JP5174420B2 - 被加工物の製造方法及び研削装置 - Google Patents

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Description

本発明は被加工物の製造方法及び研削装置に係り、特に、孔の内面角部のバリを除去したり研削したりする場合に好適な製造方法及び装置に関する。
一般に、金属材料等よりなる被加工物に孔を形成した場合、孔の開口の内縁角部に形成されるバリを除去するために、当該内縁角部に工具を当ててバリを研削除去する必要があった。しかしながら、このような作業は煩雑であり、孔の内径や深さに合わせて研削作業を調整する必要があるため、被加工物の製造コストを低減する際の障害となっていた。
従来、孔の内縁角部のバリの除去方法や孔の内面研削の方法として、螺旋状に巻回された弾性ばねを工具として用いる各種の方法が考案されている(以下の特許文献1ないし5参照)。たとえば、特許文献1に開示された方法では、コイル状のばね部材を孔内に導入した後に、当該ばね部材を短縮させつつ拡径させてから前記ばね部材の外周部を孔の内面に当接させ、これを引き上げることで孔の内縁角部に形成されたバリを除去する方法が記載されている。
特開平5−200530号公報 特開平7−60540号公報 特開昭55−120981号公報 特開平6−262432号公報
しかしながら、前述の方法では、ばね部材を孔の内部から引き出すことで内縁角部のバリを引っ掛けて外側へ折り返すことは可能であるものの、ばね部材が孔の内面上から外部に引き出されるだけであるため、バリを確実に除去したり内縁角部を研削したりすることができないという問題点がある。
また、上記特許文献2ないし4には、ばね部材の外周部に実質的に刃先を設けたり砥粒を付着させたりすることで孔の内面を研摩する方法が記載されているが、ばね部材の振動や拡縮作用に基づくランダムな研摩動作を利用するものであるため、上記と同様に孔の内縁角部を確実に研削することはできないという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、コイル状の弾性ばねを有する研削ばね体を用いて確実に孔の内縁角部を研削可能な被加工物の製造方法及び装置を実現することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の被加工物の製造方法は、コイル状に巻回されてなる弾性ばねを有するとともに該弾性ばねの外周部の少なくとも一部に前記弾性ばねの延在方向に沿って連続した刃先が形成されてなる研削ばね体を用いて被加工物に形成された孔の一方側の開口の内縁角部を研削加工する工程を有する被加工物の製造方法であって、前記研削ばね体を予め前記孔の他方側に配置し、前記弾性ばねの第1端部を前記一方側へ移動させて前記弾性ばねを軸線方向に引き伸ばして外径を縮小しつつ前記孔を通して前記第1端部を前記孔の一方側に抜き出させ、その後、前記第1端部とは反対側の第2端部を前記一方側へ移動させて前記弾性ばねを前記孔の一方側で前記軸線方向に短縮させ、前記弾性ばねの少なくとも軸線方向の第1端部の側にある部分の外径を増加させ、該外径を前記孔の内径より大きく構成し、その後、前記弾性ばねを他方側へ移動させて前記孔の一方側から前記孔内に引き込む過程で、前記弾性ばねの外周部を前記内縁角部に対し周回方向に連続的に当接させ、前記刃先で前記内縁角部を周回状に研削していくことを特徴とする。
また、本発明の別の被加工物の製造方法は、コイル状に巻回されてなる弾性ばねを有するとともに該弾性ばねの外周部の少なくとも一部に前記弾性ばねの延在方向に沿って連続した刃先が形成されてなる研削ばね体を用いて被加工物に形成された孔の一方側の開口の内縁角部を研削加工する工程を有する被加工物の製造方法であって、前記弾性ばねの少なくとも軸線方向の第1端部の側にある部分を軸線方向に短縮させてその外径を増加させ、該外径を前記孔の内径より大きく構成して前記孔の一方側に配置し、前記第1端部とは反対側の第2端部を前記孔を通して他方側へ移動させて前記弾性ばねの前記第2端部の側にある部分を軸線方向に引き伸ばしつつ前記孔の一方側から前記孔内に引き込む過程で、前記弾性ばねの外周部を前記内縁角部に対し周回方向に連続的に当接させ、前記刃先で前記内縁角部を周回状に研削していくことを特徴とする。
