JP5173545B2 - 受信光パワーモニタ装置および受信光パワーモニタ方法 - Google Patents
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Description
WDM方式の光通信システムの構成を図9に示す。同図において、WDM方式の光通信システムは、多重化装置500と、送信装置501と、光合波器510と、光ファイバ伝送路520と、光分波器530と、受信装置540と、多重分離化装置550とを有している。
また、受信装置540は、受光素子541と、等化増幅器542と、AGC回路543と、識別再生部544と、受信符号処理部545と、受信パワーモニタ回路546と、タイミング抽出回路547とを有している。
多重化装置500、送信装置501、受信装置540及び多重化分離装置550は、WDM方式で使用する光信号の波長の数だけ設けられている。
送信信号処理部502の出力は、駆動回路503、レーザダイオード(LD)504及び出力レベル制御部505により光電変換され、光合波器510に出力される。
光分波器530では、光合波器510で多重化された複数の光信号を波長毎に分波し、各受信装置540に出力する。
受信装置540では、受光素子541により光信号を受光し、光電変換した出力信号を等化増幅器542、AGC回路543及び受信パワーモニタ回路546に出力する。
タイミング抽出回路547では、論理“1”(マーク)と、論理“0”(スペース)とを識別するタイミングを示すクロックが抽出され、タイミング抽出回路547は該クロックを識別再生部544に出力する。
このように、光通信システムでは、受信装置側で受信した光信号の入力パワーをモニタする機能を備えているのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
PINダイオードは、空乏層の幅を広げて量子効率と応答速度を高めるために、n型半導体領域とp型半導体領域との間に真性半導体領域(i層)を設けたPIN構造を有している。
Vmon=K・Ipd(Kは、比例係数)として比例係数Kの値を調整してモニタ出力Vmonを得ることができる。
アバランシェフォトダイオード(APD)は、走行キャリアが他の電子と衝突して価電子帯から伝導帯に励起され、キャリア数が増倍されることにより、大きな光電流を得る機能を持っている。すなわち、アバランシェフォトダイオード(APD)には、光入力Pinに比例した光電流が、アバランシェフォトダイオードの逆バイアス電圧VrによりM倍に増倍された光電流Iapdが流れる。
したがって、光入力Pinに対するモニタ出力Vmonは、
Vmon=F(Iapd,Vr)…(1)
と書ける。
また、逆バイアス電圧Vrは、分圧抵抗R12、R13により、分圧した電圧信号として逆バイアス電圧検出部602により検出される。
図12(a)に示すように、光電流Iapdが入力光パワーPinに対して直線Q0のように線形関係にあれば、受信光パワーモニタ出力Vmonは、図12(d)に示すように入力光パワーPinに対して比例関係となる。
また、調整時に、演算手段は、前記光入力パワーと前記光電流との比が前記逆バイアス電圧の一次式となるように該一次式を規定するパラメータが予め決定し、記憶手段により前記決定された前記パラメータが記憶される。
これにより、光受信部に入力される光パワーと、該光受信部に入力される光パワーに対する受信光パワーのモニタ出力とが線形関係となり、検出される受信光パワーのモニタ出力の誤差が低減される。
次式(2)
Pin/(Iapd‘−C(T))=A(T)・Vr+B(T)…(2)
からパラメータA(T)、B(T)、C(T)を算出し、求めたパラメータA(T)、B(T)、C(T)を前記記憶手段に格納することを特徴とする。
次いで、線形回帰法により係数A(T),定数項B(T)を算出して求める。
このようにして求めたパラメータA(T)、B(T)、C(T)を記憶手段に格納し、受信モニタ時の演算処理のために備える。
Vmon=(A(T)・Vr+B(T))・(Iapd‘−C(T))…(3)
から受信パワーモニタ出力Vmonを求めることを特徴とする。
これにより、受光素子に入力される光入力パワーと受光素子の光電流との比が前記逆バイアス電圧の一次式として算出され、この結果、光受信部に入力される光パワーと、光受信部に入力される光パワーに対する受信光パワーのモニタ出力とが線形関係となり、検出される受信光パワーのモニタ出力の誤差が低減される。
