JP5177157B2 - 波形発生装置および波形発生プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、入力波形に対して、カオス理論で用いられるアトラクタを利用して別の波形を印加して、その結果、共振や減衰を伴う新たな波形を発生する波形発生装置および波形発生プログラムに関する。
従来から、音楽家が曲を作成する場合にまず考えねばならないことは、頭の中に描いているイメージを、曲ごとにどのようにしてリスナーに強く印象づけるか、ということである。この曲作成という作業はメロディーや和音を最適化する「作曲」という作業と、作曲されたメロディーや和音を演奏するための音色を最適化する「音色決定」という作業とに大別される。このうち「音色決定」作業は、音楽家が表現したいと思うイメージに合った音色を見つけ出してそのまま使用するのが一般的であり、選ばれた音色は、リスナーに対して自分の音楽を印象づけるために特に重要な役割をもつ。
音楽家が「音色決定」を行う場合、音の特徴の一つである「音の印象」、つまり「音の人の心に残るような特性」を抽出し、積極的にこの特徴を利用する場合が多い。しかしながらこの「音の印象」を抽出することは、一般的な手法として確立されたものでなく、経験と感性に頼る部分が多い。したがって、よほど熟練した音楽家でない限り、この作業を行うことは容易でなかった。
このために時間と労力をかけて自分のイメージに合った「音の印象」を抽出して、それに合う音色を見つけ出した場合、「作曲」したひとつの曲だけでなく、また後に「作曲」した別の曲に再利用を繰り返すことが多くなる。これは、見つけた「音の印象」が音楽家にとって非常に魅力的かつ重要であって、これに代わる同じような音の印象をもった別の音色の音を見つけ出すことが非常に困難だからであり、このようなことを繰り返せば、リスナーに対して、同じ音色の音が安易に繰り返し多用されていて創造性に欠ける、という良くない印象を与えかねないし、曲毎の個性が失われて飽きられるという致命的な問題が生じてくる。
近年、ターケンス・プロットとよばれる、脳で行われる情報の処理と類似していると見られる手法を用いることにより、ある音からアトラクタを生成すると、このアトラクタは「音の印象」を表わすものであることがわかってきた。その理由は、人間の脳のメカニズムを知ることで理解することが可能となってきている。
まず人間の脳は、外部からうけた刺激を情報として取り込み、これが何であるかを認識(特徴を抽出)して記憶している。この認識は入力された情報のみで行うのではなく、過去にうけた刺激により記憶された情報を参考にして認識していると考えられる。たとえば、映画で見たあるシーンが過去の自分の経験と重なっていると、大きな感動を憶えることである。これは脳が映画のシーンを認識する際、過去に記憶された経験の記憶を参考にして認識し、同じ特徴を有する経験があればそれが強い刺激として認識されるため感動が大きくなっていると考えられる。また、過去にどこかで聞いた音を再び聞いた場合、それについて親しみを感じるということも同様である。
この脳の認識の手法においては、このように遠い過去の記憶まで参照して認識するものだけでなく、もっと短時間での過去も多大な影響を与えていると考えられる。そして聴覚に関する情報である音についても、より短時間の直前の音と照らし合わせて認識していると考えられる。
このことから、ターケンス・プロットで「現時点での波形を所定のプロットスケール幅によって選択している作業」は、脳で行われている「現時点の情報を認識するときに同時に過去の情報も参考にしている」という作業ときわめて類似したものであるといえる。このため、音を表わす波形からターケンス・プロットによってアトラクタを描画する作業は、脳にとっては、その波形を認識するに必要な「音の印象」を抽出する作業に他ならない。すなわち、ターケンス・プロットを用いで表示したアトラクタは、その音の「音の印象」という特徴の部分が視覚的に表現されているといえる。
たとえば、特許文献1には、以下の構成を備えた波形発生装置が開示されている。
時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データに対して、ターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを、予め定められたプロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件に基づいてターケンス・プロット処理を実行することにより実現し、前記n次元相空間上のアトラクタデータを生成するターケンス・プロット処理手段、
ターケンス・プロット処理手段により生成されたアトラクタデータに基づくアトラクタ軌道を、表示手段の表示画面上に表示させるアトラクタ表示手段と、
アトラクタ表示手段により表示されたアトラクタを表わす波形の形状をユーザ操作に応じて変更することにより、変形アトラクタを生成するアトラクタ変更手段、および、
アトラクタ変更手段により生成された変形アトラクタに対して、ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、2次元相空間上の波形データを生成する波形変換処理手段。
このように、ターケンス・プロットにより得られたアトラクタ波形を変形させて、それをさらに2次元相空間上の波形データに戻すことで、アトラクタの特徴を承継しつつ、ユーザが編集した楽音を発生させることが可能となる。
特開2008−275845号公報
その一方、従来、入力波形を増幅し減衰させるために、単純に入力波形の増幅率を変化させて実現するものが主流であった。この場合には、音量のみが変化するだけであり、その音の性質(音色)を変化させることはできず、異なる性格の楽音やハーモニーを含む楽音を生成することはできなかった。
