JP5179678B1 - アブソリュートエンコーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】トラック数及び信号ライン数を最大限に活用することができるアブソリュートエンコーダを提供する。
【解決手段】本発明は、アブソリュートエンコーダであって、m個の摺動子を備えたブラシと、このブラシが走査するm本のトラック、及びn本の信号ラインが形成された基板と、を有し、各トラックは、走査するブラシと常に導通する共通パターン、及び各摺動子と断続的に接触する複数の信号パターンにより構成され、各信号ラインは、トラックが形成された領域の外へ引き出され、各信号パターンは何れか1本の信号ラインと接続されており、各信号ラインの間の導通状態が、1本ずつ変化されるように、各信号パターンが形成されており、nは4以上の整数であり、mは3≦m≦n−1の範囲の整数であり、識別可能な位置の数Dが、所定値以上、所定値以下であることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、アブソリュートエンコーダに関し、特に、導電体のパターンをブラシで走査することにより、位置の情報を取得するアブソリュートエンコーダに関する。
基板上に形成された銅箔パターンをブラシで走査することにより、絶対位置を検出するアブソリュートエンコーダが知られている。このようなアブソリュートエンコーダにおいては、基板上に絶対位置の情報をコード化した銅箔パターンが形成されており、これらの銅箔パターンとブラシの間の導通状態により、ブラシが、基板上のどの位置に接触した状態であるかを識別することができる。
図18は、このような従来のアブソリュートエンコーダの銅箔パターンの一例を示す図である。
図18の例においては、基板100上に5本のトラック102a乃至102eが形成されており、ブラシ(図示せず)は基板100上を図18における上下方向に走査する。これらのトラックのうち、右端に形成されているトラック102aは、ブラシ(図示せず)の走査区間全体に亘って連続的に形成されている。このため、このトラック102aは常にブラシと導通状態にあり、本明細書においては、このようなトラックを構成するパターンを共通パターンと呼んでいる。
一方、残りの4本のトラック102b乃至102eは、断続的に形成された銅箔パターンから構成されており、基板100上を走査するブラシ(図示せず)の位置によっては、ブラシと銅箔パターンが接触しない状態となる。本明細書においては、このような共通パターン以外のパターンを信号パターンと呼んでいる。各信号パターンは、基板100上に、ブラシ(図示せず)の走査方向に延びる何れか1本の信号ラインと接続されている。また、各信号ラインは、接続された信号パターンを介する場所を除き、各トラックを横断することなく、各トラックが形成された領域の端部から引き出されている。
図18の例においては、各信号パターンに接続された6本の信号ライン104a乃至104fが設けられている。図18から明らかなように、異なる信号ラインに接続された信号パターンを、同一のトラック上に設けることができるため、トラックの数よりも多くの信号ラインを設けることができる。即ち、図18においては、信号ライン104eに接続された信号パターン106と、信号ライン104dに接続された信号パターン108、110と、信号ライン104cに接続された信号パターン112が、何れもトラック102d上に形成されている。
また、同一の信号ラインに接続された複数の信号パターンを、異なるトラックに配置することもできる。即ち、図18においては、信号ライン104eに、トラック102d上の信号パターン106及びトラック102e上の信号パターン114が接続されている。しかしながら、各信号ラインは接続された信号パターンを介する場所を除き、トラックを横断することがないため、各トラックが形成された領域(ブラシが走査する領域)の端部から引き出されている。
このように形成された各トラック上をブラシ(図示せず)が走査することにより、ブラシが走査している位置を識別することができる。ブラシ(図示せず)は、トラックと同数の一列の摺動子(図示せず)を備えており、これらの摺動子は互いに電気的に導通されている。図18に示す例において、ブラシ(図示せず)の各摺動子(図示せず)が丸印で示す位置にある場合には、各摺動子は、トラック102a乃至102d上に配置された信号パターンと接触するため、共通パターン(トラック102a)は、信号ライン104a、104c、104dと、夫々ブラシを介して導通される。
さらに、ブラシ(図示せず)が走査され、各摺動子(図示せず)が三角印で示す位置まで移動されると、トラック102b上には信号パターンが形成されていないため、共通パターンと信号ライン104aの間が導通しなくなる。これにより、ブラシ(図示せず)が三角印の位置まで移動されたことが識別・検知される。このように、共通パターンと各信号ラインとの間の導通状態によりブラシの位置が識別・検知されるため、各信号ラインの導通、非導通状態は、位置情報を表す1ビットの情報に対応する。また、基板100上に形成されるトラックの数、引き出される信号ラインの数が増えるほど、識別可能な位置の数(分割数)Dを増やすことができることは明らかである。
一方、特開2012−63344号公報(特許文献1)には、アブソリュートエンコーダ及び絶対位置検出装置が記載されている。このアブソリュートエンコーダにおいては、3段階以上に分かれたセンサ出力が得られる信号パターンを用いることにより、少ないトラック数で分解能を向上させている。即ち、上述した図18のアブソリュートエンコーダにおいては、0又は1(導通又は非導通)の2進数で位置情報を表していたのに対し、特開2012−63344号公報記載のエンコーダでは、3進数以上で位置情報を表すため、少ないトラックで多くの情報を表現することができる。
