JP2020058494A - 指紋採取用シート - Google Patents

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Mitsugi Ichikawa
貢 市川
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Abstract

【課題】指紋採取用シートの弾性変形の解除後に行われる検出指紋の写真撮影時に、この指紋採取用シートの表面にしわがよることなく、この表面に照射する光の乱反射を防いで検出指紋の形状をはっきりと明確に写真に記録できるようにする。【解決手段】一方の面を、曲面にて形成された採取対象物18に付着した指紋を採取する指紋採取面4としたゲルシート2と、このゲルシート2の他方の面に止着されるとともに厚さが5μm〜20μmの範囲内であるウレタンシート3とから成り、前記ゲルシート2の指紋採取面4を、指紋検出用粉末を付着させて検出した検出指紋に圧着することにより、前記検出指紋をゲルシート2の指紋採取面4に転写採取可能とする。【選択図】図1

Description

本発明は、犯罪捜査等に於ける指紋の採取に使用するための指紋採取用シートに関するものである。
従来、犯罪捜査等に於ける指紋の採取及び採取した指紋の写真撮影には、以下のような方法が用いられている。まず、指紋が付着した採取対象物の表面にアルミ粉末等の検出用粉末を撒布する。この時、採取対象物が白色系の場合は反対色である黒色系のアルミ粉末を用い、採取対象物が黒色系の場合は反対色である白色系のアルミ粉末を用いて行うことにより、採取対象物に検出される指紋を視認し易いものとすることができる。
次に、余分な検出用粉末をダスターブラシ等の穂先で軽く払って除去して、指紋の隆線部分にのみ検出用粉末が付着した状態とすることにより、指紋を検出する。そして、この検出指紋に、透明又は半透明に形成した指紋採取用シートの指紋採取面を圧着して検出指紋を指紋採取用シートの指紋採取面に転写する。そしてこのように検出指紋を転写した指紋採取面に検査台紙を被覆して貼着した後、指紋採取用シートの指紋採取面とは反対側から、透明又は半透明の指紋採取用シートの厚みを介して指紋採取面側の検出指紋を写真撮影する。
このような指紋採取用シートについては、特許文献1に示す如き発明が公知となっている。この指紋採取用シートは、一方の面を指紋採取面とするゲルシートと、このゲルシートの他方の面に止着したウレタンシートとによりシート本体を形成するものである。このウレタンシートはインフレーション成形方法により成形し、前記ゲルシートの指紋採取面を、上記の如く指紋検出用粉末を付着させて検出した検出指紋に圧着することにより、前記検出指紋をゲルシートの指紋採取面に転写採取可能とするものである。
そして上記指紋採取用シートを用いて手摺などの曲面にて形成された採取対象物検出指紋を採取する場合には、まずこの指紋採取用シートを弾性変形により伸張させながら指紋が付着した曲面に沿って圧着する。そしてこの指紋採取用シートに検出指紋を転写した後、上記採取時の弾性変形を解除して平板状に復元させ、その直後に上記の如く転写した検出指紋の写真撮影を行うものである。
特開2016−92号公報
しかしながら、引用文献1に記載のウレタンシートの厚さは30μmと比較的厚いものであるから、このウレタンシートの弾性変形からもとの形状に復元するのに時間がかるため、このウレタンシートを設けた指紋採取用シートの表面にしわがよった状態となり、しわがない元の状態に復元するまでには長時間を要するものとなる。
しかし検出指紋の写真撮影は、上記の如く指紋採取用シートに検出指紋を転写した直後、即ち指紋採取用シートの弾性変形が解除された直後に行われる。そのため、写真撮影の際に上記指紋採取用シートの検出指紋に光を当てた場合に、上記の如くこの指紋採取用シートに形成されたしわによって光が乱反射し、検出指紋の形状をはっきりと明確に写真に記録することが困難なものとなる。
そこで本願発明は上記の如き課題を解決しようとするものであって、指紋採取用シートの弾性変形の解除後に行われる検出指紋の写真撮影時に、この指紋採取用シートの表面にしわがよることなく、この表面に照射する光の乱反射を防いで検出指紋の形状をはっきりと明確に写真に記録できるようにしようとするものである。
本願発明は、上述の如き課題を解決するため、 一方の面を、曲面にて形成された採取対象物指紋を採取する指紋採取面としたゲルシートと、このゲルシートの他方の面に止着されるとともに厚さが5μm〜20μmの範囲内であるウレタンシートとから成り、前記ゲルシートの指紋採取面を、指紋検出用粉末を付着させて検出した検出指紋に圧着することにより、前記検出指紋をゲルシートの指紋採取面に転写採取可能として成るものである。
