造誤差を考慮すると、実際に製造される光ピックアップレンズのNAにはばらつきがあり、0.85前後となる。そのため、本発明にかかる光ピックアップレンズのNAを0.84以上とした。また、レンズ面において、有効径の大きさが、非球面が形成される円形範囲の径の97%〜99%程度となるように光ピックアップレンズを設計することが多い。これは、レンズ面に非球面が形成される範囲は、設計上の位置からずれる場合があるためである。そのため、実際には、必要としている有効径の範囲よりも若干大きな範囲に非球面を形成する。さらに、透明基板厚0.100mmと0.075mmの二層の記録層を有する二層BD用の光ピックアップレンズの設計透明基板厚を当該二層の記録層の透明基板厚の中間の厚さとした場合、弱有限光を入射させることになる。そして、弱有限光を光ピックアップレンズに入射させる場合、アクチュエータのマスク径、すなわち、アクチュエータの開口径の位置によっては、光ピックアップレンズの有効径の範囲よりも若干大きい範囲にレーザ光が入射する場合がある。そのため、非球面は、実際に必要としている有効径の範囲よりも若干大きな範囲に形成される。また、光ピックアップレンズが搭載されているアクチュエータの開口径によってレーザ光の入射を制限する手法を多く採用されている。そのため、光ピックアップレンズの有効径S(mm)をアクチュエータの開口径を測定することにより求めてもよい。
本発明の第2の態様にかかる光ピックアップレンズは、開口数(NA)が0.84以上の光ピックアップレンズである。また、前記光ピックアップレンズの使用波長が395nm以上415nm以下である。また、レーザ光源側のレンズ面と光ディスク側のレンズ面との少なくとも一方が光軸を同心とする複数の輪帯状の区間に区切られている。さらに、前記光ピックアップレンズは、以下の(14)式乃至(27)式を満たす。
J−5≦Cc≦J+5 ・・・・・(14)
J=A+5×(L−0.0875)/(0.1−0.075)
・・・・・(15)
A=B+Cd ・・・・・(16)
B=−(C+D) ・・・・・(17)
C=S/1.6×E×(Td−Tc) ・・・・・(18)
D=S/1.6×F×(Td−Tc) ・・・・・(19)
E=0.48/(6.428×(N×I−1.515)+1)/(G+H)
・・・・・(20)
F=0.09×(−Δn−0.000123)/0.000023/(N×I/1.515)/(G+H)) ・・・・・(21)
G=(d/(S/1.6×1.108)) ・・・・・(22)
H=(d−(S/1.6×1.108))×0.98+1
・・・・・(23)
1.50≦N≦1.60 ・・・・・(24)
−0.0000930≦Δn≦−0.0001250 ・・・・・(25)
0.075≦L≦0.100 ・・・・・(26)
1.0≦I≦1.1 ・・・・・(27)
Tc:設計温度(℃)
Td:使用温度(℃)
Cc:設計温度Tc(℃)において透明基板厚L(mm)の位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
Cd:使用温度Td(℃)において透明基板厚0.100mmの位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
S:レーザ光源側のレンズ面の有効径(mm)
Δn:光ピックアップレンズの硝材の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量(/℃)
N:光ピックアップレンズの硝材の設計温度Tc(℃)における屈折率
d:光ピックアップレンズの中心厚(mm)
L:設計透明基板厚(mm)
本発明の第2の態様においては、(14)式乃至(27)式を満たすように光ピックアップレンズが成形されている。ここで、(14)式乃至(19)式及び(22)式乃至(26)式は、第1の態様の(1)式乃至(6)式及び(9)式及び(13)式と同じである。また、(20)式及び(21)式は、屈折率Nに係数Iを乗じている点のみが、第1の態様の(7)式及び(8)式と異なっている。
また、第2の態様にかかる光ピックアップレンズは、レーザ光源側のレンズ面と光ディスク側のレンズ面との少なくとも一方が光軸を同心とする複数の輪帯状の区間に区切られている点が、第1の態様にかかる光ピックアップレンズと異なっている。
通常、このような輪帯状の区間は、温度変化や波長変動によって発生する球面収差を低減するために設けられる。このような球面収差は、温度変化や波長変動によって光ピックアップレンズの屈折率が変化することが原因となって発生する。したがって、当該球面収差を補正するために光ピックアップレンズのレンズ面にこのような複数の輪帯状の区間を設けるということは、光ピックアップレンズの屈折率を見かけ上変調させることに相当する。そこで、光ピックアップレンズのレンズ面に複数の輪帯状の区間を設けたことを反映するため、(20)式及び(21)式において、屈折率Nに係数Iを乗じている。したがって、係数Iは、光ピックアップレンズのレンズ面に複数の輪帯状の区間を設けることによる屈折率Nの見かけ上の変調度合いを表している。そして、(27)式において、当該変調度合いの程度を規定している。
通常、使用温度Tdが設計温度Tcよりも上昇すると、屈折率Nは低下してしまう。そして、当該屈折率Nの低下により、球面収差が発生してしまう。そのため、当該球面収差を補正するために光ピックアップレンズのレンズ面に複数の輪帯状の区間を設けるということは、光ピックアップレンズの屈折率を見かけ上高くすることに相当する。そこで、(27)式では、Iの値を1.0以上1.1以下の範囲に規定している。
また、Iの値が1.1より大きくなるように複数の輪帯状の区間を光ピックアップレンズのレンズ面に設けると、反対に、補正過剰となってしまうなどの問題が生じてしまう。そこで、(27)式では、Iの値を1.1以下と規定している。
そして、第2の態様にかかる光ピックアップレンズは、(14)式乃至(27)式を満たすように設計されているため、第1の態様と同様の効果を奏することができる。
また、隣り合う前記輪帯状の区間の間には段差が形成されており、前記段差は、前記使用温度が前記設計温度からずれることによって発生する球面収差を低減する位相差を透過光に発生させるような段差量を有することが好ましい。
これにより、使用温度Tdが設計温度Tcからずれてしまっても、隣り合う輪帯状の区間を透過する透過光に当該温度変化によって発生する球面収差を低減する位相差が発生する。そのため、使用温度Tdが設計温度Tcからずれることによって生じる球面収差を低減することができる。
また、隣り合う前記輪帯状の区間の間には段差が形成されており、前記段差は、前記使用波長が前記設計波長からずれることによって発生する球面収差を低減する位相差を透過光に発生させるような段差量を有することが好ましい。
これにより、温度変化などにより、使用波長が設計波長からずれてしまっても、隣り合う輪帯状の区間を透過する透過光に当該波長変化によって発生する球面収差を低減する位相差が発生する。そのため、使用波長が設計波長からずれることによって生じる球面収差を低減することができる。
さらに、前記設計温度における物体距離を無限又は弱有限と仮定して設計されていることが好ましい。
これにより、光ピックアップレンズは、設計温度Tcにおいて平行光又はほぼ平行光(弱有限光)が入射することを想定して設計されることとなる。そのため、光ピックアップレンズをより容易に設計することができる。
また、前記有効径S(mm)は(28)式を満たすことがより好ましい。
1.5<S<3.8 ・・・・・・(28)
有効径S(mm)の値の範囲を(28)式で示す範囲とすることにより、(1)式乃至(13)式又は(14)乃至(27)式を満たす光ピックアップレンズをより容易に設計することができる。
さらに、前記有効径S(mm)及び前記中心厚d(mm)は(29)式を満たすことがより好ましい。
0.68<d/S<0.85 ・・・・・・(29)
有効径S(mm)及び中心厚d(mm)の値の範囲を(29)式で示す範囲とすることにより、(1)式乃至(13)式又は(14)乃至(27)式を満たす光ピックアップレンズをより容易に設計することができる。
また、前記光ディスクが2層以上の記録層を備える多層光ディスクである場合、前記設計透明基板厚Lは、何れかの記録層の透明基板厚に等しい厚さであることがより一層好ましい。
これにより、2層以上の記録層を備える多層光ディスクに用いられる光ピックアップレンズにおいても、第1の態様及び第2の態様と同様の効果を得ることができる。
さらに、前記設計透明基板厚Lは、0.0875(mm)であることがより一層好ましい。
これにより、設計透明基板厚Lを2層光ディスクの2層の記録層の透明基板厚のちょうど中間の厚さとすることができる。このとき、1層目の記録層に集光する際の球面収差と2層目の記録層に集光する際の球面収差とは、絶対値が同じで符号が逆の値となる。そのため、記録層間の透明基板厚の違いによって生じる球面収差をより容易に低減することができる。
また、さらに、焦点距離(mm)をfとした場合に、(30)式を満たすことがより好ましい。
0.9<f<2.3 ・・・・・(30)
焦点距離fの値の範囲を(30)式で示す範囲とすることにより、(1)式乃至(13)式又は(14)乃至(27)式を満たす光ピックアップレンズをより容易に設計することができる。
さらに、光ピックアップレンズは、樹脂材料、又は、樹脂材料に主に無機材料からなる材料を分散させた材料から成形されることがより好ましい。
これにより、屈折率変化量Δnが−0.0000930以上−0.0001250以下のレンズ材料として一般的なレンズ材料から第1の態様又は第2の態様と同様の効果を奏する光ピックアップレンズを製造することができる。
本発明により、NAが0.84以上において高温におけるレンズチルト感度を良好とすることができる。
本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズの他の例を示す側面図である。 レーザ光源側のレンズ面に回折輪帯構造が形成された光ピックアップレンズを示す側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズ100の一例を示す。図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズ100のレーザ光源側のレンズ面(以下、R1面と称する。)101及び光ディスク側のレンズ面(以下、R2面と称する。)102は、非球面形状となっている。
図2に、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズ200の他の例を示す。図2に示すように、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズ200は、R1面201が光軸を同心とする複数の輪帯状の区間(以下、単に、輪帯と称する。)に区切られていてもよい。また、R1面201の隣り合う輪帯の間には、段差が形成されている。換言すれば、R1面201は、段差により、複数の輪帯に分割されている。また、R1面201の各輪帯の面及びR2面202は、非球面形状となっている。
また、本発明の実施の形態にかかる光ピックアップレンズ100、200の開口数(NA)は、0.84以上となっている。また、本実施の形態にかかる光ピックアップレンズ100、200の使用波長は、395nm以上415nm以下となっている。そして、光ピックアップレンズ100、200は、例えば、BD(Blu−ray Disc)の記録層に対して、レーザ光を集光する。なお、光ピックアップレンズ100、200は、BD用の光ピックアップレンズに限られるものではない。
光ピックアップレンズ100、200の金型を切削又は研削により作製した。また、まず、光ピックアップレンズ100、200の形状に近い形状に金型を作製し、次いで、ニッケルメッキ等を施した後、切削又は研削により金型を完成させてもよい。さらに、耐性向上のため、金型に表面加工を施してもよい。
光ピックアップレンズ100、200の硝材としては、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂に代表される透明樹脂材料やガラス等を用いることができる。ただし、BDの記録再生には、通常、波長405nmのレーザ光を用いるため、波長395nmから415nmの範囲の波長のレーザ光の透過率が高い透明樹脂材料を用いることが好ましい。このような透明樹脂材料としては、シクロオレフィンポリマーや、環状オレフィンポリマーなどがある。また、これらの透明樹脂材料に、耐光性を向上させる添加剤を加えてもよい。光ピックアップレンズ100、200は、これら透明樹脂材料を射出成形して製造することができる。また、光ピックアップレンズ100、200は、2P(Photo−Polymer)法により成形されてもよい。また、光ピックアップレンズ100、200は、ある特定の波長で硬化する樹脂、例えば、紫外線硬化樹脂を金型に流しこんだ後に紫外線を照射して硬化させてもよい。また、エポキシなどの樹脂材料を金型に流しみ混合させて硬化させ、光ピックアップレンズ100、200を成形してもよい。また、特定の温度で硬化する樹脂を金型に流しみ混合させて硬化させ、光ピックアップレンズ100、200を成形してもよい。光ピックアップレンズ100、200の材料として、光学ガラスを用いてもよく研磨、または成形などを用いてもよい。