調整時に、通信に使用する最も波長の短い光信号と最も波長の長い光信号を前記受光素子に入力して、それぞれ求めた前記パラメータA(T)、B(T)、C(T)の平均値を算出し、該算出したパラメータA(T)、B(T)、C(T)の平均値を受信パワーモニタ出力Vmonを算出する際に使用するパラメータA(T)、B(T)、C(T)として、前記記憶手段に格納することを特徴とする。
調整時に、第3のステップで、前記光入力パワーと前記光電流との比が前記逆バイアス電圧の一次式となるように該一次式を規定するパラメータを演算手段により予め決定し、さらに第4のステップで、前記演算手段により決定された前記パラメータを記憶手段に記憶させる。
これにより、光受信部に入力される光パワーと、該光受信部に入力される光パワーに対する受信光パワーのモニタ出力とが線形関係となり、検出される受信光パワーのモニタ出力の誤差が低減される。
調整時に、前記受信部に入力される光パワーをPin,前記受光素子に流れる光電流をIapd‘、前記受光素子に印加される逆バイアス電圧をVr、取得した光電流Iapd’の誤差を考慮したオフセットをC(T)、前記光入力パワーPinと前記光電流Iapd‘との比を、逆バイアス電圧Vrを変数とした一次式で表したときの逆バイアス電圧Vrの係数をA(T),定数項をB(T)(ただし、Tは温度を示し、A(T)、B(T)、C(T)は温度の関数である。)として、前記演算手段により、次式(4)
Pin/(Iapd‘−C(T))=A(T)・Vr+B(T)…(4)
からパラメータA(T)、B(T)、C(T)を算出し、
前記第4のステップにおいて、求めたパラメータA(T)、B(T)、C(T)を前記記憶手段に格納することを特徴とする。
次いで、線形回帰法により係数A(T),定数項B(T)を算出して求める。
このようにして求めたパラメータA(T)、B(T)、C(T)を記憶手段に格納し、受信モニタ時の演算処理のために備える。
Vmon=(A(T)・Vr+B(T))・(Iapd‘−C(T))…(5)
から受信パワーモニタ出力Vmonを求めることを特徴とする。
受光素子12は、本実施形態では、アバランシェフォトダイオード(APD)である。
逆バイアス電圧検出部16は、受光素子12に印加されるバイアス電圧Vrを分圧抵抗R2、R3で分圧した電圧信号として検出する。
また、演算処理回路20は、光電流/逆バイアス電圧取得部200と、パラメータ演算部202と、記憶部204と、受信パワー演算部206とを有している。
パラメータ演算部202は、後述する演算処理に必要なパラメータA(T),B(T),C(T)を算出する機能を有している。
受信パワー演算部206は、予め定められている演算式に基づいて上記パラメータA(T),B(T),C(T)を使用して受信光パワーを算出し、受信光パワーモニタ出力Vmonとして出力する機能を有している。
一般に次式が成立する。
上式(6)において、n=1とすると、
Pin/Iapd=(1/α)・(1−(Vr/Vb)) …(7)
となる。
また、上式(7)は、
Pin/Iapd=(−1/αVb)・Vr+1/α …(8)
と変形できる。
Pin/Iapd=AVr+B …(9)
となる。
ここで、A,Bは受信光パワーモニタ装置のモジュール調整時に実測して取得するパラメータであり、アバランシェフォトダイオードの変換効率α、ブレークダウン電圧Vbに温度依存性が有るために温度Tの関数であるので、A(T)、B(T)とする。
Pin/(Iapd‘−C(T))=A(T)・Vr+B(T)…(10)
となる。
これらの図において、まず、受光素子12の光入力パワーPinに対する高電圧発生回路10により受光素子12に印加される逆バイアス電圧Vrが分圧抵抗R4、R5を介して逆バイアス電圧検出部14により検出される(ステップ301)。
光電流/逆バイアス電圧取得部200は、バイアス電圧検出部14及び光電流検出部16の検出出力である、逆バイアス電圧Vr、光電流Iapd‘を取り込み、これらの検出出力をA/D変換して、ディジタル信号に変換し、所定の形式のデータにして図4に示す内容のテーブルにして記憶部204に格納する(ステップ303)。
また、パラメータ演算部202は、逆算器311により光電流(Iapd‘−C(T))の逆数を算出する(ステップ305)。
