以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態1〜3を詳細に説明する。以下に示す実施の形態1〜3は、本発明にかかるぱちんこ遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
(実施の形態1)
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明の実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかるぱちんこ遊技機の正面図である。図1に示すように、本実施の形態1のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Clystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞することにより特別図柄用の判定用情報(以下「特図判定用情報」という)を取得する。ぱちんこ遊技機100は、この特図判定用情報を用いて大当たり抽選(特別図柄抽選)をおこなうことになる。
第2始動口106の近傍には、普通電動役物(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき開閉動作する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞し易くさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイドによっておこなわれる。
電動チューリップ107は、通常時には閉状態とされており、所定条件を満たした際に開状態とされる。具体的には、ぱちんこ遊技機100は、画像表示部104の左右両側に配設されたゲート108を遊技球が通過すると、普通図柄用の判定用情報(以下「普図判定用情報」という)を取得する。ぱちんこ遊技機100は、この普図判定用情報を用いて普通図柄抽選をおこなう。普通図柄抽選において普通図柄当たり(以下「普図当たり」という)に当選すると、ぱちんこ遊技機100は、所定期間、電動チューリップ107を開状態とする。
第2始動口106の右側には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、遊技球が大入賞口109へ入賞不可能な閉状態(閉鎖された状態)と、遊技球が大入賞口109へ入賞可能な開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、大入賞口109が備えるソレノイドによっておこなわれる。
大入賞口109は、通常時には閉状態とされており、所定条件を満たした際に開状態とされる。具体的には、ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105または第2始動口106に遊技球が入賞すると、大当たり抽選をおこなう。大当たり抽選において大当たりに当選すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となり、所定期間、大入賞口109を開状態とする。大入賞口109が開状態とされているときに、遊技球が大入賞口109に入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出す。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口となっている。これにより、遊技球が普通入賞口110に入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出す。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、遊技者に特別図柄などの遊技情報を明示する情報表示部112が設けられている。情報表示部112の詳細については後述するが、情報表示部112は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす第1特別図柄や、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす第2特別図柄などを表示する。また、情報表示部112は、遊技球がゲート108を通過することによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果をあらわす普通図柄を表示する。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材113は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
枠部材113において遊技領域103の上側にはスピーカ114が組み込まれている。また、枠部材113において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)115が設けられている。演出ライト部115は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。演出ライト部115の各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、これらのランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。
枠部材113の下部位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は、発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル116は、枠部材113と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル116は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材117を備えている。発射指示部材117は、操作ハンドル116の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材117が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
枠部材113において、遊技領域103の下側となる辺には、演出ボタン(チャンスボタン)118や十字キー119、打球供給皿120などが設けられている。演出ボタン118や十字キー119は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。打球供給皿120は、遊技球を収容するとともに、順次発射部へ遊技球を送り出す。
また、遊技盤101上にはぱちんこ遊技機100により駆動される可動役物130が設けられている。本実施の形態1で、可動役物130は第1可動役物131と第2可動役物132とからなる。第1可動役物131は、駆動部を有して当該駆動部により所定の基準位置を含む所定範囲内を駆動可能に設けられている。たとえば、ここでは第1可動役物131は基準位置とされた退避位置(たとえば原点位置)から、進出位置までの範囲内を駆動可能に設けられているものとする。
第2可動役物132も、駆動部を有して当該駆動部により所定の基準位置を含む所定範囲内を駆動可能に設けられている。本実施の形態1において、第2可動役物132は基準位置とされた退避位置(たとえば原点位置)から、進出位置までの範囲内を駆動可能に設けられているものとする。また、第1可動役物131と第2可動役物132とは、それぞれ独立して駆動可能とされている。第1可動役物131および第2可動役物132の詳細な構成や動作については後述する。
(情報表示部の詳細)
つぎに、情報表示部112の詳細について説明する。図2は、本実施の形態1の情報表示部を示す説明図である。図2において、情報表示部112は、特別図柄表示部201と、普通図柄表示部202と、保留数表示部203と、ラウンド数表示部204と、右打ち表示部205とを備える。各表示部201〜205には、それぞれLED(Light Emitting Diode)表示器が採用されている。
第1特別図柄表示部201aは、遊技球が第1始動口105へ入賞することによっておこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわすものであり、8つのLEDからなる。第2特別図柄表示部201bは、遊技球が第2始動口106へ入賞することによっておこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわすものであり、第1特別図柄表示部201aと同様に、8つのLEDからなる。
各特別図柄の変動(変動表示)は、たとえば、図中、左から右へ流れるように、各LEDが点灯および消灯を順次繰り返すことによりおこなわれる。なお、特別図柄の変動中には、画像表示部104では装飾図柄などを用いた演出がおこなわれる。特別図柄の変動が終了すると、その後のLEDの点灯態様によって、大当たり抽選の抽選結果があらわされるようになっている。
たとえば、一番右のLEDのみが点灯した場合はハズレを示し、また、左から1つ目、2つ目、4つ目、7つ目のLEDが点灯した場合は、本実施の形態1の大当たりの一つである4ラウンド(R)短当たりを示すようになっている。さらに、全LEDが点灯した場合は、本実施の形態1の大当たりの一つである16R長当たりを示すようになっている。
各当たりを示すLEDの点灯態様は、一態様のみならず、当たりの数に応じて複数の点灯態様を取り得るようにしてもよい。また、たとえば、左から2つ目、5つ目、6つ目のLEDが点灯した場合は、本実施の形態1の大当たりの一つである16R短当たりを示すようになっている。
本実施の形態1において、4R短当たりは、遊技者が4ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりとなっている。16R長当たりは、遊技者が16ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりとなっている。16R短当たりは、大入賞口109の開放時間が長いラウンドと短いラウンドとがあり、遊技者が実質4ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりとなっている。
なお、特別図柄がハズレを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄はハズレを示すいわゆるバラケ目で停止する。また、特別図柄が4R短当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は4R短当たりを示す装飾図柄(たとえば「1・3・5」)で停止する。さらに、特別図柄が16R長当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は16R長当たりを示す装飾図柄(たとえば「7・7・7」)で停止する。
特別図柄が16R短当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は通常長当たりを示す装飾図柄(たとえば3,7以外のゾロ目)で停止する。なお、特別図柄が16R長当たりを示す図柄で停止した場合であっても、画像表示部104上に16R短当たりを示す装飾図柄(たとえば3,7以外のゾロ目)を停止させ、その後に16R長当たりであることを明示する昇格演出をおこなうようにしてもよい。
また、特別図柄表示部201の上部には、普通図柄が表示される普通図柄表示部202が配置されている。普通図柄表示部202は、遊技球がゲート108を通過することによっておこなわれる普通図柄抽選をあらわすものであり、3つのLEDからなる。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機100は、所定期間、電動チューリップ107を開状態とする。普通図柄の変動中は、各LEDが順次点滅する。
普通図柄の変動が停止すると、LEDの点灯態様によって、普通図柄抽選の抽選結果があらわされるようになっている。本実施の形態1では、普通図柄の変動が停止した際に、たとえば「○」が点灯すれば普通図柄当たり(長開放当たり)となり、「△」が点灯すれば普通図柄当たり(短開放当たり)となり、「×」が点灯すればハズレとなる。
普通図柄表示部202の左側には、特別図柄や普通図柄に対する判定用情報の数(以下「判定用情報数」という。いわゆる「保留数」)を表示する保留数表示部203が配置されている。保留数表示部203は、第1特別図柄保留数表示部203aと、第2特別図柄保留数表示部203bと、普通図柄保留数表示部203cとからなる。
第1特別図柄保留数表示部203aは、特別図柄の変動中に第1始動口105へ入賞した遊技球に対する特図判定用情報数を表示する。第2特別図柄保留数表示部203bは、特別図柄の変動中に第2始動口106へ入賞した遊技球に対する特図判定用情報数を表示する。普通図柄保留数表示部203cは、普通図柄の変動中にゲート108を通過した遊技球に対する普図判定用情報数を表示する。
ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105へ入賞した遊技球に対する特図判定用情報、第2始動口106へ入賞した遊技球に対する特図判定用情報、ゲート108を通過した遊技球に対する普図判定用情報を、各々、規定数(たとえば4つ)を上限として保持できる。このため、第1特別図柄保留数表示部203aと第2特別図柄保留数表示部203bと普通図柄保留数表示部203cとは、上記の規定数を上限として記憶されたものを表示する。
ラウンド数表示部204は、大当たり遊技状態である際にこの大当たりのラウンド数を表示するものである。たとえば、2ラウンドの大当たりの場合には「2」をあらわすLEDが点灯し、16R長当たりまたは16R短当たりの場合には「16」をあらわすLEDが点灯する。右打ち表示部205は、右打ちによって遊技を進行させる遊技状態(たとえば大当たり遊技状態)である際にLEDが点灯し、遊技者に右打ちを促すものである。
図3は、本実施の形態1のぱちんこ遊技機の背面図である。図3において、ぱちんこ遊技機100は、枠部材113に嵌め込まれている。ぱちんこ遊技機100は、主制御部としての主制御基板301と、複数のプリント基板からなり演出制御部としての演出制御基板302と、電源の供給をおこなう電源制御基板303とを備えている。
各基板301〜303は、透明の樹脂成形部材からなる基板ケース301a〜303aにそれぞれ収容されている。演出制御基板302は、背面カバー304に覆われている。背面カバー304は、透明の樹脂成形部材によって構成されており、演出制御基板302の外側に配設されている接続ケーブルを保護する。
具体的には、背面カバー304は、各種制御基板や、その他の遊技機の部品に接続される接続ケーブルを保護する。また、背面カバー304は、開閉自在になっており、閉状態において、一部(下部)が主制御基板301の主基板ケース301aを覆う構成となっている。すなわち、背面カバー304の閉状態において、主制御基板301を取り外すことができないようになっている。一方、背面カバー304の開状態においては、主制御基板301を、図中、左方向にスライドさせることにより、主制御基板301の取り外しが可能になっている。
ここで、主制御基板301の主基板ケース301aについて詳述する。主制御基板301の主基板ケース301aは、背面カバー304の一部に覆われた状態にある。主基板ケース301aは、外部から他の基板を接続する不正改造や、他の基板に交換する不正行為ができないように、主制御基板301を収容する。さらに、主基板ケース301aは、透明ケースによって形成されており、主制御基板301の不正改造や不正行為に対して、目視による確認ができるようになっている。なお、演出制御基板302や電源制御基板303についても、同様に透明な基板ケース302aまたは303aに収納されている。
また、主基板ケース301aには、RAMクリアスイッチを押下することが可能な操作部305が設けられている。RAMクリアスイッチは、主制御基板301のRAM(Random Access Memoly)に蓄積されているバックアップ情報をクリアするためのスイッチである。主基板ケース301aには、操作部305を開閉自在に覆う開閉部306が設けられている。この開閉部306は、回動軸307を中心に回動する構成になっている。図3では、開閉部306が閉状態となっている場合を示している。
RAMクリアスイッチを押下する場合には、操作者(たとえばぱちんこ遊技機100の管理者)が開閉部306を開状態とした後に、操作部305を操作するといった二段階の手順を踏むようになっている。開状態となった開閉部306は、操作者が操作しない限り、重力によって閉状態となる。このように、RAMクリアスイッチを押下する際には、開閉部306を開状態にするという手順を踏まなければならないので、RAMクリアスイッチを不正に押下することによって大当たりを高頻度でおこなわせるといった不正行為を抑止できるようにしている。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態1のぱちんこ遊技機100の基本動作について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106に入賞すると、大当たり抽選をおこなう。大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は、特別図柄表示部201の特別図柄を変動させる(変動表示する)。
たとえば、第1始動口105に入賞があって大当たり抽選をおこなった場合、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動させる。第2始動口106に遊技球が入賞することで大当たり抽選をおこなった場合には、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動させる。
特別図柄の変動を開始して所定期間が経過すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり抽選の抽選結果を示すように変動された特別図柄を停止させる(停止表示する)。大当たり抽選で大当たりに当選した場合、ぱちんこ遊技機100は、大当たりを示す特別図柄を停止させた後に大当たり遊技状態となり、大入賞口109を当選した大当たりに応じたラウンド数分(たとえば16ラウンド分)、開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。
詳細は後述するが、ぱちんこ遊技機100は、特別図柄を変動させた場合、画像表示部104の表示画面上で、特別図柄に対応して設けられた装飾図柄(以下「特図装飾図柄」と略す)も変動させる。そして、特別図柄を停止させた場合、画像表示部104の表示画面上で特図装飾図柄も停止させる。
なお、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態であるときには大当たり抽選をおこなわない。ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態の終了後に、大当たり抽選をおこなう遊技状態へ復帰する。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態を終了させた後には、所定回数、大当たり抽選がおこなわれるまで大当たりへの当選確率を高めた確変遊技状態となる。本実施の形態1では、所定回数、大当たり抽選がおこなわれるまで確変遊技状態とするST(Special Time)機と呼ばれるタイプのぱちんこ遊技機としているが、本発明の対象はST機に限らず、確変遊技状態を次回の大当たりに当選するまで継続させるタイプのぱちんこ遊技機であってもよい。
(ぱちんこ遊技機がおこなう演出について)
つぎに、大当たり抽選の抽選結果を示すまでにぱちんこ遊技機100がおこなう演出の概要について説明する。ぱちんこ遊技機100は大当たり抽選をおこなって、特別図柄および特図装飾図柄を変動させると、これにともなって画像表示部104の表示画面上で特図演出をおこなう。
具体的に、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、特図演出としてステップアップ予告や小キャラ予告などの予告演出やリーチ演出などをおこなう。ステップアップ予告や小キャラ予告、リーチ演出の具体的な内容については公知の技術であるため説明を省略する。また、ぱちんこ遊技機100は、特図演出として可動役物130を用いた演出をおこなうことができる。以下において、可動役物130(第1可動役物131や第2可動役物132)を用いた演出を「役物演出」という。
たとえば、役物演出は、一般的に、役物演出でない演出(非役物演出)よりも大当たりへの期待度の高い演出とされている。これにより、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130を駆動させることにより、可動役物130を駆動させない場合に比べて、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。具体的に、たとえば、ぱちんこ遊技機100は、リーチ演出の中でも大当たりへの期待度の高く定められた特定のリーチ演出を役物演出としている。
(第1可動役物の構成)
つぎに、可動役物130の具体的な構成について説明する。まずは、第1可動役物131の構成について説明する。図4−1は、本実施の形態1の第1可動役物の正面図(その1)である。図4−2は、本実施の形態1の第1可動役物の正面図(その2)である。
第1可動役物131は、第1駆動部410と、第1ガイド板420と、第2ガイド板430と、第1装飾部材440とを備える。第1駆動部410は、第1駆動モータ411と、駆動ギア412とを備えている。第1駆動モータ411は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、駆動ギア412を駆動回転させる。第1駆動モータ411としては、たとえば、パルスモータ(いわゆるステッピングモータ)を採用することができる。
第1ガイド板420において、第1駆動モータ411と対向する面にはギア部421が設けられている。ギア部421は駆動ギア412と歯合連結している。第1ガイド板420において、第2ガイド板430と対向する面(図4−1および図4−2において前面となる面)にはスライダ422が立設されている。スライダ422は第2ガイド板430の第2ガイド穴431に嵌め込まれる。また、第1ガイド板420には、第1装飾部材440に設けられたスライダ441が嵌め込まれる第1ガイド穴423が開口形成されている。
第2ガイド板430は、不図示の固定部によりぱちんこ遊技機100の枠体と固定されている。第2ガイド板430には、前述の第2ガイド穴431が第2ガイド板430の長手方向(図4−1および図4−2において左右方向)に伸びるように開口形成されている。第1ガイド板420に設けられたスライダ422が第2ガイド穴431に沿ってスライドすることで、第1ガイド板420は、第2ガイド板430に対して図4−1での左右方向(第2ガイド板430の長手方向)に往復動作が可能な状態とされている。
また、第2ガイド板430には第3ガイド穴432が開口形成されており、この第3ガイド穴432には第1装飾部材440に設けられたスライダ441が嵌め込まれる。さらに、第2ガイド板430には軸受部433が設けられており、軸受部433は第1装飾部材440に設けられた軸部J1を軸支する。
第1装飾部材440において、第2ガイド板430と対向する面(図4−1および図4−2において背面となる面)には前述の軸部J1とスライダ441とが立設されている。軸部J1は軸受部433に軸支されており、第1装飾部材440は、軸部J1を軸心として第2ガイド板430に対して回転可能な状態とされる。また、スライダ441は、第3ガイド穴432を介して、第1ガイド穴423に嵌め込まれている。つまり、スライダ441は、第1ガイド穴423および第3ガイド穴432の双方によって動作が規制される。
図4−1において、第1駆動モータ411が反時計周りに回転して、第1ガイド板420が右方向へ移動すると、スライダ441は第3ガイド穴432および第1ガイド穴423に沿ってスライドする。このため、第1装飾部材440は軸部J1を軸心として、図4−2に示す位置へ向けて回転する。本実施の形態1において、図4−1に示す位置を第1可動役物131の退避位置(基準位置。たとえば原点位置)とする。図4−2に示す位置を第1可動役物131の進出位置とする。
第1可動役物131近傍には第1役物センサS1が設けられている。第1役物センサS1は、退避位置となった第1可動役物131を検出する。たとえば、第1役物センサS1としては、フォトセンサなどの非接触式センサを採用することができる。この場合、第1役物センサS1は、同方向を向いた受光素子と発光素子とを備え、発光素子が発光した光を第1ガイド板420に当てて、反射してくる光の有無を受光素子で検知することにより、退避位置となった第1可動役物131を検出することができる。
(第2可動役物の構成)
つぎに、第2可動役物132の構成について説明する。図5−1は、本実施の形態1の第2可動役物の背面図(その1)である。図5−2は、本実施の形態1の第2可動役物の背面図(その2)である。
