JP5173916B2 - 流体圧力測定装置 - Google Patents
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Description
カプセルの開口端は圧力センサのフランジに固定されており、このフランジには射出成形部が取り付けられ、この射出成形部は、圧力センサ側のコンタクト面が形成されるプリント配線基板に受容針状部分を介して接続される。
しかし、これらの部材は設計通りに製造されるとは限らず、この誤差が部材毎に存在すると、これらの部材を組み付ける際に、誤差が積み上がることになる。その結果、このような組付誤差に伴って、プリント配線基板のコンタクト面とばねコンタクトピンとの位置決めが煩雑となる。
そのため、本発明では、ケースや直列に接続される継手、スペーサ及びホルダにそれぞれ誤差があり、これらの誤差が積み上げられることがあっても、ケースの抜け止め部とホルダとの間に弾性ガスケットが介装されているので、この弾性ガスケットが積み上げられた誤差に応じて弾性変形する。
従って、本発明では、ケース、継手、スペーサ及びホルダに誤差があっても、組付時に当該誤差を弾性ガスケットが吸収することになり、制御基板とプローブとの間の相対位置が変わらず、組立作業を容易に行うことができる。
この構成の本発明では、ホルダの長さが部分的に相違することから、ホルダの取付姿勢の間違いを防止することができる。
この構成の本発明では、筒状本体の内部に挿入されたホルダと肩部との間に弾性ガスケットが介装されるので、ホルダとケースとの軸方向の組付誤差が弾性ガスケットで吸収されることになり、装置全体の組付作業が容易となる。
この構成の本発明では、制御基板を第一基板と第二基板とに分割するとともに、これらをケースの軸方向に沿って配置しているので、ケースの径方向における装置の小型化を図ることができる。そのため、小さな面積の被取付部に流体圧力測定装置を設置することが可能となる。しかも、これらの第一基板と第二基板とを導電性ピンで互いに通電するので、2枚の基板を制御基板として有効に利用できる。
この構成の本発明では、アース端子を通じて制御基板にアースをとることができるので、配線からのノイズをアースに逃がすことができて、耐ノイズ性を向上させることができる。
これに対して、本発明では、前記スペーサは金属製であって前記継手と電気的に接続され、前記スペーサと前記制御基板とが電気的に接続されている構成を採用することができる。
この構成の本発明では、アース端子を設けることなく、耐ノイズ性を向上させることができる。
図1は、本実施形態にかかる流体圧力測定装置の断面図であり、図2は、その一部を破断した斜視図である。
図1及び図2において、本実施形態は、自動車,その他の車両のブレーキ装置に使用される流体測定装置である。
流体測定装置は、ブレーキ装置の被取付部に設置される継手1と、この継手1に設けられる検出部2と、この検出部2を覆うとともに開口端が継手1に接合される略筒状のケース3と、このケース3の内部に一部が露出するように配置されるホルダ4と、このホルダ4に進退自在に設けられる4本のプローブ5と、これらのプローブ5に電気的に接続させるとともに第一基板61及び第二基板62を有する制御基板6と、この制御基板6を取り付けるスペーサ7と、ケース3とホルダ4との間に設けられる弾性ガスケット8と、ホルダ4に設けられるアース端子9とを備えて構成されている。
検出部2は、継手1の他端部に溶接等で接合される筒状部21と、この筒状部21の一端側に形成された円板状のダイアフラム部22とが一体に形成された構造であり、このダイアフラム部22には図示しない歪みゲージ等が形成されて導入された流体の圧力を検出するようにされている。
筒状本体31の他端部は継手1のフランジ部12に形成された係合用段差12Aに接合されている。
図3において、ホルダ4は、支持部41と、この支持部41と一体に形成されプローブ5を保持する保持部42とを備えた合成樹脂製部品である。
支持部41は、第一支持部411と第二支持部412との一端部が円板状部413に接合された構造であり、第一支持部411は円板状部413の中心を挟んで2カ所形成されている。第一支持部411はスペーサ7に支持される。
