JP5175764B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に対する冷却水の供給流量を調整する流量調整手段を備えてなる内燃機関の冷却装置に関する。
特許文献1には、ウォーターポンプからシリンダヘッド側ジャケットに冷却水を供給するシリンダヘッド側供給通路と、前記ウォーターポンプからシリンダブロック側ジャケットに冷却水を供給するシリンダブロック側供給通路との分岐部に、両通路に対する冷却水の分配を制御する分配制御弁を配置し、前記ウォーターポンプ及び分配制御弁を、シリンダヘッド側ジャケットとシリンダブロック側ジャケットの水温に応じて制御する冷却装置が開示されている。
特開2005−083239号公報
ところで、上記のように水温の検出結果に基づいて冷却水の供給流量を制御する場合、供給流量の変化に対応する水温の変化が検出されるようになるまでに時間遅れがあるため、目標温度に向けて高い応答で変化させつつ、オーバーシュートの発生を抑制することが難しいという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、応答性とオーバーシュートの抑制とを両立させることができる内燃機関の冷却装置を提供することを目的とする。
そのため、本発明に係る内燃機関の冷却装置では、冷却水温度の検出値と冷却水温度の目標値との偏差、冷却水温度の変化速度、及び、内燃機関の発熱量に基づいて、流量調整手段の操作量を演算し、該操作量を流量調整手段に出力するようにした。
上記発明によると、冷却水温度と目標値との偏差から、実際の冷却水を目標に近づけるために要求される操作量が求められる一方、冷却水温度の変化速度から過渡応答の特性を判断でき、これによって、応答性とオーバーシュートの抑制とを両立させることができる。また、内燃機関の発熱量に応じて操作量を演算することで、急激な温度変化を抑制でき、かつ、過剰に温度変化が抑制されてしまうことを低減できる。
第1実施形態における冷却装置の全体構成図である。 前記第1実施形態における操作流量の演算処理を示すフローチャートである。 前記第1実施形態における操作流量の演算処理を示すブロック図である。 前記第1実施形態に従って補正処理を行った場合の目標水温、実水温、水温変化速度、補正量の変化を示すタイムチャートである。 第2実施形態における冷却装置の全体構成図である。 前記第2実施形態における操作流量の演算処理を示すフローチャートである。 前記第2実施形態における目標水温の特性を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1実施形態における内燃機関の冷却装置の全体構成を示す。
この図1において、内燃機関1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド3を含んで構成され、シリンダブロック2には、シリンダブロック側ウォータージャケット4が形成され、シリンダヘッド3には、シリンダヘッド側ウォータージャケット5が形成されている。
また、ラジエータ6は、内燃機関1内で加熱された冷却水の熱を放熱するための放熱器であり、該ラジエータ6の出口6aには、吸入配管7の一端が接続され、前記吸入配管7の他端は、電動式のウォーターポンプ8の吸込口8aに接続されている。
尚、本願においては「冷却水」とは、LLC(Long Life Coolant)などの冷却液を含むものであるとする。
前記ウォーターポンプ8の吐出口8bには、供給配管9の一端が接続され、該供給配管9の他端は、前記シリンダブロック側ウォータージャケット4の入口4aに接続されている。
また、前記シリンダヘッド側ウォータージャケット5の出口5aには、戻し配管10の一端が接続され、前記戻し配管10の他端は、前記ラジエータ6の入口6bに接続されている。
前記ウォーターポンプ8はモータ11によって回転駆動され、吸入配管7側から冷却水を吸い込んで供給配管9側に冷却水を吐出し、内燃機関1(シリンダブロック側ウォータージャケット4及びシリンダヘッド側ウォータージャケット5)に向けて冷却水を圧送する。
前記ウォーターポンプ8から圧送される冷却水は、シリンダブロック側ウォータージャケット4を通過することで、シリンダブロック2の熱を奪い、更に、シリンダブロック側ウォータージャケット4とシリンダヘッド側ウォータージャケット5とを連通させる連通路12を介して、シリンダブロック側ウォータージャケット4からシリンダヘッド側ウォータージャケット5内に流入し、シリンダヘッド3の熱を奪う。
そして、シリンダブロック2及びシリンダヘッド3を冷却して温度上昇した冷却水は、シリンダヘッド側ウォータージャケット5の出口5aから排出され、戻し配管10を介して前記ラジエータ6に戻り、前記ラジエータ6で放熱して温度が低くなってから再びウォーターポンプ8によって吸い込まれて内燃機関1に供給される。
即ち、冷却水は、ラジエータ6→シリンダブロック側ウォータージャケット4→シリンダヘッド側ウォータージャケット5→ラジエータ6の経路(冷却回路)を循環して、内燃機関1の冷却を行う。