第2可動役物132は、第2駆動部510と、第2装飾部材520とを備える。第2駆動部510は、第2駆動モータ511と、回転板512と、スライドギア513と、駆動ギア515と、駆動ギア516とからなる。第2駆動モータ511は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、回転軸J2を回転させることにより回転板512を回転させる。第2駆動モータ511としては、たとえば、パルスモータを採用することができる。
回転板512のスライドギア513と対向する面には突起512aが立設されている。この突起512aは、スライドギア513に開口形成された開口部514に嵌め込まれている。これにより、回転板512が回転すると、突起512aが開口部514を介してスライドギア513に駆動力を伝達し、スライドギア513を駆動させる。
駆動ギア515は、スライドギア513のギア部513aと歯合連結するギア515aと、第2装飾部材520のギア部520aと歯合連結するギア515bとからなる。ギア515aとギア515bとは一体に形成されており、一方が回転したときに他方も回転するようになっている。
駆動ギア516は、スライドギア513のギア部513bと歯合連結するギア516aと、第2装飾部材520のギア部520bと歯合連結するギア516bとからなる。ギア516aとギア516bとは一体に形成されており、一方が回転したときに他方も回転するようになっている。
第2装飾部材520には、第2装飾部材520の駆動方向(図5−1において上下方向)に沿って、ギア部520aとギア部520bとが設けられている。また、図示は省略するが、第2装飾部材520の前面(図5−1に図示した面の背面)には、ランプなどが設けられている。
図5−1において、第2駆動モータ511が反時計周りまたは時計周りに回転し、この回転に従って回転板512も回転すると、スライドギア513は図5−1において下方向に移動する。スライドギア513が下方向に移動すると、駆動ギア515は時計周りに回転し、駆動ギア516は反時計周りに回転する。これにより、第2可動役物132は、図5−2に示す位置へ向けて移動する。本実施の形態1において、図5−1に示す位置を第2可動役物132の退避位置(基準位置。たとえば原点位置)とする。
第2可動役物132近傍には第2役物センサS2が設けられている。第2役物センサS2は、退避位置となった第2可動役物132を検出する。たとえば、第2役物センサS2としては、フォトセンサなどの非接触式センサを採用することができる。この場合、第2役物センサS2は、同方向を向いた受光素子と発光素子とを備え、発光素子が発光した光を第2装飾部材520に当てて、反射してくる光の有無を受光素子で検知することにより、退避位置となった第2可動役物132を検出することができる。
(ぱちんこ遊技機による可動役物の駆動制御の概要)
つぎに、ぱちんこ遊技機100による可動役物130の駆動制御の概要について説明する。図6−1は、本実施の形態1のぱちんこ遊技機による可動役物の駆動制御の概要を示す説明図(その1)である。
(駆動制御の概要−その1)
図6−1中の時期t11で、ぱちんこ遊技機100は大当たり抽選をおこなって、この抽選結果を示すために特別図柄および特図装飾図柄の変動を開始した。また、これにともなって特図演出を開始した。ぱちんこ遊技機100は特図演出の開始時に可動役物130(第1可動役物131および第2可動役物132)が退避位置であるかを判定する。可動役物130が退避位置でなかった場合には退避位置に復帰するように駆動させる。以下、退避位置まで復帰させる駆動を「復帰駆動」という。
図6−1には、特図演出の開始時に第1可動役物131が退避位置でなかった例を示している。この場合、ぱちんこ遊技機100は時期t11より第1可動役物131の復帰駆動を開始する。また、ぱちんこ遊技機100は特図演出を開始すると、特図演出を進行させるために特図演出に応じて予め定められたタイミングで順次コマンドを発行していく。
ここで、時期t11後、復帰駆動中の時期t12(第1可動役物131が退避位置に復帰する時期t13よりも前の時期)で、ぱちんこ遊技機100は点線611で示す駆動を第1可動役物131におこなわせるためのコマンドを新たに発行した。以下、可動役物130を駆動させるためのコマンドを「ランプ制御コマンド」という。
たとえば、時期t12で発行されたランプ制御コマンドは、第1可動役物131を退避位置から進出位置まで駆動させるために設けられたコマンドで、第1可動役物131を進出位置方向へ距離D駆動させるためのコマンドとなっている。ところが、時期t12で第1可動役物131は退避位置から進出位置方向へ距離d離れた途中位置Aにいる。
このため、ぱちんこ遊技機100が時期t12で発行したランプ制御コマンドに基づいて第1可動役物131を駆動させると、第1可動役物131を途中位置Aから距離Dだけ進出位置方向へ駆動させてしまう。この場合、第1可動役物131は進出位置を過ぎた位置となってしまう。このようになると、たとえば、第1可動役物131が駆動限界に達して駆動できない状態となっても第1駆動モータ411は回転してしまうことになり、第1可動役物131の機構や第1駆動モータ411に大きな負荷が生じてしまう恐れがある。
そこで、ぱちんこ遊技機100は第1可動役物131を復帰駆動中の時期t12で、新たに第1可動役物131を駆動させるためのランプ制御コマンドを発行した場合、このランプ制御コマンドに基づく駆動を規制する。たとえば、この場合、今回の特図演出では第1可動役物131は駆動しないことになる。また、ぱちんこ遊技機100は第1可動役物131が退避位置に復帰した時期t13から、点線612で示すように時期t12で発行したランプ制御コマンドに基づき、第1可動役物131を駆動させてもよい。
このように、ぱちんこ遊技機100は、設計の容易化やぱちんこ遊技機100の処理負担の低減化を図りつつ、第1可動役物131の駆動制御を実現するために、基準位置(上記の例では退避位置)を基準として一定距離(上記の例では距離D)だけ第1可動役物131を駆動させる。第1可動役物131が基準位置でないときに、新たに第1可動役物131を駆動させるランプ制御コマンドを発行した場合には、このランプ制御コマンドに基づく駆動を規制して第1可動役物131を駆動させない。
上記の例では、第1可動役物131が退避位置にない場合について説明したがこれに限るものではない。特図演出の開始時に第2可動役物132が退避位置にない場合も当然起こり得る。このような場合、図示および詳細な説明は省略するが、ぱちんこ遊技機100は、第2可動役物132を退避位置へ向けて復帰駆動させる。そして、第2可動役物132の復帰駆動中に第2可動役物132を駆動させるランプ制御コマンドを新たに発行すると、このランプ制御コマンドによる駆動を規制する。
(駆動制御の概要−その2)
図6−2は、本実施の形態1のぱちんこ遊技機による可動役物の駆動制御の概要を示す説明図(その2)である。ぱちんこ遊技機100は、第1可動役物131と第2可動役物132との複数の可動役物からなる可動役物130を備えている。このような場合、ぱちんこ遊技機100は、発行したランプ制御コマンドにより駆動対象となった可動役物130に応じて、可動役物130を駆動させたり、駆動させなかったりする。
図6−2中の時期t21で、ぱちんこ遊技機100は、大当たり抽選をおこなって、この抽選結果を示すために特別図柄および特図装飾図柄の変動を開始した。また、これにともなって特図演出も開始した。ぱちんこ遊技機100は、特図演出の開始時に可動役物130が退避位置であるかを判定する。そして、可動役物130が退避位置でなかった場合には、退避位置でない可動役物130を復帰駆動させる。
図6−2では、特図演出の開始時に第1可動役物131が退避位置でなく、第2可動役物132は退避位置であった例を示している。この場合、ぱちんこ遊技機100は、時期t21より第1可動役物131を復帰駆動させる。時期t21後、第1可動役物131の復帰駆動中の時期t22(退避位置に復帰する時期t23よりも前の時期)で、ぱちんこ遊技機100は可動役物130を駆動させるランプ制御コマンドを新たに発行した。
たとえば、時期t22で発行したランプ制御コマンドが点線621で示すように復帰駆動中の第1可動役物131を駆動させるコマンドであった場合、ぱちんこ遊技機100は、このランプ制御コマンドに基づく駆動を規制する。一方、時期t22で発行したランプ制御コマンドが実線622で示すように復帰駆動中でない第2可動役物132を駆動させるコマンドであった場合、このランプ制御コマンドによる駆動は規制せず、時期t22より第2可動役物132を駆動させる。
上記の例では、第1可動役物131が退避位置になく、第2可動役物132が退避位置にあった場合について説明したがこれに限るものではない。上記と逆に、第2可動役物132が退避位置になく、第1可動役物131が退避位置にあった場合も当然起こり得る。このような場合、図示および詳細な説明は省略するが、ぱちんこ遊技機100は、第2可動役物132を復帰駆動中であっても、第1可動役物131が復帰駆動中でなければランプ制御コマンドに基づき駆動させることができる。
以上のように、ぱちんこ遊技機100は、たとえば、第1可動役物131を復帰駆動中であっても、第2可動役物132を復帰駆動中でなければランプ制御コマンドに基づき駆動させることができる。また、第2可動役物132が復帰駆動中であっても、第1可動役物131を復帰駆動中でなければランプ制御コマンドに基づき駆動させることができる。
これにより、ぱちんこ遊技機100は、復帰駆動中の可動役物130があっても、復帰駆動中でない他の可動役物130を用いた役物演出はおこなうことができる。このため、ぱちんこ遊技機100は、復帰駆動中の可動役物130を駆動させないことによる演出上の影響を小さくすることができ、復帰駆動中でない可動役物130により遊技者の期待感を高めることができたり、遊技に対する興味を維持したりすることができる。
上記の例では、復帰駆動中の可動役物130の駆動を規制する例について説明したが、これに限らない。たとえば、役物演出時などにも可動役物130は駆動される。ぱちんこ遊技機100は役物演出により可動役物130を駆動している際に、ランプ制御コマンドを発行すると、このランプ制御コマンドによる駆動も規制することができる。以下、役物演出による可動役物130の駆動を「演出駆動」という。
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、前述の動作を実現するためのぱちんこ遊技機100の詳細な内部構成の一例について説明する。図7は、本実施の形態1のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その1)である。図7に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部700は、遊技の進行を制御する主制御部701と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部702と、演出の進行を制御する演出制御部703とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部701は、CPU(Central Processing Unit)711と、ROM(Read Only Memoly)712と、RAM(Random Access Memoly)713と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU711は、遊技の進行に関する各種プログラムなどをROM712から読み出し、RAM713をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、主制御部701には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略す)が接続されている。たとえば、主制御部701には、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW714aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW714bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW715と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW716と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW717とが接続されている。
各種SW714〜717は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部701へ入力する。たとえば、各種SW714〜717としては近接スイッチを採用することができる。主制御部701は、各種SW714〜717から入力される検出信号に基づき、大当たり抽選を受けるための特図判定用情報(後述)を記憶したり、普通図柄抽選を受けるための普図判定用情報(後述)を記憶したりする。そして、記憶された特図判定用情報に基づき大当たり抽選をおこなったり、記憶された普図判定用情報に基づき普通図柄抽選をおこなったりする。さらに、主制御部701は、第1始動口105や第2始動口106や大入賞口109や普通入賞口110へ入賞した遊技球に対する賞球の払い出し指示をおこなう。
また、主制御部701には、電動チューリップ107や大入賞口109などの電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。たとえば、主制御部701には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド718と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド719とが接続されている。
主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド718に電流を印加したり、この印加を解除したりする。また、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド719に電流を印加したり、この印加を解除したりする。電動チューリップソレノイド718や大入賞口ソレノイド719は、電気エネルギーを機械的な運動に変換して、電動チューリップ107を開閉動作させたり、大入賞口109を開閉動作させたりする。
また、主制御部701には、特別図柄や普通図柄を表示するための各種図柄表示部が接続される。たとえば、主制御部701には、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部201aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部201bと、普通図柄を表示する普通図柄表示部202と、記憶されている特図判定用情報の数(以下「特図判定用情報数」という)や普図判定用情報の数(以下「普図判定用情報数」という)を表示する保留数表示部203などが接続される。
主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果に基づき、第1特別図柄表示部201aの表示制御をおこなったり、第2特別図柄表示部201bの表示制御をおこなったりする。また、主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき、普通図柄表示部202の表示制御をおこなう。特図判定用情報数や普図判定用情報数に基づき、保留数表示部203の表示制御をおこなう。
ここで、主制御部701のROM712に記憶されてCPU711が実行するプログラムの一例と、各プログラムを実行することでRAM713に記憶される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態1で重要となるもののみを説明している。ROM712には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM713には以下で説明する記憶領域のほかにも不図示の記憶領域が多数設定されている。
ROM712には、メイン処理プログラム712aと、タイマ割込処理プログラム712bとが記憶されている。メイン処理プログラム712aは、ぱちんこ遊技機100への電力の供給にともなって、主制御部701のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定をおこなわせ、この設定内容を示す設定情報を設定記憶領域713aに記憶させる。たとえば、ここで、設定情報にはタイマ割込処理プログラム712bを実行する周期などを示す情報が含まれる。
また、メイン処理プログラム712aは、ぱちんこ遊技機100への電源の遮断を監視させ、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成させて、このバックアップ情報をバックアップ記憶領域713bに記憶させる。RAM713にはバックアップ電源(不図示)などにより、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されても一定期間(たとえば1日)電源が供給されるようになっている。このため、RAM713は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
また、RAM713には、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memoly)などの不揮発性のRAMや、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを採用することもできる。この場合、RAM713は、バックアップ電源がなくともバックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
タイマ割込処理プログラム712bは、メイン処理プログラム712aにより設定記憶領域713aに記憶された周期で、メイン処理プログラム712aに対して割り込み実行される。タイマ割込処理プログラム712bは、乱数更新処理プログラム712cや、スイッチ処理プログラム712d、図柄処理プログラム712i、電動役物制御処理プログラム712l、賞球処理プログラム712p、出力処理プログラム712qなどのサブプログラムを順次実行させる。
乱数更新処理プログラム712cは、特別図柄用当たり乱数(以下「特図当たり乱数」と略す)、特別図柄用図柄乱数(以下「特図図柄乱数」と略す)、変動パターン乱数、普通図柄用当たり乱数(以下「普図当たり乱数」と略す)、普通図柄用図柄乱数(以下「普図図柄乱数」と略す)など、主制御部701が管理する各種乱数取得用のカウンタのカウント値を更新させる。たとえば、乱数更新処理プログラム712cは、1回実行されるごとに、カウンタ記憶領域713cに記憶された各乱数カウンタの各カウント値に「1」を加算させる。
(カウンタ記憶領域)
図8は、カウンタ記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。カウンタ記憶領域713cには、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3、普図当たり乱数カウンタC4、普図図柄乱数カウンタC5など、主制御部701が管理する乱数カウンタのカウント値が記憶されている。
乱数更新処理プログラム712cは、乱数更新処理プログラム712cが実行されるごとに各乱数カウンタC1〜C5のカウント値を「+1」カウントアップした内容で、カウンタ記憶領域713cを更新させる。また、乱数更新処理プログラム712cは、各乱数カウンタC1〜C5のカウント値が所定値に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。
本実施の形態1においては一例として、特図当たり乱数を「0〜299」の範囲内でカウントさせるものとする。特図図柄乱数および変動パターンを「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。普図当たり乱数および普図図柄乱数を「0〜9」の範囲内でカウントさせるものとする。
また、乱数更新処理プログラム712cはさらに初期値乱数をカウントさせてもよい。ここで、初期値乱数は、特図当たり乱数や普図当たり乱数が所定値(本実施の形態1では特図当たり乱数は「299」、普図当たり乱数は「9」)に達した際に、特図当たり乱数カウンタC1や普図当たり乱数カウンタC4をいずれの値に戻すかを決定するための乱数とすることができる。たとえば、この場合、乱数更新処理プログラム712cは、特図当たり乱数カウンタC1のカウント値が所定値に達した際には、初期値乱数と同値となるような値に特図当たり乱数カウンタC1のカウント値を戻す。
スイッチ処理プログラム712dは、始動口スイッチ処理プログラム712e、ゲートスイッチ処理プログラム712f、大入賞口スイッチ処理プログラム712g、普通入賞口スイッチ処理プログラム712hなどのサブプログラムを順次実行させる。
始動口スイッチ処理プログラム712eは、第1始動口SW714aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域713cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値を特図判定用情報として取得させ、取得された特図判定用情報をRAM713の特図判定用情報記憶領域713dに記憶させる。
また、始動口スイッチ処理プログラム712eは、第2始動口SW714bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出された際も同様に、カウンタ記憶領域713cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値を特図判定用情報として取得させる。そして、取得された特図判定用情報をRAM713の特図判定用情報記憶領域713dに記憶させる。
(特図判定用情報記憶領域)
図9は、特図判定用情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。特図判定用情報記憶領域713dは、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8からなる。特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞したタイミングで取得された、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値が関連づけられ、特図判定用情報として記憶される。
また、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、それぞれの特図判定用情報取得の契機となった入賞が、第1始動口105に対するものであったか第2始動口106に対するものであったかも記憶される(入賞始動口)。特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105および第2始動口106のそれぞれの始動口ごとに4つを上限として、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができるようになっている。
また、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、特図当たり判定を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、特図判定用情報格納領域TJ1から特図判定用情報格納領域TJ2、特図判定用情報格納領域TJ3…特図判定用情報格納領域TJ8といったように、番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶された特図判定用情報ほど、特図当たり判定を受けるための優先順位が高く設定されている。
本実施の形態1では、時系列的に、先に入賞して取得された特図判定用情報の方から、番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶される。また、本実施の形態1では、第2始動口106への入賞を契機として取得された特図判定用情報が、第1始動口105への入賞を契機として取得された特図判定用情報よりも番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶される。
ゲートスイッチ処理プログラム712fは、ゲートSW715によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域713cの普図当たり乱数カウンタC4、普図図柄乱数カウンタC5のカウント値を普通図柄判定用情報として取得させ、取得された普通図柄判定用情報をRAM713の普図判定用情報記憶領域713fに記憶させる。
(普図判定用情報記憶領域)
