企業等の施設では入荷した荷物の伝票から宛先(届け先)を識別して,宛先(届け先)に対して受け取りを指示する通知を宛先に対して通知する技術は上記特許文献2に示す技術により実現しているが,宛先として特定された氏名の従業員に対して通知が送られ,その特定の氏名の従業員による荷物の受け取りを行うようになっており,宛先(届け先)の人が受け取りに来れない場合は荷物がそのまま受け付けをしたシステムの近くの荷物置場(保管場所)に長期間置かれた状態になることがあるという問題がある。また,荷物を受取る場合に荷物置場が分からなくて困る場合もあった。なお,上記特許文献1に示すシステムでは,配送物を施設内の物流センタで受け取って,そこから更に荷受人のところまで配達しており宛先の人が保管場所に受け取りにくる必要がなかったが,多くの企業においては,配送物を受け付けた人が該配送物の受け渡し場所に配送物を置いた上で該配送物の宛先に通知し,該通知を受けた宛先が上記受け渡し場所を訪れて,該配送物を必要な場所まで運んでいく仕組みになっており,通知を受けた宛先の人が配送物を保管場所に出向いて受け取る必要があった。この問題は運送会社(宅配会社を含む)により配送される各種の物品が梱包された荷物だけでなく,封書,ダイレクトメール,紙葉の郵便物等の文書についても,企業等の入荷した荷物を受け取る施設において保管し,宛先の人が保管場所に出向いて受け取る必要があった。
一方,従来の企業等の入・出荷の荷物を受け付ける施設では,荷物と共に受け取った伝票(納品書の場合もある)を束にして保管し,入・出荷の荷物に関する請求書が運送業者から来ると,請求書(着払いの場合)の内容を伝票(納品書)の内容と照合して請求金額や関連する各種の請求書のデータを登録し,部門別の集計や,全体の集計処理等をしていた。なお,入荷の場合だけでなく,企業の各部署から出荷される荷物についても伝票が発行されて出荷した後,請求書(発払いの場合)が来ると入荷時と同様に伝票の内容と請求書の内容を照合し,データ入力をして集計する等の処理を行っており,入・出荷の荷物に関する請求書の処理に人手と手間を要した。この請求書の処理については,特許文献1においては運送業者に対する集荷手数料の請求書を発行するもので,特定の計算式による料金算出の手法が示されている。
本発明は企業等の施設において入・出荷した荷物の伝票(納品書)や請求書から得られた情報を用いて費用負担を伴う場合を含む請求書の処理を効率的に行うと共に,入荷した荷物(封書等の文書を含む)を宛先の受取人に限定されず,代理人等により受取ることができ,受取ったことを宛先にメールで通知する等の管理をすることができる入・出荷荷物管理システム及び入・出荷荷物管理プログラムを提供することを目的とする。
本発明は企業等の施設に設けられた入・出荷荷物の受渡しを管理をする入・出荷荷物管理システムにおいて,入荷した荷物の伝票の画像から宛先(届け先)を読み取り,出荷した荷物の伝票の画像から発送元を読み取り,入・出荷の種別及び支払い元を識別して支払いが生じない荷物に関する情報と支払いが必要な荷物について各荷物情報を荷物情報格納部に登録し,支払いが必要な荷物について支払情報を荷物情報と関係付けて支払情報を支払情報格納部に登録すると共に,請求書の画像の読み取り結果または請求データの取込みに基づいて各請求レコードを請求情報格納部に登録し,各請求レコードの内容について請求情報格納部と支払情報格納部に存在するかのチェックをし,チェック結果に応じて支払情報格納部のレコードを更新する入・出荷管理部と,支払情報格納部の各レコードに関連付けられた荷物情報格納部の荷物情報または請求情報格納部の請求レコードを取り出して,請求詳細情報を出力する請求管理部とを備える。
好ましくは,入・出荷荷物管理システムは,請求情報格納部への請求情報の登録時に伝票番号,計上年月,運送会社を含む登録を前記入・出荷管理部において行い,請求管理部により請求情報格納部から伝票番号毎または負担元別(例えば,会社内の所属が負担元となる)の請求情報を出力する。
更に,この入・出荷荷物管理システムは,入・出荷管理部で支払情報格納部に荷物情報のレコードを登録する際,荷物情報の運送会社コードと伝票番号の組合せが,支払情報格納部に既に存在するかチェックして,存在すると該当レコードを当該レコードの情報で更新し,存在しないと荷物情報のみを含む支払レコードを追加して,支払情報の登録が実行される。
また,入・出荷荷物管理システムは,入荷した配送物の伝票の画像から入荷荷物の宛先を読み取り,予め記憶された従業員情報を参照して受取人を選定して,荷物置場を含む荷物情報を荷物情報格納部に登録する入荷荷物管理部と,入荷荷物の受取人を宛先として前記荷物置場を含む荷物受取を促すメールを送信する通知部を駆動し,メールを受けた受取人により操作される端末からのログインに対し,当該受取人に対応した未受取状態の荷物情報の一覧画面を提示した状態で,未受取状態の他人宛または自分宛の荷物情報から自分宛の荷物の受取りか,他人宛の荷物の受取りの入力があると,荷物情報格納部の情報を受取済に更新し,他人宛の荷物の受取りに対して,本来の受取人に対し代理人による受取を表すメール送信を行う荷物受取管理部を備えるよう構成したものである。
好ましくは,この入・出荷荷物管理システムは,予め受取人へのメール送信の可否,メール送信の運用曜日,送信時間等の条件を表す情報が設定されたマスタ・環境設定情報格納部を備え,荷物受取管理部は,前記マスタ・環境設定情報格納部を参照し,設定された条件を満たすことを検出するとメール送信対象荷物毎にメールを送信するよう前記通知部を制御する。
更に,入・出荷荷物管理システムは,入荷した配送物の伝票の画像を読み取り,該伝票の画像から入荷荷物の宛先を読み取り,予め記憶された従業員情報を参照して受取人を選定して荷物情報を荷物情報格納部に登録する入荷荷物管理部と,荷物の宛先になる各従業員に対して所属するグループ別に荷物受取の代表者,代表者へのメール送信の可否,メール送信の運用曜日,送信時間等の条件を表す情報を設定したマスタ・環境設定情報格納部と,前記入荷荷物の宛先を受取人とする荷物受取の管理を行う荷物受取管理部を備え,前記荷物受取管理部は,前記マスタ・環境設定情報格納部を参照し,設定された条件を満たすことを検出すると前記代表者への代表者による一括受取を促すメールを通知する通知部を駆動し,前記メールを受けた代表者により操作される端末からのログインに対し,当該代表者が代表となっている所属するグループの従業員宛の未受取の荷物情報の一覧画面を提示した状態で,選択された荷物について受取の入力があると,前記荷物情報格納部の前記選択した荷物を受取済の状態に設定するよう構成したものである。