しかしながら、特開2012−63344号公報記載のエンコーダにおいては、例えば、3段階のセンサ出力を得るために、基板上に2種類の反射率の異なるパターンを形成することが必要であり、基板の制作が困難であると共に、コスト高になるという問題がある。また、このエンコーダにおいては、少ないトラック数で多くの分解能を得ることができるが、具体例が、トラック数が2,3,4のみで、トラック数やセンサ出力の段階数から可能な分解能が示されておらず、与えられたトラック数やセンサ出力の段階数に対して表現しうる位置情報を最大限に活用しているか否かが判断できないという問題がある。
特開2012−63344号公報
従って、本発明は、トラック数及び信号ライン数(ビット数)を最大限に活用することができるアブソリュートエンコーダを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、導電体のパターンをブラシで走査することにより、位置の情報を取得するアブソリュートエンコーダであって、m個の摺動子を備え、各摺動子が互いに電気的に導通されたブラシと、このブラシのm個の摺動子が夫々走査するm本のトラック、及びn本の信号ラインが形成された基板と、を有し、各トラックは、基板上に設けられた導電体のパターンにより形成されると共に、走査するブラシと常に導通する共通パターン、及び走査するブラシの各摺動子と断続的に接触する複数の信号パターンにより構成され、各信号ラインは、各トラックの間をブラシの走査方向に延びて、トラックが形成された領域の外へ引き出され、各信号パターンはn本の信号ラインのうちの何れか1本と接続されており、ブラシが走査される際、共通パターンと各信号ラインの間の導通状態が、n本の信号ラインのうちの1本ずつ変化されるように、各信号パターンが形成されており、nは4以上の整数であり、mは3≦m≦n−1の範囲の整数であり、識別可能な位置の数Dが、
Figure 0005179678

Figure 0005179678
の大きい方以上であり、
Figure 0005179678
以下であることを特徴としている。
本発明において、好ましくは、nが8以下の整数である。
このように構成された本発明によれば、識別可能な位置の数(段階数)Dを、理論的に導かれた最小のトラック数、あるいは最小の信号ライン数で実現することができるので、トラック数及び信号ライン数を最大限に活用することができ、必要な段階数のアブソリュートエンコーダを最も小型且つ安価に構成することができる。
本発明において、好ましくは、異なるトラック上に位置する信号パターンを接続する全ての信号ラインは、トラックとトラックの間に延びている。
本発明のアブソリュートエンコーダによれば、トラック数及び信号ライン数(ビット数)を最大限に活用することができる。
本発明の実施形態によるアブソリュートエンコーダをレンズ鏡筒に装着した状態を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態におけるフレキシブル基板の平面図である。 信号ライン数n=4、トラック数m=3により、9段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=5、トラック数m=3により、11段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=6、トラック数m=3により、13段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=7、トラック数m=3により、15段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=8、トラック数m=3により、17段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=5、トラック数m=4により、23段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=6、トラック数m=4により、33段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=7、トラック数m=4により、45段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=8、トラック数m=4により、59段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第1の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=4により、59段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第2の部分である。 信号ライン数n=6、トラック数m=5により、53段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。 信号ライン数n=7、トラック数m=5により、85段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第1の部分である。 