また、ゲルシートは、アスカーC硬度が3〜20度、伸び率が10〜20%、JIS Z 0237で測定した粘着力が0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅、JIS K 6255で測定した反発弾性率が10%〜40%、厚さが1.5mm〜3.0mm、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%〜100%であってもよい。
また、ウレタンシートは、少なくとも表面側に粘着力を有しないとともに、JIS A ゴム硬度が60度〜88度、伸び率が10〜30%であっても良い。
また、ゲルシートとウレタンシートとから成る上記シート本体は、アスカーC硬度が4度〜30度、伸び率が10〜20%、JIS K 6255で測定した反発弾性率が21%〜49%、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%以上であっても良い。
本発明は上述の如く構成したものであって、このゲルシートの他方の面に止着したウレタンシートの厚さが5μm〜20μmの範囲内と比較的薄いため、手摺などの曲面にて形成された採取対象物検出指紋を、指紋採取用シート全体を弾性変形させた状態でこの指紋採取用シートの表面に圧着することにより該曲面の指紋を転写採取した後、この指紋採取用シートの弾性変形を解除した直後でも、この指紋採取用シートの表面にしわが生じにくいものとなる。
そのため、指紋採取用シートへの検出指紋の転写後に速やかに行われる検出指紋の写真撮影時にこの検出指紋に光を当てた場合でも、しわによる光の乱反射が生じることなく、検出指紋の写真撮影を良好な状態で行うことが可能となり、検出指紋の形状をはっきりと明確に写真に記録することができる。
本発明で使用するゲルシートは、付加重合系熱可塑性ブロック弾性体及びパラフィン系オイルを主成分として、押出成形、コンプレーション成形、インジェクション成形、カレンダー成形、真空注型成形、トランスファ成形等の適宜の成形方法で板状に成形している。また、上記の付加重合系熱可塑性ブロック弾性体は、ポリスチレンブロックと水添又は非水添のポリイソプレンブロックとからなるブロック共重合体、又はポリスチレンブロックと水添又は非水添のポリブタジエンブロックとからなるブロック共重合体の何れかを用いることが可能である。また、付加重合系熱可塑性ブロック弾性体は、例えば全体の数平均分子量が5,000〜500,000の範囲にあり、ポリスチレンブロック単位の含有量が10〜50wt%であり、かつポリイソプレンブロック単位又はポリブタジエンブロック単位の二重結合の70%以上が水添されたものがより好ましく用いられる。また、ポリスチレンブロック単位の重量平均分子量としては5,000〜130,000、ポリイソプレンブロック単位又はポリブタジエンブロック単位の重量平均分子量としては10,000〜300,000のものを例示することができる。
さらに具体的には、ポリスチレンブロックと水添又は非水添のポリイソプレンブロックとからなる付加重合系熱可塑性ブロック弾性体として、飽和型のジブロック及びトリブロックタイプのスチレンエチレンプロピレン(SEP)やスチレンエチレンプロピレンスチレン(SEPS)を用いることが好ましい。また、ポリスチレンブロックと水添又は非水添のポリブタジエンブロックとからなる付加重合系熱可塑性ブロック弾性体としては、スチレンエチレンブタジエン(SEB)やスチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)を用いることが好ましい。
また本発明のウレタンシートは、厚さを5μm〜20μmの範囲内としている。ウレタンシートの厚さを5μm未満とした場合には、強度が弱く破れやすいためウレタンシート自体の製造が困難なものとなる。またウレタンシートの厚さを20μmより厚くした場合には、特許文献1に記載の発明の如く、曲面にて形成された採取対象物指紋を採取した際に、ウレタンシートの弾性変形からのもとの形状に復元するのに時間がかかるため、弾性変形の解除直後は図5に示す如く指紋採取用シート全体では表面にしわがよった状態となり、しわのない元の状態に復元するまでには長時間を要するものとなる。
しかし検出指紋の写真撮影は通常、指紋採取用シートの弾性変形が解除された直後に行われることから、写真撮影の際に上記指紋採取用シートの検出指紋に光を当てた場合に、上記の如くこの指紋採取用シートに形成されたしわによって光が乱反射し、検出指紋の形状をはっきりと明確に写真に記録することが困難なものとなる。