好ましくは,前記荷物受取管理部は,前記代表者へのメール送信の条件を満たす場合に,代表者に対して設定された複数のキーと,各キーに対応した送信フラグが設けられ,該送信フラグに送信日時が設定可能に構成された代表者メール管理テーブルを参照し,各キーの送信フラグの日時を,現在日時と照合して過去の日時について新たな日時に更新し,前記代表者メール管理テーブルに設定された送信フラグの送信日時になったことを検出すると,従業員情報格納部から代表者の従業員を検出して前記通知部を駆動して代表者メールを送信する。
また,入・出荷荷物管理システムにおいて,入荷した配送物の伝票の画像を読み取り,該伝票の画像から入荷荷物の宛先を読み取り,予め記憶された従業員情報を参照して受取人を選定して荷物情報を荷物情報格納部に登録する入荷荷物管理部と,当該入・出荷荷物管理システムの荷物管理者により荷物情報格納部の情報について管理対象とする事業所,所属,届け先の氏名,送り元等の項目の中の何れかの項目により検索を行い,検索された荷物情報の一覧から選択した荷物について前記荷物管理者による一括受取の入力があると,荷物情報の中の選択した荷物についての状態を受取済に設定する受取管理部を備える。
また,他事業所または他支店において指定された期間に発生した入・出荷の荷物情報の入力を格納するデータファイルを備え,前記データファイルの荷物情報をレコード毎に読み込んで,各レコードに付いてフォーマット及びデータの重複についてチェックをして重複がないとレコードを当該システムの荷物情報格納部に追加すると共に,各レコードについて支払いが必要なものについては,当該システムの支払情報格納部の内容と関連するかチェックし,関連がある場合は元の支払いレコードを更新し,関連がないと荷物情報に対して新たな支払情報を追加して,他事業所または他支店の入・出荷荷物に関する支払情報を一つの支払情報格納部に取込むデータ管理部を備える。
また,入・出荷荷物の受渡しを管理する入・出荷荷物管理プログラムは,コンピュータに,入荷した荷物の伝票の宛先及び出荷荷物の伝票の発送元を読み取った入力から支払いが生じない荷物と支払いが必要な荷物について各荷物情報を荷物情報格納部に登録する処理と,支払いが必要な荷物について支払情報を荷物情報と関係付けて支払情報格納部に登録する処理と,請求書の読み取り結果または請求データの取込みに基づく各請求レコードを請求情報格納部に登録し,前記各請求レコードの内容について前記請求情報格納部と支払情報格納部に存在するかのチェックをし,チェック結果に応じて支払情報格納部のレコードを更新する処理と,支払情報格納部の各レコードに関連付けられた荷物情報格納部の荷物情報または請求情報格納部の請求レコードを取り出して,請求詳細情報を出力する処理と,を実行させる。
更に,入・出荷荷物の受渡しを管理する入・出荷荷物管理プログラムは,コンピュータに,入荷した荷物の宛先を読み取って予め記憶された従業員情報を用いた届け先を選定して荷物情報を荷物情報格納部に登録する処理と,前記入荷荷物の受取人に対し荷物受取を促すメールを送信する処理と,前記メールを受けた受取人本人または代理人によるログインがあると,未受取状態の他 人宛または自分宛の荷物情報から自分宛の荷物の受取りか,他人宛の荷物の受取りの入力に対して,前記荷物情報格納部の情報を受取済に更新し,前記他人宛の荷物の受取りに対して,本来の受取人に対し代理人による受取を表すメールを送信する処理と,を実行させる。
また,入・出荷荷物管理プログラムは,コンピュータに,入荷した荷物の伝票の画像を読み取って届け先を含む荷物情報を荷物情報格納部に登録する処理と,予めマスタ・環境設定情報として設定された届け先の各従業員に対して所属するグループ別に荷物受取の代表者の指定,代表者へのメール送信の可否,メール送信の運用曜日,送信時間等の条件を表す情報を参照し,設定された条件を満たすことを検出すると代表者への一括受取を促すメールを送信する処理と,前記メールを受けた代表者による操作される端末からのログインに対し,当該代表者が代表となっている所属するグループの従業員宛の未受取の荷物情報の一覧画面を提示した状態で,選択した荷物について受取の入力があると,前記荷物情報格納部の前記選択した荷物を受取済の状態に設定する処理と,を実行させる。
更に,入・出荷荷物管理プログラムは,コンピュータに,入荷した配送物の伝票の画像を読み取り,該伝票の画像から入荷荷物の宛先を読み取り,予め記憶された従業員情報を参照して受取人を選定して荷物情報を荷物情報格納部に登録する処理と,当該入・出荷荷物管理システムの荷物管理者により前記荷物情報格納部の情報について管理対象とする事業所,所属,届け先の氏名,送り元等の項目の中の何れかの項目により検索を行い,検索された荷物情報の一覧から選択した荷物について一括受取の入力があると,前記荷物情報の中の選択した荷物についての状態を受取済に設定する処理と,を実行させる。
また,入・出荷荷物管理プログラムは,コンピュータに,他事業所または他支店において指定された期間に発生した入・出荷の荷物情報をデータファイルに格納する処理と,前記データファイルの荷物情報をレコード毎に読み込んで,各レコードに付いてフォーマット及びデータの重複についてチェックをして誤りがあるとエラーレコードファイルに格納し,誤りがないとレコードを当該システムの荷物情報格納部に追加する処理と,前記各レコードについて支払いが必要なものについて,当該システムの支払情報格納部の内容と関連するかのチェックをし,関連がある場合は元の支払いレコードを更新し,関連がないと荷物情報に対して新たな支払い情報を追加する処理と,を実行させる。
また,企業が業務に必要な物品(文房具,パソコン,各種の備品等)を購入して,それらの物品が入荷した場合に納品書(納品先が記されている)が添付されている場合があり,そのような場合にも上記の構成により,伝票と同様に納品書をスキャンして荷物情報の入力を行って,荷物受取,請求書処理等の各種の処理を行うことができる。