そこで、本発明は、入力波形に対して、カオス理論で用いられるアトラクタを利用して、別の波形を印加して、その結果、共振や減衰を伴う新たな波形を発生させる波形発生装置および波形発生プログラムを提供することを目的とする。
概略的には、本発明は、入力波形に対して、アトラクタ空間内で定義される一定エリア内に入るアトラクタの部分について識別情報を付して、当該識別情報が付されたアトラクタに対応する時間軸上のタイミング(時刻)で、予め用意した他の波形を付加して出力するものである。これにより、入力波形の効能を高めようとする。
本発明の目的は、時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データを表す座標情報群を、ターケンスの埋め込み定理を用いることにより、時間軸及び波高値軸を含むn(n>2)次元相空間へ展開して、前記n次元相空間上のアトラクタデータを表す連続する座標情報群に変換するターケンス・プロット処理手段と、
前記n次元相空間上の所定の領域を画定する領域画定手段と、
前記画定された領域内に属する連続した座標情報群を取得するとともに、当該取得された連続する座標情報群のなかからひとつの座標情報を指定して、当該座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得する時刻情報取得手段と、
前記原波形データを出力するとともに、前記取得された時刻情報に対応する時間軸上の前記原波形データの位置から、当該原波形データに所定の波形データを加算することにより合成波形データを生成して出力する波形出力手段と、
を備えたことを特徴とする波形発生装置により達成される。
好ましい実施態様においては、前記時刻情報取得手段は、直前の座標情報が前記画定した領域に属さない座標情報に続く座標情報が、所定数連続して前記領域画定手段により画定された領域に含まれる場合にのみ、前記取得された連続する座標情報群のうち、直前の座標情報が前記画定した領域に属さない座標情報を指定して、当該座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得する。
また、好ましい実施態様においては、前記時刻情報取得手段は、前記アトラクタデータの最大リアプノフ指数を算出し、前記最大リアプノフ指数が正である場合にのみ、前記取得された連続する座標情報群のうち、直前の座標情報が前記画定した領域に属さない座標情報を指定して、当該座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得する。
別の好ましい実施態様においては、前記時刻情報取得手段は、前記画定された領域内に属する連続した座標情報群を複数取得し、当該取得された連続する座標情報群夫々からひとつの座標情報を指定し、当該指定された各座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得し、
波形出力手段は、前記取得された各時刻情報間に周期性が存在すると判別された場合に、前記取得された各時刻情報に対応する時間軸上の前記原波形データの夫々の位置から、当該原波形データに所定の波形データを加算することにより合成波形データを生成して出力する。
また、好ましい実施態様においては、前記波形発生装置はさらに、前記ターケンス・プロット処理手段により生成されたアトラクタデータを表わすアトラクタ画像を、表示手段の表示画面上に表示させるアトラクタ画像生成手段を備え、
前記領域画定手段が、所定の入力装置を用いて、前記表示画面上に表示された画像内の領域を指定する。
さらに別の好ましい実施態様においては、前記ターケンス・プロット処理手段は、プロットスケールt及びリサンプリング時間Δtを含む所定のプロット条件に基づいて前記原波形データの波高値をプロットし、当該プロットされた波高値を順次前記n次元相空間上の対応する座標位置に展開することにより、アトラクタデータを生成する。
また、本発明の目的は、コンピュータに、
時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データを表す座標情報群を、ターケンスの埋め込み定理を用いることにより、時間軸及び波高値軸を含むn(n>2)次元相空間へ展開して、前記n次元相空間上のアトラクタデータを表す座標情報群に変換するターケンス・プロット処理ステップと、
前記n次元相空間上の所定の領域を画定する領域画定ステップと、
前記画定された領域内に属する連続した座標情報群を取得するとともに、当該取得された連続する座標情報群のなかからひとつの座標情報を指定して、当該座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得する時刻情報取得ステップと、
前記原波形データを出力するとともに、前記取得された時刻情報に対応する時間軸上の前記原波形データの位置から、当該原波形データに所定の波形データを加算することにより合成波形データを生成して出力する波形出力ステップと
を実行させる波形発生プログラムにより達成される。
本発明によれば、入力波形に対して、カオス理論で用いられるアトラクタを利用して、別の波形を印加して、その結果、共振や減衰を伴う新たな波形を発生させることができる波形発生装置および波形発生プログラムを提供することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる波形発生装置の構成を示すブロック図である。 図2(a)は、本実施の形態にかかるRAMの原波形データエリアに格納された原波形データの一例を示す図、図2(b)は、本実施の形態にかかる最適プロット条件データエリアの一例を示す図である。 図3は、本実施の形態にかかるRAMのアトラクタデータエリアに格納されたアトラクタデータの例を示す図である。 図4は、本実施の形態にかかる楽音発生装置において実行される処理の概略を示すフローチャートである。 図5は、本実施の形態にかかる波形発生処理の例を示すフローチャートである。 