JP5178700B2 - 分散組成物、感光性組成物、遮光性カラーフィルタ、固体撮像素子、液晶表示装置、および分散組成物の製造方法 - Google Patents

分散組成物、感光性組成物、遮光性カラーフィルタ、固体撮像素子、液晶表示装置、および分散組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チタンブラックを含む分散組成物、感光性組成物、これを用いた遮光性カラーフィルタ、該遮光性カラーフィルタを備える固体撮像素子、および液晶表示装置、並びに分散組成物の製造方法に関する。
液晶表示装置に用いられるカラーフィルタには着色画素間の光を遮蔽し、コントラストを向上させる等の目的で、ブラックマトリクスと呼ばれる遮光膜が備えられている。また、固体撮像素子においてもノイズ発生防止、画質の向上等を目的としてブラックマトリクスが設けられている。ブラックマトリクスは、遮光性の黒色色材を分散させた感光性組成物と、重合性化合物、光重合開始剤、その他の成分とを含有して感光性組成物とし、これを用いてフォトリソ法などによりパターン形成することで製造されている。
液晶表示装置用や固体撮像素子用のブラックマトリクスを形成するための組成物としては、カーボンブラックやチタンブラック等の黒色色材を含有する感光性組成物が知られている。
液晶表示装置用ブラックマトリクスとしては、コントラストを高め、視認性を向上させるため遮光性の高いブラックマトリクスが要求される。一方、固体撮像素子用ブラックマトリクスとしては、可視域における遮光性に加え、赤外域における遮光性をも備える必要がある。
従来、遮光性のブラックマトリクスとしては、専らカーボンブラックが多用されてきたが、カーボンブラックで遮光性を高めようとすると、カーボンブラックの充填量を高めることが必要となる。このため遮光材であるカーボンブラックの濃度の高い分散組成物、あるいは感光性組成物が遮光層のパターン成形に必要となる。しかしながら高い遮光性を得るためにカーボンブラックの含有量を増やすと、カーボンブラックの分散性が困難になり、またパターン成形性が悪化するといったような問題も発生していた。
液晶表示装置用ブラックマトリクスとしては、主に可視域における遮光性が要求されるのに対し、固体撮像素子用ブラックマトリックスとしては、可視域における遮光性に加え、シリコン基板の裏面からの赤外域のおける透過を防ぐために、赤外域における遮光性をも備える必要がある。
また、感光性組成物を基板に塗布した際の塗布膜の均一性、及び遮光膜周辺部に遮光膜中央部よりも膜厚が薄くなる領域(ステップ)が生じにくいことが要求され、固体撮像素子用ブラックマトリクス(特に、支持体の受光素子形成面に対し反対側の面(以下、「裏面」ともいう)を遮光するためのブラックマトリックス)については、均一に遮光する性能が要求されている。
さらに、感光性組成物層は遮光性であるため、フォトリソ法でパターン成形するときの紫外線等の露光光が感光性組成物層を透過しにくく、パターン成形性が不良となりやすく、遮光膜周辺部の現像残渣が発生しやすく、感度が低いという問題があった。
感度を向上させるため、光重合開始剤量を増やすと、感光性組成物の保存安定性が低下してしまう問題もあった。
上記したように、遮光性の高いブラックマトリクスの品質要求に応えるため、遮光性の高いチタンブラックの有用性が高まり、チタンブラックの分散性を向上させることが種々提案されている(特許文献1〜7参照)。しかしながらチタンブラックは比重が大きいため、分散することが難しく、分散しても時間が経つとチタンブラックが沈降してしまうなど、分散性、分散安定性の向上が望まれている。
特開平10−246955号公報 特開平9−54431号公報 特開平10−46042号公報 特開2007−115921号公報 特開平10−114836号公報 特開2002−275343号公報 特開2005−266189号公報
本発明は上記に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち本発明は、チタンブラックの分散性が高く、保存安定性の高い分散組成物を提供することを目的とする。
本発明の更なる目的は、塗布均一性が良好で、パターン形成したときに未露光部における残渣が抑制された感光性組成物を提供することであり、それを用いて遮光性の高い着色パターンを有する遮光性カラーフィルタを提供し、それを用いて高画質の固体撮像素子、及び液晶表示装置を提供することにある。
前記課題を解決するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> (A)チタンブラック、(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(C)溶媒を含有する混合物を分散する第1の分散工程、および第1の分散工程終了後の混合物に、(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂を、さらに添加して分散する第2の分散工程、を含む方法によって製造された分散組成物。
<2> 前記(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂と(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂との比率が、質量換算で95:5〜5:95の範囲である<1>に記載の分散組成物。
<3> 前記(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂の少なくとも一方が、グラフト重合体である<1>または<2>に記載の分散組成物。
<4> 前記(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂の少なくとも一方の酸価が、50〜200mgKOH/gの範囲である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の分散組成物。
<5> <1>〜<4>のいずれか1項に記載の分散組成物、(D)重合性化合物、および(E)光重合開始剤を含む感光性組成物。
<6> カラーフィルタ用である<5>に記載の感光性組成物。
<7> 基板上に、<5>または<6>に記載の感光性組成物を用いて形成された着色領域を有する遮光性カラーフィルタ。
<8> <7>に記載の遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子。
<9> <7>に記載の遮光性カラーフィルタを備えた液晶表示装置。
<10> (A)チタンブラック、(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(C)溶媒を含有する混合物を分散する第1の分散工程、および前記第1の分散工程終了後の混合物に、(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂を、さらに添加して分散する第2の分散工程、を含む分散組成物の製造方法。
本発明における分散組成物は、分散剤として、pKaが異なる酸基を有する2種以上の樹脂を用いることを特徴としている。小さいpKaの酸基を有する樹脂は、チタンブラックに対して吸着性が大きく、第1の分散工程においてチタンブラックの分散速度を促進する。一方、大きいpKaの酸基を有する樹脂は、第2の分散工程においてチタンブラックに吸着して分散を促進し、さらに分散安定化に寄与する。吸着性が大きい樹脂により、チタンブラック粒子の表面を覆うことで凝集力を低下する。さらに第2の分散工程により分散安定性を付与する。また、小さいpKaの酸基を有する樹脂がチタンブラックの吸着点に吸着した後でも、第2の分散工程の直前には余剰の吸着点がチタンブラックに存在し、余剰の吸着点を大きいpKaの酸基を有する樹脂が吸着し、チタンブラックの余剰の吸着点をさらに少なくするので、チタンブラックの分散安定性に効果を発揮するものと推定される。これらの異なる2種以上の樹脂を用いて逐次分散することにより、分散性が良好になり、同時に分散安定性を発現するものと考えられる。
本発明によれば、チタンブラックの分散性が高く、保存安定性の高い分散組成物を提供することができる。さらに、該分散組成物を用いて、塗布均一性が良好で、パターン形成したときに未露光部における残渣が抑制された感光性組成物を提供することができ、、それを用いて遮光性の高い着色パターンを有する遮光性カラーフィルタ、並びに高画質の固体撮像素子、及び液晶表示装置を提供することができる。
なお、本発明において「遮光性カラーフィルタ」とは、本発明の分散組成物、重合性化合物、及び、光重合開始剤を少なくとも含む感光性組成物を露光し、現像して得られた遮光性パターンをいう。本発明における「遮光性カラーフィルタ」の色は、黒、灰色等の無彩色であってもよいし、有彩色の色味が混ざった黒色、灰色等であってもよい。
本発明における「遮光性カラーフィルタ」は、本発明の特定成分であるチタンブラックを含む黒色色材、特定の樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、及び溶剤を少なくとも含む感光性組成物を露光し、現像して得られるものであり、遮光膜又は遮光性フィルタと言い換えてもよい。
以下において本発明を詳しく説明する。
本発明の分散組成物は、(A)チタンブラック、(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(C)溶媒を含有する混合物を分散する第1の分散工程、および第1の分散工程終了後の混合物に、(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂を、さらに添加して分散する第2にの分散工程、を含む方法によって製造されルことを特徴とする。
以下、本発明の分散組成物に含まれる各成分について説明し、次いで分散方法について説明する。
<(A)チタンブラック>
本発明における(A)チタンブラックとは、チタン原子を有する黒色粒子である。好ましくは低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。チタンブラック粒子は、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質での処理も可能である。
チタンブラックの製造方法としては、二酸化チタンと金属チタンの混合体を還元雰囲気で加熱し還元する方法(特開昭49−5432号公報)、四塩化チタンの高温加水分解で得られた超微細二酸化チタンを水素を含む還元雰囲気中で還元する方法(特開昭57−205322号公報)、二酸化チタンまたは水酸化チタンをアンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭60−65069号公報、特開昭61−201610号公報)、二酸化チタンまたは水酸化チタンにバナジウム化合物を付着させ、アンモニア存在下で高温還元する方法(特開昭61−201610号公報)などがあるが、これらに限定されるものではない。
チタンブラックの粒子の粒子径は特に制限は無いが、分散性、着色性の観点から、平均1次粒子径3nm以上2000nm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは平均1次粒子径10nm以上500nm以下の範囲であり、更に好ましくは、10nm以上100nm以下の範囲である。
チタンブラックの比表面積は、特に限定がないが、かかるチタンブラックを撥水化剤で表面処理した後の撥水性が所定の性能となるために、BET法にて測定した値が通常5m/g以上150m/g以下程度、特に20m/g以上100m/g以下であることが好ましい。
チタンブラックの市販品の例としては例えば、三菱マテリアル(株)製チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N、赤穂化成(株)製ティラック(Tilack)Dなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定することなく使用することができる。