また、ゲルシートの硬度は3〜20度とすることが好ましい。この硬度は「アスカ−C型硬度計」(高分子計器株式会社製)を用いて測定した結果である。硬度を3度未満とすると、ゲルシートが柔らかすぎるものとなるため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれがある。一方、硬度を20度より大きくすると、ゲルシートが硬くなりすぎるものとなるため、採取対象物が大きな湾曲や凹凸を有する場合に、この大きな湾曲部や凹凸部に添ってゲルシートが密着できず、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、ゲルシートの伸び率は、10〜20%とすることが好ましい。ゲルシートの伸び率を10%未満とすると、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体の伸び率も低下し、シート本体が十分な伸張性を有しないものとなる。そのため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となり、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。また、必要に応じてシート本体を伸張させることができないため、1回の採取作業で採取可能な検出指紋の面積が限定されるものとなる。また、ゲルシートの伸び率が20%を超えると、ゲルシートが平面方向に伸張しすぎるものとなり、検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれがある。
また、ゲルシートの粘着力は、0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅の範囲内とすることが好ましい。この粘着力は、JIS Z 0237に準拠して測定したものである。ゲルシートの粘着力が0.3N/10mm幅未満であると、ゲルシートの指紋採取面に検出指紋を十分に転写できないおそれがある。また、ゲルシートの粘着力が、4.0N/10mm幅より大きいと、採取対象物からシート本体を剥離する際に、採取対象物の塗装被膜等がシート本体とともにはがれてしまったり、指紋採取面が採取対象物に強く粘着して、シート本体を採取対象物から剥離するのに強い引っ張り力が必要となり、採取した検出指紋の隆線の形状が、上記の強い引っ張り力で変形してしまうおそれがある。
また、ゲルシートの反発弾性率はJIS K 6255に準拠した測定方法で10%〜40%とすることが好ましい。反発弾性率が10%より小さいと、上記ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体を採取対象物から剥離しても、シート本体が弾性復帰せずに採取対象物の表面の形状に保持され、検出指紋を正確に採取できないおそれがある。また、反発弾性率が40%より大きいと、採取対象物の大きな湾曲部や凹凸部から指紋を採取する場合に、採取対象物に付着した指紋に指紋採取面を強い押圧力で圧着することが必要なものとなる。従って、通常の押圧力で圧着した場合には、採取対象物の大きな湾曲部や凹凸部に指紋採取面を密着させることができず、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、ゲルシートは、厚さ1.5〜3.0mmの範囲内で形成することが好ましい。ゲルシートを1.5mmより薄くすると、採取対象物にゲルシートを圧着した際に、ゲルシートが厚さ方向に十分に圧縮変形せず、ゲルシートが大きな湾曲部や凹凸部に添って密着できないおそれがある。また、ゲルシートを3.0mmより厚くすると、採取対象物にゲルシートの指紋採取面を圧着した際に、ゲルシートが平面方向に変形しすぎるものとなる。そして、このゲルシートが平面方向に変形しすぎた状態で検出指紋を採取すると、ゲルシートを採取対象物から剥離して、ゲルシートが元の形状に弾性復帰した際に、採取した検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれがある。また、採取対象物の凸型の大きな湾曲面から指紋を採取するような場合に、指紋採取面の内側部分と外周部分との圧縮変形率の差が大きなものとなるため、指紋採取面に撓みを生じて、検出指紋が正確に採取できない場合がある。また、ゲルシートの肉厚が増すことにより押圧力が指紋採取面に正確に伝わりにくいものとなるため、採取対象物の大きな湾曲や凹凸に沿った密着ができず、検出指紋を正確に採取できない虞れがある。
また、ゲルシートは、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%〜100%となるように形成するのが好ましい。ゲルシートの光透過率が75%未満となると、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体の光透過率も低下するものとなり、シート本体が十分な透明性を有しないものとなる。そのため、ゲルシートの指紋採取面を検査台紙に貼着し、シート本体を介して検出指紋を写真撮影する場合に、検出指紋を明確に識別することが困難となる。
