JP5173338B2 - 多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層配線基板及びその製造方法に関する。
従来から、コア基板上に樹脂層と配線層を多層に積み重ねた多層配線構造を有する多層配線基板が知られているが、近年の薄型化と省スペース化の要求により、コア基板を有せず、多層配線構造に形成された多層コアレス配線基板が提案されている。図9は、従来の多層コアレス配線基板200の断面構造を示す断面図である。図9において、従来の多層コアレス配線基板200は、絶縁層120及び配線層130が複数積層されて多層配線構造に形成され、表面には外部端子接合用の端子パッド140と、反対面に半導体素子搭載用の端子パッド150が形成される。半導体素子搭載用の端子パッド150には、プレソルダとして半田バンプ81が形成され、半導体素子(図示せず)の電極のバンプと接合される。一方、外部端子接合用パッド140には、半田80により外部接続端子であるピン70が接合される。ピン70の頭部は、半田80により外部端子接合用パッド140に接合され、軸部は外部接続端子として、例えばマザーボード側のソケットに挿入され、多層コアレス配線基板200の配線構造を介して、搭載された半導体素子とマザーボードとの電気的接続が図られる。
かかる多層コアレス配線基板200によれば、コア基板が存在しないので、配線基板の厚さを薄くすることができ、半導体搭載パッケージの省スペース化に寄与できる。
一方で、かかる多層コアレス配線基板200においては、基板の反り、強度不足によって実装又は試験時に支障が出てくるという問題を生じた。具体的には、コア基板を有さないことで基板の剛性が不足し、製造工程中や半導体素子実装時に反りが生じてしまうこと、基板そのものの強度不足により試験時に正確な値を測定できないという問題を生じた。
図10は、従来の多層コアレス配線基板200のピンプル強度測定時の断面図である。図10において、例えば真中のピン70を上方に引っ張って、ピン70と多層コアレス配線基板200との接合強度、つまりピンプル強度を測定しようとしたときに、多層コアレス配線基板200の剛性が低いため、ピン70と一緒に多層コアレス配線基板200が反ってしまい、正確なピンプル強度を測定できない。また、多層コアレス配線基板200が反ってしまうため、ピン70の本来のあるべき位置であるピンTrue Positionにズレを生じ、ピン70を正確に実装できない、強度不足によりピン70の接合強度を確保できない等の問題があった。
そこで、このようなコアレスの多層配線基板の機械的強度を高めるため、絶縁層に織布又は不織布からなる補強材を入れるようにして、多層配線基板を構成した技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−96260号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、絶縁層の全体に織布又は不織布からなる補強材が含まれるため、多層配線基板の機械的強度自体は向上するが、その後の多層配線基板への半導体素子の搭載や、マザーボードへの装着により、熱や外力による局所的応力が加わった場合に、応力を逃がすことができず、多層配線基板が反りや変形を生じてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、配線基板自体の剛性を高めつつ、配線基板に応力が加わった場合には、これを逃がして配線基板の反りや変形を防ぐことができる多層配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る多層配線基板は、複数の絶縁層を有する多層配線基板であって、
前記複数の絶縁層は、繊維で構成された補強部材入りの樹脂で形成された補強絶縁層を含み、
前記補強部材は、対角線上にスリットを有する平面形状であり、前記スリットには、前記樹脂が満たされており、
前記補強絶縁層は、前記繊維で構成された前記補強部材に前記樹脂を含浸させた前記補強部材と前記樹脂との一体的な層であり、
表面に外部端子接合用の端子パッドを有し、
該端子パッドの直下の絶縁層が前記補強絶縁層であることを特徴とする。
これにより、補強部材により多層配線基板自体の剛性を高めるとともに、スリット及び/又は開口により多層配線基板に加わった応力を逃がすことができ、実装後も多層配線基板の反りや変形を防止することができる。
第2の発明は、第1の発明に係る多層配線基板において、
