JP5172747B2 - 指紋採取用シート - Google Patents

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Description

本発明は、犯罪捜査等に於ける指紋の採取に使用するための指紋採取用シートに関するものである。
従来、犯罪捜査等に於ける指紋の採取及び写真撮影には、以下のような方法が用いられている。即ち、まず採取対象物に付着している指紋に、アルミ粉末等の検出用粉末を撒布する。次に、ダスターブラシ等の穂先で上記検出用粉末を軽く払うようにして、指紋の隆線部分だけに検出用粉末を付着させ、指紋を検出する。そして、この検出した指紋(以下、検出指紋という。)に、透明又は半透明に形成した指紋採取用シートの一方の面(以下、指紋採取面という。)を圧着することにより、検出指紋を指紋採取用シートに転写する。次に、上述の如く検出指紋を転写した指紋採取面に検査台紙を貼着し、透明又は半透明に形成した指紋採取用シートを介して、検出指紋を写真撮影する。
上述の如き指紋の採取作業に用いるためのものとして、特許文献1に示す如き指紋採取用シートが公知になっている。この指紋採取用シートは、透明又は半透明のゲルシートにより形成したものであって、アスカーC硬度が3〜20度、JIS Z 0237で測定した粘着力が0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅、JIS K 6255で測定した反発弾性率が10%〜40%、厚さ1.5〜3.0mmとしている(特許文献1の請求項1)。
上記従来技術に於いては、JIS Z 0237で測定した粘着力が0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅という高い粘着性を有するゲルシートのみにより指紋採取用シートを形成しているため、指紋採取面のみならず、その反対側の面(以下、押圧面という。)も高い粘着性を有するものとなる。そのため、検出指紋を採取する際に、採取者が押圧面を手指で押圧すると、押圧面に採取者自身の指紋が目視可能に付着してしまうおそれがある。そして、このように採取者自身の指紋が押圧面に目視可能に付着してしまうと、前述の如く指紋採取用シートを介して検出指紋を写真撮影する場合に、指紋採取面に採取した検出指紋と、押圧面に目視可能に付着した採取者自身の指紋が重なってしまい、検出指紋の隆線の形状を明確に識別できなくなるおそれがある。
そこで、上記特許文献1には、前記ゲルシートの押圧面側に、少なくとも表面側に粘着力を有しない伸張抑制シートを止着してシート本体を形成した指紋採取用シートも開示されている(特許文献1の請求項4)。このようにゲルシートの押圧面に伸張抑制シートを止着することにより、高い粘着力を有するゲルシートの押圧面側を、少なくとも表面側に粘着力を有しない伸張抑制シートで被覆し、採取者自身の指紋がシート本体に目視可能に付着するのを抑制しようとするものである。同時に、上記伸張抑制シートにより、シート本体の平面方向への伸張を抑制して、検出指紋の隆線の形状が変形するのを抑制しようとするものである。
特開2006−333890号公報
上記特許文献1に示すような、ゲルシートの押圧面側に伸張抑制シートを止着してシート本体を形成した指紋採取用シートは、検出指紋の付着した対象物(以下、採取対象物という。)の表面が平面的で大きな湾曲や凹凸を有しない場合には、検出指紋を良好に採取することができるものである。しかしながら、前述の如くシート本体の平面方向への伸張が伸張抑制シートにより抑制されているため、採取対象物の大きな湾曲面や凹凸面に検出指紋が付着している場合には、シート本体を伸張させて上記採取対象物の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となり、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなっていた。
そこで、本願発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、指紋採取の際に、採取者自身の指紋が指紋採取用シートに目視可能に付着するのを抑制することにより、指紋採取用シートを介して検出指紋を写真撮影する場合にも、検出指紋を明確に識別できるようにしようとするものである。また、指紋採取用シートに一定の伸張性を持たせることにより、採取対象物の表面の大きな湾曲形状及び凹凸形状に、指紋採取面を容易に密着させることを可能とし、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が発生するのを防止するとともに、採取対象物に付着した指紋に指紋採取面を圧着する際の位置合わせも容易なものにしようとするものである。また、上記の伸張性を有することにより、1回に検出指紋を採取可能な面積を広くし、場合によっては、1回の採取作業で採取対象物から複数の検出指紋を採取することをも可能とし、指紋採取作業の作業効率を高めようとするものである。さらに、指紋採取用シートに高い透明性を持たせることにより、指紋採取用シートを介して検出指紋を撮影する場合に、検出指紋の隆線の形状を明確に識別可能としようとするものである。