また、ウレタンシートは、JIS A ゴム硬度を60度〜88度となるように形成するのが好ましい。ウレタンシートのゴム硬度を60度未満とすると、ウレタンシートのゴム硬度が低すぎて、後述のウレタンシートの厚さ(0.01mm〜0.05mm)では、制作困難なものとなる。また、ウレタンシートのゴム硬度が88度を超えると、ウレタンシートの高い硬度により、ウレタンシートとゲルシートとからなるシート本体の伸張も抑制されるものとなり、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となる。そのため、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、ウレタンシートの伸び率は、10%〜30%となるように形成するのが好ましい。ウレタンシートの伸び率を10%未満とすると、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体の伸び率も低下し、シート本体が十分な伸張性を有しないものとなる。そのため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となり、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。また、必要に応じてシート本体を伸張させることができないため、1回の採取作業で採取可能な検出指紋の面積が限定されるものとなる。また、ウレタンシートの伸び率が30%を超えると、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体が伸張しすぎるものとなり、検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれがある。
また、ゲルシートとウレタンシートとからなるシート本体は、硬度を4〜30度とするのが好ましい。この硬度は、「アスカーC型硬度計」(高分子計器株式会社製)を用いて、前記指紋採取面を加圧側として測定した結果である。シート本体の硬度を4度未満とすると、シート本体のゲルシート側が柔らかすぎるものとなり、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、検出指紋の隆線の形状が変化してしまうおそれがある。一方、シート本体の硬度を30度より大きくすると、シート本体のゲルシート側が硬くなりすぎるものとなり、採取対象物が大きな湾曲や凹凸を有する場合に、この大きな湾曲部や凹凸部に添ってゲルシートが密着できず、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、シート本体の伸び率は、10〜20%とするのが好ましい。シート本体の伸び率を10%未満とすると、シート本体が十分な伸張性を有しないものとなる。そのため、大きな湾曲や凹凸のある採取対象物から検出指紋を採取する場合に、シート本体を伸張させて、上記の大きな湾曲形状や凹凸形状に添って指紋採取面を密着させることが困難となり、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。また、必要に応じてシート本体を伸張させることができないため、1回の採取作業で採取可能な検出指紋の面積が限定されるものとなる。また、シート本体の伸び率が20%を超えると、シート本体を構成するゲルシートの伸び率も高すぎるものとなり、ゲルシートが平面方向に伸張しすぎて、検出指紋の隆線の形状が崩れてしまうおそれがある。
また、シート本体の反発弾性率はJIS K 6255に準拠した測定方法で21%〜49%とするのが好ましい。この反発弾性率は、前記指紋採取面を衝突面として計測した結果である。シート本体の反発弾性率が21%より小さいと、シート本体のゲルシート側の反発弾性率が低すぎるものとなり、採取対象物からシート本体を剥離しても、シート本体が弾性復帰せずに採取対象物の表面の形状に保持されて、検出指紋を正確に採取できないおそれがある。また、シート本体の反発弾性率が49%より大きいと、シート本体のゲルシート側の反発弾性率が強すぎるものとなり、採取対象物の大きな湾曲部や凹凸部から指紋を採取する場合に、採取対象物に付着した指紋に指紋採取面を強い押圧力で圧着することが必要なものとなる。従って、通常の押圧力で圧着した場合には、採取対象物の大きな湾曲部や凹凸部に指紋採取面を密着させることができず、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じやすいものとなる。
また、シート本体は、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%以上となるように形成するのが好ましい。シート本体の光透過率が75%未満となると、シート本体が十分な透明性を有しないものとなる。そのため、ゲルシートの指紋採取面を検査台紙に貼着し、ゲルシートを介して検出指紋を写真撮影する場合に、検出指紋を明確に識別することが困難となる。
本発明の実施例1を示す指紋採取用シートの弾性変形解除直後の表面状態を示す平面図。 実施例1において保護シート及び検査台紙を、シート本体から一部剥がした状態を示す側面図。 本実施例の採取対象物である手すりを示す斜視図。 採取対象物である手すりに、本実施例の指紋採取用シートを伸張して圧着した状態を示す斜視図。 従来例の指紋採取用シートの弾性変形解除直後の表面状態を示す平面図。
