JP2004297592A - 光受信器 - Google Patents

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健一 宇藤
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Abstract

【課題】WDM光通信システムにおいて、受光信号の電力に依存しない光信号波長のモニタを可能とすること。
【解決手段】異なる複数の波長の光信号が多重されてなる光波長多重信号を用いて多重通信を行うWDM光通信システムに適用される光受信器17において、光波長多重信号を受信して、光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させる第1の受光部21と、光波長多重信号のそれぞれの波長を監視する波長監視回路22とを備え、波長監視回路22は、光電流のモニタによって得られた受光感度の変化量に基づいて光波長多重信号の波長を算出する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光受信器に関するものであり、特に、光波長の高精度な監視を可能とする光受信器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットが産業・経済および社会生活を支えるインフラストラクチャーとなりつつあるなかで、情報の増加、アプリケーションの多様化、CATVの普及などによって、インターネット利用環境の多様化、高速化が進展している。そのため、これらのバックボーンの高速化を推進するだけでなく、インターネットの発展を支える基盤として、大容量の波長分割多重光通信システム(以下「WDM光通信システム」という。[WDM:Wavelength Division Multiplex])の実現が求められている。
【0003】
WDM光通信システムの利点は大きく分けて2つの点にある。第1の利点は、敷設ファイバを最小数に抑えつつ導入コストが抑制できるという点であり、第2の利点は、予測されるライフサイクルや、将来グレードアップする場合のシステムを再構築に対する柔軟性が高いという点である。このように、WDM光通信システムは、通信容量の大容量化および敷設経費の低減下の両者を可能とした光通信網を構築する上で最適な通信システムであるといえる。
【0004】
このWDM光通信システムは、光ファイバに異なる波長の光を重畳して複数のチャネルを多重化し、大容量のデータを双方向に伝送することができる。例えば、海底ケーブルや数百キロに及ぶ地上系の長距離ネットワークの構築などには、明らかに経済効率のよい技術である。
【0005】
特に、近年、WDMコンポーネントの技術が進化し、Gbit/kmあたりのコストが低下しているなかで、従来よりも短い距離のネットワークに採用される傾向があり、このWDM光通信システムの利用価値が増大してきている。
【0006】
ところで、WDM光通信システムは、同一の光伝送路に干渉することのない異なる波長の光信号を同時に入射させ、それぞれの光波長ごとにデータ転送を行う光通信システムである。したがって、このWDM光通信システムを実現するためには、光波長を安定に出力させる波長可変光源や波長可変フィルタ、光波長多重モジュールおよび広帯域な受信感度をもつ光受信器が必要である。
【0007】
上述したようなWDM光通信システムに用いられる光受信器として、例えば、光波長ごとに互いに異なる周波数のトーン信号が重畳された光信号を受信し、光受信器内で主信号成分に重畳されたトーン信号だけを抽出することで、受光信号の波長の情報を検出する光受信装置が開示されている(例えば、特許文献1など)。この光受信装置による受光信号の波長の検出は、異なる周波数のトーン信号が重畳された複数の光信号が波長多重されたWDM光通信システムにおいては有効な検出手法であった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−247089号公報(第4−5頁、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1に示された光受信装置では、光送信器側に、トーン信号を重畳させるための重畳回路部と送信光信号の波長ごとに異なる周波数を発振させる発振回路とを具備する必要があり、WDM光通信システム全体の装置の大型化とコストの上昇とを招いていた。
【0010】
また、この光受信装置は、この装置内で異なる光波長を検出するために、トーン信号抽出回路には周波数に応じたバンドパスフィルタを内蔵しており、光受信器ごとに異なるトーン信号抽出回路を用意する必要があった。また、このトーン信号は、異なる光波長ごとに異なる周波数を用いるため、トーン信号抽出回路も異なる光波長に合わせて、異なる周波数に対応する回路を用意する必要があった。
【0011】
さらに、正しい波長を受信して識別できたとしても、このトーン信号抽出回路だけでは、誤って受信した光波長を精度良く算出することが困難であった。特に、誤った光波長を受信した場合には、どの光波長を受信しているのか精度良く検出することができなかった。