信号ライン数n=7、トラック数m=5により、85段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第2の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=5により、129段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第1の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=5により、129段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第2の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=5により、129段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第3の部分である。 信号ライン数n=7、トラック数m=6により、115段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第1の部分である。 信号ライン数n=7、トラック数m=6により、115段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第2の部分である。 信号ライン数n=7、トラック数m=6により、115段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第3の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=6により、199段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第1の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=6により、199段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第2の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=6により、199段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第3の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=6により、199段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第4の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=7により、241段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第1の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=7により、241段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第2の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=7により、241段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第3の部分である。 信号ライン数n=8、トラック数m=7により、241段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図の第4の部分である。 従来のアブソリュートエンコーダの銅箔パターンの一例を示す図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるアブソリュートエンコーダを説明する。
図1は、本発明の実施形態によるアブソリュートエンコーダをレンズ鏡筒に装着した状態を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本発明の実施形態によるアブソリュートエンコーダ1は、複数の摺動子を備えたブラシ2と、複数のトラックが設けられた基板であるフレキシブル基板4と、を有する。図1に示す例では、フレキシブル基板4は、平行に延びる5本のトラックを備え、レンズ鏡筒6の側面に取り付けられている。また、フレキシブル基板4上の各トラックは、レンズ鏡筒6の円周方向に延びるように設けられている。各トラックは、フレキシブル基板4上に形成された導電体のパターンである銅箔パターンにより構成されている。
一方、ブラシ2は、トラックと同数の摺動子を有する金属板であり、鏡筒6の周囲を回転するフォーカスリング、ズームリング(図示せず)等と共にレンズ鏡筒6の外周面上を移動可能に配置されている。図1に示す例では、ブラシ2は、櫛歯状に延びる5本の摺動子2a乃至2eを備えており、これらの摺動子にはばね性があり、ばねの弾性によりフレキシブル基板4に押しつけられている。また、各摺動子の先端は、フレキシブル基板4上に設けられた銅箔パターンに接触し、接触した銅箔パターン間を導通させる。このように、ブラシ2がフォーカスリングやズームリング(図示せず)と共にフレキシブル基板4上を摺動されることにより、ブラシ2と銅箔パターンの接触状態が変化し、これに基づいてフォーカスリング、ズームリングの位置を検出することができる。
次に、図2を参照して、フレキシブル基板の構成を詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態におけるフレキシブル基板の平面図である。
図2に示すように、フレキシブル基板4は、可撓性の絶縁材料で構成されたベースプレート8と、このベースプレート8上に設けられた銅箔パターンにより構成された5本のトラック10a乃至10eと、銅箔パターンから引き出される1本の共通ライン12a及び6本の信号ライン12b乃至12gと、を有する。