図10は、普図判定用情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。普図判定用情報記憶領域713fは、普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4からなる。普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、ゲート108を遊技球が通過したタイミングで取得された、普図当たり乱数カウンタC4と普図図柄乱数カウンタC5とのカウント値が普図判定用情報として関連づけられて記憶される。普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、4つを上限として普図判定用情報を記憶することができるようになっている。
また、普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、普図当たり判定を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、普図判定用情報格納領域FJ1から普図判定用情報格納領域FJ2…普図判定用情報格納領域FJ4といったように、番号が若い普図判定用情報格納領域に記憶された普図判定用情報ほど、普図当たり判定を受けるための優先順位が高く設定されている。本実施の形態1では、時系列的に、先に取得された普図判定用情報の方から、番号が若い普図判定用情報格納領域に記憶される。
大入賞口スイッチ処理プログラム712gは、大入賞口SW716により大入賞口109に入賞した遊技球を検出させ、普通入賞口スイッチ処理プログラム712hは、普通入賞口SW717により普通入賞口110に入賞した遊技球を検出させる。
図柄処理プログラム712iは、特別図柄処理プログラム712j、普通図柄処理プログラム712kを順次実行させる。特別図柄処理プログラム712jは、特図判定用情報記憶領域713dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定を順次おこなわせ、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域713eに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、特別図柄表示部201に表示させた特別図柄の変動表示および停止表示をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図判定用情報記憶領域713dに複数の特図判定用情報が記憶されている場合、もっとも優先順位の高く設定された特図判定用情報格納領域TJ1に記憶された特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定を順次おこなわせる。
具体的に、特別図柄処理プログラム712jでは、まず、ROM712に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと特図判定用情報の特図当たり乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された特図当たり判定テーブルTAtについて説明する。
(特図当たり判定テーブル)
図11−1は、特図当たり判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図11−2は、特図当たり判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。特図当たり判定テーブルTAtは、図11−1に示す低確率特図当たり判定テーブルTAt1と、図11−2に示す高確率特図当たり判定テーブルTAt2とから構成される。
低確率特図当たり判定テーブルTAt1および高確率特図当たり判定テーブルTAt2は、大当たり(特図当たり)に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、低確率特図当たり判定テーブルTAt1および高確率特図当たり判定テーブルTAt2の判定値は、特図当たり判定における大当たりに対する当選確率を定めている。
具体的に、特図当たり判定において、大当たりに対する当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。低確率特図当たり判定テーブルTAt1では大当たりに対して判定値「0(1個)」を割り当てている。一方、高確率特図当たり判定テーブルTAt2では大当たりに対して判定値「0〜9(10個)」を割り当てている。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定時に、高確率遊技状態(確変遊技状態および特殊遊技状態)であることを示す高確遊技フラグがOFFに設定されていた場合には、低確率特図当たり判定テーブルTAt1を用いて特図当たり判定をおこなわせる。特図当たり判定時に高確遊技フラグがONに設定されていた場合には、高確率特図当たり判定テーブルTAt2を用いて特図当たり判定をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定において、特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定させる。一方、特図当たり乱数が大当たりの判定値にも一致しない場合には大当たりに落選した(ハズレ)と判定させる。
前述したように、ぱちんこ遊技機100で取得される特図当たり乱数は0〜299までのいずれかの数値となる。このため、低確率特図当たり判定テーブルTAt1を用いて特図当たり判定をおこなった場合、1/300の確率で大当たりに当選するようになる。高確率特図当たり判定テーブルTAt2を用いて特図当たり判定をおこなった場合、10/300(=1/30)の確率で大当たりに当選するようになる。
また、特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定で大当たりに当選した場合、つづいて、ROM712に記憶された特図図柄判定テーブルTZtと特図判定用情報の特図図柄乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された特図図柄判定テーブルTZtについて説明する。
(特図図柄判定テーブル)
図12−1は、特図図柄判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図12−2は、特図図柄判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。特図図柄判定テーブルTZtは、図12−1に示す第1特図図柄判定テーブルTZt1と、図12−2に示す第2特図図柄判定テーブルTZt2とから構成される。
第1特図図柄判定テーブルTZt1および第2特図図柄判定テーブルTZt2は、各大当たりの種別(図示の例では16R長当たり、16R短当たり、4R短当たり)に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、第1特図図柄判定テーブルTZt1および第2特図図柄判定テーブルTZt2の判定値は、特図図柄判定における各大当たりの種別に対する当選確率を定めている。
具体的に、特図図柄判定において、それぞれの種別の大当たりに対する当選確率は、それぞれの大当たりに対応づけられた判定値の個数によって定められる。第1特図図柄判定テーブルTZt1では16R長当たりに対して判定値「0〜19(20個)」を割り当てている。また、第1特図図柄判定テーブルTZt1では16R短当たりに対して判定値「20〜49(30個)」を割り当て、4R短当たりに対して判定値「50〜99(50個)」を割り当てている。
一方、第2特図図柄判定テーブルTZt2では16R長当たりに対して判定値「0〜49(50個)」を割り当てている。また、第2特図図柄判定テーブルTZt2では16R短当たりに対して判定値の割り当てがなく、4R短当たりに対して判定値「50〜99(50個)」を割り当てている。
特別図柄処理プログラム712jは、判定対象の特図判定用情報の入賞始動口が第1始動口105であった場合には、第1特図図柄判定テーブルTZt1を用いて特図図柄判定をおこなわせる。判定対象の特図判定用情報の入賞始動口が第2始動口106であった場合には、第2特図図柄判定テーブルTZt2を用いて特図図柄判定をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図図柄判定において、特図判定用情報の特図図柄乱数が16R長当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、16R長当たりに当選したと判定させる。特図判定用情報の特図図柄乱数が16R短当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、16R短当たりに当選したと判定させる。4R短当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、4R短当たりに当選したと判定させる。
前述したように、ぱちんこ遊技機100で取得される特図図柄乱数は0〜99までのいずれかの数値となる。このため、第1特図図柄判定テーブルTZt1を用いて特図図柄判定をおこなった場合、20/100で16R長当たりに当選するようになる。第2特図図柄判定テーブルTZt2を用いて特図図柄判定をおこなった場合、50/100で16R長当たりに当選するようになる。つまり、ぱちんこ遊技機100では第2始動口106へ入賞することにより、第1始動口105に入賞するよりも、16R長当たり(もっとも多くの賞球を獲得可能な大当たり)に当選し易くした大当たり抽選がおこなわれるようにしている。
(特図変動パターン判定テーブル)
つづいて、特別図柄処理プログラム712jは、特図変動パターン判定テーブルTHtと、特図判定用情報の変動パターン乱数とを比較させる。図13−1は、特図変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図13−2は、特図変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。
特図変動パターン判定テーブルTHtは、図13−1に示す第1特図変動パターン判定テーブルTHt1と、図13−2に示す第2特図変動パターン判定テーブルTHt2とから構成される。第1特図変動パターン判定テーブルTHt1および第2特図変動パターン判定テーブルTHt2は、各特図変動パターンTHp1〜THp7に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、特図変動パターンTHp1〜THp7は、特別図柄の変動態様を定めたものである。たとえば、特図変動パターンTHp1〜THp7は、特別図柄の変動時間(変動させる時間尺)を定めたものとすることができる。
第1特図変動パターン判定テーブルTHt1および第2特図変動パターン判定テーブルTHt2の判定値は、特図変動パターン判定における各特図変動パターンTHp1〜THp7に対する当選確率を定めている。具体的に、特図変動パターン判定において、各特図変動パターンTHp1〜THp7の当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合には、第1特図変動パターン判定テーブルTHt1を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、第2特図変動パターン判定テーブルTHt2を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。
第1特図変動パターン判定テーブルTHt1および第2特図変動パターン判定テーブルTHt2において、時間尺の長い変動時間を定めた特図変動パターンほど、大当たり時には判定され易く、ハズレ時には判定され難くなっている。換言すれば、ぱちんこ遊技機100では、時間尺の長い変動時間を定めた特図変動パターンほど、大当たりに対する期待度が高くなるように、各特図変動パターンTHp1〜THp7の判定値を定めている。
また、特図変動パターンTHp1と特図変動パターンTHp2とには、判定条件が対応づけられている。この判定条件は、変動パターン乱数が「0〜69」の場合に、特図変動パターンTHp1を特図変動パターン判定の判定結果として導出するか、特図変動パターンTHp2を特図変動パターン判定の判定結果として導出するかを定めている。
たとえば、ここで、判定条件としては特図判定用情報数Uが用いられ、特図変動パターンTHp1には特図判定用情報数Uが「2」未満(U<2)となるような判定条件が定められている。特図変動パターンTHp2には特図判定用情報数Uが「2」以上(U≧2)となるような判定条件が定められている。
このため、ぱちんこ遊技機100では、変動パターン乱数が「0〜69」の場合、特図判定用情報数Uが「2」未満であれば特図変動パターンTHp1が特図変動パターン判定の判定結果として導出される。一方、そのときの特図判定用情報数Uが「2」以上であれば特図変動パターンTHp2が特図変動パターン判定の判定結果として導出される。
ぱちんこ遊技機100では、特に電チューサポート機能付きの遊技状態において、特図判定用情報数Uが「2」以上となる状態が往々にして発生する。このような場合、特図変動パターンTHp1の変動時間(10秒間)よりも短い特図変動パターンTHp2の変動時間(4秒間)により変動をおこなうことで、迅速な遊技の進行を可能にしている。一方、特図判定用情報数が少ないときには、特図変動パターンTHp1の変動をおこなうことで、遊技球が始動口へ入賞するための時間を稼ぐようにしている。
また、ここでの図示および詳細な説明は省略するが、たとえば、電チューサポート機能付きの遊技状態と、電チューサポート機能なしの遊技状態とで、それぞれ異なる特図変動パターン判定テーブルを設けてもよい。この場合、遊技状態に応じて、特図変動パターン判定に用いる特図変動パターン判定テーブルを切り替える。また、第1始動口105に入賞して取得された特図判定用情報に対して用いる特図変動パターン判定テーブルと、第2始動口106に入賞して取得された特図判定用情報に対して用いる特図変動パターン判定テーブルとで、それぞれ異なる特図変動パターン判定テーブルを設けてもよい。
(特図判定結果記憶領域)
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定をおこなわせると、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域713eに記憶させる。図14は、特図判定結果記憶領域の一例を示す説明図である。特図判定結果記憶領域713eには、特図当たり判定の判定結果、特図図柄判定の判定結果、特図変動パターン判定の判定結果が対応づけられて記憶される。
なお、特図判定結果記憶領域713eには、特図当たり判定の判定結果および特図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄を示す情報を記憶するようにしてもよい。たとえば、この場合、16R長当たりでは「1」という図柄を記憶し、16R短当たりでは「2」という図柄を記憶する。また、4R短当たりでは「3」という図柄を記憶し、ハズレでは「−」という図柄を記憶する。
特別図柄処理プログラム712jは、特図判定結果記憶領域713eに記憶された判定結果を用いて、特別図柄の表示制御をおこなわせる。ここでは、特図変動パターンが定めた変動時間だけ特別図柄の変動をおこなった後、特図当たり判定の判定結果および特図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄で特図図柄を停止させる。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報記憶領域713fに記憶されている普図判定用情報を用いて、普図当たり判定、普図図柄判定、普図変動パターン判定を順次おこなわせ、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域713gに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、普通図柄表示部202に表示させた普通図柄の変動表示および停止表示をおこなわせる。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報記憶領域713fに複数の普図判定用情報が記憶されている場合、もっとも優先順位の高く設定された普図判定用情報格納領域FJ1に記憶された普図判定用情報を用いて、普図当たり判定、普図図柄判定、普図変動パターン判定を順次おこなわせる。
具体的に、普通図柄処理プログラム712kでは、まず、ROM712に記憶された普図当たり判定テーブルFAtと普図判定用情報の普図当たり乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された普図当たり判定テーブルFAtは、普通図柄当たり(以下「普図当たり」と略す)に対して、普図当たりの当選確率を定めた所定の判定値を対応づけて構成される。
普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり乱数が普図当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には普図当たりに当選したと判定させる。一方、普図当たり乱数が普図当たりに対応づけられた判定値と一致しない場合には普図当たりに落選した(ハズレ)と判定させる。また、普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり判定時に、電チューサポート機能なし遊技状態であることを示す時短フラグがOFFに設定されているときと、時短遊技フラグがONに設定されているときとで、異なる普図当たり判定テーブルを用いて普図当たり判定をおこなわせてもよい。
また、普通図柄処理プログラム712kは、普図当たりに当選した場合、つづいて、ROM712に記憶された普図図柄判定テーブルFZtと普図判定用情報の普図図柄乱数とを比較させる。ここで、普図図柄判定テーブルFZtは、各普図当たりの種別(本実施の形態1の例では長開放当たり、短開放当たり)に対して、各普図当たりの種別の当選確率を定めた所定の判定値を対応づけて構成される。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報の普図図柄乱数が長開放当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、長開放当たりに当選したと判定させる。普図判定用情報の普図図柄乱数が短開放当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、短開放当たりに当選したと判定させる。
つづいて、普通図柄処理プログラム712kは、普図変動パターン判定テーブルFHtを参照して、普図変動パターンを判定させる。ここで、普図変動パターン判定テーブルFHtは、異なる普図変動パターン(たとえば普図変動パターンFHp1と普図変動パターンFHp2とする)に対して、各普図変動パターンが判定結果として導出されるための判定条件を対応づけて構成される。
ここで、普図変動パターンFHp1およびFHp2は、普通図柄の変動態様を定めたものである。たとえば、普図変動パターンFHp1およびFHp2は、普通図柄の変動時間を定めている。たとえば、普図変動パターンFHp1は変動時間「30秒」を定めており、普図変動パターンFHp2は変動時間「10秒」を定めているものとする。
たとえば、普通図柄処理プログラム712kは、電チューサポート機能なし遊技状態であるとき、普図変動パターン判定において、普図変動パターンFHp1(長い変動時間を定めた普図変動パターン)と判定させる。一方、普通図柄処理プログラム712kは、電チューサポート機能付き遊技状態であるとき、普図変動パターン判定において、普図変動パターンFHp2(短い変動時間を定めた普図変動パターン)と判定させる。
普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり判定、普図図柄判定、普図変動パターン判定をおこなわせると、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域713gに記憶させる。そして、普通図柄処理プログラム712kは、普図判定結果記憶領域713gに記憶された判定結果などを用いて、普通図柄の表示制御をおこなわせる。ここでは、普図変動パターンが示す変動時間で普通図柄の変動をおこなった後、普図当たり判定の判定結果および普図図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄で普通図柄を停止させる。
電動役物制御処理プログラム712lは、大入賞口処理プログラム712m、電動チューリップ処理プログラム712oなどのサブプログラムを順次実行させる。大入賞口処理プログラム712mは、特別図柄処理プログラム712jの処理結果に基づき大入賞口開放パターンを設定させ、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。
大入賞口開放パターンテーブルKPt1は、各大当たりに対して、各大当たりによる大入賞口109の開放態様を定めた大入賞口開放パターンにより構成される。前述したように、ぱちんこ遊技機100は、16R長当たりと16R短当たりと4R短当たりとの3つの大当たりを有する。このため、大入賞口開放パターンテーブルKPt1は、16R長当たり用の大入賞口開放パターンと、16R短当たり用の大入賞口開放パターンと、4R短当たり用の大入賞口開放パターンとにより構成される。
たとえば、本実施の形態1において、16R長当たり用の大入賞口開放パターンは、30秒間の大入賞口109の開放を16ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。16R短当たり用の大入賞口開放パターンは、0.5秒間の大入賞口109の開放を12ラウンド分おこなわせた後、30秒間の大入賞口109の開放を4ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。また、4R短当たり用の大入賞口開放パターンは、30秒間の大入賞口109の開放を4ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。
大入賞口処理プログラム712mは、16R長当たりに当選した場合は、16R長当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。16R短当たりに当選した場合は、16R短当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。4R短当たりに当選した場合は、4R短当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。
また、大入賞口処理プログラム712mは、サブプログラムとして遊技状態設定処理プログラム712nを実行させる。遊技状態設定処理プログラム712nは、当選した大当たりに応じて高確フラグや時短フラグなどの遊技フラグを遊技フラグ記憶領域713hに設定させる。
電動チューリップ処理プログラム712oは、普通図柄処理プログラム712kの処理結果や遊技フラグの設定に基づき電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。
電動チューリップ開放パターンテーブルKPt2は、各普図当たりに対して、各普図当たりによる電動チューリップ107の開放態様を定めた電動チューリップ開放パターンにより構成される。前述したように、ぱちんこ遊技機100は、長開放当たりと短開放当たりとの2つの普図当たりを有する。このため、電動チューリップ開放パターンテーブルKPt2は、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンと、短開放当たり用の電動チューリップ開放パターンとにより構成される。
たとえば、本実施の形態1において、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンは、6秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。短開放当たり用(且つ電チューサポート機能なし遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンは、0.5秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。短開放当たり用(且つ電チューサポート機能付き遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンは、3秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。