【0012】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、WDM光通信システムにおいて、受光信号の電力に依存しない光信号波長のモニタを可能とする光受信器を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる光受信器にあっては、異なる複数の波長の光信号が多重されてなる光波長多重信号を用いて多重通信を行うWDM光通信システムに適用される光受信器において、前記光波長多重信号を受信して、該光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させる第1の受光部と、前記光波長多重信号のそれぞれの波長を監視する波長監視回路とを備え、前記波長監視回路は、前記光電流のモニタによって得られた前記受光感度の変化量に基づいて前記光波長多重信号の波長を算出することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、第1の受光部は、光波長多重信号を受信して、光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させ、波長監視回路は、光波長多重信号のそれぞれの波長を監視し、光電流のモニタによって得られた受光感度の変化量に基づいて光波長多重信号の波長を算出する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる光受信器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1にかかるWDM光通信システムの構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態1にかかるWDM光通信システムのシステム構成を示すブロック図である。同図において、N個の電気信号入力端子18(18、18、・・・、18)から電気入力信号が入力されて、互いに干渉することのない異なる波長(λ、λ、・・・、λ)の光信号を発生するN個の光送信器10(10、10、・・・、10)が、N本の光ファイバ伝送路11(11、11、・・・、11)を介して光合波器12に接続される。光合波器12は、光ファイバ伝送路13をそれぞれ介して縦続接続された複数の光増幅器14(14、14、・・・、14)によって光分波器15に接続される。光分波器15は、N個の電気信号出力端子19(19、19、・・・、19)をそれぞれ備えた光受信器17(17、17、・・・、17)にN本の光ファイバ伝送路16(16、16、・・・、16)をそれぞれ介して接続される。
【0017】
つぎに、図1を用いて、このWDM光通信システムの動作について説明する。電気信号入力端子18から入力されたN個の電気信号に基づいて、N個の異なる波長(λ、λ、・・・、λ)の光信号が光ファイバ伝送路11を介して光合波器12に入力される。光合波器12ではこの光信号が合成され、1本の光ファイバ伝送路13に重畳される。この重畳された光信号は、十分な光信号強度を確保するため複数の光増幅器14で増幅された後、光分波器15に入力される。光分波器15では送信側とは逆の動作、すなわち、N個の異なる波長(λ、λ、・・・、λ)の光信号に分波され、光受信器17にそれぞれ入力される。光受信器17では、それぞれの電気信号出力端子19からN個の電気信号を取り出すことができる。
【0018】
上述したようなWDM光通信システムにおいて、1本の光ファイバで合波された光信号の長距離伝送を行う光ファイバ伝送路13には、一定値以上の光信号対雑音比(OSNR:Optical Signal to Noise Ratio)が要求される。このため、光ファイバ伝送路13には光増幅器14が好適に配置され、一定値以上のOSNRが確保されるようにしている。
【0019】
光波長の波長多重数は波長間隔にも依存するが、上記のような一定値以上のOSNRが確保された光ファイバ伝送路13を用いれば、光ファイバ伝送に有効な1260〜1610nm程度の光波長帯域を利用することで64波以上の光信号を多重化することができる。具体的には、1本の光ファイバ伝送路で、テラビット級(1×1012bit/s)以上の伝送容量を実現することができる。
【0020】
ところで、上述したようなWDM光通信システムでは、異なる波長の光信号同士の干渉に起因した光信号の劣化を防止することが重要である。特に、使用する光波長間隔が狭くなればなる程、WDM用光送信器の光出力の波長変動を最小限に抑える必要がある。一方、このWDM用の光送信器に対して、WDM用の光受信器では、可能な限り広帯域な受光信号の波長に対して、安定した受信動作を実現する必要がある。
【0021】
このような安定した受信動作を実現する場合、受信回路を最適な構成にすることで、同一の受光素子で任意の光波長に対応できれば、システム全体のコストを削減することができる。特に、WDM用の光受信器に波長監視機能を内蔵することにより、高い精度で受光信号の波長をモニタすることができ、リアルタイムな波長監視を可能とするとともに、受光信号の波長が設計値と異なる場合にアラーム信号を発出することによりシステム全体の誤動作を抑圧できる等、システム全体の保守管理に貢献できる。このような波長監視機能を実現したものが図2に示す光受信器である。