図6は、ターケンス・プロット処理の概要を説明するための図である。 図7は、本実施の形態にかかるターケンス・プロット処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、本実施の形態にかかる相関抽出処理の例を示すフローチャートである。 図9は、表示部の画面上に表示されたアトラクタの例を示す図である。 図10は、矩形領域の座標値の例を示す図である。 図11は、描画されたアトラクタ中に矩形領域(波形識別エリア)が配置された状態を示す図である。 図12は、本実施の形態にかかる識別マーク付加処理の例を示すフローチャートである。 図13は、本実施の形態にかかる識別マーク付加処理の例を示すフローチャートである。 図14は、本実施の形態において、識別マーク付加処理における時刻情報の取得を説明する図である。 図15は、本実施の形態にかかる波形印加処理の例を示すフローチャートである。 図16は、本実施の形態にかかる波形印加処理の例を示すフローチャートである。 図17は、波形印加処理によって出力される波形の例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる波形発生装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる波形発生装置100は、入力部10、操作部20、表示部30、鍵盤40、CPU50、ROM60、RAM70およびサウンドシステム80を備える。
入力部10は、マイクロホン12およびA/D変換器14を有し、CPU50の制御の下に、外部から入力される波形をサンプリングして原波形データを生成して出力する。入力部10から出力された原波形データはRAM70の原波形データエリアに格納される。
操作部20は、操作パネル(図示せず)に配設される各種スイッチを備え、ユーザのスイッチ操作に対応したスイッチイベントを発生する。操作部20から出力されるスイッチイベントはCPU50に取り込まれる。操作部20に配置されるスイッチには、電源をオンオフする電源スイッチの他、動作モードを選択するモードスイッチや印加すべき波形を選択するための波形選択スイッチなどが含まれる。また、操作部20には、マウスが含まれる。
表示部30は、たとえば、液晶表示装置であり、その画面上に、CPU50が生成した画像データに基づく画像を表示する。また、鍵盤40は、複数の鍵を有している。鍵の押鍵、離鍵、および、押鍵速度の情報(鍵盤情報)は、CPU50に与えられ、CPU50は、与えられた鍵盤情報に基づき、キーオンイベント、キーオフイベントを生成して、サウンドシステム80に出力する。
CPU50は、操作部20から供給されるスイッチイベントに応じて、装置の各部を制御する。たとえば、CPU50は、操作部20に含まれるモードスイッチの操作により選択される動作モードの下で、所定の処理を実行する。たとえば、波形入力モードの下では、CPU50は、入力部10に波形サンプリングの開始を指示して、生成された原波形データをRAM70の原波形データエリアに格納させる。
また、CPU50は、波形発生モードの下では、波形発生処理を実行して、RAM70の原波形データエリアに格納した原波形データからアトラクタを抽出して、アトラクタデータをRAM70中に格納する。また、波形印加モードの下で、CPU50は、たとえば、RAM70の原波形データエリアに格納された波形データに、所定の新たな波形データを加えた楽音データを生成して出力する。
ROM60には、スイッチイベントの取得および装置の各部の制御プログラム、波形発生処理の処理プログラム、波形印加処理の処理プログラムなど各種プログラムが格納される。また、ROM60の基本アトラクタデータエリアには、すでに発見されているストレンジ、トーラス、ローレンツなどの有名なアトラクタの特徴を有する基本アトラクタデータが格納されている。
RAM70は、種々の処理において使用されるパラメータやフラグなどを一時記憶するワークエリアと、入力部10から出力される原波形データを格納する原波形データエリアと、波形発生処理により原波形データをターケンス・プロットして得られるアトラクタデータを格納するアトラクタデータエリアと、後述する最適プロット条件に関する種々のデータを格納する最適プロット条件データエリアと、を有する。
サウンドシステム80は、波形印加処理において生成された楽音データを、D/A変換して増幅し、スピーカから音響信号として出力させる。
図2(a)は、本実施の形態にかかるRAMの原波形データエリアに格納された原波形データの一例を示す図である。原波形データ200は、たとえば、Nサンプルからなる一連の波高値W(0)、W(1)、・・・と(符号201、202参照)と、波高値のそれぞれに対応付けられた識別フラグ(符号211、211参照)とを含むレコードから構成される。原波形データエリアには、図2(a)に示すような原波形データ200を複数組格納することができる。
図2(b)は、本実施の形態にかかる最適プロット条件データエリアの一例を示す図である。図2(b)に示すように、最適プロット条件データエリア201は、最適プロット条件となったアトラクタデータの基礎となった原波形を特定する原波形番号、ターケンス次元数、プロットスケール幅t、サンプリング周期Δt、波形区間長Stime、その他の座標情報(たとえば、表示する際の座標軸の単位、視野情報など)を含む(符号210参照)。また、最適アトラクタデータ部202は、前記アトラクタに関するプロット条件データ部のデータを特定するためのアトラクタ空間条件識別番号212と、各アトラクタデータの座標値(符号213)とを有する。座標値は、図3を参照して説明する座標を示すレコード群(符号301)と同様である。
