JP2010266700A - 作曲装置および作曲処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】曲データに対してターケンス・プロットを行い、アトラクタ空間に軌道を表示させた後、軌道を消去し、残されたアトラクタ空間に対してマウスによって描画を行う。この描画された軌道を同じターケンス・プロットの条件を用いてターケンス・プロットの逆の変換を行うことで曲データを再生成させる。これによりアトラクタの特徴を継承した曲としての音高データを発生することができる。
【選択図】図5
Description
この作曲というものは、音楽家が自由な発想から音符を書き出すような自由な手法もあれば、まず曲のイメージを決めておき、この決められたイメージをどのように強く印象付けるかを考えて作る手法もある。
しかしながら、その曲のイメージを表わし、かつそれが最も強くリスナーに印象付けられるような「音高変化の特徴」を抽出すること自体、一般的な手法として確立されたものであるわけでなく、ほとんど作曲者の経験と感性に頼っているのが現状であった。
したがって、よほど熟練した作曲家でもなければこの作業を行うことは容易でなく、曲ひとつを作曲するには、たとえ熟練した作曲家でも膨大な労力と時間を必要としていた。
このため、従来から、作曲作業を簡単に行わせるためのさまざまな方法が提案されていた。
このため、リスナーに対してより強い印象を与える曲を提供しようとするならば、人間の脳が外部から得られた情報を処理するのか、そのメカニズムを知る必要がある。
たとえば、映画で見たあるシーンが過去の自分の経験と重なっていると、大きな感動(強い印象)を憶えることである。これは脳が映画のシーンを認識する際、過去に記憶された経験の記憶を参照にして認識し、同じ特徴を有する経験があればそれが強い刺激として認識されるため感動が大きくなっていると考えられる。また、過去にどこかで聞いた曲を再び聞いた場合、それについて親しみを感じるということも同様である。
このように、人間の脳は外部より受け入れた情報(音、映像)を認識するに当たって、過去の記録を参照する処理が行なわれ、この結果が印象の度合いとなって表われる。
これが、外部より受け入れた情報が同一であっても、夫々が過去の経験・記億が異なる個人によって受ける印象に差が出てくる理由である。
これは脳に記億された多数の過去の記億のうち、どのタイミングでどの記億を引き出して参照するかが大きく反映していることを意味し、これは各個人の脳の特性に依存すると考えられる。従って、外部からの情報を認識しようとする場合に、比較的遠い過去の記億までを参照する人もいれば、ごく最近の記億だけを参照する人もいる。さらに現在から過去の記億までをくまなく参照する人もあれば、ごく一部のみを拾い出す人もある。この結果、仮にこれらの人たちが同じ経験・記億があったとしても、その情報から受ける印象の度合いは異なるものになる、と言える。
これを言い換えれば、この過去の経験・記億を参照する条件を、ある人の脳の特性に合わせて設定できれば、その人がある曲を聴いたときの印象の度合いを推定できることができるということである。例えば、この参照条件をある作曲家の脳と同じように設定できれば、その作曲家がある曲を聴いた場合の印象の度合い、つまり曲のイメージを推定することが可能となり、逆に曲のイメージというものを何らかの形で表現できれば、このイメージを受けることができる曲を推定することも可能と考えられる。
以上のことから、作曲装置として、上述のような人間の脳で行われる情報の処理と類似した処理を実行させることができれば、より強い印象を与える曲を作ることができるといえる。
従って、このターケンス・プロット手法において、外部から受け入れる情報が、音高の並びからなる曲情報とすると、多次元空間上に描かれた軌道(アトラクタ)は、人間の脳であれば、その曲により受ける印象の度合いに相当するものであり、それは「音高変化の特徴」つまり曲のイメージを表現しているものといえる。
そして、アトラクタを生成させる場合に用いたプロット条件は、脳で行われている「現時点の情報をどの程度遡った条件で認識すべきか」「どの程度細かく認識すべきか」という曲の印象付けに関係する具体的な作業を表している。このため、このプロット条件を利用すれば、脳で行われている認識条件に沿った曲データを作れることになり。作られた曲データは印象付けがなされやすい曲データとして生成されることになる。