前記平面形状は、端部が連続的に繋がった枠状の形状を含む1枚のシートとして形成され、
前記端部より内側に前記スリットが設けられていることを特徴とする。
これにより、外部接続端子が設けられる場合の多い外側の枠状の部分の剛性を強化することができ、かつ開口により応力を逃がすことができ、多層配線基板の反りや変形を防ぐことができる。
第3の発明は、第1の発明に係る多層配線基板において、
前記平面形状は、前記スリットにより複数のシート片に分割された形状であることを特徴とする。
これにより、多層配線基板に応力が加わっても、確実に外部に逃すことができ、配線基板の反りや変形を抑制することができる。
の発明は、第1〜のいずれか一つの発明に係る多層配線基板において、
前記補強絶縁層を、複数有することを特徴とする。
これにより、多層配線基板の剛性を更に向上させることができるとともに、応力に対して、これを逃がすことが可能な多層配線基板とすることができる。
の発明は、第1〜のいずれか一つの発明に係る多層配線基板において、
前記補強部材は、ガラスクロス、アラミド不織布又はLCP織布であることを特徴とする。
これにより、適切な補強部材を選択して補強絶縁層を形成することができ、多層配線基板の剛性を確実に向上させることができる。
の発明に係る多層配線基板の製造方法は、スリットにより複数のシート片に分割され、繊維で構成された補強部材を含む樹脂で形成された補強絶縁層を有する多層配線基板の製造方法であって、
複数の前記多層配線基板を形成できる大きさを有し、個々の前記多層配線基板に対応する位置に対角線上に前記スリットが形成されたシート状の前記補強部材を用意する工程と、
前記繊維で構成された補強部材に前記樹脂を含浸させ、前記スリットには前記樹脂が満たされるように、前記補強部材と前記樹脂との一体的な層からなるビルドアップ材を形成する工程と、
前記多層配線基板を複数配列した大きさを有する集合基板に、前記ビルドアップ材を用いて前記補強絶縁層を形成する工程と、
前記集合基板に、前記多層配線基板に必要な多層配線構造を形成し、前記集合基板の配線構造を完成させる工程と、
前記集合基板を、個々の前記多層配線基板に分断する工程と、を含むことを特徴とする。

これにより、個々の多層配線基板内では分割されている補強部材であっても、製造時には1枚のシート状の補強部材として取り扱うことができ、複雑な製造工程を含むことなく、容易に剛性が高く応力の影響も少ない多層配線基板を製造することができる。
本発明によれば、多層配線基板の基板自体の剛性を高めるとともに、応力から受ける影響を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明を適用した実施例1に係る多層コアレス配線基板100の断面構造を示した断面構成図である。図1において、本実施例に係る多層コアレス配線基板100は、複数の絶縁層20と配線層30が複数積層されている。図1においては、3層の絶縁層20と3層の配線層30が形成されて多層配線構造をなしている。いわゆるコア基板は存在せず、絶縁層20と配線層30の積層により配線基板が形成されているため、全体の厚さを薄くできる立体構造となっている。多層コアレス配線基板100の表面の一方には、外部接続端子用の端子パッド40が形成され、反対側の表面には、半導体素子搭載用の端子パッド50が形成されている。外部接続端子用の端子パッド40には、外部接続端子であるピン70が、半田80により接合されている。また、半導体搭載用の端子パッド50には、プレソルダとして半田バンプ81が形成されている。そして、外部接続端子用の端子パッド40の直下は、補強絶縁層10が、絶縁層20の一部として積層されている。
補強絶縁層10は、補強部材11をその中に含み、この表面を絶縁材料12で両側から覆った立体構造となっている。補強部材11は、例えばガラス、アラミド、LCP(Liquid Crystal Polymer、液晶高分子)等の剛性の高い繊維により構成された織布又は不織布が適用される。また、絶縁材料12は、樹脂で構成され、例えば、フィルム状に形成されてよい。絶縁材料12に用いられる樹脂は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が適用されてよい。
補強絶縁層10は、例えば、上述のガラス、アラミド、LCP等の織布、不織布を補強部材11等に用いて、エポキシ樹脂等の熱硬化性の樹脂を含浸させることにより、フィルム状のビルドアップ材を作製し、積層して形成してよい。
