JP4551605B2 - 防水中袋およびそれを用いた防水靴 - Google Patents

防水中袋およびそれを用いた防水靴 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水衣類に用いられる耐熱性防水構造、および該耐熱性防水構造を用いた防水衣類と防水靴用の防水中袋、並びに該防水中袋を用いた防水靴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から防水靴の製造方法として、甲被とソール(靴底)の間に足部を被包する防水中袋を用いることが行われている。
【0003】
例えば、特開昭59−160401号には、防水中袋の接合部分(縫製部分)の外側に接着テープ(目止めテープ)を貼付け、接合強度を高めると共に、該接着テープに防水透湿性の素材を用いることで、該接合部分の防水性を高める技術が開示されている。この技術によると、接合部分の縫い目からの水の侵入が、上記接着テープによって防止されるため、防水性に優れた中袋の提供が可能となる。
【0004】
ところで、防水中袋に靴底を取り付けるに際しては、低コスト化を達成するため、靴底を射出成形により形成し、加硫する方法(射出成形法)や、未加硫の靴底と防止中袋を圧着して加硫する方法(加硫製法)の採用が求められている。しかしながら、上記特開昭59−160401号の技術では、接着テープに熱可塑性樹脂製のものを用いていることから、射出成形時や加硫時に付与される熱によって、靴底と接する部分に用いられている接着テープが溶融し、防水中袋の防水性が低下するといった問題があった。
【0005】
他方、特公平5−86202号や、特開平8−197653号、特開平8−224110号などには、防水靴の射出成形法による製造に関する技術が提案されており、これらによれば、低コストで防水靴を製造し得る。特に、特開平8−197653号や特開平8−224110号に開示の技術では、特公平5−86202号の技術に比べ、製甲時において甲部を用意する煩雑さも回避することができ、より低コスト化での製造が可能であるが、靴底を形成する素材の侵入にバラツキが生じてしまうことや、甲部から染込んだ水が底面の縫い糸を介して靴内部に侵入するなど、十分な防水性を保持し得ないことといった問題があった。
【0006】
ところで、例えば工場などで着用される防水靴には、静電気によるトラブルを防止する観点から、制電性を持たせることも行われている。例えば、特開平8−299017号には、甲被と靴底の間に防水中袋を用い、該防水中袋の踏み付け部分に導電性糸を縫い付け、該縫い付け部分を導電性の防水シールで防水すると共に、該防水中袋と接する靴中底や本底に導電性を付与して制電性を持たせる技術が開示されている。この防水中袋に用いられる導電性防水シールは、上記の目止めテープと同様に熱可塑性の接着性樹脂を用いている。よって、靴底を射出成形法や加硫製法によって形成すると、導電性防水シール部での防水性が低下してしまうといった問題があった。
【0007】
また、上記目止めテープは、防水性を有する手袋、帽子、衣服などの防水衣類においても、縫製部分などの接合部分の目止めに使用されている。このような防水衣類においても、金型を用いて形状出し(皺を伸ばしたり、滑らかな曲線を出したりすること)をしたり、熱硬化型の接着剤を用いて部材の接着をする場合などがあり、この際に高温に曝されることで、上記目止めテープが溶融・流動し、防水衣類の防水性が損なわれるといった問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、防水衣類の製造時や使用時に高温に曝されても、優れた防水性を維持し得る防水構造と、該防水構造を用いた防水衣類および防水靴用防水中袋、並びに該防水中袋を用いた防水靴を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明の耐熱性防水構造は、縫製または融着による接合部分を有する防水性シート素材と、該接合部分の片側を被覆する目止めテープと、該目止めテープの少なくとも一部を被覆する耐熱性保護層よりなるところに要旨を有する。
【0010】
上記耐熱性保護層は、天然ゴムまたはエラストマーから構成されることが好ましく、該天然ゴムまたは該エラストマーは、加硫されているものであることが望ましい。
【0011】
上記耐熱性防水構造に用いられる防水性シート素材は、防水透湿性フィルムの少なくとも片面に通気性シートが積層されたものであることが好ましい。上記防水透湿性フィルムは、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムが推奨され、該多孔質PTFEフィルムは、細孔の内面を含んで全表面が撥水撥油剤で被覆されていることがより好ましい。さらに、上記多孔質PTFEフィルムは、少なくとも片面に親水性樹脂の連続被膜が設けられているものであることが推奨される。
【0012】
本発明の防水衣類は、上記耐熱性防水構造を用いるところに要旨を有するものであり、該防水衣類としては、靴、手袋、帽子、衣服が挙げられる。
【0013】
本発明の防水中袋は、上記耐熱性防水構造を用いており、少なくとも靴底を防水中袋の底面部に取り付けて防水靴とするためのものであり、該防水中袋は、防水性シート素材を縫製または融着により接合して足形に成形し、該接合部分の外面側が目止めテープでシールされてなるものであり、前記目止めテープのうち、少なくとも靴底と接する部分が、耐熱性保護層により被覆されているところに要旨が存在する。
【0014】
また、上記の防水中袋のうち、靴底と接する底面部の一部に、導電性糸が、防水性シート素材を貫通するように縫い付けられており、且つ該導電性糸の縫い付け部分の靴底当接面が導電性目止めテープでシールされた状態で上記耐熱性保護層によって被覆されており、該耐熱性保護層が導電性を有するものも、好ましい態様である。
【0015】
この他、上記の防水中袋を用いた防水靴、より具体的には、靴底部が射出成形または加硫成形により形成されてなる防水靴も本発明に包含される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の耐熱性防水構造は、縫製または融着による接合部分を有し、該接合部分の片側が目止めテープで被覆(シール)された防水性シート素材において、該目止めテープの少なくとも一部を耐熱性保護層で被覆して、該部分の耐熱性を向上させたものである。以下、上記耐熱性防水構造が適用される代表的な分野である防水中袋および靴(防水靴)を例に取り、本発明を説明する。
【0017】
本発明の防水中袋は、防水性シート素材から形成される単一または複数の部材を縫製接合または融着接合により足形に成形したものであり、該接合部分の外面側が目止めテープでシールされている。そして、上記目止めテープのうち、少なくとも靴底と接する部分が、耐熱性保護層によって被覆されたものであるところに最大の特徴を有する。