本願発明は、上述の如き課題を解決するため、一方の面を指紋採取面とするゲルシートと、このゲルシートの他方の面に止着したウレタンシートとによりシート本体を形成している。また、前記ゲルシートは、アスカーC硬度が3〜20度、伸び率が10〜20%、JIS Z 0237で測定した粘着力が0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅、JIS K 6255で測定した反発弾性率が10%〜40%、厚さが1.5mm〜3.0mm、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%〜100%としている。
また、前記ウレタンシートは、少なくとも表面側に粘着力を有しないとともに、JIS A ゴム硬度が60度〜88度、伸び率が10〜30%、厚さが0.01〜0.05mmとしている。なお、特許請求の範囲及び本明細書中に於いて、ウレタンシートの「表面」とは、ウレタンシートの両面のうち、ゲルシートに止着する面とは反対側の面をいう。また、「粘着力を有しない」とは、例えば、JIS Z 0237で測定した粘着力が0N/10mm幅〜0.1N/10mmのことをいい、粘着力を全く有しないものであっても良いし、手指の指紋が目視可能に付着しない程度の低粘着性であっても良い。
また、ゲルシートとウレタンシートとから成る前記シート本体は、アスカーC硬度が4度〜30度、伸び率が10〜20%、JIS K 6255で測定した反発弾性率が21%〜49%、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%以上としている。そして、前記ゲルシートの指紋採取面を、指紋検出用粉末を付着させて検出した検出指紋に圧着することにより、前記検出指紋を転写採取可能としている。
また、シート本体は、非使用時において、検査台紙により指紋採取面を被覆するものであっても良い。このように形成することにより、シート本体の非使用時に於いて、埃、ゴミ、検出指紋以外の指紋等が指紋採取面に付着して、検出指紋の隆線の形状が不明確となるのを防止することが可能となる。
また、上記の検査台紙は、指紋採取面を被覆する面とは反対側の面を樹脂材層にて被覆するとともに、この樹脂材層側の表面に、年月日記載欄、事件名記載欄及び採取物件記載欄を備えた表示部を形成したものであっても良い。このように表示部を形成することにより、この表示部の各欄への記録の記載を行い、検出指紋採取後のシート本体を特定することが可能となり、シート本体同士の混同を防止することが可能となる。また、検査台紙の樹脂材層側の表面に表示部を形成することにより、従来の紙材等の表面に表示部を形成する場合と比較して、表示部の撥水性を高めることが可能となる。そのため、表示部が水分を吸収して、表示部の各欄に記載した文字がにじんだり、表示部の各欄への記載が困難となったりする等の不具合が発生するのを防止することが可能となる。
本発明は上述の如く構成したものであって、ゲルシートの粘着力を0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅としており、ゲルシートが高い粘着力を有している。そのため、上記ゲルシートの一方の面に形成した指紋採取面に、検出指紋を確実に転写することが可能となり、検出指紋の隆線の形状を明確に認識可能となる。
また、上記ゲルシートの他方の面には少なくとも表面側に粘着性を有しないウレタンシートを貼着しており、指紋採取面を検出対象物に圧着して検出指紋を採取する際には、上述の如く粘着性を有しないウレタンシートの表面側を採取者が押圧するものとなる。そのため、採取者自身の指紋がシート本体に目視可能に付着するのを防止することが可能となり、指紋採取用シートを介して検出指紋を撮影する場合に、採取者自身の指紋と検出指紋が重なってしまうおそれがなく、検出指紋の隆線の形状を明確に識別可能となる。
また、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体は、伸び率の下限を10%としており、高い伸び率を有するものであるから、採取対象物の大きな湾曲面や凹凸面に検出指紋が付着している場合であっても、シート本体を伸張させて、指紋採取面を採取対象物の大きな湾曲面や凹凸面に添って容易に密着させることが可能となり、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じるのを抑制することが可能となる。また、必要に応じてシート本体を適宜伸張させることが可能となるため、採取対象物に付着した指紋に指紋採取面を圧着する際の位置決めを容易なものとすることが可能となる。また、上述の如き伸張性により、1回の採取作業により採取できる検出指紋の面積を広くすることが可能となるとともに、場合によっては1回の採取作業で複数の検出指紋を採取することも可能となり、指紋採取作業の作業効率を高めることが可能となる。