また、エポキシ樹脂等の各樹脂層に、シリカ等のフィラーを含有させた絶縁材料12を用いてもよい。この場合、フィラーを含有する樹脂を塗布したり、樹脂フィルムを積層したりすることにより、補強絶縁層10を形成してもよい。
従って、例えば、補強絶縁層10は、絶縁材料12の内部に補強部材11を含んだビルドアップ材により構成されることになる。適用する補強部材11の種類は、用途に応じて適宜選択して良いが、例えば、形成するビルドアップ材の厚さを考慮して選択してもよい。上述の例では、ガラスクロスは、厚さが薄く形成できるので、ビルドアップ材の厚さを薄く形成したい場合には、ガラスクロスを用いるようにしてもよい。
また、補強部材11及び絶縁材料12は、上述の例以外のものも好適に適用することができ、補強部材11は、絶縁材料12を補強できる繊維布であればその種類は問わず、絶縁材料12は、ビルドアップ材として適しており、補強部材11に含浸して硬化できる材料であれば、用途に応じて種々の材料を適用してよい。
なお、補強絶縁層10は、図示の都合上、絶縁材料12−補強部材11−絶縁材料12の三層構造で示されているが、実際には、補強部材11の隙間に樹脂の絶縁材料12が含浸され、樹脂の絶縁材料12と補強部材11との境界は存在せず、一体的な層となる。この点は、これ以後の明細書中の実施例においても同様である。
また、補強絶縁層10は、図1において、外部接続端子接合用の端子パッド40の直下の絶縁層としての積層位置に配置されている。かかる構成により、ピン70の端子パッド40との接合強度が強化される。そして、ピン70を引き上げる力が加わったときに、多層コアレス配線基板100の基板自体の剛性を高めたことにより基板の反りを抑え、ピンプル強度を正確に測定することが可能となる。また、多層コアレス配線基板100の剛性を高めて、そのままの形状を保つことにより、ピン70を本来あるべき位置に保ち、ピンTrue Positionを保つことが可能となる。
なお、図1においては、上述のように、外部接続端子用の端子パッド40の直下の層に補強絶縁層10を設けているが、他の絶縁層20の位置に設けるようにしてもよい。配線基板自体の剛性を最も高めるためには、多層コアレス配線基板100の積層方向の中央付近の絶縁層20に設けることが好ましいし、半導体素子搭載面の剛性を高めるためには、半導体搭載面側の端子パッド50に近い絶縁層20に補強絶縁層10を設けるようにしてもよい。このように、補強絶縁層10の積層方向の配置位置は、用途に応じて適宜適切な態様としてよい。
また、図1においては、図示されていないが、各配線層30は、絶縁層20及び補強絶縁層10にビアホールが設けられ、これにより上下配線層間の電気的接続がなされている。
なお、図1においては、補強絶縁層10内の補強部材11は、連続して繋がった状態で図示されている。例えば、多層コアレス配線基板100の端部の断面であれば、このように総てが連続的に繋がり、一体の補強部材11を形成した断面形状となる。本実施例に係る多層コアレス配線基板100は、補強絶縁層10に入っている補強部材11が、応力を逃がすために開口及び/又はスリットを有するので、切断断面により、図1に示すような連続的に繋がった断面形状と、分断された断面形状となる箇所が存在する。
図2は、図1とは異なる断面で切断した実施例1に係る多層コアレス配線基板100の断面構成図である。図2において、補強絶縁層10以外の構成は、図1に示した構成と同様である。
図2において、補強絶縁層10内に含まれている補強部材11が、外部端子接続用の端子パッド40の直下には存在するが、端子パッド40の直下にない部分は、空隙が生じて分断された断面形状となっている点で、図1の断面図とは異なっている。
このように、本実施例に係る多層コアレス配線基板100は、補強部材11が部分的に切断され、絶縁材料12のみで構成された部分を有する構成となっている。これにより、多層コアレス配線基板100に、実装後に応力が加わったとしても、その応力を補強部材11の空隙部分に逃がすことができ、応力の影響に耐性の高い構成の配線基板とすることができる。つまり、補強絶縁層10は、補強部材11を入れることにより、例えば樹脂のみで形成された絶縁層20と同じ絶縁材料12を用いたとしても、熱膨張係数が変化するので、半導体素子の実装時等の加熱時に、層間で変形割合が異なってしまい、これに基づく応力が発生してしまうおそれがある。また、実装時には、機械的な応力が発生するおそれもある。かかる応力を、補強部材11の空隙部分に逃がし、多層コアレス配線基板100に加わる応力を緩和することができる。