電動チューリップ処理プログラム712oは、長開放当たりに当選した場合は、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。短開放当たりに当選して時短遊技フラグがOFFであると、短開放当たり用(且つ電チューサポート機能なし遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。短開放当たりに当選して時短遊技フラグがONであると、短開放当たり用(且つ電チューサポート機能付き遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。
賞球処理プログラム712pは、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110の各入賞口への入賞に対して、所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示(賞球コマンド)を、賞球情報記憶領域713iに設定させる。
出力処理プログラム712qは、RAM713に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報などを主制御部701に接続された各制御部(たとえば賞球制御部702、演出制御部703)に対して出力させる。
また、上述した始動口スイッチ処理プログラム712eは、サブプログラムとして事前判定処理プログラム(不図示)を実行してもよい。ここで、事前判定処理プログラムは、特図判定用情報記憶領域713dに記憶された各特図判定用情報に対する、特図当たり判定、特図図柄判定、特図変動パターン判定を順次実行させ、これらの判定結果を事前判定記憶領域(不図示)に記憶させる。
また、主制御部701は、RAM713に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報を、盤用外部情報端子基板791を介して外部(たとえば遊技場のホールコンピュータ)に出力してもよい。主制御部701は、たとえば、主制御基板によりその機能を実現することができる。
(2.賞球制御部)
賞球制御部702は、CPU721と、ROM722と、RAM723と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU721は、主制御部701からの払い出し指示(たとえば賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出し制御に関する各種プログラムをROM722から読み出し、RAM723をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、賞球制御部702には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。たとえば、賞球制御部702には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW724と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW725と、枠体前面に設けられた打球供給皿120内の遊技球の有無を検出する球有り検出SW726と、打球供給皿120が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW727とが接続されている。
各種SW724〜727は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部702へ入力する。たとえば、各種SW724〜727としては近接スイッチを採用することができる。賞球制御部702は、主制御部701から出力された払い出し指示や、各種SW724〜727から入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部702は、各種SW724〜727から入力される検出信号を主制御部701へ出力してもよい。
また、賞球制御部702には、発射部728や払出部729が接続される。発射部728は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による発射操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部702は、発射部728に対する遊技者の発射操作を検出すると、遊技球を発射するように発射部728を制御する。この際に、賞球制御部702は、遊技球を間欠的(たとえば1分間に100発)に遊技盤101の遊技領域103に向けて発射させるように制御する。
払出部729は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数を払い出すものであり、払出駆動モータなどを備える。賞球制御部702は、払出部729の払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出すように払出部729を制御する。
また、賞球制御部702は枠用外部情報端子基板792と接続され、賞球制御部702の処理結果をあらわす情報などを、枠用外部情報端子基板792を介して外部(たとえば遊技場のホールコンピュータ)に出力してもよい。たとえば、賞球制御部702は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
(3.演出制御部)
(3−1.演出統括部)
図15は、本実施の形態1のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その2)である。演出制御部703は、演出制御部703全体を統括する演出統括部703aと、画像表示部104の表示制御やスピーカ114の音声出力制御などをおこなう画像・音声制御部703bと、可動役物(第1可動役物131、第2可動役物132)の駆動制御や演出ライト部115のランプの点灯制御などをおこなうランプ制御部703cとを備えている。
演出統括部703aは、CPU731と、ROM732と、RAM733と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU731は、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の制御に関する各種プログラムをROM732から読み出し、RAM733をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
たとえば、演出統括部703aは、入出力I/Oを介して、主制御部701から出力されたコマンドを受信して、特図判定用情報に基づく判定の判定結果や普図判定用情報に基づく判定の判定結果を取得する。そして、取得された情報に基づき、実行対象の演出を決定して、この演出の開始を指示するコマンド(特図演出開始コマンドや普図演出開始コマンド)をRAM733に設定する。演出統括部703aは、これらのコマンドを入出力I/Oを介して、画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する。
また、演出統括部703aには、遊技者からの操作を受け付けるための演出ボタン118や十字キー119が接続されている。演出ボタン118や十字キー119は、遊技者により操作(たとえば押下)されたキーに対応する制御信号を演出統括部703aへ入力する。演出統括部703aは、演出ボタン118や十字キー119から入力される制御信号に基づき、遊技者による操作を受け付けたことを示す操作コマンド(演出ボタンコマンドや十字キーコマンド)をRAM733に設定する。
ここで、演出統括部703aのCPU731が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM733に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態1で重要となるもののみを説明している。ROM732には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM733には以下で説明する記憶領域のほかにも不図示の記憶領域が多数設定されている。
演出メイン処理プログラム732aは、演出統括部703a(ぱちんこ遊技機100)への電源の供給にともなって、演出統括部703aのCTCなどの内蔵デバイスの初期設定をおこなわせて、設定内容を設定記憶領域733aに記憶させる。
演出タイマ割込処理プログラム732bは、演出メイン処理プログラム732aにより設定記憶領域733aに記憶された周期で、演出メイン処理プログラム732aに対して割り込み実行される。演出タイマ割込処理プログラム732bは、コマンド受信処理プログラム732d、操作受付処理プログラム732j、コマンド出力処理プログラム732kなどのサブプログラムを順次実行させる。
演出用乱数更新処理プログラム732cは、演出用乱数など、演出カウンタ記憶領域733bに記憶された演出統括部703aが管理する各種乱数取得用のカウンタのカウント値を更新させる。たとえば、演出用乱数更新処理プログラム732cは、1回実行されるごとに、演出用乱数カウンタのカウント値を「+1」カウントアップした内容で、演出カウンタ記憶領域733bを更新させる。また、演出用乱数カウンタのカウント値が所定値に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。本実施の形態1においては一例として、演出用乱数をたとえば「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。
コマンド受信処理プログラム732dは、主制御部701から出力されたコマンドを受信させて、受信されたコマンドに基づき、判定結果記憶領域733cの記憶内容を更新させる。ここで、判定結果記憶領域733cには、主制御部701の特図判定結果記憶領域713eと同期させるための特図対応記憶領域733dと、普図判定結果記憶領域713gと同期させるための普図対応記憶領域733eとが設けられている。
たとえば、コマンド受信処理プログラム732dは、特図変動開始コマンドが受信された場合、この特図変動開始コマンドにも基づき特図対応記憶領域733dの記憶内容を特図判定結果記憶領域713eと同期させる。普図変動開始コマンドが受信された場合、この普図変動開始コマンドにも基づき普図対応記憶領域733eの記憶内容を普図判定結果記憶領域713gと同期させる。
また、コマンド受信処理プログラム732dは、判定結果記憶領域733cの記憶内容に基づき、特図演出開始処理プログラム732e、特図演出終了処理プログラム732f、普図演出開始処理プログラム732g、普図演出終了処理プログラム732h、大当たり演出処理プログラム732iを実行させる。
特図演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの記憶内容に基づき、特別図柄の変動中におこなう演出(以下「特図演出」という)の演出内容を判定させて、この演出内容の特図演出を開始させる。たとえば、特図演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの特図変動パターンを示す情報に基づき、複数の特図演出パターンが登録された特図演出パターンテーブルTEtの中から実行対象の特図演出の演出内容を定めた特図演出パターンを判定させる。
(特図演出パターンテーブル)
図16は、特図演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。特図演出パターンテーブルTEtは、各特図演出パターンTEp1〜TEp7に対して、特図変動パターンTHp1〜THp7を対応づけて構成される。ここで、特図演出パターンTEp1〜TEp7は、ノーマルハズレ演出やリーチ演出など、特別演出の演出内容を定めたものである。
たとえば、本実施の形態1において、特図演出パターンTEp1は「ノーマルハズレ演出A」を定めており、特図演出パターンTEp2は「ノーマルハズレ演出B」を定めている。また、特図演出パターンTEp3は「低期待度リーチ演出」を定めており、特図演出パターンTEp4は「中期待度リーチ演出(非役物)」を定めており、特図演出パターンTEp5は「中期待度リーチ演出(役物)」を定めている。
そして、特図演出パターンTEp6は「高期待度リーチ演出(非役物)」を定めており、特図演出パターンTEp7は「高期待度リーチ演出(役物)」を定めている。ここでは、特図演出パターンTEp5の「中期待度リーチ演出(役物)」および特図演出パターンTEp7の「高期待度リーチ演出(役物)」が、第1可動役物131や第2可動役物132を用いる役物演出を定めた特図演出パターンとしている。
また、各特図演出パターンTEp1〜TEp7には、それぞれの特図演出をおこなわせるために、画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する演出中コマンド(画像・音声制御コマンド、ランプ制御コマンド)と、各演出中コマンドを出力するタイミングとが対応づけられている。ここで、画像・音声制御コマンドは、画像・音声制御部703bに対して出力されるコマンドである。ランプ制御コマンドは、ランプ制御部703cに対して出力されるコマンドである。
たとえば、「中期待度リーチ演出(役物)」の特図演出パターンTEp5には、画像・音声制御コマンドCg5やランプ制御コマンドCr11などが対応づけられている。ここで、画像・音声制御コマンドCg5は、特別図柄の変動開始時(特図演出開始時)から所定期間が経過した時期teで画像・音声制御部703bに出力されるように定められている。ランプ制御コマンドCr11は、特別図柄の変動開始時(特図演出開始時)から所定期間が経過した時期tfでランプ制御部703cに出力されるように定められている。また、ランプ制御コマンドCr11は、第1可動役物131を駆動対象とし、第1可動役物131を駆動させるためのコマンドとすることができる。
たとえば、「高期待度リーチ演出(役物)」の特図演出パターンTEp7には、画像・音声制御コマンドCg7やランプ制御コマンドCr11、ランプ制御コマンドCr23などが対応づけられている。ここで、画像・音声制御コマンドCg7は、特図演出開始時(特別図柄の変動開始時)から所定期間が経過した時期thで画像・音声制御部703bに出力されるように定められている。ランプ制御コマンドCr11は特図演出開始時から所定期間が経過した時期tiで、ランプ制御コマンドCr23は特図演出開始時から所定期間が経過した時期tjで、ランプ制御部703cに出力されるように定められている。
また、ランプ制御コマンドCr11は、第1可動役物131を駆動対象とし、第1可動役物131を駆動させるためのコマンドとすることができる。ランプ制御コマンドCr23は、第2可動役物132を駆動対象とし、第2可動役物132を駆動させるためのコマンドとすることができる。
特図演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの特図変動パターンを示す情報に基づき、この特図変動パターンに対応づけられた特図演出パターンを特図演出パターンテーブルTEtの中から判定させる。そして、この判定結果(特図演出パターン)を示す情報を含んだ特図演出開始コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。
また、特図演出開始処理プログラム732eは、特図演出パターンに対応づけられた演出中コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。たとえば、「高期待度リーチ演出(役物)」の特図演出パターンTEp7の場合、画像・音声制御コマンドCg7やランプ制御コマンドCr11やランプ制御コマンドCr23などを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。
さらに、特図演出開始処理プログラム732eは、演出用乱数を取得させ、この演出用乱数に基づき、演出用乱数に対応づけられた予告演出パターンを予告演出パターンテーブルYEtの中から判定させてもよい。この場合、たとえば、特図演出開始コマンドには、判定結果の予告演出パターンを示す情報を含まれる。なお、ここで、予告演出パターンは、たとえば、ステップアップ予告や小キャラ予告などの予告演出の演出内容を定めたものである。
特図演出終了処理プログラム732fは、特図演出開始処理プログラム732eにより開始された特図演出を終了させる。また、特図演出終了処理プログラム732fは、演出モードの設定などをおこなわせてもよい。
普図演出開始処理プログラム732gは、普図対応記憶領域733eの記憶内容に基づき、普通図柄の変動中におこなう演出(以下「普図演出」という)の演出内容を判定させて、この演出内容の普図演出を開始させる。たとえば、普図演出開始処理プログラム732gは、普図対応記憶領域733eの普図変動パターンを示す情報に基づき、複数の普図演出パターンが登録された普図演出パターンテーブルFEtの中から実行対象の普図演出の演出内容を定めた普図演出パターンを判定させる。そして、この判定結果(普図演出パターン)を示す情報を含んだ普図演出開始コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。
大当たり演出処理プログラム732iは、主制御部701から出力された大当たりに関するコマンド(たとえばオープニングコマンド)を受信させて、受信されたコマンドに基づき、大当たり中におこなう演出(以下「大当たり演出」という)の演出内容を判定させて、この演出内容の大当たり演出を開始させる。たとえば、大当たり演出処理プログラム732iは、当選した大当たりの種別を示す情報を含むオープニングコマンドに基づき、複数の大当たり演出パターンが登録された大当たり演出パターンテーブルOEtの中から実行対象の大当たり演出の演出内容を定めた大当たり演出パターンを判定させる。
本実施の形態1では、16R長当たり用の大当たり演出を定めた長当たり演出パターンと、16R短当たりおよび4R短当たり用の大当たり演出を定めた短当たり演出パターンとがあるものとする。この場合、大当たり演出処理プログラム732iは、16R長当たりに当選した場合は長当たり演出パターンを判定させ、この大当たり演出を開始させる。16R短当たりや4R短当たりに当選した場合は短当たり演出パターンを判定させ、この大当たり演出を開始させる。
また、大当たり演出処理プログラム732iは、主制御部701から出力された大当たりに関するコマンド(たとえばエンディングコマンド)を受信させて、受信されたコマンドに基づき、実行中の大当たり演出を終了させたり、大当たり後の演出モードを設定させたりもする。
操作受付処理プログラム732jは、演出ボタン118や十字キー119からの制御信号を受け付けて、遊技者操作があったことを示す操作コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。コマンド出力処理プログラム732kは、出力コマンド記憶領域733fに設定された各種コマンドを画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに出力させる。たとえば、コマンド出力処理プログラム732kは、出力コマンド記憶領域733fに設定された特図演出開始コマンド、特図演出終了コマンド、演出中コマンドなどを画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに出力させる。
(3−2.画像・音声制御部)
図17は、本実施の形態1のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その3)である。画像・音声制御部703bは、CPU741と、ROM742と、RAM743と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU741は、演出統括部703aにより実行指示された演出を出力(たとえば表示や音声出力)するための各種プログラムをROM742から読み出し、RAM743をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。また、ROM742には、演出用データEdが記憶される。ここで、演出用データEdは、装飾図柄や背景画像やリーチ演出などの画像データや、BGM(Background music)や効果音などの音声データなどを含むデータとすることができる。
たとえば、画像・音声制御部703bは、入出力I/Oを介して、演出統括部703aから出力されたコマンドを受信して、実行指示された演出を示す情報を取得する。そして、取得された情報に基づき、演出用データEdから必要な画像データを読み込んで、実行指示された演出の表示用データなどを生成する。そして、この表示用データに基づく表示をおこなう。また、実行指示された演出の音声出力用データを生成して、この音声出力用データに基づく音声出力をおこなう。
ここで、画像・音声制御部703bのCPU741が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM743に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態1で重要となるもののみを説明している。ROM742には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムなどが多数記憶されている。
画像・音声制御処理プログラム742aは、表示制御処理プログラム742b、音声出力制御処理プログラム742cなどのサブプログラムを順次実行させる。表示制御処理プログラム742bは、演出統括部703aにより実行指示された演出の画像データを演出用データEdから読み込ませて、表示用データなどを生成させる。そして、この表示用データをVRAM(Video RAM)744に格納させる。VRAM744に格納された表示用データは所定のタイミングで画像表示部104に対して出力されて、この表示用データがあらわす画像が画像表示部104の表示画面上に表示される。
また、たとえば、表示制御処理プログラム742bは、表示画面上において、同一位置に背景画像と特図装飾図柄が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像の表示データのZバッファのZ値を参照することで、特図装飾図柄を優先してRAM743に記憶させることで、特図装飾図柄を背景画像よりも手前に見えるように表示させる。
音声出力制御処理プログラム742cは、演出統括部703aにより実行指示された演出の音声データを演出用データEdから読み込ませて、音声出力用データを生成させる。そして、この音声出力用データをRAM743に格納させる。RAM743に格納された音声出力用データは所定のタイミングでスピーカ114に対して出力されて、この音声出力用データがあらわす音声がスピーカ114から出力される。
(3−3.ランプ制御部)
図18は、本実施の形態1のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その4)である。ランプ制御部703cは、CPU751と、ROM752と、RAM753と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU751は、可動役物130の駆動制御および演出ライト部115や盤ランプLpのランプの点灯制御に関する各種プログラムをROM752から読み出し、RAM753をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、ROM752には、複数の制御データからなる制御データテーブルSDt1が記憶される。ここで、制御データは、可動役物130を駆動制御するための駆動制御データや、演出ライト部115や盤ランプLpのランプを点灯制御するための点灯制御データなどからなるデータとすることができる。
たとえば、ランプ制御部703cは、入出力I/Oを介して、演出統括部703aから出力されたランプ制御コマンドを受信する。そして、ランプ制御コマンドにより指定された制御データを読み込み、この制御データの駆動制御データがあらわす制御信号(電気信号)を駆動モータ(第1駆動モータ411、第2駆動モータ511)に入力する。また、読み込んだ制御データの点灯制御データがあらわす制御信号をランプの発光制御回路に入力する。
また、ランプ制御部703cには、第1可動役物131の位置検出をおこなうための第1役物センサS1と、第2可動役物132の位置検出をおこなうための第2役物センサS2とが接続されている。第1役物センサS1は、第1可動役物131が退避位置にあるときに検出信号をランプ制御部703cに入力する。第2役物センサS2は、第2可動役物132が退避位置にあるときに検出信号をランプ制御部703cに入力する。ランプ制御部703cは、第1役物センサS1や第2役物センサS2からの検出信号に基づき、第1可動役物131や第2可動役物132を退避位置へ復帰させたりすることができる。
ここで、ランプ制御部703cのCPU751が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM753に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態1で重要となるもののみを説明している。ROM752には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムなどが多数記憶されている。