以下、本発明の一実施例を図において説明すると、(1)はシート本体で、ゲルシート(2)にウレタンシート(3)を分離不能に止着して形成している。そしてこのウレタンシート(3)の厚さを10μmとしている。以下、前記シート本体(1)のゲルシート(2)側の表面を指紋採取面(4)、ウレタンシート(3)側の表面を押圧面(5)とする。
また、上記ゲルシート(2)は、スチレンエチレンブタジエンスチレン50%、パラフィン系オイル50%から成るものであり、押出成形によって板状に形成する。そして、アスカーC硬度を11度、伸び率を15%、JIS Z 0237により測定した粘着力を2.0N/10mm幅、JIS K 6255で測定した反発弾性率を25%、厚さを2.0mm、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率を80%としている。
また、前述の如くゲルシート(2)に止着するウレタンシート(3)は、ウレタン樹脂と可塑剤にて形成しており、JIS A ゴム硬度を65度、伸び率を20%としている。また、上述の如くゲルシート(2)とウレタンシート(3)とを止着して形成した前記シート本体(1)は、前記指紋採取面(4)を加圧側として測定したアスカーC硬度を15度、伸び率を15%、JIS K 6255に基づき、指紋採取面(4)を衝突面として測定した反発弾性率35%、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率を80%としている。
また、ゲルシート(2)とウレタンシート(3)とからなるシート本体(1)は、非使用時には前記指紋採取面(4)を検査台紙(6)により被覆しており、シート本体(1)の使用時には、図1に示す如く、上記検査台紙(6)を指紋採取面(4)から剥離して使用するものである。このように、指紋採取面(4)を検査台紙(6)により被覆しておくことにより、シート本体(1)の非使用時に於いて、埃、ゴミ、検出指紋以外の指紋等が指紋採取面(4)に付着して、検出指紋の隆線の形状が不明確となるのを防止することが可能となる。
上述の如く構成したものに於いて、曲面にて形成される採取対象物(18)に付着した検出指紋を採取する方法について以下に説明する。本実施例では採取対象物(18)を壁面(20)に固定した手すり(21)としている。この手すり(21)は、図3、図4に示す如く、両端部分にL字型の湾曲部(22)が形成されたものであって、この湾曲部(22)に検出指紋が付着しているものである。
まず指紋を視覚により確認可能とするために、指紋が付着した採取対象物(18)にアルミ粉末等の検出用粉末を撒布する。この検出用粉末は、例えば採取対象物(18)の検出指紋付着部分の色彩が黒色系の場合は白色系を用い、検出指紋付着部分の色彩が白色系の場合は黒色系を用いるといった具合に、検出指紋付着部分の色彩とは対照的な色彩のものを適宜使い分けて用いる。これにより、採取対象物(18)の表面と検出用粉末の色彩の差を明確なものとし、検出指紋の隆線の形状を明確に認識可能となる。
そして、ダスターブラシ等の穂先で上記検出用粉末を軽く払うようにして、指紋の隆線部分以外に付着した検出用粉末を除去し、指紋の隆線部分にのみ検出用粉末が付着した状態とすることにより、検出指紋を得る。次に、図1に示す如く検査台紙(6)をシート本体(1)の指紋採取面(4)から剥離する。そして、シート本体(1)を両手で把持して伸張させながら、図5に示す如く、指紋採取面(4)を上記手すり(21)の湾曲部(22)に添わせて、検出指紋に被覆するとともに、前記押圧面(5)を押圧して指紋採取面(4)を前記検出指紋に圧着する。これにより、採取対象物(18)に付着した検出指紋を指紋採取面(4)に転写して採取することができる。
尚、本実施例に於いては前述の如く、ゲルシート(2)の粘着力を、JIS Z 0237で2.0N/10mm幅としており、ゲルシート(2)が高い粘着力を有するものである。そのため、上記シート本体(1)の指紋採取面(4)に、検出指紋を確実に転写することが可能となり、検出指紋の隆線の形状を明確に認識可能となる。
一方で、ゲルシート(2)に止着するウレタンシート(3)は非粘着性としている。指紋採取面(4)を採取対象物(18)に圧着して検出指紋を採取する際には、シート本体(1)の押圧面(5)を採取者が押圧するものとなり、採取者自身の指紋がシート本体(1)に目視できる程度に付着するのを防止することが可能となる。そのため、シート本体(1)を介して検出指紋を撮影する場合に、採取者自身の指紋と検出指紋が重なってしまうおそれもなく、検出指紋の隆線の形状を明確に識別することが可能となる。
また、上記手すり(21)の湾曲部(22)は、図3、図4からも明らかな通り立体的な湾曲形状を有するものであるため、通常このような湾曲形状における指紋採取は、平面状の採取対象物(18)よりも指紋採取面(4)全体を密着させることが難しいものとなる。しかしながら本実施例に於いては上記の如く、シート本体(1)の伸び率が15%であってシート本体(1)が10%以上の高い伸び率を有するものであるから、シート本体(1)を伸張させて、上記湾曲部(22)の大きな湾曲形状に添って指紋採取面(4)全体を容易に密着させることができる。