【0018】
後述するように、目止めテープは通常、高融点樹脂の基材と、低融点の接着性樹脂を積層したものであり、防水中袋の接合部分の外面側をシールする際には、接着性樹脂を溶融させて圧着する。したがって、靴底を射出成形法や加硫製法の如き方法で形成する場合、防水中袋の底面部とその近傍は高温に曝されることになるため、この部分にある目止めテープの接着性樹脂部が溶融・流動し、その結果、防水性が低下するのである。
【0019】
よって、上記の目止めテープの接着性樹脂部の流動を防止するために、該目止めテープのうち、上記靴底形成の際に熱の影響を受ける部分、すなわち、少なくとも靴底と接する部分を、耐熱性保護層で被覆するのである。
【0020】
耐熱性保護層は、靴底の成形温度(射出成形温度または加硫温度)に耐え得る素材から構成される。通常、靴底の素材としては、ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴムなどが用いられ、これらの成形温度は120〜160℃とするのが一般的である。「靴底の成形温度に耐え得る」とは、靴底を成形する際に、目止めテープの接着性樹脂部の流動が生じない程度の耐熱性があればよく、仮に上記成形温度で目止めテープの接着性樹脂部が軟化あるいは溶融しても、結果として流動が生じなければ構わない。
【0021】
上記のような耐熱性を有する耐熱性保護層を構成する素材としては、例えば、天然ゴム、エラストマー(合成されるポリマーからなるエラストマー)などが挙げられる。エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエン系ゴム、クロロプレン系ゴム、ウレタン系ゴム、ニトリルゴム、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴムなどの合成ゴム、シリコーンエラストマー、フルオロシリコーンエラストマー、フルオロカーボンエラストマー、ペルフルオロエラストマー、フルオロエラストマー、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂(例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体など)などが挙げられる。これらの中でも、柔軟で製靴時に防水中袋に皺が入りにくく、靴底との接着性に優れており、加工し易いことから、天然ゴムまたは合成ゴムが特に好ましい。
【0022】
また、耐熱性保護層としては、上記例示の素材を発泡させたものや、上記例示の素材に金属、ガラス、セラミックなどの無機物、耐熱性高分子樹脂などの有機物からなる粉末、ビーズ、繊維、フレークなどを充填したものも、断熱性向上の観点から、好ましく用いられる。
【0023】
また、本発明の防水中袋のうち、靴底と接する底面部の一部に、導電性糸が、防水性シート素材を貫通するように縫い付けられており、且つ該導電性糸の縫い付け部分の靴底当接面が導電性目止めテープでシールされた状態で上記耐熱性保護層によって被覆されており、該耐熱性保護層が導電性を有するものは、制電靴用の防水中袋として好ましい態様である。このような防水中袋であれば、上記の導電性防水シール、すなわち導電性目止めテープが貼り付けられる底面部(靴底当接面)が、上記耐熱性保護層で被覆されているため、靴底を射出成形法や加硫製法で形成しても、導電性目止めテープ部の接着性樹脂部の溶融に起因する防水性低下を防止することができる。
【0024】
なお、上記の防水中袋を用いた制電靴では、人体に蓄積された静電気を、防水中袋底面部の導電性糸および導電性目止めテープを介して地面に流すことで、帯電を防止する。したがって、導電性目止めテープと地面の間に介在することとなる耐熱性保護層も、導電性を有することが必要となる。また、この場合、靴底も導電性を有する必要がある。
【0025】
耐熱性保護層や靴底に導電性を付与するには、耐熱性保護層や靴底を形成する樹脂に導電性を付与し得る添加剤を含有させることが好ましい。かかる導電性付与剤としては、例えば、カーボンブラック(例えばケッチェンブラック、アセチレンブラックなど)や、グラファイト、金属(例えばアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、銀など)などが挙げられる。また、導電性付与剤の形態は特に限定されず、粉末状、ビーズ状、繊維状、フレーク状などの形態のものを適宜選択すればよい。中でも、耐熱性保護層や靴底の補強効果をも有するカーボンブラック粉末が好ましく用いられる。こうした導電性付与剤は、耐熱性保護層を形成する樹脂100質量部に対し、1部以上50部以下、好ましくは5部以上30部以下(より好ましくは20部以下)とすることが推奨される。導電性付与剤が上記範囲を下回る場合は、十分な導電性が得られず、上記範囲を超える場合は、靴底の強度が低下するため、靴の耐久性が不十分となる。
【0026】
本発明の防水中袋に用いられる防水性シート素材としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、含フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂など、公知の有機樹脂を材料とするものが挙げられる。防水性シート素材には、フィラー、難燃化剤、着色剤、消臭剤、抗菌剤、導電剤、酸化防止剤などを含有させてもよい。
【0027】
また、防水性シート素材は、通気性や透湿性を有するものであることが好ましく、この場合、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、含フッ素系樹脂などを材料とすることが推奨される。
【0028】
透湿性を有する防水性シート素材としては、透湿度が例えば3000g/m2・day以上(好ましくは6000g/m2・day以上)のものが望ましい。この場合、その透湿度は、JIS L 1099B−2法により得られた測定値を24hrの値に換算した値である。透湿度の値は、高ければ高いほど靴を着用した際に蒸れにくく好ましいが、透湿度の上限値は一般的に20000〜30000g/m2・day程度である。このような特性を有する防水性シート素材の具体例としては、例えば、多孔質PTFEフィルムに代表される疎水性多孔質フィルムの如き透湿性防水フィルムの少なくとも片面に、通気性シートを積層したものが挙げられる。
【0029】
多孔質PTFEフィルムを用いる場合、その最大細孔径は0.01μm以上10μm以下が好ましく、0.1μm以上1μm以下がより好ましい。最大細孔径が上記範囲を下回る場合は、フィルム製造が困難となる。他方、最大細孔径が上記範囲を超える場合は、フィルムの耐水度やフィルム強度が低下するため、取り扱い性が低下する傾向にある。なお、ここでいう多孔質PTFEフィルムの最大細孔径は、ASTM F−316の規定に準拠して測定した値である。
【0030】