【0022】
図2は、図1に示すWDM光通信システムの光受信器17の構成を示すブロック図である。同図において、第1の受光部21と波長監視回路22とが受光信号処理部20を構成している。光ファイバ伝送路16に接続された第1の受光部21は、その出力端が増幅器23と波長監視回路22とに接続されている。第1の受光部21に接続された増幅器23は、その出力端がクロック信号抽出器24および識別器25に接続されている。増幅器23に接続された識別器25は、クロック信号抽出器24にも接続され、その出力端が電気信号出力端子に接続されている。なお、各処理部を接続する信号線のうち、太い実線の部分が光信号線路を示し、細い実線の部分が電気信号線路を示している。
【0023】
つぎに、光受信器17の動作について説明する。図2において、光ファイバ伝送路16からの光波長多重信号は、受光信号処理部20の第1の受光部21と、この第1の受光部21内に備えられたビームスプリッタ(図示省略)などによって波長監視回路22に入力される。波長監視回路22は、波長モニタ端子27と波長アラーム端子28とを有しており、検出した光信号の波長を波長モニタ端子27に出力し、検出した光信号の波長アラーム情報を波長アラーム端子28に出力する。
【0024】
第1の受光部21の電気出力信号は増幅器23に入力される。増幅器23の出力信号は、クロック信号抽出器24と識別器25とに入力され、その一方で、クロック信号抽出器24の出力は、識別器25に入力される。識別器25は、増幅器23から出力される出力信号とクロック信号抽出器24から出力されるクロック信号とに基づいて電気出力信号を電気信号出力端子19に出力する。
【0025】
図2に示す光受信器17は、波長監視回路22を受光信号処理部20に内蔵しているので、高い精度で受光信号の波長を検出することができる。その原理は、第1の受光部21の受光感度が受光信号の波長により変動することを利用するものである。具体的には、第1の受光部21に生ずる光電流をモニタし、このモニタ時の受光感度の変化量を検出することによって受光信号の波長を算出するようにしている。
【0026】
つぎに、上述した受光素子の受光感度の変化量を利用して受光信号の波長を検出する原理などについて詳細に説明する。図3は、GaAs、Si等の代表的な受光素子における受光信号の波長と吸収係数との関係を示すグラフである。同図に示すように、いずれの素子についても、ある波長帯域で吸収係数が大きく変化する特性を有している。この特性は、吸収係数の変化が受光信号の波長だけでなく、他の要因、すなわち、量子効率の影響を受けることに起因する。そこで、まず、受光素子の性能指標を表すものとして重要な量子効率について説明する。一般的に、受光素子の量子効率ηは、次式で表される。
【0027】
【数1】
Figure 2004297592
【0028】
ここで、α[cm−1]は受光素子の吸収係数であり、W[μm]は受光素子の空乏層の幅である。(1)式では、受光素子の表面の反射率と空乏層以外の領域における吸収率は、近似的に0であると考えている。実際に、受光素子の表面には無反射コーティングが施されており、理想的な反射率が”0”であるとして考えても差し支えない。
【0029】
つぎに、これも受光素子の性能指標を表すものとして重要な受光感度について説明する。この受光感度は、単位入射光パワーあたりの光電流出力で定義され、次式で表せる。
【0030】
【数2】
Figure 2004297592
【0031】
ここで、Iphは受光素子の光電流、Pは受光信号電力、qは電子の電荷量、hはプランク定数、fは受光信号の周波数、λは受光信号の波長である。(2)式から理解されるように、受光感度Rは、量子効率ηと受光信号の波長λから決定され、特に、着目すべきは、受光感度Rが受光信号の波長λに依存することである。なお、上述したように、受光感度Rは、第1の受光部21に生ずる光電流Iphをモニタし、このモニタ時の受光感度Rの変化量を検出することによって、(2)式に基づいて受光信号の波長を算出するようにしている。この際、受光信号電力Pは一定と仮定すれば、光電流Iphを電圧信号に変換するなどして電流値を測定することによって、受光感度Rをモニタできる。
【0032】
図4は、受光信号の波長と受光感度との関係を示すグラフである。同図に示すグラフは、量子効率を固定した場合の受光信号の波長と受光感度との関係を示しているが、受光信号の波長が大きなるにつれて受光感度が大きくなることを示している。一般に、大容量WDMシステムに適用可能な光波長1260〜1610nmの範囲において、受光感度変動は波長の増加に伴って徐々に大きくなる。例えば、量子効率ηが1.0のとき、波長1610nmにおける受光感度は波長1260nmにおける受光感度の約1.2倍以上になっている。また、受光素子の吸収係数が光波長に依存することを考慮すると、受光感度の変動はさらに大きくなる。すなわち、受光感度の変化から受光信号の波長を検出する精度を高めることを意味している。