また、シート本体の伸び率の上限を20%としているため、ゲルシートが平面方向に伸張しすぎて、検出指紋の隆線の形状が崩れてしまうおそれもなく、検出指紋を明確に認識することが可能となる。
さらに、シート本体は、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率を75%以上としており、高い透明性を有しているため、シート本体を介して検出指紋を撮影する場合に、検出指紋を明確に識別することが可能となる。
本発明で使用するゲルシートは、付加重合系熱可塑性ブロック弾性体及びパラフィン系オイルを主成分として、押出成形、コンプレーション成形、インジェクション成形、カレンダー成形、真空注型成形、トランスファ成形等の適宜の成形方法で板状に成形している。また、上記の付加重合系熱可塑性ブロック弾性体は、ポリスチレンブロックと水添又は非水添のポリイソプレンブロックとからなるブロック共重合体、又はポリスチレンブロックと水添又は非水添のポリブタジエンブロックとからなるブロック共重合体の何れかを用いることが可能である。また、付加重合系熱可塑性ブロック弾性体は、例えば全体の数平均分子量が5,000〜500,000の範囲にあり、ポリスチレンブロック単位の含有量が10〜50wt%であり、かつポリイソプレンブロック単位又はポリブタジエンブロック単位の二重結合の70%以上が水添されたものがより好ましく用いられる。また、ポリスチレンブロック単位の重量平均分子用としては5,000〜130,000、ポリイソプレンブロック単位又はポリブタジエンブロック単位の重量平均分子量としては10,000〜300,000のものを例示することができる。
さらに具体的には、ポリスチレンブロックと水添又は非水添のポリイソプレンブロックとからなる付加重合系熱可塑性ブロック弾性体として、飽和型のジブロック及びトリブロックタイプのスチレンエチレンプロピレン(SEP)やスチレンエチレンプロピレンスチレン(SEPS)を用いることが好ましい。また、ポリスチレンブロックと水添又は非水添のポリブタジエンブロックとからなる付加重合系熱可塑性ブロック弾性体としては、スチレンエチレンブタジエン(SEB)やスチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)を用いることが好ましい。
また、ゲルシートは硬度を3〜20度とする。この硬度は「アスカ−C型硬度計」(高分子計器株式会社製)を用いて測定した結果である。硬度を3度未満とすると、ゲルシートが柔らかすぎるものとなるため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、検出指紋の隆線の形状が変形してしまう虞れがある。一方、硬度を20度より大きくすると、ゲルシートが硬くなりすぎるものとなるため、採取対象物が大きな湾曲や凹凸を有する場合に、この大きな湾曲部や凹凸部に添ってゲルシートが密着できず、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、ゲルシートの伸び率は、10〜20%とする。ゲルシートの伸び率を10%未満とすると、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体の伸び率も低下し、シート本体が十分な伸張性を有しないものとなる。そのため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となり、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。また、必要に応じてシート本体を伸張させることができないため、1回の採取作業で採取可能な検出指紋の面積が限定されるものとなる。また、ゲルシートの伸び率が20%を超えると、ゲルシートが平面方向に伸張しすぎるものとなり、検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれがある。
また、ゲルシートの粘着力は、0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅の範囲内とする。この粘着力は、JIS Z 0237に準拠して測定したものである。ゲルシートの粘着力が0.3N/10mm幅未満であると、ゲルシートの指紋採取面に検出指紋を十分に転写できないおそれがある。また、ゲルシートの粘着力が、4.0N/10mm幅より大きいと、採取対象物からシート本体を剥離する際に、採取対象物の塗装被膜等がシート本体とともにはがれてしまったり、指紋採取面が採取対象物に強く粘着して、シート本体を採取対象物から剥離するのに強い引っ張り力が必要となり、採取した検出指紋の隆線の形状が、上記の強い引っ張り力で変形してしまうおそれがある。