また、前記ウォーターポンプ8の吸込口8aと、前記ラジエータ6の出口6aとの間の吸入配管7と、前記戻し配管10とを連通させるバイパス配管12が設けられ、該バイパス配管12の吸入配管7に対する接続部には、冷却水温度が設定低温を下回る場合にバイパス配管12を開放し、ラジエータ6を迂回して冷却水を循環させるようにするサーモスタット13が設けられている。
前記サーモスタット13は、ワックスの熱膨張を利用して弁を開閉する開閉弁である。
但し、前記サーモスタット13に代えて電磁開閉弁を設け、後述する電子コントロールユニット(ECU)20からの信号で前記電磁開閉弁を開閉動作させることができる。
前記電子コントロールユニット20は、CPU、RAM、ROM、I/Oなどを含むマイクロコンピュータを備えて構成され、該電子コントロールユニット20には、前記内燃機関1内の冷却水の温度を検出する温度センサ21(検出手段)、内燃機関1の回転速度NEを検出する回転センサ22、内燃機関1の負荷を検出する負荷センサ23などからの信号が入力される。
尚、前記負荷センサ23とは、例えば、内燃機関1の吸気管負圧、スロットル開度、吸入空気量、燃料噴射量など、機関負荷を示す状態量として公知のものを検出するセンサが含まれる。
前記電子コントロールユニット20(制御手段)は、前記各種センサからの信号に基づいて、前記モータ11の操作量を演算し、該操作量によってモータ17を駆動制御することで、前記ウォーターポンプ8(流量調整手段)からの冷却水の吐出流量を制御する。
次に、前記電子コントロールユニット20によるモータ17(ウォーターポンプ8)の制御を、図2のフローチャートに従って詳細に説明する。
図2のフローチャートに示すルーチンにおいて、まず、ステップS101では、ウォーターポンプ8からの冷却水の吐出流量の基本値(基本流量)を演算する。
前記基本流量は、目標水温に応じて設定され、具体的には、目標水温が低いほど基本流量をより大きく設定し、目標水温が低い場合には冷却水の循環量が多くなるようにする。
前記目標水温は、前記温度センサ21で検出される冷却水温度の目標であり、前記電子コントロールユニット20(目標設定手段)は、前記目標水温を固定値として予め記憶するか、また、前記目標水温を内燃機関1の運転条件に応じて可変に設定する。
内燃機関1の運転条件に応じて目標値を可変に設定する例としては、冷却水温度が完暖温度に達するまでの冷機時には、前記目標水温を適正温度よりも高く設定することで、ウォーターポンプ8からの冷却水の吐出流量(冷却水の循環量)を少なく抑え、冷却水温度(機関温度)の昇温を早めるようにする一方、暖機後は、前記目標水温を暖機中よりも低い前記適正温度に設定して、前記適正温度を維持するようにし、更に、暖機後の高負荷・高回転運転時には、前記目標水温を前記適正温度よりも低い温度に設定することで、ポンプ8からの冷却水の吐出流量(冷却水の循環量)をより多くし、冷却水温度(機関温度)の過剰上昇を未然に防止できるようにする。
尚、基本流量を、目標水温と機関回転速度NEとに基づいて設定させることができ、目標水温が低いほど基本流量を大きくし、かつ、機関回転速度NEが高いほど、基本流量をより大きく設定することができる。
ステップS102では、温度センサ21で検出された冷却水温度と前記目標水温との偏差を、下式に従って算出する。
(式1)…水温偏差=水温検出値−目標水温
ステップS103では、温度センサ21で検出された冷却水温度の変化速度を、下式に従って算出する。
(式2)…水温変化速度=(今回の水温検出値−前回の水温検出値)/変化時間
尚、式2における変化時間とは、前回の水温検出時から今回の水温検出時までの経過時間であり、式2によって、単位時間当たりの水温変化量を演算する。
ステップS104では、前記式1に従って演算した水温偏差の絶対値が閾値A以下であり、かつ、前記式2に従って演算した水温変化速度の絶対値が閾値B以上であるか否かを判断する。
ステップS104の判断は、温度センサ21で検出される冷却水温度を前記目標水温に近づけるように、ウォーターポンプ8からの冷却水の吐出流量(冷却水の供給流量)を制御するフィードバック制御における、オーバーシュートの発生予測を行うものである。
即ち、水温偏差の絶対値が閾値A以下である状態は、実際の水温が目標水温を含む所定範囲内の値である状態であって、実際の冷却水温度が目標水温に充分に近づいている状態であり、係る状態で水温変化速度の絶対値が閾値B以上であって実際の水温が速い速度で変化していると、実際の水温が目標水温を通り過ぎて大きな偏差を発生させてしまう所謂オーバーシュートが発生することが予測される。
特に、目標水温よりも高い側に実際の水温がオーバーシュートすると、機関温度が過剰に高いオーバーヒート(過熱)状態になってしまい、ノッキング・潤滑不良・焼き付きなどの問題が生じる可能性がある。
そこで、ステップS104における閾値A,Bは、オーバーシュートの発生を水温偏差及び水温変化速度から予測できるように、予め実機又はシミュレーションに基づいて適合されている。
前記ステップS104で、水温偏差の絶対値が閾値A以下であり、かつ、水温変化速度の絶対値が閾値B以上であると判断された場合には、オーバーシュートが発生する可能性が高いと判断し、前記オーバーシュートの発生を抑制すべく、ステップS105へ進む。