光ピックアップレンズ100のR1面101及び光ピックアップレンズ200のR1面201を次のように定義する。なお、本実施形態において、光ピックアップレンズ100及び光ピックアップレンズ200を定義する場合、光軸に対して平行な方向であって、R1面からR2面に向かう方向を正の方向とする。
まず、光ピックアップレンズ100のR1面101は、(31)式によって表される非球面形状となっている。
Figure 0005180138

(31)式において、Z(h)は、光軸からhの高さにおける光ピックアップレンズ100のR1面101のサグ量、hは、光軸からの高さ(光線高さ)、kは、光ピックアップレンズ100のR1面101の円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、・・・は、光ピックアップレンズ100のR1面101の非球面係数、Rは、曲率半径である。
次に、光ピックアップレンズ200のR1面201は、(32)式及び(33)式によって表される非球面形状となっている。
Figure 0005180138

Figure 0005180138

(32)式において、Z(h)は、光軸からhの高さにおける光ピックアップレンズ200のR1面201のサグ量を表す。(32)式に示すように、Z(h)は、GとZ1q(h)とによって表される。
は、第q輪帯の仮想軸上段差量(mm)である。光ピックアップレンズ200のR1面201には、輪帯構造が形成されている。そして、各輪帯は独立している。また、各輪帯は、R1面201のレンズ中心を含む中心輪帯(第1輪帯)より光軸方向に仮想軸上段差量G分シフトしている。この仮想軸上段差量G(mm)とは、各輪帯の非球面を仮想的に光軸(レンズ中心)へと延長した場合に、当該非球面と光軸との交点と、レンズ中心を有する中心輪帯(第1輪帯)と光軸との交点との距離である。また、光軸に平行な方向であって、R1面201からR2面202に向かう方向を正の方向として、仮想軸上段差量Gの符号を決定する。すなわち、各輪帯の非球面を仮想的に光軸(レンズ中心)へと延長した場合に、当該非球面と光軸との交点がレンズ中心を有する中心輪帯(第1輪帯)と光軸との交点よりR2面202側にあるとき、仮想軸上段差量Gの符号は、正となる。
(33)式において、Z1q(h)は、第q輪帯がR1面のレンズ中心、すなわち、第1輪帯の開始位置から形成されていたと仮定した場合における、第q輪帯の面のサグ量を表す。また、(33)式において、h1qは、第q輪帯の光軸からの高さ(光線高さ)、k1qは、第q輪帯の面の円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、・・・は、第q輪帯の面の非球面係数、Rは、第q輪帯の面の曲率半径である。
したがって、(33)式で表されるZ1q(h)と、仮想軸上段差量Gとの和であるZ(h)は、光軸からhの高さにおける光ピックアップレンズ200のR1面201のサグ量を表す。すなわち、光ピックアップレンズ200のR1面201の面形状は、(32)式及び(33)式によって表される面形状となっている。
また、光ピックアップレンズ100、200のR2面102、202は、(34)式によって表される単一非球面形状となっている。
Figure 0005180138

(34)式において、Z(h)は、光軸からhの高さにおける光ピックアップレンズ100、200のR2面102、202のサグ量、hは、光軸からの高さ(光線高さ)、kは、光ピックアップレンズ100、200のR2面102、202の円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、・・・は、光ピックアップレンズ100、200のR2面102、202の非球面係数、Rは、曲率半径である。
なお、光ピックアップレンズ100、200のR1面101、201又はR2面102、202は上述の面形状に限られるものではない。例えば、光ピックアップレンズ100のR1面101又は光ピックアップレンズ100、200のR2面201、202に構造体が形成されていてもよい。また、光ピックアップレンズ200のR1面201の面形状も上述の面形状に限られない。例えば、R1面101、201又はR2面201、202に、ある一定の幅と深さをもった輪帯が同心円状にまたはスパイラル状に形成されていてもよい。また、当該輪帯間に形成される段差は、光ピックアップレンズ100、200の光軸から外周側に向かうにつれて、サグ量が増加するように形成されていてもよいし、光ピックアップレンズ100、200の光軸から外周側に向かうにつれて、サグ量が低減するように形成されていてもよい。
また、当該輪帯間に形成される段差は、光ピックアップレンズ100、200の光軸から外周側に向かうにつれて、サグ量がいったん増加した後低減するように形成されていてもよい。また、当該輪帯間に形成される段差は、光ピックアップレンズ100、200の光軸から外周側に向かうにつれて、サグ量がいったん低減した後増加するように形成されていてもよい。
また、光ピックアップレンズ100、200に複数の当該輪帯が形成される場合には、光ピックアップレンズ100、200は、各輪帯での光の屈折を利用して集光するタイプ、隣り合う輪帯間で生じる光の干渉効果を利用して増幅された光を集光するタイプ、これら2つのタイプを包括するようなタイプのどのタイプであってもよい。そして、光ピックアップレンズ100、200のR1面101、201又はR2面102、202に複数の輪帯を形成する場合、各輪帯の面形状は同一の非球面形状であってもよいが、各輪帯の面形状はそれぞれ異なる非球面形状であってもよい。
また、光ピックアップレンズ100、200のR1面101、201又はR2面102、202に、反射防止膜や反射膜のような入射光の透過率を制御する膜が成膜されていてもよい。これらの膜の膜厚や材料は、所望する光ピックアップレンズ100、200の透過率性能を達成できるように選定される。また、これらの膜は、1層の薄膜からなる単層の構成でもよいし、複数の薄膜が積層された複数層の構成であってもよい。これらの膜を複数層の薄膜から構成する場合は、異なる材料の薄膜を交互に積層させてもよい。
薄膜の材料としては、AlF、AlN、Al、BaF、BeO、Bi、BiF、CaF、CdSe、CdS、CdTe、CeF、CeO、CsI、Cr、DyF、Fe、GaAs、GdF、Gd、Ge、HfO、HoF、In、ITO、LaF、La、LiF、MgF、MgO、NaF、NaAlF、Na、Al14、Nb、NdF、Nd、PbCl、PbF、PbTe、PbO、PbS、Pr11、Sb、Sb、ScSi、Si、SiO、Si、SiO、SnO、SrO、SrF、Ta、Te、Ti、TiN、TiNxWv、TiO、TlCl、ThF、ThO、V、WO、YF、Y、YbF、Yb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZrO等が挙げられる。
また、光ピックアップレンズ100は、以下の(1)式乃至(13)式を満たすように成形されている。
J−5≦Cc≦J+5 ・・・・・(1)
J=A+5×(L−0.0875)/(0.1−0.075)
・・・・・(2)
A=B+Cd ・・・・・(3)
B=−(C+D) ・・・・・(4)
C=S/1.6×E×(Td−Tc) ・・・・・(5)
D=S/1.6×F×(Td−Tc) ・・・・・(6)
E=0.48/(6.428×(N−1.515)+1)/(G+H)
・・・・・(7)
F=0.09×(−Δn−0.000123)/0.000023/(N/1.515)/(G+H)) ・・・・・(8)
G=(d/(S/1.6×1.108)) ・・・・・(9)
H=(d−(S/1.6×1.108))×0.98+1
・・・・・(10)
1.50≦N≦1.60 ・・・・・(11)
−0.0000930≦Δn≦−0.0001250 ・・・・・(12)
0.075≦L≦0.100 ・・・・・(13)
Tc:設計温度(℃)
Td:使用温度(℃)
Cc:設計温度Tc(℃)において透明基板厚L(mm)の位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
Cd:使用温度Td(℃)において透明基板厚0.100mmの位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
S:レーザ光源側のレンズ面の有効径(mm)
Δn:光ピックアップレンズ100の硝材の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量(/℃)
N:光ピックアップレンズ100の硝材の設計温度Tc(℃)における屈折率
d:光ピックアップレンズ100の中心厚(mm)
L:設計透明基板厚(mm)
一般に、正弦条件を守って光ピックアップレンズを設計した場合、使用温度Tdが設計温度Tcよりも上昇すると、レンズチルトによって発生する3次コマ収差が小さくなる。そのため、使用温度Tdにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を十分に低減できなくなってしまう。そこで、本発明では、使用温度Tdにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を相殺する3次コマ収差をレンズチルトによって発生させるために必要となる設計条件について規定した。換言すれば、本発明では、使用温度Tdにおいて十分な3次コマ収差を発生させるため、当該設計条件を正弦条件からどの程度外すのかについて規定した。
(11)式、(12)式、(13)式は、光ピックアップレンズ100の特性を規定する式である。また、当該設計条件を規定するにあたり、NAが0.85、有効径Sが1.60mm、中心厚dが1.108mm、屈折率が1.515、屈折率変化量が−0.0000950以上−0.0001234以下であるレンズを基準とした。そして、(9)式及び(10)式は、光ピックアップレンズ100の有効径S(mm)と中心厚d(mm)が基準となるレンズからずれるズレ量を設計条件に反映させるための式である。
一般に、屈折率が高いほど、高温におけるレンズチルトによって発生する3次コマ収差が小さくなる。すなわち、屈折率が高いほど、高温におけるレンズチルト感度が鈍くなる。そして、(7)式は、光ピックアップレンズ100の屈折率Nと基準となるレンズの屈折率とのズレ量を基準となるレンズのレンズチルト感度に反映させることにより、光ピックアップレンズ100の屈折率がレンズチルト感度に与える影響を規定する式である。
また、屈折率変化量が小さいほど、高温におけるレンズチルト感度が鈍くなる。また、屈折率が高いほど、相対的に、屈折率変化量がレンズチルト感度に与える影響が小さくなる。そして、(8)式は、光ピックアップレンズ100の屈折率変化量がレンズチルト感度に与える影響を規定する式である。
また、(5)式及び(6)式は、それぞれ、(7)式及び(8)式で表されるレンズチルト感度に、使用温度Tdと設計温度Tcとの差を乗じたものであり、光ピックアップレンズ100の屈折率及び屈折率変化量が、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を表す式である。
そして、(4)式は、(5)式及び(6)式で表される3次コマ収差にマイナスを乗じたものであり、(3)式は、(4)式で表される値Bと、使用温度Tdでレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdとを加算したものである。すなわち、(3)式は、使用温度Tdでレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdから、光ピックアップレンズ100の屈折率及び屈折率変化量が、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を差し引いた値を表す式である。
また、(2)式の第2項は、光ピックアップレンズ100の設計透明基板厚Lが、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を表すものである。したがって、(2)式は、使用温度Tdでレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdから、光ピックアップレンズ100の屈折率及び屈折率変化量が、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を差し引いた値Aに、光ピックアップレンズ100の設計透明基板厚Lが、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生する3次コマ収差に与える影響を加算した値を表す式である。
そして、(1)式は、設計温度Tcにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Ccが、(2)式で表される値Jに、その他の設計事項によるばらつきを加味した値の範囲内とするという設計条件を示す式である。