また、ゲルシートの反発弾性率はJIS K 6255に準拠した測定方法で10%〜40%とする。反発弾性率が10%より小さいと、上記ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体を採取対象物から剥離しても、シート本体が弾性復帰せずに採取対象物の表面の形状に保持され、検出指紋を正確に採取できないおそれがある。また、反発弾性率が40%より大きいと、採取対象物の大きな湾曲部や凹凸部から指紋を採取する場合に、採取対象物に付着した指紋に指紋採取面を強い押圧力で圧着することが必要なものとなる。従って、通常の押圧力で圧着した場合には、採取対象物の大きな湾曲部や凹凸部に指紋採取面を密着させることができず、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、ゲルシートは、厚さ1.5〜3.0mmの範囲内で形成する。ゲルシートを1.5mmより薄くすると、採取対象物にゲルシートを圧着した際に、ゲルシートが厚さ方向に十分に圧縮変形せず、ゲルシートが大きな湾曲部や凹凸部に添って密着できないおそれがある。また、ゲルシートを3.0mmより厚くすると、採取対象物にゲルシートの指紋採取面を圧着した際に、ゲルシートが平面方向に変形しすぎるものとなる。そして、このゲルシートが平面方向に変形しすぎた状態で検出指紋を採取すると、ゲルシートを採取対象物から剥離して、ゲルシートが元の形状に弾性復帰した際に、採取した検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれがある。また、採取対象物の凸型の大きな湾曲面から指紋を採取するような場合に、指紋採取面の内側部分と外周部分との圧縮変形率の差が大きなものとなるため、指紋採取面に撓みを生じて、検出指紋が正確に採取できない場合がある。また、ゲルシートの肉厚が増すことにより押圧力が指紋採取面に正確に伝わりにくいものとなるため、採取対象物の大きな湾曲や凹凸に沿った密着ができず、検出指紋を正確に採取できない虞れがある。
また、ゲルシートは、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%〜100%となるように形成している。ゲルシートの光透過率が75%未満となると、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体の光透過率も低下するものとなり、シート本体が十分な透明性を有しないものとなる。そのため、ゲルシートの指紋採取面を検査台紙に貼着し、シート本体を介して検出指紋を写真撮影する場合に、検出指紋を明確に識別することが困難となる。
また、ウレタンシートは、JIS A ゴム硬度を60度〜88度となるように形成する。ウレタンシートのゴム硬度を60度未満とすると、ウレタンシートのゴム硬度が低すぎて、後述のウレタンシートの厚さ(0.01mm〜0.05mm)では、制作困難なものとなる。また、ウレタンシートのゴム硬度が88度を超えると、ウレタンシートの高い硬度により、ウレタンシートとゲルシートとからなるシート本体の伸張も抑制されるものとなり、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となる。そのため、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、ウレタンシートの伸び率は、10%〜30%となるように形成する。ウレタンシートの伸び率を10%未満とすると、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体の伸び率も低下し、シート本体が十分な伸張性を有しないものとなる。そのため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となり、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。また、必要に応じてシート本体を伸張させることができないため、1回の採取作業で採取可能な検出指紋の面積が限定されるものとなる。また、ウレタンシートの伸び率が30%を超えると、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体が伸張しすぎるものとなり、検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれがある。