また、本発明におけるチタンブラックには、必要に応じて体質顔料を添加してもよい。このような体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ白、グロス白、チタンホワイト、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。これらの体質顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。体質顔料の使用量は、チタンブラック100質量部に対して、通常、0〜100質量部、好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜40質量部である。本発明において、前記チタンブラックおよび体質顔料は、場合により、それらの表面をポリマーで改質して使用することができる。
本発明の分散組成物中に添加するチタンブラックの含有量は、分散組成物の固形分に対して15質量%以上71質量%以下となるように調整され、より好ましくは、30質量%以上69質量%以下の範囲であり、更に好ましくは40質量%以60質量%以下の範囲である。
当該範囲とすることで、本発明の分散組成物を用いて感光性組成物としたときに、感光性組成物の硬化性が良好となり、かつ均一な膜を形成することができる。また、チタンブラックを高濃度に含有することから、充分な遮光性が得られ、チタンブラックを含有する感光性組成物を遮光性カラーフィルタの形成に好適に用いることができる。
また、本発明の分散組成物には遮光用顔料として、チタンブラック以外のものを混合して使用してもよい。
このような混合可能な遮光用顔料としては、可視光領域に吸光度を有するものであれば特に限定はされず、上記した体質顔料、カーボンブラック、C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、C.I.Pigment Brown 25,28、C.I.Pigment Black 1、等の有機顔料等を挙げることができる。
チタンブラック以外の遮光用顔料を混合して使用する例として、チタンブラックとカーボンブラックを6:1で混合した物、チタンブラックと酸化チタンを3:1で混合した物などが挙げられる。
混合して使用するチタンブラック以外の遮光用顔料は、チタンブラック100質量部に対して、0.01〜99.99質量部の範囲で用いることができる。好ましくは、20〜70質量部の範囲である。
<(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂>
本発明の分散組成物は、(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂(以下、適宜「B−1樹脂」と称する。)、および(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂(以下、適宜「B−2樹脂」と称する。)を含有する。
以下、B−1樹脂とB−2樹脂とを総称して、適宜「特定樹脂」と称する。
B−1樹脂は、pKaが2以下の酸基を含有し、pKaが2以下の酸基としては、スルホン酸基(pKa 0.5)、ホスホン酸基(pKa 1.5)、スルフィン酸基(pKa 1.5)、ホスフェン酸基(pKa 2.9)、ビス(スルホニル)イミド基(pKa 0.1)であり、好ましくはスルホン酸基、であり、スルホン酸基、カルボン酸基がさらに好ましい。
B−2樹脂は、pKaが3以上6以下の酸基を含有し、pKaが3以上6以下の酸基としては、カルボン酸基(pKa 4.1)、スルホニルイミド基(pKa 5.0)、であり、好ましくはカルボン酸基である。
これらの樹脂のうち、B−1樹脂に含まれる酸基がスルホン酸基、またはカルボン酸基であり、B−2樹脂に含まれる酸基がカルボン酸基である組合せが好ましい。
B−1樹脂およびB−2樹脂は、それぞれ上記した酸基を1種以上含む。
B−1樹脂における酸基の含有量としては、酸価で50〜200mgKOH/gの範囲であり、好ましくは60〜190mgKOH/gであり、70〜180mgKOH/gであることがさらに好ましい。
B−2樹脂における酸基の含有量としては、酸価で50〜200mgKOH/gの範囲であり、好ましくは60〜190mgKOH/gであり、70〜180mgKOH/gであることがさらに好ましい。
B−1樹脂における重量平均分子量としては、20,000〜300,000の範囲であり、好ましくは、2,3000〜100,000であり、25,000〜60,000であることがさらに好ましい。
B−2樹脂における重量平均分子量としては、3,000〜15,000の範囲であり、好ましくは5,000〜1,3000であり、6,000〜12,000であることがさらに好ましい。
なお、特定樹脂の重量平均分子量は、例えば、GPCによって測定することができる。
これらの酸基の特定樹脂への導入方法としては、特に制限はなく、酸基を含むアクリルモノマー、酸基を含むビニルモノマーを後述する他の構造のモノマーと共重合させてもよいし、或いは高分子反応を用いて、高分子化合物に酸基を付与することもできる。高分子化合物に酸基を付与する方法としては、例えばエポキシ環や、イソシアネート基のような反応性基を有する高分子化合物に、酸基と水酸基とを有する化合物を反応させる方法などがある。
好ましくは、酸基を含むモノマーを共重合させる方法であり、酸基を含むモノマーを以下に例示する。
カルボン酸基を含むモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、4−ビニル安息香酸、フマル酸、シトラコン酸、または以下の構造が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、N−1、N−5などが好ましい。
スルホン酸基を含むモノマーとしては、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、または以下の構造が挙げられる。
これらの中でも、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、N−5、N−6などが好ましい。
リン酸基を含むモノマーとしては、ビニルホスホン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、または以下の構造が挙げられる。
これらの中でも、ビニルホスホン酸、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、N−1、N−5などが好ましい。
スルフィン酸基を含むモノマーとしては、ビニルベンゼンスルフィン酸、(メタ)アクリロイルプロピルスルフィン酸、などであり、(メタ)アクリロイルプロピルスルフィン酸が好ましい。
ホスフェン酸基を含むモノマーとしては、ビニルベンゼンホスフェン酸、(メタ)アクリロイルプロピルホスフェン酸、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェートであり、ビニルベンゼンホスフェン酸、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェートなどが好ましい。
スルホニルイミド基を含むモノマーとしては、以下の化合物が挙げられる。
これらの中でも、N−2、N−4などが好ましい。
以下、特定樹脂の骨格構造について説明する。
なお、B−1樹脂とB−2樹脂とは、含まれる酸基のpKaが異なるが、主たる骨格構造は同じでも、異なっていてもよく、以下の記載はB−1樹脂、およびB−2樹脂に対して共通であり、前述のようにB−1樹脂とB−2樹脂とを総称して、適宜「特定樹脂」と称して、説明する。
特定樹脂のポリマー構造としては、特に限定はなく、線状ポリマー、グラフトポリマー、スターポリマー、ブロックポリマー等を用いることができる。その中でも、分散安定性の観点から、グラフトポリマーが好ましい。
グラフトポリマーの主鎖構造としては、特に限定はなく、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレアなどを用いることができ、合成の簡便性から、ポリ(メタ)アクリル構造が好ましい。
以下本発明における特定樹脂の好ましい形態であるグラフトポリマーを例にとって説明する。
グラフトポリマーにおけるグラフト鎖としては、水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるグラフト鎖を有することが好ましく、この場合のグラフト鎖とは、共重合体の主鎖の根元から、主鎖から枝分かれしている基の末端までを示す。分散組成物において、この特定樹脂は、チタンブラックに分散性を付与する分散樹脂であり、優れた分散性と、グラフト鎖による溶媒との親和性を有するために、チタンブラックの分散性、及び、保存経時後の分散安定性に優れる。また、感光性組成物としたとき、溶剤、重合性化合物もしくはその他の併用可能な樹脂などとの親和性を有するので、アルカリ現像で残渣を生じにくくなる。
グラフト鎖が長くなると立体反発効果が高くなり、さらに分散性は向上するが、一方グラフト鎖が長すぎるとチタンブラックへの吸着力が低下して分散性は低下することがある。このため、本発明で使用される特定樹脂としては、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が40から10000であることが好ましく、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が50から2000であることがより好ましく、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が60から1000であることがさらに好ましい。
グラフト鎖の構造としては、ポリ(メタ)アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエーテルなどを用いることができるが、グラフト部位と溶媒との相互作用性を向上させ、それにより分散性を高めるために、ポリ(メタ)アクリル構造、或いはポリ(メタ)アクリル、ポリエステル、ポリエーテルを有するグラフト鎖であることが好ましく、ポリエステル、ポリエーテルを有することがより好ましい。
このような構造をグラフト鎖として有するマクロモノマーの構造としては、ポリマー主鎖部と反応可能な置換基を有し、且つ、本発明の要件を満たしていれば、特に限定されないが、好ましくは、反応性二重結合性基を有するマクロモノマーを好適に使用することができる。
特定樹脂の合成に好適に用いられる市販マクロモノマーとしては、AA−6、AA−10、AB−6、AW−6、AA−714、AY−707、AY−714(以上、アクリル系マクロモノマー 東亜合成(株)社製)、AS−6、AN−6(以上、スチレン系マクロモノマー 東亜合成(株)社製)、AK−5(アクリル系シリコーン系マクロモノマー 東亜合成(株)社製)、AK−30、AK−32(以上、シリコーン系マクロモノマー 東亜合成(株)社製)、アルキレングリコールグラフト鎖の(メタ)アクリル系マクロマーである各種「ブレンマー」、ブレンマーPP−100、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーPP−1000、ブレンマー55−PET−800、ブレンマーPME−4000、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマー43PAPE−600B(以上、日油(株)社製)、などが用いられる。このなかでも、好ましくは、AA−6、AA−10、AB−6、AS−6、AN−6、ブレンマーPME−4000などが用いられる。
本発明に使用される特定樹脂におけるグラフト部位としては、少なくとも下記式(1)〜式(5)で表される構造単位を含むことが好ましい。
式(1)〜式(5)において、X〜Xはそれぞれ独立に水素原子或いは1価の有機基を表し、Y〜Yはそれぞれ独立に2価の連結基を表す。Z〜Zはそれぞれ独立に1価の有機基であり、n、m、p、q、およびrは1から500の整数を表し、Rは1価の有機基を表す。