次に、図3及び図4を用いて、実施例1に係る多層コアレス配線基板100の補強絶縁層10の平面構成について説明する。
図3は、実施例1に係る多層コアレス基板100の補強絶縁層10の平面構成の一態様を説明するための図である。
図3(a)は、多層コアレス配線基板100の個々の基板が集合した集合基板150の状態を示した図である。図3(a)において、集合基板150の表面には、複数の多層コアレス配線基板100が格子状に配列されて形成されている。そして、集合基板150の端部151は、多層コアレス配線基板100が集合している集合体の部分の外枠として、全体に共通の端部151を形成している。
図3(b)は、集合基板150に形成された1個の多層コアレス配線基板100を取り出し、その補強絶縁層10の補強部材11の平面構成の従来例を示した図である。図3(b)において、補強部材11は、多層コアレス配線基板100の基板外形よりも大きい状態で示されている。これは、一般的には、多層コアレス配線基板100は、図3(a)に示した集合基板150の状態で加工される場合が多く、そのような場合、集合基板150の全体を覆う大きさの補強部材11を用いてビルドアップ材を形成し、これにより補強絶縁層10を形成するため、そのような加工の態様に合わせて記述したためである。実際の多層コアレス配線基板100の完成した配線基板においては、基板外形の部分で考えてよい。
図3(b)において、補強部材110は、多層コアレス配線基板100の全体を覆った状態となっている。従来は、このような形式で、多層コアレス配線基板100の全体を覆うことができる補強部材110を用いて補強絶縁層10を形成したため、多層コアレス配線基板100の全体に亘って、基板自体の剛性を高めることはできた。しかしながら、補強絶縁層10は、補強部材11が、全体に敷き詰められた状態で硬化しているため、多層コアレス配線基板100に応力が加わった場合、この応力に応じて多層コアレス配線基板100に反りを生ずるという問題を有していた。
図3(c)は、実施例1に係る多層コアレス配線基板100の補強絶縁層10の補強部材11の平面構成を示した図である。
図3(c)において、補強部材11は、中央部に長方形の開口13を有した平面形状となっている。このように、補強部材11の中央部に開口13を形成することにより、多層コアレス配線基板100に応力が加わっても、これを中央部の開口13に逃がすことが可能となる。つまり、例えば、多層コアレス配線基板100の中央部に向かって外側端部から応力が働いた場合には、開口13に応力は逃げ、基板への応力が緩和される。また、外側に引っ張られる応力が加わった場合にも、引っ張られる応力は中央部の開口13で緩和され、抑制される。
一方、多層コアレス配線基板100の中央部以外の総ては、補強部材11で覆われており、基板外形をなす端部に沿った枠状の平面形状を有し、全体として連続して繋がった1枚のシート状の形状を保っている。従って、多層コアレス配線基板100の剛性は強化され、特に、端部においては、剛性はしっかりと保たれている。
このように、本実施例に係る多層コアレス配線基板10によれば、基板自体の剛性の高さを保ちつつ、応力の影響を抑制することができる。
次に、図4を用いて、実施例1に係る多層コアレス配線基板100の変形例について説明する。図4は、実施例1の変形例に係る多層コアレス配線基板100aの補強絶縁層10aの補強部材11aの平面構成を示した図である。
図4において、補強部材11aは、開口14を有し、基板外形をなす端部の枠状の部分には補強部材11が配されており、全体として1枚のシート状に形成されている点では、図3(c)に係る多層コアレス配線基板100の補強部材11と同様であるが、基板外形の対角線上に、対照的に4つの開口14が形成された形状となっている点で異なっている。このように、補強部材11上に、開口14を複数形成するようにしてもよい。開口14を複数形成することにより、応力の逃げる部分が増加するので、より応力の影響を抑制することが可能となる。また、補強部材11は、基板外形の端部及び中央部を格子状に覆っているので、基板の核となる部分には補強部材11を配しており、基板剛性も高く保つことができる。
このように、実施例1においては、多層コアレス配線基板100、100aの基板外形を定める端部には、枠状の平面形状を有する補強部材11で基板外形を囲むようにして基板剛性を高め、基板の内側には補強部材11に開口13、14を設けることにより、応力の抑制が可能な構成としている。実施例1によれば、基板外形の端部を補強部材11で囲む平面形状としていることから、基板自体の剛性を確実に高めることができる。