すなわち、曲の印象付けをあらかじめ狙った作曲を行うことが可能となってくる。
楽音の音高および当該楽音を発音及び消音すべきタイミングを表す時間データとからなる曲データを記億する記億手段と、
この記億手段に記億された曲データを時間軸及び音高軸を有する2次元相空間上に展開するとともに、当該展開された曲データに対して、供給されるプロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件に基づいてターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを実行することにより、アトラクタを生成するターケンス・プロット処理手段と、
このターケンス・プロット処理手段に対して異なるプロット条件を順次供給することにより、各プロット条件に基づいたアトラクタを生成させるように前記ターケンス・プロット処理手段を制御する制御手段と、
前記ターケンス・プロット処理手段により生成された複数種アトラクタの中から所定の条件を満足するアトラクタを選択するとともに、当該アトラクタを生成するために前記ターケンス・プロット処理手段に供給されたプロット条件を抽出するプロット条件抽出手段と、
前記n次元相空間上の任意の位置を連続して指定することにより生成される軌道を描画し、当該描画された軌道の前記n次元相空間上の座標を新たなアトラクタデータとして生成するアトラクタデータ生成手段と、
前記アトラクタデータ生成手段により生成された新たなアトラクタデータに対して、前記プロット条件抽出手段により抽出されたプロット条件を用いて前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、発音すべき楽音の音高および発音消音すべきタイミングを表す時間データとからなる新たな曲データを生成する曲データ生成処理手段と、
を具備することを特徴とする。
前記プロット条件抽出手段は、
基本アトラクタデータを記憶した基本アトラクタデータ記憶手段と、
前記ターケンス・プロット処理手段により生成された複数種のアトラクタデータ夫々を座標として前記n次元相空間上に表わされた軌道と、前記基本アトラクタデータ記憶手段に記憶された基本アトラクタデータを座標として前記n次元相空間上に表わされた軌道との相関値を抽出する相関値抽出手段と、
この相関値抽出手段により抽出された相関値が最大となるプロット条件を抽出する抽出手段とからなることを特徴とする。
前記曲データ生成処理手段は、前記アトラクタデータ生成手段により生成された新たなアトラクタデータを構成する前記n次元相空間上の軌道の座標位置を最後から順次読み出し、当該読み出された最後の座標位置を表わすn個の軸上の位置夫々を、前記2次元相空間の時間軸上にプロットスケール値tの間隔をおいて指定されたn個のサンプリング位置夫々の音高値とし、その後座標位置が読み出される毎に前記n個のサンプリング位置を同時にリサンプリング時間Δtだけ時間軸上を順次シフトし、当該シフトされたn個のサンプリング位置夫々の音高値として、前記読み出された座標位置を表わすn個の軸上の各位置を割り当てる動作を繰り返すことを特徴とする。
前記作曲装置はさらに、前記曲データのコード進行を抽出するコード進行抽出手段と、
前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理により得られた曲データの音高を、前記コード進行抽出手段より得られたコード進行に適合するように修正する修正手段と、
を備えたことを特徴とする。
楽音の音高および当該楽音を発音及び消音すべきタイミングを表す時間データとからなる曲データを記億する記億手段を有するコンピュータに、
前記記億手段に記億された曲データを時間軸及び音高軸を有する2次元相空間上に展開するとともに、当該展開された曲データに対して、供給されるプロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件に基づいてターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを実行することにより、アトラクタを生成するターケンス・プロット処理ステップと、
