JP5179231B2 - ランニングシューズ - Google Patents
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Description
ポリマードットが付着した生地と、該織物の前記ポリマードットが付着した面とは反対側の面に形成された防水透湿膜と、該防水透湿膜に接着剤により直接接着された外皮部とがこの順序に積層されてなる甲部材を備えるものである。
図1を参照しながら本発明の実施の形態におけるランニングシューズの概要について説明する。本発明のランニングシューズの甲部材1は、図1に示すように、足に当たる側から順に、ポリマードットが付着した生地2(内装生地:ライニング材)と、ポリマードットが付着した面とは反対側の面に形成された防水透湿膜3と、この防水透湿膜3に接着剤により直接接着された外皮部4とを積層してなる構造を有している。生地2の継ぎ目部には、防水透湿膜3側とは反対側から目止めテープ5が接着されている。なお、ポリマードットは、本発明の必須の構成要件ではない。生地2がランニングシューズの内側、すなわち足に直接当たる部分を構成するため、生地2の耐摩耗性を高くする目的でポリマードットを付着させることが好ましい。例えば、生地2の表面をドット状にしたホットメルト樹脂等で被覆することにより生地2の耐摩耗性を高くすることができる。
本明細書及び特許請求の範囲において、ポリマードットとは、不連続でドット状(突起物状)に形成されたポリマーであり、生地の表面をポリマードットで被覆することによって、ポリマードットが繊維を固定して、繊維のほつれを防止し、生地が使用に際して摩擦にさらされた場合には、まずポリマードットが摩耗されることによって、織物全体の耐摩耗性が向上する。また、ポリマードットの平均最大径を0.5mm以下になるようにすれば、ポリマードットは目視によっても目立ちにくくなり、得られる織物の外観を低下することなく、耐摩耗性を向上することができる。ポリマードットの平均最大径が、0.5mmを超えると、ポリマードットが目視で容易に見えるようになり、織物にテカリ感や凹凸感が生ずる場合がある。前記ポリマードットのより好ましい大きさは、平均最大径が0.03mm以上、0.3mm以下である。
1級:外観に差が見られる
2級:僅かに外観に差が見られる
3級:殆ど外観に差が見られない
4級:外観に差が見られない
ここで、3級または4級であれば、外観上差が小さいと判断することができる。本発明において、織物表面の外観は3級以上であることが好ましい。
本発明で使用する生地は、特に限定されるものではないが、平織、斜文織、朱子織およびそれらを基本とした変化組織、ジャガード組織などの組織を有する織物を挙げることができ、本発明では、平織組織を有する織物が好適である。
凸部被覆率(%)=100×(ポリマードットで被覆されている凸部の数/凸部の総数)
凹部被覆率(%)=100×(ポリマードットで被覆されている凹部の数/凹部の総数)
本発明における防水透湿膜(以下、「防水透湿フィルム」と称する場合がある)は、内部に細孔(連続気孔)を有する多孔質構造によって透湿性を維持しつつ、防水透湿フィルムを構成するフィルム基材を構成する疎水性樹脂が、該細孔内への水の浸入を抑制し、フィルム全体として防水性を発現する。これらの中でも、前記防水透湿性フィルムとして、含フッ素系樹脂からなる多孔質フィルムが好適であり、多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム(以下、「多孔質PTFEフィルム」と称する場合がある)がより好適である。特に、多孔質PTFEフィルムは、フィルム基材を構成する樹脂成分であるポリテトラフルオロエチレンの疎水性(撥水性)が高いために、優れた防水性と透湿性とを両立できる。
空孔率(%)=(2.2−ρ)/2.2×100
前記被覆用ポリマーとしては、下記一般式(1)
で表されるフルオロアルキルアクリレートおよび/またはフルオロアルキルメタクリレートを重合して得られる含フッ素側鎖を有するポリマー(フッ素化アルキル部分は4〜16の炭素原子を有することが好ましい)を好ましく用いることができる。このポリマーを用いて多孔質フィルムの細孔内を被覆するには、このポリマーの水性マイクロエマルジョン(平均粒径0.01〜0.5μm)を含フッ素界面活性剤(例、アンモニウムパーフルオロオクタネート)を用いて作製し、これを多孔質フィルムの細孔内に含浸させた後、加熱する。この加熱によって、水と含フッ素界面活性剤が除去されるとともに、含フッ素側鎖を有するポリマーが溶融して多孔質フィルムの細孔内表面を連続気孔が維持された状態で被覆し、撥水性・撥油性の優れた防水透湿フィルムが得られる。