合成上の制約の観点から、式(1)〜式(5)において、X〜Xはそれぞれ独立に好ましくは水素原子、或いは炭素数1から12のアルキル基であり、水素原子或いはメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)〜式(5)において、Y〜Yはそれぞれ独立に2価の連結基であり、特に構造上制約されない。具体的には、下記の(Y−1)から(Y−20)の連結基などが挙げられる。下記構造でA、Bはそれぞれ、式(1)または式(2)における左末端基、右末端基との結合を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)、(Y−13)であることがより好ましい。
式(1)〜式(5)において、Z〜Zは、それぞれ独立に1価の有機基であり、特に、構造は限定されないが、具体的には、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリールチオエーテル基、またはアミノ基などである。この中でも、特に分散性向上の観点から、立体反発効果を有することが好ましく、炭素数5から24のアルコキシ基が好ましく、その中でも、特に炭素数5から24の分岐アルコキシ基或いは炭素数5から24の環状アルコキシ基が好ましい。
本発明に使用される特定樹脂において、式(1)〜式(5)で表される構造単位は、質量換算で、特定樹脂の総質量に対し10%〜90%の範囲で含むことが好ましく、30%〜70%の範囲で含むことがより好ましい。この範囲内であるとチタンブラックの分散性が高く、感光性組成物にしたときの現像性が良好である。
式(5)中、Rは1価の有機基を表し、特に構造上限定はされないが、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子、アルキル基である。また、Rとしては同一分子中に構造の異なるRが2種以上あってもよい。
本発明における特定樹脂として、グラフト部位以外にチタンブラックと相互作用を形成しうる官能基を導入することができる。その中で、例えば、塩基性基を有する構造単位、配位性基を有する構造単位、反応性を有する構造単位などが挙げられる。
前記塩基性を有する構造単位としては、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、N原子を含むヘテロ環、アミド基などがあり、特に好ましいものは、チタンブラックへの吸着力が良好で且つ分散性が高い第3級アミノ基である。これらを1種あるいは1種以上用いることができ、本発明における特定樹脂に好適に使用されるこれらの構造単位の含有量は、0.01モル%以上50モル%以下であり、特に好ましくは、現像性阻害抑制という観点から、0.01モル%以上30モル%以下である。
前記配位性基を有する構造単位、および反応性を有する構造単位としては、例えば、アセチルアセトキシ基、トリアルコキシシリル基、イソシアネート基、酸無水物、酸塩化物などがあり、特に好ましいものは、チタンブラックへの吸着力が良好で分散性が高いアセチルアセトキシ基である。これらを1種あるいは1種以上用いることができる。本発明における特定樹脂に好適に使用されるこれらの構造単位の含有量は、0.5モル%以上50モル%以下であり、特に好ましくは、現像性阻害抑制という観点から、1モル%以上30モル%以下である。
グラフト部位以外にチタンブラックと相互作用を形成しうる官能基の構造としては、上記のグラフト部位以外にチタンブラックと相互作用を形成しうる官能基を含有していればよく、特に限定はされないが、下記一般式(i)〜一般式(iii)のいずれかで表される単量体から得られる繰り返し単位を少なくとも1種有することが好ましい。
上記一般式(i)および一般式(ii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、又は炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
、R、及びRは、より好ましくは水素原子、または炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは、水素原子またはメチル基である。R及びRは、水素原子であることが特に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
Lは、単結合または2価の連結基である。2価の連結基としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、置換アリーレン基)、2価の複素環基及びそれらと酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR31−、ここでR31は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)又はカルボニル基(−CO−)との組合せ等が挙げられる。
前記2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。前記脂肪族基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。脂肪族基は不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基および複素環基を挙げられる。
前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜20が好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜10が最も好ましい。また、前記芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を挙げられる。
前記2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していてもよい。また、複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R32、ここでR32は脂肪族基、芳香族基または複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を挙げられる。
一般式(i)および一般式(ii)中、Lは単結合、アルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であることが好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造であることがより好ましい。また、Lはオキシアルキレン構造を2以上繰り返して含むポリオキシアルキレン構造を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン構造としてはポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH)n−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。
上記一般式(i)〜一般式(iii)中、Zは、グラフト部位以外にチタンブラックと相互作用を形成しうる官能基を表し、カルボン酸、第三級アミノ基であることが好ましく、カルボン酸であることがより好ましい。また、Yは、メチン基又は窒素原子を表す。
上記一般式(iii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、または炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、Z、又は−L−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるものと同義である。R、R、及びRとしては、水素原子、又は炭素数が1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
本発明においては、上記一般式(i)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であって、Xが酸素原子又はイミノ基であって、Zがカルボン酸である化合物が好ましい。
また、上記一般式(ii)で表される単量体として、Rが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zがカルボン酸であって、Yがメチン基である化合物が好ましい。また、上記一般式(iii)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Lが単結合又はアルキレン基であって、Zがカルボン酸である化合物が好ましい。
以下に、一般式(i)〜一般式(iii)で表される代表的な化合物の例を示す。
メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とフタル酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とテトラヒドロキシフタル酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物と無水トリメリット酸の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とピロメリット酸無水物の反応物、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸、ビニルフェノール、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミドなどが挙げられる。
特定樹脂中におけるチタンブラックと相互作用を形成しうる官能基の含有量は、チタンブラックとの相互作用、分散安定性、及び現像液の浸透性の観点から、特定樹脂に対して0.05から90質量%が好ましく、1.0から80質量%がより好ましく、10から70質量%が更に好ましい。
さらに、本発明に係るチタンブラックの分散組成物に含まれる特定樹脂は、画像強度などの諸性能を向上する目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、前記構造単位及びチタンブラックと相互作用を形成しうる官能基に加えて、さらに種々の機能を有する他の構造単位、例えば、分散組成物に用いられる分散媒との親和性を有する官能基、などを有する構造単位を共重合成分として含むことができる。
本発明に係る特定樹脂に共重合可能な共重合成分としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類などから選ばれるラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、アルキルアクリレート(該アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のアクリル酸エステル類、(具体的には、例えば、ベンジルアクリレート、4−ビフェニルアクリレート、ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、4−t−ブチルフェニルアクリレート、4−クロロフェニルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、4−シアノベンジルアクリレート、シアノメチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、イソプロピルアクリレート、メチルアクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、オクチルアクリレート、フェネチルアクリレート、フェニルアクリレート、プロピルアクリレート、トリルアクリレート、アミルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパギルアクリレートなど)、