本発明において、前記弾性ばねの少なくとも軸線方向の第1端部の側にある部分を前記孔の一方側に配置する前において、前記研削ばね体を予め前記孔の他方側に配置し、前記第1端部を前記一方側へ移動させて前記弾性ばねを軸線方向に引き伸ばして外径を縮小しつつ前記孔を通して前記第1端部を前記孔の一方側に抜き出させ、その後、前記第2端部を前記一方側へ移動させて前記弾性ばねを前記孔の一方側で前記軸線方向に短縮させ、前記弾性ばねの少なくとも軸線方向の第1端部の側にある部分の外径を増加させることが好ましい。
また、本発明の研削装置は、コイル状に巻回されてなる弾性ばねを有するとともに該弾性ばねの外周部の少なくとも一部に前記弾性ばねの延在方向に沿って連続した刃先が形成されてなる研削ばね体と、前記弾性ばねの第1端部に取り付けられて固定される先端部を有するとともに該先端部から前記弾性ばねの内部を軸線方向に通過した先で前記弾性ばねの第2端部から突出する基端部を有する一体の第1駆動部材と、前記弾性ばねの第2端部に取り付けられて固定される先端部を有するとともに前記第1駆動部材の前記基端部と並行して伸びる一体の第2駆動部材とを具備し、前記第1駆動部材と前記第2駆動部材の前記軸線方向の相対的位置関係を変えることで、前記弾性ばねが前記軸線方向に伸張するとともにその外径が減少し、前記軸線方向に短縮するとともにその外径が増大するように構成され、前記第2駆動部材は前記軸線方向に伸びる略筒状に構成され、前記第1駆動部材は前記第2駆動部材の内側に挿通されるとともに前記第2駆動部材により前記軸線方向に摺動自在に案内され、前記第1駆動部材は前記基端部において前記第2駆動部材の内側から半径方向外側へ張り出した張出部を有し、前記第2駆動部材は前記軸線方向に伸びる直線状若しくは螺旋状のすり割り部を有し、前記張出部は、前記すり割り部を通して外側へ突出した状態で、前記相対的位置関係の変化に応じて前記すり割り部により前記軸線方向へ案内され、前記張出部に係合して前記第1駆動部材を前記軸線方向に駆動若しくは保持するための駆動力若しくは保持力を与える操作部と、前記第2駆動部材を半径方向外側から保持するフレームとをさらに有することを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は本発明に係る研削装置の全体構成を示すものである。ここで図1(a)は研削装置の縦断面図、図1(b)は図1(a)のB−B線に沿った横端面図、図1(c)は図1(a)に示す研削ばね体の外観を示す外面図である。
本実施形態の研削装置10は、コイル状に巻回されてなる弾性ばね12を有するとともに該弾性ばね12の外周部の少なくとも一部に前記弾性ばね12の延在方向に沿って連続した刃先12bが形成されてなる研削ばね体11を有する。この研削ばね体11は、図示例の場合、断面の基本形状が円形である弾性ばね12を螺旋状に巻回したもので構成される。この弾性ばね12の外周側には、凹状断面を有し、弾性ばね12の延在方向(螺旋方向)に連続する凹溝12aが形成され、この凹溝12aによって弾性ばね12の外周部(断面L字状に構成される。)に刃先12bが形成されている。この刃先12bも弾性ばね12の延在方向の少なくとも一部において連続して形成されている。
弾性ばね12の先端(上記の第1端部に相当する。)12cは取付部(フランジ状の鍔部で構成される。)13を介して後述する第1駆動部材15の先端部15aに取り付けられる。また、弾性ばね12の基端(上記の第2端部に相当する。)12dは取付部(フランジ状の鍔部で構成される。)14を介して後述する第2駆動部材16の先端部16aに取り付けられる。図示例の場合、先端12cは先端部15aに固定され、また、基端12dは先端部16aに固定される。なお、弾性ばね12は外力を受けない状態で図3に示すように軸線方向に短縮した状態(以下、短縮状態という。)となるように構成されている。ただし、弾性ばね12を外力を受けない状態で図1に示すように軸線方向に伸張した状態(以下、単に伸張状態という。)となるように構成してもよく、また、外力を受けない状態で短縮状態と伸張状態の中間の状態(以下、単に中間状態という。)となるように構成してもよい。