【0033】
図2に戻って、波長監視回路22は、受光信号の波長を検出したとき、検出された受光信号の波長の設計情報と比較することで、波長アラーム情報を出力することができる。例えば、所望の光信号の波長ではなく、この所望の波長と異なる波長の光信号を受信した場合に、波長監視回路22のアラーム出力をトリガにして、識別器25の出力信号を遮断することにより、後段のシステムに誤った信号を送ることなく、光受信器17においてシステムの誤動作を最小限に抑えることができる。
【0034】
以上説明したように、この実施の形態の光受信器によれば、第1の受光部は、光波長多重信号を受信して光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させ、波長監視回路は、光波長多重信号のそれぞれの波長を監視するとともに、光電流のモニタによって得られた受光感度の変化量に基づいて光波長多重信号の波長を算出するようにしているので、受光信号の電力に依存せずに正確な受光信号の波長をモニタすることができ、高精度な波長監視を実現することができる。
【0035】
また、この実施の形態の光受信器によれば、算出された光信号の波長が所定の波長以外の波長である場合に波長アラーム信号を出力するようにしているので、光クロスコネクトスイッチなどを有するシステムでの波長切替の誤動作を検出して抑圧することができ、また、伝送路中の光クロスコネクトスイッチでの波長切替の動作の検証を行う場合にあっては、光波長を高精度で算出して誤ったチャネルを特定することができるのでWDM光通信システムの保守管理を容易にすることができる。
【0036】
また、この実施の形態の光受信器によれば、第1の受光部で検出した受光信号の電力と、波長監視回路で検出した受光信号の波長との2つの出力信号を併用することで、特定のチャネルに対して、光送信器の光出力の調整、光増幅器の利得制御、可変減衰器を用いた光伝送路中の光出力レベル調整等、WDM光通信システムにおける最適な光出力の制御が可能である。
【0037】
また、この実施の形態の光受信器によれば、従来技術のようなトーン信号を用いることなく受光信号の波長を検出できるため、光送信器側に重畳回路部と送信光波長ごとに異なる周波数を発生させる発振回路を備える必要がないので、WDM光通信システム全体の装置の大型化とコスト削減を実現できる。
【0038】
また、この実施の形態の光受信器によれば、波長モニタ端子の出力信号を用いて、第1の受光部または増幅器の利得を制御することで第1の受光部の受光信号の波長による受光感度の変動を補正することができるとともに、識別器の入力振幅が受光信号の波長に依らず一定値になるように制御することで安定な受光感度を維持することができる。
【0039】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2にかかる受光信号処理部20の細部構成を示すブロック図である。同図は、図2に示す光受信器17を構成する受光信号処理部20の詳細を示したものである。同図に示す波長監視回路22は、ビームスプリッタ30、波長フィルタ31、第2の受光部32、オペアンプ33、電圧レベルシフト34、比較器35および基準値36を備えている。なお、その他の構成については、図2の受光信号処理部20に示す構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。また、実施の形態1ではビームスプリッタを第1の受光部21内に備える構成(図示は省略)とし、実施の形態2では波長監視回路22内に備える構成としているが、この構成は、どちらであっても構わない。
【0040】
つぎに、この実施の形態の波長監視回路22の動作の概要について説明する。図5において、光ファイバ伝送路16から入力された光信号は、ビームスプリッタ30において2分岐され、一方は第1の受光部21に入力され、他方は波長フィルタ31を介して第2の受光部32に入力される。第1の受光部21と第2の受光部32とは、それぞれの光信号を電流信号に変換して電気信号として出力する。これらの電気信号は、オペアンプ33に入力された後、電圧レベルシフト34に入力される。電圧レベルシフト34で電圧レベルが可変された電圧レベルシフト34の出力信号は、波長モニタ信号として波長モニタ端子27から出力される。また、電圧レベルシフト34の出力信号は、比較器35の一方の入力端に接続され、他方の入力端には基準値36が入力される。比較器35の出力は、波長アラーム信号として波長アラーム端子28から出力される。波長モニタ端子27は、モニタした波長モニタ信号(波長λ)に基づき、量子効率ηを一定とした場合に、数2に従って受光感度Rを求めることができる。そして、例えば、この受光感度Rに基づいて、第1の受光部21の受光感度が一定値になるように調整すれば、第1の受光部21の感度を向上させることが可能となる。
【0041】