このターケンス・プロット処理に対して異なるプロット条件を順次供給することにより、各プロット条件に基づいたアトラクタを生成させるように前記ターケンス・プロット処理手段を制御する制御ステップと、
前記生成された複数種アトラクタの中から所定の条件を満足するアトラクタを選択するとともに、当該アトラクタを生成するために前記ターケンス・プロット処理手段に供給されたプロット条件を抽出するプロット条件抽出ステップと、
前記n次元相空間上の任意の位置を連続して指定することにより生成される軌道を描画し、当該描画された軌道の前記n次元相空間上の座標を新たなアトラクタデータとして生成するアトラクタデータ生成ステップと、
前記生成された新たなアトラクタデータに対して、前記抽出されたプロット条件を用いて前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、発音すべき楽音の音高および発音消音すべきタイミングを表す時間データとからなる新たな曲データを生成する曲データ生成処理ステップと、
を実行させることを特徴とする。
A.構成
図1は、本発明の実施の一形態による作曲装置100の構成を示すブロック図である。この図に示す作曲装置100は、入力部10、操作部20、表示部30、鍵盤40、CPU50、ROM60、RAM70およびサウンドシステム80から構成される。入力部10は、ネットワークを介した楽器やシーケンサーのような音高データを出力する機器に接続されるミディやUSBなどの入力端子、A/D変換器を備え、CPU50の制御の下に、外部から入力される曲をサンプリングしてなる原曲データを出力する。ここで原曲データはミディ音源に使用される音高データのようなものである。入力部10から出力される原曲データはRAM70の原曲データエリアに格納される。
操作部20は、操作パネルに配設される各種スイッチを備え、ユーザのスイッチ操作に対応したスイッチイベントを発生する。操作部20から出力されるスイッチイベントは後述するCPU50に取り込まれる。操作部20に配設される主要なスイッチとしては、装置電源をオンオフする電源スイッチの他、動作モードを選択するモードスイッチや発生楽音の音色を選択する音色選択スイッチ、原曲データ、後述する再生成曲データ、ターケンス・プロット用いるプロット条件などを含む相空間条件を選択するスイッチ、などがある。また、操作部20は、ポインティングデバイスとして、周知のクリック操作およびドラッグ操作が行われるマウスを備える。
さらに、予め得られた実験データなどから得られた、別の原曲データとしての音高データを創るために有効とわかっているプロット条件を含むアトラクタ空間のデータも(図2(b))と同じようなフォーマットで格納されている。
再生成曲データエリア部は原曲データエリアと似た構造であり、各音高値NW(n)(n=0〜N)が記憶されるようになっている。
原曲データエリアと再生成曲データエリアは複数準備され、ユーザがスイッチ(図示せず)操作で必要とする曲としての音高データを適宜選択が可能である。たとえばユーザは自分の好みとする「音高変化の印象」をもった原曲データを選択することができる。また、原曲データを選択しなくても、再生成曲データエリアからあらかじめプリセットされているプロット条件を有する識別番号である原曲番号を直接選択し、このプロット条件により作ったアトラクタ空間に対していきなり描画することもできる。この場合は後述のターケンス・プロット表示処理が必要なく、すばやく新たな曲としての音高データを創りだすことが可能である。
図3は、RAM70のアトラクタデータエリアにおけるアトラクタデータ(後述)の内容を示す図であり、n=0〜Nまでの表示部30の画面上の座標が書き込まれる。各座標は、x成分、y成分、z成分から成る。
次に、上記構成による作曲装置100の動作について説明する。以下では、図4を参照して作曲装置100のCPU50が実行する「メインルーチン」の動作を説明した後、図5〜図19を参照してメインルーチンからコールされる「音高発生処理」の動作を説明する。
図4は、CPU50が実行するメインルーチンの動作を示すフローチャートである。装置電源が投入されると、CPU50は図4に図示するメインルーチンのステップSA1に処理を進め、RAM70に設けられる各データエリアを初期化するイニシャライズを実行する。続いて、ステップSA2では、ユーザのモードスイッチ操作に応じて動作モードを設定する。そして、ステップSA3〜SA6では、上記ステップSA2において設定された動作モード(設定モード、入力モード、音高発生モード、クイック音高発生モードおよび演奏モード)を判別する。以下、設定モード、入力モード、音高発生モードおよび演奏モードに設定された場合の動作について述べる。