なお,上記に述べた構成では,荷物として物品が包装または梱包されたものが主として想定されるが,文書,封書(ダイレクトメール),葉書等の郵便物(速達,書留,内容証明きようなオプションサービスを付加した場合を含む)のように宛先(届け先)が記されたものも入・出荷入・出荷荷物管理システムにおいて荷物として扱うことができる。その場合,宛先が書かれた面が伝票と同様に読取られて荷物情報が入力される。
本発明によれば,入荷した配送物の伝票の画像の読み取り結果と予め記憶手段に記憶された配送物の宛先(届け先)の情報とを照合して,該入荷した配送物の宛先を識別し,識別された特定の受取人だけでなく,受取人から依頼された代理人,または所属するグループの代表者,または入出荷の荷物管理者に対して荷物の受取りを促して通知することが可能となり,届け先(受取人)の従業員の都合が悪い場合にも荷物が放置されることを防ぐことができる。また,荷物置場を通知できるため荷物を探す手間がはぶけるようになった。
そして,これらの荷物の受取人の代理人,代表者,荷物管理者による受取があると届け先(本来の受取人)に受取メールを通知することができるので確認することができる。
また,本発明によれば入・出荷した荷物の伝票を読み取って得られた認識結果を用いて請求書の処理を効率的に行うことができる。
更に,本発明によれば,企業等の各事業所や支店等での入・出荷荷物により発生する運送会社への支払が発生しても,中心の事業所(または本社)の入・出荷荷物管理システムに,他の事業所または他支店で発生した荷物データファイルを取込むことにより,請求書データを入力して支払情報を取り込み集計することができ,企業全体での運送会社別の支払データを出力することが可能となる。
また,本発明により複数の事業所または支店を持つ企業等で,各事業所や支店で発生する入・出荷荷物の支払を含む荷物情報を一か所で集計して処理することにより,荷物情報を一か所でチェックし集計することができ,複数の事業所間で発生する誤った情報を検出したり,荷物の所在の管理が可能となる。
本発明の実施の形態を以下に図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の入・出荷荷物管理システムの構成例である。この例では,企業等の施設内に入荷した荷物(配送物)を配送先として特定の宛先だけでなく他の人にも受け取ることができるようにする構成と,入・出荷の荷物の伝票と対応付けた請求書の処理を行うための構成を中心として説明する。ここで,入荷した荷物(配送物)の宛先とは,荷物の届け先の人を表す。
図1において,1は入・出荷荷物の受け渡しや請求書等の管理をする処理装置である入・出荷荷物管理システム,11は入荷及び出荷の荷物情報を登録・管理する入・出荷管理部,11aは入荷荷物に関する荷物情報の登録・管理を行う入荷荷物管理手段,11bは出荷荷物に関する荷物情報を登録・管理する出荷荷物管理手段,12は入荷した荷物(配送物)を受取人(宛先),代理人,代表者,管理者等により受け取りを行う際の管理を行う荷物受取管理部,12aは受取人・代理人による荷物受取の管理を行う受取人・代理人受取管理手段,12bは代表者による荷物受取の管理を行う代表者受取管理手段,12cは入・出荷の荷物管理者による荷物受取の管理を行う管理者受取管理手段,13は入・出荷管理部11による荷物の入荷の処理を行った時に受取人(宛先,代理人,代表者,管理者)に対して荷物の受け取りを指示するメールの通知を行う通知部,14は荷物情報等のデータを管理するデータ管理部,15は請求書のデータ処理を行い,入荷荷物の着払い及び出荷荷物の発払いの支払いを必要とする場合の請求書(または請求内容を含むデータファイル)について処理をする請求管理部である。16は入・出荷荷物管理システム1への操作者(管理者)への入力と表示を行うための操作入出力部である。
17は入・出荷の荷物伝票のスキャナにより読み取った画像を記憶する伝票画像記憶部,18は入・出荷する荷物に関する各種の情報を格納したデータベースである荷物情報管理テーブル,19は入・出荷の荷物に対して運送業者への支払いの必要がある荷物について支払情報を格納したデータベースである支払情報管理テーブル,20は入・出荷した荷物に対して発生した運送業者から通知された請求書の情報を格納したデータベースである請求情報管理テーブル,21はこの入・出荷荷物管理システム1を運営管理する企業の組織(企業の事業所,所属,従業員の名前,取引先,運送会社,保管場所)や,従業員の氏名,所属,メールアドレス等が設定された従業員マスタテーブルや,利用する運送会社の情報が設定された運送会社マスタテーブル,当該入・出荷荷物管理システム1を備えた企業等の事業所の情報が設定された事業所マスタテーブル,等を含むマスタ管理データや,システム環境設定,メール環境設定等のシステム管理データ,等を格納したデータベースであるマスタ・環境設定情報管理テーブルである。22は代表者へ送信するメール情報が格納されている代表者メール情報管理テーブルである。
2はユーザが荷物の受け取り時や,入・出荷荷物管理システム1の管理者等が操作するユーザ端末,100は入・出荷の荷物に添付された伝票,101は入・出荷の荷物に関係する請求書,102は請求書101の代わりにされるもので,請求内容がデータ(CSV形式等のファイル)として書込まれた請求書データ,110〜112は入・出荷荷物管理システム1から出力されるデータファイルであり,表示したり印刷出力することができる。3は伝票や請求書を読み取るスキャナ,4はプリンタであり,入・出荷荷物受渡管理システム1で発生した各種のデータの中で利用者や管理者が必要とする各種のデータを印刷出力することができるが,図1では印刷出力した例として2つのチェックシート40,41だけを示し,40は請求書詳細チェックシート,41は入荷荷物配達チェックシートである。
なお,図1では図示省略されているが,入・出荷荷物管理システム1を管理する企業等の従業員(社員)に対して入荷した荷物の受取を指示するメールが送信(通知部13から)された場合に,そのメールを受信するための多数の端末が企業の各施設の従業員の近くに備えられているが,図1では図示省略されている。