役物・ランプ制御処理プログラム752aは、初期動作制御処理プログラム752b、演出開始時制御処理プログラム752c、演出中制御処理プログラム752dなどを順次実行させる。初期動作制御処理プログラム752bは、ぱちんこ遊技機100の起動時に演出統括部703aから出力される初期設定コマンドや復旧コマンドを受信させ、所定の初期動作をおこなわせたりする。
演出開始時制御処理プログラム752cは、たとえば特図演出の開始時に可動役物130が退避位置であるかを判定させて退避位置でなければ復帰駆動をおこなわせたりする。演出中制御処理プログラム752dは、ランプ制御コマンドを受信させて、ランプ制御コマンドに指定された制御データを制御データテーブルSDt1から読み込ませる。そして、この制御データの駆動制御データがあらわす制御信号を可動役物130の駆動モータに入力させたり、点灯制御データがあらわす制御信号を演出ライト部115や盤ランプLpの発光制御回路に入力させたりする。
(制御データテーブル−その1)
図19−1は、制御データテーブルの一例を示す説明図(その1)である。制御データテーブルSDt1は、駆動制御データと点灯制御データとからなる制御データに対して、制御タイムテーブルと、ランプ制御コマンドとを対応づけて構成される。たとえば、ここで、駆動制御データは、第1駆動モータ411や第2駆動モータ511に入力する、一つ以上の制御信号をあらわすデータとなっている(図19−2参照)。同様に、点灯制御データは、演出ライト部115や盤ランプLpの発光制御回路に入力する制御信号をあらわすデータとなっている。
制御タイムテーブルは、駆動制御データおよび点灯制御データの各制御信号を制御対象(たとえば第1駆動モータ411や第2駆動モータ511)に入力するタイミングを定めたタイムテーブルとなっている。ランプ制御部703cは、駆動制御データおよび点灯制御データの各制御信号を、制御タイムテーブルにしたがって制御対象に入力する。また、各制御データにはグループが設定されている。
本実施の形態1では、第1可動役物131に対する駆動制御データを有する制御データが第1グループ、第2可動役物132に対する駆動制御データを有する制御データが第2グループといったように、駆動制御データにより駆動させる可動役物130に応じて異なるグループとなるように設定している。
(駆動制御データ)
ここで、駆動制御データの一例について説明する。図19−2は、駆動制御データの一例を示す説明図である。図19−2には、駆動制御データKd11の例を示している。駆動制御データKd11は、制御信号Si11aと、制御信号Si11bと、制御信号Si11cとからなる。ここで、制御信号Si11a、制御信号Si11b、制御信号Si11cには、それぞれの制御信号を入力する駆動モータ(駆動対象の可動役物)を示す情報や、入力パルス数、パルス速度などが設定されている。
本実施の形態1では、演出制御部703は、演出統括部703aと、画像・音声制御部703bと、ランプ制御部703cとがそれぞれ異なる基板として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図20は、本実施の形態1のぱちんこ遊技機の機能的構成を示す説明図である。図20に示すように、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130と、検出部2001と、駆動制御部2002とを備える。
検出部2001は、可動役物130が所定の基準位置(たとえば退避位置)であるか否かを検出する機能を有する。たとえば、検出部2001は第1役物センサS1や第2役物センサS2と接続される。そして、検出部2001は第1役物センサS1や第2役物センサS2からの検出信号を受け付けて、第1可動役物131や第2可動役物132が各々の基準位置であるか否かを検出する。検出部2001は検出結果を駆動制御部2002へ出力する。
駆動制御部2002は、第1制御部2002aと第2制御部2002bとを備える。第1制御部2002aは、受け付けたコマンドに基づき、可動役物130を駆動させる機能を有する。たとえば、第1制御部2002aは駆動部(本実施の形態では第1駆動部410や第2駆動部510)に対し、受け付けたコマンドに基づく所定の制御信号を入力することで可動役物130を駆動させる。
第2制御部2002bは、検出部2001により可動役物130が基準位置でないと検出された場合に、可動役物130を基準位置へ復帰させる復帰駆動を、第1制御部2002aよる駆動よりも優先しておこなわせる機能を有する。たとえば、第2制御部2002bは検出部2001により基準位置の可動役物130が検出されるまで、駆動部(本実施の形態では第1駆動部410や第2駆動部510)に対し、所定の制御信号(たとえば駆動モータ411や駆動モータ511を所定方向へ回転させる制御信号)を入力することで可動役物130に復帰駆動させる。第2駆動部2002bによる駆動がおこなわれている間、第1制御部2002aは可動役物130の駆動を規制する。
たとえば、ここで、駆動制御部2002は設定部2002cを備えている。設定部2002cは、駆動部に入力する制御データの優先順位を定めた複数の設定領域(後述の第1レイヤLy1〜第3レイヤLy3)を有している。そして、設定部2002cは、受け付けたコマンドに基づく駆動をおこなわせるための制御データや復帰駆動させるための制御データ(以下「復帰駆動制御データ」という)を複数の設定領域に設定することができる。この場合、第1制御部2002aと第2制御部2002bとは、設定部2002cにより制御データが設定された設定領域のうちで優先順位が最も高く定められた設定領域に設定された制御データを駆動部に入力して可動役物130を駆動させる。
設定部2002cは、検出部2001により可動役物130が基準位置でないと検出された場合に、復帰駆動制御データを、複数の設定領域のうちで優先順位が最も高く定められた設定領域に設定する。これにより、ぱちんこ遊技機100では第2制御部2002bによる復帰駆動が第1駆動部2002aにより優先しておこなわれることになる。
また、設定部2002cは、復帰駆動制御データを設定している場合に、この復帰駆動制御データが設定された複数の設定領域のうちで優先順位が最も高く定められた設定領域への他の制御データの設定を規制する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、復帰駆動をおこなっている際に新たなにコマンドを発行しても、優先順位が最も高く定められた設定領域に設定された復帰駆動制御データを維持できる。設定部2002cは、復帰駆動が完了した場合に、複数の設定領域に設定された制御データを破棄するようにしてもよい。これにより、ぱちんこ遊技機100は復帰駆動終了時に、設定領域に設定された制御データの可動役物130の駆動が開始されてしまうことを防止することができる。
駆動制御部2001は、たとえば、ランプ制御部703cのCPU751がROM752に記憶されたプログラムを実行することによりその機能を実現することができる。
(ぱちんこ遊技機がおこなう処理)
(1.主制御部がおこなう処理)
つぎに、前述の動作を実現するためにぱちんこ遊技機100がおこなう詳細な処理の一例について説明する。まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部701がおこなう処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部701の各処理は、たとえば、主制御部701のCPU711がROM712に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(メイン処理)
図21は、メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部701は、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、図21に示すメイン処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。
メイン処理において、主制御部701は、まず、1000ms待機し(ステップS2101)、その後、RAM713へのアクセスを許可する(ステップS2102)。RAM713へのアクセスを許可すると、主制御部701は、RAMクリアスイッチがONであるかを判定する(ステップS2103)。
RAMクリアスイッチがONであれば(ステップS2103:Yes)、主制御部701は、RAMクリアをおこなう(ステップS2104)。ここで、RAMクリアとは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、RAM713に蓄積されている各種情報(たとえば遊技状態を示す情報。時短遊技フラグおよび高確遊技フラグのON/OFF)を所定の初期状態とすることである。
RAMクリアをおこなうと、主制御部701は、クリア時の作業領域を設定し(ステップS2105)、周辺部の初期設定をおこなう(ステップS2106)。たとえば、ステップS2106では、主制御部701は、賞球制御部702や演出制御部703(たとえば演出統括部703a)などの各周辺部に対して、所定の初期設定をおこなうように指示する初期設定コマンドを出力する。
一方、RAMクリアスイッチがONでなければ(ステップS2103:No)、主制御部701は、バックアップフラグがONであるかを判定する(ステップS2107)。バックアップフラグがONであれば(ステップS2107:Yes)、主制御部701は、チェックサムが正常であるかを判定する(ステップS2108)。
チェックサムが正常であれば(ステップS2108:Yes)、主制御部701は、所定の復旧処理を実行する(ステップS2109)。この復旧処理では、たとえば、RAM713のバックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報に基づき、電源遮断前の状態への復旧をおこなう。また、この復旧処理において、主制御部701は、バックアップ情報をあらわす復旧コマンドを演出制御部703(たとえば演出統括部703a)へ出力する。
ステップS2107において、バックアップフラグがONでなければ(ステップS2107:No)、またはチェックサムが正常でなければ(ステップS2108:No)、主制御部701は、ステップS2104へ移行してRAMクリアをおこなう。
つぎに、主制御部701は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(たとえば4ms)を設定し(ステップS2110)、設定記憶領域713aを更新する。なお、主制御部701は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図22参照)を実行する。ステップS2110においてCTCの周期を設定すると、主制御部701は、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS2111)。
電源遮断監視処理を実行すると、主制御部701は、変動パターン乱数を更新し(ステップS2112)、タイマ割込処理の割込禁止設定をおこなう(ステップS2113)。そして、主制御部701は、初期値乱数を更新し(ステップS2114)、タイマ割込処理の割込許可設定をおこない(ステップS2115)、ステップS2111へ移行する。以降、主制御部701は、ステップS2111からステップS2115の処理を繰り返し実行する。
(タイマ割込処理)
図22は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部701は、上記のメイン処理に対して、タイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
タイマ割込処理において、主制御部701は、まず、主制御部701がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS2201)。主制御部701は、この乱数更新処理において、特図当たり乱数、特図図柄乱数、変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図図柄乱数などの各種乱数の更新をおこない、たとえば、それぞれの乱数カウンタC1〜C5のカウント値を「1」カウントアップする。
つぎに、主制御部701は、各種スイッチにより検出をおこなうスイッチ処理を実行する(ステップS2202)。このスイッチ処理において、主制御部701は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(後述)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)などをおこなう。
つづいて、主制御部701は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS2203)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理(後述)と、普通図柄に関する普通図柄処理(詳細な説明および図示は省略)とを含む。特別図柄処理で、主制御部701は、大当たり抽選をおこなって特別図柄の表示制御をおこなう。普通図柄処理で、主制御部701は、普通図柄抽選をおこなって普通図柄の表示制御をおこなう。
つづいて、主制御部701は、大入賞口109および電動チューリップ107の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS2204)。ここで、電動役物制御処理は、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(後述)と、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ処理(詳細な説明および図示は省略)とを含む。大入賞口処理で、主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口109の動作制御をおこなう。電動チューリップ処理で、主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップの動作制御をおこなう。
つづいて、主制御部701は、賞球の払い出し制御に関する賞球処理を実行する(ステップS2205)。賞球処理において、主制御部701は、大入賞口109や普通入賞口110に遊技球が入賞した際に所定個数の賞球を払い出すように賞球制御部702に指示する賞球コマンドをRAM713に設定する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2201〜S2205の各処理によりRAM713に設定されたコマンドを賞球制御部702や演出制御部703などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS2206)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部701はメイン処理へ戻る。
(始動口スイッチ処理)
つぎに、始動口スイッチ処理の処理内容について説明する。図23は、始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部701は、まず、第1始動口SW714aがONになったかを判定する(ステップS2301)。第1始動口SW714aがONになっていなければ(ステップS2301:No)、後述するステップS2305へ移行する。
第1始動口SW714aがONになっていれば(ステップS2301:Yes)、主制御部701は、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図判定用情報数U1が4未満であるか(U1<4)を判定する(ステップS2302)。第1特図判定用情報数U1が4未満でなければ(ステップS2302:No)、すなわち、第1特図判定用情報数U1が4以上であればステップS2305へ移行する。
第1特図判定用情報数U1が4未満であれば(ステップS2302:Yes)、主制御部701は、第1特図判定用情報数U1に「1」を加算した値を、新たな第1特図判定用情報数U1の値とする(ステップS2303)。そして、カウンタ記憶領域713cを参照して、各乱数カウンタC1〜C3のカウント値を特図判定用情報として取得し、これを特図判定用情報記憶領域713dに記憶する(ステップS2304)。
つづいて、主制御部701は、第2始動口SW714bがONになったかを判定する(ステップS2305)。第2始動口SW714bがONになっていなければ(ステップS2305:No)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2始動口SW714bがONになっていれば(ステップS2305:Yes)、主制御部701は、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図判定用情報数U2が4未満であるか(U2<4)を判定する(ステップS2306)。第2特図判定用情報数U2が4未満でなければ(ステップS2306:No)、すなわち、第2特図判定用情報数U2が4以上であれば、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2特図判定用情報数U2が4未満であれば(ステップS2306:Yes)、主制御部701は、第2特図判定用情報数U2に「1」を加算した値を、新たな第2特図判定用情報数U2の値とする(ステップS2307)。そして、カウンタ記憶領域713cを参照して、各乱数カウンタC1〜C3のカウント値を特図判定用情報として取得し、これを特図判定用情報記憶領域713dに記憶し(ステップS2308)、始動口スイッチ処理を終了する。
ステップS2308で特図判定用情報を取得した場合、主制御部701は、ここで取得した特図判定用情報を、第1始動口105に入賞することにより取得された特図判定用情報よりも、優先順位が高くなるような特図判定用情報格納領域に記憶する。そして、第1始動口105に入賞することにより取得された特図判定用情報を、1つずつ、優先順位が低くなる特図判定用情報格納領域へシフトする。
(特別図柄処理)
図24は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。特別図柄処理において、主制御部701は、まず、特別図柄の確定期間であることを示す確定中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2401)。ここで、確定期間は、特別図柄の停止時からの所定期間で、停止された特別図柄を遊技者に認識させるために設けられた期間とすることができる。確定中フラグがONに設定されていれば(ステップS2401:Yes)、ステップS2416に移行する。
確定中フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2401:No)、主制御部701は、大当たり遊技状態であることを示す大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2402)。大当たり遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2402:Yes)、つまり、大当たり遊技状態であれば、特別図柄処理を終了する。
大当たり遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2402:No)、主制御部701は、特別図柄を変動中であるかを判定する(ステップS2403)。特別図柄を変動中であれば(ステップS2403:Yes)、ステップS2412へ移行する。特別図柄を変動中でなければ(ステップS2403:No)、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図判定用情報数U2が1以上であるかを判定する(ステップS2404)。
第2特図判定用情報数U2が1以上であれば(U2≧1)(ステップS2404:Yes)、主制御部701は、第2特図判定用情報数U2から「1」を減算した値を、新たな第2特図判定用情報数U2の値とし(ステップS2405)、ステップS2408へ移行する。第2特図判定用情報数U2が1以上でなければ(ステップS2404:No)、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図判定用情報数U1が1以上であるかを判定する(ステップS2406)。
第1特図判定用情報数U1が1以上であれば(U1≧1)(ステップS2406:Yes)、主制御部701は、第1特図判定用情報数U1から「1」を減算した値を、新たな第1特図判定用情報数U1の値とし(ステップS2407)、ステップS2408へ移行する。第1特図判定用情報数U1が1以上でなければ(ステップS2406:No)、特別図柄処理を終了する。
つづいて、主制御部701は、大当たり抽選処理(後述)をおこなって大当たり抽選の抽選結果を導出し(ステップS2408)、特図変動パターン判定処理(後述)をおこなって特図変動パターン判定の判定結果を導出する(ステップS2409)。そして、ステップS2408およびステップS2409の処理結果に基づき、特別図柄表示部201で特別図柄の変動を開始させる(ステップS2410)。
ステップS2410で特別図柄を変動させる際に、主制御部701は、ステップS2408で第2始動口106に入賞した遊技球に対する大当たり抽選をおこなっていれば第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動させる。ステップS2408で第1始動口105に入賞した遊技球に対する大当たり抽選をおこなっていれば第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動させる。
つづいて、主制御部701は、特図変動開始コマンドをRAM713に設定する(ステップS2411)。ここで、設定される特図変動開始コマンドは、たとえば、ステップS2408でおこなった大当たり抽選の抽選結果や、ステップS2409でおこなった特図変動パターン判定の判定結果を示す情報を含むコマンドとすることができる。主制御部701は、出力処理(図22のステップS2206)を実行した際に、この特図変動開始コマンドを演出統括部703aに出力する。
つづいて、主制御部701は、特別図柄の変動を開始してから変動時間により定められた期間が経過したかを判定する(ステップS2412)。ステップS2412では、変動開始時に判定された特図変動パターンにより定められた変動時間に相当する期間が経過したかを判定する。変動時間が経過していなければ(ステップS2412:No)、特別図柄処理を終了する。
変動時間が経過していれば(ステップS2412:Yes)、主制御部701は、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示すように特別図柄を停止させて(ステップS2413)、特図変動停止コマンドをRAM713に設定する(ステップS2414)。ここで、設定される特図変動停止コマンドは、たとえば、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果や、特図変動パターン判定の判定結果を示す情報を含むコマンドとすることができる。主制御部701は、出力処理(図22のステップS2206)を実行した際に、この特図変動停止コマンドを演出統括部703aに出力する。そして、確定中フラグをONに設定して(ステップS2415)、停止中処理(後述)をおこない(ステップS2416)、特別図柄処理を終了する。
(大当たり抽選処理)
図25は、大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、主制御部701は、まず、高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2501)。高確遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2501:Yes)、高確率特図当たり判定テーブルTAt2をRAM713に設定して(ステップS2502)、ステップS2504へ移行する。
高確遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2501:No)、主制御部701は、低確率特図当たり判定テーブルTAt1をRAM713に設定して(ステップS2503)、ステップS2504に移行する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2502またはステップS2503で設定された特図当たり判定テーブルTAtと、今回の特図当たり判定の判定対象となる特図判定用情報(優先順位のもっとも高い特図判定用情報)の当たり乱数とを比較し、当たり乱数が大当たりの所定値と一致するかを判定する、特図当たり判定をおこなう(ステップS2504)。
つづいて、主制御部701は、ステップS2504の特図当たり判定の判定結果が大当たりであったかを判定する(ステップS2505)。ここでは、特図当たり判定で、判定用情報の特図当たり乱数が、大当たりの所定値と一致したかを判定する。大当たりであれば(ステップS2505:Yes)、特図図柄判定をおこなう(ステップS2506)。