また、多孔質PTFEフィルムの空孔率は50%以上98%以下が好ましく、60%以上95%以下がより好ましい。空孔率が上記範囲を下回る場合は、多孔質PTFEフィルムの透湿性が小さくなり、他方、空孔率が上記範囲を超える場合には、該フィルムの強度が低下してしまう。なお、ここでいう多孔質PTFEフィルムの空孔率は、JIS K 6885の見掛け密度測定に準拠して得られる見掛け密度ρから、PTFEの比重「2.2」を用いて、下式(1)によって求めた値である。
空孔率(%) = 100×(2.2−ρ)/2.2 (1)
多孔質PTFEフィルムの厚みは、5μm以上300μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましい。厚みが上記範囲を下回ると、製造時の取り扱い性が低下する傾向にあり、他方、厚みが上記範囲を超えると、フィルムの柔軟性が損なわれると共に、透湿性が低下する傾向にある。ここでいう多孔質PTFEフィルムの厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、テクノロック社製1/1000mmダイヤルシックネスゲージ)で測定した平均厚さ(本体バネ荷重以外の荷重をかけない状態で測定した値)である。
【0031】
上記多孔質PTFEフィルムは、細孔の内面を含んで全表面が撥水撥油剤で被覆されていることが好ましい。なお、多孔質PTFEフィルムには、例えば、特公昭51−18991号に開示されている延伸多孔質PTFEフィルムが含まれる。この延伸多孔質PTFEフィルムは、折り畳み結晶で構成されるノードから、フィブリル(折り畳み結晶が延伸により解けて引き出された直鎖状の分子束)が放射状に広がり、フィブリルをつなぐノードが島状に点在して、フィブリルとノードとで画された空間が多数存在しているクモの巣状の繊維質構造をしている。そして、フィブリル間、またはフィブリルとノードとで画される空間が細孔である。上述の「細孔の内面を含んで全表面が被覆されている」とは、上記延伸多孔質PTFEフィルムにおいては、細孔は維持しつつ、フィルム内部のフィブリルやノードの表面を含むフィルム全表面が被覆されていることを意味する。
【0032】
好ましい撥水撥油剤としては、例えば、撥水性および撥油性を有するポリマーが挙げられる。このようなポリマーとしては、例えば、含フッ素側鎖を有するポリマーが推奨される。
【0033】
上記の含フッ素側鎖を有するポリマー、および該ポリマーを多孔質PTFEフィルムに被覆する方法については、例えば、WO94/22928号などに開示されている。以下にその一例を示す。
【0034】
含フッ素側鎖を有するポリマーとしては、下記一般式(I)
【0035】
【化1】
Figure 0004551605
【0036】
(式中、nは3〜13の整数、Rは水素またはメチル基である)
で表されるフルオロアルキルアクリレートおよび/またはフルオロアルキルメタクリレートを重合して得られるポリマー(フッ素化アルキル部分は6〜16の炭素原子を有することがより好ましい)を好ましく用いることができる。
【0037】
上記の含フッ素側鎖を有するポリマー(以下、単に「含フッ素ポリマー」と言う場合がある)によって、多孔質PTFEフィルムの細孔の内面を含んで全表面を被覆するには、該含フッ素ポリマーの水性マイクロエマルジョンを用いる。上記水性マイクロエマルジョンとは、含フッ素ポリマー、水、および含フッ素界面活性剤(例えば、アンモニウムペルフルオロオクタノエートなど)を用い、該含フッ素ポリマーの平均粒径を0.01〜0.5μmとしたものである。
【0038】
上記水性マイクロエマルジョンを多孔質PTFEフィルムに含浸させた後、加熱して水と含フッ素界面活性剤を除去すると共に、含フッ素ポリマーを溶融させ、多孔質PTFEフィルムの細孔の内面を含んで全表面を被覆させる。これにより、細孔を維持しつつ、撥水性・撥油性に優れた多孔質PTFEフィルムとすることができる。
【0039】
また、撥水撥油剤としては、上記の含フッ素ポリマーの他に、例えばデュポン社製の「AFポリマー」や、旭硝子社製の「サイトップ」なども使用できる。これらのポリマーによって多孔質PTFEフィルムの細孔の内面を含んで全表面を被覆するには、例えば3M社製の「フロリナート」などの不活性溶剤にこれらのポリマーを溶解させて得られる溶液を、多孔質PTFEフィルムに含浸させた後、加熱して該溶剤を蒸発除去すればよい。
【0040】
多孔質PTFEフィルムの細孔の内面を含んで全表面を、上記の如き撥水撥油剤で被覆することにより、該フィルムに種々の汚染物が付着などした際に、該汚染物が該フィルムの内部に浸透し難くなるため、該フィルムの疎水性の劣化を抑制することができる。
【0041】
また、多孔質PTFEフィルムは、少なくとも片面に親水性樹脂の連続被膜が形成されていることも好ましい。
【0042】
上記の親水性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ酸基などの親水性基を有する高分子であって、水膨潤性を有し、且つ水不溶性のものが好ましく用いられる。具体的には、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、硝酸セルロースなどの親水性ポリマーの少なくとも一部を架橋したものや、親水性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。耐熱性、耐薬品性、加工性、透湿度などを考慮すると、親水性ポリウレタン樹脂が特に好ましい。
【0043】
上記の親水性ポリウレタン樹脂としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、オキシエチレン基などの親水基を含むポリエステル系若しくはポリエーテル系のポリウレタンや、そのプレポリマーが用いられ、さらに、樹脂としての融点(軟化点)を調整するために、イソシアネート基を2個以上有するジイソシアネート類、トリイソシアネート類、またはこれらのアダクト体を、単独であるいは混合して架橋剤に用いることができる。また、末端がイソシアネートであるプレポリマーに対しては、2官能以上のジポリオール類、トリポリオール類や、ジアミン類、トリアミン類を硬化剤として用いることもできる。親水性ポリウレタン樹脂において、より優れた透湿性を確保するためには、上記の架橋剤・硬化剤は、2官能のものよりも3官能のものの方が望ましい。
【0044】
多孔質PTFEフィルムに上記親水性樹脂の連続被膜を形成するには、上述の親水性樹脂を含有する溶液、または親水性樹脂の融液を塗布液とし、公知の塗布方法(例えば、ロールコーター法など)を用いて該フィルム表面に塗布する。上記塗布液の粘度は、塗布温度において20000cps以下、より好ましくは10000cps以下とすることが、良好な塗布性確保の面から推奨される。なお、上記塗布液に親水性樹脂の溶液を用いる場合、その溶液組成にもよるが、溶液粘度が低すぎると、該溶液が多孔質PTFEフィルム全体に拡散する結果、親水性樹脂の連続皮膜が形成されず、該フィルム全体が親水性となって防水性が低下する場合がある。よって、上記親水性樹脂溶液の粘度は500cps以上とすることが望ましい。なお、ここでいう粘度は、B型粘度計(例えば、東機産業社製)で測定して得られる値である。
