JP5173621B2 - 分割環冷却構造 - Google Patents
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Description
分割環の冷却に関する従来技術としては、分割環の温度を抑えて高温酸化による欠損を防止するとともに、熱変形による分割環の歪みを低減するものが開示されている。(たとえば、特許文献1参照)
また、分割環の冷却効率を向上させるため、分割環とインピンジメント冷却板との間を周方向に延びる圧力隔板により軸方向で区画し、それぞれ異なる圧力に調整した複数のキャビティを設けた分割環の冷却構造が開示されている。(たとえば、特許文献3参照)
また、特許文献1の分割環冷却構造は、分割環の四方に冷却通路を設けてインピンジメント冷却後の冷却空気を放出しているため、穴加工の加工数が多くなるという問題に加えて、冷却流路が長くなることにより出口部の冷却空気温度を上昇させ、十分な端部冷却を実施できないという問題を有している。特に、熱負荷が大きい燃焼ガス流れ方向の上流側端部においては、連結部があるためインピンジメント冷却を実施できないこともあり、冷却不足の問題はより顕著になる。
近年においては、ガスタービンの効率向上を目指してタービン部に供給される燃焼ガス温度が上昇する傾向にあるため、分割環の熱的環境はますます厳しいものとなり、従来の分割環冷却構造では冷却不足が懸念される。従って、ガスタービンの安定した運転を継続するためには、分割環の冷却不足を解消し、分割環等の冷却効率及び冷却能力をより一層向上させることが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却空気の使用量を最小限に抑えるとともに、分割環の冷却効率及び冷却能力をより一層向上させることができるガスタービンの分割環冷却構造を提供することにある。
本発明による分割環冷却構造の第1の態様は、周方向に配設されて環状をなす複数の分割体からなり、内周面が動翼の先端から一定の距離を保つようにして車室内に配設されるガスタービンの分割環を冷却する分割環冷却構造において、前記分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿ってインピンジメント冷却後の冷却空気を流す対流冷却流路を形成し、該対流冷却流路の出口に絞り部を設けるとともに、前記分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部にインピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔を設け、前記空気流出孔が燃焼ガス流れ方向から傾斜していることを特徴とするものである。
また、分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部についても、インピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔から流出するインピンジメント冷却後の冷却空気により冷却することができる。
そして、この場合の空気流出孔については、燃焼ガス流れ方向から傾斜しているので、冷却空気量の低減が可能になる。
そして、この場合の空気流出孔については、燃焼ガス流れ方向から傾斜しているので、冷却空気量の低減が可能になる。
そして、この場合の空気流出孔については、燃焼ガス流れ方向から傾斜しているので、冷却空気量の低減が可能になる。
このような第4の態様によれば、分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿ってインピンジメント冷却後の冷却空気を流す対流冷却流路を形成し、該対流冷却流路の出口に絞り部を設けるとともに、分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部にインピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔を設けたので、インピンジメント冷却後の冷却空気は、絞り部により規定される冷却空気量が対流冷却流路を流れ、熱負荷の厳しい分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部を効率よく冷却することができる。このような対流冷却流路は、多数の冷却孔を穿設する構造と比較して、加工数を低減できる。また、分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部についても、インピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔から流出するインピンジメント冷却後の冷却空気により冷却することができる。
そして、この場合の対流冷却流路は、分割体の動翼回転方向上流側でインピンジメントメント冷却空間に開口する入口から冷却空気を導入し、分割体の動翼回転方向下流側の側端部に開口する出口から流出させるので、対流冷却流路を通って出口から燃焼ガス流路へ流出する冷却空気の流れがスムーズになる。
このような第5の態様によれば、分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿ってインピンジメント冷却後の冷却空気を流す対流冷却流路を形成し、該対流冷却流路の末端に空気流出孔を設けるとともに、分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部にインピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔を設けたので、上述した第1の態様と同様の作用に加えて、対流冷却流路の末端に設けた空気流出孔から対流冷却後の冷却空気が燃焼ガス流中へ排出するので、前縁側端部の冷却が強化される。