入・出荷荷物管理システム1は,入・出荷する荷物の受け渡しを管理する処理装置である。例えば,入・出荷荷物管理システム1は,企業等の施設内に運送業者により入荷した荷物や,運送業者に出荷する荷物の受け渡しを管理する機能を備える。また,入・出荷荷物管理システム1は荷物の入荷・出荷の担当者(または管理者)により直接データを入出力する端末としても機能することができる。
入・出荷管理部11は,運送業者によって入荷した荷物及び運送業者に出荷する荷物の受け渡し場所において,荷物を取り扱う人(入・出荷管理者)がスキャナ3を用いて,荷物に取り付けられた伝票を撮像すると,撮像によって得られた伝票の画像を読み取り,OCR(Optical Character Recognition (光学文字認識))により伝票上の宛先(氏名等)や番号(伝票番号等)を読み取る。伝票画像は,例えばTIFF形式の画像として伝票画像記憶部17に格納され,必要な場合に参照されると出力して表示することができる。スキャナ3は入・出荷荷物に関連する請求書101を読み取るためにも使用される。なお,荷物に取り付けられた伝票をスキャナにより読み取って,文字,数字を認識し,結果を表示したり登録する技術は上記特許文献2において採用されている技術である。
なお,上記入・出荷荷物管理システム1及び各部の機能は,CPUとその上で実行されるプログラムにより実行され,本発明により実現するプログラムは,コンピュータが読み取り可能な記録媒体(半導体メモリ,ハードディスク,CD−ROM,DVD等)に格納することができ,記録媒体に記録して提供されるか,通信インタフェースを介してネットワークを利用した送受信により提供される。
図2〜図4は請求の突合わせの処理フロー(その1),(その2),(その3)であり,入・出荷された荷物の伝票を読み取って,読み取った伝票に対応した請求書との突合わせの処理を行い,上記図1の入・出荷荷物管理システム1が設けられた企業等の施設に入・出荷された荷物であることを確認して,運送会社からの請求書がどの伝票(荷物)に対応するものであるかをチェックした上で,請求書の処理を行うようにしたものであり,図1の入・出荷管理部11,請求管理部15において荷物情報管理テーブル18,支払情報管理テーブル19,請求情報管理テーブル20等のデータを使用(登録,更新,参照)して実行される。
最初に荷物伝票をスキャンして伝票画像を取込み(図2のS1),OCR読取りした宛先の氏名から,該当する従業員を検索し,画面に表示する(同S2)。この場合,マスタ・環境設定情報管理テーブル21内の従業員マスタテーブルが検索される。図5に従業員マスタテーブルの例を示す。なお,上記ステップS1では荷物伝票をスキャンして画像を取込んでいるが,荷物が入荷した場合に渡される納品書等をスキャンすることで荷物情報の登録を行うようにすることができる。
選択された従業員情報を初期表示した状態で,荷物登録画面を表示し,以下のステップS4〜S13から成る荷物情報,支払情報の入力を含む登録処理を行う(図2のS3)。
最初に,図6に入荷荷物登録の画面の構成例を示す。この例では,荷物情報は左上部に示され,到着日時,荷物番号,伝票番号等の各種の項目が設けられ,送り元情報,届け先情報(宛先)等が配置され,右上部に伝票画像表示,続いて支払情報(支払い方法,費用負担元等)が配置されている。なお,届け先(宛先)には,従業員マスタテーブルから選択された従業員に関する情報(氏名,メールアドレス等)が設定されている。
図7に出荷荷物登録の画面の構成例を示す。この例では,荷物情報は左上部に示され,出荷日時,荷物番号,伝票番号,荷物個数等の項目が設けられ,届け先情報,送り元情報等が配置され,右上部に伝票画像表示,続いて支払情報が配置されている。
図6,図7の何れかの画面に対して,伝票画像から認識した結果について選択した宛先や,伝票番号が登録されると共に必要な情報が操作入出力部16からの入力により登録されて荷物情報管理テーブル18に格納される。荷物情報管理テーブル18の構成例は図8に示され,入荷種別(「A」は入荷,「S」は出荷を表す),荷物コード,伝票番号,運送会社コード,運送会社名,貴重品フラグ(貴重品の場合は「1」に設定, それ以外は「0」に設定) や,事業所,所属,担当者に関する情報,受取に関する情報(受取済みフラグ,受取所属コード,受取所属名,受取者コード,受取者名),支払元種別,メールに関する情報(次回メール送信日時,メール送信回等)及び荷物の保管場所,等の各種の情報を設定できる構成になっている。
図2のステップS3に記載した処理の詳細を説明すると,メニュー画面に入荷,出荷のボタンがあり,何れのボタンの入力があるかを判別し(図2のS4),入荷の場合と出荷の場合に分けて,それぞれ支払いの種別が,元払いか着払いかを識別して(同S5,S7),入荷荷物の元払いの場合と出荷荷物の着払いの場合は支払いが発生しないので,荷物情報管理テーブル18に荷物情報を登録して(同S6,S8),処理を終了する。入荷荷物で着払いの場合と,出荷荷物で元払いの場合は負担元(費用負担元であり,企業や,企業内の事業所等の所属を意味する)による支払いが必要であり,荷物情報管理テーブル18に荷物情報を登録し(図2のS9),画面(図6,図7の登録画面)上の「運送会社コード」と「伝票番号」の組合せが「支払情報管理テーブル」の「運送会社コード」と「荷物伝票番号」の組合せに,既に存在するか確認(これを「存在チェック」という)する(図2のS10,図3のS11)。
支払情報管理テーブル(図1の19)の構成例を図9のA.に示し,事業所コード,支払明細番号,運送会社コード,・・・,荷物伝票番号,請求書コード,等の各項目が設けられ,支払明細書または荷物伝票番号別にデータが登録される。
上記ステップS11において,存在すると判断された場合は,該当するレコードの「荷物コード」,「荷物事業所コード」項目に,前の処理で登録した荷物情報レコードの「荷物コード」,「事業所コード」を登録(該当した既存支払レコードに荷物情報を追加)する(図3のS12)。存在しない場合は,支払情報管理テーブルに新規に支払レコードを追加(荷物情報のみが設定された支払レコードを追加)し(図3のS13),運送会社から送付された請求書をスキャナによりスキャンまたはCSV(Comma Separated Values:運送会社から送付された電子データ)取込により取込む(同S14)。続いて,取込んだ請求ヘッダ情報,各請求明細書レコードの値を画面で確認し,請求情報を請求情報管理テーブル(図1の20)に登録する(図3のS15)。請求情報管理テーブルの構成例は図9のB.に示され,事業所コード,請求書コード,請求明細番号,伝票番号,計上年月日,運送会社コード等の項目のデータが設定される。