ステップS2506において、主制御部701は、特図図柄判定テーブルTZtと、今回の特図図柄判定の判定対象となる特図判定用情報(優先順位のもっとも高い特図判定用情報)の特図図柄乱数とを比較して、特図図柄乱数がいずれの種別の大当たりの所定値と一致するかを判定する。
ステップS2506で、判定対象の判定用情報の入賞始動口が第1始動口105であれば、主制御部701は第1特図図柄判定テーブルTZt1を用いる。判定対象の判定用情報の入賞始動口が第2始動口106であれば、主制御部701は第2特図図柄判定テーブルTZt2を用いる。そして、特図図柄判定の判定結果(大当たりの種別)をあらわす大当たり図柄をRAM713に設定して(ステップS2507)、大当たり抽選処理を終了する。
一方、ステップS2504の特図当たり判定の判定結果が大当たりでなかった場合(ステップS2505:No)、主制御部701は、ハズレを示すハズレ図柄をRAM713に設定して(ステップS2508)、大当たり抽選処理を終了する。
(特図変動パターン判定処理)
図26は、特図変動パターン判定処理の処理内容を示すフローチャートである。特図変動パターン判定処理において、主制御部701は、直前におこなった大当たり抽選の抽選結果が大当たりであったかを判定する(ステップS2601)。大当たりであれば(ステップS2601:Yes)、大当たり用の第2特図変動パターン判定テーブルTHt2を設定する(ステップS2602)。大当たりでなければ(ステップS2601:No)、すなわち、ハズレであれば、ハズレ用の第1特図変動パターン判定テーブルTHt1を設定する(ステップS2603)。
つづいて、主制御部701は、ステップS2602またはステップS2603で設定された第1特図変動パターン判定テーブルTHt1または第2特図変動パターン判定テーブルTHt2と、判定対象の特図判定用情報の変動パターン乱数とを比較して、変動パターン乱数が、第1特図変動パターン判定テーブルTHt1または第2特図変動パターン判定テーブルTHt2においてどの特図変動パターンに対応するかを判定する、特図変動パターン判定をおこない(ステップS2604)、この判定結果をRAM713に設定して(ステップS2605)、特図変動パターン判定処理を終了する。
(停止中処理)
図27−1は、停止中処理を示したフローチャート(その1)である。図27−2は、停止中処理を示したフローチャート(その2)である。停止中処理において、主制御部701は、まず、確定期間が経過したか否かを判定する(ステップS2701)。確定期間が経過していない場合(ステップS2701:No)、停止中処理を終了する。
確定期間が経過した場合(ステップS2701:Yes)、主制御部701は、確定中フラグをOFFに設定し(ステップS2702)、電チューサポート付き遊技状態であることを示す時短遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2703)。時短遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2703:No)、ステップS2708に移行する。
時短遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2703:Yes)、主制御部701は、時短遊技カウンタのカウント値Jから「1」を減算した値を新たな時短遊技カウンタのカウント値Jとする(ステップS2704)。時短遊技カウンタは、電チューサポート付き遊技状態の残り回数を示しており、本実施の形態1では大当たり時に、たとえば「70」が設定される。つづいて、時短遊技カウンタのカウント値Jが「0」となったかを判定する(ステップS2705)。
時短遊技カウンタのカウント値Jが「0」である場合(ステップS2705:Yes)、主制御部701は、時短遊技フラグをOFFに設定する(ステップS2706)。そして、右打ち表示部205を消灯させるための右打ち報知終了処理をおこなう(ステップS2707)。一方、時短遊技カウンタのカウント値Jが「0」ではない場合(ステップS2705:No)、ステップS2708に移行する。
つづいて、主制御部701は、高確遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2708)。高確遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2708:No)、ステップS2712に移行する。高確遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2708:Yes)、高確遊技カウンタのカウント値Xから「1」を減算した値を新たな高確遊技カウンタのカウント値Xとする(ステップS2709)。高確遊技カウンタは、高確遊技状態の残り回数を示しており、本実施の形態1では大当たり時に、たとえば「74」が設定される。つづいて、高確遊技カウンタのカウント値Xが「0」となったかを判定する(ステップS2710)。
高確遊技カウンタのカウント値Xが「0」である場合(ステップS2710:Yes)、高確遊技フラグをOFFに設定する(ステップS2711)。高確遊技カウンタのカウント値Xが「0」ではない場合(ステップS2710:No)、ステップS2712に移行する。
つづいて、主制御部701は、停止した特別図柄が大当たりを示すもの(大当たり図柄)であるか否かを判定し(ステップS2712)、大当たり図柄ではない場合(ステップS2712:No)、そのまま停止中処理を終了する。大当たり図柄である場合(ステップS2712:Yes)、大当たり遊技フラグをONにし(ステップS2713)、右打ち表示部205を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行する(ステップS2714)。
つづいて、主制御部701は、時短遊技カウンタのカウント値Jおよび高確遊技カウンタのカウント値Xを「0」に設定し(ステップS2715)、時短遊技フラグおよび高確遊技フラグをOFFにし(ステップS2716)、大当たりのオープニングを開始する(ステップS2717)。この後、オープニングコマンドをRAM713に設定し(ステップS2718)、停止中処理を終了する。
(大入賞口処理)
図28は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。大入賞口処理において、主制御部701は、まず、大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2801)。大当たり遊技フラグがOFFであれば(ステップS2801:No)、主制御部701は、そのまま大入賞口処理を終了する。
大当たり遊技フラグがONであれば(ステップS2801:Yes)、主制御部701は、オープニング中であるかを判定する(ステップS2802)。オープニング中であれば(ステップS2802:Yes)、主制御部701はオープニング処理(後述)をおこなって(ステップS2803)、ステップS2804へ移行する。オープニング中でなければ(ステップS2802:No)、ステップS2804へ移行する。
つづいて、主制御部701は、大入賞口109の開放中であるかを判定する(ステップS2804)。大入賞口109の開放中であれば(ステップS2804:Yes)、開放中処理(後述)をおこなう(ステップS2805)。大入賞口109の開放中でなければ(ステップS2804:No)、ステップS2806へ移行する。
つづいて、主制御部701は、インターバル中であるかを判定する(ステップS2806)。インターバル中であれば(ステップS2806:Yes)、インターバル処理(後述)をおこなって(ステップS2807)、ステップS2808へ移行する。インターバル中でなければ(ステップS2806:No)、ステップS2808へ移行する。
つづいて、主制御部701は、エンディング中であるかを判定する(ステップS2808)。エンディング中であれば(ステップS2808:Yes)、エンディング処理(後述)をおこなって(ステップS2809)、大入賞口処理を終了する。エンディング中でなければ(ステップS2808:No)、大入賞口処理を終了する。
(オープニング処理)
図29は、オープニング処理の処理内容を示すフローチャートである。オープニング処理において、主制御部701は、まず、所定のオープニング期間が経過したかを判定する(ステップS2901)。オープニング期間が経過していなければ(ステップS2901:No)、そのままオープニング処理を終了する。
オープニング期間が経過していれば(ステップS2901:Yes)、主制御部701はオープニングを終了し(ステップS2902)、ラウンド数カウンタのカウント値Rを1に設定する(ステップS2903)。そして、ラウンド進行コマンドをRAM713に設定して(ステップS2904)、1ラウンド目の大入賞口109の開放を開始し(ステップS2905)、オープニング処理を終了する。
ここで、ラウンド進行コマンドには、ラウンド数カウンタのカウント値Rの値(何ラウンド目になるのか)を示す情報などが含まれている。主制御部701は、出力処理(図22のステップS2206)を実行した際に、このラウンド進行コマンドを演出統括部703aに出力する。
(開放中処理)
図30は、開放中処理の処理内容を示すフローチャートである。開放中処理において、主制御部701は、まず、開放期間が経過したかを判定する(ステップS3001)。開放期間が経過していなければ(ステップS3001:No)、主制御部701は今回の大入賞口109の開放中に、大入賞口109へ規定個数(たとえば10個)の遊技球の入賞があったかを判定する(ステップS3002)。規定個数の入賞がなければ(ステップS3002:No)、そのまま開放中処理を終了する。
開放期間が経過した場合(ステップS3001:Yes)、または規定個数の入賞があった場合には(ステップS3002:Yes)、主制御部701は、大入賞口109を閉口させる(ステップS3003)。そして、ラウンド数カウンタのカウント値Rが、選択された大入賞口開放パターンのRmaxと一致するかを判定する(ステップS3004)。たとえば、ここで、16R長当たりおよび16R短当たり当選時に選択される大入賞口開放パターンではRmaxは「16」とされる。4R短当たり当選時に選択される大入賞口開放パターンではRmaxは「4」とされる。
ラウンド数カウンタのカウント値RがRmaxと一致しなければ(ステップS3004:No)、主制御部701はインターバルを開始して(ステップS3005)、開放中処理を終了する。ラウンド数カウンタのカウント値RがRmaxと一致すれば(ステップS3004:Yes)、主制御部701は最終ラウンドの開放が終了したと判定して、エンディングを開始する(ステップS3006)。
エンディングを開始すると、主制御部701はエンディングコマンドをRAM713に設定して(ステップS3007)、開放中処理を終了する。このエンディングコマンドには、今回の大当たりのエンディング期間を示す情報などが含まれている。主制御部701は、出力処理(図22のステップS2206)を実行した際に、このエンディングコマンドを演出統括部703aに出力する。
(インターバル処理)
図31は、インターバル処理の処理内容を示すフローチャートである。インターバル処理において、主制御部701は、まず、所定のインターバル期間が経過したかを判定する(ステップS3101)。インターバル期間が経過していなければ(ステップS3101:No)、そのままインターバル処理を終了する。
インターバル期間が経過していれば(ステップS3101:Yes)、主制御部701はインターバルを終了し(ステップS3102)、ラウンド数カウンタのカウント値Rに「1」加算した数値を新たなカウント値Rとする(ステップS3103)。そして、ラウンド進行コマンドをRAM713に設定する(ステップS3104)。つづいて、主制御部701は、Rラウンド目の大入賞口109の開放を開始して(ステップS3105)、インターバル処理を終了する。
(エンディング処理)
図32は、エンディング処理の処理内容を示すフローチャートである。エンディング処理において、主制御部701は、まず、所定のエンディング期間が経過したかを判定する(ステップS3201)。エンディング期間が経過していなければ(ステップS3201:No)、そのままエンディング処理を終了する。
エンディング期間が経過していれば(ステップS3201:Yes)、主制御部701は、エンディングを終了し(ステップS3202)、ラウンド数カウンタのカウント値Rを「0」にリセットする(ステップS3203)。そして、今回の大当たり遊技後の遊技状態を設定する後述の遊技状態設定処理をおこなう(ステップS3204)。そして、大当たり遊技フラグをOFFに設定するとともに(ステップS3205)、右打ち表示部205を消灯させるための右打ち報知終了処理を実行し(ステップS3206)、エンディング処理を終了する。
(遊技状態設定処理)
図33は、遊技状態設定処理の処理内容を示すフローチャートである。遊技状態設定処理において、主制御部701は、まず、電チューサポート機能付きの遊技状態であることを示す時短遊技フラグをONに設定するとともに(ステップS3301)、時短遊技カウンタのカウント値Jを「70」に設定する(ステップS3302)。そして、右打ち表示部205を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行する(ステップS3303)。そして、高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグをONに設定する(ステップS3304)。そして、高確遊技カウンタのカウント値Xを「74」に設定し(ステップS3305)、遊技状態設定処理を終了する。
(2−1.演出統括部がおこなう処理)
つぎに、演出制御部703がおこなう処理について詳細に説明する。まず、演出制御部703の演出統括部703aがおこなう処理から説明する。なお、以下に説明する演出統括部703aがおこなう各処理は、たとえば、演出統括部703aのCPU731がROM732に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(演出メイン処理)
図34は、演出メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部703aは、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、図34に示す演出メイン処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。演出メイン処理において、演出統括部703aは、主制御部701から起動時に出力される初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信するまで待機する(ステップS3401:Noのループ)。
初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信すると(ステップS3401:Yes)、初期設定処理をおこなう(ステップS3402)。この初期設定処理において、たとえば、演出統括部703aは、後述の演出タイマ割込処理の割り込み周期などを設定する。また、初期設定処理において、演出統括部703aは、遊技を開始させる演出モードなどを設定してもよい。
つづいて、演出統括部703aは、初期設定コマンドまたは復旧コマンドをランプ制御部703cや画像・音声制御部703bへ出力し(ステップS3403)、演出用乱数更新処理をおこなって(ステップS3404)、以降、演出用乱数更新処理を繰り返す。たとえば、演出用乱数更新処理において、演出統括部703aは、演出用乱数カウンタのカウント値を「1」カウントアップし、演出用乱数カウンタのカウント値が所定値に達したときには「0」に戻す処理をおこなう。
(演出タイマ割込処理)
図35は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。前述したように、演出統括部703aは、演出メイン処理に対して、図35の演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
演出タイマ割込処理において、演出統括部703aは、まず、後述のコマンド受信処理をおこなう(ステップS3501)。コマンド受信処理をおこなうと、演出統括部703aは、つづいて、演出ボタン118や十字キー119により遊技者からの操作を受け付けた際に操作コマンドを設定する操作受付処理をおこなう(ステップS3502)。
つづいて、演出統括部703aは、コマンド出力処理をおこなう(ステップS3503)。コマンド出力処理では、コマンド受信処理または操作受付処理などによりRAM733の各記憶領域に設定された情報を示すコマンドを、画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する処理をおこなう。
また、コマンド出力処理において、演出統括部703aは、実行中の特図演出の開始時からの経過時間が所定時間となることにより、演出中コマンドを出力するタイミングとなったかを判定する。前述のように、各特図演出パターンTEp1〜TEp7には演出中コマンドを出力するタイミングが予め定められている。演出中コマンドを出力するタイミングとなっていれば、演出統括部703aは、実行中の特図演出および経過時間に基づき、出力する演出中コマンドを画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する。
(コマンド受信処理)
図36は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、演出統括部703aは、まず、主制御部701から特別図柄に関するコマンド(以下「特図コマンド」という)を受信したかを判定する(ステップS3601)。ここで、特図コマンドは、たとえば、前述の特図変動開始コマンドや特図変動停止コマンドとすることができる。
特図コマンドを受信していれば(ステップS3601:Yes)、演出統括部703aは、特図演出に関する特図演出処理(後述)をおこなって(ステップS3602)、ステップS3603へ移行する。特図コマンドを受信していなければ(ステップS3601:No)、そのままステップS3603へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701から普通図柄に関するコマンド(以下「普図コマンド」という)を受信したかを判定する(ステップS3603)。ここで、普図コマンドは、たとえば、普通図柄の変動開始時に出力される普図変動開始コマンドや普通図柄の変動停止時に出力される普図変動停止コマンドとすることができる。
普図コマンドを受信していれば(ステップS3603:Yes)、演出統括部703aは、普図演出に関する普図演出処理(詳細な説明および図示は省略)をおこなって(ステップS3604)、ステップS3605へ移行する。普図コマンドを受信していなければ(ステップS3603:No)、そのままステップS3605へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からオープニングコマンドを受信したかを判定する(ステップS3605)。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS3605:No)、ステップS3607へ移行する。オープニングコマンドを受信していれば(ステップS3605:Yes)、演出統括部703aは、大当たり中におこなう大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる大当たり演出開始処理をおこない(ステップS3606)、ステップS3607へ移行する。
たとえば、大当たり演出開始処理において、演出統括部703aは、16R長当たりに当選していれば16R長当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。16R短当たりに当選していれば16R短当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。4R短当たりに当選していれば4R短当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からラウンド進行コマンドを受信したかを判定する(ステップS3607)。ラウンド進行コマンドを受信していなければ(ステップS3607:No)、ステップS3609へ移行する。ラウンド進行コマンドを受信していれば(ステップS3607:Yes)、演出統括部703aは、進行したラウンドに対応した演出の制御をおこなうラウンド演出進行処理をおこなって(ステップS3608)、ステップS3609へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からエンディングコマンドを受信したかを判定する(ステップS3609)。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS3609:No)、コマンド受信処理を終了する。エンディングコマンドを受信している場合(ステップS3609:Yes)、演出統括部703aは、大当たり演出を終了させる大当たり演出終了処理をおこなって(ステップS3610)、コマンド受信処理を終了する。
(特図演出処理)
図37は、特図演出処理の処理内容を示すフローチャートである。特図演出処理において、演出統括部703aは、まず、特図変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS3701)。特図変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS3701:No)、S3708へ移行する。
特図変動開始コマンドを受信していれば(ステップS3701:Yes)、演出統括部703aは受信した特図変動開始コマンドを解析して(ステップS3702)、大当たり抽選の抽選結果、特図変動パターン(特別図柄の変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する。
つづいて、演出統括部703aは、ステップS3702で取得された情報と、特図演出パターンテーブルTEtとを用いて、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに対応づけられた特図演出パターンを判定し(ステップS3703)、この判定結果(特図演出パターン)をRAM733に設定する。
なお、ステップS3703において、特図演出パターンを設定した際に、演出統括部703aは、停止表示させる特図装飾図柄の組み合わせも決定してもよい。たとえば、リーチ演出の特図演出パターンをRAM733に設定し、大当たり抽選の抽選結果が大当たりの場合は、特図装飾図柄をゾロ目となる組み合わせとする。リーチ演出の特図演出パターンをRAM733に設定し、大当たり抽選の抽選結果がハズレの場合は、特図装飾図柄をリーチハズレ目となる組み合わせとする。ノーマルハズレ演出の変動演出パターンをRAM733に設定した場合は、特図装飾図柄をバラケ目となる組み合わせとする。
つづいて、演出統括部703aは、演出用乱数取得用のカウンタのカウント値を参照して演出用乱数を取得し(ステップS3704)、取得した演出用乱数と予告演出パターンテーブルYEtとを用いて予告演出パターンを判定し(ステップS3705)、この判定結果をRAM733に設定する。そして、ステップS3703で設定された特図演出パターンや特図装飾図柄の組み合わせ、ステップS3705で設定された予告演出パターンが示す予告演出を開始させるための特図演出開始コマンドをRAM733に設定する(ステップS3706)。そして、特図演出開始時からの経過時間の計測を開始して(ステップS3707)、ステップS3708へ移行する。
なお、演出モードごとにそれぞれ異なる演出が用意されている場合、演出統括部703aは、特図演出パターンや予告演出パターンを判定する際に現在の演出モードを示す情報を参照し、現在の演出モードに合致した演出を選択するようにすることで、演出のバリエーションを増加させて、興趣性の高い演出をおこなうことができる。
つづいて、演出統括部703aは、特図変動停止コマンドを受信したかを判定し(ステップS3708)、特図変動停止コマンドを受信していれば(ステップS3708:Yes)、実行中の特図演出を終了させる特図演出終了コマンドをRAM733に設定する(ステップS3709)。そして、特図演出開始時から計測された経過時間をリセットして(ステップS3710)、特図演出処理を終了する。特図変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS3708:No)、そのまま特図演出処理を終了する。
(2−2.ランプ制御部がおこなう処理)
つぎに、ランプ制御部703cがおこなう処理について詳細に説明する。なお、以下に説明するランプ制御部703cがおこなう各処理は、たとえば、ランプ制御部703cのCPU751がROM752に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(役物・ランプ制御処理)