そして、実際に、光ピックアップレンズ100を設計する場合には、使用温度Tdにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を低減するのに十分な3次コマ収差の値を、設計温度Tdにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdの値として設定する。次いで、(2)式乃至(10)式に各値を代入することにより、Jの値を算出する。そして、(1)式に当該Jの値を代入し、設計温度Tcにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Ccが、(1)式を満たすように、光ピックアップレンズ100を設計する。
換言すれば、正弦条件よりある程度外れた設計条件で光ピックアップレンズ100を設計することにより、設計温度Tcにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Ccを余分に発生させる光ピックアップレンズ100を設計する。これにより、使用温度Tdにおいてレンズチルトによって発生させる3次コマ収差Cdの値を、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を低減するのに十分な値とすることができる。すなわち、(1)式乃至(13)式を満たすように光ピックアップレンズ100を設計することにより、設計温度Tcよりも高温の使用温度Tdにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を低減するのに十分な3次コマ収差をレンズチルトにより発生させることができる。したがって、設計温度Tcよりも高温の使用温度Tdにおけるレンズチルト感度が良好なNAが0.84以上の光ピックアップレンズ100を提供することができる。
また、光ピックアップレンズ200は、以下の(14)式乃至(27)式を満たすように成形されている。
J−5≦Cc≦J+5 ・・・・・(14)
J=A+5×(L−0.0875)/(0.1−0.075)
・・・・・(15)
A=B+Cd ・・・・・(16)
B=−(C+D) ・・・・・(17)
C=S/1.6×E×(Td−Tc) ・・・・・(18)
D=S/1.6×F×(Td−Tc) ・・・・・(19)
E=0.48/(6.428×(N×I−1.515)+1)/(G+H)
・・・・・(20)
F=0.09×(−Δn−0.000123)/0.000023/(N×I/1.515)/(G+H)) ・・・・・(21)
G=(d/(S/1.6×1.108)) ・・・・・(22)
H=(d−(S/1.6×1.108))×0.98+1
・・・・・(23)
1.50≦N≦1.60 ・・・・・(24)
−0.0000930≦Δn≦−0.0001250 ・・・・・(25)
0.075≦L≦0.100 ・・・・・(26)
1.0≦I≦1.1 ・・・・・(27)
Tc:設計温度(℃)
Td:使用温度(℃)
Cc:設計温度Tc(℃)において透明基板厚L(mm)の位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
Cd:使用温度Td(℃)において透明基板厚0.100mmの位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
S:レーザ光源側のレンズ面の有効径(mm)
Δn:光ピックアップレンズ200の硝材の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量(/℃)
N:光ピックアップレンズ200の硝材の設計温度Tc(℃)における屈折率
d:光ピックアップレンズ200の中心厚(mm)
L:設計透明基板厚(mm)
ここで、(14)式乃至(19)式及び(22)式乃至(26)式は、(1)式乃至(6)式及び(9)式及び(13)式と同じである。また、(20)式及び(21)式は、屈折率Nに係数Iを乗じている点のみが、(7)式及び(8)式と異なっている。
また、光ピックアップレンズ200は、R1面201が光軸を同心とする複数の輪帯状の区間(輪帯)に区切られている点が、光ピックアップレンズ100と異なっている。
通常、このような輪帯は、温度変化や波長変動によって発生する球面収差を低減するために設けられる。このような球面収差は、温度変化や波長変動によって光ピックアップレンズの屈折率が変化することが原因となって発生する。したがって、当該球面収差を補正するために光ピックアップレンズ200のR1面201にこのような複数の輪帯を設けるということは、光ピックアップレンズ200の屈折率を見かけ上変調させることに相当する。そこで、光ピックアップレンズ200のR1面201に複数の輪帯を設けたことを反映するため、(20)式及び(21)式において、屈折率Nに係数Iを乗じている。したがって、係数Iは、光ピックアップレンズ200のR1面201に複数の輪帯を設けることによる屈折率Nの見かけ上の変調度合いを表している。そして、(27)式において、当該変調度合いの程度を規定している。なお、光ピックアップレンズ200のR2面202にこのような複数の輪帯を設けてもよい。
通常、使用温度Tdが設計温度Tcよりも上昇すると、屈折率Nは低下してしまう。そして、当該屈折率Nの低下により、球面収差が発生してしまう。そのため、当該球面収差を補正するために光ピックアップレンズ200のレンズ面に複数の輪帯を設けるということは、光ピックアップレンズ200の屈折率を見かけ上高くすることに相当する。そこで、(27)式では、Iの値を1.0以上1.1以下の範囲に規定している。
また、Iの値が1.1より大きくなるように複数の輪帯を光ピックアップレンズ200のR1面201に設けると、反対に、補正過剰となってしまうなどの問題が生じてしまう。そこで、(27)式では、Iの値を1.1以下と規定している。
そして、光ピックアップレンズ200は、(14)式乃至(27)式を満たすように設計されているため、光ピックアップレンズ100と同様の効果を奏することができる。
また、光ピックアップレンズ200の隣り合う輪帯の間には段差が形成されている。そして、当該段差は、使用温度Tdが設計温度Tcからずれることによって発生する球面収差を低減する位相差を透過光に発生させるような段差量を有している。
これにより、使用温度Tdが設計温度Tcからずれてしまっても、隣り合う輪帯を透過する透過光に当該温度変化によって発生する球面収差を低減する位相差が発生する。そのため、使用温度Tdが設計温度Tcからずれることによって生じる球面収差を低減することができる。
また、当該段差は、使用波長が設計波長からずれることによって発生する球面収差を低減する位相差を透過光に発生させるような段差量を有していてもよい。
これにより、温度変化などにより、使用波長が設計波長からずれてしまっても、隣り合う輪帯を透過する透過光に当該波長変化によって発生する球面収差を低減する位相差が発生する。そのため、使用波長が設計波長からずれることによって生じる球面収差を低減することができる。
また、当該段差は、多層光ディスクの各記録層の透明基板厚の違いによって発生する球面収差を低減する位相差を透過光に発生させるような段差量を有していてもよい。
さらに、光ピックアップレンズ100、200は、設計温度Tcにおける物体距離を無限又は弱有限と仮定して設計されている。
これにより、光ピックアップレンズは、設計温度Tcにおいて平行光又はほぼ平行光(弱有限光)が入射することを想定して設計されることとなる。そのため、光ピックアップレンズ100、200をより容易に設計することができる。
また、光ピックアップレンズ100、200は、有効径S(mm)は(28)式を満たすように成形されていてもよい。
1.5<S<3.8 ・・・・・・(28)
有効径S(mm)の値の範囲を(28)式で示す範囲とすることにより、(1)式乃至(13)式又は(14)乃至(27)式を満たす光ピックアップレンズ100、200をより容易に設計することができる。
さらに、光ピックアップレンズ100、200は、有効径S(mm)及び中心厚d(mm)は(29)式を満たすように成形されていてもよい。
0.68<d/S<0.85 ・・・・・・(29)
有効径S(mm)及び中心厚d(mm)の値の範囲を(29)式で示す範囲とすることにより、(1)式乃至(13)式又は(14)乃至(27)式を満たす光ピックアップレンズ100、200をより容易に設計することができる。
また、光ピックアップレンズ100、200は、光ディスクが2層以上の記録層を備える多層光ディスクである場合、設計透明基板厚Lは、何れかの記録層の透明基板厚に等しい厚さとなるように成形されていてもよい。
これにより、2層以上の記録層を備える多層光ディスクに用いられる場合においても、光ピックアップレンズ100、200の上述の効果を発揮することができる。
さらに、光ピックアップレンズ100、200は、設計透明基板厚Lは、0.0875となるように成形されていてもよい。
これにより、設計透明基板厚Lを2層光ディスクの2層の記録層の透明基板厚のちょうど中間の厚さとすることができる。このとき、1層目の記録層に集光する際の球面収差と2層目の記録層に集光する際の球面収差とは、絶対値が同じで符号が逆の値となる。そのため、記録層間の透明基板厚の違いによって生じる球面収差をより容易に低減することができる。
また、さらに、光ピックアップレンズ100、200は、焦点距離(mm)をfとした場合に、(30)式を満たすように成形されていてもよい。
0.9<f<2.3 ・・・・・(30)
焦点距離fの値の範囲を(30)式で示す範囲とすることにより、(1)式乃至(13)式又は(14)乃至(27)式を満たす光ピックアップレンズ100、200をより容易に設計することができる。
さらに、光ピックアップレンズは、樹脂材料、又は、樹脂材料に主に無機材料からなる材料を分散させた材料から成形されていてもよい。
これにより、屈折率変化量Δnが−0.0000930以上−0.0001250以下のレンズ材料として一般的なレンズ材料から上述の効果を奏する光ピックアップレンズ100、200を製造することができる。
次に、本発明にかかる実施例を比較例とともに説明する。なお、本発明の範囲は、実施例により限定されるものではない。また、実施例及び比較例では、波面収差を測定しているが、波面収差の測定はフィゾー法、マッハチェンダー法、シャック-ハルトマン方式など、どの方式を用いてもよい。
実施例1乃至実施例64について、表1乃至表622を参照して説明する。また、比較例1乃至15について、表623乃至表725を参照して説明する。
なお、実施例1乃至実施例40、実施例43乃至実施例46、実施例63、実施例64は、図1に示す光ピックアップレンズ100に関する実施例である。また、実施例41、実施例42、実施例47乃至実施例62は、図2に示す光ピックアップレンズ200に関する実施例である。
表1、表8、表15、表22、表29、表36、表43、表50、表57、表64、表71、表78、表85、表92、表99、表106、表113、表120、表127、表134、表141、表148、表155、表162、表169、表176、表183、表190、表197、表204、表211、表218、表225、表232、表239、表246、表253、表260、表267、表274、表281、表298、表315、表323、表331、表339、表347、表364、表381、表394、表407、表422、表437、表450、表463、表485、表507、表526、表545、表562、表579、表594、表609、表616に、実施例1乃至実施例64にかかる光ピックアップレンズの特性を計算する際に用いた光学系データを示す。
また、表623、表630、表637、表644、表651、表658、表665、表672、表679、表686、表693、表699、表705、表712、表719に、比較例1乃至比較例15にかかる光ピックアップレンズの特性を計算する際に用いた光学系データを示す。
また、表2、表9、表16、表23、表30、表37、表44、表51、表58、表65、表72、表79、表86、表93、表100、表107、表114、表121、表128、表135、表142、表149、表156、表163、表170、表177、表184、表191、表198、表205、表212、表219、表226、表233、表240、表247、表254、表261、表268、表275、表282、表299、表316、表324、表332、表340、表348、表365、表382、表395、表408、表423、表438、表451、表464、表486、表508、表527、表546、表563、表580、表595、表610、表617に、実施例1乃至実施例64にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す。
また、表624、表631、表638、表645、表652、表659、表666、表673、表680、表687、表694、表700、表706、表713、表720に、比較例1乃至比較例15にかかる光ピックアップレンズのレンズデータを示す。
また、表3、表10、表17、表24、表31、表38、表45、表52、表59、表66、表73、表80、表87、表94、表101、表108、表115、表122、表129、表136、表143、表150、表157、表164、表171、表178、表185、表192、表199、表206、表213、表220、表227、表234、表241、表248、表255、表262、表269、表276、表317、表325、表333、表341、表611、表618に、実施例1乃至実施例40、実施例43乃至実施例46、実施例63、実施例64にかかる光ピックアップレンズのR1面の面形状を規定する非球面係数を示す。