第二支持部412は第一支持部411が形成されていない位置において円板状部413の中心を挟んで2カ所形成されている。これらの第一支持部411と第二支持部412とは互いに所定間隔離れて配置されている。
第二支持部412の径方向に沿った断面は、内側と外側とがそれぞれ円弧状に形成されている。第二支持部412には矩形状の窓412Aが形成されている。第二支持部412の内側には窓412Aに近接して第二基板62を係止する爪部412Bが形成されている。
保持部42は略円柱状に形成されており、その外形寸法がケース3の肩部32の内周より小さく形成されていて、その多くの部分がケース3から突出している。そして、保持部42にはプローブ5を挿通するためのガイド孔42Aがホルダ4の軸方向に沿って形成されており、そのガイド孔42Aは、その途中にプローブ5の抜け止めのための段差42Bが形成されている。
支持部41の外周寸法は保持部42の外周寸法より大きく形成されており、そのため、支持部41と保持部42との接続部分には段差部4Aが形成されている。
この段差部4Aとケース3の肩部32との間にリング状の弾性ガスケット8が介装される。
大径部51は、その外周部がホルダ4のガイド孔42Aに摺動自在とされ、ガイド孔42Aの途中に形成された段差42Bに大径部51の段差部51Aが係止可能とされる。
大径部51の内周部には小径部52の外周部が摺動自在に設けられている。大径部51の開口端には小径部52の抜け止め用の爪部51Bが形成されている。
小径部52は、その先端部がコイルばね53の付勢力によって第二基板62に当接される。
これらの第一基板61と第二基板62とは複数本(図1では3本示す)の導電性ピン63を介して互いに通電される。
これらの導電性ピン63は、その両端部に第一基板61と第二基板62との位置決めをするための膨出部を有する。
図5において、第一基板61は、互いに対向する位置に形成される直線部61Aと、これらの直線部61Aの端部同士を接続する円弧部61Bとを有する略円板状部材である。第一基板61の中心部には検出部2のダイアフラム部22を露出するための円形の窓61Cが形成され、この窓61Cを挟んで互いに対向する位置に導電性ピン63の一端部が圧入あるいは半田付けにより電気的に導通されるスルーホール64が3個ずつ合計6個形成されている。第一基板61の周縁部には窓61Cを挟んで互いに対向する位置にスペーサ7と位置決めするための位置決め孔61Dが形成されている。
第一基板61にはAuパッド65が複数形成され、これらのAuパッド65とダイアフラム部22の表面に形成されたAuパッド23とはワイヤボンディングにより電気的に接続されている。なお、ボンディングワイヤの材料はAuでもAlでもよい。
第二基板62の中心部には大きな電子部品6Aが設けられ、この電子部品6Aの周囲には小さな電子部品6Bが複数配置されている。
第二基板62の大きな電子部品6Aを挟んで互いに対向する位置に、それぞれ導電性ピン63の他端部が圧入あるいは半田付けにより電気的に導通されるスルーホール64が複数個ずつ2列となって配置されている。
図6において、第二基板62には複数の電子部品6Cが配列されており、これらの電子部品6Cの配置位置と離れてプローブ5の先端部と当接するコンタクトパッド66が形成され、さらに、電子部品6Cから離れてアースパッド67が形成されている。
端面部7Aには第一基板61に形成された位置決め孔61Dに係合する突起7A1が形成されている。端面部7Aと第一基板61との固定は、突起7A1と位置決め孔61Dとを半田付けしてもよく、第一基板61の下面にパットを設け、半田ペーストや導電性接着剤を塗り、リフロー処理又は熱処理でスペーサ7と電気的に接続するものであってもよい。第一基板61とスペーサ7とは電気的に接続されていてアースをとることができるので、この場合、アース端子9を不要にできる。
段差部7Cは筒状部7Bの軸心と直交する平面とされる平面部7C1とこの平面部7C1から直交する垂直部7C2とを有する。この平面部7C1は、垂直部7C2に接する直線と筒状部7Bの外周に接する円弧とからなる領域を有するものであり、長さ寸法が長い第一支持部411の端縁部が支持される。