そして、この場合の対流冷却流路は、分割体の動翼回転方向上流側でインピンジメントメント冷却空間に開口する入口から冷却空気を導入し、分割体の動翼回転方向下流側の側端部に開口する出口から流出させるので、対流冷却流路を通って出口から燃焼ガス流路へ流出する冷却空気の流れがスムーズになる。
また、上記第1及び第2の態様において、前記対流冷却流路は、前記分割体の動翼回転方向上流側でインピンジメントメント冷却空間に開口する入口から冷却空気を導入し、前記分割体の動翼回転方向下流側の側端部に開口する出口から流出させることが好ましく、これにより、対流冷却流路を通って出口から燃焼ガス流路へ流出する冷却空気の流れがスムーズになる。
図12に示すように、ガスタービン1は、燃焼用空気を圧縮する圧縮部(圧縮機)2と、この圧縮部2から送られてきた高圧空気中に燃料を噴射して燃焼させ、高温燃焼ガスを発生させる燃焼部(燃焼器)3と、この燃焼部3の下流側に位置し、燃焼部3を出た燃焼ガスにより駆動されるタービン部(タービン)4とを主たる要素とするものである。
分割環10は、周方向に配設されて環状をなす複数の分割体11からなり、内周面11aが動翼5の先端5aから一定の距離を保つようにして、ガスタービン1の車室内に配設されるタービン部4の構成部材である。なお、図中の符号6は、タービン部4の静翼である。
遮蔽板19の上方には、遮熱環30により画成され、冷却空気供給流路32を通って供給されるインピンジメント冷却用の冷却空気を導入する冷却空気受入空間33が形成されている。この冷却空気受入空間33内に供給された冷却空気は、全体が略同一圧力に均圧された状態で小穴20から流出し、冷却面16をインピンジメント冷却する。
本実施形態の分割体11には、燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿って対流冷却流路21が設けられている。この対流冷却流路21は、インピンジメント冷却後の冷却空気を図中の破線矢印Ca方向へ流す流路であり、分割体11の動翼回転方向上流側でインピンジメント冷却空間に開口する入口22から冷却空気を導入し、分割体11の動翼回転方向下流側の側端部14に開口する出口23から流出させるようになっている。
また、分割体11に形成された対流冷却流路21の出口23には、流路断面積を狭めた絞り部24が設けられている。
このような対流冷却流路21とすれば、対流冷却流路21を通って出口23から静翼4及び動翼5間の燃焼ガス流路へ流出する冷却空気の流れは、燃焼ガスの流れに沿ってスムーズになる。
また、下流側端部25に設けた空気流出孔26Rは、燃焼ガス流れ方向と平行に設けられている。
また、インピンジメント冷却に使用された冷却空気の残りは、すなわち、対流冷却流路21へ流入して上流側端部領域の冷却に使用された以外の冷却空気は、側端部14,15及び下流側端部25に設けた空気流出孔26から流出するので、分割体11の側端部14,15及び下流側端部25についても冷却することができる。
また、分割体11の側端部14,15及び下流側端部25に設けられる空気流出孔26についても、後述する変形例を含めて、燃焼ガス流れ方向から傾斜していることにより、冷却空気の有効利用が可能になるので、冷却空気量の低減が可能になる。
本実施形態の分割体11Aでは、前述した第1の実施形態に対して、対流冷却通路21の側端部14側に複数の空気流出孔26Cを設けた点が異なっている。この空気流出孔26Cは、上流側を対流冷却通路21に連通させ、かつ、下流側を燃焼ガス流に開口させることにより、側端部14の燃焼ガス流れ方向上流側となる端部近傍を冷却している。
空気流出孔26Cは、インピンジメント冷却面16に干渉しない範囲で、燃焼ガスの流れの側端部上流側から下流側へ向けて複数配置されており、図7には空気流出孔26Cの配置に関する一例が示されている(図6のD−D矢視図)。また、空気流出孔26Cの孔径を変えることにより、空気流出孔26Cから吹き出す冷却空気の流量を調整できるので、空気流出孔26Cは絞りの役割も果たしている。
本実施形態の分割体11Bは、上述した第1の実施形態と下記の点で異なっている。すなわち、対流冷却通路21は、その中央近傍にインピンジメント冷却空間(冷却面16)から冷却空気を導入する入口22を備えている。対流冷却通路21の下流側には、分割体11Bの側端部14,15に配設された側部冷却通路27A,27Bが連通している。
そして、この側部冷却通路27A,27Bには、側端部14、15に連通するようにして、空気流出孔26D,26Eが設けられている。
また、側端部14、15に連通する空気流出孔26D、27Eは、端面14a、15aの開口Hが、図2に示す動翼5の翼長Lの範囲内に配置されていることが望ましい。
図10に示す第1変形例及び図11に示す第2変形例においては、側端部15の空気流出孔26Bを廃止するとともに、下流側端部25に設ける空気流出孔26R′を傾斜させている。これらの場合、側端部15の冷却については、たとえば図9(図3のC−C断面図)に示すように、隣接する分割体11とのシップラップ構造を採用しているので、隣接する分割体11の空気流出孔26Aから流出する冷却空気を利用できる。