図3は、本実施の形態にかかるRAMのアトラクタデータエリアに格納されたアトラクタデータの例を示す図である。アトラクタデータエリア300には、複数のアトラクタについてのデータ群を格納することができる。それぞれのアトラクタのデータ群には、パラメータn(たとえば、n=0〜N)ごとに、所定の次元(本実施の形態では3次元)の座標を示すレコード群が含まれる(符号301参照)。たとえばパラメータn=0については、識別マークエリア302、X座標x0、Y座標y0およびZ座標z0(符号303参照)のレコードを有する。識別マークエリアについては後述する。
上記構成の楽音発生装置の動作について、以下に説明する。図4は、本実施の形態にかかる楽音発生装置において実行される処理の概略を示すフローチャートである。図4に示すように、CPU50は、まず、表示部30の初期化、RAM70の初期化などを含むイニシャライズを実行する(ステップ401)。次いで、CPU50は、操作部20からのスイッチイベントを受け付けて、スイッチイベントにしたがった処理、たとえば、動作モード設定処理などを実行する(ステップ402)。動作モードには、以下に述べるように、波形入力モード、波形発生モードおよび波形印加モードが含まれる。また、波形発生モードの下で、CPU50は、操作部20から、ターケンス・プロット処理にて用いるプロット条件を受け入れ、プロット条件をRAM70の所定の領域に格納する。
スイッチ処理においては、鍵盤40を構成する鍵の何れかの押鍵、離鍵、および押鍵速度が検知される。CPU50は、検知された鍵盤情報に基づき、キーオンイベント、キーオフイベントを生成して、サウンドシステム80に出力する。サウンドシステム80は、キーオンイベントを受け付けると、たとえば、ROM60の原波形データに格納された原波形を、キーオンイベントに含まれる音高情報にしたがって読み出して楽音波形データを生成する。また、サウンドシステム80は、楽音波形データに、キーオンイベントに含まれるベロシティを付与して出力する。また、サウンドシステム80は、キーオフイベントを受け付けると、当該キーオフイベントに含まれる音高の楽音を消音する。
次いで、CPU50は、動作モードが波形入力モードであったかを判断する(ステップ403)。ステップ403でYesと判断された場合には、CPU50は波形入力処理を実行する。波形入力処理においては、CPU50は、入力部10に波形サンプリングの開始を指示する。入力部10は指示に応答して、マイク11から入力された音声信号をサンプリングして、原波形データW(n)(n=0〜N)を生成して、RAM70の原波形データエリアに格納する。
ステップ403でNoと判断された場合には、CPU50は、動作モードが波形発生モードであるかを判断する。ステップ405でYesと判断された場合には、CPU50は波形発生処理を実行する(ステップ406)。図5は、本実施の形態にかかる波形発生処理の例を示すフローチャートである。本実施の形態にかかる波形発生処理には、ターケンス・プロット処理を実施して、最適プロット条件の下のアトラクタデータを生成し、アトラクタを表示部30の画面上に描画すること(図5のステップ501〜508)、ユーザが操作部20のマウスを操作して、アトラクタが表示された画面上で、所望の3次元の波形識別エリアを設定すること(図5のステップ509、519)、並びに、波形識別エリア内のアトラクタデータおよび対応する事項情報を取得すること(図5のステップ511)が含まれる。
図5に示すように、波形発生処理において、まず、CPU50は、初期設定を実行する(ステップ501)。初期設定においては、RAM70中の処理に用いるパラメータのクリア、データ格納領域のクリア、ターケンス・プロット処理に必要なプロット条件(波形区間長Stime、プロットスケール幅tおよびリサンプリング周期Δt)の初期設定値をRAM70から読み出す。
次いで、CPU70は、プロット条件(波形区間長Stime、プロットスケール幅tおよびリサンプリング周期Δt)に基づき、RAM70の原波形データエリアに格納される原波形データにターケンス・プロット処理を施す(ステップ502)。ターケンス・プロット処理においては、原波形データからアトラクタデータが生成される。
図6は、ターケンス・プロット処理の概要を説明するための図である。ターケンス・プロットでは、RAM70の原波形データエリアに格納される原波形データをリサンプリングするプロットスケールが用いられる。図6に示す例では、2次元(時刻tと波高値)の原波形データから3次元のアトラクタを生成する場合のプロットスケールが示されている。プロットスケールは、プロットスケール幅tを隔てた3点(x成分、y成分およびz成分)における原波形データの波高値T(x,y,z)により指定される。
図6において、原波形データの波高値T(x,y,z)を指定するプロットスケールは、リサンプリング周期Δt毎に時系列順に移動する。リサンプリング周期Δtは、原波形データのサンプリング周期以上の時間幅を有する。リサンプリング周期Δt毎に、時系列順に移動するプロットスケールによって、波高値T1(x,y,z)〜波高値Tn(x,y,z)が得られる。波高値T1(x,y,z)〜波高値Tn(x,y,z)の数は、波形区間長Stimeにて決定される。
図7は、本実施の形態にかかるターケンス・プロット処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、CPU50は、変数nを「0」にリセットし(ステップ701)、次に、CPU50は、プロットを行うために、プロットスケール幅tを隔てた3点の、原波形の時間軸上での位置関係を演算する(ステップ702)。すなわち最初の点であるtが0と決まると、tの幅だけ時間を隔てた点t、さらにtの幅だけ時間を隔てたtが設定される。
次いで、CPU50は、RAM70のアトラクタデータエリア内のxnとして、時間t0における位置での波高値W(t0)を格納し(ステップ703)、ynとして、時間tにおける波高値W(t)を格納し(ステップ704)、さらに、さらにznとして時間tにおける波高値W(t)を格納する(ステップ705)。ステップ703〜705の処理によって、n=0のときであれば、アトラクタの最初の3次元座標T(図6参照)が決定される。次いで、CPU50は、変数nをインクリメントし(ステップ706)、時間軸上の各プロットスケール位置t0、t、tを、それぞれΔtだけシフトさせる(ステップ707)。