また、ウレタンシートは、厚さを0.01〜0.05mmとなるように形成する。ウレタンシートの厚さを0.01mm未満とすると、ウレタンシートの引っ張り強度が低下しすぎて、検出指紋を採取するためにシート本体を伸張した際に、ウレタンシートが破断するおそれがある。また、ウレタンシートの厚さを0.05mmより厚くすると、シート本体の硬度が高くなりすぎて、十分な伸張性を有しないものとなる。そのため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となる。そのため、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体は、硬度を4〜30度とする。この硬度は、「アスカーC型硬度計」(高分子計器株式会社製)を用いて、前記指紋採取面を加圧側として測定した結果である。シート本体の硬度を4度未満とすると、シート本体のゲルシート側が柔らかすぎるものとなり、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、検出指紋の隆線の形状が変化してしまうおそれがある。一方、シート本体の硬度を30度より大きくすると、シート本体のゲルシート側が硬くなりすぎるものとなり、採取対象物が大きな湾曲や凹凸を有する場合に、この大きな湾曲部や凹凸部に添ってゲルシートが密着できず、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、シート本体の伸び率は、10〜20%とする。シート本体の伸び率を10%未満とすると、シート本体が十分な伸張性を有しないものとなる。そのため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となり、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。また、必要に応じてシート本体を伸張させることができないため、1回の採取作業で採取可能な検出指紋の面積が限定されるものとなる。また、シート本体の伸び率が20%を超えると、シート本体を構成するゲルシートの伸び率も高すぎるものとなり、ゲルシートが平面方向に伸張しすぎて、検出指紋の隆線の形状が崩れてしまうおそれがある。
また、シート本体の反発弾性率はJIS K 6255に準拠した測定方法で21%〜49%とする。この反発弾性率は、前記指紋採取面を衝突面として計測した結果である。シート本体の反発弾性率が21%より小さいと、シート本体のゲルシート側の反発弾性率が低すぎるものとなり、採取対象物からシート本体を剥離しても、シート本体が弾性復帰せずに採取対象物の表面の形状に保持されて、検出指紋を正確に採取できないおそれがある。また、シート本体の反発弾性率が49%より大きいと、シート本体のゲルシート側の反発弾性率が強すぎるものとなり、採取対象物の大きな湾曲部や凹凸部から指紋を採取する場合に、採取対象物に付着した指紋に指紋採取面を強い押圧力で圧着することが必要なものとなる。従って、通常の押圧力で圧着した場合には、採取対象物の大きな湾曲部や凹凸部に指紋採取面を密着させることができず、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、シート本体は、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%以上となるように形成している。シート本体の光透過率が75%未満となると、シート本体が十分な透明性を有しないものとなる。そのため、ゲルシートの指紋採取面を検査台紙に貼着し、ゲルシートを介して検出指紋を写真撮影する場合に、検出指紋を明確に識別することが困難となる。
実施例1に於いて、保護シート及び検査台紙を、シート本体から一部剥がした状態を示す側面図。 検査台紙の表面を示す平面図。 採取対象物の一例である手すりを示す斜視図。 図3のA−A線端面図。 採取対象物である手すりに、本実施例の指紋採取用シートを伸張して圧着した状態を示す斜視図。 本実施例の指紋採取用シートを用いて採取した検出指紋の平面図。 比較例1の指紋採取用シートを用いて採取した検出指紋の平面図。
以下、本発明の一実施例を図1・図2において説明すると、(1)はシート本体で、ゲルシート(2)にウレタンシート(3)を分離不能に止着して形成している。以下、前記シート本体(1)のゲルシート(2)側の表面を指紋採取面(4)、ウレタンシート(3)側の表面を押圧面(5)とする。
また、上記ゲルシート(2)は、スチレンエチレンブタジエンスチレン50%、パラフィン系オイル50%から成るものであり、押出成形によって板状に形成する。そして、アスカーC硬度を11度、伸び率を15%、JIS Z 0237により測定した粘着力を2.0N/10mm幅、JIS K 6255で測定した反発弾性率を25%、厚さを2.0mm、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率を80%としている。
また、前述の如くゲルシート(2)に止着するウレタンシート(3)は、ウレタン樹脂と可塑剤にて形成しており、JIS A ゴム硬度を65度、伸び率を20%、厚さを0.03mmとしている。
また、上記ウレタンシート(3)は、ゲルシート(2)への止着前に於いて、例えば、一方の面に透明フィルムを、他方の面に離型紙を貼着した状態で、巻回して保管しておくことが可能である。このようにしてウレタンシート(3)を保管しておくことで、巻回したウレタンシート(3)の重なり合う表面同士がくっついてしまうおそれがないものとなる。