ステップS105では、実際の水温が目標水温付近に収束したか否かを判断する。
前記収束判断においては、例えば、水温偏差の絶対値が閾値C(<閾値A)以下である状態が、所定時間以上継続している場合に、実際の水温が目標水温付近に収束していると判断する。
換言すれば、実際の水温が目標水温に近い値で安定している状態を、実際の水温の収束状態とする。
ステップS105で、実際の水温が目標水温付近に収束していないと判断された場合には、ステップS106へ進み、オーバーシュートの発生を抑制するための補正流量を、下式に従って演算する。
(式3)…補正流量=ゲイン×水温変化速度×基本流量
即ち、補正流量は、基本流量の所定割合の流量として演算され、水温変化速度の絶対値が大きいほどより絶対値の大きな値として算出され、水温変化速度が同じでもそのときの基本流量が多いほど絶対値の大きな値として算出され、ゲインによって水温変化速度を前記所定割合に変換している。
また、前記水温変化速度は、水温の上昇変化時はプラスの値として算出され、水温の減少変化時はマイナスの値として算出されるから、前記補正流量は、水温の上昇変化時は冷却水の流量を増大補正して水温の増大を抑制させるプラス補正項となり、水温の減少変化時には冷却水の流量を減少補正して水温の減少を抑制させるマイナス補正項となる。
前記ゲインは、補正流量による流量の補正設定により、急激な温度変化によるオーバーシュートの発生を抑制でき、かつ、過剰に温度変化を抑制することにならないような値として、予め適合されている。
そして、前記補正流量は、ステップS104からステップS105に初めて進み、ステップS105からステップS106に進んだ時点、即ち、水温偏差の絶対値が閾値A以下である温度領域内で温度変化速度が閾値B以上であると初めて判断された時点で演算され、後述するステップS109又はステップS115で零にリセットされるまでは、その値を保持するものとする。
これは、冷却水温度の変化速度が閾値B以上であることに基づいて補正流量(≠0)によって流量を補正した結果、変化速度が遅くなり、この変化速度の減少に基づいて補正流量の絶対値を小さく変更すると、再度変化速度が速くなり、再度補正流量(≠0)の絶対値を大きくすることになり、制御がハンチングしてしまうためである。
ステップS107では、実際の水温を目標水温に近づけるためのフィードバック補正項であるPI制御流量を、下式に示すように、前記水温偏差(制御エラー)に基づく比例・積分動作(PI動作)によって逐次更新演算する。
(式4)…PI制御流量=比例ゲイン×水温偏差+積分ゲイン×∫(水温偏差)dt
前記水温偏差は、式1に示したように、「水温偏差=水温検出値−目標水温」として算出されるから、前記PI制御流量は、水温検出値が目標水温よりも高い場合に流量を増大補正し、水温検出値が目標水温よりも低い場合に流量を減少補正することで、実際の水温を目標水温に近づけるように流量をフィードバック制御することになる。
ステップS108では、シリンダブロック側ウォータージャケット4とシリンダヘッド側ウォータージャケット5とに循環させる冷却水の目標流量である操作流量を、前記PI制御流量、補正流量、基本流量に基づき下式に従って演算し、演算後は再度ステップS105に戻って、目標水温に実際の冷却水の温度が収束したか否かを判断させる。
(式5)…操作流量=PI制御流量+補正流量+基本流量
前記電子コントロールユニット20は、前記操作流量に対応する吐出流量が得られるように、モータ11(ウォーターポンプ8)の回転速度を制御する。
ここで、「PI制御流量+基本流量」の流量が得られるようにウォーターポンプ8を制御することで、実際の水温を目標水温に追従変化させることができるが、流量変化に対応する水温の変化が温度センサ21で検出されるまでには応答遅れがあるため、オーバーシュートが発生してしまう可能性がある。
これに対し、前記補正流量による補正を加えれば、実際の水温が目標水温に近づいた状態(水温偏差の絶対値≦閾値Aの状態)での実際の水温の変化を抑制することになるから、実際の水温が目標水温付近に近づくまでは高応答で水温を変化させ、その後、変化速度を遅らせて目標水温に収束させることができ、オーバーシュートの発生を抑制できる。
特に、水温を目標水温に向けて上昇させる場合、実際の水温が目標水温を超えて過剰に高くなることが抑制されることで、オーバーヒート(過熱)によるノッキング・潤滑不良・焼き付きなどの発生を回避することが可能となる。
上記のように、水温変化速度による補正流量を操作流量に付加して、モータ11の回転(ウォーターポンプ8の吐出量)を制御する状態を、ステップS105で実際の水温が目標水温に収束したと判断されるようになるまで継続させる。
そして、ステップS105で実際の水温が目標水温に収束したと判断されると、ステップS109へ進み、補正流量を零にリセットし、水温変化速度に基づく流量の補正制御を停止させる。
次のステップS110では、収束判定直前の補正流量によって冷却水の流量を補正していた状態(補正流量≠0の状態)における内燃機関1の発熱量の変化方向を判定する。