第1駆動部材15は軸線方向(図示上下方向)に伸びる軸状に構成され、第2駆動部材16は第1駆動部材15を収容して軸線方向に伸びる筒状に構成され、両駆動部材15,16は軸線方向に並行するように配置される。図示例では第1駆動部材15は円柱状で第2駆動部材16は円筒状であるが、本発明はこれに限定されるものではない。第1駆動部材15の基端部15bには半径方向に張り出した張出部15bを有し、この張出部15bは第2駆動部材16において軸線方向に伸びるように形成されたすり割り部16bから外側へ突出した状態とされる。第1駆動部材15は第2駆動部材16の内部を軸線方向に摺動自在に案内されている。図示例では、張出部15bを案内するすり割り部16bが直線的に形成されていることから、第1駆動部材15は第2駆動部材16内を回転せずに摺動する。ただし、すり割り部16bを螺旋状に形成すれば、第2駆動部材16に対して第1駆動部材15を軸線周りに回転しながら軸線方向に移動するように構成することができる。
第2駆動部材16はフレーム17の保持孔17a内に挿通され、フレーム17のねじ孔17bに螺入された止めねじ18等で締め付けることで任意の軸線方向の位置で保持され、止めねじ18を緩めることで軸線方向に移動させることができるようになっている。第2駆動部材16のフレーム17に対する保持手段としては、上記ねじ孔17b及び止めねじ18に限らず、第2駆動部材16を軸線方向に移動可能でかつ任意の位置で保持できるものであれば如何なる構成のものであってもよい。
上記構成により、第1駆動部材15と第2駆動部材16を軸線方向に相対的に移動させることで、研削ばね体11の弾性ばね12を軸線方向に伸縮させることができる。そして、この弾性ばね12の軸線方向の伸縮に伴って弾性ばね12の外径が変化する。すなわち、弾性ばね12軸線方向に伸張させると外径が縮小し、軸線方向に短縮させると外径が増加する。なお、上記の弾性ばね12の伸縮に伴う外径の変化は僅かであるため、当該外径の変化量を大きくしたい場合には、弾性ばね12の伸縮と同時にその先端12cと基端12dとを相対的に回転させればよい。すなわち、弾性ばね12を軸線方向に伸張させると同時にその両端を螺旋の巻き方向に捩ることで外径はより減少し、弾性ばね12を軸線方向に短縮させると同時にその両端を螺旋の巻き方向と逆方向に捩ることで外径はより増大する。このような構成は、上述のようにすり割り部16bを螺旋状に形成するなどの方法で、第1駆動部材15と第2駆動部材16とが軸線方向に摺動すると同時に回転するように構成すればよい。
次に、上記構成を有する研削装置10を用いた被加工物の製造方法の一例を図2ないし図4を参照して説明する。被加工物19には断面円形の孔19aが穿設され、この孔19aには、一方側の開口の内縁角部19bと、他方側の開口の内縁角部19cとが形成されている。一般に孔19aをドリル等で切削加工すると、内縁角部19b、19cにはバリが形成されることがあるので、当該バリを除去する工程が必要とされる。また、バリが形成されなくても、内縁角部19b、19cを面取りする工程が必要とされる場合もある。本実施形態の研削装置10は上記のような場合に好適に用いることができる。
本実施形態では、孔19aの一方側(図示下側)に形成された内縁角部19bを他方側(図示上側)から加工する工程を有する製造方法として以下説明する。このような工程は、たとえば、被加工物19の孔19aの一方側が袋状に閉じた空間である場合、当該一方側が閉じた空間ではないもののアクセスできない形状となっている場合、当該一方側に壁面などの他の部材が存在して研削装置10を配置できない場合などにおいて有効である。
最初に、予め短縮させた弾性ばね12を第1駆動部材15の先端部15aを孔19a内に移動させることで伸張させたり、フレーム17を移動させたりするなどの方法で、研削ばね体11を伸張状態にして被加工物19の孔19aの内部に挿入し、図2に示すように弾性ばね12の先端12cを孔19aの一方側に突出させる。このとき、孔19aの内径よりも研削ばね体11の外径が小さくなるようにして孔19aの内面を損傷しないように挿入することが好ましい。また、必要であれば第1駆動部材15を第2駆動部材16に対して一方側へ移動させることで、弾性ばね12をさらに伸張させてその外径をより小さくしてもよい。なお、第1駆動部材15は上記張出部15を第1操作部21に係合させ、当該第1操作部21を動作させることで軸線方向に駆動できる。