次に,登録するレコードの「運送会社コード」と「伝票番号」の組合せが,支払情報管理テーブル(図1の19)の「運送会社コード」と「荷物伝票番号」の組合せおよび,請求情報管理テーブル(図1の20),支払情報管理テーブル(図9のA.)の「運送会社コード」と「伝票番号」の組合せに,既に存在するか確認(存在チェック)する(図3のS16,図4のS17)。この場合,次の3つの処理に分岐する。すなわち,第1として支払情報管理テーブルに存在するが,請求情報管理テーブルに存在しない場合は,存在チェックに該当したレコードに,登録するレコードの「請求書番号」,「請求明細番号」を登録する(該当した既存支払レコードに請求情報を追加する,図4のS18)。これにより,請求情報と荷物情報とが紐付け(関係付け)られる。次に第2として支払情報管理テーブルに存在して,請求情報管理テーブルにも存在する場合は,支払情報管理テーブルに,新規に支払レコードを追加する。この時,支払情報管理テーブルの「荷物コード」,「荷物事業所コード」,「費用負担元コード」,「確認事項フラグ」,「コメント」項目には存在チェックに該当した既存レコードと同じ値を設定(荷物情報と請求情報が設定された支払レコードを追加)する(図4のS19)。これにより請求情報と荷物情報とが紐付け(関係付け)られる。更に,第3として上記図3のステップS16において,支払情報管理テーブルに存在しないと判別されると(請求情報管理テーブルに存在するか否かに関係なく),支払情報管理テーブルに,新規に支払レコードを追加(請求情報のみが設定された支払レコードを追加)する(図4のS20)。
上記S12,S18〜S20の処理に続いて,支払情報管理テーブルレコードの荷物情報項目が設定されている場合は,荷物情報管理テーブルから該当する荷物情報を,支払情報管理テーブルレコードの請求情報項目が設定されている場合は,請求情報管理テーブルから該当する請求情報を取得して,請求詳細画面,請求明細情報画面に表示する(図4のS21)。なお,この時,請求詳細画面に表示されている一覧を印刷することで,請求書詳細チェックシート(図1の40)を得ることができる。
次に請求書登録時に設定した「計上年月日」,「事業所」,「運送会社」を条件として,請求情報管理テーブルから対象レコードを取得し,請求情報をデータ(CSV形式)出力する(図4のS22)。この場合,伝票番号毎に請求情報のデータを出力したり,支払情報管理テーブルの「費用負担元」(事業所または所属毎等)で合計してデータを出力することができる。これらのデータは,経理部門が請求書の支払いの処理をするのに用いられる。
上記図2〜図4に説明した請求突合せの処理は,企業が業務に必要な物品(文房具,パソコン,各種の備品,設備等)を業者から購入して,それらの物品が入荷した場合にも同様の処理により請求突合せが実行される。その場合,上記図2のステップS1〜S3において荷物伝票の代わりに納品書をスキャンして画像を取込んで,荷物情報の入力が行われる。
次に本発明の入・出荷荷物管理システムによる荷物受取りの処理フローについて説明する。先に本願出願人に係る発明により提案されたシステム(上記特許文献2)では,特定の宛先(届け先)による荷物の受け取りを行うようにしていたが,特定の宛先(届け先)以外の代理人,代表者または荷物管理者等による受け取りができるようにしたものである。
これにより,特定の宛先(届け先)の人が不在,多忙,等の理由により荷物を受け取ることができなくて荷物が保管場所に放置される事態を防止することができる。また,同じ事業所のものをまとめて代表者が受け取りにゆけば,効率化することができる。同様に,入・出荷荷物管理システムの管理者による受け取りを許容することにより,各事業所における受け取り作業の時間を節約できる。なお,入荷荷物としては,宅配会社等の運送会社による配送の対象となる書類,封書,郵便物等の文書類も含まれる。
本発明では荷物が入・出荷荷物管理システムで受け付けられた後,その荷物を当該システムを運営する企業等の宛先である本人だけを受取人とするのではなく,宛先の代理人や,宛先の人を含む代表者(一定範囲の中の一人),及び入・出荷荷物システムの荷物管理者による受取を可能にした。代理人,代表者及び荷物管理者による受け取りにおける処理フローを以下に説明する。
図10は受取人・代理人による受取の処理フローであり,届け先(宛先)の本人である受取人と代理人の両方の場合に対応する処理である。この図10及び後述する図11,図14に示す処理フローは,図1の入・出荷管理部11,荷物受取管理部12,スキャナ3,操作入出力部16,ユーザ端末2からの入出力及び各情報管理テーブル18〜21の情報を用いて実行され,特に荷物受取管理部12の受取人・代理人受取管理手段12aにおいて通知部13と連携して処理される。
最初に,運送会社からの入荷があると,入荷した荷物に添付した伝票をスキャンして取り込み(図10のS1),上記図2に示すステップS2,S3と同様の処理により,入荷荷物登録画面を表示し,荷物情報を入力して荷物情報登録テーブルに登録処理を行う。続いて,荷物受取人にメールを送信する処理を行う(図10のS4)。なお,上記ステップS1では入荷した荷物に添付した伝票をスキャンしているが,企業等の各部門で発注した物品が入荷した時に荷物に添付された納品書をスキャンして,その画像を表示してステップS2,S3により荷物情報の登録を行うようにすることができる。
図11は受取人メール送信の処理フローを示す図である。この処理フローは設定された間隔でメール送信プログラムで実行される。最初に「受取人へのメール送信」について「1」か「0」の何れが設定されているか判別し(図11のS1),「0」が設定されているとメール送信が無いことを表すので処理を終了し,「1」の場合は次のステップS2に進む。なお,「受取人へのメール送信」の情報は,マスタ・環境設定情報管理テーブル(図1の21)の中の一つである環境設定テーブルに設定されており,図12に環境設定テーブルの構成例を示す。この中には,メールの許可されたドメイン名,貴重品荷物と通常荷物のそれぞれのメール送信プログラム実行間隔,代表者または受取人へのメール送信のフラグ(値),代表者へメールを送信する時間,通常荷物及び貴重品荷物のそれぞれのエラーメール最大送信回数,通常荷物及び貴重品荷物のそれぞれの最大メール送信回数,メール送信サービスの運用開始時間と終了時間,メール送信サービス運用曜日等が設定されている。