防水透湿膜3と外皮部4との接着に用いる接着剤の塗布方法は特に限定されず、公知の各種手法(ロール法、スプレー法、刷毛塗り法、熱転写法など)を採用すればよい。但し、ランニングシューズの重量をできるだけ増やさないようにするため、及び、透湿性を損なわないようにするため、接着剤を防水透湿膜3の全面に塗布するのではなく、部分的に形成することが好ましい。例えば、接着剤をドット状、ストライプ状、グリッド状、梨地状に分布させることが望ましい。ドット状であれば、その形状は、丸型、四角形、多角形状等のいずれであってもよく、各形状の配列は任意であってよい。ストライプ形状に塗布する場合、ストライプを構成する各線は、直線、平面内で蛇行する波型等から適宜選択し使用すればよい。また、ストライプを構成する各線は点線や破線のように、断続的であっても良い。このように、接着剤の形成を部分的とすることにより、外皮部を含めた甲部材の透湿量を高めることができ(7000g/(m2・day)以上、好ましくは8000g/(m2・day)以上であることが望ましい)、ランニングシューズの軽量性、柔軟性を高めることができる。接着剤の具体例としては、例えば、日東紡社製のUUGA1500(ポリウレタン製のグリッドタイプ)が挙げられる。
本発明のランニングシューズにおいては、甲部材1同士の縫着部を目止めテープによって防水加工を施す。縫着部の防水加工を施すための目止めテープとしては、高融点樹脂の基材フィルムと低融点の接着剤とを積層してなるテープ等が適宜用いられ、好ましくは、高融点樹脂の基材フィルムとホットメルト接着剤とを積層したものを挙げることができる。前記高融点樹脂の基材フィルムの表面にはニットやメッシュ等がさらに積層されていてもよい。
上記のように本発明のランニングシューズでは、甲部材の目止めは目止めテープにより行うことを一態様としている。目止めテープは、図2に記載したように織物に貼着させるが、織物には目止めテープのホットメルト接着剤が浸透し難いため、接着が困難である。そこで、織物を構成する経糸および緯糸のカバーファクター(後述)及び密度を特開2006−248052号公報に記載されている方法で調整する。
CFt:緯糸のカバーファクター
Fm:経糸の繊度(dtex)
Ft:緯糸の繊度(dtex)
Dm:経糸の密度(本/2.54cm)
Dt:緯糸の密度(本/2.54cm)
外皮部4の素材は特に限定されないが、テキスタイル、人工皮革、天然皮革等から目的に応じて適宜選択することができる。
経糸の繊度(Fm)、緯糸の繊度(Ft)が共に17(dtex)、経糸の密度(Dm)が113本/インチ、緯糸の密度(Dt)が76本/インチである織物、厚さが50μmで延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンからなる防水透湿膜、後述する接着剤、及び厚さ1.2mmでナイロン製メッシュ材からなる外皮部をこの順序に積層して甲部材を試作した。
従来の靴構造(例えば図6〜図9に示した形態)における甲部材の単位面積当たりの質量は、820g/m2(外皮部:約360g/m2、接着剤:約100g/m2、補強ニット層(防水透湿膜とのラミネート用接着剤含む):約47g/m2、防水透湿膜:約28g/m2、ライニング層(防水透湿膜とのラミネート用接着剤含む):約285g/m2)であったものが、本実施例における甲部材(試作No.4)の単位面積当たりの質量は、460g/m2(外皮部:約360g/m2、メッシュ状接着剤:約45g/m2、防水透湿膜:約29g/m2、ポリマードットが付着した織物(防水透湿膜とのラミネート用接着剤含む):約26g/m2(内、ポリマードットの付着量:約2.0g/m2))であり、甲部材の大幅な軽量化が実現された。
JIS L 1096:1999のE法に規定されるマーチンデール法に準拠し、試作した甲部材の耐摩耗性を測定した。測定に用いた甲部材は反物状に形成したものであり、測定位置は、反物幅方向(TD)に3箇所(反物長さ方向(MD)に向かって左側(L)、中央(C)、右側(R))設けた。
2 生地(織物)
3 防水透湿膜
4 外皮部
5 目止めテープ
6 底部材(ソール)
7 中底材
8 防水ガスケット
Claims (8)
- 生地と、防水透湿膜と、接着剤と、外皮部とがこの順序に積層されてなる甲部材を備え、前記生地の継ぎ目部に、前記防水透湿膜側とは反対側から目止めテープが接着されているランニングシューズ。
- 前記生地には、前記防水透湿膜に面する側とは反対側にポリマードットが付着している請求項1に記載のランニングシューズ。
- 前記ポリマードットの付着量が、0.2〜3.0g/m2である請求項1または2に記載のランニングシューズ。
- 前記ポリマードットの付着量が、1.5〜3.0g/m2であり、前記ポリマードットの平均最大径が0.5mm以下である請求項1または2に記載のランニングシューズ。
- 前記防水透湿膜と前記外皮部との間に部分的に設けられた接着剤により前記防水透湿膜と前記外皮部とが接着されている請求項1〜4のいずれかに記載のランニングシューズ。
- 前記接着剤がホットメルト接着剤である請求項1〜5のいずれかに記載のランニングシューズ。
- 前記防水透湿膜が多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜である請求項1〜6のいずれかに記載のランニングシューズ。
- 前記生地がナイロン繊維で構成される請求項1〜7のいずれかに記載のランニングシューズ。
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