垂直部7C2は、その平面上の位置が第一基板61の直線部61Aと一致するように形成され、垂直部7C2は長さ寸法が長い第一支持部411の内側平面部と対向する。
この端面部7Aの中心部を挟んで段差部7Cと対向する位置では第一基板61の直線部61Aから露出する領域を有するものであり、この領域は長さ寸法が短い第一支持部411の端縁部が支持される。
弾性ガスケット8は、弾性変形可能な材質であれば種々のもの、例えば、ゴムを採用することができる。
図7の(A)はアース端子9の斜視図であり、(B)はアース端子9がホルダ4に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図7において、アース端子9は、ホルダ4の保持部42の内側面に対向配置される平板部9Aと、この平板部9Aにそれぞれ折り曲げ可能に設けられた複数の羽状部9Bとを備えた金属板である。
平板部9Aの中心には保持部42の内側面に形成された係合突起42Cと係合する係合孔9A1が形成され、この係合孔9A1の周囲にはプローブ5を挿通するための挿通孔9A2が形成されている。挿通孔9A2はプローブ5と干渉しないようにするため、プローブ5の外径より大きな円形とされる。平板部9Aは保持部42と必要に応じて接着剤で接着固定するものでもよい。
複数の羽状部9Bのうち一部は平板部9Aに対して略U字状に折曲形成され、残りは平板部9Aに対して略直角に折曲形成される。略U字状に折曲形成された羽状部9Bは、その折り曲げられた先端部分9B1が第二基板62のアースパッド67と接触し、略直角に折曲形成された羽状部9Bは、その先端部分9B2がケース3の内周部に接触することで、制御基板6にアースをとることが可能となる。
まず、ホルダ4の保持部42にプローブ5を設けるとともに、保持部42にアース端子9を取り付ける。一方、継手1に検出部2を溶接で接合し、さらに、継手1にスペーサ7を取り付け、このスペーサ7に第一基板61を取り付ける。この状態では、第一基板61の窓61Cから検出部2のダイアフラム部22が露出されることになる。
そして、第一基板61に予め設けられたAuパッド65とダイアフラム部22に予め設けられたAuパッド23とをワイヤボンディングし、第一基板61に複数の導電性ピン63の一端部を取り付け、これらの導電性ピン63の他端部を第二基板62に取り付ける。なお、導電性ピン63の第一基板61や第二基板62への取り付けは圧入や半田付け等の適宜な手段で行われる。
その後、ホルダ4の段差部4Aに弾性ガスケット8を配置し、この状態で、ホルダ4及びスペーサ7を収納するようにしてケース3を継手1に向けて押し付ける。これにより、ケース3の肩部32とホルダ4の段差部4Aとの間に配置される弾性ガスケット8が弾性変形することになり、ケース3の開口端が継手1に当接する。さらに、ケース3の開口端を継手1に溶接で固定する。
(1)継手1に検出部2を設け、この検出部2で検出された信号を制御する制御基板6をスペーサ7に取り付け、このスペーサ7を継手1に取り付け、このスペーサ7にホルダ4を支持させ、このホルダ4に制御基板6に電気的に接続するプローブ5を進退自在に設け、ホルダ4の抜け止めをする肩部32を有する筒状のケース3を継手1に固定し、このケース3とホルダ4との間に弾性ガスケット8を設けた。そのため、ケース3や、直列に接続される継手1、スペーサ7及びホルダ4にそれぞれ寸法誤差があっても、ケース3に設けられた肩部32とホルダ4との間に弾性ガスケット8が介装されているので、この弾性ガスケット8がスペーサ7及びホルダ4等で積み上げられた寸法誤差に応じて弾性変形することになり、制御基板6とプローブ5との間の相対位置が変わらず、組付を容易に行うことができる。
(7)アース端子9は、ホルダ4の保持部42の内側面に取り付けられる平板部9Aと、この平板部9Aにそれぞれ折り曲げ可能に設けられた複数の羽状部9Bとを備え、これらの羽状部9Bのうち一部が平板部9Aに対して略U字状に折曲形成されて第二基板62のアースパッド67と接触し、残りの羽状部9Bがケース3の内周部に接触する構成とした。そのため、アース端子9をコンパクトな構造として装置の小型化を図ることができる。