内燃機関1の発熱量は、機関回転速度及び機関負荷から推定することができ、より詳細には、下式に従って演算する(発熱量推定手段)。
(式6)…機関発熱量=燃料噴射量×燃料の発熱量×冷却損失
式6において、燃料の発熱量は、内燃機関1において使用する燃料(ガソリン)の特性値として予め記憶させておき、また、機関回転速度NE及び機関負荷に応じて冷却損失を設定したマップを予め記憶させておき、前記マップからそのときの機関回転速度NE及び機関負荷に対応する冷却損失を検索させる。
更に、燃料噴射量は、内燃機関1に供給される燃料量であって機関負荷を示す状態量であるが、シリンダ吸入空気量に応じて燃料噴射量を設定するガソリン機関においては、燃料噴射量に代えてシリンダ吸入空気量を用いることができる。
尚、簡易的には、機関回転速度NEと機関負荷とに応じて発熱量を設定したマップから、そのときの機関回転速度NE及び機関負荷に対応する発熱量を検索させることができる。
また、ステップS110では、機関発熱量の変化方向を判定できればよいので、簡易な判定方法として、機関負荷の増大状態を機関発熱量の増大変化状態と見なし、また、機関負荷の減少状態を機関発熱量の減少状態と見なすことができる。
ステップS111では、補正流量によって冷却水の流量を補正していた状態(補正流量≠0の状態)における機関発熱量の変化方向と冷却水温度の変化方向とを比較し、両者が同じ方向に向けて変化していたか否か、換言すれば、機関発熱量の増大変化に対応して冷却水温度が上昇変化していたか、又は、機関発熱量の減少変化に対応して冷却水温度が減少変化していたかを判断する。
そして、機関発熱量の変化方向と冷却水温度の変化方向とが同じであった場合には、例えば、目標温度に向けて実際の冷却水温度を上昇させるべく冷却水の流量を制御していた状態で、機関発熱量も冷却水温度を上昇させる方向に変化していたことになり、補正流量分の補正が無くなると、目標水温付近に収束している冷却水温度を増大させることになる。
また、目標温度に向けて実際の冷却水温度を下降させるべく冷却水の流量を制御していた状態で、機関発熱量が冷却水温度を下降させる方向である減少変化を示していた場合には、補正流量分の補正が無くなると、目標水温付近に収束している冷却水温度を減少させることになる。
一方、機関発熱量の変化方向と冷却水温度の変化方向とが逆方向であった場合には、機関発熱量の変化は、冷却水温度の変化を妨げる方向に作用していたことになり、冷却水温度の変化速度に応じた補正流量は、機関発熱量の変化による冷却水温度の変化を抑制することにはならない。
そこで、機関発熱量の変化方向と冷却水温度の変化方向とが同じであった場合には、ステップS112へ進み、前記PI制御流量の積分項(積分動作分)に対し、零にリセットされる前の補正流量を付加し、該付加処理後の積分項(積分動作分)を前回値として、更新演算が行われるようにする。
上記積分項に補正流量分を反映させる処理を行うことで、目標水温付近に収束してからの冷却水温度の変動を抑制することができる。
ステップS113では、ステップS107と同様にしてPI制御流量を更新演算するが、積分項は、ステップS112で補正流量による補正が施された値を前回値として更新される。
ステップS114では、前記式5に従って操作流量を演算するが、補正流量はステップS109で零にリセットされているので、実質的には、下式に従って操作流量が算出されることになる。
(式7)…操作流量=PI制御流量+基本流量
また、ステップS111で、機関発熱量の変化方向と冷却水温度の変化方向とが逆方向であったと判断された場合には、冷却水温度の変化速度に応じた補正流量を積分項に反映させる必要はないので、ステップS116へ進んで、PI制御流量を、ステップS105で収束判定される直前の積分項を前回値として、更新演算させる。
更に、ステップS117では操作流量を式5に従って演算するが、前記補正流量を零としたステップS109での処理に基づき、実質的には式7に従って操作流量を演算する。
一方、ステップS104で、水温偏差の絶対値が閾値Aよりも大きいと判断されるか、及び/又は、水温変化速度の絶対値が閾値B未満であると判断された場合、即ち、実際の冷却水温度が目標水温から離れている場合、及び/又は、水温変化速度が遅い場合には、変化速度に応じた補正流量による補正は不要であると判断し、ステップS115へ進んで、前記補正流量を零に設定する。
例えば、水温偏差の絶対値が閾値A以下であって、実際の冷却水温度が目標水温に近づいているとしても、そのときの水温変化速度の絶対値が閾値B未満である場合には、オーバーシュートが発生することはなく、目標水温に収束するものと見込まれるので、前記変化速度に応じた補正流量で流量を補正する必要はない。
また、水温変化速度の絶対値が閾値B以上であっても、水温偏差の絶対値が閾値Aよりも大きく、実際の冷却水温度が目標水温から充分に離れている場合には、目標水温に向けての変化を抑制する必要はなく、むしろ、その状態を維持することで目標水温に高い応答で近づけることができるので、補正流量による流量の補正は行わない。
更に、水温偏差の絶対値が閾値Aよりも大きく、実際の冷却水温度が目標水温から充分に離れていて、かつ、水温変化速度の絶対値が閾値B未満であれば、水温変化を抑制する必要性がなく、この場合も補正流量による流量の補正は行わない。