CPU50は、時間tがStimeより大きくなったかを判断する(ステップ708)。ステップ708でNoと判断された場合には、ステップ703に戻って再びx成分、y成分、z成分の値を読み出し、RAM70内のアトラクタデータエリアへの書き込みを行う。この動作は、時間tがStimeを越えるまで繰り返される。これにより、波高値T1(x,y,z)〜波高値Tn(x,y,z)が全てRAM70に格納される。
次いで、CPU50は、得られた波高値T1(x,y,z)〜波高値Tn(x,y,z)についてのアトラクタが、最もその特徴を表現できるように、相関抽出処理を実行する(ステップ503)。図8は、本実施の形態にかかる相関抽出処理の例を示すフローチャートである。本実施の形態においては、既に著名なアトラクタの特徴である「ストレンジ」、「トーラス」などの基本的な複数種のアトラクタ(以下、「基本アトラクタ」と称する。)のデータが予めROM60の基本アトラクタデータエリアに格納されている。相関抽出処理においては、この基本アトラクタと前述のターケンス・プロット処理により得られたアトラクタとの3次元相空間内での相関関係を調べて、もっとも高い相関性が得られる最適プロット条件を検出する。
CPU50は、ROM60の基本アトラクタデータエリアに格納された複数の基本アトラクタのデータの中から、ある基本アトラクタデータを読み出す(ステップ801)。次いで、ターケンス・プロット処理により得られたアトラクタデータを読み出す(ステップ802)。その後、CPU50は、読み出された2つのアトラクタの形状を比較する(ステップ803)。
ステップ803における形状の比較は、周知の手法を用いれば良い。たとえば、指紋認証と同様に、2つの図形の位置、スケール、角度などを調整して多面的に比較しても良い。
或いは、それぞれのアトラクタ中の特定の位置の距離、当該位置からのアトラクタの方向などを利用しても良い。これに限定されるものではなく、別の3次元相空間における図形の比較を採用しても良い。
次いで、CPU50は、この2つの図形の比較によってその相関性を定量的に示すべく相関値を決定する(ステップ804)。たとえば、相関値の決定として、画像処理で行われるピクセルマッチングなどがある。その後、CPU50は、算出された相関値を、RAM70のワークエリアに格納された相関値レジスタの値(相関最適値)と比較する。
ステップ804で算出された相関値が、相関最適値より大きい場合には、CPU50は、算出された相関値、および、当該相関値を出した、ターケンス・プロットされたアトラクタのプロット条件を、相関値レジスタに格納する(ステップ805)。その後、CPU50は、全ての基本アトラクタを参照したかを判断する(ステップ806)。ステップ806でNoと判断された場合には、CPU50は、別の基本アトラクタを指定して(ステップ807)、ステップ802に戻る。
ステップ806でYesと判断された場合には、CPU50は、次のターケンス・プロットを行う準備を行うべく、RAM70のアトラクタデータエリアにおけるデータT〜Tを消去する(ステップ808)。相関抽出処理により、何れかの基本アトラクタと最も高い相関性をもった相関値およびその時に使用されたプロット条件が、相関値レジスタに格納される。さらに、後述するように、全てのプロット条件で、ターケンス・プロット処理(ステップ502)および相関値抽出処理(ステップ503)が実行される。したがって、相関値レジスタには、全てのプロット条件の中で、何れかの基本アトラクタと最も高い関連性を持つようなアトラクタのプロット条件、および、相関値が記録されていることになる。
なお、ROM60中の、基本アトラクタデータを格納する基本アトラクタデータエリアのデータは、識別マークエリア302が無いことを除き、アトラクタデータエリアのデータと同じ構造をとっている。基本アトラクタデータエリアには、アトラクタの中でも有名な形状のアトラクタデータが格納されている。たとえば、ストレンジアトラクタを示す場合ではカオス状態である可能性が高いことがわかっており、このカオス状態は人間を含む自然界に含まれるデータの状態として非常に有名である。
事前にアトラクタの特徴と音の実際の関係がわかっているのであれば、所定のアトラクタを、ROM60に予め必要な基本アトラクタとして格納しておくことができる。これにより必要なアトラクタが効率的に表示させることが可能となる。そして、自らが発見した無名のアトラクタが格別の効果があると判明した場合は、そのアトラクタを基本アトラクタとすることにより、基本アトラクタを増やしていくことも考えられる。さらには、ユーザがアトラクタの表示される相空間上に自由に波形を描画できるようにして、描画した波形を基本アトラクタとして利用できるように構成してもよい。
相関抽出処理が終了すると、CPU50は、全てのプロット条件の処理を実行したかを判断する(ステップ504)。ステップ504でNoと判断された場合には、CPU50は、プロット条件を更新した後、再びステップ502に戻る。ステップ502でYesと判断された場合には、CPU50は、相関値レジスタに格納されたプロット条件が最適プロット条件であると決定し、RAM70の最適プロット条件データエリアのプロット条件データ部(符号210参照)に、原波形番号、および、プロット条件(ターケンス次元数、プロットスケールt、サンプリング時間Δt、波形区間長Stime、座標情報)を格納する(ステップ506)。
