JP5173682B2 - 車両検索システム - Google Patents
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Description
これに対し、本願出願人は、同種の移動体通信技術であって、車両の方向を多様な場所で正確に検索できる車両検索システムを先に開発している。
また、車両の方向が、携帯機の表示手段に設けられ、放射状に配列された複数個の表示スポットにより2値化表示される。さらに、これら表示スポットが、携帯機の前方側の複数箇所、及び、同携帯機の後方側の1箇所に配置されているので、携帯機側において、車両の方向をシンプルな表示スタイルによって明確に知ることができる。しかも、携帯機の後方側の1箇所に配置されている表示スポットによって、携帯機を所持するユーザによって妨害され易い携帯機の後方側から車両に到来する電波に基づく車両の方向の表示がなされる。このため、そのような妨害により電波が減弱され、信頼性が劣ると考えられる車両方向表示機能については、表示スポットが携帯機の後方側の1箇所のみとなって簡略化され、車両の方向が視覚的に認識し易くなる。また、これにより、ユーザは、携帯機の後方側の1箇所に配置されている表示スポットによって車両が自身の後方に位置していることが素早く判断でき、例えば、現在の立ち位置で方向転換をして車両を発見する動作が容易に行えるようになる。
<車両検索システム1の全体構成>
図1(a)に示すように、本実施形態の車両検索システム1は、車両3のユーザにより所持される携帯機2と、車両3に搭載され、前記携帯機2との間で無線通信を行う車載通信装置3aとから構成されている。ここで携帯機2としては、例えば、専ら車両3の鍵として機能する電波キー、非常用のメカニカルキーを備えた電子キー、車両3の鍵と携帯電話とが兼用化された携帯電話キーが挙げられるが、本実施形態では、非常用のメカニカルキー2eを備えた電子キーを採用している(図7参照)。
前記各アダプティブアレーアンテナ33a,33dは、図2を参照して、K個(複数)のアンテナ素子によって構成されている。具体的には、直線状(リニア)に等間隔に配列されたアンテナ素子♯1,…,アンテナ素子♯k,…,アンテナ素子♯K(K≧k≧2)から構成されている。該各アダプティブアレーアンテナ33a,33dは、それぞれ180°の角度範囲のみ走査され、両者で相補的に360°範囲の方向(全方向)が走査されるようになっている。尚、各アレーアンテナ33a,33dは、このように走査範囲が異なるのみで構造は同一であるので、対応する箇所についての説明は省略することとし、以下、アダプティブアレーアンテナ33aについてのみ説明する。
本実施形態の車両検索システム1は以上のように構成されており、以下、同車両検索システム1によって電波の到来方向を検出する方法について説明する。尚、ここでは、電波の到来方向検出法として、指向性ビームによる空間操作を行うビームフォーマ法を用いる。該ビームフォーマ法は、一様励振アレーアンテナであるアダプティブアレーアンテナ33a(33d)のメインビームを180°範囲の方向[(−90°≦θ≦90°)の方向]で走査し、その出力電力が大きくなる方向を探索する方法である。
[数1]
y(t)=WH・X(t) …式(1)
ここで、X(t)=[x1(t),x2(t),…,xK(t)]T、W(ウェイトベクトル)=[w1,w2,…,wK]Tであり、添え字のHは複素共役転置を示し、添え字のTは転置を示す。
[数2]
Pout=0.5・E[|y(t)|2]=0.5・WH・Rxx・W …式(2)
ここで、Rxx(自己相関行列)=E[X(t)・XH(t)](E[]は時系列でサンプリングした値の平均をとることを意味する。)である。そして、アダプティブアレーアンテナ33a(各アンテナ素子♯1〜♯K)のメインビームを角度θに向けるべく、同相になるように位相を揃えるための共相条件より、前記各重み付け係数wk(k=1,2,…,K)を下式(3)のように設定する。
[数3]
wk=exp(-j・2π/λ・dk・sinθ)(k=1,2,…,K) …式(3)
次に、この角度θを−90°から90°まで変化させ、アダプティブアレーアンテナ33aの出力電力Pout(θ)のピークを探索する。
[数4]
W=a(θ)=[exp(-j・2π/λ・d1・sinθ),…,exp(-j・2π/λ・dK・sinθ)] …式(4)
すると、アダプティブアレーアンテナ33aの出力電力Pout(θ)は、上式(2)より、下式(5)で示される。
[数5]
Pout(θ)=0.5・aH(θ)・Rxx・a(θ) …式(5)
したがって、本ビームフォーマ法による角度分布(角度スペクトラム)PBF(θ)は、この出力電力Pout(θ)を正規化することで、下式(6)として得られる。
[数6]
PBF(θ)=Pout/(aH(θ)・a(θ)/2)