アルキルメタクリレート(該アルキル基の炭素原子は1〜20のものが好ましい)等のメタクリル酸エステル類(例えば、ベンジルメタクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、4−t−ブチルフェニルメタクリレート、4−クロロフェニルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、4−シアノフェニルメタクリレート、シアノメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、プロピルメタクリレート、トリルメタクリレート、アミルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパギルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノメタクリレートなど、
スチレン、アルキルスチレン等のスチレン類(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロへキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えばクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
これらラジカル重合性化合物のうち、好適に使用されるのは、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、スチレン類であり、特に好適に使用されるのは、ベンジルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、4−t−ブチルフェニルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、4−シアノフェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、
アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、モルホリルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ナフチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アリルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、2−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジイソプロピルアクリルアミド、N、N−ジ−t−ブチルアクリルアミド、N、N−ジシクロヘキシルアクリルアミド、N、N−フェニルアクリルアミド、N、N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、N、N−ジアリルアクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、モルホリルメタクリルアミド、ピペリジルメタクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ナフチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−アリルメタクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、2−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、N、N−ジメチルメタクリルアミド、N、N−ジイソプロピルメタクリルアミド、N、N−ジ−t−ブチルメタクリルアミド、N、N−ジシクロヘキシルメタクリルアミド、N、N−フェニルメタクリルアミド、N、N−ジヒドロキシエチルメタクリルアミド、N、N−ジアリルメタクリルアミド、
スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、シクロへキシルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンである。
上記の化合物は、各種置換基を有していてもよく、その置換基は特に限定されない。
これらを1種あるいは2種以上用いてもよく、特定樹脂中、これら共重合成分の好適に使用される含有量は、0モル%以上90モル%以下であり、特に好ましくは、0モル%以上60モル%以下である。含有量が前記の範囲において十分なパターン形成が得られる。
本発明における特定樹脂の具体例としては、以下の例示化合物を挙げることができる。本発明の特定樹脂はこれに制限されるものではない。なお、下記の例示化合物において各構造単位の数字は質量%を示す。
以下の例示化合物のうち、例示化合物1〜10はB−1樹脂であり、例示化合物11〜17はB−2樹脂である。
本発明の分散組成物の全固形分中に対する特定樹脂の含有量は、分散性、分散安定性の観点から、B−1樹脂は5〜24質量%の範囲が好ましく、10〜23質量%の範囲がより好ましく、10〜20質量%の範囲がさらに好ましい。また、B−2樹脂は5〜24質量%の範囲が好ましく、10〜23質量%の範囲がより好ましく、10〜20質量%の範囲がさらに好ましい。
(C)溶媒
本発明の分散組成物は、溶媒を含有する。分散組成物に使用される溶媒は、該組成物の各成分の溶解性や分散性を考慮して選択される。また、感光性組成物としたときの保存性、塗布性にも配慮して選ばれる。特に特定樹脂、および後述のバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。溶剤に対する固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
本発明のおいては、(C)溶媒は分散組成物に対して質量換算で20%〜95%の範囲、好ましくは20%〜90%の範囲で使用して分散組成物を調製する。
−その他の樹脂−
本発明の分散組成物には、チタンブラックの分散性を調整する目的で、上記特定樹脂以外に、特定樹脂とは構造が異なる樹脂(以下、「その他の樹脂」と称する場合がある)が含有されていてもよい。
本発明に用いることができるその他の樹脂としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
その他の樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
その他の樹脂は、チタンブラックおよび所望により併用する顔料の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
一方で、その他の樹脂は顔料表面を改質することで、特定樹脂の吸着を促進させる効果を有する。
本発明に用いうるその他の樹脂の具体例としては、Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)、BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)(以上、BYK Chemie社製)、EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)(以上、EFKA社製)、アジスパーPB821、PB822(以上、味の素ファィンテクノ社製)、フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)、ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)(以上、共栄社化学社製)、ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725(以上、楠本化成社製)、デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)、ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)、エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)(以上、花王社製)、ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)(以上、ルーブリゾール社製)、ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)(以上、日光ケミカル社製)等が挙げられる。
これらのその他の樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のおいては、その他の樹脂は特定樹脂に対して質量換算で10%〜95%の範囲、好ましくは15%〜90%の範囲で添加して用い、分散組成物を調製することができる。
<分散組成物の調整>
本発明の分散組成物は、(A)チタンブラック、(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(C)溶媒を含有する混合物を分散する第1の分散工程、および第1の分散工程終了後の混合物に、(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂を、さらに添加して分散する第2の分散工程、を含む分散方法によって製造される。
<第1の分散工程>
第1の分散工程は、(A)チタンブラック、(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(C)溶媒を含む混合物に対し、分散処理を行なう分散処理である。
第1の分散工程では、混合物中のチタンブラックに対するグラフト重合体の比率(以下、〔D/P比〕という。)は、0.05〜1.00が好ましく、0.05〜0.50がより好ましい。〔D/P比〕を、1.00以下にして高くなり過ぎないようにすると、分散進行が進みやすく、0.05以上にすると分散安定性がより良好になる。
第1の分散工程に用いる分散装置としては、特に制限はなく、例えば、循環式の分散装置等、混合液に対して繰り返し分散処理を行なう分散装置などを用いることができる。分散装置の具体例として、例えば、寿工業株式会社製のウルトラアペックスミル、株式会社シンマルエンタープライセス製のダイノーミルECMシリーズなどが挙げられる。
第1の分散工程における分散処理時の温度としては、特に限定はなく、分散安定性の観点から、5℃〜60℃が好ましく、20℃〜40℃がより好ましい。
また、分散処理は、ビーズを用いて行なうことが好ましい。ビーズの組成やサイズ(直径)については、特に限定はなく、公知の組成や直径を適用できる。ビーズとしては、例えば、直径が0.01mm〜0.10mmのビーズが好適である。
第1の分散工程における混合物中において、チタンブラックに対する溶媒の質量比率〔溶媒/チタンブラック〕としては、分散の容易さの観点から、1.0〜9.0が好ましく、1.0〜5.0がより好ましい。
また、混合液には、チタンブラック、B−1樹脂、及び溶媒以外にも、前記したその他の樹脂や後述する感光性組成物の成分(例えば、バインダーポリマー、光重合開始剤、重合性化合物等)が含有されていてもよい。
<第2の分散工程>
第2の分散工程は、前記第1の分散工程にて分散処理して得られた混合物に、更に(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂を添加して分散処理を行なう分散工程である。必要によっては(C)溶媒を添加してもよい。
第2の分散工程では、分散に用いるB−2樹脂を添加して、さらにチタンブラックの分散処理行なう。このとき、第1の分散工程で用いたB−1樹脂と同一種の特定樹脂、前記したその他の樹脂、(C)溶媒を添加してもよい。添加する溶媒としては、第1の分散工程における混合物中の溶媒と同一種の溶媒であってもよいし、異なる種類の溶媒であってもよい。また、後述する感光性組成物の成分(例えば、バインダーポリマー、光重合開始剤、重合性化合物、等)を添加してもよい。