CPU50は、最適なプロット条件でのターケンス・プロットにより求められたアトラクタの座標値である波高値T1(x,y,z)〜波高値Tn(x,y,z)を3次元相空間にプロットした画像を、表示部30の画面に表示する(ステップ507)。図9は、表示部の画面上に表示されたアトラクタの例を示す図である。図9に示すアトラクタ900は、何れかの基本アトラクタと最も高い相関性をもったプロット条件でのアトラクタとなる。アトラクタ900は軌道のような形態となる。なお、アトラクタを表示する際、その軌道をはっきりと見せるために、プロットされた点と次の点とをスプライン処理などを行って薄い色の線としてわかりやすく表示するようにしてもよい。また、CPU50は、描画されたアトラクタのデータをRAM70の最適プロット条件データエリア中、最適アトラクタデータ部202に格納する(ステップ202)。
ユーザは、操作部20のマウスを操作して、表示されたアトラクタ中に所望の矩形領域を描画する。図10は、矩形領域の座標値の例を示す図である。この矩形領域が、識別された波形の領域を特定するための波形識別エリアとなる。また、図11は、描画されたアトラクタ中に矩形領域(波形識別エリア)が配置された状態を示す図である。図10に示すように、矩形領域1000は、X座標の最小値Xmin、最大値Xmax、Y座標の最小値Ymin、最大値Ymax、Z座標の最小値Zmin、最大値Zminにより特定される領域である。図11に示すように、ユーザは、所望のサイズの矩形領域1100を、アトラクタ900のうち所定の軌道の部分が含まれるように配置することができる。矩形領域のサイズおよび位置はユーザが所望のように設定することができる。
CPU50は、波形識別エリアとなる矩形領域の情報を操作部20から受け入れ(ステップ509)、その座標情報(X座標の最小値Xmin、最大値Xmax、Y座標の最小値Ymin、最大値Ymax、Z座標の最小値Zmin、最大値Zmin)をRAM70に格納する(ステップ510)。その後、CPU50は、識別マーク付加処理を実行する(ステップ511)。図12および図13は、本実施の形態にかかる識別マーク付加処理の例を示すフローチャートである。
図12に示すように、CPU50は、最適アトラクタデータ部202から最適アトラクタデータを読み出す(ステップ1201)。次いで、CPU50は、それぞれの座標値X、Y、Zについてリアプノフ指数λx、λy、λzを算出する(ステップ1202)。
軌道をxnとするときに、リアプノフ指数は以下のように表される。
Figure 0005177157
なお、演算においては、Nを十分に大きな所定の数として近似値を算出すれば良い。CPU50は、リアプノフ指数λx、λyおよびλzの最大値を、最大リアプノフ指数Maxλとする。CPU50は、最大リアプノフ指数Maxλが正であるかを判断する(ステップ1203)。ステップ1203でYesと判断された場合には、CPU50は、アトラクタデータを特定するためのパラメータnを「0」に初期化し(ステップ1204)、アトラクタデータ(X(n),Y(n),Z(n))が、波形識別エリア内にあるかを判断する(ステップ1205)。
ステップ1205でYesと判断された場合には、CPU50は、アトラクタデータが波形識別エリア内に連続して存在する数を示すカウンタ値Rをインクリメントして(ステップ1206)、カウンタ値Rが閾値Rth以上であるかを判断する(ステップ1207)。ステップ1207でYesと判断された場合には、CPU50は、アトラクタデータにおいて、座標値と関連付けられた識別マークエリアのフラグを「1」にセットする(ステップ1208)。また、CPU50は、X座標に対応する時刻情報を取得して、当該時刻情報をRAM70中に格納する(ステップ1209)。
次いで、CPU50は、パラメータnをインクリメントして、パラメータnがアトラクタデータのデータ数Nより大きいかを判断する(ステップ1302)。ステップ1302でNoと判断された場合には、ステップ1205に戻る。その一方、ステップ1205でYesと判断された場合には、CPU50は、RAM70中の時刻情報に基づき、原波形データエリアにおいて、時刻情報に対応する識別フラグに「1」をセットする(ステップ1303)。
ステップ1203でNoと判断された場合には、処理が終了される。また、ステップ1205でNoと判断された場合には、カウンタ値Rが「0」にリセットされて、ステップ1301に進む。
図14は、本実施の形態において、識別マーク付加処理における時刻情報の取得を説明する図である。図14において、X(p)〜X(p+q)にかかるアトラクタデータが、波形識別エリア内であったと考える(符号1401における値「1」参照)。X(m)(0≦m≦N)は、波高値W(t+mΔt)に相当する。したがって、波形識別エリア内のX座標の座標値は、W(t+pΔt)〜W(t+(p+q)Δt)となる(符号1402参照)。したがって、X座標に対応する時刻情報は、t+pΔt〜t+(p+q)Δtとなる(符号1410)。このようにして、識別マーク付加処理においては、波形識別データエリアに含まれるアトラクタデータに対応する時刻情報が取得される。
図4において、ステップ405でNoと判断された場合には、CPU50は、動作モードが波形印加モードであるかを判断する(ステップ407)。ステップ407でYesと判断された場合には、CPU50は、波形印加処理を実行する(ステップ408)。図15および図16は、本実施の形態にかかる波形印加処理の例を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、原波形データエリアに格納された波形データを第1の波形データとして、また、識別マーク付加処理で得られた、波形識別エリアに含まれるアトラクタデータに対応する時刻情報が示すタイミングで、他の波形データ(第2の波形データ)を第1の波形データ(原波形データ)に印加して、上記タイミングでは、第1の波形データと第2の波形データとの合成波形データが出力される。