なお、実施例1においては、補強部材11の形状は、2つの例しか挙げていないが、開口13、14の形状や配置の態様は、端子パッド40の配置や、全体の配線パターン、加わる応力を考慮して、用途に応じて種々の態様としてよい。例えば、開口13、14を円形としてもよいし、もっと小さくて多数の開口13、14を配列するようにしても良い。本実施例は、用途に応じて、種々の変形が可能である。
図5は、本発明を適用した実施例2に係る多層コアレス配線基板100bの補強絶縁層10bが含んでいる補強部材11bの平面構成を示した図である。なお、他の構成要素については、実施例1と同様であるので、その説明を省略する。
図5において、補強部材11bは、対角線上のスリット15で分断されており、4つのシート片に分割されている。このように、1枚のシート状の補強部材110を、放射状のスリット15により分断し、複数のシート片からなる補強部材11bで基板全体を覆うような平面形状としてもよい。補強部材11bは、多層コアレス配線基板100bの中で分断されているので、配線基板に応力が加わっても、柔軟にこれを逃がすことが可能となる。また、補強部材11を配した部分は、剛性を高めることができるので、基板剛性も高く保つことができる。
例えば、外部接続端子用の端子パッド40が配置される部分には補強部材11bを配し、端子パッド40の無い部分には、スリットが来るような形状とすれば、端子パッド40との接合力を高めつつ、多層コアレス配線基板100b実装後の応力については、スリット15により応力を逃がすことができるので、用途に応じた剛性の高め方を実践することができる。
次に、図6を用いて、実施例2の変形例に係る多層コアレス配線基板100cについて説明する。図6は、実施例2の変形例に係る多層コアレス配線基板100cの補強絶縁層10cが含んでいる補強部材11cの平面構成を示した図である。
図6において、実施例2の変形例に係る多層コアレス配線基板100cの補強絶縁層10cの補強部材11cは、図5に係る補強部材11bに、更に中央部分に開口13を設けた平面形状となっている。つまり、配線基板の対角線上にあるスリット15に加えて、中央部に更に図3(c)と同様の開口13を設けた平面形状となっている。
このように、補強部材11cは、本実施例の変形例に係る多層コアレス配線基板100cの補強部材11cのように、スリット15により複数のシート片に分割され、かつ中央部に開口13を設けた平面形状であってもよい。
例えば、基板外形の4辺に沿った端部に端子パッド40が配置され、かつ多層コアレス配線基板100c実装後の応力が大きい場合には、本変形例に係るスリット15と開口13の組み合わせ形状とすることにより、ピン70との接合力は高めつつ実装後の応力にも柔軟に対応可能な多層コアレス配線基板100cとすることができる。
このように、実施例2に係る多層コアレス配線基板100b、100cによれば、スリット15によりシート片状の分割された補強部材11b、11cを用いることにより、基板剛性を高めたい部分については補強部材11b、11cを配置しつつ、実装後の大きな応力に対して十分基板への影響を抑制することができる多層コアレス配線基板100b、100cとすることができる。
なお、実施例2において、スリット15及び開口13の形状は、用途に応じて種々の態様を適用してよいことは、実施例1と同様である。
次に、実施例2に係る多層コアレス配線基板100bの製造方法について説明する。
実施例2に係る多層コアレス配線基板100bの補強部材11bは、スリット15により、1個の多層コアレス配線基板100b内で補強部材11bがシート片に分割されているため、これらの間隔を調整して適切な位置に配置して補強絶縁層10を形成することは困難である。従って、多層コアレス配線基板100bの集合体である集合基板150に対して1枚の補強不織布11bを対応させ、多層コアレス配線基板100bを作製するようにする。
図7は、実施例2に係る多層コアレス配線基板100bの製造方法について説明するための図である。
図7(a)は、複数の多層コアレス配線基板100bが格子状に配列された集合基板150を示した平面構成図である。図7(a)において、集合基板150の中央部には、多層コアレス配線基板100bが連続的に格子状に並んで配置されているが、4辺に沿った端部151は、全体に共通な連続した枠状の部分として存在している。