(9)ホルダ4の第一支持部411の内側面は第二基板62の直線部に合わせて平面状に形成したから、ホルダ4に対して第二基板62が回ることを防止できる。
(10)ホルダ4は、その中心を挟んで互いに対向する位置に2つの第二支持部412を備え、これらの第二支持部412にはそれぞれ第二基板62を係止する爪部412Bが形成されているから、互いに対向配置される第二支持部412の間では、第二基板62の動きが規制されることになる。そのため、組付作業時において、第二基板62のホルダ4からの脱落を防止することができる。
例えば、前記実施形態では、弾性ガスケット8の断面形状を略矩形状にしたが、本発明では、これに限定されるものではなく、弾性ガスケット8の断面形状を円形、楕円形、三角形等、適宜な形状としてもよい。
仮に、前記実施形態のようにアース端子9を設ける場合であっても、アース端子9とホルダ4とを別々に設けることを要しない。例えば、アース端子9をホルダ4にインサート成形で予め固定する構造としてもよい。
また、本発明では、スペーサ7は、必ずしも段差部7Cを設けることを要せず、端面部7A及び筒状部7Bから構成されるものとしてもよく、さらに、ホルダ4の2つの第一支持部411の長さを同じにしてもよい。
さらに、前記実施形態では、制御基板6を第一基板61と第二基板62との2枚から構成したが、本発明の制御基板は1枚であってもよく、あるいは、3枚以上であってもよい。1枚から制御基板を構成すれば導電性ピンは不要とされる。
Claims (6)
- 被検出流体を導入する導入孔が形成される継手と、この継手に設けられるとともに導入された流体の圧力を検出する検出部と、この検出部で検出された信号を制御する制御基板と、この制御基板を取り付けるとともに前記継手に支持されるスペーサと、このスペーサに支持されるホルダと、このホルダに進退自在に設けられるとともに前記制御基板に電気的に接続されるプローブと、前記ホルダの抜け止めをする抜け止め部を一端部に形成されるとともに前記継手に他端部が固定される筒状のケースと、このケースの抜け止め部と前記ホルダとの間に設けられる弾性ガスケットと、を備え、
前記スペーサは、前記ホルダをそれぞれ支持する端面部と、この端面部に隣接配置された段差部とを有する
ことを特徴とする流体圧力測定装置。 - 請求項1に記載された流体圧力測定装置において、
前記ホルダは、前記端面部に支持される部分と前記段差部に支持される部分との長さが相違することを特徴とする流体圧力測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載された流体圧力測定装置において、
前記ケースは、筒状本体と、この筒状本体の一端から軸心に向かって折れ曲がって形成された肩部とを備え、この肩部は前記抜け止め部とされていることを特徴とする流体圧力測定装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された流体圧力測定装置において、
前記制御基板は、前記検出部に近接配置された第一基板と、前記プローブの先端部に当接する第二基板とを備え、これらの第一基板と第二基板とは導電性ピンで互いに通電されるとともに所定間隔離れて位置決めされることを特徴とする流体圧力測定装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された流体圧力測定装置において、
前記ホルダには前記制御基板に接続するアース端子が取り付けられていることを特徴とする流体圧力測定装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された流体圧力測定装置において、
前記スペーサは金属製であって前記継手と電気的に接続され、前記スペーサと前記制御基板とが電気的に接続されていることを特徴とする流体圧力測定装置。
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