第2の分散工程では、混合物中の〔D/P比〕は、0.05〜1.00が好ましく、0.05〜0.50がより好ましい。〔D/P比〕を、1.00以下にして高くなり過ぎないようにすると、分散進行が進みやすく、0.05以上にすると分散安定性がより良好になる。
第1の分散工程の終了を決定するタイミングとしては、特に制限はないが、特定樹脂の分割添加による分散性向上効果、すなわちチタンブラックの沈降防止の点で、チタンブラックの重量平均粒子径の変化が10nm/パス以下となった時点以降が好ましい。なお、第2の分散工程では、特定樹脂を1回のみ添加してもよいし、2回以上に分けて添加してもよい。
ここで、「10nm/パス以下」とは、分散装置における1パス毎の重量平均粒子径の変化量が、10nm以下であることをいう。「10nm/パス以下」の一例としては、次のような状態が挙げられる。すなわち、混合液に対する分散処理を開始した当初は1パス毎に重量平均粒子径が小さくなり、分散が進むにつれて1パス毎の重量平均粒子径の変化が小さくなっていく系において、1パス毎の重量平均粒子径の変化量が10nm以下となった状態が「10nm/パス以下」である。
ここで、「パス」とは、分散装置において分散液の全量が分散装置を通過する回数をさす。例えば、分散装置において、25L(リットル)の混合液を流量5L/時間で分散処理する場合には、5時間の分散処理が「1パス」となる。パス回数は、以下の式(A)で求められる。
パス回数=(流量[L/h]×処理時間[h])/処理液量[L] …式(A)
バッチ式で分散する場合には、一定の分散処理時間毎に分散液の重量平均粒子径を測定し、一定の分散処理時間に対する重量平均粒子径の変化量が、「10nm以下」となるタイミングを第1の分散工程の終了のタイミングとすればよい。ここで、一定の分散処理時間としては、10分間〜60分間の間の任意の時間を採用することが好ましい。
第2の分散工程の好ましい条件(装置や温度などその他)については、前記第1の分散工程の好ましい条件と同様である。但し、第1の分散工程の条件と第2の分散工程の条件とは、同一条件であっても、異なる条件であってもよい。
本発明の分散組成物(以下、「最終分散組成物」ともいう。)は、上記した第1の分散工程及び第2の分散工程(並びに必要に応じ更に第3以降の分散工程及びその他の処理)を経て得られるものである。
得られた最終分散組成物中における溶媒の全含有量としては、分散組成物の全質量に対して、30〜95質量%が好ましく、40〜90質量%がより好ましく、50〜80質量%が特に好ましい。
また、得られた最終分散組成物における〔D/P比〕としては、0.2以上1.2以下であることが好ましい。
得られた最終分散組成物中におけるチタンブラックの含有量としては、分散組成物の全質量に対して、5〜80質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。
<感光性組成物>
本発明の分散組成物に、(D)重合性化合物、および(E)光重合開始剤などを添加して、感光性組成物を調整することができる。以下に感光性組成物の詳細を述べる。
(D)重合性化合物
重合性化合物は、400nm以下のUV光による露光または熱により、重合、または架橋し、着色感光性組成物をアルカリ現像液に不溶化させることにより、フォトリソ法においては露光部と未露光部を区別しパターン成形することができる。
重合性化合物としては、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物が好ましく、3つ以上有する化合物がさらに好ましい。その例としては、特開2008−292970号公報の段落0254〜0257、特開2009−13206号公報の段落0054〜0068記載の化合物などが挙げられ、(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ系モノマー、およびオキセタニル
系モノマーから選択される1種以上を含有することが好ましい。
特に、分子中にアクリロイル基を3個以上有するアクリル化合物が好ましく、例えばトリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトンを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したものなどが挙げられる。
重合性化合物の感光性組成物中における含有量は、感光性組成物中の固形分に対して10質量%〜90質量%が好ましく、5質量%〜80質量%がさらに好ましく、10質量%〜70質量%が特に好ましい。
(E)光重合開始剤
本発明における感光性組成物は、(E)光重合開始剤を含有する。本発明の感光性組成物における光重合開始剤は、光や熱により分解し、重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
具体的には、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が挙げられるが、特にオキシムエステル化合物及びヘキサアリールビイミダゾール系化合物が、残渣及び基板との密着性の観点から好ましい。
より具体的には、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0081]〜[0100]、[0101]〜[0139]等に記載される重合開始剤が挙げられる。
好適なオキシムエステル化合物としては、電子部品用途等の感光性組成物の光重合開始剤として知られている公知の化合物を使用することができる。例えば、特開昭57−116047、特開昭61−24558、特開昭62−201859、特開昭62−286961、特開平7−278214、特開2000−80068、特開2001−233842、特表2004−534797、特表2002−538241、特開2004−359639、特開2005−97141、特開2005−220097、WO2005−080337A1、特表2002−519732、特開2001−235858、特開2005−227525などの各公報に記載の化合物から選択して使用することができる。
一般にオキシムエステル化合物は、365nmや405nm等の近紫外領域での吸収が小さいため低感度であるが、増感剤により、近紫外線領域の感光性を高め、高感度化されることが知られている。またアミン類やチオール等の共増感剤との併用により、有効ラジカル発生量を増加することが知られているが実用的には更なる高感度が求められていた。
本発明においては365nmや405nm等の近紫外領域の吸収が小さいオキシムエステル化合物でも、増感剤と併用することによって著しく高感度化され実用的な感度まで到達することができる。
ここでオキシムエステル化合物は380nm〜480nmの領域に吸収が小さく、着色、特に黄着色が小さいので、本発明の主たる用途である液晶表示装置用のカラーフィルタに用いたときに、色純度の高い画像が得られる。また他の用途である固体撮像素子用の色分解用カラーフィルタに用いたときには、解像力の高い色信号が得られるので高解像力の固体撮像素子が得られる。
オキシムエステル化合物としては、380nm〜480nmの範囲の吸収が小さく、かつ分解効率の高い化合物か、もしくは380nm〜480nmの範囲の吸収が大きくても、光分解により領域に吸収が小さくなる化合物(副生成物の吸収が短波長)である化合物が好ましい。
以下、オキシムエステル化合物の具体例を示す。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
本発明の感光性組成物には、用いる光重合開始剤によっては、連鎖移動剤を加えると好ましい。連鎖移動剤としては、N,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル
やチオール系化合物があげられ、チオール系化合物としては、2-メルカプトベンゾチア
ゾール、2-メルカプト-1-フェニルベンズイミダゾール、3-メルカプトプロピオン酸、などを単独または2種以上混合して使用することができる。特に、ヘキサアリールビイミダゾール化合物とチオール系化合物を組み合わせて用いることが、残渣及び基板への密着性の観点から好ましい。
本発明の感光性組成物における(E)光重合開始剤の含有量は、感光性組成物の全固形分中、0.1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。光重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性組成物は、更に、必要に応じて、以下に詳述する任意成分を更に含有してもよい。以下、感光性組成物が含有しうる任意成分について説明する。
(バインダー)
着色感光性組成物には、バインダーを含有させることが好ましい。前記バインダーとしては、アルカリ可溶性であれば特に限定されないが、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選ばれることが好ましい。
アルカリ可溶性のバインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶性で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、特開2008−292970号公報の段落0227〜0234に記載の重合体が挙げられる。
バインダーの感光性組成物中における含有量は、該感光性組成物中の全固形分に対して0.1質量%〜50質量%が好ましく、0.1質量%〜40質量%がさらに好ましく、0.1質量%〜30質量%が特に好ましい。
(架橋剤)
架橋剤を感光性組成物に加えることも好ましく、架橋剤としては、架橋反応によって膜硬化を行なえるものであれば特に限定はなく、例えば、特開2008−292970号公報の段落0237〜0253に記載の架橋剤が挙げられる。
架橋剤を含有する場合、感光性組成物の全固形分(質量)に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜30質量%が特に好ましい。該含有量が前記範囲内であると、充分な硬化度と未露光部の溶出性とを保持できる。架橋剤が不
足すると露光部の硬化度が不足したり、また架橋剤が過剰になると未露光部の溶出性が著しく低下することがある。
(溶剤)
本発明における感光性組成物を調製する際には、一般に溶剤を含有することができる。使用される溶剤は、該組成物の各成分の溶解性や感光性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特には限定されないが、特にバインダーの溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
前記溶剤の例としては、特開2008−292970号公報の段落0272記載の溶剤が挙げられる。中でも、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
(各種添加物)
本発明における感光性組成物には、さらに、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの例としては、特開2008−292970号公報の段落0274〜0276に記載の添加物を挙げることができる。
〜感光性組成物の調製方法〜
本発明における感光性組成物の調製に際しては、上述の各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。全成分を同時に溶剤に溶解して感光性組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して感光性組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された感光性組成物は、好ましくは孔径0.01〜3.0μm、より好ましくは孔径0.05〜0.5μm程度のフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することもできる。
<カラーフィルタ>
本発明におけるカラーフィルタは、基板上に、本発明の感光性組成物を用いて形成された着色領域を有するブラックマトリックスを備えることを特徴とする。