さらに、波長監視回路22の動作の詳細について説明する。図5において、光ファイバ伝送路16に接続された第1の受光部21の入力端にビームスプリッタ30を設けることにより、光出力信号は2分岐される。分岐された一方の出力は、主信号線路側に位置する第1の受光部21に入力され、第1の受光部21で光電気変換された後に、主信号成分を有する電気信号が出力され次段の増幅器23に出力される。
【0042】
一方、2分岐された他方の出力は、波長フィルタ31に接続された後に、第2の受光部32に出力される。波長フィルタ31では、次式に示すような、波長に対して線形な光出力特性を有するフィルタを用いる。
【0043】
【数3】
Figure 2004297592
【0044】
ここで、IλおよびIλは、第1の波長λおよび第2の波長λが、それぞれ第2の受光部32に入力されたときに、それぞれ変換される光電流である。波長に対して線形な光出力特性を有する前述のフィルタを用いるとすれば、(3)式で示すところの光電流の差分値(Iλ−Iλ)と、波長の差分値(λ−λ)との比Aは一定であると考えても差し支えない。
【0045】
また、光信号の波長λinが第1の受光部21と第2の受光部32とにそれぞれ入力されたときを考える。いま、第1の受光部21に生ずる光信号電流および光信号電力をそれぞれIPD1およびPとし、第2の受光部32に生ずる光信号電流および光信号電力をそれぞれIPD2およびPとするとき、ビームスプリッタ30に入力された光信号電力Pinと、IPD1とIPD2との光信号電流比αは、次式のように表せる。
【0046】
【数4】
Figure 2004297592
【0047】
ここで、(5)式に示すRおよびRは、それぞれ、第1の受光部21および第2の受光部32のそれぞれの受光感度であり、ηλは波長フィルタの変換効率、βは波長フィルタに固有な定数である。この(5)式に示されるように、光信号電流比αは受光信号の波長λinに比例することが理解できる。
【0048】
また、ビームスプリッタの反射率をRrefと置けば、前述の(4)、(5)式は、それぞれ(6)、(7)式のように置換することができる。
【0049】
【数5】
Figure 2004297592
【0050】
オペアンプ33は、(7)式で示される光信号電流比αに比例した信号を出力するものである。また、この(7)式には光信号電力Pinが含まれていない。したがって、オペアンプ33の出力は、受光信号の光信号電力Pinに依存することなく、波長λinの値を出力することができる。また、上述したような波長に対して線形な光出力特性を有する波長フィルタ31を用いているので、波長が変化すると波長変化に比例した電流が流れ、光信号電流比αも変化する。このように、光信号電流比αを算出することで、受光信号の光信号電力Pinに依存することなく受光信号の波長λinを検出することができる。
【0051】
図6は、図5に示す受光信号処理部20の第1の受光部21および第2の受光部32の細部構成を示すブロック図である。図6に示す第1の受光部21は、第1の光学系44、第1の受光素子電源回路45、カレントミラー回路46、第1の受光素子47、トランスインピーダンスアンプ48、帰還抵抗49、トランスインピーダンスアンプ50および帰還抵抗51を備えている。また、図6に示す第2の受光部32は、第2の光学系40、第2の受光素子41、トランスインピーダンスアンプ42および帰還抵抗43を備えている。なお、その他の構成については、図2の受光信号処理部20に示す構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。
【0052】
また、第1の受光部21の第1の受光素子47は、フォトダイオード(PD)素子、PINダイオード素子、アバランシェフォトダイオード(APD)素子のいずれの素子をも用いることができる。一方、第2の受光部32の第2の受光素子41は、フォトダイオード(PD)素子またはPINダイオード素子、増倍率一定のアバランシェフォトダイオード(APD)素子を用いることができる。
【0053】
つぎに、受光信号処理部20の動作について説明する。図6において、光ファイバ伝送路16から入力された光信号は、ビームスプリッタ30において2分岐され、一方は第1の光学系44を介して第1の受光素子47に入力され、他方は波長フィルタ31を経由し第2の光学系40を介して第2の受光素子41に入力される。
【0054】
第1の受光部21では、第1の受光素子47にて光電流変換が行われ、このときに変換された光電流は、カレントミラー回路46を介して、トランスインピーダンスアンプ50および帰還抵抗51の両者に入力される。これらの両者の回路は、電流電圧変換を行う回路(以下「第1の電流電圧変換回路」という。)であり、この第1の電流電圧変換回路の出力が、波長監視回路22のオペアンプ33の一方の入力端子に入力される。なお、ここで入力される電圧値は、受光信号の電力に比例した電圧値に相当するものである。
【0055】