次に「メール送信サービス運用曜日」が現在の曜日に含まれるか判別し(図11のS2),含まれる場合は現在時間が「メール送信サービス運用開始時間」〜「メール送信サービス運用終了時間」の範囲内か判別する(同S3)。ステップS2で含まれない場合及びステップS3で現在時間が運用時間外である場合は処理を終了する。
ステップS3で現在時間がメール送信サービス運用中の時間内であることが判別されるとメール送信対象荷物情報を取得する(図11のS4)。このメール送信対象荷物情報の取得は,次のように行われる。
すなわち,荷物情報管理テーブルを親として,「担当者コード」で「従業員マスタテーブル」とを結合した状態で,「取得条件」として次のa〜eについてチェックする。なお,a〜eで使用するフラグや最大メール送信回数,最大エラーメール送信回数等は図12に示す環境設定テーブルを参照し,「受取済フラグ」,「次回メール送信日時」,「貴重品フラグ」等は荷物情報管理テーブル(図8)を参照する。
a.荷物情報管理テーブルの「受取済フラグ」が「0」
b.荷物情報管理テーブルの「次回メール送信日時」が現在日時より古い。
c.荷物情報管理テーブルの「貴重品フラグ」が「1」の場合,「メール送信回数」が「貴重品荷物最大メール送信回数」未満で,「エラーメール送信回数」が「貴重品荷物最大エラーメール送信回数」未満である。
d.荷物情報管理テーブルの「貴重品フラグ」が「0」の場合,「メール送信回数」が「通常荷物最大メール送信回数」未満であり,「エラーメール送信回数」が「通常荷物最大エラーメール送信回数」未満である。
e.上記のa〜dの条件を全て満たす。
図11のステップS4でメール送信対象荷物情報の取得を実行し,次にメール送信対象荷物があるか判別し(図11のS5),ない場合は処理を終了し,ある場合はメール送信対象荷物情報から1件取得する(同S6)。取得した1件の荷物情報についてメールアドレスのドメインが許可されたドメイン(当該入・出荷荷物管理システム1を運用する企業が管理するドメイン)であるか判別し(図11のS7),許可されたドメインでないとステップS9で次のメール送信対象荷物があるか判別する。ステップS7で許可されたドメインであると判別されると,メールを受取人に送信し荷物情報(荷物情報管理テーブルの「送信回数」または「エラー回数」及び「次回送信日時」)を更新し(図11のS8),ステップS9に移行する。ステップS9でメール送信対象荷物があると判別されるとステップS6に戻り,ない場合は処理を終了する。このようにして,全てのメール送信対象荷物について処理が繰り返される。
図13のA.に荷物が届いていることを届先に通知するメールの例を示し,この届先メールには宛先(届け先),通知のメッセージ,荷物番号,到着日,送り主,個数,時間指定のある場合の時間,貴重品の有無等が含まれる。
図10のステップS4のメール送信が上記図11に示す処理フローにより実行された後,ユーザ端末(図1の2)を使用したユーザ(受取人,代理人)による処理が実行される。すなわち,ユーザ端末に対しユーザによる従業員番号(ユーザID)の入力を行うことでログインすると(図10のS5),ログイン後の荷物一覧画面が初期表示され,この画面でログインユーザが届け先として設定されている未受取の荷物レコードを表示する(同S6)。次に表示された自分宛の荷物か「荷物番号」で荷物を検索して他人宛の荷物に対して受取処理を行い(図10のS7),受取る荷物情報の「担当者コード」とログインのユーザIDが同じ(本人が受取る)か異なる(代理人が受取る)かの判別をする(同S8)。「担当者コード」とログインのユーザIDが同じである場合は,受取処理により,受取済フラグが“済”になり(設定),荷物情報管理テーブルを更新して(図10のS10),処理を終了し,異なる場合は受取処理により,受取済フラグが“済”,受取者確認メールフラグが「1」になり(同S9),受取人に代理人受取メールを送信する処理を行い(図10のS11),処理を終了する。
上記図10のステップS11で行われる受取人に代理人受取メールを送信する処理の詳細を,図14に示す。図14の代理人メール送信のプログラムの処理フローは設定された間隔で実行される。
最初にメール送信対象荷物情報を取得する(図14のS1)。この「メール送信対象荷物情報」とは,代理人受取メールを送信すべき対象となる荷物情報を取得することであり,「荷物情報管理テーブル」(図8参照)を親として,「担当者コード」で「従業員マスタテーブル」(図5参照)を外部結合(テーブルを結合)し,環境設定テーブル(図12)の各設定値を参照する。その取得条件は次のa.〜d.である。
a.荷物情報管理テーブルの「受取者確認メールフラグ」が「1」である。
b.荷物情報管理テーブルの「貴重品フラグ」が「1」の場合,荷物情報管理テーブルの「メール送信エラー回数」が「貴重品荷物最大エラーメール送信回数」+1未満である。
c.荷物情報管理テーブルの「貴重品フラグ」が「0」の場合,荷物情報管理テーブルの「メール送信エラー回数」が「通常荷物最大エラーメール送信回数」+1未満である。
d.a〜cまでの条件を全て満たす。
図14に戻って,次にメール送信対象荷物が有るか判別し(図14のS2),無い場合は処理を終了し,ある場合はメール送信対象荷物から1件取得する(同S3)。取得した荷物に関する送信メールアドレスのドメインが,許可されたドメインであるか上記図11のS7と同様の判別をし(図14のS4),許可されたドメインでないとステップS6に移行し,許可されたドメインであると,代理人受取メールを送信し,荷物情報を更新する(同S5)。この場合,荷物情報管理テーブルの対応する受取者確認メールフラグを「0」にアップデートする。この後,次のメール送信対象荷物があるか判別し(図14のS6),ある場合はステップS3に戻り,無いと処理を終了する。