従って、まず、集合基板150の大きさに対応した大きさを有する1枚のシート状の補強部材11を用意する。
図7(b)は、集合基板150の大きさに対応した補強部材11を用意した状態を示した平面図である。このように、集合基板150に対応した大きさの補強部材11を用意すれば、少なくとも集合基板150と同様に、4辺に沿った端部については連続的に繋がった枠状の形状とすることができるので、全体としては1枚のシート状のまま、スリット15を形成することが可能となる。
図7(c)は、図7(b)の拡大平面図である。図7(c)において、4個の多層コアレス配線基板100bに対応する補強部材11bの形状が示されている。個々の多層コアレス配線基板100bに対応して、補強部材11bの形状は、対角線上の放射状スリット15が形成されている。個々のスリット15は、多層コアレス配線基板100bが分断される基板外形の4辺の線に、僅かに達しない程度のスリット15として形成されている。従って、補強部材11bの多層コアレス配線基板100bに対応した端部151以外の部分には、略格子状のスリット15が全体的に形成されるが、全体としては1枚のシート状を保っている。スリット15を僅かに繋いでいる多層コアレス配線基板100bの4隅の部分は、集合基板150全体に複数配列された多層コアレス配線基板100bが完成し、個々の多層コアレス配線基板100bに切断されて分割される段階で、その切断幅により分断され、完全な分割スリット15となる。
このように、実施例2に係る多層コアレス配線基板100bを製造するためには、集合基板150の大きさに対応する補強部材11を用意し、個々の多層コアレス配線基板100bに対応するように、各基板の境界で僅かに繋がった部分を残してスリット15を全体に亘って形成し、この1枚のシート状に保たれた補強部材11bを集合基板150に配し、補強絶縁層10を形成するようにする。
なお、補強絶縁層10の形成は、実施例1で説明したように、ガラスクロス等の補強部材11に熱硬化性の樹脂を含浸してフィルム状のビルドアップ材を形成し、これを絶縁層20又は配線層30上に積層して補強絶縁層10を形成するようにしてよい。なお、集合基板150上に多層コアレス配線基板100bを形成した後、個々の多層コアレス配線基板100bに基板切断機等を用いて分断し、実施例2に係る多層コアレス配線基板100bを製造することができる。
なお、かかる製造方法は、図6に係る多層コアレス配線基板100cを含むスリット15を有する総ての態様の多層コアレス配線基板100cに適用することができる。本多層コアレス配線基板100b、100cの製造方法により、配線基板平面内に、スリット15により分断された複数のシート片の補強部材11を有する補強絶縁層10を含む多層コアレス配線基板であっても、簡素な製造工程で容易に作製することができる。
図8は、実施例3に係る多層コアレス配線基板100dの断面構造を示す断面構成図である。図8において、個々の構成要素は、実施例1の図1に係る断面構成と同様であるが、補強絶縁層10が2層含まれている点で、図1に係る多層コアレス配線基板100と異なっている。
このように、補強部材11を含む補強絶縁層10が、1個の多層コアレス配線基板100d内に、2層存在してもよい。補強絶縁層10を複数設けることにより、基板の剛性を更に高めることができる。なお、この場合、補強絶縁層10は、用途に応じて2層をどのような積層位置に配置してもよいし、また、2層の補強部材11の構成も、同一としても良いし、異なるものとしてもよい。2層を異なる補強部材11、11a〜11cとすれば、一層の基板の剛性の強化と、多方向からの応力に対しても、柔軟に対応してこれを抑制することが可能となる。
また、補強絶縁層10は、2層に限られず、更に多くの複数層としてもよい。一層の基板剛性の向上を図ることができる。
このように、実施例3に係る多層コアレス配線基板100dによれば、複数の補強絶縁層10を設けることにより、更に基板自体の剛性を高めることができる。また、補強絶縁層10の補強部材11、11a〜11cの形状を適宜複数層で異なる組み合わせとすることにより、一層の基板の剛性の向上と、多方向からの応力に対しても十分な対応と抑制が可能となる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。特に、実施例1〜3においては、PGA(Pin Grid Array)の例を中心に説明したが、本発明は、BGA(Ball Grid Array)の場合や、LGA(Land Grid Array)の場合の配線基板にも好適に適用可能である。かかる態様の配線基板においても、配線基板の剛性を向上させ、基板の反りを防止する必要があるので、本発明を適用することにより、基板の剛性を向上させ、かつ多方面からの応力に対する対応が可能となる。