一方、第2の受光部32では、第1の受光素子47にて光電流変換が行われ、このときに変換された光電流は、トランスインピーダンスアンプ48と帰還抵抗43の両者に入力される。これらの両者の回路も、電流電圧変換を行う回路(以下「第2の電流電圧変換回路」という。)であり、この第2の電流電圧変換回路の出力が、波長監視回路22のオペアンプ33の他方の入力端子に入力される。なお、ここで入力される電圧値は、受光信号の波長に比例した電圧値に相当するものである。
【0056】
このように、オペアンプ33には、受光信号の電力および受光信号の波長にそれぞれ比例した電圧値が入力され、その結果(7)式で表される受光信号の波長λinに比例した定数αを出力する。したがって、光信号電流比αを算出することで、受信光電力に依存することなく受光信号の波長λinを検出できる。
【0057】
例えば、図6の構成において、帰還抵抗51の抵抗値をRes1、帰還抵抗43の抵抗値をRes2、オペアンプ33の利得をGopeampとすると、オペアンプ出力Voutは(8)式で表される。また、帰還抵抗51の抵抗値をRes1と帰還抵抗43の抵抗値をRes2とが同じ抵抗値Resであるとすれば、(9)式のように表せる。
【0058】
【数6】
Figure 2004297592
【0059】
(9)式に示すように、測定したオペアンプ出力Voutから、オペアンプ33の利得Gopeamp、抵抗値Resを用いて、第1の受光部21と第2の受光部32とに生ずるそれぞれの光信号電流の電流差(IPD1−IPD2)を算出することができる。
【0060】
なお、受光信号の波長が変動した場合であっても、波長フィルタの出力特性を考慮することにより、同様な手段で光信号電流の電流差を算出することができる。より具体的に説明するために、(9)式に(3)式を代入すると(10)式のように変換される。
【0061】
【数7】
Figure 2004297592
【0062】
この(10)式に示されるように、それぞれの電流差を算出することにより受信光波長を算出できる。
【0063】
以上説明したように、この実施の形態の光受信器によれば、第1の受光部は、光波長多重信号を受信して光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させ、波長フィルタは、光波長多重信号の分岐出力をフィルタリングし、第2の受光部は、波長フィルタからの光出力信号を受信して光電流を発生させ、これらの波長フィルタと第2の受光部とを備えた波長監視回路は、第1の受光部で発生した光電流と第2の受光部で発生した光電流との光電流比に基づいて波長モニタ信号を出力するようにしているので、受光信号の電力に依存せずに正確な受光信号の波長をモニタすることができ、高精度な波長監視を実現することができる。
【0064】
また、この実施の形態の光受信器によれば、第1の受光部は、光波長多重信号を受信して光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させ、波長フィルタは、光波長多重信号の分岐出力をフィルタリングし、第2の受光部は、波長フィルタからの光出力信号を受信して光電流を発生させ、これらの波長フィルタと第2の受光部とを備えた波長監視回路は、第1の受光部で検出した受光信号の電力と第2の受光部で検出した受光信号の波長との2つの出力信号に基づいて波長モニタ信号を出力するとともに、算出された光信号の波長が所定の波長以外の波長である場合に波長アラーム信号を出力するようにしているので、受光信号の電力に依存せずに正確な受光信号の波長をモニタすることができ、高精度な波長監視を実現することができる。
【0065】
また、この実施の形態の光受信器によれば、算出された光信号の波長が所定の波長以外の波長である場合に波長アラーム信号を出力するようにしているので、光クロスコネクトスイッチ等を有するシステムでの波長切替の誤動作を検出して抑圧することができ、また、伝送路中の光クロスコネクトスイッチでの波長切替の動作の検証を行う場合にあっては、光波長を高精度で算出して誤ったチャネルを特定することができるのでWDM光通信システムの保守管理を容易にすることができる。
【0066】
また、この実施の形態の光受信器によれば、第1の受光部で検出した受光信号の電力と、波長監視回路で検出した受光信号の波長との2つの出力信号を併用することで、特定のチャネルに対して、光送信器の光出力の調整、光増幅器の利得制御、可変減衰器を用いた光伝送路中の光出力レベル調整等、WDM光通信システムにおける最適な光出力の制御が可能である。
【0067】
また、この実施の形態の光受信器によれば、従来技術のようなトーン信号を用いることなく受光信号の波長を検出できるため、光送信器側に重畳回路部と送信光信号の波長ごとに異なる周波数を発生させる発振回路を備える必要がないので、WDM光通信システム全体の装置の大型化とコスト削減を実現できる。
【0068】
また、この実施の形態の光受信器によれば、波長モニタ端子の出力信号を用いて、第1の受光部または増幅器の利得を制御することで、第1の受光部の受光信号の波長による受光感度の変動を補正することができるとともに、識別器の入力振幅が受光信号の波長に依らず一定値になるように制御することで安定な受光感度を維持することができる。
【0069】
実施の形態3.