=aH(θ)・Rxx・a(θ)/aH(θ)・a(θ) …式(6)
上式(6)において、角度θを−90°から90°まで変化させたときのPBF(θ)のピークの角度位置θp(−90°≦θp≦90°)から電波の到来方向が検出される。
以下、本実施形態の車両検索システム1による、携帯機2から観た車両3の相対方向を検索する方法について説明する。
そして、同携帯機2において、車両3から送信された前記携帯機2の絶対方向の情報と、前記電子コンパス22によって検出された携帯機2から観た絶対方位(北方位)α1の情報(図5(a)の(a−i)参照)とを用いることにより、当該電子コンパス22に電気的に接続された車両方向演算手段としての携帯機側制御部21(図1(a)参照)によって、携帯機2から観た車両3の相対方向β2(携帯機2の相対方向β1と180°逆方向になる。)が演算される(図5(a)の(a−iii)参照)。
以下、図6のフローチャート、図7及び図8を参照しながら、車両検索システム1の動作について説明する。
(1)車両3側に携帯機相対方向検出手段としてのアダプティブアレーアンテナ33a,33dが設けられている場合において、車両3の方向を多様な場所で正確に検索できるとともに、携帯機2から観た車両3の相対方向β2が、携帯機2の表示部25に設けられ、放射状に配列された4個(複数個)のLED25a,…(車両3の方向を表示するための表示スポット)により2値化表示される。このため、携帯機2側において、車両3の相対方向β2(図7参照)を簡潔な手法によって的確に知ることができる。
・上記実施形態では、表示部25において、表示スポットとしての4個(複数個)のLED(発光ダイオード)25a,25b,25c,25dを楕円状とすることで放射状に配列することとしたが、その他、例えば、円状、多角形状に配列することで放射状に配列することとしてもよい。
○車両のユーザに所持される携帯機と当該車両との間で無線通信を行い、該通信の結果に基づいて携帯機から観た車両の方向を検索する車両検索システムであって、前記携帯機に設けられ、同携帯機から観た絶対方位を検出する第1絶対方位検出手段と、前記車両にそれぞれ設けられ、前記携帯機から送信される電波に基づいて、当該車両から観た携帯機の相対方向を検出する携帯機相対方向検出手段と、同車両から観た絶対方位を検出する第2絶対方位検出手段と、前記携帯機の相対方向の情報と前記車両から観た絶対方位の情報とに基づき、前記車両から観た携帯機の絶対方向を演算する携帯機絶対方向演算手段と、前記携帯機又は車両に設けられ、前記携帯機の絶対方向の情報と前記携帯機から観た絶対方位の情報とに基づき、前記携帯機から観た車両の相対方向又は絶対方向を演算する車両方向演算手段と、前記携帯機に設けられ、前記車両の相対方向又は絶対方向を放射状に配列した複数の表示スポットによって2値化表示する表示手段とをさらに備えたことを特徴とする車両検索システム。
同構成によれば、携帯機の表示手段の表示スポットが、発光ダイオードで構成されているので、携帯機側において、車両の相対方向を実用的な手段で的確に知ることができる。
同構成によれば、複数のアンテナ素子から入力される電波の振幅又は位相を調節することで指向性ビームを自在に制御し、多様な指向性を作成することで電波の到来方向が検出できるアダプティブアレーアンテナを車両に設けられた携帯機相対方向検出手段として用いる。このため、電波の到来方向、即ち、車両から観た携帯機の相対方向を容易且つ確実に検出することができる。しかも、アダプティブアレーアンテナは、車両の1箇所に集中して設けることで電波の到来方向が推定できるので、携帯機相対方向検出手段の構成が簡単化できる。
Claims (2)
- 車両のユーザに所持される携帯機と当該車両との間で無線通信を行い、該通信の結果に基づいて携帯機から観た車両の方向を検索する車両検索システムであって、
前記車両に設けられ当該車両から観た前記携帯機の相対方向を検出する又は前記携帯機に設けられ当該携帯機から観た前記車両の相対方向を検出するアレーアンテナと、
前記携帯機に設けられ、前記車両の方向を放射状に表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記車両の方向を放射状に配列した複数の表示スポットによって2値化表示するようにされ、
前記表示手段の表示スポットが、前記携帯機の前方側の複数箇所、及び、同携帯機の後方側の1箇所に配置されていることを特徴とする車両検索システム。 - 請求項1に記載の車両検索システムにおいて、
前記表示手段の各表示スポットが、放射状に配列され、且つ、当該各表示スポットによって放射状に囲まれた領域には、前記車両及び携帯機の出所を表示する情報としての商標が表示されている車両検索システム。
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