さらに、パラメータ演算部202は、乗算器312によりステップ305で求めた光電流(Iapd‘−C(T))の逆数に光入力パワーPinを乗算して光入力パワーPinと光電流との比Pin/(Iapd‘−C(T))を算出する(ステップ306)。
Pin/(Iapd‘−C(T))=A(T)・Vr+B(T)…(10)
となるパラメータA(T),B(T)を算出し、算出したパラメータA(T),B(T)を記憶部204に格納する(ステップ308)。
このようにして、調整時にパラメータA(T),B(T)、C(T)を取得し、受信モニタ時の演算処理のために備える。る。
これらの図において、まず、受光素子12の光入力パワーPinに対する高電圧発生回路10により受光素子12に印加される逆バイアス電圧Vrが分圧抵抗R2、R3を介して逆バイアス電圧検出部16により検出される(ステップ401)。
光電流/逆バイアス電圧取得部200は、逆バイアス電圧検出部16及び光電流検出部14の検出出力である、逆バイアス電圧Vr、光電流Iapd‘を取り込み、これらの検出出力をA/D変換して、ディジタル信号に変換し、所定の形式のデータにして記憶部204に格納する(ステップ403)。
また、パラメータ演算部202は、係数乗算器411により取得した、逆バイアス電圧VrにパラメータA(T)を乗算してA(T)・Vrを算出し、かつこの乗算結果に加算器412によりパラメータB(T)を加算して、A(T)・Vr+B(T)を算出する(ステップ405)。
これにより、受光素子に入力される光入力パワーと受光素子の光電流との比が前記逆バイアス電圧の一次式として算出され、この結果、光受信部に入力される光パワーと、光受信部に入力される光パワーに対する受信光パワーのモニタ出力とが線形関係となり、検出される受信光パワーのモニタ出力の誤差が低減される。
本発明の実施形態に係る受信光パワーモニタ装置で、パラメータ演算部202は、調整時に、通信に使用する最も波長の短い光信号と最も波長の長い光信号を受光素子12に入力して、それぞれ求めた前記パラメータA(T)、B(T)、C(T)の平均値を算出し、該算出したパラメータA(T)、B(T)、C(T)の平均値を、受信パワーモニタ出力Vmonを算出する際に使用するパラメータA(T)、B(T)、C(T)として、記憶部204に格納するようにしている。
Claims (8)
- 光通信システムにおける光受信部における受光パワーを監視する受信光パワーモニタ装置であって、
前記光受信部に入力される光パワーに対する前記受光部を構成する受光素子に印加される逆バイアス電圧を検出する電圧検出手段と、
前記光受信部に入力される光パワーに対する前記受光素子に流れる光電流を検出する光電流検出手段と、
調整時に、前記光入力パワーと前記光電流との比が前記逆バイアス電圧の一次式となるように該一次式を規定するパラメータを、予め通信に使用する最も波長の短い光信号と最も波長の長い光信号とを前記受光素子に入力し、最も波長の短い光信号及び最も波長の長い光信号の各々で求めた一次式のパラメータの平均値として決定する演算手段と、
前記演算手段により決定された前記パラメータを記憶する記憶手段と、
を有し、
前記演算手段は、受信光パワーモニタ時に、前記電圧検出手段及び前記光電流検出手段の検出出力を取り込み、これらの検出出力に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記パラメータを使用して受信光パワーを算出することを特徴とする受信光パワーモニタ装置。 - 前記演算手段は、
調整時に、前記受信部に入力される光パワーをPin,前記受光素子に流れる光電流をIapd‘、前記受光素子に印加される逆バイアス電圧をVr、取得した光電流Iapdの誤差を考慮したオフセットをC(T)、前記光入力パワーPinと前記光電流Iapdとの比を、逆バイアス電圧Vrを変数とした一次式で表したときの逆バイアス電圧Vrの係数をA(T),定数項をB(T)(ただし、Tは温度を示し、A(T)、B(T)、C(T)は温度の関数である。)として、次式(1)
Pin/(Iapd‘−C(T))=A(T)・Vr+B(T)…(1)
からパラメータA(T)、B(T)、C(T)を算出し、
求めたパラメータA(T)、B(T)、C(T)を前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項1に記載の受信光パワーモニタ装置。 - 前記演算手段は、