銅箔パターンは、走査範囲全体に亘って少なくとも1本のトラックに形成されている共通パターン14aと、各トラック上に断続的に形成されている信号パターンから構成されている。また、各信号ラインは、各トラックの間ないしトラックの横を、トラックに沿って延びる信号線の銅箔パターンであり、トラックの一端部あるいは他のトラックや信号ラインを跨がないようトラックが形成された領域の外へ引き出される。同様に共通パターンに接続された共通ラインもトラックが形成された領域の外へ引き出される。
共通パターン14aは、トラック10aの一端部で共通ライン12aに接続されている。この共通パターン14aは、ブラシ2がトラック上のどの位置に移動された場合にも、摺動子2aと常に接触する。共通パターンのいずれかが、常にいずれかの摺動子に接触していれば良く、必ずしも同一のトラック上に連続的に形成される必要はない。
一方、各信号パターンは、各トラック上に断続的に形成されると共に、何れか1本の信号ラインに接続される。図2に示す例においては、信号パターン16a乃至16eは、何れもトラック10aとトラック10bの間を通る信号ライン12bに接続されている。また、異なるトラック上に配置された信号パターンを同一の信号ラインに接続することもできる。図2に示す例においては、例えば、信号パターン18a乃至18gは何れも信号ライン12cに接続されているが、信号パターン18b、18d、18e、18fはトラック10b上に配置され、信号パターン18a、18c、18gはトラック10c上に配置されている。
共通ライン12a及び信号ライン12b乃至12gは夫々位置検出回路(図示せず、例えばマイクロプロセッサ等の入力ポート)に接続され、共通ライン12aと他の信号ライン12b乃至12g間の導通状態により、ブラシ2の位置が識別される。例えば、図2中の丸印の位置にブラシ2の摺動子2a乃至2eが夫々接触している場合には、共通ライン12aと、信号ライン12c及び12fとの間に導通があり、その他の信号ライン間は導通がない。次いで、ブラシ2が一段階移動され、三角形印の位置に移動されると、摺動子が信号パターン18bから外れるため、共通ライン12aと信号ライン12fの間のみが導通するようになる。これにより、ブラシ2が一段階移動されたことが認識される。
ここで、アブソリュートエンコーダ1を小型且つ安価に構成するためには、識別すべき位置の段階数に対して、最小の信号ライン数あるいは最小のトラック数を選択することが必要である。まず、アブソリュートエンコーダ1は、共通ライン12aと6本の信号ライン12b乃至12gとの間の導通、非導通の組み合わせパターンにより位置を識別するものであるから、信号ラインの数により識別可能な段階数の上限は、26=64と計算され、これ以上の段階数の位置を識別することはできない。加えて、識別可能な段階数は、トラックの数によっても制約される。即ち、図2に示す例においては、6本の信号ラインを4本のトラック10b乃至10e上に配置された信号パターンに接続しているため、共通ライン12aと6本全ての信号ラインが導通した状態、および、6本の信号ラインのうち5本が導通した状態を作り出すことはできない。
さらに、アブソリュートエンコーダにおいては、接続状態の可能な全ての組み合わせを使用できるとは限らない。即ち、ある段階における導通、非導通の組み合わせと、隣接する段階における導通、非導通の組み合わせは、常に、1本の信号ラインのみ導通状態が変化するように配列しなければならない。このように、1ビットずつ値が変化する任意の桁数の2進数の配列は「グレイコード」あるいは「交番二進符号」として知られているが、後述するように、これを特定の2進数の配列を指す狭義のグレイコードをそのままアブソリュートエンコーダの信号パターンの配列として使用することはできない場合がある。なお、信号パターンが広義の「グレイコード」として形成されていない場合、すなわち2ビット以上の値が変化する配列では、その複数のビットの変化の位置を完全に同期させることは事実上不可能であり、或る段階から他の段階に遷移する途中で架空のコードが検出されることがあり、誤検知が発生する。
さらに、アブソリュートエンコーダの信号パターンに使用するためには、上述したトラック数による制限に加え、各信号ラインがトラックを横断することなく引き出される必要がある。このように、各信号ラインは、銅箔パターンや他の信号ラインと立体交差することなく、各トラックが形成された領域から平面的に外へ引き出される必要がある。
アブソリュートエンコーダにおいては、このような様々な制約条件が存在するため、与えられたトラック数、信号ライン数に対して実現可能な段階数の上限値がこれまでは示されていなかった。このため、従来のアブソリュートエンコーダにおいては、必要とされる段階数に対して、トラック数、信号ライン数が過剰かどうかの判断が不十分なまま設計されているのが現状である。
なお、アブソリュートエンコーダの各段階同士の関係は、各信号ラインと共通ラインとの導通・非導通の各段階の状態を頂点とし、1ビットの変化で遷移可能な頂点同士を辺で結んだグラフとして表すことができる。このグラフから、後述の配列可能な上限を超える到達不可能な数の頂点をあらかじめ取り除くと、配列可能な上限のアブソリュートエンコーダの候補を探すことは、このグラフ上のすべての点を辺のある経路で一筆書きすることと等価である。
これはグラフ理論においてハミルトンパスと呼ばれるものである。与えられたグラフ上にハミルトンパスが存在するかどうかを判定する問題に対して、グラフの大きさに対して多項式時間で解が求まるような効率のよい計算アルゴリズムは知られていない。
この問題はクラスNPに分類され、P≠NP予想によれば将来に渡っても効率の良い計算アルゴリズムの開発は絶望的であり、総当たりに準じる方法しかないとされている。
例えば、後述にて明らかにするが信号ラインの数を6、トラック数を5のときは、共通ラインと6本全ての信号ラインが導通した状態、および、6本の信号ラインのうち5本が導通した状態を作り出すことはできないため、頂点の数は57となる。一方、配列可能な上限は53であり、偶数本の信号ラインが導通する31通りから到達不可能な4頂点を取り除く場合の数でさえも、314=31465通り存在する。