また、表283乃至表293に、実施例41にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。また、表300乃至表310に、実施例42にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表349乃至表359に、実施例47にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表366乃至表376に、実施例48にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表383乃至表389に、実施例49にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表396乃至表402に、実施例50にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表409乃至表417に、実施例51にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表424乃至表432に、実施例52にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表439乃至表445に、実施例53にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表452乃至表458に、実施例54にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表465乃至表480に、実施例55にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表487乃至表502に、実施例56にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表509乃至表521に、実施例57にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表528乃至表540に、実施例58にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表547乃至表557に、実施例59にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表564乃至表574に、実施例60にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表581乃至表589に、実施例61にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。表596乃至表604に、実施例62にかかる光ピックアップレンズのR1面の各輪帯の面形状を規定する非球面係数を示す。
また、表625、表632、表639、表646、表653、表660、表667、表674、表681、表688、表695、表701、表707、表714、表721に、比較例1乃至比較例15にかかる光ピックアップレンズのR1面の面形状を規定する非球面係数を示す。
また、表4、表11、表18、表25、表32、表39、表46、表53、表60、表67、表74、表81、表88、表95、表102、表109、表116、表123、表130、表137、表144、表151、表158、表165、表172、表179、表186、表193、表200、表207、表214、表221、表228、表235、表242、表249、表256、表263、表270、表277、表294、表311、表318、表326、表334、表342、表360、表377、表390、表403、表418、表433、表446、表459、表481、表503、表522、表541、表558、表575、表590、表605、表612、表619に、実施例1乃至実施例64にかかる光ピックアップレンズのR2面の面形状を規定する非球面係数を示す。
また、表626、表633、表640、表647、表654、表661、表668、表675、表682、表689、表696、表702、表708、表715、表722に、比較例1乃至比較例15にかかる光ピックアップレンズのR2面の面形状を規定する非球面係数を示す。
また、表5、表12、表19、表26、表33、表40、表47、表54、表61、表68、表75、表82、表89、表96、表103、表110、表117、表124、表131、表138、表145、表152、表159、表166、表173、表180、表187、表194、表201、表208、表215、表222、表229、表236、表243、表250、表257、表264、表271、表278、表295、表312、表319、表327、表335、表343、表361、表378、表391、表404、表419、表434、表447、表460、表482、表504、表523、表542、表559、表576、表591、表606、表613、表620に、実施例1乃至実施例64にかかる光ピックアップレンズのレンズ材料及び光ディスクの透明基板の材料の屈折率及び温度上昇1℃あたりの屈折率変化量を示す。
また、表627、表634、表641、表648、表655、表662、表669、表676、表683、表690、表697、表703、表709、表716、表723に、比較例1乃至比較例15にかかる光ピックアップレンズのレンズ材料及び光ディスクの透明基板の材料の屈折率及び温度上昇1℃あたりの屈折率変化量を示す。
また、表320、表328、表336、表344に、実施例43乃至実施例46にかかる光ピックアップレンズのレンズ材料及び光ディスクの透明基板の材料の屈折率及び長波長方向への波長変化1nmあたりの屈折率変化量を示す。
また、表6、表13、表20、表27、表34、表41、表48、表55、表62、表69、表76、表83、表90、表97、表104、表111、表118、表125、表132、表139、表146、表153、表160、表167、表174、表181、表188、表195、表202、表209、表216、表223、表230、表237、表244、表251、表258、表265、表272、表279、表296、表313、表321、表329、表337、表345、表362、表379、表392、表405、表420、表435、表448、表461、表483、表505、表524、表543、表560、表577、表592、表607、表614、表621に、実施例1乃至実施例64にかかる光ピックアップレンズにおいて、レンズチルトによって発生する3次コマ収差を示す。
また、表628、表635、表642、表649、表656、表663、表670、表677、表684、表691、表698、表704、表710、表717、表724に、比較例1乃至比較例15にかかる光ピックアップレンズにおいて、レンズチルトによって発生する3次コマ収差を示す。
また、表7、表14、表21、表28、表35、表42、表49、表56、表63、表70、表77、表84、表91、表98、表105、表112、表119、表126、表133、表140、表147、表154、表161、表168、表175、表182、表189、表196、表203、表210、表217、表224、表231、表238、表245、表252、表259、表266、表273、表280、表297、表314、表322、表330、表338、表346、表363、表380、表393、表406、表421、表436、表449、表462、表484、表506、表525、表544、表561、表578、表593、表608、表615、表622に、実施例1乃至実施例64にかかる光ピックアップレンズにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を示す。
また、表629、表636、表643、表650、表657、表664、表671、表678、表685、表692、表711、表718、表725に、比較例1乃至比較例10、比較例13乃至比較例15にかかる光ピックアップレンズにおいて、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を示す。
実施例1乃至実施例64では、光ピックアップレンズのR1面に平行光が入射する場合を想定して設計を行った。換言すれば、光ピックアップレンズの物体距離を無限遠とした。また、光ピックアップレンズの設計温度Tcを35℃とした。また、光ピックアップレンズの設計透明基板厚Lを0.0875mmとした。設計温度Tcを35℃としたのは、室温環境且つ密閉された電気機器を想定した場合の光ディスクドライブの初期温度が35℃程度であるためである。また、設計透明基板厚Lを0.0875mmとしたのは、光ディスクとして2層の記録層を有する2層BDを想定したためである。2層BDの各記録層の透明基板厚はそれぞれ0.0750mmと0.100mmである。そこで、設計透明基板厚Lをこれら2つの透明基板厚の中間の基板厚とした。設計温度Tcが35℃の場合、透明基板厚0.0750mmの位置と透明基板厚0.100mmの位置との中間の位置において、物体距離が無限となっている。そのため、収束光が入射する場合と発散光が入射する場合とのバランスをとって、簡易且つ容易に、光ピックアップレンズを設計することができる。そして、最も使用頻度の高い温度と考えられる設計温度Tcにおいて、収束光が入射する場合と発散光が入射する場合とのバランスをとることは重要である。そのため、設計透明基板厚Lを、2層の記録層の中間の透明基板厚とした。
正弦条件を満たす設計について説明する。一般に、ディスクチルト(α)、レンズチルト(β)、画角特性(γ)を全て同一の角度ずつ傾けた場合、3次コマ収差については、α+β+γ=0が成り立つ。そして、正弦条件を満たす設計を行った場合、γ≒0となる。そのため、正弦条件を満たす設計を行った場合、α≒−βとなる。ここで、ディスクチルトとは、光ディスクを傾けた場合に発生する波面収差を表している。そのため、NAが同一で、波面収差が略同じ光ピックアップレンズでは、ディスクチルトの値は、当該光ピックアップレンズの大小や中心厚に依存しないはずである。そして、正弦条件を満たす設計を行った場合、α≒−βとなるため、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差をレンズチルトによって発生する3次コマ収差によって相殺することができる。
実施例1において、表6に示すように、光ピックアップレンズがレーザ光を透明基板厚が0.0750mmの位置に集光する場合の方が、透明基板厚が0.100mmの位置に集光する場合に比べて、全ての温度において、レンズチルトによって発生する3次コマ収差が大きくなっている。他の実施例においても、同様の結果となっている。そのため、光ピックアップレンズがレーザ光を透明基板厚が0.0750mmの位置に集光する場合の方が、透明基板厚が0.100mmの位置に集光する場合に比べて、高温においてディスクチルトによって発生する3次コマ収差をレンズチルトによって発生する3次コマ収差によってより低減することができる。すなわち、光ピックアップレンズがレーザ光を透明基板厚が0.0750mmの位置に集光する場合の方が、透明基板厚が0.100mmの位置に集光する場合に比べて、レンズチルト感度が良好となっている。したがって、高温において良好なレンズチルト感度を有する光ピックアップレンズを設計するためには、高温において透明基板厚0.100mmの位置に集光する場合に、良好なレンズチルト感度を有するように光ピックアップレンズを設計する必要がある。
実施例1乃至実施例40、実施例43乃至実施例46、実施例63、実施例64は、図1に示す光ピックアップレンズ100に関する実施例である。
実施例1乃至実施例8は、有効径Sが1.60mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例9乃至実施例16は、有効径Sが2.40mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例17乃至実施例24は、有効径Sが2.00mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例25乃至実施例32は、有効径Sが3.00mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例33乃至実施例40は、有効径Sが3.74mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例1乃至実施例40では、光ピックアップレンズの温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、−0.0001234/℃又はー0.0001000/℃となっている。
また、実施例43乃至実施例46は、有効径Sが2.40mmであり、長波長方向への波長変化1nmあたりの屈折率変化量Δn1が−0.00013である光ピックアップレンズに関するものである。