【0045】
親水性樹脂の連続被膜が形成された多孔質PTFEフィルムは、該親水性樹脂被膜によって、体脂、機械油、飲料など種々の汚染物による多孔質PTFEフィルムの親水化が抑制されると共に、加えて該フィルムの機械的強度も向上する。
よって、上記連続被膜形成後の多孔質PTFEフィルムは、耐久性に優れるものとなる。
【0046】
本発明の防水中袋に係る防水性シート素材は、上記の通り、例えば上記の多孔質PTFEフィルムなどの透湿性防水フィルムを基材とし、該基材の少なくとも防水中袋の内面側となる面に、通気性シートを積層したものであることが好ましい。より好ましくは、防水中袋の外面側となる面にも通気性シートを積層した態様である。
【0047】
上記通気性シートとしては、従来公知の布状物を適宜用いることができる。その材料も特に限定されず、天然繊維や合成繊維、金属繊維、セラミックス繊維などから好ましいものを適宜選択することが可能である。
【0048】
通気性シートの具体例としては、タフタ、ツイル、リップ、朱子織などの織布;丸編ニット、縦編ニット、天竺編ニット、トリコットニット、トリコットハーフニットなどの編布;ネット;不織布;フェルトなどが挙げられる。また、例えばウレタン基材の人工皮革;天然皮革などを用いてもよい。
【0049】
通気性シートを形成する合成繊維としては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリフルオロカーボン系、ポリアクリル系などの各種繊維が好ましい。また、天然繊維としては、綿、麻、獣毛、絹などの繊維が好ましい。これらの繊維は、伸縮性があってもよい。上記の合成繊維、天然繊維の中でも、綿、ポリアミド系繊維(所謂ナイロン繊維)、ポリエステル系繊維などから形成される編布または織布が、美観、強度その他の耐久性、およびコストの面から推奨される。
【0050】
通気性シートを形成するための上記各種繊維からなる糸の太さは、5.6〜110dtex(好ましくは11〜44dtex)とすることが一般的である。また、通気性シートを構成する糸のフィラメント数は、1〜100フィラメント(好ましくは30フィラメント以下)とすることが一般的である。
【0051】
特に防水中袋の内面側となる面に積層される通気性シートとしては、耐摩耗性が要求される観点から、耐摩耗性材料であるポリエステル/ナイロンの混合品(より好ましくは、ナイロン混合率が70質量%以上のもの)から形成されるものが好ましい。上記以外の通気性シートとしては、ナイロン100%の不織布であるフットテクノ社製の「キャンブレル」や大裕商事社製の「マリーク」、ポリエステル100%のスリーバーニットなどの公知の耐摩耗性布帛を使用できる。これらの通気性シートの厚みは0.1〜5mm(好ましくは0.5〜2mm)とすることが一般的である。
【0052】
また、防水性シート素材において、防水中袋の外側面となる面に積層される通気性シートの材料・形態としては、防水中袋の内側面となる面に積層される通気性シートと同様のものが適用可能である。なお、防水中袋の外側面は、接合部分が目止めテープでシールされるため、該目止めテープの接着性を高める観点からは、防水中袋の外側面となる面に積層される通気性シートの形態は、目の粗い編布とすることも好ましい。また、編布を用いた場合は、織布などと比較して防水中袋の軽量化を図り得ると共に、コストの低減も可能となる。
【0053】
透湿性防水フィルムと通気性シートを積層して防水性シート素材とする場合に用い得る接着剤としては、靴としての通常の使用条件下において容易に接着強度の低下が生じないものであればよく、従来公知の接着剤が使用可能である。一般的には、非水溶性の接着剤が用いられる。このような非水溶性接着剤には、熱可塑性樹脂や、熱・光などによって硬化する硬化性樹脂が包含される。
【0054】
非水溶性接着剤の具体例としては、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、シリコーン系、ポリアクリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、その他のゴム系などの各種樹脂が挙げられる。
【0055】
例えば、ポリウレタン系接着剤としては、特に硬化反応型ホットメルト接着剤が好ましい。硬化反応型ホットメルト接着剤とは、常温では固体であり、加熱すると溶融して低粘度の液体となるが、この状態で保持するか、あるいはさらに昇温させることにより硬化反応を起こし、高粘度の液体または固化物となる接着剤である。通気性シートの積層に用いるに際し、加熱溶融させた状態の硬化反応型ホットメルト接着剤の粘度は500cps以上30000cps以下(より好ましくは3000cps以下)であることが好ましい。また、通気性シートの積層後、さらに加熱して高粘度化させた状態の硬化反応型ホットメルト接着剤の粘度は500cps以上、好ましくは10000cps以上であって、20000cps以下であることが推奨される。なお、硬化反応型ホットメルト接着剤の硬化反応は、硬化触媒や硬化剤、水の存在下で進行する。
【0056】
上記硬化反応型ホットメルト接着剤の好ましいものとしては。湿気(空気中の水分)によって硬化するウレタンプレポリマーが挙げられる。ウレタンプレポリマーは、例えば、(A)ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールなどのポリオール成分と、(B)トリレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂肪族または芳香族系のジイソシアネートやトリイソシアネートなどのポリイソシアネート成分とを、付加反応させて得ることができる。かかるウレタンプレポリマーは、その末端にイソシアネート基を有しており、湿気の存在下で硬化反応を起こす。このようなウレタンプレポリマーの溶融温度は、室温よりわずかに高い50℃以上、好ましくは80〜150℃である。
【0057】
上記のウレタンプレポリマーは、例えば日本エヌエスシー社から「ボンドマスター」の商品名で市販されている。このウレタンプレポリマーは、70〜150℃で加熱することにより、透湿性防水フィルムや通気性シートに塗布可能な粘度の溶融液となる。また、この溶融液を用いて透湿性防水フィルムと通気性シートを積層した後、室温程度にまで冷却することで、該溶融液は半固体状となり、透湿性防水フィルムや通気性シートへの過剰な浸透拡散が防止されると共に、空気中の湿気によって硬化するため、透湿性防水フィルムと通気性シートとをソフトで強固に接着することが可能となる。