その後、ハミルトンパスを探すことを考えると、以下のようになる。
少なめに見積もって重複を避けるには2ビットのうちいずれかを変化させるしか選択肢がなかったとしても252=4.5×1015という膨大な数になる。
この困難さがゆえにトラック数や信号ライン数が過剰かどうかの判断が不十分な設計がなされてしまう。
なお、n本の信号ラインに対してn+1本のトラックを備えたアブソリュートエンコーダでは、(2n)段階の位置を検出することができると共に、上記のような制約がなくこれを実現する「グレイコード」も知られている。また、上記の組み合わせから全ての信号ラインが導通した状態を除外すれば、n本の信号ラインに対してn本のトラックを備えたアブソリュートエンコーダを構成することができ、(2n−1)段階の位置を検出する「グレイコード」も比較的容易に生成することができる。しかしながら、これらのアブソリュートエンコーダは、信号ライン数を節約することによりマイコンの入力ポート等を他の用途に振り向けたい要請や、トラック数を節約することによる小型化の要請を十分に満足するものではない。従って、このような信号ライン数、トラック数のアブソリュートエンコーダは、本願発明の範囲外である。
本願発明者は、このようなアブソリュートエンコーダ固有の制約条件の下に、可能な段階数の上限値を以下に説明するように計算し、計算された上限値の段階数のグレイコードを見出したものである。
ここで、信号ライン数=n、トラック数(=摺動子の数)=mと置く。なお、上記の理由からm≦n−1とする。
まず、摺動子の数mが奇数の場合であって、n本の信号ラインのうち奇数本の信号ラインと摺動子が導通する組み合わせの数を計算する。
n本の信号ラインのうち1本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
n1通りである。
同様に、3本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
n3通りである。
さらに、m−2本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
nm-2通りである。
ここで、m本の摺動子のうち少なくとも1本は共通パターンと接触することから信号ラインに割当可能な摺動子の数はm−1本となる。そのため、接触させるには摺動子が不足するm本以上の信号ラインの組み合わせは除外する。
従って、奇数本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせの総数は
n1n3+・・・+nm-2
により計算される。この総和は、二項係数の和の公式
nmn-1m-1n-1m
を使用すると、次のように計算することができる。
n1n3+・・・+nm-2
=(n-10n-11)+(n-12n-13)+・・+(n-1m-3n-1m-2
Figure 0005179678
次に、摺動子の数mが奇数の場合であって、偶数本の信号ラインと摺動子が導通する組み合わせの数を計算する。
n本の信号ラインの何れの信号ラインも摺動子と導通しない組み合わせは、
n0通りである。
同様に、2本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
n2通りである。
さらに、m−1本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
nm-1通りである。
これ以降は摺動子の数を超えるため、m+1本以上の信号ラインの組み合わせは除外する。
従って、偶数本の摺動子が信号ラインと導通する組み合わせの総数は
n0n2+・・・+nm-1
により計算される。この総和は、上記の二項係数の和の公式に加え、
n0n-10(=1)
の関係を使用すると、次のように計算することができる。
n0n2+・・・+nm-1
n-10+(n-11n-12)+・・・+(n-1m-2n-1m-1
Figure 0005179678
このように、摺動子の数mが奇数の場合には、奇数本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせの総数の方が、偶数本の信号ラインが導通する組み合わせの総数よりも少なくなる。また、グレイコードとなるためには、隣接する段階における信号ラインの変化は1つであることより、摺動子と導通する信号ラインの数が偶数本と奇数本で交互に入れ替わる必要がある。従って、最長の配列は摺動子と導通する信号ラインの数が偶数→奇数→偶数→奇数→・・・→奇数→偶数のように、偶数から始まり偶数で終わるものとなり、グレイコードとして配列可能な上限の数(識別可能な段階数)は、
Figure 0005179678
と計算することができる。
次に、摺動子の数mが偶数の場合について計算する。n本の信号ラインのうち奇数本の信号ラインと摺動子が導通する組み合わせの数を計算する。
n本の信号ラインのうち1本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
n1通りである。
同様に、3本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
n3通りである。
さらに、m−1本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
nm-1通りである。
これ以降は摺動子の数を超えるため、m+1本以上の信号ラインの組み合わせは除外する。
従って、奇数本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせの総数は