次に、弾性ばね12の先端12c側の部分が充分に孔19aの一方側に突出したところで、図3に示すように保持手段17b、18による保持状態を解除する等により第2駆動部材16を移動可能にし、第2駆動部材16を一方側へ移動させることで弾性ばね12を短縮させ、同時に弾性ばね12の外径を増大させて孔19aの内径よりも大きくする。このとき、第1駆動部材15と第2駆動部材16の軸線方向の位置関係を調整し、弾性ばね12の外径が孔19aの内径に対して最適な値となるように設定する。たとえば、弾性ばね12の外径が刃先112bの磨耗や再研摩等により小さくなれば、弾性ばね12をさらに短縮させてその外径を調整する。第2駆動部材16は、その張出部16cを第2操作部22に係合させ、当該第2操作部22を動作させることで軸線方向に駆動できる。ここで、第1駆動部材15を上記第1操作部21で保持して固定することが好ましい。ただし、第1駆動部材15の先端部15aが一方側にある被加工物19の一部若しくは他の部材に当接している場合には第1駆動部材15を自由状態としてもよい。
その後、図4に示すように第1操作部21の係合を外すことなどにより第1駆動部材15を自由状態にするとともに、第2駆動部材16を他方側に移動させることで弾性ばね12の基端12d側の部分を孔19a内に引き込む。これによって弾性ばね12の外周部がその螺旋形状に沿って内縁角部19bに当接し、当該内縁角部19bに対する弾性ばね12の当接位置が周回方向に移動しながら、弾性ばね12の外径を押し縮めて少しずつ弾性ばね12の基端12d側の部分が孔19aの内部に引き込まれていく。このとき、弾性ばね12の孔19aの内部に配置されている部分(基端12d側の部分)は軸線方向に引き伸ばされて縮径するが、弾性ばね12の孔19aの一方側に残された部分(先端12c側の部分)は内縁角部19bに引っかかることで短縮状態のままで拡径状態が維持される。
なお、上記の態様は、第1駆動部材15及び第2駆動部材16に外力を与えない状況で弾性ばね12が図3に示す短縮状態に維持される場合について説明したが、たとえば、同状況で弾性ばね12が伸張状態若しくは中間状態に維持される場合には、弾性部材12の孔19aの一方側に配置される部分が短縮状態に維持されるように第1駆動部材15の位置を制御機構等により制御する必要がある。たとえば、第1駆動部材15を第2駆動部材16の移動速度より小さな速度で少しずつ他方側に移動させることで、弾性ばね12のうち孔19aの一方側に配置されている部分の外径を孔19aの内径よりも大きい値に維持できる。
上記のようにして弾性ばね12がその螺旋形状を維持しつつ少しずつ孔19a内に移動していくと、弾性ばね12の外周部に形成された刃先12bが内縁角部19bを周回状に研削していき、当該内縁角部19bにバリが存在すればこれを確実に除去することができる。このとき、刃先12bは弾性ばね12の延在方向の少なくとも一部においてではあっても当該延在方向に連続して形成されているので、刃先12bが内縁角部19bを研削する部位は周回方向に連続的に移動しながら、刃先12bが内縁角部19bを斜めに横切る態様で加工していくので、内縁角部19bを確実かつ容易に研削できる。
このとき、研削装置10の第1駆動部材15が略筒状の第2駆動部材16の内部に挿通され、第2駆動部材16によって軸線方向に案内された状態で摺動自在に構成されていることにより、両駆動部材をコンパクトに構成できるとともに、他の部材を用いずに軸線方向に沿って相互に並行して動作させることができる。したがって、駆動構造を複雑化しなくても弾性ばね12を正確に制御することが可能になるので、孔19aの内径と弾性ばね12の外周部の位置関係を高精度に設定でき、確実かつ高精度に内縁角部19b、19cの研削加工を実施できる点で、上記の被加工物の製造方法に適した構成となっている。
図5は上記研削ばね体11の他の構成例を示す部分縦断面図及び部分外面図である。この構成例では、弾性ばね12の基端12d側の部分である小径部分12Aの外径を先端12c側の部分である大径部分12Bの外径よりも小さく形成してある。図示例の場合、小径部分12Aの外周部を部分的に削除してある(断面半円状に加工してある)が、このような態様に限らず、弾性ばね12の巻回径を小さくしたり、弾性ばね12自体の径を小さくしてもよい。