ステップS116では、PI制御流量を更新演算し、ステップS117では操作流量を式5に従って演算するが、ステップS115で補正流量を零にしたので、実質的には、前記式7に従って操作流量を演算する。
尚、上記実施形態では、操作流量に応じて流量調整手段としてのウォーターポンプ8の吐出量を制御したが、モータ11の回転速度を一定としておいて、前記供給配管9に介装させた流量制御弁(流量調整手段)の開度によって、内燃機関1(シリンダブロック側ウォータージャケット4及びシリンダヘッド側ウォータージャケット5)に供給される冷却水の流量を変化させることができ、更に、前記モータ11の回転速度(ポンプの吐出量)の制御と、前記流量制御弁の開度制御とを組み合わせて、前記操作流量に対応する流量の冷却水を内燃機関1に供給させることができる。
図3は、図2のフローチャートに示した、水温変化速度に基づき補正流量を演算し、該補正流量に基づいて操作流量を補正する機能を示すブロック図である。
図3において、温度センサ(冷却水温検出装置)21で検出された実際の水温と、目標水温との偏差が、第1演算器31において演算され、前記偏差は、PI制御流量演算部32に出力される。
前記PI制御流量演算部32では、前記偏差に基づく比例・積分動作によって、実際の冷却水温度を目標水温に近づけるように、PI制御流量を演算して出力する。
また、水温変化速度演算部33では、温度センサ21で検出された実際の水温の変化速度を演算し、演算した変化速度を補正流量演算部34に出力する。
前記補正流量演算部34では、前記変化速度及び水温偏差に基づいて、水温変化を抑制するための補正流量を演算し出力する。
尚、前記補正流量による補正は、前述のように、水温偏差の絶対値が閾値A以下であり、かつ、水温変化速度の絶対値が閾値B以上でなった時点で開始され、実際の水温が目標水温に収束するまで継続される。
第2演算器35では、前記PI制御流量演算部32で演算されたPI制御流量と、前記補正流量演算部34で演算された前記補正流量とを加算する。
前記第2演算器35における加算結果は、ゼロリミット部36に出力され、ゼロリミット部36では、前記加算結果がマイナスの場合に零にリセットする処理を行い、「PI制御流量+補正流量」がマイナスの流量として出力されることを回避する。
また、基本流量演算部37では、前記目標水温に基づいて基本流量を演算し、該基本流量と前記ゼロリミット部36を通過した「PI制御流量+補正流量」が第3演算器38で加算され、該加算結果が操作流量として流量制御装置(流量調整手段)39に出力される。
前記流量制御装置39は、前述のように、ウォーターポンプ8(モータ11)及び/又は流量制御弁で構成され、前記操作流量に従って、内燃機関1の冷却回路40(シリンダブロック側ウォータージャケット4及びシリンダヘッド側ウォータージャケット5)に供給される冷却水の流量を制御する。
図4のタイムチャートは、図2のフローチャートに示したルーチンに従って冷却水の流量を制御した場合の水温、水温偏差、水温変化速度、補正流量、積分項の変化を示す。
図4において、時刻t1においては、目標水温よりも実際の水温が低いが、目標水温と実際の水温との偏差の絶対値が閾値Aよりも大きいため、補正流量は零に設定される。
一方、時刻t1から時刻t2に達するまでの間におけるPI制御流量によるフィードバック制御によって、時刻t2において、目標水温と実際の水温との偏差の絶対値が閾値Aに一致するようになり、かつ、時刻t2の時点で算出された水温変化速度の絶対値(水温の増大速度)が閾値B以上であるため、そのときの水温変化速度に基づいて補正流量が演算され、該補正流量に基づいて操作流量を補正する。
時刻t2では、水温が上昇変化しているため、係る水温の上昇変化を冷却水流量の増大によって抑制すべく、補正流量は、冷却水流量を増大補正することになるプラスの値に算出される。
そして、前記補正流量による操作流量の増大補正によって、実際の冷却水温度が目標水温を大きくオーバーしてしまう(目標水温よりも大幅に高くなってしまう)ことなく、目標水温付近に収束する。
時刻t3の時点で、実際の冷却水温度が目標水温に収束したと判断されると、補正流量を零にリセットするが、時刻t2から時刻t3までの補正流量による補正期間で、内燃機関1の発熱量の変化方向と水温の変化方向とが同じである(補正期間で機関発熱量が増大していてかつ水温が増大していた)と判断されることで、積分項に前記補正流量を付加して(積分項を補正流量分だけ増大補正し)更新させるようする。
前記補正流量による積分項の補正によって、実際の水温が目標水温に収束した後での水温変化を抑制することができる。
時刻t4では、目標水温がそれまでよりも高い値に変更されるが、実際の水温を更新後の目標水温に追従変化させる状態で、水温変化速度の絶対値が閾値B以上になることがなく、このため補正流量は零を保持する。
一方、時刻t5では、目標水温が時刻t1の時点での目標水温よりも低い値に変更され、その結果、目標水温と実際の水温との偏差の絶対値が閾値Aよりも大きい状態に切り替わる。