また、上述の如くゲルシート(2)とウレタンシート(3)とを止着して形成した前記シート本体(1)は、前記指紋採取面(4)を加圧側として測定したアスカーC硬度を15度、伸び率を15%、JIS K 6255に基づき、指紋採取面(4)を衝突面として測定した反発弾性率35%、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率を80%としている。
また、ゲルシート(2)とウレタンシート(3)とからなるシート本体(1)は、非使用時には前記指紋採取面(4)を検査台紙(6)により被覆しており、シート本体(1)の使用時には、図1に示す如く、上記検査台紙(6)を指紋採取面(4)から剥離して使用するものである。このように、指紋採取面(4)を検査台紙(6)により被覆しておくことにより、シート本体(1)の非使用時に於いて、埃、ゴミ、検出指紋以外の指紋等が指紋採取面(4)に付着して、検出指紋の隆線の形状が不明確となるのを防止することが可能となる。
また、この検査台紙(6)は、図1に示す如く、指紋採取面(4)を被覆する面とは反対側の面を、ポリプロピレン製の樹脂材層(9)により被覆し、この樹脂材層(9)側の表面(7)に、図2に示す如く、年月日記載欄(8)、番号記載欄(10)、事件名記載欄(11)、採取物件記載欄(12)、立会人記載欄(13)、採取者記載欄(14)の各欄を設けた表示部(15)を設けている。そして、この表示部(15)の各欄への記録の記載を行うことで、検出指紋採取後のシート本体(1)を特定可能とし、シート本体(1)同士の混同を防止可能としている。また、上述の如く、検査台紙(6)の樹脂材層(9)側の表面(7)に表示部(15)を形成することにより、紙材にて形成した層に表示部を形成する場合等と比較して、表示部(15)の撥水性を高めることが可能となる。そのため、表示部(15)が水分を吸収して、表示部(15)の各欄に記載した文字がにじんだり、表示部(15)の各欄への記載が困難となったりする等の不具合が発生するのを防止することが可能となる。
また、上記表示部(15)は、図2に示す如く、検査台紙(6)の樹脂材層(9)側の表面(7)に縦2列、横3列、計6個を設けている。このように、検査台紙(6)に表示部(15)を複数設けておくことで、検出指紋の大きさに合わせてシート本体(1)を適宜切り分けて使用するような場合に、切り分け後のシート本体(1)にそれぞれ表示部(15)を配置することが可能となり、指紋採取用シートの使用性を高めることが可能となる。
また、シート本体(1)は、前記押圧面(5)を保護シート(17)により被覆しており、シート本体(1)の使用時に於いては、図1に示す如く、前記保護シート(17)を押圧面(5)から剥離して使用するものである。このように、押圧面(5)を保護シート(17)により被覆しておくことにより、シート本体(1)の非使用時に於いて、ゴミ、埃等が押圧面(5)に付着するのを防止することが可能となる。そのため、指紋採取用シートを介して検出指紋を撮影する場合に、押圧面(5)に付着したゴミ、埃等と検出指紋が重なってしまうおそれもなく、検出指紋の隆線の形状を明確に識別可能なものとすることが可能となる。
上述の如く構成したものに於いて、採取対象物(18)に付着した検出指紋を採取する方法について以下に説明する。本実施例に於いては、採取対象物(18)の一例として壁面(20)に固定した手すり(21)を用いる。なお、上記手すり(21)は、図3、図5に示す如く、両端部分に形成したL字型の湾曲部(22)を介して壁面(20)に固定されたものであり、上記湾曲部(22)に検出指紋が付着している。また、検出指紋は、図3に示す如く、親指部分が上記湾曲部(22)の外周面に付着し、図4に示す如く、人差し指部分、中指部分、薬指部分が上記湾曲部(22)の内周面に付着している。
まず、採取対象物(18)である上記手すり(21)の指紋が付着していると推定される部分に、アルミ粉末等の検出用粉末を撒布して、指紋を視覚により確認可能とする。この検出用粉末は、例えば採取対象物(18)の検出指紋付着部分の色彩が黒の場合は白を用い、検出指紋付着部分の色彩が白の場合は黒を用いるといった具合に、検出指紋付着部分の色彩とは対照的な色彩のものを適宜使い分けて用いる。これにより、採取対象物(18)の表面と検出用粉末の色彩の差を明確なものとし、検出指紋の隆線の形状を明確に認識可能となる。
次に、ダスターブラシ等の穂先で上記検出用粉末を軽く払うようにして、指紋の隆線部分だけに検出用粉末を付着させ、指紋を検出する。次に、保護シート(17)をシート本体(1)の押圧面(5)から剥離するとともに、検査台紙(6)をシート本体(1)の指紋採取面(4)から剥離する。そして、シート本体(1)を伸張させながら、図5に示す如く、指紋採取面(4)を上記手すり(21)の湾曲部(22)に添わせて、付着した検出指紋に重ね合わせるとともに、前記押圧面(5)を押圧して前記検出指紋に指紋採取面(4)を圧着する。これにより、検出指紋をシート本体(1)に転写して採取する。