ブラックマトリックスの膜厚としては特に限定はないが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、乾燥後の膜厚で、0.2μm以上50μm以下が好ましく、0.5μm以上30μm以下がより好ましく、0.7μm以上20μm以下が更に好ましい。
ブラックマトリックスのサイズ(一辺の長さ)としては、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、0.001mm以上5mm以下が好ましく、0.05mm以上4mm以下がより好ましく、0.1mm以上3.5mm以下が更に好ましい。
<遮光性カラーフィルタ及びその製造方法>
次に、本発明における遮光性カラーフィルタ及びその製造方法について説明する。
本発明における遮光性カラーフィルタは、基板上に、本発明の感光性組成物を用いてなる着色パターンを有することを特徴とする。
以下、本発明における遮光性カラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明における遮光性カラーフィルタの製造方法は、基板上に、本発明における感光性組成物を塗布して感光性組成物層を形成する工程(以下、適宜「感光性組成物層形成工程」と略称する。)と、前記感光性組成物層をマスクを介して露光する工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の前記感光性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)と、を含むことを特徴とする。
以下、本発明における遮光性カラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
〔感光性組成物層形成工程〕
まず、感光性組成物層形成工程で用いられる基板について説明する。
カラーフィルタに用いられる基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコーン基板や、プラスチック基板が挙げられる。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
この他に、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスターが配置された駆動用基板を用い、この駆動用基板上にも、感光性組成物を用いてなる着色パターンを形成し、カラーフィルタを作製することができる。
感光性組成物層形成工程において、感光性組成物を基板に形成する方法としては、特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下、スリットノズル塗布法という)が好ましい。
基板上に感光性組成物による塗布膜を形成する際、該塗布膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3μm〜5.0μmであり、望ましくは0.5μm〜4.0μm、最も望ましくは0.5μm〜3.0μmである。固体撮像素子用のカラーフィルタの場合であれば、塗布膜の厚み(プリベーク処理後)は、0.5μm〜5.0μmの範囲が好ましい。
感光性組成物層形成工程において、通常は、塗布後にプリベーク処理を施す。必要によっては、プリベーク前に真空処理を施すこともできる。
真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1torr〜1.0torr、好ましくは0.2torr〜0.5torr程度である。
また、プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50℃〜140℃の温度範囲で、好ましくは70℃〜110℃程度であり、10秒〜300秒の条件にて行うことができる。なお、プリベーク処理には、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。
〔露光工程〕
露光工程では、前述のようにして形成された感光性組成物からなる塗布膜に対し、所定のマスクパターンを介して露光を行う。露光の際に使用される放射線としては、特に、g線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。
なお、液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、ステッパー露光機にて、主として、i線を使用することが好ましい。
なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホール或いはコの字型の窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
〔現像工程〕
現像工程では、露光後の塗布膜の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを基板上に残存させる。現像温度としては、通常20℃〜30℃であり、現像時間としては20秒〜90秒である。現像液としては、未硬化部における感光性組成物の塗布膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
現像に用いられる有機溶剤としては、本発明における感光性組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
また、アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像ムラを防ぐこともできる。また、基板を傾斜させて現像することもできる。固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合にはパドル現像も用いられる。
〔後硬化工程〕
上記した現像によりパターンを形成する工程の後に、さらに、得られたパターンをより硬化させる後硬化工程を実施することが好ましい。後硬化工程は、加熱及び/又は露光(紫外線照射)によって行うが、得られたパターンをさらに硬化させ、次色のパターン形成工程でのパターンの溶解等を防止したり、得られたカラーフィルタの画素の耐溶剤性を向上したりすることができる。後硬化工程は、紫外線照射によることが好ましい。
加熱処理(後加熱、ポストベーク)による後硬化工程は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス処理を経て、乾燥を施した後に施される。リンス処理は、通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
リンス処理後、水切り、乾燥をした後に、通常、約200℃〜250℃の加熱処理を行う。この加熱処理(ポストベーク)は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行うことができる。加熱処理時間は、30秒〜30000秒が好ましく、更に好ましくは、60秒〜1000秒である。
露光(後露光)による後硬化工程(紫外線照射工程)は、g線、h線、i線、KrF、ArF、紫外光、電子線、X線等により行うことができるが、g線、h線、i線、UV光が好ましく、特に、紫外光が好ましい。現像工程後のパターンに、前期露光工程における露光量の10倍以上の照射光量の紫外光を照射することが望ましい。紫外光の照射光量は、前期露光工程の露光量の12倍以上200倍以下が好ましく、15倍以上100倍以下がより好ましい。光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ等を使用することができる。
後硬化工程においては、後露光と後加熱は、併用してもよく、この場合はどちらを先に行ってもよいが、後加熱に先立って、後露光を実施することが好ましい。後露光で硬化を促進させることにより、後加熱過程で見られるパターンの熱ダレやすそ引きによる形状の変形を抑止するためである。
このようにして得られた着色パターンがカラーフィルタにおける画素を構成することになる。複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、前記パターン形成工程(及び必要に応じて後硬化工程)を所望の色数に合わせて繰り返すことにより、所望数の色相に構成されたカラーフィルタを作製することができる。
<固体撮像素子>
本発明における固体撮像素子は、既述の遮光性ブラックマトリックスと、必要により他の色(3色あるいは4色)の画素からなるパターン状皮膜と、を有するカラーフィルタを備えて構成される。
本発明における固体撮像素子は、周辺部における遮光能の低下が抑制された本発明における遮光性ブラックマトリックスが備えられているため、ノイズを低減でき、色再現性を向上させることができる。
本発明における固体撮像素子の構成としては、前述のブラックマトリックスが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、基板上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる受光素子を有し、基板の受光素子形成面の反対側の面に本発明に係るブラックマトリックスが備えられた構成等が挙げられる。
<液晶表示装置>
本発明における液晶表示装置の1つは、少なくとも1つが光透過性の1対の基板の間にカラーフィルタ、液晶層および液晶駆動手段(単純マトリックス駆動方式、及びアクティブマトリックス駆動方式を含む)を少なくとも備えたもので、カラーフィルタとして、前記のごとき複数の画素群を有し、前記画素群を構成する各画素が、互いに本発明のブラックマトリックスにより離画されているカラーフィルタを用いるものである。前記ブラックマトリックスは平坦性が高いため、ブラックマトリックスを備える液晶表示装置は、カラーフィルタと基板との間にセルギャップムラが発生せず、色ムラ等の表示不良が発生することがない。
また、本発明における液晶表示装置の別の態様のものは、少なくとも1つが光透過性の1対の基板の間に、カラーフィルタ、液晶層および液晶駆動手段を少なくとも備え、前記液晶駆動手段がアクティブ素子(例えばTFT)を有し、かつ各アクティブ素子の間に本発明におけるブラックマトリックスが配置される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」「%」は質量基準である。
<特定樹脂1の合成>
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 50.0g、ブレンマーPP 50.0(日本油脂(株))、ドデシルメルカプタン 2.9g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 233.3gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して75℃まで昇温した。これに、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬(株)製の「V−601」)を0.7g加え、75℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−601を0.7g加え、3時加熱攪拌の後、特定樹脂1(例示化合物1)の30%溶液を得た。
<特定樹脂2の合成>
500mL三口フラスコに、ε-カプロラクトン 600.0g、2-エチル-1-ヘキサノール 45.6g、窒素を吹き込みながら、攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド 0.2gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したのを確認後、80℃まで冷却した。2,6-ジt-ブチル−4−メチルフェノール 0.2gを添加した後、2-メタクリロイロキシエチルイソシアネート 27.2gを添加した。5時間後、H-NMRにて原料が消失したのを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体M−1(下記構造、n=15)を200g得た。M−1であることは、H-NMR、IR、質量分析により確認した。