また、実施例63及び実施例64は、有効径Sが2.40mmであり、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が−0.0000950/℃である光ピックアップレンズに関するものである。
また、実施例41、実施例42、実施例47乃至実施例62は、図2に示す光ピックアップレンズ200に関する実施例である。
実施例41及び実施例42は、有効径Sが2.40mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例41における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は−0.0001234/℃となっており、実施例42における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は−0.0001000/℃となっている。
実施例47乃至実施例54は、有効径Sが1.60mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例55乃至実施例62は、有効径が3.74mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例47乃至実施例62では、光ピックアップレンズの温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、−0.0001234/℃又は−0.0000950/℃となっている。
また、実施例47及び実施例48では、中心厚dが1.108000mmとなっている。実施例49及び実施例50では、中心厚dが1.327947mmとなっている。実施例51及び実施例52では、中心厚dが1.108000mmとなっている。実施例53及び実施例54では、中心厚dが1.327469mmとなっている。実施例55及び実施例56では、中心厚dが2.596000mmとなっている。実施例57及び実施例58では、中心厚dが3.112500mmとなっている。実施例59及び実施例60では、中心厚dが2.596000mmとなっている。実施例61及び実施例62では、中心厚dが3.112500mmとなっている。
比較例1乃至比較例15は、図1に示す光ピックアップレンズ100と同様に、R1面及びR2面に輪帯が形成されていない光ピックアップレンズに関するものである。比較例1乃至比較例15においても、実施例1乃至実施例64と同様に、R1面に平行光が入射する場合を想定して設計を行っている。また、比較例1乃至比較例15においても、実施例1乃至実施例64と同様に、設計温度Tcを35℃とし、設計透明基板厚を0.0875mmとした。
比較例1及び比較例2は、有効径Sが1.60mmである光ピックアップレンズに関するものである。比較例3及び比較例4は、有効径Sが2.00mmである光ピックアップレンズに関するものである。比較例5及び比較例6、比較例11乃至比較例15は、有効径Sが2.40mmである光ピックアップレンズに関するものである。比較例7及び比較例8は、有効径Sが3.00mmである光ピックアップレンズに関するものである。比較例9及び比較例10は、有効径Sが3.74mmである光ピックアップレンズに関するものである。
また、比較例1乃至比較例14においては、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、−0.0001234/℃又は−0.0001000/℃となっている。また、比較例15においては、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、−0.0000050/℃となっている。
また、比較例1乃至10、比較例15ではNAが0.85となっているのに対し、比較例11乃至14ではNAが0.65となっている。
また、比較例1乃至12、比較例15では設計波長が405nmとなっているのに対し、比較例13及び比較例14では設計波長が660nmとなっている。
表723に示すように、比較例15における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、−0.0000050/℃となっている。この屈折率変化量の値は、ガラスなどの屈折率変化量の値と同程度である。したがって、比較例15は、ガラスなどの温度変化に対する屈折率があまり変化しない硝材により形成された光ピックアップレンズを想定した比較例である。表724に示すように、比較例15においては、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.025λrmsである。これに対して、比較例15においては、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.017λrmsである。このように、ガラスのように温度上昇にともなう屈折率の変化が少ない材料から形成された光ピックアップレンズにおいては、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の温度上昇にともなう減少は小さい。
また、表725に示すように、比較例15においては、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のディスクチルトによって生じる3次コマ収差は、0.029λrmsである。一方、上述の通り、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.025λrmsである。したがって、比較例15にかかる光ピックアップレンズは、ほぼ正弦条件を満たすように設計されているので、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値と、0.3°のディスクチルトによって生じる3次コマ収差の値とは、絶対値がほぼ同じで、符号が逆となっている。つまり、ガラスのように温度上昇にともなう屈折率の変化が小さい材料から光ピックアップレンズを形成した場合、正弦条件をほぼ満たすように光ピックアップレンズを設計すれば、85℃のような高温の使用温度において、光ピックアップレンズにより光ディスクの透明基板厚0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合においても、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は、0.3°のディスクチルトによって生じる3次コマ収差を低減するのに十分な値となる。
比較例13及び比較例14では、表706及び表713に示すように、設計温度35℃における屈折率が1.515であり、NAが0.65であり、設計波長が660nmであり、設計透明基板厚が0.6mmとなっている。したがって、比較例13及び比較例14は、DVD用の光ピックアップレンズに関するものである。また、表709及び表716に示すように、比較例13及び比較例14における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、それぞれ、−0.0001234/℃及び−0.0001000/℃となっている。したがって、比較例13及び比較例14では、ガラスなどよりも温度上昇にともなう屈折率の変化が大きい硝材から形成されたDVD用の光ピックアップレンズに関する。
比較例13では、表710に示すように、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.6000mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.035λrmsである。また、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.600mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.030λrmsである。したがって、使用温度が設計温度よりも上昇しても、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は変化しない。
また、比較例14では、表717に示すように、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.6000mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.035λrmsである。また、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.600mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.031λrmsである。したがって、使用温度が設計温度よりも上昇しても、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は変化しない。
そして、比較例13と比較例14では、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が異なっているが、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値はほとんど変わりがないことが分かる。
比較例11及び比較例12では、表694及び表700に示すように、設計温度35℃における屈折率が1.515であり、NAが0.65であり、設計波長が405nmとなっている。したがって、比較例11及び比較例12は、NAがBD用の光ピックアップレンズのNAよりも低い光ピックアップレンズに関するものである。また、表697及び表703に示すように、比較例11及び比較例12における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、それぞれ、−0.0001234/℃及び−0.0001000/℃となっている。したがって、比較例11及び比較例12では、ガラスなどよりも温度上昇にともなう屈折率の変化が大きい硝材から形成された、NAがBDのNAよりも低い光ピックアップレンズに関する。
比較例11では、表698に示すように、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.012λrmsである。また、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、+0.003λrmsである。したがって、使用温度が設計温度よりも上昇することによって、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は小さくなり、使用温度85℃においては、符号が逆転してしまっている。そして、使用温度75℃以上の温度においては、レンズチルト感度がなくなってしまっていることが分かる。
比較例12では、表704に示すように、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.012λrmsである。また、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、0.000λrmsである。したがって、使用温度が設計温度よりも上昇することによって、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は小さくなり、使用温度85℃においては、レンズチルト感度がなくなってしまっていることが分かる。
そして、比較例12における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、比較例11における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1よりも小さいため、比較例12においてレンズチルト感度がなくなってしまう温度は比較例11に比べて高温となっていることが分かる。
比較例5及び比較例6では、表652及び表659に示すように、設計温度35℃における屈折率が1.515であり、NAが0.85であり、設計波長が405nmとなっている。また、表655及び表662に示すように、比較例5及び比較例6における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、それぞれ、−0.0001234/℃及び−0.0001000/℃となっている。したがって、比較例5及び比較例6は、ガラスなどよりも温度上昇にともなう屈折率の変化が大きい硝材から形成された、BD用の光ピックアップレンズに関するものであり、比較例11及び比較例12とは、NAの値が異なっている。
比較例5では、表656に示すように、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.025λrmsである。また、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、+0.009λrmsである。したがって、使用温度が設計温度よりも上昇することによって、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は小さくなり、使用温度85℃においては、符号が逆転してしまっている。そして、使用温度75℃以上の温度においては、レンズチルト感度がなくなってしまっていることが分かる。