設定モードに設定されると、ステップSA3の判断結果が「YES」になり、ステップSA7に進み、設定処理を実行する。設定処理では、ユーザ操作に応じて入力される設定パラメータに従って各動作モード下における装置各部の動作態様を指定する。例えば、後述する入力モードにおける原曲データとしての音高データサンプリング期間長やサンプリング周波数を設定したり、演奏モードにおける曲データ選択や効果付与するエフェクトの種類などを設定する。
入力モードに設定されると、ステップSA4の判断結果が「YES」になり、ステップSA9に進み、音高入力処理を実行する。音高入力処理では、本処理に必要なイニシャライズ処理を行った後、入力部10に曲データサンプリングの開始を指示し、この指示に応じて入力部10から取り込まれる原曲データを、上述した設定モードにおいて設定される音高入力態様に従って取り込み、取り込んだ原曲データの各音高値W(n)(n=0〜N)をRAM70の原曲データエリアに順次ストアする。尚、この源音高の取り込み先は、本実施例では入力部としているが、ROM内や他の記憶媒体から取り込みが可能な場合は、その部分の曲データをユーザが任意に指定してサンプリングを行うことも可能である。
クイック音高発生モードに設定されると、ステップSA15の判断結果が「YES」になり、ステップSA16に進み、図2(b)に示される再生成曲データエリアの原曲番号の選択処理を行う。すなわち、後述するターケンス・プロットをせずに、予め記憶されているプロット条件によるアトラクタ空間を使用して曲を発生させるための条件の選択を行っている。その後にステップSA17の音高発生処理を実行する。音高発生処理では、後述するように、読み出されたプロット条件のアトラクタ空間に対してアトラクタの描画を行い、このデータを用いて、再生成曲データを再生成してRAM70の再生成曲データエリアに保存する。
図12はクイック音高発生処理を示すフローを示す。
<音高発生モードに設定された場合>
音高発生モードに設定されると、ステップSA5の判断結果が「YES」になり、ステップSA11に進み、音高発生処理を実行する。音高発生処理では、後述するように、RAM70の原曲データエリアに格納した原曲データから抽出されたプロット条件によるアトラクタ空間の特長を備えた再生成曲データを再生成してRAM70の再生成曲データエリアに保存する。
演奏モードに設定されると、ステップSA6の判断結果が「YES」になり、ステップSA13に進み、演奏処理を実行する。演奏処理では、音高発生モードで作られた再生成曲データとしての新たな音高データに応じた演奏処理を実行する。すなわち、RAM70の再生成曲データエリアに格納されたプロット条件によるアトラクタ空間の特長を備えた再生成曲データの内から音高データを読み出し、発音(再生)させる。
次に、図5〜図19を参照して曲と発生させるための音高発生処理の動作を説明する。図5は、CPU50が実行する音高発生処理の動作を示すフローチャートである。上述したメインルーチンのステップSA11(図4参照)を介して実行される音高発生処理は、ターケンス・プロット表示処理(ステップSB1)、アトラクタ描画処理(ステップSB2)、音高再生成処理(ステップSB3)から構成される。以下、これら各処理の動作を説明する。
音高発生処理のステップSB1(図5参照)を介して本処理が実行されると、CPU50は図6に図示するターケンス・プロット表示処理のステップSC1に処理を進め、初期設定を行う。初期設定では、本処理に必要なイニシャライズ処理の他、後述のステップSC2において実行するターケンス・プロット処理に必要なプロット条件(音高データ区間長Stime、プロットスケール幅tおよびリサンプリング周期Δt)をユーザ操作に応じて設定する。
また、今回はターケンスの埋め込み定理を用いてアトラクタを表示させているが、このような単純なプロットスケールでなく、もっと脳の認知に即したプロットスケールを任意に作り出して使用してもかまわない。たとえば、tは2箇所同じように使用しているが、同じ長さよりも異なっていたほうが、アトラクタを得易いというケースも存在する。すなわち、音楽は人間が聞くために作られているため、人間の脳にわかりやすいようにプロット方法を改善していくとが考えられる。その場合は、新たなに創られたターケンスプロットやターケンスプロットに類似する方法を用いてその逆変換によって再生成曲データを得るという技術思想は、本願の核心部分とまったく同じである。