図13のB.に代理人受取メールの例を示す。図に示すように,本来の宛先(受取人)に対し,代理人により受け取られたことを表すメッセージが先頭に配置され,その他に荷物番号,到着日時,送り主,個数,等の他に代理人による「引取日時」の情報が含まれている。
図15は代表者による一括受取の処理フローである。この図15及び後述する図16〜図18に示す処理フローは,図1の入・出荷管理部11,荷物受取管理部12,スキャナ3,操作入出力部16,ユーザ端末2からの入出力及び各情報管理テーブル18〜21の情報を用いて実行され,特に荷物受取管理部12の代表者受取管理手段12bにおいて通知部13と連携して処理される。
図15のステップS1〜S3は上記図10(受取人・代理人による受取の処理フロー)におけるS1〜S3と同様であり説明を省略する。ステップS3により荷物情報管理テーブルに入荷荷物の情報の登録の処理に続いて,代表者にメールを送信する(図15のS4)。この場合,予め届け先となる従業員の情報に対応して受取人として,その従業員が所属する部,課等のグループ毎に代表者が決められている場合,その代表者へのメールアドレスが従業員マスタテーブルに設定されており(図5の「荷物引取代表フラグ」及び「所属コード01」,・・・「所属コード05」),その代表者に対して送信される。代表者へのメール送信の処理内容は後述する図16〜図18に示す。
代表者へのメール送信の後,代表者によるユーザ端末処理が実行される。この処理はユーザ端末(図1の2)で実行され,最初に代表者がユーザ端末にログイン(従業員番号の入力等による)すると,ログイン後の荷物一覧画面に,代表者が代表となっている所属に属する従業員に届いている未受取の荷物レコードがユーザ端末の表示部に表示される(図15のS5)。これに対し印刷処理により,一覧で選択された荷物の一覧を印刷すると(図15のS6),入荷荷物配達チェックシートが得られる。次に,受取処理により,一覧で選択された荷物の受取済フラグが“済”になり,ログイン者宛ての荷物レコード以外は,受取者確認メールフラグが「1」になり(図15のS7),荷物情報管理テーブル18が更新されて,終了する。
これにより荷物の受取人に代理人受取メールが送信される。
図16〜図18は代表者へのメール送信の処理フロー(その1)〜(その3)であり,この処理フローは設定された間隔でメール送信プログラムにより実行される。初めに,宛先(届け先)のグループに対して「代表者へのメール送信」について「1」か「0」の何れが設定(図12の環境設定テーブル)されているか判別し(図16のS1),「0」が設定されていると終了し,「1」の場合は次に「現在の曜日」が「メール送信サービス運用曜日」として「1」に設定(図12の環境設定テーブル)されているか判別し,「0」に設定されていると終了し,「1」に設定されているとステップS3で「代表者へメールを送信する時間」が設定(図12の環境設定テーブル)されているか判別する。設定されてないと処理を終了し,設定されている場合は,次に代表者メール情報管理テーブル(図1の22)の「キー名」が“01”,“02”のレコードの「送信フラグ」において設定されている日付(前回メールを送信した日時)が現在日付よりも古い場合はNULLを設定する(図16のS4)。代表者メール情報管理テーブルの構成例を図19に示す。
続いて「代表者へメールを送信する時間1」と「代表者へメールを送信する時間2」(設定画面で設定した時間)が共に現在日付よりも古く,且つ代表者メール情報管理テーブルの「キー名」が“01”,“02”のレコードで「送信フラグ」が共にNULLの場合, 「キー名」が“01”の「送信フラグ」に「現在日付+代表者へメールを送信する時間1」を設定して更新する(図16のS5)。
この後,図16のステップS6〜S8で,代表者メール情報管理テーブル(図19参照)の「代表者へメールを送信する時間1」が設定されていて,現在日時が「代表者へメールを送信する時間1」より新しく,且つ「キー名」“01”のレコードの「送信フラグ」にNULLが設定されていると判別されると,「キー名」“01”の「送信フラグ」に「現在日付+代表者へメールを送信する時間1」を設定し(図17のS9),後述するステップS14へ移行する。ステップS6〜S8で「代表者へメールを送信する時間1」に設定されてないか,現在日時が「代表者へメールを送信する時間1」より古いか,または「キー名」“01”の「送信フラグ」にNULLが設定されてないか,の何れかに該当すると,次に「代表者へメールを送信する時間2」について,図17のステップS10〜S12の処理が実行される。ステップS10〜S12では,「代表者へメールを送信する時間1」についての上記ステップS6〜S8と同様の処理を「代表者へメールを送信する時間2」について判断をし,該「送信する時間2」が設定され,該「送信する時間2」が現在日時より新しく,「送信フラグ」がNULLに設定されていると,「キー名」“02”の「送信フラグ」に「現在日付+代表者へメールを送信する時間2」を設定する(図17のS13)。該「送信する時間2」が設定されてないか,現在日時が該「送信する時間2」より古いか,または「キー名」“02”の「送信フラグ2」にNULLが設定されてないか,の何れかに該当すると処理を終了する。
「キー名」“01”または“02”の何れかの「送信フラグ」に送信する日時の更新が設定されると(図17のS9またはS13),従業員マスタ(図5に示す従業員マスタテーブル参照)の「代表者フラグ」が“1”で,「退職フラグ」が“0”の従業員を取得し(同S14),取得した従業員情報の1件を読み込み(同S15),その中の「従業員担当所属コード01〜10」の何れかに「届け先従業員」の所属が一致し,且つ「受取済フラグ」が“0”である荷物レコードを取得する(図18のS16)。続いて,送信メールアドレスのドメインが許可されたドメインであるか判別し(図18のS17),許可されたドメインであると代表者メールを送信し(同S18),代表者メールを送信した後,及び上記ステップS17で許可されたドメインでないと判断された場合,次の従業員情報があるか判別し(同S19),従業員情報が無くなると終了する。
図20に代表者メール情報管理テーブルの構成例を示す。代表者メールの内容は,代表となっている所属(部署)に属する従業員に届いている未受取荷物情報が含まれ,図20の例では一人の代表者が担当する部署(所属)に属している従業員(複数人)に対し未受取の荷物が4件あることを通知している。