n1n3+・・・+nm-1
により計算される。この総和は、二項係数の和の公式を使用すると、次のように計算することができる。
n1n3+・・・+nm-1
=(n-10n-11)+(n-12n-13)+・・+(n-1m-2n-1m-1
Figure 0005179678
次に、摺動子の数mが偶数の場合であって、偶数本の信号ラインと摺動子が導通する組み合わせの数を計算する。
n本の信号ラインのうち何れの信号ラインも摺動子と導通しない組み合わせは、
n0通りである。
同様に、2本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
n2通りである。
さらに、m−2本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせは、
nm-2通りである。
ここで、m本の摺動子のうち少なくとも1本は共通パターンと接触することから信号ラインに割当可能な摺動子の数はm−1本となる。そのため、接触させるには摺動子が不足するm本以上の信号ラインの組み合わせは除外する。
従って、偶数本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせの総数は
n0n2+・・・+nm-2
により計算される。この総和は、上記の二項係数の和の公式に加え、
n0n-10(=1)
の関係を使用すると、次のように計算することができる。
n0n2+・・・+nm-2
n-10+(n-11n-12)+・・・+(n-1m-3n-1m-2
Figure 0005179678
このように、摺動子の数mが偶数の場合には、偶数本の信号ラインが摺動子と導通する組み合わせの総数の方が、奇数本の信号ラインが導通する組み合わせの総数よりも少なくなる。従って、最長の配列は摺動子と導通する信号ラインの数が奇数→偶数→奇数→偶数→・・・→偶数→奇数のように、奇数から始まり奇数で終わるものとなり、グレイコードとして配列可能な上限の数(識別可能な段階数)は、
Figure 0005179678
と計算することができる。
このように、識別可能な段階数は、摺動子の数mが偶数の場合でも、奇数の場合でも同一の計算式により求めることができる。
上式に基づいて計算した、信号ライン数nと、トラック数(=摺動子の数)mの場合における最大の識別可能な段階数を表1に示す。上式は信号ラインが摺動子と導通する偶数の総数と奇数の総数に偏りがある場合に成立する式のため、m=n+1の場合は成立せず空欄としている。また、m>n+1の範囲は明らかに摺動子数が過剰なため空欄にしている。なお、表1には、n=8、m=8まで範囲が示されているが、上式を使用することにより、更に大きな信号ライン数n、トラック数mのアブソリュートエンコーダについても、識別可能な段階数の最大値を求めることができる。
Figure 0005179678
表1を参照することにより、信号ライン数n=8、トラック数m=8までのアブソリュートエンコーダにおける実現可能な設計値を得ることができる。例えば、識別可能な段階数が23段階のアブソリュートエンコーダが必要な場合には、信号ライン数n=5、トラック数m=4で実現可能であるということができる。23段階よりも少ないアブソリュートエンコーダを設計する場合には、不必要な段階を配列の上端あるいは下端から削除すればよい。しかしながら15段階まで減らすと、信号ラインを1つ少なくしたもので実現可能になる。従って、必要な段階数が16以上、23以下の場合には、信号ライン数n=5、トラック数m=4が効率の良い設計であるということができる。
同様に、必要な段階数が53である場合には、信号ライン数n=6、トラック数m=5で実現可能であり、必要な段階数が33まで減少すると、トラック数mを1減じることが可能になる。従って、段階数が34以上、53以下の場合には、信号ライン数n=6、トラック数m=5が効率の良い設計であるということができる。
このように、或る信号ライン数n、トラック数mにおける最大の段階数は表1により求めることができる。また、その信号ライン数n、トラック数mを使用すべき下限の段階数は、もとの信号ライン数nを1減じたときの最大の分割数と、もとのトラック数mを1減じたときの最大の分割数のうち、大きい方の分割数に1を加えた値となる。従来のアブソリュートエンコーダにおいては、このような分割数の限界値の計算方法が知られていなかったため、何れも、信号ライン数n、トラック数mに対して、段階数が非常に少ない効率の悪い設計となっている。
従って、信号ライン数n、トラック数mのアブソリュートエンコーダで実現可能な最大の段階数は、
Figure 0005179678
により計算され、この信号ライン数n、トラック数mのアブソリュートエンコーダを適用すべき最小の段階数は、
Figure 0005179678

Figure 0005179678
の大きい方の数値により計算される。
表1に基づいて求められた必要な段階数に対して、n≦8の範囲において、信号ライン数n、トラック数mにおける適切な段階数は、表2のようになる。なお表1と同様に、識別可能な段階数を求める一般式を使用することにより、さらに大きな信号ライン数n、トラック数mにおける適切な段階数を求めることができる。
Figure 0005179678
表1中において、摺動子数m=2は、信号ライン数を増やしても段階数が増えず、アブソリュートエンコーダに適しないため本発明の範囲外とする。従って、摺動子数m=2の場合については、表2から除外している。また、m=n+1やm=nはほぼ自明であり、本発明の範囲外とする。一方、表2において、例えば、段階数16、17については、適切な段階数として含むものは信号ライン数n=8、トラック数m=3、及び信号ライン数n=5、トラック数m=4が挙げられている。このような場合には、信号ライン数がより少ないものを採用するか、トラック数がより少ないものを採用するか、アブソリュートエンコーダの適用に合わせて選択すればよい。また、図2に示したフレキシブル基板4は、信号ライン数n=6、トラック数m=5により53段階の位置の識別を可能にした、表2の「10」の一例である。