次に、図11〜図15を参照してアトラクタ描画処理の動作を説明する。上述したターケンス・プロット表示処理により2次元の原曲データから3次元のアトラクタが生成され、図10に図示する一例のように、原曲データのアトラクタを描画し終えると、CPU50は図11に図示するアトラクタ描画処理のステップSDcに処理を進めアトラクタデータエリアをクリアしアトラクタ空間に表示されるアトラクタ軌道を消去する。
その後ステップSD1では、図13に図示するように、アトラクタ空間内にマウスカーソルをポインティングした状態でマウスの左ボタンをクリックすると、データがアトラクタ空間内に生成される。
このアトラクタ空間に描画される点の連なりである軌道は、ある点を生成させた瞬間に、x、y、zの座標に投影されるデータを生成することを意味するが、これらのデータはすべて前述のプロットスケールに従った時間におけるデータを修正したことになる。これはアトラクタの点を変更したと同時に、その点だけでなく、プロットスケールtおよび2tだけ遡ったデータも関連させて変更する必要性を意味する。このため、本発明ではこれらの過去に遡った関連するデータをアトラクタを描画したとき、プロットスケールとの整合性が保たれるように、同時に関係するデータの補正処理を行う。この補正処理を行うと、アトラクタを描画しながら、既に描画した過去のデータも自動変更されることになるため、これまで書いた軌道が自動的に変化する。
このように、アトラクタデータが生成されると同時に、生成させた複数のデータの座標位置に対して、その都度、ターケンスプロット条件に対して整合性が取れるように補正を行い、RAM70の描画アトラクタデータエリアに(音高値T1(x、y、z)〜音高値Tn(x、y、z))が(図13参照)保存されるとともに、見た目を良好にするため、例えばスプライン関数などによる内挿補間演算を施して複数の点をつなぎ、滑らかな軌道を表示させる。
次に、図16を参照して音高再生成処理の動作を説明する。この音高再生成処理は、今まで行ってきたターケンス・プロットとは逆の処理を行わせて、3次元相空間に描画された描画アトラクタから2次元の曲としての音高データを作り出すものである。
尚、本発明では、図11のアトラクタ描画処理でのステップSDcで消去したアトラクタデータと同じ時間の長さだけ描画を許可しているから最後の値をこれと同じのNを用いている。
場合によっては描画を消去したアトラクタよりも長く書かせる場合も考えられるがこの場合は描画アトラクタの最後の値をNとして用いてもかまわない。
さらに音高再生成処理でのアトラクタからの2次元相空間への処理についても上記プロットの逆の処理をすれば和音の生成が可能となる。
さらに本実施の形態ではアトラクタ空間を作成するために、わざわざ原曲データの音高データからターケンス・プロットを行うことで得ているが、あらかじめ、有用と思われるプロット条件を原曲番号とは異なる識別番号を付番することで、複数のプロット条件によるアトラクタ空間を作曲環境としてユーザが任意に選択でき、描画、再生成できるようにしても構わない。
20 操作部
30 表示部
40 鍵盤
50 CPU
60 ROM
70 RAM
80 サウンドシステム
Claims (5)
- 楽音の音高および当該楽音を発音及び消音すべきタイミングを表す時間データとからなる曲データを記億する記億手段と、
この記億手段に記億された曲データを時間軸及び音高軸を有する2次元相空間上に展開するとともに、当該展開された曲データに対して、供給されるプロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件に基づいてターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを実行することにより、アトラクタを生成するターケンス・プロット処理手段と、
このターケンス・プロット処理手段に対して異なるプロット条件を順次供給することにより、各プロット条件に基づいたアトラクタを生成させるように前記ターケンス・プロット処理手段を制御する制御手段と、