そして、前記水温偏差を解消すべくPI制御流量によるフィードバック制御が行われ、時刻t6に時点で、目標水温と実際の水温との偏差の絶対値が閾値Aに一致するようになり、かつ、時刻t6の時点で算出された水温変化速度の絶対値(水温の減少速度)が閾値B以上であるため、そのときの水温変化速度に基づいて補正流量が演算され、該補正流量に基づいて操作流量を補正する。
時刻t6では、水温が下降変化しているため、係る水温の下降変化を冷却水流量の減少によって抑制すべく、補正流量は、冷却水流量を減少補正することになるマイナスの値に算出される。
そして、前記補正流量による操作流量の減少補正によって、実際の冷却水温度が目標水温を大きくオーバーしてしまう(目標水温よりも大幅に低くなってしまう)ことなく、目標水温付近に収束する。
時刻t7の時点で、実際の冷却水温度が目標水温に収束したと判断されると、補正流量を零にリセットするが、時刻t6から時刻t7までの補正流量による補正期間で、内燃機関1の発熱量の変化方向と水温の変化方向とが同じである(補正期間で機関発熱量が減少していてかつ水温が減少していた)と判断されたことで、積分項に前記補正流量を付加して(積分項を補正流量分だけ減少補正し)更新させるようする。
図5は、第2実施形態における内燃機関の冷却装置の全体構成を示す。
尚、図5においては、図1に示した構成要素と同一のものには、同一符号を付してある。
図5に示す第2実施形態は、シリンダブロック側ウォータージャケット4とシリンダヘッド側ウォータージャケット5とが相互に独立して形成されており、換言すれば、相互に独立の2つの冷却回路を備えて構成される。
そして、ウォーターポンプ8から吐出された冷却水が、シリンダブロック側ウォータージャケット4とシリンダヘッド側ウォータージャケット5とにそれぞれ分配されて供給され、かつ、シリンダブロック側ウォータージャケット4とシリンダヘッド側ウォータージャケット5とを連通させる通路が設けられず、シリンダブロック側ウォータージャケット4から排出された冷却水とシリンダヘッド側ウォータージャケット5から排出された冷却水とが合流してラジエータ6に戻されるように構成されている。
詳細には、前記ウォーターポンプ8の吐出口8bに一端が接続される供給配管9が、途中から第1供給配管9aと第2供給配管9bとの2つに分岐し、第1供給配管9aは、シリンダヘッド側ウォータージャケット5の入口5bに接続され、第2供給配管9bは、シリンダブロック側ウォータージャケット4の入口4aに接続される。
また、供給配管9が第1供給配管9aと第2供給配管9bとに分岐する部分には、分配制御弁15が設けられている。
前記分配制御弁15は、前記ウォーターポンプ8から吐出された冷却水のうち、シリンダヘッド側ウォータージャケット5(第1供給配管9a)に供給する流量と、シリンダブロック側ウォータージャケット4(第2供給配管9b)に供給する流量との比(分配比)を制御する弁(流量調整手段)である。
前記分配制御弁15は、ロータリーバルブによって前記分配比を変化させる構成とすることができる他、相互に独立に開度制御される開閉弁を、第1供給配管9aと第2供給配管9bとのそれぞれに備えて構成することができる。
更に、シリンダヘッド側ウォータージャケット5の出口5aには、第1戻し配管10aの一端が接続され、また、シリンダブロック側ウォータージャケット4の出口4bには、第2戻し配管10bの一端が接続され、前記第1戻し配管10aの他端と前記第2戻し配管10bの他端とが合流して、戻し配管10の一端に接続され、前記戻し配管10の他端が、前記ラジエータ6の入口6bに接続される。
また、前記第2戻し配管10bには、シリンダブロック側ウォータージャケット4からラジエータ6の入口6bに向かう冷却水の流れを許容し、逆方向の流れを遮断するチェックバルブ(一方向弁)16が介装されている。
尚、図1に示した第1実施形態は、シリンダブロック側ウォータージャケット4とシリンダヘッド側ウォータージャケット5とを連通させる連通路12を備えるが、図5に示す第2実施形態では前記連通路12を備えず、シリンダブロック側ウォータージャケット4からシリンダヘッド側ウォータージャケット5に向けて、及び、シリンダヘッド側ウォータージャケット5からシリンダブロック側ウォータージャケット4に向けて、冷却水が流れることはない。
前記電子コントロールユニット20には、第1実施形態と同様に、内燃機関1の回転速度NEを検出する回転センサ22、内燃機関1の負荷を検出する負荷センサ23からの信号が入力されると共に、シリンダブロック側ウォータージャケット4内の冷却水の温度を検出するブロック側温度センサ21aと、シリンダヘッド側ウォータージャケット5内の冷却水の温度を検出するヘッド側温度センサ21bからの信号が入力される。
そして、電子コントロールユニット20は、シリンダブロック側ウォータージャケット4内の冷却水の温度を目標水温とするための操作流量と、シリンダヘッド側ウォータージャケット5内の冷却水の温度を目標水温とするための操作流量とを個別に演算し、ブロック側の操作流量とヘッド側の操作流量とから、前記ウォーターポンプ8の吐出量及び前記分配制御弁15を制御する。
図6のフローチャートは、第2実施形態における操作流量の演算処理を示す。