比較例6では、表663に示すように、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.025λrmsである。また、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、0.004λrmsである。したがって、使用温度が設計温度よりも上昇することによって、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は小さくなり、使用温度85℃においては、レンズチルト感度がなくなってしまっていることが分かる。
そして、比較例6における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、比較例5における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1よりも小さいため、比較例6においてレンズチルト感度がなくなってしまう温度は比較例5に比べて高温となっていることが分かる。
また、比較例5及び比較例6では、正弦条件をほぼ満たすように光ピックアップレンズが設計されている。しかし、上述の通り、正弦条件を満たすという一般的な設計では、使用温度75℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、0.3°のディスクチルトによって生じる3次コマ収差を低減するのに十分な値とはならない。したがって、正弦条件を満たすという一般的な設計では、高温では不具合を起こしてしまうことが推測される。
比較例5及び比較例6と、比較例11及び比較例12とでは、NAの大きさが異なっている。具体的には、比較例5及び比較例6におけるNAは、0.85であり、比較例11及び比較例12におけるNAは、0.65となっている。
そして、比較例5及び比較例6において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.034λrmsと0.029λrmsである。これに対して、比較例11及び比較例12において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.015λrmsと0.012λrmsである。
また、比較例5及び比較例6と、比較例15とでは、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が異なっている。具体的には、比較例5及び比較例6における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、それぞれ、−0.0001234/℃及び−0.0001000/℃となっている。比較例15における温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、−0.0000050/℃となっている。
そして、比較例15において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、0.008λrmsである。
したがって、温度上昇にともなう屈折率の変化が大きい材料で形成され、NAが高いBD用の光ピックアップレンズ(すなわち、比較例5及び比較例6にかかる光ピックアップレンズ)において、一番、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差が大きくなっている。換言すれば、温度上昇にともなう屈折率の変化が大きい材料で形成され、NAが高いBD用の光ピックアップレンズにおいて、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する際のレンズチルト感度と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する際のレンズチルト感度との差が大きくなっている。したがって、温度上昇にともなう屈折率の変化が大きい材料で形成され、NAが高いBD用の光ピックアップレンズでは、高温における不具合を起こしやすくなってしまう。
これに対し、比較例13及び比較例15では、使用温度が設計温度からずれても、レンズチルト感度はほとんど変わっていない。したがって、使用温度が設計温度より上昇することによるレンズチルト感度の変動は、温度上昇にともなう屈折率の変化が大きい材料で形成されたNAが高いBD用の光ピックアップレンズに特有の問題であることが分かる。
実施例9では、表62に示すように、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.004λrmsである。また、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.035λrmsである。したがって、使用温度が設計温度よりも上昇することによって、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は小さくなるが、比較例5のように、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値の符号は変わっていない。すなわち、使用温度が設計温度よりも上昇して、使用温度が85℃になっても、レンズチルト感度がなくなっていないことが分かる。そのため、実施例9では、85℃においても、レンズチルトによる3次コマ収差によって、ディスクチルトによって生じる3次コマ収差を低減することができる。
実施例10の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量は、実施例9よりも小さい。そして、実施例10では、表69に示すように、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.009λrmsである。また、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.035λrmsである。したがって、使用温度が設計温度よりも上昇することによって、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値は小さくなるが、比較例6のように、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値の符号は変わっていない。すなわち、使用温度が設計温度よりも上昇して、使用温度が85℃になっても、レンズチルト感度がなくなっていないことが分かる。そのため、実施例10では、85℃においても、レンズチルトによる3次コマ収差によって、ディスクチルトによって生じる3次コマ収差を低減することができる。
実施例9及び実施例10では、正弦条件を若干満たさない設計を行っている。これにより、設計温度35℃においてレンズチルトによる3次コマ収差を余分に発生させる。そして、このような設計を行うことにより、設計温度より高温の使用温度において、ディスクチルトによる3次コマ収差を低減するのに十分な値の3次コマ収差をレンズチルトによって発生させている。
実施例13及び実施例14では、設計温度35℃における屈折率が実施例9及び実施例10よりも高くなっている。
実施例13では、表90に示すように、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.007λrmsである。また、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.030λrmsである。
実施例14の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量は、実施例13よりも小さい。そして、実施例14では、表97に示すように、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.010λrmsである。また、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.030λrmsである。
したがって、実施例13及び実施例14では、85℃においても、レンズチルトによる3次コマ収差によって、ディスクチルトによって生じる3次コマ収差を低減することができる。
また、実施例9及び実施例10において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.031λrmsと0.026λrmsである。これに対して、実施例13及び実施例14において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.023λrmsと0.020λrmsである。このことから、設計温度35℃における屈折率が高い方が、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差が小さくなることが分かる。したがって、設計温度35℃における屈折率が高い方が、正弦条件を若干満たさないように光ピックアップレンズを設計することによって35℃においてレンズチルトによって生じる3次コマ収差を余分に発生させる量を小さくすることができることが分かる。
実施例11及び実施例12では、中心厚が実施例9及び実施例10よりも厚くなっている。
実施例11では、表76に示すように、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.008λrmsである。また、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.034λrmsである。
実施例12の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量は、実施例11よりも小さい。そして、実施例12では、表83に示すように、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.012λrmsである。また、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.034λrmsである。
したがって、実施例11及び実施例12では、85℃においても、レンズチルトによる3次コマ収差によって、ディスクチルトによって生じる3次コマ収差を低減することができる。
また、実施例11及び実施例12において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.026λrmsと0.022λrmsである。これに対して、実施例9及び実施例10において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.031λrmsと0.026λrmsである。このことから、中心厚が厚い方が、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差が小さくなることが分かる。したがって、中心厚が厚い方が、正弦条件を若干満たさないように光ピックアップレンズを設計することによって35℃においてレンズチルトによって生じる3次コマ収差を余分に発生させる量を小さくすることができることが分かる。
実施例15及び実施例16では、設計温度35℃における屈折率が実施例9及び実施例10よりも高くなっており、中心厚が実施例9及び実施例10よりも厚くなっている。
実施例15では、表104に示すように、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.009λrmsである。また、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.024λrmsである。
実施例16の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量は、実施例15よりも小さい。そして、実施例16では、表111に示すように、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.011λrmsである。また、設計温度35℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.024λrmsである。
したがって、実施例15及び実施例16では、85℃においても、レンズチルトによる3次コマ収差によって、ディスクチルトによって生じる3次コマ収差を低減することができる。
また、実施例15及び実施例16において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.015λrmsと0.013λrmsである。これに対して、実施例9及び実施例10において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.031λrmsと0.026λrmsである。また、実施例11及び実施例12において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.026λrmsと0.022λrmsである。また、実施例13及び実施例14において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.023λrmsと0.020λrmsである。このことから、設計温度35℃における屈折率がより高く、中心厚がより厚い方が、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差が小さくなることが分かる。したがって、設計温度35℃における屈折率がより高く、中心厚がより厚い方が、正弦条件を若干満たさないように光ピックアップレンズを設計することによって35℃においてレンズチルトによって生じる3次コマ収差を余分に発生させる量を小さくすることができることが分かる。