前記ターケンス・プロット処理手段により生成された複数種アトラクタの中から所定の条件を満足するアトラクタを選択するとともに、当該アトラクタを生成するために前記ターケンス・プロット処理手段に供給されたプロット条件を抽出するプロット条件抽出手段と、
前記n次元相空間上の任意の位置を連続して指定することにより生成される軌道を描画し、当該描画された軌道の前記n次元相空間上の座標を新たなアトラクタデータとして生成するアトラクタデータ生成手段と、
前記アトラクタデータ生成手段により生成された新たなアトラクタデータに対して、前記プロット条件抽出手段により抽出されたプロット条件を用いて前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、発音すべき楽音の音高および発音消音すべきタイミングを表す時間データとからなる新たな曲データを生成する曲データ生成処理手段と、
を具備する作曲装置。 - 前記プロット条件抽出手段は、
基本アトラクタデータを記憶した基本アトラクタデータ記憶手段と、
前記ターケンス・プロット処理手段により生成された複数種のアトラクタデータ夫々を座標として前記n次元相空間上に表わされた軌道と、前記基本アトラクタデータ記憶手段に記憶された基本アトラクタデータを座標として前記n次元相空間上に表わされた軌道との相関値を抽出する相関値抽出手段と、
この相関値抽出手段により抽出された相関値が最大となるプロット条件を抽出する抽出手段と、
からなる請求項1記載の作曲装置。 - 前記曲データ生成処理手段は、前記アトラクタデータ生成手段により生成された新たなアトラクタデータを構成する前記n次元相空間上の軌道の座標位置を最後から順次読み出し、当該読み出された最後の座標位置を表わすn個の軸上の位置夫々を、前記2次元相空間の時間軸上にプロットスケール値tの間隔をおいて指定されたn個のサンプリング位置夫々の音高値とし、その後座標位置が読み出される毎に前記n個のサンプリング位置を同時にリサンプリング時間Δtだけ時間軸上を順次シフトし、当該シフトされたn個のサンプリング位置夫々の音高値として、前記読み出された座標位置を表わすn個の軸上の各位置を割り当てる動作を繰り返す請求項1記載の作曲装置。
- 前記作曲装置はさらに、前記曲データのコード進行を抽出するコード進行抽出手段と、
前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理により得られた曲データの音高を、前記コード進行抽出手段より得られたコード進行に適合するように修正する修正手段と、
を備えた請求項1記載の作曲装置。 - 楽音の音高および当該楽音を発音及び消音すべきタイミングを表す時間データとからなる曲データを記億する記億手段を有するコンピュータに、
前記記億手段に記億された曲データを時間軸及び音高軸を有する2次元相空間上に展開するとともに、当該展開された曲データに対して、供給されるプロットスケール値t及びリサンプリング時間Δtから成るプロット条件に基づいてターケンスの埋め込み定理によるn(n>2)次元相空間への埋め込みを実行することにより、アトラクタを生成するターケンス・プロット処理ステップと、
このターケンス・プロット処理に対して異なるプロット条件を順次供給することにより、各プロット条件に基づいたアトラクタを生成させるように前記ターケンス・プロット処理手段を制御する制御ステップと、
前記生成された複数種アトラクタの中から所定の条件を満足するアトラクタを選択するとともに、当該アトラクタを生成するために前記ターケンス・プロット処理手段に供給されたプロット条件を抽出するプロット条件抽出ステップと、
前記n次元相空間上の任意の位置を連続して指定することにより生成される軌道を描画し、当該描画された軌道の前記n次元相空間上の座標を新たなアトラクタデータとして生成するアトラクタデータ生成ステップと、
前記生成された新たなアトラクタデータに対して、前記抽出されたプロット条件を用いて前記ターケンス・プロット処理の逆変換処理を行うことにより、発音すべき楽音の音高および発音消音すべきタイミングを表す時間データとからなる新たな曲データを生成する曲データ生成処理ステップと、
を実行させるプログラム。
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