ステップS201では、シリンダブロック側の目標水温及びシリンダヘッド側の目標水温をそれぞれに設定する。
ステップS201での目標水温の設定処理は、図7に示すようにして行われる。
図7に示すように、内燃機関1の温度条件として、冷機(COLD)・暖機後(HOT)・耐熱の3種類に区分し、更に、内燃機関1の運転状態として、始動・ファーストアイドル・定常・WOT(全開)のいずれかに区別して、目標水温として高水温・中水温・低水温(高水温>中水温>低水温)の3種類のいずれかを設定する。
具体的には、冷機(COLD)であってWOT(全開)以外の運転状態であれば、シリンダブロック側の目標水温及びシリンダヘッド側の目標水温を共に高水温に設定することで、冷却水流量を絞り、内燃機関1(冷却水)の温度が速やかに上昇するようにする。
また、冷機(COLD)であってWOT(全開)である場合、及び、暖機後(HOT)の全運転状態においては、シリンダヘッド側の目標水温を中水温に設定することで、圧縮比向上による燃費性能の向上を図り、シリンダブロック側の目標水温を高水温に設定することで、熱効率向上による燃費性能の向上を図る。
換言すれば、暖機完了後は、シリンダブロック2の温度をシリンダヘッド3の温度よりも高く保つようにすることで、圧縮比が低下することを抑制しつつ、熱効率を高めることができるようにする。
更に、耐熱条件では、速やかに温度を低下させることが要求されるので、目標水温を低温に設定し、目標水温が実際の水温よりも大幅に低くなることで、冷却水の流量を大きく増やすようにし、これによって、オーバーヒート(過熱)による不具合の発生を速やかに抑制できるようにする。
上記のようにして、シリンダブロック側の目標水温及びシリンダヘッド側の目標水温をそれぞれに設定すると、次のステップS202では、前記図2のフローチャートに従って、シリンダヘッド側ウォータージャケット5において要求される操作流量(目標流量)を演算する。
前記ステップS202における操作流量の演算においては、シリンダヘッド側の目標水温と、ヘッド側温度センサ21bで検出されるシリンダヘッド側ウォータージャケット5内の冷却水温度に基づいて、操作流量が演算される。
また、次のステップS203では、前記図2のフローチャートに従って、シリンダブロック側ウォータージャケット4において要求される操作流量(目標流量)を演算する。
前記ステップS203における操作流量の演算においては、シリンダブロック側の目標水温と、ブロック側温度センサ21aで検出されるシリンダブロック側ウォータージャケット4内の冷却水温度に基づいて、操作流量が演算される。
ステップS204では、シリンダヘッド側の操作流量(目標流量)と、シリンダブロック側の操作流量(目標流量)との総和に基づいてモータ11を制御し、シリンダヘッド側の操作流量とシリンダブロック側の操作流量との対比に基づいて前記分配制御弁15を制御する。
即ち、シリンダヘッド側ウォータージャケット5に供給することが要求されている冷却水の流量と、シリンダブロック側ウォータージャケット4に供給することが要求されている冷却水の流量との総和が、ウォーターポンプ8から吐出させるべき流量であり、ウォーターポンプ8から吐出された冷却水を、シリンダヘッド側の操作流量とシリンダブロック側の操作流量との比に応じた分配比で、シリンダブロック側ウォータージャケット4とシリンダヘッド側ウォータージャケット5とに分配する。
これにより、シリンダブロック側の目標水温と、シリンダヘッド側の目標水温とを、それぞれに個別に実現できると共に、各目標水温に対するオーバーシュートの発生を抑制しつつ、各目標水温に応答良く収束させることができる。
従って、特に、暖機後のシリンダブロック側の温度を、過剰に高くなることを抑制しつつ高温に維持することができ、オーバーヒート(過熱)を避けながら高い熱効率で運転させることができる。
尚、例えば、シリンダヘッド側の操作流量とシリンダブロック側の操作流量との総和が、ウォーターポンプ8の最大吐出量よりも多い場合には、オーバーヒート(過熱)状態(耐熱温度限界)により近い側の要求流量を優先的に増やすべく、分配比を変更することができる。
即ち、シリンダヘッド側の操作流量とシリンダブロック側の操作流量との総和が、ウォーターポンプ8の最大吐出量よりも多い場合には、操作流量比に基づいて冷却水を分配すると、双方で実際に得られる冷却水の流量が操作流量(目標流量)よりも不足することになる。
ここで、シリンダヘッド側とシリンダブロック側との一方がオーバーヒート(過熱)状態(耐熱温度限界)に近い場合には、他方はオーバーヒート(過熱)状態(耐熱温度限界)になるまでに余裕があるから、一方の温度低下を優先させるべく、一方の操作流量をそのまま実現させ、最大吐出量のうちの残りを他方に供給させるようにするか、一方に供給される冷却水を操作流量比に対応する流量よりも増量し、該増量分だけ他方への供給量を減少させる。
ここで、シリンダヘッド側の耐熱温度限界とシリンダブロック側の耐熱温度限界とは、異なる温度とすることができる。