この結果、第1変形例においては、下流側端部25に近い空気流出孔26A及び側端部14に近い空気流出孔26R′から流出する冷却空気の流れが互いに干渉し、流れに乱れを生じるのに対し、第2変形例ではこの問題が解消されている。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 分割環
11,11A,11B 分割体
12,13 フック
14,15 側端部
16 インピンジメント冷却面(冷却面)
17 ディンプル
18 インピンジメント冷却空間(冷却空間)
19 インピンジメント板(遮蔽板)
20 小穴
21 対流冷却流路
22 入口
23 出口
24 絞り部
25 下流側端部
26,26A,26B 空気流出孔
30 遮熱環
32 冷却空気供給流路
33 冷却空気受入空間
Claims (6)
- 周方向に配設されて環状をなす複数の分割体からなり、内周面が動翼の先端から一定の距離を保つようにして車室内に配設されるガスタービンの分割環を冷却する分割環冷却構造において、
前記分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿ってインピンジメント冷却後の冷却空気を流す対流冷却流路を形成し、該対流冷却流路の出口に絞り部を設けるとともに、
前記分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部にインピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔を設け、
前記空気流出孔が燃焼ガス流れ方向から傾斜していることを特徴とする分割環冷却構造。 - 周方向に配設されて環状をなす複数の分割体からなり、内周面が動翼の先端から一定の距離を保つようにして車室内に配設されるガスタービンの分割環を冷却する分割環冷却構造において、
前記分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿ってインピンジメント冷却後の冷却空気を流す対流冷却流路を形成し、該対流冷却流路の末端に空気流出孔を設けるとともに、
前記分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部にインピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔を設け、
前記空気流出孔が燃焼ガス流れ方向から傾斜していることを特徴とする分割環冷却構造。 - 周方向に配設されて環状をなす複数の分割体からなり、内周面が動翼の先端から一定の距離を保つようにして車室内に配設されるガスタービンの分割環を冷却する分割環冷却構造において、
前記分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿ってインピンジメント冷却後の冷却空気を流す対流冷却流路を形成し、
前記分割体の側端部に前記対流冷却流路に連通する側部冷却流路を形成し、前記分割体の側端部に前記側部冷却流路に連通する空気流出孔を設けるとともに、
燃焼ガス流れ方向下流側端部にインピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔を設け、
前記空気流出孔が燃焼ガス流れ方向から傾斜していることを特徴とする分割環冷却構造。 - 周方向に配設されて環状をなす複数の分割体からなり、内周面が動翼の先端から一定の距離を保つようにして車室内に配設されるガスタービンの分割環を冷却する分割環冷却構造において、
前記分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿ってインピンジメント冷却後の冷却空気を流す対流冷却流路を形成し、該対流冷却流路の出口に絞り部を設けるとともに、
前記分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部にインピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔を設け、
前記対流冷却流路は、前記分割体の動翼回転方向上流側でインピンジメント冷却空間に開口する入口から冷却空気を導入し、前記分割体の動翼回転方向下流側の側端部に開口する出口から流出させることを特徴とする分割環冷却構造。 - 周方向に配設されて環状をなす複数の分割体からなり、内周面が動翼の先端から一定の距離を保つようにして車室内に配設されるガスタービンの分割環を冷却する分割環冷却構造において、
前記分割体の燃焼ガス流れ方向上流側端部に沿ってインピンジメント冷却後の冷却空気を流す対流冷却流路を形成し、該対流冷却流路の末端に空気流出孔を設けるとともに、
前記分割体の側端部及び燃焼ガス流れ方向下流側端部にインピンジメント冷却空間と連通する空気流出孔を設け、
前記対流冷却流路は、前記分割体の動翼回転方向上流側でインピンジメント冷却空間に開口する入口から冷却空気を導入し、前記分割体の動翼回転方向下流側の側端部に開口する出口から流出させることを特徴とする分割環冷却構造。 - 前記対流冷却流路は、前記分割体の動翼回転方向上流側でインピンジメント冷却空間に開口する入口から冷却空気を導入し、前記分割体の動翼回転方向下流側の側端部に開口する出口から流出させることを特徴とする請求項1または2に記載の分割環冷却構造。
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