スチレンスルホン酸 70.0g、M−1(n=15) 30.0g、ドデシルメルカプタン 3.1g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 233.3gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して75℃まで昇温した。これに、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬(株)製の「V−601」)を0.9g加え、75℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−601を0.9g加え、3時加熱攪拌の後、特定樹脂2(例示化合物3)の30%溶液を得た。
<特定樹脂3の合成>
500mL三口フラスコに、ε-カプロラクトン 600.0g、2-エチル-1-ヘキサノール 136.9g、窒素を吹き込みながら、攪拌溶解した。モノブチル錫オキシド 0.2gを加え、100℃に加熱した。8時間後、ガスクロマトグラフィーにて、原料が消失したのを確認後、80℃まで冷却した。2,6-ジt-ブチル−4−メチルフェノール 0.2gを添加した後、コハク酸無水物105.1gを加え1時間反応した。その後、グリシジルメタクリレート 134.5g、ジメチルドデシルアンモニウムブロミド 3.1gを添加した。5時間後、H-NMRにて原料が消失したのを確認後、室温まで冷却し、固体状の前駆体M−2(下記構造、n=5)を200g得た。M−2であることは、H-NMR、IR、質量分析により確認した。
合成例1の重合方法と同様にして、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート(下記構造、ユニケミカル(株)製 ホスマーM)と上記のM−2とを用いて、特定樹脂3(例示化合物5)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30%溶液を得た。
<特定樹脂4の合成>
2−メタクリロイロキシエチルフタル酸(下記構造の例示化合物N−1、新中村化学(株)製 CB−1)とブレンマーPPより、特定樹脂4(例示化合物11)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30%溶液を得た。
<特定樹脂5の合成>
メルカプトプロピオン酸 50g、メタクリル酸メチル 461.1g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 571gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して75℃まで昇温した。これに、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬(株)製の「V−601」)を0.2g加え、75℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−601を0.2g加え、3時加熱攪拌した。その後グリシジルメタクリレート 60.2g、ジメチルドデシルアンモニウムブロミド 1.4g を加え、2時間攪拌した後、室温まで冷却し、懸濁溶液の前駆体M−3(下記構造、n=10)を1100g得た。M−3であることは、H-NMR、IR、質量分析により確認した。
合成例1の重合方法と同様にして、メタクリル酸とM−3(n=10)より、特定樹脂5(例示化合物13)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30%溶液を得た。
<特定樹脂6の合成>
4−クロロブチリルクロリド 56.4g、ベンジルスルホンアミド 68.5g、アセトニトリル 150gを500mL三口フラスコに入れて0℃に冷却し、トリエチルアミン 36.4gを滴下した。室温にして1時間反応後、水1000gに添加した。析出したスルホニルイミドの結晶をろ過し乾燥した。スルホニルイミド 110.3g、メタクリル酸 33.6gをアセトニトリル 150gを500mL三口フラスコに入れ0℃に冷却し、トリエチルアミン 40.5gを滴下した。室温にして1時間反応後、水1000gに添加した。酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥したのち、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することで、例示化合物であるモノマーN−4を124.7g得た。
ε-カプロラクトン 600.0g、2-エチル-1-ヘキサノール 34.2gする以外は特定樹脂2と同様の方法で、M−1の構造でn=20の化合物を合成し、合成例1の重合方法と同様にして、モノマーN−4と上記したM−1の構造でn=20の化合物とから、特定樹脂6(例示化合物17)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30%溶液を得た。
<比較樹脂1の合成>
ε-カプロラクトン 600.0g、2-エチル-1-ヘキサノール 136.9gする以外はM−1の合成と同様の方法により、M−1の構造でn=5の化合物を合成し、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェートとM−1の構造でn=5の化合物とを用いて、合成例1の重合方法と同様にして、比較樹脂1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30%溶液を得た。
<比較樹脂2の合成>
メタクリル酸メチルとM−3の構造でn=20の化合物とを用いて、合成例1の重合方法と同様にして、比較樹脂2のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30%溶液を得た。
表1に特定樹脂1〜6および比較樹脂1、2の組成比、酸基の種、pKa値、重量平均分子量を示した。特定樹脂におけるxは、例示化合物の項で示した構造式において、特定樹脂中に含有する酸基を含む構造単位の質量%であり、yは酸基以外の構造単位の質量%である。
〔実施例1〕
<チタンブラック分散物の調製>
下記の組成1を、分散装置(ビーズミル)として、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルを用いて分散処理を行った。
(組成1)
・平均一次粒径75nmのチタンブラック(三菱マテリアルズ(株)製13M−C) 45部
・特定樹脂1の30%溶液(溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、以下PGMEAと称する。) 45部
・PGMEA 135部
このとき、分散装置は以下の条件で運転した。
・ビーズ径:φ0.05mm
・ビーズ充填率:75体積%
・周速:8m/sec
・ポンプ供給量:10kg/hour
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:0.15L
・分散処理する混合液量:5kg
分散開始後、30分間隔(1パスの時間)で、日機装社製マイクロトラックMT−3000IIを用いて体積平均粒子径の測定を行った。体積平均粒子径は分散時間(パス回数)とともに減少したが、次第にその変化量が小さくなった。
分散時間を30分間(即ち、1パス)延長したときの体積平均粒子径変化が10nm以下となった時点(即ち、体積平均粒子径の変化が10nm/パス以下となった時点;ここまでが「第1の分散工程」である)で、分散液に下記の組成2を追加した。
(組成2)
・特定樹脂4の30%溶液(溶剤:PGMEA) 30部
組成2の追加後、更に分散処理を続け、体積平均粒子径の変化が30分間あたり10nm以下になった時点で(ここまでが「第2の分散工程」である)チタンブラック分散液の完成とした。
以上により、実施例1に用いるチタンブラック分散液を得た。
<感光性組成物の調製>
得られたチタンブラック分散液に、下記組成3を添加し、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間攪拌し、感光性組成物を調製した。
(組成3)
・バインダー:ベンジルメタクリレート/アクリル酸=80/20(質量%)共重合体(重量平均分子量:25000) 2.0部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.0部
・チタンブラック分散液 24.0部
・溶剤:PGMEA 10.0部
・溶剤:エチル−3−エトキシプロピオネート 8.0部
・重合開始剤(下記構造のオキシム系光重合開始剤)
(OXE−02、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.8部
・重合禁止剤:4−メトキシフェノール 0.01部
<固体撮像素子用ブラックマトリックスを有するカラーフィルタの作成>
上記で得た感光性組成物を塗布膜の乾燥膜厚が0.7μmになるように、下塗り層付シリコンウエハの下塗り層上にスピーンコーター塗布した後、10分間そのままの状態で待機させ、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長でパターンが2μm四方のIslandパターンマスクを通して1000mJ/cmの露光量で露光した。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハ基板をスピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行った。
次いで塗布膜が形成されているシリコンウエハを真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハ基板を回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後スプレー乾燥し、ブラックマトリックスを有するウエハを形成した。
〔実施例2〜5、および比較例1〜3〕
実施例1の分散組成物の調製において、第1の分散工程に使用する樹脂、および第2の分散工程に使用する樹脂を表2に示す特定樹脂、あるいは比較樹脂に代え、実施例1と同様に操作を行い、各感光性組成物を得た。その感光性組成物を用いて実施例1と同様にして、ブラックマトリックスを有するウエハを形成した。
〔比較例4〕
実施例1の分散組成物の調製において、特定樹脂1および特定樹脂4を分散開始時にまとめて使用し、1回でまとめて分散した。即ち、組成1と組成2とを混合した組成物を、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルを用いて実施例1と同一の分散条件、分散時間で分散し、チタンブラック分散液を得た。この分散方法と比較するため本発明に係る分散方法を2段分散と称する。
実施例1の感光性組成物の組成3におけるチタンブラック分散液の代わりに、上記で得られたチタンブラック分散液を用いて感光性組成物を得た。その感光性組成物を用いて実施例1と同様にして、ブラックマトリックスを有するウエハを形成した。
<評価>
上記のようにして得られた分散組成物、および感光性組成物を用いて、以下の評価を行った。その結果をまとめて表3に示した。
(分散組成物の粘度)
各分散組成物の粘度をE型回転粘度計(東機産業社製 型式:TV−22)を用いて30℃で測定した。分散組成物の粘度が小さいほど分散性が高いことを示している。
(保存安定性の評価)
各感光性組成物を室温で1ケ月保存した後、チタンブラックの沈降の度合いを評価した。即ち、分散組成物に含まれるチタンブラックの量を100%としたときのチタンブラックの沈降量を、下記判定基準に従って評価した。数値化の方法は可視光吸光度計(Varian製cary−5)により、PGMEAにより千倍希釈した感光性組成物の吸光度変化率から算出したものである。