そのため、検出指紋にズレ、破断、欠落等の不具合が生じるのを抑制することが可能となる。また、上記湾曲部(22)の大きな湾曲形状に合わせてシート本体(1)を適宜伸張させることができるため、上記湾曲部(22)に付着した指紋に指紋採取面(4)を圧着する際の位置決めを容易なものとすることが可能となる。
また、本実施例の検出指紋は、前述の如く、採取対象物(18)である手すり(21)の両端の曲面にて形成された湾曲部(22)の内側と外側に付着したものである。このような場合であっても、上述の如きシート本体(1)の伸張性により、1回の採取作業により採取できる検出指紋の面積を広くすることを可能としているため、ズレ、破断、欠落等の不具合を生じることなく、1回の採取作業ですべての検出指紋を採取することが可能となる。そのため、指紋採取作業の作業効率を高めることが可能となる。
また、本実施例に於いては、シート本体(1)の伸び率が20%を超えないものとしているため、ゲルシート(2)が平面方向に伸張しすぎて、検出指紋の隆線の形状が変形してしまうおそれもなく、検出指紋を明確に認識することが可能となる。
そして、検出指紋を採取した指紋採取面(4)を、検査台紙(6)により再度被覆する。そして、このように検査台紙(6)で指紋採取面(4)を被覆した状態で、シート本体(1)の押圧面(5)側から光を当てて、シート本体(1)の厚みを通じて指紋採取面(4)側にある検出指紋を写真撮影する。
この写真撮影においてはシート本体(1)への検出指紋の転写の後比較的速やかに行われるものとなるが、検出指紋の転写の際に採取対象物(18)の曲面に沿って弾性変形させたシート本体(1)は、検出指紋の撮影時には元の平板状に戻される。そのため、従来より使用されていた20μm以上の厚いウレタンシート(3)を用いた場合には、ウレタンシート(3)を弾性変形前の元の形状に復元させるのに時間がかかるため、写真撮影時にはまだ十分に復元することができず図5に示す如くシート本体(1)の表面にしわが形成されるもの
となる。そのため、写真撮影時にシート本体(1)に光を当てた際には、このしわによって光が乱反射するものとなり、検出指紋の形状をはっきりと写真に記録することが困難なものとなる。
一方、本実施例のウレタンシート(3)は10μmと引用文献1に記載の発明の如き従来のものと比較すると薄く形成されたものであるから、図1に示す如く写真撮影時には弾性変形前の元の形状に復元しているためシート本体(1)にしわが形成されにくい。よって写真撮影時にシート本体(1)に光を当てた場合でもこの光が乱反射することなく、検出指紋の形状をはっきりと写真に記録することができる。
また、本実施例のシート本体(1)は、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率を80%としており、高い透明度を有している。そのため、シート本体(1)を介して検出指紋を撮影する場合に、検出指紋を明確に識別することができる。
1 シート本体
2 ゲルシート
3 ウレタンシート
4 指紋採取面
18 採取対象物

Claims (4)

  1. 一方の面を、曲面にて形成された採取対象物指紋を採取する指紋採取面としたゲルシートと、このゲルシートの他方の面に止着されるとともに厚さが5μm〜20μmの範囲内であるウレタンシートとから成り、前記ゲルシートの指紋採取面を、指紋検出用粉末を付着させて検出した検出指紋に圧着することにより、前記検出指紋をゲルシートの指紋採取面に転写採取可能としたことを特徴とする指紋採取用シート。
  2. ゲルシートは、アスカーC硬度が3〜20度、伸び率が10〜20%、JIS Z 0237で測定した粘着力が0.3N/10mm幅〜4.0N/10mm幅、JIS K 6255で測定した反発弾性率が10%〜40%、厚さが1.5mm〜3.0mm、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%〜100%であることを特徴とする請求項1の指紋採取用シート。
  3. ウレタンシートは、少なくとも表面側に粘着力を有さず、JIS A ゴム硬度が60度〜88度、伸び率が10〜30%としたことを特徴とする請求項1、または2に記載の指紋採取用シート。
  4. 上記ゲルシートとウレタンシートとから成るシート本体は、アスカーC硬度が4度〜30度、伸び率が10〜20%、JIS K 6255で測定した反発弾性率が21%〜49%、光波長350〜900ナノメートルの範囲における光透過率が75%〜100%であることを特徴とする請求項1、2、または3の指紋採取用シート。
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