上記のように構成すると、図2に示す状況から図3に示す状況に移行する際に弾性ばね12の基端12d側の小径部分12Aが孔19aの内面に抵触しにくくなり当該内面に損傷を与えることを防止できる。また、図3に示す状況から図4に示す状況に移行する際においても、弾性ばね12の小径部分12Aが孔19a内にスムーズに導入された後に弾性ばね12の大径部分12Bが内縁角部19bに引っ掛かり、小径部分12Aが充分に引き伸ばされた状態で研削が開始されるので、内縁角部19bに対し安定した加工を行うことができるという利点がある。
なお、弾性ばね12を小径部分12Aと大径部分12Bに分けるのではなく、先端12cから基端12dに向けて漸次小径化していく形状に構成すること、すなわち、弾性ばね12を逆テーパ状に構成することも可能である。この場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
図6は上記研削ばね体11のさらに別の構成例を示す部分断面図及び部分外面図である。上記実施形態では弾性ばね12の外周部の刃先12bが他方側(図示上側)に向いて形成され、弾性ばね12を孔19aの一方側(図示下側)から孔19aの内部に他方側(図示上側)へ引き込みながら加工を行うようにしているが、この構成例では、弾性ばね12の外周部の刃先12bが上記とは逆に一方側(図示下側)に向いて形成されている。この構成例では、研削ばね体11を孔19aに対して図3とは反対の他方側(図示上側)に配置し、弾性ばね12を短縮状態として外径を増大させた態様から、第1駆動部材15を一方側に移動させて弾性ばね12の先端12cを移動させ、図4とは逆様の態様で他方側の内縁角部19cを加工していくことが可能になる。
以上説明した本実施形態によれば、弾性ばね12の外周部の少なくとも一部において刃先12bが弾性ばね12の延在方向に連続して形成され、弾性ばね12の外径を孔19aの内径より大きく構成しておき、その一端側を孔19aの外部から内部へ引き込むことで、上記刃先19aが内縁角部19b、19cを周回状に切削しながら順次に孔19a内に移動していくことから、内縁角部19b、19cを確実かつ容易に研削することができ、バリが存在すれば確実にこれを除去できる。
特に、本実施形態では、孔19aの他方側から研削ばね体11を適用して孔19aの一方側の開口の内縁角部を加工することができるので、被加工物19の形状・構造が孔19aの他方側からのアクセスのみを許容する場合、他の障害物の存在により孔19aの一方側からのアクセスができない場合等において顕著な効果を得ることができる。
尚、本発明の被加工物の製造方法及び研削装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。たとえば、弾性ばね12のコイル形状は円筒状に限らず、たとえば、孔19aの開口形状が円形でない場合には、その開口形状に応じて楕円筒状、長円筒状、隅丸矩形筒状などの種々の形状とすることが可能である。また、上記実施形態では弾性ばね12の全体が孔19aの外部で短縮され、孔19aの内径より大きな外径を有する状態とされた後に孔19a内に引き込まれるが、本発明では弾性ばね12の第1端部側の一部が孔19aの外部にて短縮され、孔19aの内径より大きな外径を有する態様とされた状態で、第2端部を孔19aを通して移動させ、弾性ばね12を引き込むようにしてもよい。
実施形態の研削装置の全体構成を示す縦断面図(a)、横端面図(b)及び研削ばね体の部分外面図(c)。 実施形態の加工態様の第1段階(初期状態)を示す縦断面図。 実施形態の加工態様の第2段階(準備状態)を示す縦断面図。 実施形態の加工態様の第3段階(加工状態)を示す縦断面図。 実施形態の研削ばね体の変形例を示す部分断面図及び部分外面図。 実施形態の研削ばね体の別の変形例を示す部分断面図及び部分外面図。
符号の説明
10…研削装置、11…研削ばね体、12…弾性ばね、12a…凹溝、12b…刃先、12c…先端、12d…基端、13、14…取付部、15…第1駆動部材、15a…先端部、15b…張出部、16…第2駆動部材、16a…先端部、16b…すり割り部、16c…張出部、17…フレーム、18…止めねじ、19…被加工物、19a…孔、19b、19c…内縁角部、21…第1操作部、22…第2操作部

Claims (4)