受取人・代理人宛のメール通知と代表者へのメール通知は,両方を併用することができる。このことにより,代表者に代表者メールを送ると共に受取人へ荷物が届いていることを通知するメールを送ることもできる。
次に荷物管理者(入・出荷荷物管理システムの管理者や,企業等で入・出荷の荷物管理を行う担当者等)による入荷荷物の一括受取について説明する。この場合,荷物管理者は,一括して荷物の受取りをして,各荷物を本来の受取人(届け先)に配達することも想定される。
図21は荷物管理者による一括受取の処理フローである。この図21に示す処理フローは,図1の入・出荷管理部11,荷物受取管理部12,スキャナ3,操作入出力部16,ユーザ端末2からの入出力及び各情報管理テーブル18〜21の情報を用いて実行され,特に荷物受取管理部12の管理者受取管理手段12cにおいて通知部13と連携して処理される。
ステップS1〜S3は上記図10,図15に示す処理フローのステップS1〜S3と同様に伝票画像と従業員情報とで,荷物情報管理テーブル(図8参照)に荷物情報が登録され,伝票画像も記憶される。この後,荷物管理者による管理者端末(図1の入・出荷荷物管理システム1の本体を使用する)において実行される。次にステップS4において,入荷荷物検索画面より「事業所」,「所属」,「氏名」,「送り元(社名)」,「入出荷年月」,「荷物番号」,「保管場所」,「受取状況」,「貴重品」,「時間指定」を条件に入荷荷物(荷物情報管理テーブル)を検索し(図21のS4),印刷処理により,一覧で選択された荷物の一覧を印刷する(同S5)。これにより,印刷された入荷荷物配達チェックシートが得られる。次に,荷物管理者による受取処理により,荷物情報管理テーブルの中の一覧で選択された荷物の受取済フラグが“済”になり,ログイン者宛の荷物レコード以外は,受取者確認メールフラグが“1”に設定される(図21のS6)。
これにより,荷物の受取人に代理人受取メールが送信される。
なお,受取人・代理人宛のメール通知と荷物管理者による入荷荷物の一括受取は両方を併用することができ,受取は荷物管理者が一括して行うが,受取人に荷物が届いていることを通知するメールを送ることもできる。
本発明により複数の事業所(または支店)で構成する企業等における各事業所の荷物情報取込(集計)処理フロー(その1),(その2)を図22,図23に示す。最初に,他事業所の端末処理において,その事業所で入出荷年月を指定して,その範囲内の荷物情報のデータを荷物データ(CSVフォーマット)のファイルとして出力する(図22のS1)。各事業所(支店)で出力した荷物データのCSVファイルを,本社(本店)や別の支店等で取込処理を行う(図22のS2)。このステップS2以下の処理は,図1に示す入・出荷荷物管理システム1の中の主にデータ管理部14で実行される。
次にCSVのフォーマット,入力値に誤りがあるか判別し(図22のS3),誤りがない場合は,ファイル内で「荷物コード」,「事業所コード」が重複しているか判別し(同S4),重複してないと荷物データのCSVファイルからレコードを1件読み込む(同S5)。なお,フォーマット,入力値に誤りがある場合(図22のS3で誤りと判断された場合)や,ファイル内で「荷物コード」,「事業所コード」が重複している場合(同S4で重複していると判断された場合)は処理を終了する。
読み込んだレコードの「荷物コード」,「事業所コード」の組合せと同じレコードが荷物情報管理テーブル(入・出荷荷物管理システム1内の18)に存在するかを確認し(図22のS6),存在するか判別し(同S7),存在しない場合は読み込んだレコードの「運送会社コード」,「伝票番号」の組合せと同じレコードが,荷物情報管理テーブルに存在するかを確認し(同S8),存在するか判別する(同S9)。存在しないと判別された場合は,荷物情報管理テーブルにレコードをインサートする処理を以下のS12以下で実行する(図23のS10)。図22のS7,S9のそれぞれの確認において同じレコードが存在すると判断されると,同じレコードが重複して存在するためエラーレコードとして,エラーレコード出力ファイルテーブル(図示省略)にそのレコードを追加し(同S11),ステップS17に移行する。
荷物管理テーブルにレコードをインサートする場合,ステップS12で次の判別をする。すなわち,レコードが「入出荷種別:A(入荷)」で「支払方法:着払い」であるか,「入出荷種別:S(出荷)」で「支払方法:元払い」の何れかに該当する場合,すなわち当該事業所において支払うべき請求が発生する場合は,読み込んだレコードの「運送会社コード」と「伝票番号」の組合せが,支払情報管理テーブル(図9のA.参照)のレコードの「運送会社コード」と「荷物伝票番号」の組合せとして既に存在するかを確認する(存在チェック)(図23のS13)。この存在チェックにおいて(同S14),存在しないと判別されると支払情報管理テーブルに新規の支払いレコードを追加する(図23のS16)。この場合,荷物情報のみが設定された支払レコードが追加されることになる。また,上記ステップS14において存在すると判断された場合は,存在すると判断された該当レコードの「荷物コード」,「荷物事業所コード」,「費用負担元コード」,「確認事項フラグ」,「コメント」に登録をする(図23のS15)。すなわち,該当した既存支払レコードに,荷物情報を追加し,請求情報と荷物情報が紐付けられる。
また,ステップS12において,レコードが「入出荷種別:A(入荷)」で「支払方法:元払い」であるか,「入出荷種別:S(出荷)で「支払方法:着払い」の何れかの場合,すなわち当該事業所で支払いを行う必要がない場合,ステップS17へ移行する。ステップS11の後及びS12で支払いが生じないと判断された場合,及びステップS15,S16の後,荷物データのCSVファイルに次のレコードがあるか判別し(図23のS17),ある場合は図22のS5に戻り,次のCSVファイルのレコードを読み込んで,ステップS6以下の処理を繰り返す。
CSVファイルに次のレコードがない場合はエラーレコードがあるか判別し(図23のS18),ある場合はエラーレコードをCSVファイルとして出力する(同S19)。ステップS18でエラーレコードがない場合は処理を終了する。