【0058】
透湿性防水フィルムおよび/または通気性シートに接着剤を塗布するには、従来公知の方法、例えば、ロール法、スプレー法、ハケ塗り法などで行えばよい。
【0059】
好ましい積層方法としては、例えば、透湿性防水フィルムに上述のポリウレタン系接着剤を、グラビアバターンを施したロールで塗布するか、あるいはスプレーするなどし、その上に通気性シートを重ねてロールで圧着する方法などが挙げられる。
【0060】
透湿性防水フィルムと通気性シートの積層は、接着剤を用いる他、強固な接着力が確保でき、且つ、透湿性防水フィルムの防水性や透湿性を損なわない範囲で、透湿性防水フィルムおよび/または通気性シートの一部を加熱溶融させ、熱融着させてもよい。この場合、透湿性防水フィルムと通気性シートを重ねた状態でヒートロールにより熱融着するヒートロール法やフレームボンディング法など、従来公知の方法を用いることができる。
【0061】
なお、透湿性防水フィルムと通気性シートの積層は、風合い、接着力、歩留まりなどの観点から、透湿性防水フィルムに上述のポリウレタン系接着剤を、グラビアバターンを施したロールで塗布し、その上に通気性シートを重ねてロールで圧着する方法を採用することが好ましい。この場合、透湿性防水フィルムと通気性シートとの接着は、点状接着や線状接着となるが、その接着面積は10〜95%、好ましくは15〜50%とすることが推奨される。また、接着剤の転写量は、繊維の密度、接着性、耐久性などを考慮して決定する必要があるが、一般的には、2g/m2以上(好ましくは5g/m2以上)50g/m2以下である。転写量が50g/m2を超えると防水性シート素材の風合いが硬くなりすぎる傾向にある。他方、2g/m2未満では接着性が不十分となり、防水靴としての使用時に受ける湿潤屈曲に耐え得るだけの耐久性が得られない場合がある。
【0062】
このようにして得られる防水性シート素材の厚みは、0.1〜20mm、好ましくは0.5〜10mmとすることが推奨される。
【0063】
また、防水性シート素材には、適度な柔軟性と心地よい装着感を得るためにクッション材を積層したり、防寒性向上を図るために保温材を積層してもよい。この場合、クッション材や保温材は、透湿性防水フィルムと防水中袋内面側の通気性シートとの間に積層するのが好ましい。クッション材や保温材などの嵩の高い材料を透湿性防水フィルムより防水中袋外側面に用いると目止めテープによるシールが困難となり、またクッション材や保温材などは、一般に耐摩耗性に劣っているため、防水中袋の最内面に用いると靴の耐摩耗性が不十分となる。
【0064】
クッション材としては、イノアック社製の「ポロン」、フィルターフォーム、などのウレタンフォームなどが推奨される。クッション材の厚みは0.5〜20mm(好ましくは0.5〜10mm)とすることが一般的である。また、保温材としては、パイルファブリック、日本バイリーン社製の「バイウォーム」、住友スリーエム社製の「シンサレート」などが好ましい。保温材の厚みは0.1〜50mm(好ましくは0.5〜10mm)とすることが一般的である。
【0065】
本発明の防水中袋を製造するに当たっては、まず、上記の防水性シート素材から、防水中袋を構成する部材を裁断する。部材の形状・個数は特に限定されず、例えば、特開昭59−160401号に開示の単一素材片の如く、単一の部材で防水中袋を構成し得る形状としてもよいし、防水中袋の底面部、側面部、爪先部、踵部など毎に別々の部材としてもよい。また、底面部は、一般に中底として用いられる別素材を用いてもよい。この場合、中底としては、天然皮革、合成皮革、プレスボード(パルプ製)、ウレタン系シート、ポリエステル系シート、ポリオレフィン系シート、ナイロン系シートなど、一般に中底として用いられる素材が適宜用いられる。
【0066】
裁断した部材を縫製または融着して、足部を被包し得る袋状とする。縫製は、例えば、ミシンなどを用いて行うことができる。縫製糸の素材としては、綿、絹、麻、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、ポリノジック、ポリウレタンなどが挙げられる。縫製糸は、これらの1種からなる糸でもよく、2種以上の素材を複合した糸であってもよい。強度や、耐熱性の面からは、ナイロン糸やポリエステル糸などを用いることが好ましい。また、糸の太さは、防水性シート素材の厚みや要求される強度によって異なるが、例えば、多孔質PTFEフィルム(透湿性防水フィルム)の片面に78dtexのナイロンタフタをポリウレタン系接着剤で積層し、さらに該フィルムの他面に25dtexのナイロントリコットニットをポリウレタン系接着剤で積層した構造の積層体から得られる部材を縫製する場合、233dtexの縫製糸(ナイロン糸またはポリエステル糸)を用いることが好ましい。
【0067】
縫製には、1本または複数の糸を用いる。ステッチ形式としては、本縫い、単環縫い、二重環縫いなどを適宜用いることができ、直線状、曲線状、ジグザグ状などに縫製する。
【0068】
裁断した部材の接合には、融着による方法を用いてもよい。融着を行う場合は、熱、高周波、または超音波等による従来公知の融着方法により、防水性シート素材の表面を溶かして接合する。このような融着方法では、接合部分の隙間を完全に埋めることが困難で、また融着により融着部が脆化するため、接合部の防水性が不十分となるが、本発明によれば、接合部を目止めテープでシールすることで防水性は保障されるため、機械的に十分な強度で接合できれば問題ない。
【0069】
部材を縫製または融着して袋状とした後、目止めテープを用いて縫製部分の防水加工を行う。目止めテープには、高融点樹脂の基材に、低融点の接着性樹脂を積層してなるテープなどが用いられる。また、上記基材の表面には、ニットやメッシュなどを積層してもよい。目止めテープの具体例としては、例えば、基材にポリウレタン系樹脂フィルム、接着性樹脂にポリウレタン系ホットメルト接着剤を用いた「T−2000」「FU−700」(SAN CHEMICAL社製)、「MF−12T」「MF−12T2」「MF−102F」(日清紡績社製)などや、基材に多孔質PTFEフィルム、接着性樹脂にポリウレタン系ホットメルト接着剤を用いた「GORE−SEAM TAPE」(ジャパンゴアテックス社製)などが挙げられる。
【0070】
目止めテープの接着性樹脂層の厚みは25〜400μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。接着性樹脂層の厚みが上記範囲を下回る場合、接着性樹脂量が少なすぎ、例えば部材同士や縫製糸によって生じる縫製部分での凹凸部を、十分な接着強度で被覆することが困難となる。他方、接着性樹脂層の厚みが上記範囲を超えると、目止めテープを熱圧着する際(後述する)に、該樹脂が十分に溶融するまでに時間がかかり、加工性が低下する。この場合、熱圧着時間を短縮すると、接着性樹脂が十分に溶融せず、接着強度が不十分となる傾向にある。また、熱圧着後のシール部(接合部分のうち、目止めシールによって目止めした部分)の風合いが硬くなる。