常に出力される波形データを第1の波形データ、その波高値を第1の波高値と称する。また、上述したタイミングで第1の波形データに印加される他の波形データを第2の波形データ、その波高値を、第2の波高値と称する。
CPU50は、RAM70から第1の波形データの波高値W(t)を読み出す(ステップ1501)。なお、鍵盤40のノートオンイベントによりRAM70から第1の波形データの波高値W(t)が読み出されるように構成しても良い。
なお、「t」は時刻を表すパラメータであり、初期的は「0」であり、波形付加処理において、後述するようにインクリメントされる。次いで、CPU50は、RAM70から第2の波形データの波高値W(t)を読み出す(ステップ1502)。第2の波形データは、波形付加用に用意された新たな波形データであって良い。たとえば、この波形データは、RAM70から読み出される波形データであっても良いし、マイク12および入力部10を介して得られる波形データであっても良い。
CPU50は、第1の波形データの原波形データエリアを参照して、時刻tにおける識別フラグが「1」であるかを判断する(ステップ1503)。ステップ1503でNoと判断された場合には、CPU50は、第1の波高値W(t)のみをサウンドシステム80に出力する(ステップ1504)。また、RAM70中の波形付加フラグを「0」にリセットする(ステップ1505)とともに、時刻を示すパラメータtをインクリメントする(ステップ1506)。
ステップ1503でYesと判断された場合には、CPU50は原波形データエリアを参照して、時刻(t−1)の識別フラグが「0」であるかを判断する(ステップ1507)。ステップ1507でYesと判断された場合には、CPU50は、前回に最初に識別フラグが「1」となった時刻と、時刻tとの間の周期Tを算出する(ステップ1508)。次いで、CPU50は、周期Tが、平均周期Tmの所定の範囲内であるか、つまり、Tm−α≦T≦Tm+α(αは正の所定の定数)であるかを判断する(ステップ1509)。ステップ1509でYesと判断された場合には、CPU50は、RAM70中の波形付加フラグを「1」にセットする。
ステップ1507でNoと判断された場合には、CPU50は、波形付加フラグが「1」であるかを判断する8ステップ1511)。ステップ1511でNoと判断された場合には、ステップ1504に進む。したがって、この場合には、第1の波形データのみが出力される。
ステップ1511でYesと判断された場合、或いは、ステップ1510が実行された後に、CPU50は、第1の波高値w(t)と第2の波高値w(t)とを加算して、サウンドシステム80に出力する(ステップ1601)。次いで、CPU50は、新たに算出された周期Tを考慮して、平均周期Tmを更新する(ステップ1602)とともに、時刻を示すパラメータtをインクリメントする(ステップ1603)。このようにして、波形入力処理(ステップ404)、波形発生処理(ステップ406)、波形印加処理(ステップ408)が実行された後、CPU50はその他の処理、たとえば、表示部30に表示された画像の更新などを実行してステップ402に戻る。
図17は、波形印加処理によって出力される波形の例を示す図である。図17(a)に示す例で、今回の識別フラグが「1」である期間に出力すべき波形を決定する場合を考える。ステップ1508では、前回の識別フラグが「1」となった時刻ti−1と、今回識別フラグが「1」となった時刻tとの差である周期T(T=t−ti−1)が算出される。図17(a)の例では、Tは、Tm±αの範囲に入らない(ステップ1509でNo)。したがって、識別フラグが「1」である時刻t〜t+tの期間も、第1の波形データのみが出力される(符号1701参照)。
また、図17(b)に示す例で、ステップ1508では、前回の識別フラグが「1」となった時刻ti−1と、今回識別フラグが「1」となった時刻tとの差である周期T(T=t−ti−1)が算出される。図17(a)の例では、Tは、Tm±αの範囲に入る(T≒Tm:ステップ1509でYes)。したがって、識別フラグが「1」である時刻t〜t+tの期間においては、第1の波形データおよび第2の波形データの合成波形データが出力される(符号1711参照)。第1の波形データ、或いは、第1の波形データおよび第2の波形データの合成波形データは、サウンドシステム80に与えられ、サウンドシステムにおいてアナログの音響信号に変換され、スピーカ(図示せず)から出力される。
本実施の形態においては、ターケンス・プロット処理により得られたアトラクタデータに基づくアトラクタ軌道を含む画像が表示部30の画面上に表示され、ユーザは入力部10を操作することで、画像中に所望の波形識別領域を配置することができる。CPU50は、波形識別領域に含まれる前記アトラクタ軌道の部分の座標値を、波形識別領域に属する座標値として取得するとともに、当該座標値に相当する時間情報を、識別時刻情報として取得する。第1の波形データである原波形データを出力する際に、第1の波形データの時刻が、識別時刻情報に含まれる場合には、第1の波形データの波高値と、予め定められた付加波形である第2の波形データの対応する時刻の波高値とを加算した合成波形データが生成される。したがって、本実施の形態によれば、単なる波形の共振や増幅ではなく、カオス性を考慮した波形の付加による波形の共振や増幅が実現される。
また、本実施の形態において、CPU11は、アトラクタ軌道を構成する座標が、所定数連続して波形識別領域に含まれるときに、連続する座標の座標値を、波形識別領域に属する座標値として取得する。これにより一定の長さの軌道が波形識別領域を通る場合のみを、波形識別領域に属するものと決定することができる。
また、本実施の形態において、CPU11は、アトラクタデータの最大リアプノフ指数を算出し、最大リアプノフ指数が正であるときに、波形識別領域に含まれるアトラクタ軌道の部分の座標値を、波形識別領域に属する座標値として取得する。これにより、カオス状態であるときの座標値のみを、波形識別領域に属する座標値として取得することができる。