一般的に、同一の光伝送路に異なる光波長を複数多重するWDM方式では、低コストな光通信網を構築する上で有用であるが、大容量WDMシステムに適用可能な波長帯域は広帯域であり、受光素子の吸収係数の変動や受光信号の波長による変動受光感度劣化を無視できず、受光信号の波長によって光受信器の受信感度劣化を引き起こしていた。特に、波長帯域を広帯域に設計する場合には受光素子の吸収係数の変動は大きく影響し、受光感度の劣化は約1.2倍以上になり、最小受信感度の劣化が約1dB以上の符号誤り率の劣化を引き起こしていた。
【0070】
しかしながら、この実施の形態に示す光受信器は、たとえ受光感度が劣化した場合であっても、第1の受光素子47に用いられるAPD素子の増倍率(M値)を制御することによって、Q値を一定値以上に設定することで受信感度の劣化を防ぐことができる。以下、その内容について詳述する。
【0071】
図7は、図6に示す受光信号処理部20の接続構成の一部を付加した実施の形態3の構成を示すブロック図である。図7に示す受光信号処理部20では、電圧レベルシフト34を第1の受光素子電源回路に接続させた点が相違する。なお、その他の構成については、図6の受光信号処理部20に示す構成と同一であり、同一部分には同一符号を付して示している。
【0072】
まず、この実施の形態の受光信号処理部20の動作について説明する。第1の受光素子47に流れる光信号電流と第2の受光素子41に流れる光信号電流との電流差から(10)式を用いて受光信号の波長を算出する点については、実施の形態2と同様である。このとき、算出された受光信号の波長に比例した出力が電圧レベルシフト34を介して第1の受光素子電源回路45に入力される。このとき、受光信号の波長に応じて、APD素子に印加される電源電圧を制御することが可能になる。なお、図6に示す受光信号処理部20は受光信号の波長を検出するだけであったが、図7に示す受光信号処理部20では、波長監視回路22の出力を用いて光受信器17の最適なレベルダイヤ調整を実現することができ、また、検出した受光信号の波長情報を用いることにより光受信器17の受信感度特性を安定化させることができる。
【0073】
ここで、第1の受光素子47がAPD素子である場合を考える。上述したように、電圧レベルシフト34の出力によって第1の受光素子電源回路45が制御され、制御された電圧がAPD素子に印加される。APD素子の増倍率(「M値」とも呼ばれる。)は、APD素子に印加される制御電圧によって決定されるので、電圧レベルシフト34、第1の受光素子電源回路45およびAPD素子とからなる制御ループによって、受光信号の波長に応じたAPD素子のM値を制御することができる。
【0074】
一般に、マーク率1/2の変調信号を用い、マーク側とスペース側の雑音分布がガウシアン分布で得られる場合に、光受信器17のビット誤り率(BER)は(11)式で表される。
【0075】
【数8】
Figure 2004297592
【0076】
ここで、Iは光受信器の識別レベル、Iはマーク側光強度、Iはスペース側光強度、σはマーク側光強度の雑音、σはスペース側光強度の雑音を表している。
【0077】
また、光受信器の識別レベルが(12)式に示す条件を満足するように、受光信号の電力に依存せずに最小な符号誤り率が得られる最適な識別レベルに設定された場合には、符号誤り率は(13)式のようになる。
【0078】
【数9】
Figure 2004297592
【0079】
(12)、(13)式に示されたQは、”Q値”と呼ばれているものであり、伝送信号の符号誤り率特性に直接関係し、WDM光通信システムにおいて重要な評価パラメタの一つである。また、このQ値は(14)式のように表すことができる。
【0080】
【数10】
Figure 2004297592
【0081】
(14)式において、Mは受光素子にAPD素子を用いた場合のAPD素子のM値であり、Precは受光信号の電力、σは受光素子のショット雑音、σは受光素子の後段に接続される電気プリアンプの熱雑音を示している。また、(14)式では、受信光波形の消光比は無限大であると仮定している。
【0082】
図8は、図7に示す受光信号処理部20を有する光受信器17の受光感度と符号誤り率との関係を示すグラフである。同図に示した測定条件は、変調信号のマーク率は1/2であり、マーク側とスペース側の雑音分布はガウシアン分布を仮定し、光受信器の識別レベルは最小な符号誤り率が得られる最適な識別レベルに設定されていることを前提とした。また、光受信器の受光信号の電力はPrec=−24(dBm)、熱雑音は20(pA/√Hz)、帯域は7(GHz)を想定している。図8には、これらの測定条件において第1の受光素子47であるAPD素子のM値を、M=10、6、3の3通りに変化させた場合の、受光感度に対する符号誤り率の値をプロットしている。
【0083】
例えば、APD素子のM値が”3”に固定された場合、図8の”○”印のプロットが示すように、受光感度Rが約1.2(A/W)から約0.7(A/W)に減少することにより、符合誤り率が1×10−15から1×10−6に劣化している。このことは、(2)、(13)、(14)式からも明らかとなる。すなわち、(2)式に示される受光感度Rが劣化すると(14)式に示されるQ値が小さくなり、その結果(13)式で示されBERが増加することになる。
【0084】
しかしながら、受光感度Rが約0.7(A/W)であっても、M値を”3”から”10”に変化させることで、図8の”□”印のプロットが示すように、符号誤り率を1×10−6から1×10−15に改善することができる。
【0085】
なお、この実施の形態の光受信器によれば、光受信器に用いる受光素子を受信光波長に応じて選別する必要はない。したがって、この波長監視回路を光受信器の利得制御に用いることにより、同一の受光素子を用いた場合であっても、受信光波長に依存せずに安定した受信感度が得られる。
【0086】