【0071】
目止めテープは、接着性樹脂層に熱風を当て、接着性樹脂を溶融させた状態で、被接着体、すなわち、防水中袋の外面側の接合部分に加圧ロールで圧着積層する公知のホットエアシーラーで熱圧着することができる。こうしたホットエアシーラーとしては、例えばクインライト電子精工社製の「クインライト Model QHP−805」や、W.L.GORE&ASSOCIATES社製の「MODEL 5000E」などを使用することができる。また、目止めテープで短い接合部分をシールするには、より簡便な方法として、市販のアイロンで熱圧着させることもできる。この場合、目止めテープを接合部分に重ねた状態で、その上からアイロンによって熱を加える。
【0072】
上記目止めテープによって接合部分をシールする際の熱圧着条件は、目止めテープの接着性樹脂の融点、防水性シート素材の材質・構成・厚み、要求される加工速度などに応じて適宜決定すればよい。
【0073】
多孔質PTFEフィルム(透湿性防水フィルム)の片面に78dtexのナイロンタフタをポリウレタン系接着剤で積層し、さらに該フィルムの他面に25dtexのナイロントリコットニットをポリウレタン系接着剤で積層した構造の防水性シート素材を裁断して得た部材を、ナイロン糸で縫製した後、該縫製部分のナイロントリコットニット面同士を、接着性樹脂にポリエステルウレタン系ホットメルト接着剤を用いた目止めテープ[接着性樹脂の180℃における流動値(島津製作所社製のフローテスターCFT500で測定した値)が、好ましくは40〜200×10-3cm3/s、より好ましくは100×10-3cm3/sで、接着性樹脂層の厚みが好ましくは25〜200μm、より好ましくは50〜150μm]でシールする場合の熱圧着条件の一例を示す。この場合、上記目止めテープをホットエアシーラーに装着し、接着性樹脂層の表面温度が150〜180℃(好ましくは160℃)となるように設定し、上記縫製部分に熱圧着する。次いで、目止めテープの加熱部分が室温になるまで放冷して、熱圧着が完了する。
【0074】
目止めテープの接着性樹脂(ホットメルト接着剤)の流動値は、低すぎると接着力が不足する傾向にあり、高すぎると例えば縫製穴から樹脂の染み出しが生じ、加圧ロールなどに付着してしまう。また、接着性樹脂層の表面温度は、低すぎると接着性樹脂が十分に溶融せず、接着力の低下を引き起こし、高すぎると流動性が高くなりすぎ、例えば縫製穴からの染み出しの問題が生じると共に、接着性樹脂自体の熱分解も生じ、接着強度が低下する場合がある。
【0075】
また、防水中袋が制電靴に用いられる場合は、靴底と接する底面部の一部に、防水性シート素材を貫通するように導電性糸を縫い付ける(図3)。導電性糸を縫い付ける場所は、靴底と接する部分であれば特に限定されないが、爪先踏み付け部および/または踵踏み付け部であれば、歩行時に人体の荷重が常時かかることにより、人体に蓄積された静電気が導電性糸を介して靴底方向へ逃げ易くなるため好ましい。導電性糸としては、各社から市販されているもの、例えば、日本蚕毛染色社製の「サンダーロン」や、カネボウテキスタイル社製の「アンゼルス」などが適宜用いられる。導電性糸の抵抗値は、105Ω・cm以下、好ましくは10Ω・cm以下である。導電性糸の抵抗値が上記範囲を超える場合には、導電性が不十分となり、制電靴としての性能を満足できない。導電性糸の太さは、33〜235dtexが好ましい。導電性糸の防水中袋に露出した部分は人体と接触するため、導電性糸の太さが上記範囲を下回ると、人体との摩擦により糸が擦り切れるおそれがある。また、導電性糸の太さが上記範囲を超えると、導電性糸による段差が大きくなり、着用時の足あたりにより靴の履き心地が損なわれる。これら導電性糸の縫い付け方法・ステッチ形式などは、人体に蓄積された静電気が靴底に移動できるものであれば特に限定されないが、一度の縫製加工で比較的広い面積で導電性糸を縫い付けることができる千鳥縫いが好ましい。また、縫い付けるタイミングも特に限定されず、防水性シート素材から底面部を含む部材を裁断した後接合前であってもよく、接合して袋状とした後であってもよい。
【0076】
導電性糸を縫い付けた場合、該縫い付け部の外面側を導電性目止めテープでシールする(図3)。導電性目止めテープには、例えば、ESD EMIエンジニアリング社製の「Shie Land T212」を用いることができる。
【0077】
接合部分をシールした後、耐熱性保護層の形成を行い、本発明の防水中袋とする(図1および図2)。
【0078】
耐熱性保護層の形成は、まず、例えば、耐熱性保護層を形成するための上記樹脂のラテックスを用い、袋状とした防水性シート素材(以下、「袋状防水性シート」という場合がある)の、少なくとも靴底と接する部分に存在する目止めテープ(および導電性目止めテープ)を被覆する。袋状防水性シートの底面部外面側全面を含めて、上記ラテックスで被覆してもよい。被覆には、公知の塗布方法でラテックスを塗布する他、ラテックスに袋状防水性シートの一部を浸漬して被覆するディッピング法を採用してもよい。
【0079】
上述のラテックスを用いる場合、その組成は、使用する樹脂などに応じて適宜変更すればよい。また、必要に応じて、公知の加硫助剤や、酸化亜鉛、ステアリン酸、可塑剤、老化防止剤などの公知の各種添加剤をラテックスに添加してもよい。
【0080】
なお、防水中袋の透湿性や通気性を確保する観点からは、耐熱性保護層の形成を、防水中袋の一部に留めることが好ましい。例えば、ラテックスをディッピング法により被覆する場合には、ラテックスの被覆部の上端を、袋状防水性シートの底面部から該シートの表面に沿って上方に向かう曲線長さ(図1中、L部)で50mm以下、好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以下とすることが推奨される。また、袋状防水シート側面部のラテックス被覆部の上端が、靴底の形状に合わせてなだらかな曲線を描くように被覆することも、ラテックスの塗布量を必要最小量にとどめることができるため好ましい。この場合、袋状防水性シートに足型を挿入し、この底面部側を、ラテックスを満たした容器に浸漬し、該容器または袋状防水性シートを前後に傾ける方法などを採用することができる。
【0081】
また、ディッピング法によって被覆した箇所に気泡が存在している場合は、該気泡を破裂させるなどして除去し、その後気泡の存在していた箇所を刷毛などで補修することが好ましい。
【0082】
ラテックスの塗布やディッピングによる被覆は1回でもよいし、複数回(例えば2回や3回など)行ってもよいが、耐熱性保護層の均一性向上や厚み調節の容易さの観点からは、後者の方が好ましい。例えば被覆回数を2回とする場合には、1回目の被覆を行った後、分散媒を乾燥させ(後述する)、その上に再度被覆する方法が好ましい。