実施例1に係る多層コアレス配線基板100の断面構成図である。 図1と別断面の実施例1に係る多層コアレス配線基板100の断面構成図である。 補強絶縁層10の平面構成を説明するための図である。図3(a)は、集合基板150を示した図である。図3(b)は、補強部材11の平面構成の従来例を示した図である。図3(c)は、実施例1に係る補強部材11の平面構成を示した図である。 実施例1の変形例に係る補強部材11aの平面構成を示した図である。 実施例2の多層コアレス配線基板100bの補強部材11bの平面構成図である。 実施例2の変形例に係る補強部材11cの平面構成を示した図である。 実施例2に係る多層コアレス配線基板100bの製造方法の説明図である。図7(a)は、集合基板150を示した平面構成図である。図7(b)は、補強部材11を用意した状態を示した平面図である。図7(c)は、図7(b)の拡大平面図である。 実施例3に係る多層コアレス配線基板100dの断面構成図である。 従来の多層コアレス配線基板200の断面構造を示す断面図である。 従来の多層コアレス配線基板200のピンプル強度測定時の断面図である。
符号の説明
10 補強絶縁層
11、11a、11b、11c 補強部材
12 絶縁材料
13、14 開口
15 スリット
20 絶縁層
30 配線層
40、50 端子パッド
60 ソルダレジスト
70 ピン
80 半田
81 半田バンプ
100、100a、100b、100c、100d 多層コアレス配線基板

Claims (6)

  1. 複数の絶縁層を有する多層配線基板であって、
    前記複数の絶縁層は、繊維で構成された補強部材入りの樹脂で形成された補強絶縁層を含み、
    前記補強部材は、対角線上にスリットを有する平面形状であり、前記スリットには、前記樹脂が満たされており、
    前記補強絶縁層は、前記繊維で構成された前記補強部材に前記樹脂を含浸させた前記補強部材と前記樹脂との一体的な層であり、
    表面に外部端子接合用の端子パッドを有し、
    該端子パッドの直下の絶縁層が前記補強絶縁層であることを特徴とする多層配線基板。
  2. 前記平面形状は、端部が連続的に繋がった枠状の形状を含む1枚のシートとして形成され、
    前記端部より内側に前記スリットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
  3. 前記平面形状は、前記スリットにより複数のシート片に分割された形状であることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
  4. 前記補強絶縁層を、複数有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の多層配線基板。
  5. 前記補強部材は、ガラスクロス、アラミド不織布又はLCP織布であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の多層配線基板。
  6. スリットにより複数のシート片に分割され、繊維で構成された補強部材を含む樹脂で形成された補強絶縁層を有する多層配線基板の製造方法であって、
    複数の前記多層配線基板を形成できる大きさを有し、個々の前記多層配線基板に対応する位置に対角線上に前記スリットが形成されたシート状の前記補強部材を用意する工程と、
    前記繊維で構成された補強部材に前記樹脂を含浸させ、前記スリットには前記樹脂が満たされるように、前記補強部材と前記樹脂との一体的な層からなるビルドアップ材を形成する工程と、
    前記多層配線基板を複数配列した大きさを有する集合基板に、前記ビルドアップ材を用いて前記補強絶縁層を形成する工程と、
    前記集合基板に、前記多層配線基板に必要な多層配線構造を形成し、前記集合基板の配線構造を完成させる工程と、
    前記集合基板を、個々の前記多層配線基板に分断する工程と、を含むことを特徴とする多層配線基板の製造方法。
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