なお、本発明によれば、段階数9のアブソリュートエンコーダを信号ライン数n=4、トラック数m=3で実現できるため、非常に効率がよい。また、本発明によれば、段階数が11のアブソリュートエンコーダを信号ライン数n=5、トラック数m=3で実現できるため、更に効率がよい。さらに、本発明によれば、段階数が13のアブソリュートエンコーダを信号ライン数n=6、トラック数m=3で実現できるため、更に効率がよくなる。
なお、本発明によれば、段階数65から75のアブソリュートエンコーダおよび段階数76から85のアブソリュートエンコーダは表2の番号12のとおり信号ライン数n=7、トラック数m=5で実現できるが、信号ライン数を減らすと実現が不可能であり、トラック数をm=4に減らして実現させようとすると、最大の段階数の一般式より段階数65から75のアブソリュートエンコーダはn=9、段階数76から85のアブソリュートエンコーダはn=10と、2以上の信号ライン数が増加してしまうことから、比較的効率が良いと言える。
同様に、段階数188から199のアブソリュートエンコーダは、表2の番号14のとおり信号ライン数n=8、トラック数m=6で実現できるが、信号ライン数を減らすと実現が不可能であり、トラック数をm=5に減らすと最大の段階数の一般式よりn=10もの信号ライン数でないと実現できないため、比較的効率が良いと言える。
段階数33のアブソリュートエンコーダは表2の番号7のとおり信号ライン数n=6、トラック数m=4で実現できるが、信号ライン数を減らすと実現が不可能であり、トラック数をm=3に減らすと最大の段階数の一般式よりn=16と大幅に信号ライン数を増やさないと実現できないため、特に効率が良いと言える。
同様に段階数129のアブソリュートエンコーダは信号ライン数n=8、トラック数m=5で実現できるが、信号ライン数を減らすと実現が不可能であり、トラック数をm=4に減らすと最大の段階数の一般式よりn=12と大幅に信号ライン数を増やさないと実現できないため、特に効率が良いと言える。
段階数9のアブソリュートエンコーダは表2の番号1のとおり信号ライン数n=4、トラック数m=3で実現できるが、信号ライン数、トラック数共に減らすと実現が不可能であり、段階数は少ないものの最適なアブソリュートエンコーダと言える。
このように特に効率の良い段階数となる9、33、129はaを自然数とすると1+2(2a+1)と表すことができ、129以降も信号ライン数nとトラック数mがn=2(m−1)の関係のところに現れる。
以上の段階数は、各信号ライン数、トラック数のアブソリュートエンコーダにおいて、実現可能な最大値を計算したものである。本願発明者は、先述の通り膨大な数の信号パターン配列の候補をグラフや図表に表現する方法を工夫し、各信号ライン数、各トラック数において、表2に示す最大の段階数を実現した信号パターンの配列を見出し、実際にアブソリュートエンコーダが構成できることを実証した。
図3は信号ライン数n=4、トラック数m=3により、9段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図4は信号ライン数n=5、トラック数m=3により、11段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図5は信号ライン数n=6、トラック数m=3により、13段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図6は信号ライン数n=7、トラック数m=3により、15段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図7は信号ライン数n=8、トラック数m=3により、17段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図8は信号ライン数n=5、トラック数m=4により、23段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図9は信号ライン数n=6、トラック数m=4により、33段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図10は信号ライン数n=7、トラック数m=4により、45段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図11A、11Bは信号ライン数n=8、トラック数m=4により、59段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図12は信号ライン数n=6、トラック数m=5により、53段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図13A、13Bは信号ライン数n=7、トラック数m=5により、85段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図14A〜14Cは信号ライン数n=8、トラック数m=5により、129段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図15A〜15Cは信号ライン数n=7、トラック数m=6により、115段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図16A〜16Dは信号ライン数n=8、トラック数m=6により、199段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