また、本実施の形態において、CPU11は、識別時刻情報に示される時刻が周期性をもつ場合に、第1の波形データの波高値と、予め定められた付加波形である第2の波形データの対応する時刻の波高値とを加算した合成波形データを生成する。これによりカオス性を維持しつつ周期性をもたせた波形の合成が可能となる。
さらに、本実施の形態において、ターケンス・プロット処理では、前記プロットスケールt及びリサンプリング時間Δtの少なくとも一方を変更した複数の異なるプロット条件のそれぞれに基づいたアトラクタデータを生成する。また、ターケンス・プロット処理手段により生成された複数のアトラクタデータの各々と、前記記憶手段に格納された基本アトラクタデータとの相関値を抽出し、相関値が最大となるプロット条件に基づいて生成されたアトラクタデータのアトラクタ軌道を表示装置の画面上に表示する。これにより、よりカオス性の高いアトラクタ軌道を得ることが可能となる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
10 入力部
12 マイク
14 A/D変換器
20 操作部
30 表示部
40 鍵盤
50 CPU
60 ROM
70 RAM
80 サウンドシステム

Claims (7)

  1. 時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データを表す座標情報群を、ターケンスの埋め込み定理を用いることにより、時間軸及び波高値軸を含むn(n>2)次元相空間へ展開して、前記n次元相空間上のアトラクタデータを表す連続する座標情報群に変換するターケンス・プロット処理手段と、
    前記n次元相空間上の所定の領域を画定する領域画定手段と、
    前記画定された領域内に属する連続した座標情報群を取得するとともに、当該取得された連続する座標情報群のなかからひとつの座標情報を指定して、当該座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得する時刻情報取得手段と、
    前記原波形データを出力するとともに、前記取得された時刻情報に対応する時間軸上の前記原波形データの位置から、当該原波形データに所定の波形データを加算することにより合成波形データを生成して出力する波形出力手段と、
    を備えたことを特徴とする波形発生装置。
  2. 前記時刻情報取得手段は、直前の座標情報が前記画定した領域に属さない座標情報に続く座標情報が、所定数連続して前記領域画定手段により画定された領域に含まれる場合にのみ、前記取得された連続する座標情報群のうち、直前の座標情報が前記画定した領域に属さない座標情報を指定して、当該座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得する請求項1に記載の波形発生装置。
  3. 前記時刻情報取得手段は、前記アトラクタデータの最大リアプノフ指数を算出し、前記最大リアプノフ指数が正である場合にのみ、前記取得された連続する座標情報群のうち、直前の座標情報が前記画定した領域に属さない座標情報を指定して、当該座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得する請求項1または2に記載の波形発生装置。
  4. 前記時刻情報取得手段は、前記画定された領域内に属する連続した座標情報群を複数取得し、当該取得された連続する座標情報群夫々からひとつの座標情報を指定し、当該指定された各座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得し、
    波形出力手段は、前記取得された各時刻情報間に周期性が存在すると判別された場合に、前記取得された各時刻情報に対応する時間軸上の前記原波形データの夫々の位置から、当該原波形データに所定の波形データを加算することにより合成波形データを生成して出力する請求項1ないし3の何れか一項に記載の波形発生装置。
  5. 前記波形発生装置はさらに、前記ターケンス・プロット処理手段により生成されたアトラクタデータを表わすアトラクタ画像を、表示手段の表示画面上に表示させるアトラクタ画像生成手段を備え、
    前記領域画定手段が、所定の入力装置を用いて、前記表示画面上に表示された画像内の領域を指定する請求項1ないし4の何れか一項に記載の波形発生装置。
  6. 前記ターケンス・プロット処理手段は、プロットスケールt及びリサンプリング時間Δtを含む所定のプロット条件に基づいて前記原波形データの波高値をプロットし、当該プロットされた波高値を順次前記n次元相空間上の対応する座標位置に展開することにより、アトラクタデータを生成する請求項1ないし5の何れか一項に記載の波形発生装置。
  7. コンピュータに、
    時間軸及び波高値軸を有する2次元相空間上の原波形データを表す座標情報群を、ターケンスの埋め込み定理を用いることにより、時間軸及び波高値軸を含むn(n>2)次元相空間へ展開して、前記n次元相空間上のアトラクタデータを表す座標情報群に変換するターケンス・プロット処理ステップと、
    前記n次元相空間上の所定の領域を画定する領域画定ステップと、
    前記画定された領域内に属する連続した座標情報群を取得するとともに、当該取得された連続する座標情報群のなかからひとつの座標情報を指定して、当該座標情報内の時間軸に対応する座標値を時刻情報として取得する時刻情報取得ステップと、
    前記原波形データを出力するとともに、前記取得された時刻情報に対応する時間軸上の前記原波形データの位置から、当該原波形データに所定の波形データを加算することにより合成波形データを生成して出力する波形出力ステップと
    を実行させる波形発生プログラム。
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