【0083】
その後ラテックスの分散媒を乾燥し、必要に応じて加硫を行って耐熱性保護層を形成させ、本発明の防水中袋が得られる。分散媒の乾燥条件は特に限定されず、分散媒の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば分散媒に水を用いた場合では、20〜30℃で、10〜30分乾燥するのが一般的である。また、加硫条件も、使用する樹脂(ゴム)や加硫剤・加硫助剤などの種類に応じて適宜決定される。例えば、ゴムにラテックス(天然ゴムラテックス)を用い、加硫剤に硫黄を用いた場合では、加硫温度40〜60℃、加硫時間5〜10分とするのが一般的である。ゴムの場合、加硫を行うのが好ましい。加硫を行わないと、未加硫ゴム同士が接触した際に粘着が発生するため、防水中袋の取り扱いが難しくなる。
【0084】
耐熱性保護層の厚みは0.05mm以上2mm以下、好ましくは0.1mm以上1.5mm以下(より好ましくは1mm以下)とすることが推奨される。耐熱性保護層の厚みが上記範囲を下回ると耐熱性保護層としての機能が不十分となり、上記範囲を超えると、耐熱性保護層によって生じる段差が大きくなるため、射出成形や加硫成形する際の金型に合わなくなる場合がある。
【0085】
上記のようにして得られる本発明の防水中袋に、靴底と甲被を取り付けて、本発明の防水靴とする。甲被に用いられる素材は特に限定されず、天然皮革、合成皮革、織布、編布、不織布など、従来公知の甲被材料を、適宜単独で若しくは組み合わせて用いることができる。靴底の形成には、上述の通り、射出成形法や加硫製法を採用することが好ましい。本発明の防水中袋であれば、従来の防水中袋のように防水性が低下することはなく、より低コストでの靴底形成が可能となる。
【0086】
靴底の射出成形法や加硫製法は、従来公知の方法が採用できる。例えば、本発明の防水中袋に甲被を履き口部分で逢着した状態で、防水中袋に足型を挿入し、甲被を釣り込んで甲被の靴底側端部と防水中袋の底部分を接着固定する。これを射出成形用の金型に装着し、該金型に靴底形成用の樹脂を流し込んで、防水中袋の底面部と甲被の靴底側端部を覆うように靴底を形成すると共に、必要に応じて加硫も行う方法が採用できる。なお、制電靴とする場合には、靴底には上述の導電性付与剤を含有させる必要がある。
【0087】
通常、制電靴とする場合の靴底には、導電性付与剤として、補強効果も有するカーボンブラックが用いられるが、この場合、靴底形成用の樹脂100質量部に対し、カーボンブラックを5〜20部とすることが一般的である。また、靴底形成用の樹脂には、耐熱性保護層形成用の樹脂と同様に、必要に応じて公知の加硫剤、加硫促進剤などの各種添加剤が用いられる。
【0088】
以上、本発明の耐熱性防水構造を、防水靴用の防水中袋および靴(防水靴)について詳述してきたが、本発明の耐熱性防水構造は、防水性を有する手袋、帽子、衣服などの防水衣類などにも好ましく用いられる。例えば、金型を用いて形状出しをしたり、接着剤を加熱硬化するなど、加熱が必要な工程を採用した場合や、消防用衣類などのように、瞬間的に高熱に曝されるような用途で有用である。
【0089】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0090】
実施例
防水性シート素材として、延伸多孔質PTFEフィルム(ジャパンゴアテックス社製、空孔率80%、最大細孔径0.2μm、平均厚み30μm)の片面に「キャンブレル」(フットテクノ社製、厚み1.2mm)を、他面にナイロントリコットニット(太さ21dtex、フィラメント数1、28G)を積層したシートを用いた。これらの積層には、接着剤「ボンドマスター170−7254」(日本エヌエスシー社製)を用いた。積層後の防水性シート素材の厚みは1.8mmである。
【0091】
この防水性シート素材から、底面部、側面部、甲部、前面部、踵部を構成する部材を裁断し、足部を被包できるように袋状に縫製した。足当たりの出る部分には千鳥縫いを用いて段差を無くし、強度が要求される部分には、地縫いを用いた。縫製糸には、東洋紡績社製のポリエステルミシン糸(30番手)を用いた。
【0092】
さらに縫製部分は目止めテープを用いて防水処理を行った。目止めテープにはジャパンゴアテックス社製「GORE−SEAM TAPE」(6mil、22mm巾)を用いた。目止めテープは、W.L.GORE&ASSOCIATES社製のホットエアシーラー「MODEL 5000E」を用い、熱風で加熱し、その後ローラーで加圧する方法により接着させた。
【0093】
さらに底面部には、爪先踏み付け部および踵踏み付け部に、日本蚕毛染色社製の導電性糸「サンダーロン」(56dtex、30フィラメント)で千鳥縫いによる縫い付けを、底面部の内側面から外側面まで導電糸が貫通するように行った。導電糸の縫い付け部分の外面側には、ESD EMIエンジニアリング社製の導電性目止めテープ「Shie Land T212」を熱圧着により貼り付け、防水処理を施した。
【0094】
このようにして得られた袋状防水性シートの爪先先端相当部から底面部、側面部、踵相当部にかけて、耐熱性保護層を形成するためのディッピング処理を行った。ディッピング剤には、ムサシノケミカル社製の「MK−2704A(天然ゴムラテックス)」100質量部に、ムサシノケミカル社製の「B−4802(カーボンブラックパウダー入りエマルジョン)」15質量部を添加し、撹拌して十分に分散させ、粘度が300cps[常温(約20℃)]となるように調製した導電性ラテックス樹脂を用いた。ディッピング処理は、袋状防水性シートに足型を挿入し、これを上記導電性ラテックス樹脂を満たした型枠内に漬けて行った。
なお、袋状防水性シートを漬けた状態で、上記型枠を前後に傾け、袋状防水性シート側面部のディッピング部分の上端が、なだらかな曲線を描くようにした。上記の方法により、ディッピング部分の上端の高さは、袋状防水性シート底面部から該シート表面に沿って上方に向かう曲線長さで、爪先部分(図1中L部)では40mmまで、踏まず部分(図1中M部)では20mmまで、踵部分(図2中N部)では50mmまでとなるように調節した。導電性ラテックス樹脂の塗布量は15g(乾燥後質量)とした。なお、ディッピング回数は2回とし、1回目のディッピング終了後、常温で15分乾燥させた後、2回目のディッピングを行った。その後、常温で15分乾燥させ、70℃で30分間加硫して図1および図2に示す防水中袋No.1を得た。形成された耐熱性保護層の厚みは0.5mmであり、底面部のシールに用いた目止めテープ全体を被覆している。
【0095】
上記防水中袋No.1に、天然皮革製の甲被と履き口部を接合した後、通常のつり込み工程を経て、その後、射出成形法により靴底成形加工とゴム加硫とを同時に行い、防水靴No.1(サイズ26cm)を得た。靴底に用いた導電性ゴムは、天然ゴム100質量部にケッチェンブラック15質量部を配合したものである。また、射出条件は、21cm3/secとし、150℃、10分の条件で加硫を行った。