図17A〜17Dは信号ライン数n=8、トラック数m=7により、241段階の位置の識別を実現した信号パターンの一例を示す図である。
なお、図3乃至図17においては、銅箔パターンの部分(共通パターン、信号パターン、共通ライン、及び信号ライン)を白抜きで示している。また、共通パターン及び共通ラインの部分には「com」の記号を付し、信号パターン及び信号ラインの部分にはa乃至hの符号を付している(互いに導通している部分には同一の符号を付している)。
以上の図3乃至図17は、表2に示した各信号ライン数、トラック数を有するアブソリュートエンコーダにおいて、本願発明者によって導かれた理論的な最大の段階数を実現した、信号パターンの一例である。図3乃至図17の各図に示した信号パターンの配列の他にも最大の段階数を実現できることは明らかである。例えば、図3乃至図17の各図に示した信号パターンと鏡像関係にある信号パターンによっても最大の段階数を実現できることは自明である。また、信号ラインによる接続関係のない2群のトラックの位置を相互に入れ替えできることも明らかである。例えば、図8において、左端のトラックと、その他の3本のトラックの位置を入れ替えできることは明らかである。また、本質的に信号パターンや共通パターンの並びが異なるものも存在し、図3乃至図17と、上記自明な変換をしたものに限られるものではない。
また、異なるトラック上に位置する信号パターンを接続する信号ラインは、トラックとトラックの間に延びるように構成することが望ましい。例えば、図12の信号パターン「f」は、トラック「3」、「4」及び「5」上に設けられているが、それらを接続する信号パターンは、トラック「3」とトラック「4」の間、及びトラック「4」とトラック「5」の間を延びるように設けられている。異なるトラック上に位置する信号パターンを接続するには、ブラシ2が走査する領域の外に信号ラインを設けて接続することも可能である。しかしながら、このような信号ラインを設けることなく、異なるトラック上に位置する信号パターンを接続する信号ラインを全てトラックとトラックの間に設けることにより、フレキシブル基板4を小型化することができる。また、図12の例では、トラック「4」上の信号パターン「f」は、トラック「3」上の信号パターンとトラック「5」上の信号パターンを相互に接続する役割も果たしており、効率の良い設計になっている。
また、所定の信号ライン数、トラック数のアブソリュートエンコーダにおいて、図3乃至図17に示した最大の段階数よりも少ない段階数のアブソリュートエンコーダを設計する場合には、不必要な段階数だけ、配列の上端又は下端をカットすればよい。
本発明の実施形態のアブソリュートエンコーダによれば、識別可能な位置の数(段階数)Dを、理論的に導かれた最小のトラック数、信号ライン数で実現することができるので、トラック数及び信号ライン数を最大限に活用することができ、必要な段階数のアブソリュートエンコーダを最も小型且つ安価に設計することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、各トラックは直線状に形成されていたが、本発明を、各トラックが円弧状に構成されたタイプのアブソリュートエンコーダに適用することもできる。この場合には、各トラックを同心円の円弧状に構成し、これらのトラックが円弧の中心点を中心に回動されるブラシにより走査される。
1 本発明の実施形態によるアブソリュートエンコーダ
2 ブラシ
2a乃至2e 摺動子
4 フレキシブル基板(基板)
6 レンズ鏡筒
8 ベースプレート
10a乃至10e トラック
12a 共通ライン
12b乃至12g 信号ライン
14a 共通パターン
16a乃至16e 信号パターン
18a乃至18g 信号パターン

Claims (3)

  1. 導電体のパターンをブラシで走査することにより、位置の情報を取得するアブソリュートエンコーダであって、
    m個の摺動子を備え、各摺動子が互いに電気的に導通されたブラシと、
    このブラシのm個の摺動子が夫々走査するm本のトラック、及びn本の信号ラインが形成された基板と、を有し、
    上記各トラックは、上記基板上に設けられた導電体のパターンにより形成されると共に、走査する上記ブラシと常に導通する共通パターン、及び走査する上記ブラシの各摺動子と断続的に接触する複数の信号パターンにより構成され、
    上記各信号ラインは、上記各トラックの間を上記ブラシの走査方向に延びて、上記トラックが形成された領域の外へ引き出され、
    上記各信号パターンは上記n本の信号ラインのうちの何れか1本と接続されており、上記ブラシが走査される際、上記共通パターンと上記各信号ラインの間の導通状態が、n本の信号ラインのうちの1本ずつ変化されるように、上記各信号パターンが形成されており、
    上記nは4以上の整数であり、上記mは3≦m≦n−1の範囲の整数であり、識別可能な位置の数Dが、
    Figure 0005179678

    Figure 0005179678
    の大きい方以上であり、
    Figure 0005179678
    以下であることを特徴とするアブソリュートエンコーダ。
  2. 上記nが8以下の整数であることを特徴とする請求項1記載のアブソリュートエンコーダ。
  3. 異なるトラック上に位置する信号パターンを接続する全ての信号ラインは、トラックとトラックの間に延びていることを特徴とする請求項1又は2記載のアブソリュートエンコーダ。
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