  1. コイル状に巻回されてなる弾性ばねを有するとともに該弾性ばねの外周部の少なくとも一部に前記弾性ばねの延在方向に沿って連続した刃先が形成されてなる研削ばね体を用いて被加工物に形成された孔の一方側の開口の内縁角部を研削加工する工程を有する被加工物の製造方法であって、
    前記研削ばね体を予め前記孔の他方側に配置し、前記弾性ばねの第1端部を前記一方側へ移動させて前記弾性ばねを軸線方向に引き伸ばして外径を縮小しつつ前記孔を通して前記第1端部を前記孔の一方側に抜き出させ、
    その後、前記第1端部とは反対側の第2端部を前記一方側へ移動させて前記弾性ばねを前記孔の一方側で前記軸線方向に短縮させ、前記弾性ばねの少なくとも軸線方向の第1端部の側にある部分の外径を増加させ、該外径を前記孔の内径より大きく構成し、
    その後、前記弾性ばねを他方側へ移動させて前記孔の一方側から前記孔内に引き込む過程で、前記弾性ばねの外周部を前記内縁角部に対し周回方向に連続的に当接させ、前記刃先で前記内縁角部を周回状に研削していくことを特徴とする被加工物の製造方法。
  2. コイル状に巻回されてなる弾性ばねを有するとともに該弾性ばねの外周部の少なくとも一部に前記弾性ばねの延在方向に沿って連続した刃先が形成されてなる研削ばね体を用いて被加工物に形成された孔の一方側の開口の内縁角部を研削加工する工程を有する被加工物の製造方法であって、
    前記弾性ばねの少なくとも軸線方向の第1端部の側にある部分を軸線方向に短縮させてその外径を増加させ、該外径を前記孔の内径より大きく構成して前記孔の一方側に配置し、
    前記第1端部とは反対側の第2端部を前記孔を通して他方側へ移動させて前記弾性ばねの前記第2端部の側にある部分を軸線方向に引き伸ばしつつ前記孔の一方側から前記孔内に引き込む過程で、前記弾性ばねの外周部を前記内縁角部に対し周回方向に連続的に当接させ、前記刃先で前記内縁角部を周回状に研削していくことを特徴とする被加工物の製造方法。
  3. 前記弾性ばねの少なくとも軸線方向の第1端部の側にある部分を前記孔の一方側に配置する前において、
    前記研削ばね体を予め前記孔の他方側に配置し、前記第1端部を前記一方側へ移動させて前記弾性ばねを軸線方向に引き伸ばして外径を縮小しつつ前記孔を通して前記第1端部を前記孔の一方側に抜き出させ、
    その後、前記第2端部を前記一方側へ移動させて前記弾性ばねを前記孔の一方側で前記軸線方向に短縮させ、前記弾性ばねの少なくとも軸線方向の第1端部の側にある部分の外径を増加させることを特徴とする請求項2に記載の被加工物の製造方法。
  4. コイル状に巻回されてなる弾性ばねを有するとともに該弾性ばねの外周部の少なくとも一部に前記弾性ばねの延在方向に沿って連続した刃先が形成されてなる研削ばね体と、前記弾性ばねの第1端部に取り付けられて固定される先端部を有するとともに該先端部から前記弾性ばねの内部を軸線方向に通過した先で前記弾性ばねの第2端部から突出する基端部を有する一体の第1駆動部材と、前記弾性ばねの第2端部に取り付けられて固定される先端部を有するとともに前記第1駆動部材の前記基端部と並行して伸びる一体の第2駆動部材とを具備し、
    前記第1駆動部材と前記第2駆動部材の前記軸線方向の相対的位置関係を変えることで、前記弾性ばねが前記軸線方向に伸張するとともにその外径が減少し、前記軸線方向に短縮するとともにその外径が増大するように構成され、
    前記第2駆動部材は前記軸線方向に伸びる略筒状に構成され、前記第1駆動部材は前記第2駆動部材の内側に挿通されるとともに前記第2駆動部材により前記軸線方向に摺動自在に案内され
    前記第1駆動部材は前記基端部において前記第2駆動部材の内側から半径方向外側へ張り出した張出部を有し、
    前記第2駆動部材は前記軸線方向に伸びる直線状若しくは螺旋状のすり割り部を有し、
    前記張出部は、前記すり割り部を通して外側へ突出した状態で、前記相対的位置関係の変化に応じて前記すり割り部により前記軸線方向へ案内され、
    前記張出部に係合して前記第1駆動部材を前記軸線方向に駆動若しくは保持するための駆動力若しくは保持力を与える操作部と、前記第2駆動部材を半径方向外側から保持するフレームとをさらに有することを特徴とする研削装置。
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