【0096】
比較例
導電性糸の縫い付けと、耐熱性保護層の形成を省略した以外は、上記実施例と同様にして防水中袋No.2(サイズ26cm)を作製し、これを用いて、上記実施例と同様にして防水靴No.2を作製した。
【0097】
上記の防水靴No.1およびNo.2について、下記の評価を行った(評価結果はすべてn数=3の平均値である)。
【0098】
[透湿性評価]
特表平3−504044号の実施例2(図1)に記載の透湿度測定方法により、透湿度の評価を行った。透湿性防水性ライニング材として、ジャパンゴアテックス社製の延伸多孔質PTFEフィルム(空孔率80%、最大細孔径0.2μm、平均厚み30μm)を用い、測定時間を3時間とした。結果を表1に示す。
【0099】
耐熱性保護層を形成した防水靴No.1の透湿性は、耐熱性保護層を形成しない従来の防水靴No.2とほぼ同等であり、耐熱性保護層を形成させても靴の透湿性にはほとんど影響ないことが分かる。
【0100】
[防水性評価]
特表平8−511869号の実施例1(図1〜5)に記載の遠心試験装置を用い、回転速度を240回/min、靴内に注入する水量を1000cc、試験時間を60分として防水性を評価した。結果を表1に示す。
【0101】
耐熱性保護層を形成しない防水靴No.2は2分で漏水が発生したのに対し、耐熱性保護層を形成した防水靴No.1は60分経過後でも漏水が発生せず、高い防水性が確保されていることが分かる。
【0102】
[防水耐久性評価]
特開平2−88943号の実施例(図1〜5)に記載の屈曲試験装置を用い、屈曲角度(靴のボール部分を基点とした、つま先上昇角度)を30°、水深(靴底から水面までの距離)を10cmとして漏水が発生する屈曲回数を測定した。
結果を表1に示す。
【0103】
耐熱性保護層を形成しない防水靴No.2は2000回で漏水が発生したのに対して、耐熱性保護層を形成した防水靴No.1は10万回でも漏水が発生せず、高い防水耐久性が維持されていることが分かる。
【0104】
[帯電防止性能評価]
JIS T 8103の第1試験方法により、帯電防止性能を評価した。結果を表1に示す。本発明による防水靴No.1は、JIS T 8103の第一種静電靴の基準(1.0×105<R<1.0×108)を満足している。防水靴No.2は電流がまったく流れず、完全に絶縁された状態だった。
【0105】
【表1】
Figure 0004551605
【0106】
【発明の効果】
本発明の耐熱性防水構造は、防水衣類に好適な防水性シート素材の接合部分のシールに用いた目止めテープの一部を耐熱性保護層で被覆することにより、防水衣類の製造時や使用時に高温に曝されても、該耐熱性保護層の作用により防水性低下を抑制し得るものである。
【0107】
また、本発明の耐熱性防水構造を用いた防水中袋は、該防水中袋に用いた目止めテープのうち、少なくとも靴底と接する部分を、耐熱性保護層で被覆することにより、防水性確保の点で従来では困難であった射出成形法や加硫製法の如き防水中袋が高温に曝されるような靴底形成方法を用いても、高度に防水性を維持し得る。
【0108】
さらに、制電靴に用いられる防水中袋においても、底面部に用いられる導電性目止めテープの溶融の問題から、上記の如き防水中袋が高温に曝されるような靴底形成方法を用いると、防水性の低下が生じていたが、本発明の防水中袋では、耐熱性保護層で該導電性目止めテープ部も被覆することにより、こうした防水性の低下が防止できるようになった。
【0109】
よって、本発明の防水中袋を用いた防水靴は、高度な防水性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いた本発明の防水中袋を爪先方向から見た斜視図である。
【図2】 実施例で用いた本発明の防水中袋を踵方向から見た斜視図である。
【図3】 制電靴に用いられる本発明の防水中袋の底面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 耐熱性保護層
2a,2b 側面部材
3 甲被部材
4 前面部材
5 目止めテープ
6 縫製糸
7 踵部材
8 底面部
9 導電性目止めテープ
10 導電性糸

Claims (10)

  1. 縫製または融着による接合部分を有する防水性シート素材と、該接合部分の片側を被覆する目止めテープと、該目止めテープの少なくとも一部を被覆する耐熱性保護層よりなる耐熱性防水構造を用いており、少なくとも靴底を防水中袋の底面部に取り付けて防水靴とするための防水中袋であって、
    該防水中袋は、防水性シート素材を縫製または融着により接合して足形に成形し、該接合部分の外面側が目止めテープでシールされてなるものであり、
    前記目止めテープのうち、少なくとも靴底と接する部分が、目止めテープの接着性樹脂部が軟化あるいは溶融した際に流動が生じないように、耐熱性保護層により被覆されていることを特徴とする防水中袋。
  2. 上記耐熱性保護層は、天然ゴムまたはエラストマーから構成されるものである請求項1に記載の防水中袋。
  3. 上記天然ゴムまたは上記エラストマーは、加硫されているものである請求項2に記載の防水中袋。
  4. 上記防水性シート素材は、防水透湿性フィルムの少なくとも片面に通気性シートが積層されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の防水中袋。
  5. 上記防水透湿性フィルムは、多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムである請求項4に記載の防水中袋。
  6. 上記多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムは、細孔の内面を含んで全表面が、撥水撥油剤で被覆されているものである請求項5に記載の防水中袋。
  7. 上記多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムは、少なくとも片面に親水性樹脂の連続被膜が設けられているものである請求項5または6に記載の防水中袋。
  8. 靴底と接する底面部の一部に、導電性糸が、防水性シート素材を貫通するように縫い付けられており、且つ該導電性糸の縫い付け部分の靴底当接面が導電性目止めテープでシールされた状態で上記耐熱性保護層によって被覆されており、該耐熱性保護層が導電性を有するものである請求項1〜7のいずれかに記載の防水中袋。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の防水中袋を用いることを特徴とする防水靴。
  10. 靴底部は、射出成形または加硫成形により形成されてなるものである請求項9に記載の防水靴。
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