図38は、役物・ランプ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。ランプ制御部703cは、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、図38に示す役物・ランプ制御処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。役物・ランプ制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、演出統括部703aから初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信するまで待機する(ステップS3801:Noのループ)。
初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信すると(ステップS3801:Yes)、ランプ制御部703cは可動役物130や演出ライト部115や盤ランプLpに所定動作をおこなわせる初期動作制御処理をおこなう(ステップS3802)。たとえば、ステップS3802で、ランプ制御部703cは、一旦、第1可動役物131および第2可動役物132を進出位置まで駆動させた後、退避位置まで復帰させる駆動をおこなう。また、ランプ制御部703cは演出ライト部115や盤ランプLpの各ランプを、赤色点灯させた後、緑色点灯させて、その後に青色点灯させる(RGB点灯)。
つづいて、ランプ制御部703cは演出開始時制御処理(後述)をおこなって(ステップS3803)、演出中制御処理(後述)をおこない(ステップS3804)、ステップS3803へ移行して、上記の処理を繰り返す。
(実施の形態1の演出開始時制御処理)
図39は、実施の形態1の演出開始時制御処理の処理内容を示すフローチャートである。実施の形態1の演出開始時制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、特図演出開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS3901)。特図演出開始コマンドを受信していない場合は(ステップS3901:No)、演出開始時制御処理を終了する。
特図演出開始コマンドを受信した場合(ステップS3901:Yes)、ランプ制御部703cは退避位置にない可動役物130があるかを判定する(ステップS3902)。ステップS3902で、ランプ制御部703cは第1役物センサS1および第2役物センサS2の検出信号に基づき、第1可動役物131および第2可動役物132が退避位置となっているかを判定する。退避位置にない可動役物130がない場合(ステップS3902:No)、つまり、すべての可動役物130が退避位置である場合は演出開始時制御処理を終了する。
退避位置にない可動役物130がある場合(ステップS3902:Yes)、ランプ制御部703cは退避位置にない可動役物130を判定する(ステップS3903)。ステップS3903で、ランプ制御部703cは第1役物センサS1により検出されていない場合は、第1可動役物131が退避位置にないと判定する。第2役物センサS2により検出されていない場合は、第2可動役物132が退避位置にないと判定する。第1役物センサS1および第2役物センサS2の双方により検出されていない場合は、第1可動役物131および第2可動役物132の双方が退避位置にないと判定する。
つづいて、ランプ制御部703cはステップS3903の判定結果に基づき、退避位置にない可動役物130を退避位置へ復帰させる復帰駆動を開始する(ステップS3904)。つづいて、復帰駆動中であることを示す復帰中フラグをONに設定し(ステップS3905)、駆動規制フラグ設定処理(後述)をおこなって(ステップS3906)、演出開始制御時処理を終了する。
(駆動規制フラグ設定処理)
図40は、駆動規制フラグ設定処理の処理内容を示すフローチャートである。駆動規制フラグ設定処理において、ランプ制御部703cは、まず、駆動中の可動役物130が属するグループを判定する(ステップS4001)。本実施の形態では、第1可動役物131が駆動中であればステップS4001で第1グループと判定し、第2可動役物132が駆動中であれば第2グループと判定する。第1可動役物131および第2可動役物132が駆動中であれば、第1グループおよび第2グループと判定する。
つづいて、ランプ制御部703cはステップS4001の判定結果として第1グループが得られたかを判定する(ステップS4002)。ステップS4001の判定結果として第1グループが得られていない場合は(ステップS4002:No)、ステップS4004へ移行する。
ステップS4001の判定結果として第1グループが得られた場合(ステップS4002:Yes)、ランプ制御部703cは第1可動役物131の駆動を規制するための第1駆動規制フラグをONに設定して(ステップS4003)、ステップS4004へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cはステップS4001の判定結果として第2グループが得られたかを判定する(ステップS4004)。ステップS4001の判定結果として第2グループが得られていない場合は(ステップS4004:No)、駆動規制フラグ設定処理を終了する。
ステップS4001の判定結果として第2グループが得られた場合(ステップS4004:Yes)、ランプ制御部703cは第2可動役物132の駆動を規制するための第2駆動規制フラグをONに設定して(ステップS4005)、駆動規制フラグ設定処理を終了する。
(実施の形態1の演出中制御処理)
図41は、実施の形態1の演出中制御処理の処理内容を示すフローチャートである。演出中制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、復帰中フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS4101)。復帰中フラグがONに設定されていない場合は(ステップS4101:No)、ステップS4103へ移行する。復帰中フラグがONに設定されている場合は(ステップS4101:Yes)、演出中復帰処理(後述)をおこなって(ステップS4102)、ステップS4103へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cは、制御データにより制御中であることを示す制御中フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS4103)。制御中フラグがONに設定されていない場合は(ステップS4103:No)、ステップS4105へ移行する。制御中フラグがONに設定されている場合は(ステップS4103:Yes)、制御中処理(後述)をおこなって(ステップS4104)、ステップS4105へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cは、演出統括部703aからランプ制御コマンドを受信したかを判定する(ステップS4105)。ランプ制御コマンドを受信していない場合は(ステップS4105:No)、演出中制御処理を終了する。ランプ制御コマンドを受信した場合は(ステップS4105:Yes)、このランプ制御コマンドにより指定された制御データを読み出し、RAM753に設定する(ステップS4106)。
つづいて、ランプ制御部703cは、駆動規制フラグ(第1駆動規制フラグまたは第2駆動規制フラグ)がONに設定されているかを判定する(ステップS4107)。駆動規制フラグがONに設定されていない場合(ステップS4107:No)、つまり、第1駆動規制フラグも第2駆動規制フラグもOFFに設定されている場合は、ステップS4109へ移行する。
駆動規制フラグがONに設定されている場合(ステップS4107:Yes)、つまり、第1駆動規制フラグと第2駆動規制フラグとの少なくとも一方がONに設定されている場合、ランプ制御部703cは制御データ補正処理(後述)をおこなって(ステップS4108)、ステップS4109へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cはRAM753に設定された制御データにより制御(駆動制御および点灯制御)を開始する(ステップS4109)。ランプ制御部703cは、設定された制御データに対応づけられた制御タイムテーブルにしたがって、制御データ(の各制御信号)を入力していく。つづいて、制御中フラグをONに設定して(ステップS4110)、演出中制御処理を終了する。
(実施の形態1の演出中復帰処理)
図42は、実施の形態1の演出中復帰処理の処理内容を示すフローチャートである。実施の形態1の演出中復帰処理において、ランプ制御部703cは、まず、復帰駆動中の可動役物130が退避位置となったかを判定する(ステップS4201)。たとえば、第1可動役物131を復帰駆動させている場合には第1役物センサS1がONとなったかを判定する。第2可動役物132を復帰駆動させている場合には第2役物センサS2がONとなったかを判定する。退避位置となっていない場合は(ステップS4201:No)、演出中復帰処理を終了する。
復帰駆動中の可動役物130が退避位置となった場合(ステップS4201:Yes)、ランプ制御部703cは退避位置となった可動役物130の復帰駆動を完了する(ステップS4202)。そして、この復帰駆動により第1可動役物131が退避位置となったかを判定する(ステップS4203)。復帰駆動により第1可動役物131が退避位置となったのでなければ(ステップS4203:No)、ステップS4205へ移行する。復帰駆動により第1可動役物131が退避位置となったのであれば(ステップS4203:Yes)、第1駆動規制フラグをOFFに設定して(ステップS4204)、ステップS4205へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cは、復帰駆動により第2可動役物132が退避位置となったかを判定する(ステップS4205)。復帰駆動により第2可動役物132が退避位置となったのでなければ(ステップS4205:No)、ステップS4207へ移行する。復帰駆動により第2可動役物132が退避位置となったのであれば(ステップS4205:Yes)、第2駆動規制フラグをOFFに設定して(ステップS4206)、ステップS4207へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cは復帰駆動中の可動役物130があるかを判定する(ステップS4207)。復帰駆動中の可動役物がある場合は(ステップS4207:Yes)、演出中復帰処理を終了する。復帰駆動中の可動役物130がない場合は(ステップS4207:No)、復帰中フラグをOFFに設定して(ステップS4208)、演出中復帰処理を終了する。
(制御中処理)
図43は、制御中処理の処理内容を示すフローチャートである。制御中処理において、ランプ制御部703cは可動役物130の駆動を開始したかを判定する(ステップS4301)。たとえば、ステップS4301で、ランプ制御部703cはRAM753に設定された制御データの制御タイムテーブルにおいて、最初に入力するように定められた駆動制御データ(の最初の制御信号)の入力を開始したかを判定する。可動役物130の駆動を開始していない場合は(ステップS4301:No)、ステップS4303へ移行する。可動役物130の駆動を開始した場合は(ステップS4301:Yes)、駆動規制フラグ設定処理(前述)をおこなって(ステップS4302)、ステップS4303へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cは可動役物130の駆動が完了したかを判定する(ステップS4303)。たとえば、ステップS4303で、ランプ制御部703cはRAM753に設定された制御データの制御タイムテーブルにおいて、最後に入力するように定められた駆動制御データ(の最後の制御信号)の入力が完了したかを判定する。可動役物130の駆動が完了していない場合は(ステップS4303:No)、制御中処理を終了する。
可動役物130の駆動が完了した場合(ステップS4303:Yes)、ランプ制御部703cは第1駆動規制フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS4304)。第1駆動規制フラグがONに設定されていない場合は(ステップS4304:No)、ステップS4306へ移行する。第1駆動規制フラグがONに設定されている場合は(ステップS4304:Yes)、第1駆動規制フラグをOFFに設定して(ステップS4305)、ステップS4306へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cは、第2駆動規制フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS4306)。第2駆動規制フラグがONに設定されていない場合は(ステップS4306:No)、ステップS4308へ移行する。第2駆動規制フラグがONに設定されている場合は(ステップS4306:Yes)、第2駆動規制フラグをOFFに設定して(ステップS4307)、RAM753に設定された制御データのうち、未入力の制御信号があるかを判定する(ステップS4308)。前述のように、RAM753に設定された制御データ(駆動制御データ、点灯制御データ)の各制御信号は、制御タイムテーブルにしたがって順次入力されていく。ステップS4308では、RAM753に設定された制御データの駆動制御データおよび点灯制御データがあらわすすべての制御信号の入力が完了したかを判定する。
未入力の制御信号がある場合(ステップS4308:Yes)、ランプ制御部703cは制御中処理を終了する。未入力の制御信号がない場合(ステップS4308:No)、つまり、RAM753に設定された制御データがあらわすすべての制御信号の入力が完了した場合は制御中フラグをOFFに設定して(ステップS4309)、制御中処理を終了する。
(制御データ補正処理)
図44は、制御データ補正処理の処理内容を示すフローチャートである。制御データ補正処理において、ランプ制御部703cは、まず、RAM753に設定された制御データが第1グループの制御データであるかを判定する(ステップS4401)。第1グループの制御データでない場合は(ステップS4401:No)、ステップS4404へ移行する。
RAM753に設定された制御データが第1グループの制御データである場合(ステップS4401:Yes)、ランプ制御部703cは第1駆動規制フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS4402)。第1駆動規制フラグがONに設定されていない場合は(ステップS4402:No)、ステップS4404へ移行する。
第1駆動規制フラグがONに設定されている場合(ステップS4402:Yes)、ランプ制御部703cはRAM753に設定された制御データの駆動制御データを無効化して(ステップS4403)、ステップS4404へ移行する。たとえば、ステップS4404は、RAM753に設定された制御データの駆動制御データの入力ステップ数を「0」とすることにより、駆動制御データがないものとする。なお、この際には点灯制御データは規定されたままの状態を維持して、駆動制御データのみを無効化する。
つづいて、ランプ制御部703cは、RAM753に設定された制御データが第2グループの制御データであるかを判定する(ステップS4404)。第2グループの制御データでない場合は(ステップS4404:No)、制御データ補正処理を終了する。RAM753に設定された制御データが第2グループの制御データである場合は(ステップS4404:Yes)、第2駆動規制フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS4405)。第2駆動規制フラグがONに設定されていない場合は(ステップS4405:No)、制御データ補正処理を終了する。
第2駆動規制フラグがONに設定されている場合(ステップS4405:Yes)、ランプ制御部703cはRAM753に設定された制御データの駆動制御データを無効化して(ステップS4406)、制御データ補正処理を終了する。たとえば、ステップS4406もステップS4403と同様に、RAM753に設定された制御データの駆動制御データの入力ステップ数を「0」とすることにより、駆動制御データがないものとする。
以上に説明したように、実施の形態1のぱちんこ遊技機100は可動役物130の駆動中には駆動規制フラグを設定する。そして、駆動規制フラグを設定している際には、ランプ制御コマンドを発行してもこのランプ制御コマンドによる駆動を規制する。このため、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130の駆動中にランプ制御コマンドを発行しても、ランプ制御コマンド発行前からおこなっていた駆動を維持することができる。
これで、たとえば、ぱちんこ遊技機100は一連の駆動が完了していないにもかかわらず、可動役物130の新たな駆動が開始されて演出の連続性が途切れて遊技者に違和感を与えてしまうことを防止することができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は演出効果が低下してしまうことを防止でき、遊技者に遊技を楽しませて長く遊技させることができる。
また、これで、たとえば、ぱちんこ遊技機100は復帰駆動中にランプ制御コマンドを発行しても復帰駆動を維持することができ、可動役物130を基準位置へ復帰させることができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は予め定められた制御信号を入力するといった簡易な処理でも可動役物130を安定して制御することができ、可動役物130の機構や駆動モータに大きな負荷が生じてしまうことを防止して、これらが破損してしまうことを防止できる。したがって、ぱちんこ遊技機100はぱちんこ遊技機100の保守にかかる手間やコストなどを低減させることができる。
また、ぱちんこ遊技機100は可動役物130が退避位置であるか否かを検出できればよい。このため、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130が退避位置であるか否かを検出できるセンサさえ備えていればよい。したがって、ぱちんこ遊技機100は、進出位置付近の可動役物を検出するためのセンサなどを増やしたり変位センサを設けたりする必要がなく、ぱちんこ遊技機100の製造コストが増大してしまうことを防止できる。これにより、ぱちんこ遊技機100は、製造コストが増大してしまうことを防止しつつ、可動役物130の安定制御を図り、可動役物130などが破損してしまうことを防止できる。
また、ぱちんこ遊技機100は、ランプ制御コマンドに対する駆動制御データのみを補正して、点灯制御データについてはそのままの状態(デフォルトの状態)を維持する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130を駆動させない場合でもランプを規定の点灯内容で点灯させることができる。したがって、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130を駆動させない場合でもランプによる演出をおこなうことができ、ランプの点灯による演出を遊技者に楽しませることができ、ランプを点灯させない場合に比べて演出効果を高めることができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2で、ランプ制御部703cはレイヤの概念を用いた制御により可動役物130の駆動制御や演出ライト部115の点灯制御などをおこなう。なお、実施の形態2では、実施の形態1と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態2の可動役物の駆動制御の概要−その1)
図45は、実施の形態2のぱちんこ遊技機による可動役物の駆動制御の概要を示す説明図(その1)である。図45に示すように、実施の形態2のぱちんこ遊技機100のランプ制御部703cは、第1レイヤLy1と第2レイヤLy2と第3レイヤLy3と(以下「第1レイヤLy1〜第3レイヤLy3」と略す)の複数のレイヤをRAM753上に設定している。ここで、第1レイヤLy1〜第3レイヤLy3は、出力する制御データ(駆動制御データ、点灯制御データ)の優先順位を定めている。ここでは、図45に示すように優先順位の高い順に、第1レイヤLy1>第2レイヤLy2>第3レイヤLy3としている。
(実施の形態2の制御データテーブル)
図46は、実施の形態2の制御データテーブルの一例を示す説明図である。実施の形態2の制御データテーブルSDt2では、各制御データを読み出した際に設定するレイヤ(以下「設定先レイヤ」と略す)が定められている。たとえば、制御データSd11の設定先レイヤは第3レイヤLy3として定められている。これにより、ランプ制御部703cは、ランプ制御コマンドにより制御データSd11が指定されて、制御データSd11を読み込んだ場合、制御データSd11を第3レイヤLy3に設定する。
第1レイヤLy1〜第3レイヤLy3のいずれかのレイヤに制御データが設定されている場合、ランプ制御部703cはレイヤに設定された制御データにより可動役物130を駆動制御したり、演出ライト部115などを点灯制御したりする。具体的に、ランプ制御部703cは、制御データが設定されたレイヤのうち、もっとも上位のレイヤ(優先順位の高いレイヤ)に設定された制御データにより、可動役物130を駆動制御したり、演出ライト部115などを点灯制御したりする。
(実施の形態2の可動役物の駆動制御の概要−その1)
たとえば、図45に示すように、ランプ制御部703cは特図演出の開始時である時期t31でランプ制御コマンドCr11を受信した。この場合、ランプ制御部703cは制御データSd11を第3レイヤLy3に設定する。時期t31では第3レイヤLy3の制御データSd11のみが設定されている。この場合、ランプ制御部703cは、第3レイヤLy3の制御データSd11により、可動役物130を駆動制御したり、演出ライト部115などを点灯制御したりする。
時期t31後の時期t32となり、ランプ制御部703cはランプ制御コマンドCr12を受信した。この場合、ランプ制御部703cは制御データSd12を第2レイヤLy2に設定する。これにより、時期t32では第2レイヤLy2の制御データSd12と第3レイヤLy3の制御データSd11とが設定されている。
このように複数のレイヤに制御データが設定されている場合、ランプ制御部703cは制御データが設定されたレイヤの中でもっとも上位のレイヤ(たとえばここでは第2レイヤLy2)に設定された制御データにより、可動役物130を駆動制御したり、演出ライト部115などを点灯制御したりする。図45に示す例では時期t32以降は第2レイヤLy2の制御データSd12により、可動役物130を駆動制御したり、演出ライト部115などを点灯制御したりする。
換言すれば、この場合、制御データが設定されたレイヤの中でもっとも上位のレイヤ以外のレイヤ(たとえばここでは第3レイヤLy3)に設定された制御データSd11よる制御はおこなわれない。
このように、ランプ制御部703cは複数のレイヤに制御データを設定して、レイヤの優先順位にしたがって、出力内容を切り替える制御をおこなう。これにより、ランプ制御部703cは、たとえば、演出が切り替わる度に新たな制御データをROM752から読み込む必要がなく、可動役物130に対する複雑な動作や、各種ランプに対する多様な点灯形式などを速やかに制御することができ、多様な演出を可能にしている。
なお、ランプ制御部703cは、任意の制御データが設定されたレイヤに新たな制御データを設定する場合、このレイヤを新たな制御データで上書きする。この場合、新たな制御データの設定前に設定されていた古い制御データはレイヤ上から破棄される。たとえば、制御データSd11が第3レイヤLy3に設定された状態で、新たに制御データSd21を第3レイヤLy3に設定する場合、制御データSd11を破棄して制御データSd21を第3レイヤLy3に設定する。
(実施の形態2の可動役物の駆動制御の概要−その2)
図47は、実施の形態2のぱちんこ遊技機による可動役物の駆動制御の概要を示す説明図(その2)である。実施の形態2のぱちんこ遊技機100は、たとえば、特図演出の開始時に、可動役物130が退避位置にあるかを判定する。そして、退避位置にない可動役物130がある場合、この可動役物130を復帰駆動させる。
たとえば、図47に示すように、ランプ制御部703cは、特図演出の開始時である時期t41で、ランプ制御コマンドCr11を受信した。この場合、ランプ制御部703cは制御データSd11を第3レイヤLy3に設定する。また、ランプ制御部703cは可動役物130が退避位置となっているかを判定して、退避位置でない場合、復帰駆動させるための制御データ(以下「復帰駆動制御データ」という)を、もっとも優先順位の高い第1レイヤLy1に設定する。