−判定基準−
○:0%以上2%未満のチタンブラックの沈降が観測された。
△:2%以上5%未満のチタンブラックの沈降が観測された。
×:5%以上のチタンブラックの沈降が観測された。
(残渣の評価)
上記した露光工程で光が照射されなかった領域(未露光部)の残渣の有無をSEMで観察し、残渣を評価した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
○:未露光部には、残渣がまったく確認されなかった。
△:未露光部に、残渣がわずかに確認されたが、実用上問題のない程度であった。
×:未露光部に、残渣が著しく確認された。
(密着感度の評価)
感光性組成物を下塗り層付シリコンウエハの下塗り層上に塗布し、感光性組成物層(塗布膜)を形成した。そして、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して365nmの波長でパターンが2μm四方のIslandパターンマスクを通して100〜1000mJ/cmの種々の露光量で露光した。その後、露光後の塗布膜が形成されているシリコンウエハをスピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて23℃で60秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハに着色パターンを形成した。
着色パターンが形成されたシリコンウエハを真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハを回転数50r.p.m.で回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後スプレー乾燥した。その後、測長SEM「S−9260A」(日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて、着色パターンのサイズを測定した。パターン線幅が2μmとなる露光量を露光感度として評価し、密着感度とした。密着感度は、露光量の値が小さいほど感度が高いことを示す。
表3から明らかなように、固体撮像素子用ブラックマトリックスとして、本発明の分散組成物を用いた実施例1〜5は、分散組成物の粘度が小さく、保存安定性が良好で、密着感度が小さく感度が高いことがわかる。これに対し本発明の分散組成物を用いていない比較例1〜4は粘度が高く、また保存安定性が不良であり、密着感度が大きく感度が低いものであった。
また、本発明の分散組成物を用いた感光性組成物は、良好な保存安定性を示し、また、未露光部における残渣が抑制され、密着感度が高いことがわかった。
<液晶表示装置用ブラックマトリックスの作製>
次に固体撮像素子用で用いた感光性組成物をそのまま用いて、液晶表示装置用ブラックマトリックスを有するカラーフィルタを作製し、評価を行った。
即ち、固体撮像素子用カラーフィルタの作製で用いたのと同一の感光性組成物を用いて、250mm×350mmのガラス基板に下記条件でスリット塗布した後、真空乾燥とプリベーク(100℃、80秒)を施して感光性組成物塗膜を形成した。その後、全面に200mJ/cmの露光(照度は20mW/cm)し、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて60秒間現像した。その後、純水をシャワー状に散布してリンスした。以上のように、露光処理および現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理(ポストベーク)を施し、ガラス基板上にブラックマトリックスを形成した。
(スリット塗布条件)
・塗布ヘッド先端の開口部の間隙: 50μm
・塗布速度: 100mm/秒
・基板と塗布ヘッドとのクリヤランス: 150μm
・乾燥膜厚 1.75μm
・塗布温度: 23℃
液晶表示装置用ブラックマトリックスの作成におけるポストベーク後の基板を用いて、残渣を固体撮像素子用ブラックマトリクスの評価と同じ評価方法、判定基準で評価した。
密着感度は、固体撮像素子用ブラックマトリクスの評価において、下塗り付きシリコンウエハの代わりに、ガラス基板(コーニング社製1737)を用いる以外は、固体撮像素子用ブラックマトリクスの評価と同様の評価方法、判定基準で評価した。
遮光性の評価は下記の方法に依った。結果をまとめて表4に示す。
(遮光性の評価)
液晶表示装置用ブラックマトリックスの作製におけるポストベーク後の基板を用いて、光学濃度計 310TR(X−Rite社製)によりOD値を測定した。評価基準は以下の通りである。
○:OD値が3以上であった。
×:OD値が3以下であった。
上記表4から明らかなように、液晶表示装置用のブラックマトリックスを有するカラーフィルタとして、本発明の感光性組成物は、遮光性が大きく、未露光部における残渣が抑制され、密着感度が大きく感度が高いことがわかった。
<固体撮像素子の作製>
−有彩色着色感光性組成物の調製−
実施例1で調製した感光性組成物において、黒色顔料であるチタンブラックを、下記有彩色顔料に替えた他は実施例1と同様にして、それぞれ赤色(R)用着色感光性組成物R−1、緑色(G)用着色感光性組成物G−1、及び青色(B)用着色感光性組成物B−1を調製した。
(RGB各色着色画素形成用有彩色顔料)
・赤色(R)用顔料
C.I.ピグメントレッド254
・緑色(G)用顔料
C.I.ピグメント グリーン36とC.I.ピグメント イエロー219との30/70〔質量比〕混合物
・青色(B)用顔料
C.I.ピグメント ブルー15:6とC.I.ピグメント バイオレット23との30/70〔質量比〕混合物
<固体撮像素子用カラーフィルタの作製、固体撮像素子の作製>
上記顔料40部、分散剤としてDisperbyk−161(ビックケミー(BYK)社製、30%溶液)50部、および溶剤としてPGMEA 110部からなる混合液を、ビーズミルにより15時間混合・分散して、各色の顔料分散液を調製した。
前記分散処理した各色の顔料分散液を用いて下記組成比となるよう撹拌混合し、各色の感光性組成物の塗布液であるR−1、G−1、B−1をそれぞれ調製した。
・着色剤(各色の顔料分散液) 350部
・光重合開始剤(オキシム系光重合開始剤)(CGI−124、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 30部
・重合性化合物:カルボキシル基含有5官能アクリレート(東亞合成(株)製 TO−1382) 25部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 30部
・溶剤:PGMEA 200部
・密着剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 1部
実施例1で作製したブラックマトリックスを有する遮光性フィルタのウエハ上に、前記赤色(R)用着色感光性組成物R−1を用いて、1.6μm×1.6μmの赤色(R)の着色パターンを形成した。さらに、同様にして緑色(G)用着色感光性組成物G−1を用いて1.6μm×1.6μmの緑色(G)、及び青色(B)用着色感光性組成物B−1を用いて青色(B)の有彩色着色パターンを順次形成して固体撮像素子用のフルカラーのカラーフィルタを作製した。
(評価)
フルカラーのカラーフィルタを固体撮像素子に組み込んだところ、該固体撮像素子は、ブラックマトリックスの遮光性が高く、高解像度で、色分離性に優れることが確認された。
<液晶表示装置の作製>
(有彩色着色感光性組成物の調製)
前記した分散処理した各色の顔料分散液を用いて下記組成比となるよう撹拌混合し、感光性組成物の塗布液であるR−2、G−2、B−2をそれぞれ調製した。
・着色剤(各色の顔料分散液) 200部
・溶剤:PGMEA 19.20部
・乳酸エチル 36.67部
・バインダー:メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体(モル比=60/22/18)の40%PGMEA溶液) 33.51部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 12.20部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.0061部
・フッ素系界面活性剤:DIC(株)製、F−475 0.83部
・光重合開始剤:トリハロメチルトリアジン系の光重合開始剤 0.586部
(液晶表示装置用カラーフィルタの作製)
前記実施例6で作製した感光性組成物を用いて、パターン形成した遮光性カラーフィルタを作製し、該遮光性カラーフィルタ上に、前記赤色(R)用着色感光性組成物R−2を用いて、実施例6に記載の方法と同じ要領で80μm×80μmの赤色(R)の着色パターンを形成した。さらに、同様にして緑色(G)用着色感光性組成物G−2を用いて緑色(G)、及び青色(B)用着色感光性組成物B−2を用いて青色(B)の有彩色着色パターンを順次形成して、液晶表示装置用のブラックマトリクスを有するカラーフィルタを作製した。
(評価)
フルカラーのカラーフィルタにITO透明電極、配向膜等の加工を施し、液晶表示装置を設けた。本発明の感光性組成物は塗布面の均一性が良好で、液晶表示装置は表示ムラも無く、画質は良好であった。

Claims (10)

  1. (A)チタンブラック、(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(C)溶媒を含有する混合物を分散する第1の分散工程、および
    前記第1の分散工程終了後の混合物に、(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂を、さらに添加して分散する第2の分散工程、
    を含む方法によって製造された分散組成物。
  2. 前記(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂と前記(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂との比率が、質量換算で95:5〜5:95の範囲である請求項1に記載の分散組成物。
  3. 前記(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および前記(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂の少なくとも一方が、グラフト重合体である請求項1または請求項2に記載の分散組成物。
  4. 前記(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および前記(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂の少なくとも一方の酸価が、50〜200mgKOH/gの範囲である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の分散組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の分散組成物、(D)重合性化合物、および(E)光重合開始剤を含む感光性組成物。
  6. カラーフィルタ用である請求項5に記載の感光性組成物。
  7. 基板上に、請求項5または請求項6に記載の感光性組成物を用いて形成された着色領域を有する遮光性カラーフィルタ。
  8. 請求項7に記載の遮光性カラーフィルタを備えた固体撮像素子。
  9. 請求項7に記載の遮光性カラーフィルタを備えた液晶表示装置。
  10. (A)チタンブラック、(B−1)pKaが2以下の酸基を含む樹脂、および(C)溶媒を含有する混合物を分散する第1の分散工程、および
    前記第1の分散工程終了後の混合物に、(B−2)pKaが3以上6以下の酸基を含む樹脂を、さらに添加して分散する第2の分散工程、
    を含む分散組成物の製造方法。
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