次に、高温におけるレンズチルトによって生じる3次コマ収差への有効径の影響について説明する。上述した実施例9乃至実施例16及び比較例5及び比較例6及び比較例11乃至比較例15は、有効径Sが2.40mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例1乃至実施例8及び比較例1及び比較例2は、有効径Sが1.60mmである光ピックアップレンズに関するものである。実施例17乃至実施例24及び比較例3及び比較例4は、有効径Sが2.00mmである光ピックアップレンズに関するものである。実施例25乃至実施例32及び比較例7及び比較例8は、有効径Sが3.00mmである光ピックアップレンズに関するものである。実施例33乃至実施例40及び比較例9及び比較例10は、有効径Sが3.74mmである光ピックアップレンズに関するものである。
比較例1及び比較例2においては、正弦条件をほぼ守るように光ピックアップレンズを設計している。しかし、比較例1及び比較例2においては、設計温度35℃よりも高い使用温度85℃において、レンズチルト感度が残っている。また、実施例1及び実施例2では、NA、35℃における屈折率、温度上昇に対する屈折率Δn1、中心厚、設計波長が比較例1及び比較例2と等しくなっている。しかし、実施例1及び実施例2では、正弦条件を若干満たさないように光ピックアップレンズを設計している。これにより、設計温度35℃よりも高温の使用温度85℃においても、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差を比較例1及び比較例2よりも大きくすることができる。そこで、NAが0.85、有効径Sが1.60mm、中心厚dが1.108mm、設計温度35℃における屈折率が1.515、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が−0.001000/℃以上−0.001234/℃である光ピックアップレンズを基準のレンズとした。そして、設計温度より高温の使用温度において、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を相殺するのに十分な3次コマ収差をレンズチルトによって発生させるために、正弦条件からどの程度満たさない設計条件にするかについて、当該光ピックアップレンズを基準のレンズとして、上述の(1)式乃至(13)式を導き出した。そして、実施例1乃至実施例40、実施例43乃至実施例46、実施例63、実施例64において、上述の(1)式乃至(13)式を満たすように光ピックアップレンズを設計した。
さらに、(12)式においては、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、−0.000930/℃以上−0.001234/℃以下となっている。そこで、実施例63及び実施例64において、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が−0.000930/℃以上−0.001000/℃以下である場合について説明する。
実施例63は、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が−0.000950/℃である点が、実施例10と異なっている。そして、表614に示すように、実施例63において、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.010λrmsである。
また、実施例64は、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が−0.000950/℃である点が、実施例14と異なっている。そして、表621に示すように、実施例64において、使用温度85℃において、光ピックアップレンズによって、光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差は、−0.011λrmsである。
したがって、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が−0.000950/℃においても、設計温度35℃よりも高温の使用温度において、ディスクチルトによって生じる3次コマ収差をレンズチルトによって生じる3次コマ収差で低減することができる。また、温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1が−0.000950/℃においても、同様の効果が期待できる。
実施例43及び実施例45においては、設計波長がそれぞれ395nm、412nmとなっている点が、実施例9と異なっている。また、実施例44及び実施例46においては、設計波長がそれぞれ395nm、412nmとなっている点が、実施例10と異なっている。また、表320、表328、表336、表344に示すように、実施例43乃至実施例46においては、長波長方向への波長変化1nmあたりの屈折率変化量Δn1は、−0.00013/℃となっている。
そして、表321、表329、表337、表345に示すように、実施例43乃至実施例46においては、設計温度35℃より高温の使用温度85℃においても、レンズチルト感度が残っている。したがって、BDの設計波長405nmから大きくずれない波長範囲においては、(1)式乃至(13)式を満たすことにより、設計温度よりも高温において良好なレンズチルト感度を得ることができる。
次に、図2に示す光ピックアップレンズ200に関する実施例41、実施例42、実施例47乃至実施例62について説明する。実施例41、実施例42、実施例47乃至実施例62にかかる光ピックアップレンズのR1面には、複数の輪帯が形成されている。そして、実施例41、実施例42、実施例47乃至実施例62において、上述の(14)式乃至(27)式を満たすように光ピックアップレンズを設計した。
実施例41及び実施例42においては、有効径Sが2.40mmとなっている。したがって、実施例41及び実施例42では、有効径Sが2.40mmの光ピックアップレンズにおいて、R1面に輪帯を設けることによる影響について説明する。
実施例41及び実施例42においては、R1面に輪帯を設けている点が、実施例9及び実施例10と異なっている。
実施例41では、表296に示すように、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、0.024λrmsとなっている。この値は、実施例9の当該値とほぼ同じになっている。
また、実施例42では、表313に示すように、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、0.021λrmsとなっている。この値は、実施例10の当該値とほぼ同じになっている。
したがって、(14)式乃至(27)式を満たすように光ピックアップレンズを設計することにより、R1面に輪帯を設けても、設計温度よりも高温において良好なレンズチルト感度を得ることができる。
実施例47及び実施例48は、有効径Sが1.60mm、中心厚dが1.108mm、35℃における屈折率が1.515、設計透明基板厚が0.0875mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例47及び実施例48の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、それぞれ、−0.0001234/℃及び−0.0000950/℃となっている。
実施例49及び実施例50は、中心厚dが1.327947mmであり、実施例47及び実施例48より厚くなっている。
実施例51及び実施例52は、35℃における屈折率が1.585であり、実施例47及び実施例48より高くなっている。
実施例53及び実施例54は、中心厚dが1.327947mmであり、実施例47及び実施例48より厚くなっており、35℃における屈折率が1.585であり、実施例47及び実施例48より高くなっている。
そして、表362、表379、表392、表405、表420、表435、表448、表461に示すように、実施例47乃至実施例54において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する際のレンズチルト感度が残っている。さらに、実施例47乃至実施例54において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.016λrms、0.013λrms、0.016λrms、0.015λrms、0.010λrms、0.009λrms、0.008λrms、0.007λrmsとなっている。
したがって、R1面に複数の輪帯を設けた場合でも、(14)式乃至(27)式を満たすように光ピックアップレンズを設計することにより、設計温度よりも高温において良好なレンズチルト感度を得ることができることが分かる。
さらに、実施例47及び実施例48と実施例49及び実施例50との比較から、中心厚が厚い方が、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差が小さくなることが分かる。また、実施例47及び実施例48と実施例51及び実施例52との比較から、設計温度35℃における屈折率がより高い方が、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差が小さくなることが分かる。このことから、R1面に輪帯を設けた場合においても、設計温度35℃における屈折率がより高く、中心厚がより厚い方が、正弦条件を若干満たさないように光ピックアップレンズを設計することによって35℃においてレンズチルトによって生じる3次コマ収差を余分に発生させる量を小さくすることができることが分かる。
実施例55及び実施例56は、有効径Sが3.74mm、中心厚dが2.596mm、35℃における屈折率が1.515、設計透明基板厚が0.0875mmである光ピックアップレンズに関するものである。また、実施例55及び実施例56の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量Δn1は、それぞれ、−0.0001234/℃及び−0.0000950/℃となっている。したがって、実施例55及び実施例56は、有効径Sと中心厚dが実施例47及び実施例48より大きくなっている点以外は、実施例47及び実施例48と設計条件が同じとなっている。
実施例57及び実施例58は、中心厚dが3.1125mmであり、実施例55及び実施例56より厚くなっている。
実施例59及び実施例60は、35℃における屈折率が1.585であり、実施例55及び実施例56より高くなっている。
実施例61及び実施例62は、中心厚dが3.1125mmであり、実施例55及び実施例56より厚くなっており、35℃における屈折率が1.585であり、実施例55及び実施例56より高くなっている。
そして、表483、表505、表524、表543、表560、表577、表592、表607に示すように、実施例55乃至実施例62において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する際のレンズチルト感度が残っている。さらに、実施例55乃至実施例62において、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差は、それぞれ、0.030λrms、0.025λrms、0.024λrms、0.020λrms、0.027λrms、0.023λrms、0.019λrms、0.015λrmsとなっている。
したがって、有効径Sが1.60mmの場合と同様に、有効径Sが3.74mmの場合においても、R1面に複数の輪帯を設けても、(14)式乃至(27)式を満たすように光ピックアップレンズを設計することにより、設計温度よりも高温において良好なレンズチルト感度を得ることができることが分かる。
さらに、実施例55乃至実施例62の比較から、有効径Sが1.60mmの場合と同様に、有効径Sが3.74mmの場合においても、R1面に輪帯を設けても、設計温度35℃における屈折率がより高く、中心厚がより厚い方が、正弦条件を若干満たさないように光ピックアップレンズを設計することによって35℃においてレンズチルトによって生じる3次コマ収差を余分に発生させる量を小さくすることができることが分かる。