その際に、本実施例に於いては前述の如く、ゲルシート(2)の粘着力を、JIS Z 0237で2.0N/10mm幅としており、ゲルシート(2)が高い粘着力を有するものである。そのため、上記シート本体(1)の指紋採取面(4)に、検出指紋を確実に転写することが可能となり、検出指紋の隆線の形状を明確に認識可能となる。
一方で、ゲルシート(2)に止着するウレタンシート(3)は、前述の如く、少なくとも表面側、即ち、前記押圧面(5)を、非粘着性としている。そのため、後述の如く指紋採取面(4)を採取対象物(18)に圧着して検出指紋を採取する際には、上述の如く粘着力を抑制したシート本体(1)の押圧面(5)を採取者が押圧するものとなり、採取者自身の指紋がシート本体(1)に目視可能に付着するのを防止することが可能となる。そのため、シート本体(1)を介して検出指紋を撮影する場合に、採取者自身の指紋と検出指紋が重なってしまうおそれもなく、検出指紋の隆線の形状を明確に識別することが可能となる。
また、上記手すり(21)の湾曲部(22)は、図3〜図5からも明らかな通り、大きな湾曲形状を有するものである。この点、本実施例に於いては、前述の如く、シート本体(1)の伸び率を15%としており、シート本体(1)が10%以上の高い伸び率を有するものであるから、シート本体(1)を伸張させて、上記湾曲部(22)の大きな湾曲形状に添って指紋採取面(4)を容易に密着させることが可能となる。そのため、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じるのを抑制することが可能となる。また、上記湾曲部(22)の大きな湾曲形状に合わせてシート本体(1)を適宜伸張させることが可能となるため、上記湾曲部(22)に付着した指紋に指紋採取面(4)を圧着する際の位置決めを容易なものとすることが可能となる。
また、本実施例の検出指紋は、前述の如く、採取対象物(18)である手すり(21)の湾曲部(22)の内側と外側にそれぞれ付着したものである。このような場合であっても、上述の如きシート本体(1)の伸張性により、1回の採取作業により採取できる検出指紋の面積を広くすることを可能としているため、ズレ、破断、欠落等の不具合を生じることなく、1回の採取作業ですべての検出指紋を採取することが可能となる。そのため、指紋採取作業の作業効率を高めることが可能となる。
また、本実施例に於いては、シート本体(1)の伸び率が20%を超えないものとしているため、ゲルシート(2)が平面方向に伸張しすぎて、検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれもなく、検出指紋を明確に認識することが可能となる。
そして、検出指紋を採取した指紋採取面(4)を、検査台紙(6)により再度被覆する。そして、このように検査台紙(6)で指紋採取面(4)を被覆した状態で、ゲルシート(2)とウレタンシート(3)とからなるシート本体(1)の押圧面(5)側から、シート本体(1)を介して検出指紋を写真撮影する。その際、本実施例のシート本体(1)は、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率を80%としており、高い透明度を有している。そのため、上述の如く、シート本体(1)を介して検出指紋を撮影する場合に、検出指紋を明確に識別することが可能となる。また、上述の如く、高い透明性を有するシート本体(1)を介して検出指紋を撮影することが可能となるため、検出指紋を採取した指紋採取面(4)を検査台紙(6)により被覆するのみで、検出指紋の写真撮影の準備作業を完了させることが可能となる。そのため、上記検出指紋を別体に設けた写真撮影用のシート等に転写し直す必要等もなく、簡易な方法で検出指紋の撮影を行うことができる。
なお、シート本体(1)を介して上述の如く検出指紋を写真撮影する際に、検出指紋の隆線の形状を明確に認識するためには、裏面(19)の色を白又は黒とした2種類の検査台紙(6)を用意し、これらを選択して用いる。即ち、前述の検出指紋の認定作業に於いて、明度の高い色彩の検出用粉末を用いた場合には、裏面を黒とした検査台紙(6)を用いる。反対に、明度の低い色彩の検出用粉末を用いた場合には、裏面(19)を白とした検査台紙(6)を用いる。このように、検出用粉末の明度と、検査台紙(6)の裏面の明度とを逆転させることにより、検出用粉末に検出した検出指紋の隆線を明確に認識することが可能となる。
また、前述の如く形成した本実施例のシート本体(1)と、ゲルシートに伸張抑制シートを止着して形成した従来例のシート本体(比較例1)をそれぞれ用いて、前記の壁面(20)に固定した手すり(21)を採取対象物(18)として、検出指紋を採取した。シート本体は、本実施例と比較例1とで、形状及び大きさを同一のものとした。本実施例の指紋採取用シートを用いて採取した検出指紋の写真を図6に、比較例1の指紋採取用シートを用いて採取した検出指紋の写真を図7に示し、以下に比較する。なお、説明の便のため、上端、下端等の用語は、図6、図7を基準として用いる。