以上説明したように、この実施の形態の光受信器によれば、第1の受光部で用いられる受光素子がアバランシェフォトダイオードであり、このアバランシェフォトダイオードで検出される光電流の受光感度に基づいてアバランシェフォトダイオードの増倍率を制御するようにしているので、同一の受光素子を用いた場合であっても、受信光波長に依存せずに安定した受信感度が得られる。また、大容量光通信システムで実用化されているWDM光通信システムに有用な広帯域な受信特性を有する光受信器を実現できる。さらに、光受信器の受光素子における受光感度の経年劣化も抑圧することができる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したとおり、この発明によれば、光波長多重信号を受信して光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させるとともに、光波長多重信号のそれぞれの波長を監視して、光電流のモニタによって得られた受光感度の変化量に基づいて光波長多重信号の波長を算出するようにしているので、受光信号の電力に依存せずに正確な受光信号の波長をモニタすることができるとともに、高精度な波長監視を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるWDM光通信システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すWDM光通信システムの光受信器の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、GaAs、Si等の代表的な受光素子における受光信号の波長と吸収係数との関係を示すグラフである。
【図4】受光信号の波長と受光感度との関係を示すグラフである。
【図5】この発明の実施の形態2にかかる受光信号処理部の細部構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す受光信号処理部20の第1の受光部および第2の受光部の細部構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す受光信号処理部の接続構成の一部を付加した実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す受光信号処理部を有する光受信器の受光感度と符号誤り率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 光送信器、11,13,16 光ファイバ伝送路、12 光合波器、14 光増幅器、15 光分波器、17 光受信器、18 電気信号入力端子、19 電気信号出力端子、20 受光信号処理部、21 第1の受光部、22 波長監視回路、23 増幅器、24 クロック信号抽出器、25 識別器、27 波長モニタ端子、28 波長アラーム端子、30 ビームスプリッタ、31 波長フィルタ、32 第2の受光部、33 オペアンプ、34 電圧レベルシフト、35 比較器、36 基準値、40 第2の光学系、41 第2の受光素子、42,48,50 トランスインピーダンスアンプ、43,49,51 帰還抵抗、44 第1の光学系、45 第1の受光素子電源回路、46 カレントミラー回路、47 第1の受光素子。

Claims (7)

  1. 異なる複数の波長の光信号が多重されてなる光波長多重信号を用いて多重通信を行うWDM光通信システムに適用される光受信器において、
    前記光波長多重信号を受信して、該光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させる第1の受光部と、
    前記光波長多重信号のそれぞれの波長を監視する波長監視回路と、
    を備え、
    前記波長監視回路は、前記光電流のモニタによって得られた前記受光感度の変化量に基づいて前記光波長多重信号の波長を算出することを特徴とする光受信器。
  2. 前記波長監視回路は、前記受光感度の波長依存性を利用して前記光波長多重信号の波長を算出することを特徴とする請求項1に記載の光受信器。
  3. 異なる複数の波長の光信号が多重されてなる光波長多重信号を用いて多重通信を行うWDM光通信システムに適用される光受信器において、
    前記光波長多重信号を受信して、該光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させる第1の受光部と、
    前記光波長多重信号の分岐出力をフィルタリングする波長フィルタと、該波長フィルタからの光出力信号を受信して光電流を発生させる第2の受光部と、
    を具備する波長監視回路と、
    を備え、
    前記波長監視回路は、前記第1の受光部で発生した光電流と前記第2の受光部で発生した光電流との光電流比に基づいて波長モニタ信号を出力することを特徴とする光受信器。
  4. 異なる複数の波長の光信号が多重されてなる光波長多重信号を用いて多重通信を行うWDM光通信システムに適用される光受信器において、
    前記光波長多重信号を受信して、該光波長多重信号のそれぞれの波長に依存した光電流を発生させる第1の受光部と、
    前記光波長多重信号の分岐出力をフィルタリングする波長フィルタと、該波長フィルタからの光出力信号を受信して光電流を発生させる第2の受光部と、
    を具備する波長監視回路と、
    を備え、
    前記波長監視回路は、前記第1の受光部で検出した受光信号の電力と、前記第2の受光部で検出した受光信号の波長との2つの出力信号に基づいて波長モニタ信号を出力することを特徴とする光受信器。
  5. 前記第1の受光部で用いられる受光素子がアバランシェフォトダイオードであって、
    前記波長監視回路は、前記光電流の受光感度に基づいて前記アバランシェフォトダイオードの増倍率を制御することを特徴とする請求項4に記載の光受信器。
  6. 前記波長監視回路は、算出された光信号の波長が所定の波長以外の波長である場合に波長アラーム信号を出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の光受信器。
  7. 前記波長監視回路は、前記波長モニタ信号を用いて前記第1の受光部が出力する出力信号の利得制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の光受信器。
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