ランプ制御部703cは復帰駆動制御データを設定した際には、ランプ制御コマンドを受信しても第1レイヤLy1に復帰駆動制御データ以外の他の制御データが設定されないようにする。また、ランプ制御部703cは復帰駆動制御データを設定した際には他の制御データをレイヤ上から破棄してもよい。そして、可動役物130が退避位置となった時期t42で復帰駆動制御データを第1レイヤLy1から破棄して、復帰駆動を終了する。
(実施の形態2の演出開始時制御処理)
つぎに、実施の形態2のランプ制御部703cがおこなう処理について説明する。図48は、実施の形態2の演出開始時制御処理の処理内容を示すフローチャートである。実施の形態2の演出開始時制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、特図演出開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS4801)。特図演出開始コマンドを受信していない場合は(ステップS4801:No)、演出開始制御処理を終了する。
特図演出開始コマンドを受信した場合(ステップS4801:Yes)、ランプ制御部703cは退避位置にない可動役物130があるかを判定する(ステップS4802)。ステップS4802で、ランプ制御部703cは第1役物センサS1および第2役物センサS2の検出信号に基づき、第1可動役物131および第2可動役物132が退避位置となっているかを判定する。退避位置にない可動役物130がない場合(ステップS4802:No)、つまり、すべての可動役物130が退避位置である場合は演出開始時制御処理を終了する。
退避位置にない可動役物130がある場合(ステップS4802:Yes)、ランプ制御部703cは、退避位置にない可動役物130を判定する(ステップS4803)。ステップS4803で、ランプ制御部703cは第1役物センサS1により検出されていない場合に第1可動役物131が退避位置にないと判定する。第2役物センサS2により検出されていない場合に第2可動役物132が退避位置にないと判定する。第1役物センサS1および第2役物センサS2の双方により検出されていない場合に第1可動役物131および第2可動役物132の双方が退避位置にないと判定する。
つづいて、ランプ制御部703cはステップS4803の判定結果に基づき、退避位置にない可動役物130が第1可動役物131であるかを判定する(ステップS4804)。第1可動役物131でない場合には(ステップS4804:No)、ステップS4808へ移行する。
退避位置でない可動役物130が第1可動役物131である場合(ステップS4804:Yes)、ランプ制御部703cは、第1可動役物131を復帰駆動させるための第1復帰駆動制御データを第1レイヤLy1に設定する(ステップS4805)。たとえば、ランプ制御部703cは、第1可動役物131を退避位置へ駆動させるために第1駆動モータ411を図4−1および図4−2において時計回りに所定角度(たとえば5回転分)、回転させる第1復帰駆動制御データを第1レイヤLy1に設定する。そして、第1復帰中フラグをONに設定する(ステップS4806)。
つづいて、ランプ制御部703cは第1復帰中フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS4807)。第1復帰中フラグがONに設定されている場合には(ステップS4807:Yes)、ステップS4810へ移行する。
第1復帰中フラグがOFFに設定されている場合(ステップS4807:No)、ランプ制御部703cは、第2可動役物132を復帰駆動させるための第2復帰駆動制御データを第1レイヤLy1に設定する(ステップS4808)。たとえば、ランプ制御部703cは、第2可動役物132を退避位置へ駆動させるために第2駆動モータ511を図5−1および図5−2において所定角度(たとえば180°)回転させる第2復帰駆動制御データを第1レイヤLy1に設定する。そして、第2復帰中フラグをONに設定する(ステップS4809)。
つづいて、ランプ制御部703cは、復帰駆動制御データ以外の他の制御データがレイヤ上にあるかを判定する(ステップS4810)。他の制御データがない場合は(ステップS4810:No)、ステップS4812へ移行する。他の制御データがある場合は(ステップS4810:Yes)、この制御データをレイヤ上から破棄して(ステップS4811)、上記で設定した復帰駆動制御データに基づき、退避位置にない可動役物130の復帰駆動を開始して(ステップS4812)、演出開始時制御処理を終了する。
(実施の形態2の演出中制御処理)
図49は、実施の形態2の演出中制御処理の処理内容を示すフローチャートである。実施の形態2の演出中制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、復帰中フラグ(第1復帰中フラグまたは第2復帰中フラグ)がONに設定されているかを判定する(ステップS4901)。復帰中フラグがONに設定されていない場合には(ステップS4901:No)、ステップS4903へ移行する。復帰中フラグがONに設定されている場合には(ステップS4901:Yes)、演出中復帰処理(後述)をおこなって(ステップS4902)、ステップS4903へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cはランプ制御コマンドを受信したかを判定する(ステップS4903)。ランプ制御コマンドを受信した場合には(ステップS4903:Yes)、復帰中フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS4904)。
復帰中フラグがONに設定されている場合(ステップS4904:Yes)、ランプ制御部703cは演出中制御処理を終了する。このように、ランプ制御部703cはランプ制御コマンドを受信しても復帰駆動中であればランプ制御コマンドにより指定された制御データをレイヤに設定しない。これにより、ランプ制御部703cは第1レイヤLy1に設定中の復帰駆動制御データが他の制御データにより上書きされてしまうことを防止できる。
復帰中フラグがOFFに設定されている場合(ステップS4904:No)、ランプ制御部703cはランプ制御コマンドにより指定された制御データをこの制御データの設定先レイヤに設定する(ステップS4905)。そして、新たに設定した制御データよりも上位レイヤに設定された制御データで制御中であるかを判定する(ステップS4906)。たとえば、ステップS4906で、ランプ制御部703cは上位レイヤに設定された制御データのすべての制御信号の入力が完了したかを判定する。
上位レイヤに設定された制御データで制御中である場合(ステップS4906:Yes)、ランプ制御部703cは演出中制御処理を終了する。上位レイヤに設定された制御データで制御中でない場合(ステップS4906:No)、ランプ制御部703cは設定された制御データで制御を開始する(ステップS4907)。たとえば、ステップS4907で、ランプ制御部703cは新たに設定した制御データよりも下位レイヤに設定された制御データで制御中である場合に新たに設定した制御データで制御を開始する。また、ステップS4907で、ランプ制御部703cは新たに設定した制御データ以外の制御データがレイヤに設定されていない場合などにも、新たに設定した制御データで制御を開始する。
つづいて、ランプ制御部703cはもっとも上位レイヤに設定された制御データの入力が完了したかを判定する(ステップS4908)。たとえば、ステップS4908で、ランプ制御部703cはもっとも上位レイヤに設定された制御データのすべての制御信号の入力が完了したかを判定する。制御データの入力が完了していない場合には(ステップS4908:No)、演出中制御処理を終了する。
制御データの入力が完了した場合(ステップS4908:Yes)、ランプ制御部703cは入力が完了した制御データによる制御を終了して(ステップS4909)、この制御データをレイヤ上から破棄する(ステップS4910)。そして、下位レイヤに設定された制御データがあるかを判定する(ステップS4911)。下位レイヤに設定された制御データがない場合には(ステップS4911:No)、演出中制御処理を終了する。下位レイヤに設定された制御データがある場合には(ステップS4911:Yes)、ステップS4907へ移行し、下位レイヤに設定された制御データで制御を開始して上記の処理を繰り返す。
一方、ステップS4903でランプ制御コマンドを受信していない場合(ステップS4903:No)、ランプ制御部703cは制御中であるかを判定する(ステップS4912)。たとえば、ステップS4912で、ランプ制御部703cは制御データを制御対象に入力中であるかを判定する。制御中でない場合には(ステップS4912:No)、演出中制御処理を終了する。
制御中である場合(ステップS4912:Yes)、ランプ制御部703cは制御中の制御データよりも下位レイヤに破棄可能な制御データがあるかを判定する(ステップS4913)。前述のように、各制御データには制御タイムテーブルが対応づけられている。たとえば、ステップS4913で、ランプ制御部703cは下位レイヤに設定された制御データのうち、タイムテーブルにより最後の制御信号の入力が完了するタイミングとなれば、破棄可能な制御データと判定する。
破棄可能な制御データがない場合(ステップS4913:No)、ランプ制御部703cはステップS4908へ移行する。破棄可能な制御データがある場合(ステップS4913:Yes)、ランプ制御部703cはこの制御データをレイヤ上から破棄して(ステップS4914)、ステップS4908へ移行する。
(実施の形態2の演出中復帰処理)
図50は、実施の形態2の演出中復帰処理の処理内容を示すフローチャートである。実施の形態2の演出中復帰処理において、ランプ制御部703cは、まず、復帰駆動中の可動役物130が退避位置となったかを判定する(ステップS5001)。たとえば、第1復帰駆動制御データを設定している場合、ステップS5001でランプ制御部703cは第1役物センサS1がONとなったかを判定する。第2復帰駆動制御データを設定している場合は、第2役物センサS2がONとなったかを判定する。
退避位置となっていない場合(ステップS5001:No)、ランプ制御部703cはそのまま演出中復帰処理を終了する。退避位置となった場合には(ステップS5001:Yes)、退避位置となった可動役物130の復帰駆動を完了して(ステップS5002)、この復帰駆動により退避位置となった可動役物130が第1可動役物131であるかを判定する(ステップS5003)。たとえば、第1復帰駆動制御データを設定している場合、ステップS5003でランプ制御部703cは第1可動役物131であると判定する。第2復帰駆動制御データを設定している場合は、第1可動役物131でないと判定する。
第1可動役物131である場合(ステップS5003:Yes)、ランプ制御部703cは第1復帰駆動制御データを第1レイヤLy1から破棄して(ステップS5004)、第1復帰中フラグをOFFに設定する(ステップS5005)。つづいて、第2可動役物132が退避位置であるかを判定する(ステップS5006)。第2可動役物132が退避位置である場合には(ステップS5006:Yes)、演出中復帰処理を終了する。
第2可動役物132が退避位置でない場合(ステップS5006:No)、ランプ制御部703cは第2復帰駆動制御データを第1レイヤLy1に設定して(ステップS5007)、第2復帰中フラグをONに設定し(ステップS5008)、演出中復帰処理を終了する。
一方、退避位置となった可動役物130が第1可動役物131でない場合(ステップS5003:No)、退避位置となった可動役物130は第2可動役物132であるとし、ランプ制御部703cは第2復帰駆動制御データを第1レイヤLy1から破棄する(ステップS5009)。そして、第2復帰中フラグをOFFに設定して(ステップS5010)、演出中復帰処理を終了する。
以上に説明したように、実施の形態2のぱちんこ遊技機100は、復帰駆動させるための復帰駆動制御データを第1レイヤLy1に設定する。ここで第1レイヤLy1は優先順位のもっとも高く定められたレイヤであるため、ぱちんこ遊技機100は他のレイヤに設定された制御データによる駆動よりも復帰駆動を優先しておこなう。これで、ぱちんこ遊技機100は、復帰駆動中にランプ制御コマンドが発行されても、復帰駆動を維持することができ、可動役物130を基準位置へ復帰させることができる。これにより、ぱちんこ遊技機100は予め定められた制御信号を入力するといった簡易な処理でも可動役物130を安定して制御することができ、可動役物130の機構や駆動モータに大きな負荷が生じてしまうことを防止して、これらが破損してしまうことを防止できる。
さらに、ぱちんこ遊技機100は復帰駆動中(復帰駆動制御データ設定中)に発行したランプ制御コマンドによる制御データをレイヤに設定しない。これにより、ぱちんこ遊技機100は第1レイヤLy1に設定した復帰制御データを維持でき、復帰駆動を安定しておこなうことができる。このため、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130を安定して基準位置へ復帰させることができ、可動役物130や駆動モータが破損してしまうことや演出効果が低下してしまうことを防止することができる。なお、本実施の形態では、復帰制御データを設定した際には、第1レイヤLy1〜第3レイヤLy3のいずれのレイヤにも制御データを設定しないようにしたが、第1レイヤLy1以外のレイヤには制御データを設定するようにしてもよい。
また、実施の形態2のぱちんこ遊技機100は、復帰駆動制御データを設定した際には他の制御データをレイヤ上から破棄する。これで、ぱちんこ遊技機100は、復帰駆動後に他の制御データにより可動役物130が駆動してしまうことを防止する。たとえば、ここで、他の制御データが可動役物130を退避位置方向へ駆動させる駆動制御データを含んでいる場合もありえる。このため、復帰駆動の際に、他の制御データをレイヤ上に残しておくと、復帰駆動後(復帰駆動制御データを破棄後)、他の制御データにより可動役物130をさらに退避位置方向へ駆動させてしまうことがある。
このような場合、可動役物130が駆動限界に達して駆動できない状態となっても駆動モータが回転してしまうことになり、可動役物130の機構や駆動モータに大きな負荷が生じてしまう。そこで、ぱちんこ遊技機100は復帰駆動の際に他の制御データをレイヤ上から破棄して、復帰駆動後に他の制御データにより可動役物130が駆動してしまうことを防止する。これにより、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130を退避位置からさらに退避位置方向へ駆動させてしまうことを防止できる。このため、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130や駆動モータに大きな負荷が生じてしまうことを防止して可動役物130や駆動モータの破損を防止し、ぱちんこ遊技機100の保守にかかる手間やコストなどを低減させることができる。
また、ぱちんこ遊技機100は、復帰駆動後に、他の制御データにより中途半端な位置まで駆動させてしまうことも防止できる。これで、ぱちんこ遊技機100は、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止でき、演出効果が低下してしまうことを防止できる。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者に遊技を楽しませることができ、遊技者に長く遊技させることができる。
さらに、ぱちんこ遊技機100は、第1復帰駆動制御データを設定して第1可動役物131を復帰駆動させた後、第2復帰駆動制御データを設定して第2可動役物132を復帰駆動させるようにした。つまり、ぱちんこ遊技機100は第1可動役物131と第2可動役物132とを異なるタイミングで復帰駆動させる。これで、ぱちんこ遊技機100は、復帰駆動に際して、第1駆動モータ411と第2駆動モータ511とに同時に印加することで電源の出力不足となって電圧降下が生じてしまうことを防止でき、出力の大きな電源を搭載することなく、可動役物130を安定して制御することができる。このため、ぱちんこ遊技機100は、ぱちんこ遊技機100の製造コストが増大してしまうことを防止できる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、可動役物130の駆動中に発行したランプ制御コマンドによる駆動を、現在の駆動が完了するまで一旦留保する。そして、駆動が完了すると留保した駆動をおこなう。なお、実施の形態3では、実施の形態1および実施の形態2と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態3の演出開始時処理)
図51は、実施の形態3の演出開始時処理の処理内容を示すフローチャートである。実施の形態3の演出開始時制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、特図演出開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS5101)。特図演出開始コマンドを受信していない場合は(ステップS5101:No)、演出開始時制御処理を終了する。
特図演出開始コマンドを受信した場合(ステップS5101:Yes)、ランプ制御部703cは、退避位置にない可動役物があるかを判定する(ステップS5102)。ステップS5102で、ランプ制御部703cは、第1役物センサS1および第2役物センサS2の検出信号に基づき、第1可動役物131および第2可動役物132が退避位置となっているかを判定する。退避位置にない可動役物がない場合(ステップS5102:No)、つまり、すべての可動役物が退避位置である場合、演出開始時制御処理を終了する。
退避位置にない可動役物がある場合(ステップS5102:Yes)、ランプ制御部703cは、退避位置にない可動役物を判定する(ステップS5103)。ステップS5103で、ランプ制御部703cは、第1役物センサS1により検出されていない場合は、第1可動役物131が退避位置にないと判定する。第2役物センサS2により検出されていない場合は、第2可動役物132が退避位置にないと判定する。第1役物センサS1および第2役物センサS2の双方により検出されていない場合は、第1可動役物131および第2可動役物132の双方が退避位置にないと判定する。
つづいて、ランプ制御部703cは、ステップS5103の判定結果に基づき、退避位置にない可動役物を退避位置へ復帰させる復帰駆動を開始する(ステップS5104)。つづいて、復帰駆動中であることを示す復帰中フラグをONに設定して(ステップS5105)、演出開始時制御処理を終了する。
(実施の形態3の演出中制御処理)
図52は、実施の形態3の演出中制御処理の処理内容を示すフローチャートである。実施の形態3の演出中制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、復帰中フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS5201)。復帰中フラグがONに設定されていない場合は(ステップS5201:No)、ステップS5203へ移行する。復帰中フラグがONに設定されている場合は(ステップS5201:Yes)、演出中復帰処理(後述)をおこなって(ステップS5202)、ステップS5203へ移行する。
つづいて、ランプ制御部703cはランプ制御コマンドを受信したかを判定する(ステップS5203)。ランプ制御コマンドを受信した場合は(ステップS5203:Yes)、復帰中フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS5204)。
復帰中フラグがONに設定されている場合(ステップS5204:Yes)、ランプ制御部703cは受信したランプ制御コマンドをRAM753にバッファして(ステップS5205)、ステップS5209へ移行する。このように、ランプ制御部703cはランプ制御コマンドを受信した際に復帰駆動中であればランプ制御コマンドを一時的にバッファする。
復帰中フラグがOFFに設定されている場合(ステップS5204:No)、ランプ制御部703cは可動役物130を駆動制御中であるかを判定する(ステップS5206)。たとえば、ステップS5205で、ランプ制御部703cは設定された制御データの駆動制御データを駆動モータに入力中であるかを判定する。駆動制御中である場合は(ステップS5206:Yes)、ステップS5205へ移行する。
駆動制御中でない場合(ステップS5206:No)、ランプ制御部703cはランプ制御コマンドにより指定された制御データをRAM753に設定する(ステップS5207)。そして、設定した制御データで可動役物130などの制御を開始する(ステップS5208)。つづいて、ランプ制御部703cは制御データの入力が完了したかを判定する(ステップS5209)。制御データの入力が完了していない場合は(ステップS5209:No)、演出中制御処理を終了する。
制御データの入力が完了した場合(ステップS5209:Yes)、ランプ制御部703cは入力が完了した制御データによる制御を終了して(ステップS5210)、バッファされたランプ制御コマンドがあるかを判定する(ステップS5211)。バッファされた制御コマンドがない場合は(ステップS5211:No)、演出中制御処理を終了する。バッファされた制御コマンドがある場合は(ステップS5211:Yes)、ステップS5207へ移行し、バッファされたランプ制御コマンドにより指定された制御データをRAM753に設定して上記の処理をおこなう。
一方、ステップS5203でランプ制御コマンドを受信していない場合(ステップS5203:No)、ランプ制御部703cは制御中であるかを判定する(ステップS5212)。たとえば、ステップS5211で、ランプ制御部703cは制御データを制御対象に入力中であるかを判定する。制御中でない場合は(ステップS5212:No)、演出中制御処理を終了する。制御中である場合は(ステップS5212:Yes)、ステップS5209へ移行して上記の処理をおこなう。
(実施の形態3の演出中復帰処理)
図53は、実施の形態3の演出中復帰処理の処理内容を示すフローチャートである。実施の形態3の演出中復帰処理において、ランプ制御部703cは、まず、復帰駆動中の可動役物130が退避位置となったかを判定する(ステップS5301)。たとえば、ステップS5301では第1可動役物131を復帰駆動させている場合には第1役物センサS1がONとなったかを判定する。第2可動役物132を復帰駆動させている場合には第2役物センサS2がONとなったかを判定する。
退避位置となっていない場合(ステップS5301:No)、ランプ制御部703cはそのまま演出中復帰処理を終了する。退避位置となった場合は(ステップS5301:Yes)、退避位置となった可動役物130の復帰駆動を完了し(ステップS5302)、ほかに復帰駆動中の可動役物130があるかを判定する(ステップS5303)。復帰駆動中の可動役物130がある場合は(ステップS5303:Yes)、演出中復帰処理を終了する。
復帰駆動中の可動役物130がない場合(ステップS5303:No)、ランプ制御部703cは復帰中フラグをOFFに設定して(ステップS5304)、バッファされたランプ制御コマンドがあるかを判定する(ステップS5305)。バッファされた制御コマンドがない場合は(ステップS5305:No)、演出中復帰処理を終了する。バッファされた制御コマンドがある場合は(ステップS5305:Yes)、このランプ制御コマンドにより指定された制御データをRAM753に設定する(ステップS5306)。そして、設定した制御データで可動役物130などの制御を開始して(ステップS5307)、演出中復帰処理を終了する。
以上に説明したように、実施の形態3のぱちんこ遊技機100は、可動役物130の駆動中に発行されたランプ制御コマンドによる駆動を留保するようにした。これで、ぱちんこ遊技機100は可動役物130の駆動中にランプ制御コマンドを発行した場合であっても、ランプ制御コマンド発行前からおこなっている駆動を維持でき、実施の形態1および実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
また、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130の駆動中に発行されたランプ制御コマンドによる駆動を、その後におこなうようにした。これにより、ぱちんこ遊技機100は、可動役物130が駆動しないことにより遊技者ががっかりしてしまうことを防止して、遊技者の期待感を高めたり、遊技者の遊技への興味を維持したりすることができ、遊技者に遊技を楽しませて長く遊技させることができる。
また、ぱちんこ遊技機100はランプ制御コマンドをバッファして、このランプ制御コマンドによる駆動を開始する際に制御データを読み込むようにした。これにより、ぱちんこ遊技機100は複数の制御データがRAM753上に展開されてしまって、RAM753の記憶領域を圧迫してしまうことを防止することができる。
以上に説明したように、本発明にかかるぱちんこ遊技機によれば、可動役物の駆動中に新たな駆動が開始されてしまうことを防止して、可動役物を安定して駆動させることができる。