また、本実施例を示す図6に於いては、親指(23)、人差し指(24)、中指(25)、薬指(26)に対応するすべての検出指紋について、検出指紋の隆線の形状を明確に認識可能である。これに対して、比較例1を示す図7に於いては、親指(30)については検出指紋の隆線の形状が明確であるが、人差し指(31)、中指(32)については検出指紋の隆線の形状がやや不明確であり、薬指(33)については隆線がつぶれてしまっている。そして、その結果として、薬指(33)については対照不能となっている。これは、比較例1の指紋採取用シートが、伸張抑制シートにより伸張を抑制されており、十分な伸張性を有しないため、手すり(21)の湾曲部(22)の大きな湾曲形状に添って指紋採取面を密着させることができなかったことによる。
本実施例を示す図6に於いては、親指(23)、人差し指(24)、中指(25)、薬指(26)に対応するすべての検出指紋が、輪郭に欠落を生じることなく楕円状に採取できている。これに対して、比較例1を示す図7に於いては、親指(30)、中指(32)、薬指(33)に対応する検出指紋は、輪郭については欠落を生じることなく楕円状に採取できているが、人差し指(31)に対応する検出指紋は、左上部に大きな欠落部(34)が生じており、その結果として、人差し指(31)については対照不能となっている。これは、比較例1の指紋採取用シートが、伸張抑制シートにより伸張を抑制されており、十分な伸張性を有しないため、手すり(21)の湾曲部(22)の大きな湾曲形状に添って指紋採取面(4)を十分に密着させることができなかったことによるものである。
また、比較例1を示す図7に於いては、親指(30)、薬指(33)に対応する検出指紋について、上下方向に大きな破断部(35)が生じている。これは、比較例1の指紋採取用シートが、伸張抑制シートにより伸張を抑制されており、十分な伸張性を有しないため、手すり(21)の湾曲部(22)の大きな湾曲形状に添って指紋採取面(4)を十分に密着させることができなかったことによるものである。なお、本実施例を示す図1に於いても、親指(23)と人差し指(24)に対応する検出指紋について、上下方向に破断部(36)は生じているが、比較例の破断部(35)と比較して幅が狭く、検出指紋の識別に影響を与えるものではない。
また、本実施例を示す図6に於いては、親指(23)、人差し指(24)、中指(25)、薬指(26)に対応するすべての検出指紋について、検出指紋にズレが生じていない。これに対して、比較例1を示す図7に於いては、親指(30)、人差し指(31)に対応する検出指紋にはズレが生じていないが、中指(32)、薬指(33)に対応する検出指紋には、右上部にズレ(37)が生じている。これは、比較例1の指紋採取用シートが、伸張抑制シートにより伸張を抑制されており、十分な伸張性を有しないため、手すり(21)の湾曲部(22)の大きな湾曲形状に添って指紋採取面(4)を密着させることができなかったことによるものである。
以上の比較結果が示すとおり、本発明においては、大きな湾曲部や凹凸部を有する採取対象物(18)であっても、付着した検出指紋を欠落なく確実に採取可能なものである。そのため、犯人や犯罪関係者の指紋による特定を、用意且つ確実に行うことが可能となる。

Claims (3)

  1. 一方の面を指紋採取面とするゲルシートと、このゲルシートの他方の面に止着したウレタンシートとによりシート本体を形成し、前記ゲルシートは、アスカーC硬度が3〜20度、伸び率が10〜20%、JIS Z 0237で測定した粘着力が0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅、JIS K 6255で測定した反発弾性率が10%〜40%、厚さが1.5mm〜3.0mm、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%〜100%、前記ウレタンシートは、少なくとも表面側に粘着力を有しないとともに、JIS A ゴム硬度が60度〜88度、伸び率が10〜30%、厚さが0.01〜0.05mm、前記シート本体は、アスカーC硬度が4度〜30度、伸び率が10〜20%、JIS K 6255で測定した反発弾性率が21%〜49%、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%〜100%とし、前記ゲルシートの指紋採取面を、指紋検出用粉末を付着させて検出した検出指紋に圧着することにより、前記検出指紋を転写採取可能としたことを特徴とする指紋採取用シート。
  2. シート本体は、非使用時において、検査台紙により指紋採取面を被覆したことを特徴とする請求項1の指紋採取用シート。
  3. 検査台紙は、指紋採取面を被覆する面とは反対側の面を樹脂材層にて被覆するとともに、この樹脂材層側の表面に、年月日記載欄、事件名記載欄及び採取物件記載欄を備えた表示部を形成したことを特徴とする請求項2の指紋採取用シート。
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