受信光パワーモニタ時に、前記受光素子に流れる光電流Iapd‘を示す信号及び該受光素子に印加される逆バイアス電圧Vrを示す信号を取り込み、
前記記憶手段に記憶されている前記パラメータA(T)、B(T)、C(T)を使用して、次式(2)
Vmon=(A(T)・Vr+B(T))・(Iapd‘−C(T))…(2)
から受信パワーモニタ出力Vmonを求めることを特徴とする請求項2に記載の受信光パワーモニタ装置。 - 前記演算手段は、
調整時に、通信に使用する最も波長の短い光信号と最も波長の長い光信号を前記受光素子に入力して、それぞれ求めた前記パラメータA(T)、B(T)、C(T)の平均値を算出し、該算出したパラメータA(T)、B(T)、C(T)の平均値を受信パワーモニタ出力Vmonを算出する際に使用するパラメータA(T)、B(T)、C(T)として、前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項2に記載の受信光パワーモニタ装置。 - 光通信システムにおける光受信部における受信光パワーを監視する受信光パワーモニタ方法であって、
前記光受信部に入力される光パワーに対する前記受光部を構成する受光素子に印加される逆バイアス電圧を電圧検出手段により検出する第1のステップと、
前記光受信部に入力される光パワーに対する前記受光素子に流れる光電流を電流検出手段により検出する第2のステップと、
調整時に、演算手段が、前記光入力パワーと前記光電流との比が前記逆バイアス電圧の一次式となるように該一次式を規定するパラメータを、通信に使用する最も波長の短い光信号と最も波長の長い光信号とを前記受光素子に入力し、最も波長の短い光信号及び最も波長の長い光信号の各々で求めた一次式のパラメータの平均値として予め決定する第3のステップと、
前記演算手段により決定された前記パラメータを記憶手段に記憶させる第4のステップと、
受信光パワーモニタ時に、前記演算手段により前記電圧検出手段及び前記光電流検出手段の検出出力を取り込み、これらの検出出力に基づいて前記記憶手段に記憶されている前記パラメータを使用して受信光パワーを算出する第5のステップと、
を有することを特徴とする受信光パワーモニタ方法。 - 前記第3のステップにおいて、
調整時に、前記受信部に入力される光パワーをPin,前記受光素子に流れる光電流をIapd‘、前記受光素子に印加される逆バイアス電圧をVr、取得した光電流Iapd’の誤差を考慮したオフセットをC(T)、前記光入力パワーPinと前記光電流Iapdとの比を、逆バイアス電圧Vrを変数とした一次式で表したときの逆バイアス電圧Vrの係数をA(T),定数項をB(T)(ただし、Tは温度を示し、A(T)、B(T)、C(T)は温度の関数である。)として、前記演算手段により、次式(1)
Pin/(Iapd‘−C(T))=A(T)・Vr+B(T)…(1)
からパラメータA(T)、B(T)、C(T)を算出し、
前記第4のステップにおいて、求めたパラメータA(T)、B(T)、C(T)を前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項5に記載の受信光パワーモニタ方法。 - 前記第5のステップにおいて、
受信光パワーモニタ時に、前記演算手段により前記受光素子に流れる光電流Iapd‘を示す信号及び該受光素子に印加される逆バイアス電圧Vrを示す信号を取り込み、
前記記憶手段に記憶されている前記パラメータA(T)、B(T)、C(T)を使用して、次式(2)
Vmon=(A(T)・Vr+B(T))・(Iapd‘−C(T))…(2)
から受信パワーモニタ出力Vmonを求めることを特徴とする請求項6に記載の受信光パワーモニタ方法。 - 前記第3のステップにおいて、
調整時に、前記演算手段により通信に使用する最も波長の短い光信号と最も波長の長い光信号を前記受光素子に入力して、それぞれ求めた前記パラメータA(T)、B(T)、C(T)の平均値を算出し、
前記第4のステップにおいて、
前記算出したパラメータA(T)、B(T)、C(T)の平均値を受信パワーモニタ出力Vmonを算出する際に使用するパラメータA(T)、B(T)、C(T)として、前記記憶手段に格納することを特徴とする請求項6に記載の受信光パワーモニタ方法。
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