また、操作流量よりも実際に供給する流量を減らす場合には、実際の流量が最小限界値を下回ることがないように制限し、更に、前記最小限界値を、耐熱限界温度とそのときの冷却水温度との差や、内燃機関1の運転条件に応じて可変に設定することができる。
また、上記の構成の冷却装置において、異常発生に対する対策として、前記分配制御弁15がロータリーバルブである場合には、デフォルト位置(通電停止状態)でシリンダヘッド側とシリンダブロック側との分配比が基準の分配比になるように設定し、また、前記分配制御弁15がシリンダヘッド側とシリンダブロック側とに個々に設けられる開閉弁である場合には、これらの開閉弁のデフォルト位置を全開位置に設定する。
そして、異常発生時には、ウォーターポンプ8の吐出量が最大吐出量となるようにモータ11を制御し、かつ、分配制御弁15をデフォルト位置とする。
ここで、冷却装置の異常状態の判定方法としては、操作流量の変化に対する水温検出値の変化の特性が、初期状態から大きく変化している場合に異常を判定させることができ、また、ノッキングセンサによりノッキングの発生が検出された場合に異常を判定させることができ、更に、吸気温の検出値と水温の検出値とからプレイグニッションの発生を推定した場合に異常を判定させることができる。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項3記載の内燃機関の冷却装置において、
前記制御手段が、
前記冷却水温度の検出値と前記目標値との偏差に基づいて演算される操作量を、前記冷却水温度の変化速度に基づく補正操作量で補正すると共に、
前記発熱量の変化方向と同方向への前記冷却水温度の変化を抑制するための前記補正操作量に基づいて、前記冷却水温度の収束後の操作量を補正することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
上記発明によると、急激な温度変化を抑制でき、かつ、過剰に温度変化が抑制されてしまうことを低減できる。
(ロ)請求項1〜3,(イ)のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却装置において、
前記流量調整手段が、流量制御弁又はウォーターポンプであることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
上記発明によると、内燃機関に対する冷却水の供給流量を、流量制御弁の開度調整(開口面積の調整)又はウォーターポンプの吐出量の調整によって調整できる。
(ハ)請求項1〜3,(イ)のいずれか1つに記載の内燃機関の冷却装置において、
前記流量調整手段が、複数の冷却回路への冷却水の分配を行うことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
上記発明によると、複数の冷却回路への冷却水の分配を行うことで、制御対象とする冷却回路に供給される冷却水の流量を増減し、前記制御対象とする冷却回路における冷却水温度を制御できる。
(ニ)請求項(ハ)記載の内燃機関の冷却装置において、
前記制御手段が、前記複数の冷却回路それぞれでの要求流量を演算し、過熱を回避するための要求流量を優先的に実現するように、前記流量調整手段に操作量を出力することを特徴とする内燃機関の冷却装置。
上記発明によると、複数の冷却回路のうち、過熱を回避するために冷却水の供給流量の増量を要求する冷却水回路がある場合には、他の増量要求に優先して、この過熱回避が要求される冷却水回路に対して優先的に冷却水を供給することで、過熱の発生を低減できる。
1…内燃機関、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、4…シリンダブロック側ウォータージャケット、5…シリンダヘッド側ウォータージャケット、6…ラジエータ、8…ウォーターポンプ、9…供給配管、10…戻し配管、11…モータ、12…連通路、20…電子コントロールユニット、21…温度センサ、22…回転センサ、23…負荷センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関に対する冷却水の供給流量を調整する流量調整手段と、
    前記冷却水の温度を検出する検出手段と、
    前記冷却水温度の目標値を設定する目標設定手段と、
    前記内燃機関の発熱量を推定する発熱量推定手段と、
    前記検出手段で検出された冷却水温度と前記目標設定手段で設定された冷却水温度の目標値との偏差、前記検出手段で検出された冷却水温度の変化速度、及び、前記発熱量推定手段で推定された内燃機関の発熱量に基づいて、前記流量調整手段の操作量を演算し、該操作量を前記流量調整手段に出力する制御手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 前記制御手段が、前記冷却水温度が前記目標値を含む所定範囲内であるときに、前記変化速度が速いほど、冷却水温度の変化を抑制する方向に操作量を大きく補正することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
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