また、(14)式乃至(27)式では、Iという値を用いている点のみが、(1)式乃至(13)式とは異なっている。これは、R1面に複数の輪帯を設けた場合では、(1)式乃至(13)式をそのまま適用しても、設計温度より高温の使用温度において良好なレンズチルトによる3次コマ収差を得ることが難しいためである。これは、R1面に複数の輪帯を設けた方が、R1面に複数の輪帯を設けない場合より、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差が小さくなるためである。具体的には、例えば、実施例9及び実施例10と実施例41及び実施例42とを比較すると、R1面に複数の輪帯を設けた方が、R1面に複数の輪帯を設けない場合より、使用温度85℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差と、設計温度35℃において光ピックアップレンズによって光ディスクの透明基板厚が0.0875mmの位置にレーザ光を集光する場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差との差が小さくなることが分かる。そこで、R1面に複数の輪帯を設けたことによる影響をIという値を用いて反映させた。
具体的には、このような輪帯は、温度変化や波長変動によって発生する球面収差を低減するために設けられる。このような球面収差は、温度変化や波長変動によって光ピックアップレンズの屈折率が変化することが原因となって発生する。したがって、当該球面収差を補正するために光ピックアップレンズのR1面にこのような複数の輪帯を設けるということは、光ピックアップレンズの屈折率を見かけ上変調させることに相当する。そこで、光ピックアップレンズのR1面に複数の輪帯を設けたことを反映するため、(20)式及び(21)式において、屈折率Nに係数Iを乗じている。したがって、係数Iは、光ピックアップレンズのR1面に複数の輪帯を設けることによる屈折率Nの見かけ上の変調度合いを表している。そして、(27)式において、当該変調度合いの程度を規定している。なお、光ピックアップレンズのR2面にこのような複数の輪帯を設けてもよい。
表726に、実施例1乃至実施例40、実施例43乃至実施例46、実施例63、実施例64にかかるCc(mλrms)の値と、J(mλrms)の値とを示す。ここで、Cc(mλrms)とは、当該実施例にかかる光ピックアップレンズにおいて、温度が設計温度35℃、透明基板厚が設計透明基板厚0.0875mmである場合に、0.3°のレンズチルトによって発生する3次コマ収差の値である。また、J(mλrms)とは、実際に設計された当該実施例にかかる光ピックアップレンズにおいて、使用温度Tdとした場合、温度がTd(℃)、透明基板厚が0.100mmである場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差をCd(mλrms)とした場合に、(2)式乃至(13)式を用いて算出した値である。つまり、当該実施例にかかる光ピックアップレンズにおいて、温度がTd(℃)、透明基板厚が0.100mmである場合に0.3°のレンズチルトによって発生する3次コマ収差の値を、使用温度がTd(℃)であるときに、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を低減するために、0.3°のレンズチルトによって発生すべき3次コマ収差の値Cd(mλrms)とした。
表726において、J[75℃](mλrms)、J[85℃](mλrms)は、それぞれ、使用温度Td(℃)が75℃、85℃である場合に、(2)式乃至(13)式を用いて算出したJ(mλrms)の値である。
そして、表726に示すように、使用温度Td(℃)が75℃及び85℃であるとき、(2)式乃至(13)式を用いて算出したJ[75℃](mλrms)、J[85℃](mλrms)の値は、それぞれ、Cc(mλrms)±5mλrmsの範囲となっており、(1)式を満たしている。
また、表727に、実施例41、実施例42、実施例47乃至実施例62にかかるにかかるCc(mλrms)の値と、J(mλrms)の値とを示す。ここで、Cc(mλrms)とは、当該実施例にかかる光ピックアップレンズにおいて、温度が設計温度35℃、透明基板厚が設計透明基板厚0.0875mmである場合に、0.3°のレンズチルトによって発生する3次コマ収差の値である。また、J(mλrms)とは、実際に設計された当該実施例にかかる光ピックアップレンズにおいて、使用温度Tdとした場合、温度がTd(℃)、透明基板厚が0.100mmである場合に0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差をCd(mλrms)とした場合に、(15)式乃至(26)式を用いて算出した値である。つまり、当該実施例にかかる光ピックアップレンズにおいて、温度がTd(℃)、透明基板厚が0.100mmである場合に0.3°のレンズチルトによって発生する3次コマ収差の値を、使用温度がTd(℃)であるときに、ディスクチルトによって発生する3次コマ収差を低減するために、0.3°のレンズチルトによって発生すべき3次コマ収差の値Cd(mλrms)とした。
表727において、J[75℃](mλrms)、J[85℃](mλrms)は、それぞれ、使用温度Td(℃)が75℃、85℃である場合に、(15)式乃至(26)式を用いて算出したJ(mλrms)の値である。
そして、表727に示すように、使用温度Td(℃)が75℃及び85℃であるとき、(15)式乃至(26)式を用いて算出したJ[75℃](mλrms)、J[85℃](mλrms)の値は、それぞれ、Cc(mλrms)±5mλrmsの範囲となっており、(14)式を満たしている。
表726及び表727に示すように、本発明の設計上から得られる値Cc(mλrms)と、本発明の設計条件を満たすように実際に設計された光ピックアップレンズから得られる値J(mλrms)とは、ほぼ一致している。したがって、本発明の設計条件に従えば、設計温度Tcよりも高温の使用温度Tdにおいて、透明基板厚0.100mmの位置にレーザ光を集光する場合においても、0.3°のレンズチルトによって生じる3次コマ収差の値を良好な値とすることができる。
なお、本発明の実施形態では、R1面101の面形状が単一非球面形状である光ピックアップレンズ100と、R1面201に屈折力の異なる複数の輪帯が形成された光ピックアップレンズ200を例に挙げて説明したが、図3に示すように、R1面に回折輪帯構造が形成された光ピックアップレンズ300に対しても本発明を適用することができる。
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100、200 光ピックアップレンズ
101、201 R1面(レーザ光源側の面)
102、202 R2面(光ディスク側の面)

Claims (11)

  1. 開口数(NA)が0.84以上の光ピックアップレンズであって、
    使用波長が395nm以上415nm以下であり、
    以下の(1)式乃至(13)式を満たす光ピックアップレンズ。
    J−5≦Cc≦J+5 ・・・・・(1)
    J=A+5×(L−0.0875)/(0.1−0.075)
    ・・・・・(2)
    A=B+Cd ・・・・・(3)
    B=−(C+D) ・・・・・(4)
    C=S/1.6×E×(Td−Tc) ・・・・・(5)
    D=S/1.6×F×(Td−Tc) ・・・・・(6)
    E=0.48/(6.428×(N−1.515)+1)/(G+H)
    ・・・・・(7)
    F=0.09×(−Δn−0.000123)/0.000023/(N/1.515)/(G+H)) ・・・・・(8)
    G=(d/(S/1.6×1.108)) ・・・・・(9)
    H=(d−(S/1.6×1.108))×0.98+1
    ・・・・・(10)
    1.50≦N≦1.60 ・・・・・(11)
    −0.0000930≦Δn≦−0.0001250 ・・・・・(12)
    0.075≦L≦0.100 ・・・・・(13)
    Tc:設計温度(℃)
    Td:使用温度(℃)
    Cc:設計温度Tc(℃)において透明基板厚L(mm)の位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
    Cd:使用温度Td(℃)において透明基板厚0.100mmの位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
    S:レーザ光源側のレンズ面の有効径(mm)
    Δn:光ピックアップレンズの硝材の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量(/℃)
    N:光ピックアップレンズの硝材の設計温度Tc(℃)における屈折率
    d:光ピックアップレンズの中心厚(mm)
    L:設計透明基板厚(mm)
  2. 開口数(NA)が0.84以上の光ピックアップレンズであって、
    使用波長が395nm以上415nm以下であり、
    レーザ光源側のレンズ面と光ディスク側のレンズ面との少なくとも一方が光軸を同心とする複数の輪帯状の区間に区切られており、
    以下の(14)式乃至(27)式を満たす光ピックアップレンズ。
    J−5≦Cc≦J+5 ・・・・・(14)
    J=A+5×(L−0.0875)/(0.1−0.075)
    ・・・・・(15)
    A=B+Cd ・・・・・(16)
    B=−(C+D) ・・・・・(17)
    C=S/1.6×E×(Td−Tc) ・・・・・(18)
    D=S/1.6×F×(Td−Tc) ・・・・・(19)
    E=0.48/(6.428×(N×I−1.515)+1)/(G+H)
    ・・・・・(20)
    F=0.09×(−Δn−0.000123)/0.000023/(N×I/1.515)/(G+H)) ・・・・・(21)
    G=(d/(S/1.6×1.108)) ・・・・・(22)
    H=(d−(S/1.6×1.108))×0.98+1
    ・・・・・(23)
    1.50≦N≦1.60 ・・・・・(24)
    −0.0000930≦Δn≦−0.0001250 ・・・・・(25)
    0.075≦L≦0.100 ・・・・・(26)
    1.0≦I≦1.1 ・・・・・(27)
    Tc:設計温度(℃)
    Td:使用温度(℃)
    Cc:設計温度Tc(℃)において透明基板厚L(mm)の位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
    Cd:使用温度Td(℃)において透明基板厚0.100mmの位置に集光する場合に、レンズチルト0.3(°)によって発生する3次コマ収差(mλrms)
    S:レーザ光源側のレンズ面の有効径(mm)
    Δn:光ピックアップレンズの硝材の温度上昇1℃あたりの屈折率変化量(/℃)
    N:光ピックアップレンズの硝材の設計温度Tc(℃)における屈折率
    d:光ピックアップレンズの中心厚(mm)
    L:設計透明基板厚(mm)
  3. 隣り合う前記輪帯状の区間の間には段差が形成されており、
    前記段差は、前記使用温度が前記設計温度からずれることによって発生する球面収差を低減する位相差を透過光に発生させるような段差量を有する請求項2に記載の光ピックアップレンズ。
  4. 隣り合う前記輪帯状の区間の間には段差が形成されており、
    前記段差は、前記使用波長が前記設計波長からずれることによって発生する球面収差を低減する位相差を透過光に発生させるような段差量を有する請求項2に記載の光ピックアップレンズ。
  5. 前記設計温度における物体距離を無限又は弱有限と仮定して設計された請求項1乃至4の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
  6. 前記有効径S(mm)は(28)式を満たす請求項1乃至5の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
    1.5<S<3.8 ・・・・・・(28)
  7. 前記有効径S(mm)及び前記中心厚d(mm)は(29)式を満たす請求項1乃至6の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
    0.68<d/S<0.85 ・・・・・・(29)
  8. 前記光ディスクが2層以上の記録層を備える多層光ディスクである場合、前記設計透明基板厚Lは、何れかの記録層の透明基板厚に等しい厚さである請求項1乃至7の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
  9. 前記設計透明基板厚Lは、0.0875(mm)である請求項1乃至8の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
  10. 焦点距離(mm)をfとした場合に、(30)式を満たす請求項1乃至9の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
    0.9<f<2.3 ・・・・・(30)
  11. 樹脂材料、又は、樹脂材料に主に無機材料からなる材料を分散させた材料から成形される請求項1乃至10の何れか一項に記載の光ピックアップレンズ。
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